1: 2012/12/13(木) 06:10:57.25 ID:UUN/6n9h0
男「ぼっちになってしまった……」

2: 2012/12/13(木) 06:11:55.06 ID:UUN/6n9h0
大学

周囲「ガヤガヤガヤwwww」



五浪「…………」

五浪「…………」

五浪「…………」

五浪「(講義が始まるまでのこの時間が辛い)」

3: 2012/12/13(木) 06:12:52.30 ID:UUN/6n9h0
周囲「ガヤガヤガヤwwww」

五浪「(入学してからまだ二週間しか経っていないのに、もうグループができている)

五浪「(………………)」

五浪「(この疎外感。……堪らない)」




五浪「(何がいけなかったのだろう……)」

考えてみる。

原因はひとつしか思い当たらなかった。


五浪「(話しかけなかったもんなぁ……、誰にも……)」

消極性のせいだ。

4: 2012/12/13(木) 06:14:06.76 ID:UUN/6n9h0
俺は五浪だ。

名前が五郎じゃない。五浪なだけだ。

大学受験に失敗した人を「浪人」と呼ぶけど、それの五倍ほど凄い版だと考えてくれればだいたいそれで合ってる。

ちなみに、どれくらい凄いのかを簡単に説明すると

まず、周りの奴らと五歳年齢が違う。

5: 2012/12/13(木) 06:14:34.38 ID:UUN/6n9h0
つまり、俺と同い年の奴が現役で大学に入っていた場合、そいつはその大学を卒業して

