1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:01:56.60 ID:v7eaZ6Gm0
女の子「るんるるんるーん♪学校早く終わっちゃった」

女の子「あっ今日は母の日、ママにお花を買わなくちゃ」

キキーッ

女の子「あっ、車!」

女の子「きゃあ!」

ドンッ


http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1368356516/

2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:02:53.17 ID:v7eaZ6Gm0


女の子「ん…ここは…?ふかふかのベッドの上…?」

?「気付いたみたいだね」

?「そのようですね」

女の子「あ、どうも…って、ユキメノコとシャンデラが喋ってる!」

ユキメノコ「いや、あんたも似たようなもんだよ。鏡見るかい?」スッ

女の子「わっ…私、ムウマージになってる…!じゃあ、ここはどこなの?
パパとママは?」

シャンデラ「それは…その…」


3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:03:27.57 ID:v7eaZ6Gm0
ユキメノコ「あんたは死んだのさ。ここは天国みたいなもんで、
死んだ人間は姿を変えられてここにやってくるって寸法ね」

ムウマージ「じゃ、じゃあもうパパとママには会えないの?
私はずっとこの姿のまんまなの?」

ユキメノコ「そういうことになるね」

シャンデラ「そ、そんなはっきり言わなくても」

ムウマージ「うっ…うっ…うええええええん!」

4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:04:16.42 ID:v7eaZ6Gm0
シャンデラ「ほら、あなたがひどいこと言うから泣いちゃったじゃないですか」

ユキメノコ「事実じゃないか。まったく、ムウマみたいなムウマージだね」

シャンデラ「まあしばらくそっとしておきましょう。
若くして死んだ苦しみはわたくしどもには分かりませんからね」

ユキメノコ「…ふん」

5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:04:48.79 ID:v7eaZ6Gm0


ドア「ギィィィィ」

シャンデラ「落ち着きましたか?」

ムウマージ「うん…でも私、変なの。自分の名前が思い出せないの」

シャンデラ「それについては後で説明があるでしょう」

ムウマージ「せつめい?」

シャンデラ「ええ。とりあえず、ここから広間へ移動しましょう。立てますか?」

6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:05:20.06 ID:v7eaZ6Gm0
ムウマージ「え?ここから立つの?うんしょ…むり、手がないもの」

シャンデラ「でしょうね。私も手がありませんから、最初は苦労しました。
手伝いましょう…よいしょ」

ムウマージ「ありがとう、シャンデラさん」


8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:16:40.56 ID:v7eaZ6Gm0
シャンデラ「いえいえ、礼には及びませんよ」

ムウマージ「シャンデラさんも昔は人間だったの?」

シャンデラ「ええ、もちろん。
ここにいる住人たちは例外なく、もともと人だったものです。さ、急ぎましょう。
集会の時間が始まりますので」

ムウマージ「しゅうかい?」

9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:17:20.41 ID:v7eaZ6Gm0


シャンデラ「ただ今、参りました」

ムウマージ(すごい…大広間に大きなテーブル…)

ヨノワール「おお、シャンデラ君。そして新たな仲間よ」

ムウマージ「わ、私?」

ムウマージ(よくひびく声だなあ…)

ヨノワール「そうだ。ここにいる全員が君を歓迎している。
今はまだ頭の整理ができていないかもしれんが、徐々に慣れる。
さあそこの空いている席に坐りなさい」

シャンデラ「ささ、私の隣へどうぞ」

10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:18:15.59 ID:v7eaZ6Gm0
ヨノワール「さあ、まずは我々の新たな仲間に乾杯!」

幽霊たち「かんぱーい!」

ジュペッタ「どうした新入り、遠慮せず食べな」

ブルンゲル♀「ここでは欲しいものは何でも手に入るのよ。
食べるものならいくらでも」

ムウマージ「う、うん」

パン
パン


11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:20:15.23 ID:v7eaZ6Gm0
ゴルーグ「む、管理人の手拍子が鳴ったか」

ヨノワール「いや皆さん、特にムウマージ君。食べながらでいいから聞いてくれ。
ここは霊界、簡単に言えば天国の一角。
死んだ人間は幽霊の姿に変わり、ここに送られる。かく言う私も元は人間だ」

12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:22:14.46 ID:v7eaZ6Gm0
ヨノワール「私は生前…死ぬ前は社長をやっていた。
社長と言っても小さな会社だ。
90歳くらいあたり、病院で死んで気が付けばここにいた。
一応ここでは管理人、いわば先生のような役割だが、
別段命令もしなければ宿題も与えない。何か質問はあるかね?」

ムウマージ「えと…私、名前を思い出せないんですけど…」

13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:24:10.97 ID:v7eaZ6Gm0
ヨノワール「いや申し訳ない!忘れていた。
ここでは死ぬ前の名前や親の名前を思い出すことはできないんだ。
見た目通りの名前でお互いを呼び合うことになる」

ムウマージ「でも、どうして?」

14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:24:52.76 ID:v7eaZ6Gm0
ヨノワール「死ぬ前の姿や名前にとらわれて、
お互いが話しにくい雰囲気になるのを避けるためだそうだ。他には?」

ムウマージ「あ、だいじょぶです…」

ヨノワール「いやはや、話が長くなって済まない。
それでは皆、仲良くしてくれたまえよ」

幽霊たち「分かりました」

15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:27:34.34 ID:v7eaZ6Gm0


ムウマージ「これからどうしようかな…」

?「ねえねえ、おねえたん」

ムウマージ「ん?だあれ?」

ムウマ「おねえたんはどっから来たの?」

16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:29:37.39 ID:v7eaZ6Gm0
ムウマージ「わっ、ムウマだあ!かーわいい」スリスリ

ムウマ「えへへー」

ゴルーグ「新入りのようだな。よろしく頼む」

ブルンゲル♀「よろしくねえムウマージちゃん」

ムウマージ「あ、はい。みんなよろしく…お願いします」

17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:32:28.65 ID:v7eaZ6Gm0

シャンデラ「いやあ、打ち解けてくれたようで何よりです」

ムウマージ「シャンデラさん!」

ユキメノコ「思ったより慣れるのが速くて助かったよ。
そこのムウマなんて、来て1週間くらいは泣いてたんだから」

ムウマージ「そうなの?」

ムウマ「おねえたん!」

18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:34:34.57 ID:v7eaZ6Gm0

ムウマージ「私と一緒で、みんな死んでるんだよね…」

シャンデラ「もう何十年も前の話、気にもしておりませんがね」

ムウマージ「ヨノワールさんは社長さんだったよね?じゃあ、みんなは昔なんだったの?」

ユキメノコ「ああ~…ちょっと言いにくいけどねえ」

19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:40:15.87 ID:v7eaZ6Gm0

ゴルーグ「おお、もうこんな時間か。済まないが我々は部屋に戻るぞ」

ブルンゲル♀「私たちもまだまだ話したいとこだけどねえ。ムウマ、戻ってらっしゃい」

ムウマ「ええ~?もうちょっとお姉たんと話したいのに…」

シャンデラ「はいはい、それではまた」

20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:42:19.58 ID:v7eaZ6Gm0
ユキメノコ「さてさて、どこまで話したっけか」

シャンデラ「何も話していませんよ」

ムウマージ「あ、いや、話したくないならいいけど…」

ユキメノコ「いや、そんなことはないけどね」

シャンデラ「致し方ありません。私からお話ししましょう」

22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 21:01:45.48 ID:v7eaZ6Gm0
シャンデラ「私はしがないサラリーマンでしたがね、リストラされましてね。
妻と子に逃げられ、自殺してここにいるわけです」

ムウマージ「ええっ?そんな…」

ユキメノコ「ちょっと、ショック強すぎやしないかい?」

シャンデラ「あなたも話しやすくなったんじゃないですか?」

23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 21:05:22.87 ID:v7eaZ6Gm0
ユキメノコ「ふぅ…あたしゃあ夜の仕事してたのさ」

ムウマージ「よるのおしごと?」

ユキメノコ「まあそこは聞き流していいさ。あたしゃあバカな男に惚れて、
こっぴどくフラれた。そんで自殺。簡単にいやあそういうこった」

ムウマージ「二人とも、自殺なんだ…」

24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 21:08:04.35 ID:v7eaZ6Gm0
ユキメノコ「正直、心が弱かったって後悔してるさ」