さらにもう一度その大学に入りなおして、さらにさらに、進級して二年になって入ってくる後輩がようやく俺ってわけだ。

ピチピチの後輩どころじゃない。むしろシケシケ。

今一番シケてる男。そんなシケ男が俺。

どれだけ凄いかわかってくれただろうか。

これでわからないようなら馬鹿の烙印を押されてしまうぞ。

俺だった。

7: 2012/12/13(木) 06:18:10.98 ID:UUN/6n9h0
五浪「………………」

五浪「(しかし、あれだな……)」

五浪「(よく、周りを観察してみると、まだグループに属してないような人もちょっとは居るみたいだ)」

五浪「(………………)」

五浪「(話しかけたら、友達になれるだろうか)」

五浪「(………………)」

五浪「(………………)」

五浪「(………………)」ペラッ


考えるだけ考えて、実行しない男。

俺です。

11: 2012/12/13(木) 06:20:57.78 ID:UUN/6n9h0
講義「英語Ⅰ」


教授「……であるからして、この文は倒置が起きているわけで」

五浪「…………」カキカキ

五浪「(しかし、講義中は楽だ)」

五浪「(周りもうるさくないし、ぼっちでも疎外感を感じなくて済む)」

五浪「(私語厳禁が素晴らしい。いや本当に。)」

五浪「(もう大学構内ごと私語厳禁にすればいいのに)」

12: 2012/12/13(木) 06:23:08.87 ID:UUN/6n9h0
教授「……つまり、ONLYなどが先頭に着た場合は」

五浪「(いっその事、友達禁止というのはどうだろうか)」

五浪「(あ、でも友達とただの知り合いの区別はどうやってつければいいんだ?)」

教授「……では、三人一組になってディスカッションをしてみてください」

五浪「(生徒は顔面マスク着用を義務付けして、アイデンティティーを無くせば誰が誰だかわから)」

五浪「(………………)」

五浪「な、なんだって……?」

13: 2012/12/13(木) 06:25:05.37 ID:OKjdDpK80
ワロタ
自主退学ルート期待

14: 2012/12/13(木) 06:25:39.81 ID:UUN/6n9h0
困った。

いや、実に困った。

これほど困ったのは三浪目のセンター試験時に腹を壊した時並だ。

嘘だ。

あれ以上困ったのは、人生規模で考えても俺の中に1つしか存在しない。

四浪目のセンター時に糞漏らしたときだけだ。

センターの時に腹壊し過ぎだろ。

15: 2012/12/13(木) 06:26:43.87 ID:UUN/6n9h0
そんなことはどうでもいい。

問題は今。ナウ。

そう事件が起きてしまった。

ぼっちにとって最もつらい状況。

「スリーマンセル」

俗に言う三人一組。

19: 2012/12/13(木) 06:30:29.56 ID:UUN/6n9h0
五浪「(つーかさぁ、生徒の自主性に任せるっていうのもどうよ)」

五浪「(聞こえはいいかもしれないけど、それって要は丸投げってことだろ?)」

五浪「(名前順とか、座ってる順とか適当に決めればいいのに、なんで誰でも自由なんて言っちゃうの?)」

あーあ、ほらほら。

現在進行形で三人組ができてきた。

3人一組ング。

あっちも三人。こっちも三人。

俺一人。


笑えない。

21: 2012/12/13(木) 06:31:24.22 ID:UUN/6n9h0
五浪「(俺が三人いれば、それで三人組できるのになぁ)」


とか考えてみる。


実際は一人組が3つできるだけだった。

それ組じゃなくね?

26: 2012/12/13(木) 06:34:53.10 ID:UUN/6n9h0
教授「みなさん組めましたでしょうか?」

五浪「(うるせーばか!組めてねぇよ!)」


ゴミクズ教授に心の中で罵倒しまくる俺。

周りを見てみると、「はーい」とか言っちゃってんの。

なにここ。小学校?

馬鹿かよ。こいつら。

そんなに仲良しこよしがしたいなら、12年前からやり直して来いよ。

俺の場合は17年前だけどな。

だから笑えない。

35: 2012/12/13(木) 06:41:43.11 ID:UUN/6n9h0
教授「それでは、組めた人はシットゥダウン(流暢)して、余ってしまった人はスタンダッフ(流暢)してください」


え、ちょっと待って。

なにその羞恥プレイ。

組めなかった事を周りにアピールしてんじゃん。

周りを見てみると、「はーい」とか言って座ってんの。

何なのお前ら。イクラちゃんなの?

ていうか、ほとんど座ってるし。

38: 2012/12/13(木) 06:48:01.40 ID:UUN/6n9h0
五浪「(ど、どうすればいいんだ……)」


うろたえる俺。

客観的に見るとかなり情けない様子だっただろう。

主観的にもそう感じるから間違いないはず。


まぁどうしようもないので、そのまま立ったままでいると、

俺以外にも組めてない人が二人ほど居た。


そいつらもオロオロしてた。




うん。

やっぱりさっき感じたのは間違いじゃなかったみたいだ。

40: 2012/12/13(木) 06:55:32.99 ID:UUN/6n9h0
教授「お、ちょうど余ったのは3人ですね」

余り物みたいに言うな。

給食の牛乳かよ。俺は。


そう思いながら、立っている他二人を見てみた。

そこには、

中肉中背っぽい眼鏡の男と。

ダボッダボの白のパーカーと、デニムを履いた女が居た。


向こうも自分以外に余った人間が気になったのだろうか。

俺と目が合う。

二人ともに。

44: 2012/12/13(木) 07:03:55.82 ID:UUN/6n9h0
「そこの3人で組になってください」


という教授の一言で、俺たちの組が決まった。


まぁなんだ。

英語Ⅰの組というべきか。

このクラスの組というか。

これからずっとつるんでいく組っていうか。

とにかく。

切っても千切っても、何をしようとも無くならない。

縁ってやつが、この時生まれたのさ。


まぁ痛んではいるけどな。


うまくねぇか。

46: 2012/12/13(木) 07:06:16.83 ID:UUN/6n9h0
教授「席移動は終わったでしょうか?」

ちなみに、これから私の授業ではその3人でずっと作業をしてもらいます。

と、教授。

そりゃないぜ。



ふと、周りを見てみると、露骨に喜んでるグループとそうじゃないグループがあった。

もちろんそうじゃないグループは俺たち。

48: 2012/12/13(木) 07:09:07.40 ID:UUN/6n9h0
この後、教授から話があった。

曰く、これからの授業は、3人が全員そろっていないと出席を取らない。

曰く、テストの点も3人の合計点数を加味する。

曰く、これらの制度は自分が考えたもの。


とのことだ。


ねぇ馬鹿なの?教授。

49: 2012/12/13(木) 07:13:53.81 ID:UUN/6n9h0
意味がわからねぇよ。

何で俺の出席が、ほかの二人に関係してるんだよ。

ていうかテストの点も全部ごちゃまぜってどういうこと?

馬鹿と組んだら終わりってこと?

すべてが意味不明。



教授「みなさん。今はまだこの制度に納得がいかないと思います」

全員「「「(あたり前ぇだ!!)」」」


初めてこのクラスと心を通わすことができたと思った。

50: 2012/12/13(木) 07:14:59.61 ID:UUN/6n9h0
教授「不満を感じて当然です。自分の出席が他人に影響する」

教授「それどころか、授業の評価はもちろんテストの点まで他人と共同にされてしまう」

教授「みなさんは、この講義を受けて今非常に後悔しているかもしれません」

クラス「………………」

教授「ですが、私は自信を持って言えます」

教授「1年後。この教室で。同じ事を私が言ったときに」

教授「みなさんは、今とは違う気持ちを抱いているはずです」

教授「その気持ちが何なのかは、今言及しません」

教授「しかし、その時抱いている気持ちが、過去の先輩たちと同じ気持ちだったとしたら」

教授「それ以上嬉しいことは、私にはないです」


では、これからの授業ですが。

と、教授。


うっかり感動しそうになったのは秘密である。

ちょろすぎる。

52: 2012/12/13(木) 07:18:59.13 ID:UUN/6n9h0
教授「今日は、組になって初めての顔合わせということで、自己紹介から始めてもらいたいと思います」

それでは、自由に始めてください。


と、教授。


あなたはわかっていない。

この教室に存在している組には二種類あることを。

53: 2012/12/13(木) 07:19:46.08 ID:UUN/6n9h0
αパターン

男1「えぇーーとwww男でーすww一応初めましてwww」

女1「えぇーーww知ってるしーーwwいまさらww」

男2「じゃあ僕も初めましてーww」




βパターン

俺「………………………………」

眼鏡「……………………………」

ダボダボ「………………………」


β→俺たち

α→それ以外


いや、マジでどうすりゃいいの?

54: 2012/12/13(木) 07:23:38.74 ID:UUN/6n9h0
考え込んでると、眼鏡が何やらもぞもぞしてるし。

控え目に見ても気持ち悪い。

何?この人。

変質者を見る目で眺めてると

眼鏡「……あの。…………とりあえず自己紹介…………しませんか?」

と言い出した。

56: 2012/12/13(木) 07:26:38.66 ID:UUN/6n9h0
ナイス眼鏡!よくやった!

きもいけど。


ダボダボ「……そ、そうですね……しましょう…………か?」

俺「……い、いいですね。…………じゃあ誰からします……?」

内面と外面が一致しない男。

俺だ。

58: 2012/12/13(木) 07:30:46.37 ID:UUN/6n9h0
眼鏡「そ、それじゃあ言いだしっぺの俺から……、えと○○って言います。よろしくお願いします」

ふむ。○○さん、と。

なんだろうな。この人は。

特徴が無い。ってわけでもないんだけど、強いてあげるほどのこともない。

無難な人って感じだ。体型も服装も言動も。



ダボダボ「えと、じゃあ私も……。△△って言います。お願いします」

この子はこの子で、逆に特徴が多い。

まず身長。

女性としても、小柄の部類に入るだろうな。だいたい140から150ってところか。

幅広いな。10センチて。

そのせいか、普通のサイズであろうパーカーがダボダボになってる。

髪型は若干長め、顔はなんというか、整っていてかわいい系に入るのだろう。

が、好みじゃない。

で、声が高い。そんな感じ。

59: 2012/12/13(木) 07:30:58.60 ID:qv7qiKFj0
だぼだぼかわいい

62: 2012/12/13(木) 07:34:29.18 ID:UUN/6n9h0
ていうか、この二人見てて違和感を覚える。

さっきからずっと感じてる。

それが何なのかはわからないけど。

まぁどうでもいいか。


と、

五浪「最後は俺ですね……。※※って言います。若干老け顔です。よろしく」


自己紹介の時に、キッチリ予防線を張れる男。


まさしく地雷回避家としての面目躍如。

言われたことないけど。

63: 2012/12/13(木) 07:35:34.31 ID:UUN/6n9h0
ダボダボ「え……?老けてますか?」

眼鏡「そうでもないと……思いますけど」

五浪「え……?そ、そうですか?」


い、いかん!