シャンデラ「私はむしろ、ここに来れて満足ですがね」

ムウマージ「二人ともいい人なのに…」

ユキメノコ「人間ってな、人によっちゃ残酷なもんさ」

シャンデラ「まあ、あんまり考えなくていいですよ。もう関係のない話ですから」

25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 21:56:34.26 ID:v7eaZ6Gm0

…数日後

ムウマージ「何を書いているの?」

シャンデラ「小説ですよ。ここは暇ですからね。おまけに終わりがなく、無限に時が続きます」

ムウマージ「へえ、見せて見せて!」

シャンデラ「ダメですよ。完成したら皆さんに向けて出版します。
それより生活にも慣れましたか?」

26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 21:58:28.81 ID:v7eaZ6Gm0

ムウマージ「うん!手がなくても、念力でものを動かしたりできるんだね」

シャンデラ「そうです…さ、私と二人でお話してるのもなんでしょう。部屋を出なさいな」

ムウマージ「うん…わかった…」ガチャリ

シャンデラ「はて、どうしたのやら」

33: 遅れましたが1です 2013/06/04(火) 20:20:36.32 ID:IU8+Gf7r0

…大広間

ムウマージ(今の時間は人、というか幽霊さんが全然いない)

ジュペッタ「よう新入り。ゲームとかするタチ?」

ムウマージ「あ、ジュペッタさん。ゲームってなあに?」

ジュペッタ「ここで作られたテレビゲームさ」

ムウマージ「テレビゲームなんてあるの?」

34: 1 2013/06/04(火) 20:23:10.83 ID:IU8+Gf7r0

ブルンゲル♀「当然よ。霊界だもの」

ジュペッタ「こんなものがほしいってヨノワールの社長さんにいえば
次の日にはなんでも持ってきてくれるのさ」

ムウマージ「うわあ、ヨノワールさんってそんなにすごいんだ!」

ブルンゲル♀「正確には彼が凄いんじゃないのよねえ」

ムウマージ「どういうこと?」

35: 1 2013/06/04(火) 20:27:40.75 ID:IU8+Gf7r0

ジュペッタ「俺らも会ったことないけど、霊界にはマンションみたく
部屋があってそのうち一人を管理してんのが社長さん。
つまりここを全部まとめる、社長の上の会長みたいな幽霊さんがいるってことさ」