これは危険な流れだ。

地雷を回避したと思ったら地雷を設置していたでござる。


なんとかこの話を変えなければ、取り返しがつかないことになるぞ!


ダボダボ「あの、失礼なんですけど、もしかして浪人……とかしてたりします……?」

ドカーン!


地雷を設置して、踏む男。


俺(地雷回避家)。

65: 2012/12/13(木) 07:39:53.64 ID:UUN/6n9h0
五浪「え、えと…………はい。……してます……」


ていうかさ。

初対面の相手に浪人してるかどうか普通聞くか?

これ相当失礼だぜ?

例えるなら、いきなり面と向かって

「あなた整形してますか?」って聞いてんのと一緒だよ?

しかも俺の場合5浪だから、5回整形してんだよ?


目、鼻、頬、顎、口。

もはや全とっかえである。

67: 2012/12/13(木) 07:48:20.23 ID:UUN/6n9h0
ダボダボ「ご、ごめんなさい!失礼でしたか!?」

俺「い、いえ……別に気にしてないんで」

そう。俺は心が広いのだ。

だからこんな些細なことで、気にしたりはしないのだ。



ダボダボ「よ、よかった。………………あの、……ちなみに何浪ですか……?」


学習しろよ!

二行前に謝罪してるだろ!そういう事聞くなよ!

68: 2012/12/13(木) 07:51:23.39 ID:UUN/6n9h0
俺が複雑そうな顔を浮かべてると、何かを感じ取ったのか。

ダボダボ「ち、違うんです!あ、あたしもなんです!」

とか言い出した。



俺「……え?」

ダボダボ「わ、私も浪人してここに入ったんです……。」


ま、マジかよ。

まさか、俺以外にもこの世界に浪人が居たとはな。

などと中二病をやってる暇はない。



俺「…………えと、…………ちなみに……何浪……?」

ダボダボ「……さ、…………三浪…………ですけど……」

69: 2012/12/13(木) 07:52:25.33 ID:UUN/6n9h0
俺が衝撃を受けていると、隣の眼鏡がガタッと席を立った。

眼鏡「お、俺も!浪人です!…………よ、四浪ですけど……」

ダボダボ「うそっ!?すごい!私より上が居た!」

あまりの展開に空いた口が塞がらないでいると、ダボダボがまた余計なこと言っていた。

こいつさっきから余計なことしかいわねぇな。




そんな二人を見ていて、ふと気付いた。

二人に違和感を覚えた理由。

単純だった。

二人とも、周りの学生に見られるようなガキ臭さがしなかったんだ。

言うなら同世代の空気を無意識に感じていたんだろう。

70: 2012/12/13(木) 07:55:20.58 ID:UUN/6n9h0
そんなことを考えていたら、眼鏡とダボダボから見られていた。

ダボダボ「………………」

眼鏡「……………………」

五浪「え、えっと…………はい。……俺もまぁ……多浪って奴です……」

ダボダボ「………………」ワクワク

眼鏡「……………………」ワクワク


あぁもうワクワクしてるのが見えるんだよ。

期待されてるのが丸わかりなんだよ。

あぁ恥ずかしい!

71: 2012/12/13(木) 07:57:47.55 ID:UUN/6n9h0
でも


五浪「…………ちなみに…………五浪です…………」

ダボダボ「……………………」

眼鏡「…………………………」

ダボダボ「…………す、…………」

眼鏡「…………す、………………」

ダボダボ&眼鏡「「すっげぇーーー!!」」



ダボダボ「やったーー!!すごい!3,4,5だ!」

眼鏡「まじかよwwすごいな!俺、絶対一人だけ浮くと思ってたのに!」

ダボダボ「すごいすごい!長老レベルだよ!五浪って!」


こんな空気でカミングアウトできるなら。

やっぱりそれは、幸せなことなんだろうな。

73: 2012/12/13(木) 08:00:13.12 ID:vRosH52R0
ワロタ

74: 2012/12/13(木) 08:00:17.82 ID:Iv3B0xUb0
なんか泣けてきた

78: 2012/12/13(木) 08:06:59.99 ID:UUN/6n9h0
ダボダボ「いやぁ、でもよかったなぁ。わたし絶対浮くと思ってたから……」

眼鏡「俺もそう思ってた……、ました?……あれ?タメ口大丈夫?……っすか?」

五浪「あ、俺はぜんっぜん気にしないから、タメ口でも全然大丈夫」

ダボダボ「あ、そっか。わたしが最年少ってことになるんだ……。ふふっ……なんかすんごい不思議」

眼鏡「俺もだよ。入学して周り見ても、やっぱり圧倒的に年下だからさ、気後れしちゃって」

ダボダボ「あ、わたしも!もう話しかけていいのかわからなくて、気づいたらあぶれちゃってた!」

五浪「俺も全く一緒だ……。やっぱりみんな同じような結末をたどるんだなぁ……」

ダボダボ「でもよかったぁ……さっきまで何でこの講義取っちゃったんだろう、って思ってたのに一気に気が楽になったよ」

眼鏡「俺も俺も。ていうかさっきから同意しかしてねぇな。俺たち」


あははっ!と笑っていると

教授がプリントを一枚、俺たちの机に置いて行った。

88: 2012/12/13(木) 08:17:06.17 ID:UUN/6n9h0
教授「さて、みなさん。手元のプリントを見てください」

見てみると、そこには三人分の名前を書く欄と

その横にニックネームと記された欄があった。


教授「これからみなさんには、同じ組になった人にニックネームをつけてもらいます」

教授「同時に、三人のうちから一人代表者を選んでください」

教授「代表者には、雑務が待っている代わりに、特典もいくつかあります」

教授「それでは、今から三〇分間時間を与えますので、取りかかってください」

92: 2012/12/13(木) 08:20:53.49 ID:UUN/6n9h0
五浪「………………」

ダボダボ「………………」

眼鏡「………………」

プリントを眺める俺ら。

ていうかいきなり黙んなや。さっきまでのテンションどこ行ったんだよ。

94: 2012/12/13(木) 08:23:43.46 ID:UUN/6n9h0
と、言いつつ俺もしんみりと考える。

五浪「ニックネームかぁ…………懐かしいなぁ……もう五年以上前かよ」

ダボダボ「私も高校時代思い出してたぁ……、懐かしいなぁ……」

眼鏡「俺も俺も」


ってもう、あるあるネタは飽きている。

97: 2012/12/13(木) 08:29:45.12 ID:UUN/6n9h0
五浪「……で、どうする?」

眼鏡「どうする……とは?」

五浪「あだ名だよ。自分で決めるか?それとも」

眼鏡「いや、やっぱり他人が決めるのが一番でしょ!」

ダボダボ「だしょ!やっぱり人に決めてもらったあだ名が一番だよ!」

五浪「まぁどっちでもいいんだけど、……じゃあどうする?時間取って、それぞれが他二人のあだ名を考える?」

ダボダボ「いいね!じゃあ三十分後に発表するってのはどう?」

眼鏡「却下」

ダボダボ「な、なんで!?」


アホか。プリント回収されてるわ。

98: 2012/12/13(木) 08:33:38.16 ID:UUN/6n9h0
ダボダボ「じゃ、じゃあ一五分!これ以上譲れない!」

眼鏡「五分で決めない?で、残りの時間で代表者」

五浪「いいんじゃない?じゃあそれで」

ダボダボ「ちょ、ちょっと!」

時間は有限である。

アホに構ってる暇はないのです。

99: 2012/12/13(木) 08:34:32.36 ID:UUN/6n9h0
五分後

五浪「よし。決まった?」

眼鏡「一応決まったよ。そっちは?」

ダボダボ「あたし、まだ…………あ、もうちょっと!もうちょっとなんだけど!」


何で、ただあだ名を決めるのにもう少しとか有るんだ。



眼鏡「じゃあ先に俺たちが発表してるってのはどう?」

五浪「いいんじゃないか?俺から言う?」

眼鏡「じゃあよろしく」

102: 2012/12/13(木) 08:37:53.87 ID:UUN/6n9h0
俺発表


○○→眼鏡くん

△△→だぼちゃん



五浪「どう?」



眼鏡「却下」
ダボダボ「却下」

え?なんで?