ムウマージ「ヨノワールさんはその幽霊さんに会ったことあるの?」

ブルンゲル♀「ええ、だからこそここではなんでも願い事が叶うのよ。
人の死も、ここでどの部屋に行くのかも、その幽霊が全て決める」

ムウマージ「へえ…会ってみたいなあ」

40: 1 2013/07/01(月) 18:02:40.82 ID:i6S3rnyr0

ジュペッタ「ほら、そこをこうしてこうするわけよ」

ムウマージ「うんうん、わかってきたよ!」

ブルンゲル♀「まあまだイージーモードだけどね」

ムウマージ「あれ、みんなゲームやるの?」

ブルンゲル♀「ここに来てからが初めてだけど、何分退屈だものね」

41: 1 2013/07/01(月) 18:06:31.48 ID:i6S3rnyr0

ピコピコピコバシューン

ムウマ「あー!おねえたんゲームやってる!ムウマにもやらせてー!」

ゴルーグ「こらこら、お姉さんはゲームを教わってる最中だぞ」

ブルンゲル♀「あらあなた、今来たの」

ムウマージ「あなた?!」

ドカーン

ジュペッタ「あー!目を離すからやられちゃったじゃないか!」

43: 1 2013/07/01(月) 18:12:58.88 ID:i6S3rnyr0

ムウマージ「だ、だって『あなた』って…」

ゴルーグ「ここでは普通のことだ。死語の世界で結婚し、血縁関係のない子供を引き取る」

ジュペッタ「まあここにいる時点でみんな家族みたいなものだけどな」

ブルンゲル♀「六戦連敗中の婚活大好きさんの癖によく言うわね」

ジュペッタ「うるさいな!時は無限に続くんだよ!いつかは結婚相手の一人や二人!」

44: 1 2013/07/01(月) 18:15:52.18 ID:i6S3rnyr0

ムウマージ「結婚かあ…考えたこともなかったけど、ロマンチックだなあ」

ジュペッタ「お、興味があるなら付き合わな…」

ムウマージ「ごめんなさい、まだそういうのは…」

ジュペッタ「ぐぬぬ…」

ゴルーグ「だいたい年の差があり過ぎるだろう」

45: 1 2013/07/01(月) 18:18:42.33 ID:i6S3rnyr0

ムウマージ「そう言えば私と同じくらいの年の幽霊さんはいないの?」

ムウマ「ムウマ、おねえたんとおんなじくらい!」

ブルンゲル♀「冗談よしなさい…残念だけど、今はいないみたい」

ゴルーグ「ここもだいぶ幽霊の数が増えてきたと思うが今のところはね」

ジュペッタ「しかし若いのにここに来るなんて不幸だよなあ、お前もムウマも」

46: 1 2013/07/01(月) 18:21:49.51 ID:i6S3rnyr0

ムウマージ「そんな、私は別に…自殺とか変な死に方したわけじゃないし幸せな方かなって」

ゴルーグ「確かにこのムウマも虐待で死んだみたいだし、シャンデラやユキメノコもなあ…」

ムウマージ「ムウマも…」

ムウマージ(私ってやっぱり幸せな方なんだ)

ブルンゲル♀「でもお父さんとお母さんのところへ帰りたいのは一緒でしょう?」

ムウマージ「…うん」

47: 1 2013/07/01(月) 18:24:04.77 ID:i6S3rnyr0

ブルンゲル♀「どういう死に方が不幸だとか、そんなこと関係ない。
ここにいる幽霊たちはみんな気にしてないしね。だから、自分だけ特別なんて思う必要ないわ」

ムウマージ「あ、ありがとうございます」

パン
パン

ジュペッタ「集会だ」

48: 1 2013/07/01(月) 18:27:06.95 ID:i6S3rnyr0

ヨノワール「やあ皆様、新入りのムウマージ君が来てからだいぶ時間が経った。
ここでの生活は慣れたかね、ムウマージ君」

ムウマージ「はい、それなりには…えへへ」

ヨノワール「そうかそうか。それじゃあ特に訳もないが、乾杯と行こうかあ!」

幽霊たち「かんぱーい!」

49: 1 2013/07/01(月) 18:30:55.40 ID:i6S3rnyr0

シャンデラ「いやはや、他の方々とも打ち解けていただいて何よりです」

ムウマージ「そんなこと…シャンデラさんがいなかったら」

シャンデラ「私は何もしておりませんよ」

ムウマージ(そう言えば、集会の席はシャンデラさんが隣なんだよね)

パン
パン

ヨノワール「諸君、本日はめでたい日だ。十年ぶりくらいに興行をしようと思う」

ジュペッタ「よっ!待ってました!」

50: 1 2013/07/01(月) 18:33:23.00 ID:i6S3rnyr0

ムウマージ「こうぎょう?煙突からもくもく煙が出るアレ?」

シャンデラ「それは工業です。まあ面白いから少し席をずらしましょうか」


ババーン


ユキメノコ「みんな、応援しなよー!」

ワーワー

ゲンガー「メノコちゃん相手でも手加減しないぜぃ」

キャーキャー

ムウマージ「ユキメノコさん?!」

51: 1 2013/07/01(月) 18:37:31.53 ID:i6S3rnyr0

シャンデラ「さあさ、彼女の十八番が始まりますよ」

ワーワー

ゲンガー「シャドーボールでここにいる奴はみんな弱点突けるんだよ!」ズバァ

ユキメノコ「ったく、華がないねえ…吹雪を食らいな!」ビュォオ

ゲンガー「あ…が…」バタンキュー

ヨノワール「勝者、ユキメノコー!」

ウオオオオー

ムウマージ「わあ、すごい…!」

シャンデラ「新入りが来た時の伝統芸です。みんな、あなたの来訪を祝っているのですよ」

52: 1 2013/07/01(月) 18:39:39.67 ID:i6S3rnyr0

ムウマージ「みんな…私を…」

ムウマージ(でも…なぜかな…今はシャンデラさんと二人っきりでいたい)

ムウマージ「結婚…かあ」

シャンデラ「はい?」

ムウマージ「う、ううん!なんでもないの!」グビグビ

シャンデラ「ああー!ワイン飲んじゃダメですよ!未成年飲酒厳禁!」

53: 1 2013/07/01(月) 18:43:30.91 ID:i6S3rnyr0

ムウマージ「でも私ここでは年を取らないし、お酒飲んでも死なないんでしょ?」

シャンデラ「それはそうですがねえ」

ムウマージ(私のこと、ずうっと気遣ってくれてるんだ)

ユキメノコ「あ、二人ともどうだった?あたしの活躍っぷりは」

シャンデラ「いやはやお見事でしたよ、いつもながら」

ムウマージ「え?!あ、うん!凄かったよ!あの吹雪なんか本当に!」

ユキメノコ「…」

54: 1 2013/07/01(月) 18:45:47.76 ID:i6S3rnyr0

―翌日

シャンデラ「いやあ、昨日は凄かったですねえ」

ムウマージ「すっごく感動しちゃった!また見たいなあ!」

シャンデラ「ここでは何をやるにもお金が要らないですから臨めばいつでもやれますよ。
まあ準備が聊か必要ではありますがね」

ムウマージ「あ、そうだ。シャンデラさん」

シャンデラ「なんでしょう?」

55: 1 2013/07/01(月) 18:48:45.23 ID:i6S3rnyr0

ムウマージ「ユキメノコさんは結婚してないよね?」

シャンデラ「まあ彼女は強もそうしてるように人の部屋に出歩くのは好きですが、
恋愛自体にはもううんざりしてますからね。諦め、とでも言うんでしょうか」

ムウマージ「シャンデラさんは結婚しないの?」

シャンデラ「私は…死んだとき年でしたし前世で妻もいましたからね」

ムウマージ「でも…!」

シャンデラ「いいんですよ、私は」

56: 1 2013/07/01(月) 18:51:45.71 ID:i6S3rnyr0

シャンデラ「それよりどうしてこんな話を突然?」

ムウマージ「それは…その…」

シャンデラ「…」

ムウマージ「私は、シャンデラさんを!」

バタン

ユキメノコ「ムウマージ、あんたに来てくれってヨノワールからのお話だ」

ムウマージ「え?!私が?!」

ムウマージ(もう、いいとこだったのに)

57: 1 2013/07/01(月) 18:54:14.11 ID:i6S3rnyr0

ヨノワール「おお、済まない。わざわざ呼び出して」

ムウマージ「ええっと?」

ヨノワール「少し、ついてきてくれ。他の住人達には見せられない場所へ行く」

ムウマージ「ど、どういうこと?!」

ヨノワール「聞いてなかったかな。『私より上』からお達しがあった」

58: 1 2013/07/01(月) 18:56:31.43 ID:i6S3rnyr0

ムウマージ「え?!」

ムウマージ(それって前にブルンゲルさんたちが言ってた…!)

ヨノワール「心当たりがあるようだな。説明の手間が省けるというものだ。
さあ、掴まってくれ」

フヨフヨフヨ

ムウマージ「すごい…宇宙みたい」

ヨノワール「私だけは見慣れた風景だがね」

???「…来たか」


59: 1 2013/07/01(月) 18:58:24.56 ID:i6S3rnyr0

ヨノワール「はい、こちらにおります彼女が」

???「紹介せずとも良い。しかし、こんなことは百年ぶりかもしれん」

ムウマージ「あ、あなたは…!」

60: 1 2013/07/01(月) 19:01:20.58 ID:i6S3rnyr0

ムウマージ「ギラティナ?!…さん」

ギラティナ「そう硬くならずとも良い。いかにも、私が霊界の統治者」

ヨノワール「ギラティナ様、して本題を」

ギラティナ「そう急くな。こちらも責任を感じているのだ」

ムウマージ「え?え?何が何やら」

ギラティナ「ムウマージ、単刀直入に聞こう。元の世界に帰りたいか?」

61: 1 2013/07/01(月) 19:05:26.02 ID:i6S3rnyr0

ムウマージ「え?!帰れるの?!」

ギラティナ「ああ。君はてっきり交通事故で死んだと思っていたが
どうやら幽体離脱が働いて魂だけが霊界に来てしまったのだ。
人間の時の君の身体はまだ心臓がぎりぎり動いた状態で病院に寝ている」

ムウマージ「それじゃあ、パパやママにも…!」

ギラティナ「会えるだろうな。その代わり、もう一度死ぬまでここには帰ってこれない。
ここにいた記憶も元の世界に戻ればなくなってしまう」

ムウマージ(え…?)