104: 忍法鮎【Lv=2,xxxP】 2012/12/13(木) 08:41:20.36 ID:elWal1W00
吾郎
士郎
弎郎
だよな

105: 2012/12/13(木) 08:41:57.43 ID:UUN/6n9h0
眼鏡「眼鏡くんってあだ名が許されるのは小学生までだろ……。普通に考えて……」

ダボダボ「というよりわたしのだぼちゃんって何……?え、ダボ……?どういう意味??」

五浪「服がダボダボしてるからダボちゃんって意味だよ^^」

ダボダボ「嫌だから!たまたま着てた服であだ名とか嫌だから!」

ふむ。まぁ確かに一理ある。



眼鏡「俺も同意見だよ。たまたま付けてた眼鏡であだ名は困るわ」

おめーのはたまたまじゃねぇだろ。糞眼鏡。

眼鏡「あ、ちなみにこれ伊達ね」

伊達でした。

アイデンティティーが既に崩壊している件について。

107: 2012/12/13(木) 08:47:47.78 ID:UUN/6n9h0
眼鏡「じゃあ次は俺な」

五浪「…………はい。どうぞ」


人のあだ名を馬鹿にしたんだ。

お前はそれなりのをもちろん用意してるんだろうな!?

あんっ!?クソ眼鏡!




眼鏡発表


※※→長老

△△→だぼちゃん



ダボダボ「何でまた、だぼちゃんなの!?」

五浪「お前も同レベルじゃねぇか!」バンッ

眼鏡「…………いや、……だって、…………だぼだぼしてるんだもん……」

同レベルでした。

111: 2012/12/13(木) 08:52:38.04 ID:UUN/6n9h0
五浪「ていうか……俺の長老って何よ……?」

眼鏡「いや、もう俺の中ではそれしか出てこなかった……」

五浪「まぁ確かに一番年食ってるけどさ……、ひとつ違いだぜ?俺と君。」

眼鏡「いや、大きな違いだよ。五浪は」

五浪「四浪が言うなや……」



ダボダボ「よし決まった!!」

と、ダボダボが大声をあげた。

114: 2012/12/13(木) 08:57:22.52 ID:UUN/6n9h0
五浪「ていうか遅いな。まぁいいや、それじゃ発表よろしく」

眼鏡「あ、もう眼鏡くんとか天丼ネタはこりごりなんで」

五浪「だからお前が言うなよ……」


まぁ確かに天丼ネタを天丼されるとすこし微妙だ。

どんぶりがダブってしまったな。

というレベルではない。

ダボダボ「もうくだらないことはいいから!」

115: 2012/12/13(木) 08:58:00.16 ID:UUN/6n9h0
ダボダボ発表



※※→ゴローくん

○○→ヨン様




五浪&眼鏡「「うわぁ…………」」

ダボダボ「な、なんで!?」

117: 2012/12/13(木) 08:59:17.83 ID:1goe5uDn0
ダボちゃんセンス古い

118: 2012/12/13(木) 09:01:00.79 ID:UUN/6n9h0
五浪「なんていうか、理由を聞くのすら面倒なんだけど……」

眼鏡「ていうか、わかるしなぁ……」

ダボダボ「えっ!?えっ!?聞いてよ!すっごい上手く出来てるんだから!」

眼鏡「どうせあれだろ……。四浪だからヨン様だろ……」

ダボダボ「あ、……正解……」

五浪「というより俺の場合、そのまんま五浪だしな」

ダボダボ「だめ…………かな?」

駄目に決まっている。

そもそもそれがまかり通るならお前のあだ名は何になるんだ。

120: 2012/12/13(木) 09:03:28.78 ID:UUN/6n9h0
ダボダボ「え?…………うーん、…………サンちゃん…………?……とかかなぁ」