62: 1 2013/07/01(月) 19:07:54.12 ID:i6S3rnyr0

ムウマージ(ユキメノコさん、ジュペッタさん、ゴルーグさん、ムウマ、ブルンゲルさん、ヨノワールさん)

ムウマージ(そして…シャンデラさん。みんなの記憶も無くなっちゃうんだ)

ギラティナ「こうなったのには私にも非がある。だが、最後の決断はそちらに委ねたい」

ムウマージ「私は…」

ヨノワール「ムウマージ君…」

63: 1 2013/07/01(月) 19:16:40.11 ID:i6S3rnyr0

ムウマージ「パパとママに会いたいです…!」

ギラティナ「では…!」

ムウマージ「待ってください!最後に会わせてほしい幽霊さんがいるんです!」

ギラティナ「ふむ…」

64: 1 2013/07/01(月) 19:19:23.39 ID:i6S3rnyr0

???「こ、これはギラティナ様?!いやはや…」

ムウマージ「シャンデラさん!」

シャンデラ「これは…いや、なんとなく予感はしていました。帰るんですね。元の世界へ」

ムウマージ「うん、シャンデラさん…」

ムウマージ「あの時言えなかったこと、今、言うね」

65: 1 2013/07/01(月) 19:22:41.14 ID:i6S3rnyr0

シャンデラ「…ダメです」

ムウマージ「え?」

シャンデラ「あなたは必ずまたここに来ます。
その続きは、その時にとっておいてください。
それが近い将来の話でないことを、私は願っています」

ムウマージ「でも…」

シャンデラ「さあ、行きなさい。あなたの本当の家族が待っています」

ムウマージ「シャンデラさん…シャンデラさーん!」

66: 1 2013/07/01(月) 19:25:44.79 ID:i6S3rnyr0

―元の世界

ピ…ピ…

女の子「あれ、私?」

母親「あ、あああああ…」ギュッ

女の子「ママ?」

母親「もう…ダメかと思った…信じてよかった…心配したのよ…」

女の子「私も…よく分かんないけど…ずぅっと長い間遠くに言っちゃってた気がする…
ママにもう一度会えて…よかったよぅ…」グズグズ

67: 1 2013/07/01(月) 19:30:06.49 ID:i6S3rnyr0

―霊界

ユキメノコ「それで良かったのかい?
引き止めりゃここに残ってあんたと結婚してたかもよ、彼女」

シャンデラ「私なんて年上過ぎて釣り合いませんよ。
何より、彼女の幸せが一番です」

ユキメノコ「不器用だねえ。次会う時にはあんたの顔なんか覚えてないだろうし、
ずっと大人になってるんじゃないの?」

シャンデラ「その方が彼女のためですよ。それに、不器用なのはお互い様です」

ユキメノコ「丁寧語で毒吐いちゃってまあ…あれ、完成したのかい小説」

68: 1 2013/07/01(月) 19:30:59.24 ID:i6S3rnyr0

―霊界

ユキメノコ「それで良かったのかい?
引き止めりゃここに残ってあんたと結婚してたかもよ、彼女」

シャンデラ「私なんて年上過ぎて釣り合いませんよ。
何より、彼女の幸せが一番です」

ユキメノコ「不器用だねえ。次会う時にはあんたの顔なんか覚えてないだろうし、
ずっと大人になってるんじゃないの?」

シャンデラ「その方が彼女のためですよ。それに、不器用なのはお互い様です」

ユキメノコ「丁寧語で毒吐いちゃってまあ…あれ、完成したのかい小説」

69: 1(68は連投ミスです) 2013/07/01(月) 19:34:40.50 ID:i6S3rnyr0

シャンデラ「ええ、だいぶ上手く仕上がったつもりですよ」

ユキメノコ「珍しく自信があるじゃないの。見せなよ」

シャンデラ「ダメですよ。いずれすぐに出版するんですから、それまで待っててくださいな」

シャンデラ(わけあって霊界に迷い込んだ、ある少女の話を)

おしまい

70: 1 2013/07/01(月) 19:35:13.57 ID:i6S3rnyr0
以上です
途中お待たせして申し訳ありませんでした

71: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 22:14:33.47 ID:Ca+kn2/l0
乙、かなりいい作品でした

72: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/02(火) 12:46:26.37 ID:oTfRDwSVo
おつ
一気に読んだけどよかった
優しいお話でほっこりしたわ

引用元: 女の子「目が覚めたらムウマージになってた」