五浪「ダサすぎだろ」

眼鏡「それだったら、三をミって捉えてミキとかミヨとかどう?」

ダボダボ「あっ!それいい!いただき!!」

勝手に食ってろ。

121: 2012/12/13(木) 09:03:51.82 ID:UUN/6n9h0
五浪「ていうか、ミヨだったら、四も入ってねぇ?」

眼鏡「あ、そっか。紛らわしいな。俺とかぶるし」

ダボダボ「紛らわしくないよ!ミヨってなんかかわいいし!」

五浪「ミミでよくね?ミミちゃん」

眼鏡「あ、それだったら紛らわしくないわ。ちゃんと一発で三浪ってわかる」

ダボダボ「わかるわけないでしょ!全国のミミちゃんに謝ってよ!」

ちなみにミミだと三十三浪と間違われる危険性も無きにしもあらず。

面倒くさくなるのは分かっているのでこれ以上は言わない。

124: 2012/12/13(木) 09:11:29.43 ID:UUN/6n9h0
眼鏡「ていうか既に十五分経ってるんだけど……」

五浪「うそっ!?全然気付かなかった……」

ダボダボ「じゃあしょうがないからあだ名は私ので良い?」

よくねぇよ。

五浪「え?何でさりげなく自分のを採用してるの?」

ダボダボ「だって、これ以外ってなると、私、無条件でだぼちゃんだもん」

眼鏡「もう正直どれでも良いって感じだわぁ」

ダボダボ「決まり!じゃあパパッと書いちゃうね!」

五浪「…………まぁ、いいか。」

どうせ、他は長老とかだし。



決定

○○→ゴローくん

△△→ヨンさま

※※→ミミちゃん

127: 2012/12/13(木) 09:22:01.84 ID:UUN/6n9h0
五浪「さて、次は代表者か」

ダボダボ「これはもう……」

眼鏡「……なぁ?」

ミミとヨンがアイコンタクトで何かを伝えあう。

なんかこれ外国人の名前みたいだな。

やっぱりダボダボの方がいいと思うのだが。

128: 2012/12/13(木) 09:26:18.62 ID:UUN/6n9h0
ダボダボ「やっぱり代表者は長老であるゴローくんがやるべきだと私は思います」

眼鏡「俺もそう思います」

五浪「いや。それはおかしい」

ちょっと待ってみようか。


ダボダボ「でもほら、最年長だし」

眼鏡「責任感強そうだし」

五浪「まだ出会って二十分ちょいだろ……」

ていうかさっきから長老とか最年長とか。

ちょっとは傷つくんだから。

控えろよ。そこんところ。

131: 2012/12/13(木) 09:36:01.20 ID:UUN/6n9h0
結局。

なし崩し的に俺が代表者になり

そのままその講義は終了となった。

ちなみに、代表者の特典の説明一切なし。

予想通りです。

132: 2012/12/13(木) 09:36:59.60 ID:UUN/6n9h0
そして俺たちはというと。

三人が三人ともに、その日最後の授業がさっきの英語だったんで

そのままマックへとやってきた。


ようやくできた友達なんだ。

あの英語の授業だけで終わらすのはもったいない。

そう思ったのは俺だけじゃないはず。



眼鏡「……ていうかさ、いい加減予備校きまずくなかった?」

ダボダボ「わかるわかる!すっごいきまずいんだよね!周りが全員年下だから!」

五浪「俺も二浪までは金払って予備校行ってたけど、三浪目からは自習室だけ利用してたわ」

眼鏡「俺もだ!!あの解放してある自習室だろ!?」

ダボダボ「あたしもあたしも!で、たまに抜き打ちチェック入るんだよね!」

五浪「そうそう!予備校生徒以外が無断で使うからってな!」

133: 2012/12/13(木) 09:45:34.82 ID:UUN/6n9h0
眼鏡「で、売店とか食堂とかのおばちゃんに顔覚えられてんじゃないかって心配だったり」

五浪「あるあるすぎるんだけど!なに?お前俺なの?」

ダボダボ「参考書のコーナーにさ、○○大学に受かった人の伝記とかなかった??」

眼鏡「あぁーあれなぁ。あれ見て俺も東大行けるんじゃねぇの?とか思ってたわぁ」

五浪「俺、あの類読み過ぎて、四浪目辺りから見る物なくなってたわ」

ダボダボ「あたしもあの類ずっと読んでたなぁ……なんか面白いよね」

眼鏡「……ちょっとさ、…………恥ずかしいこと言ってもいい?」

五浪「……?……別にいいけど」

135: 2012/12/13(木) 09:48:26.02 ID:UUN/6n9h0
眼鏡「俺さ、……四浪ってばれた時にさ、言いわけっていうの……?……いろいろ考えてたんだよ」

ダボダボ「……?それで?」

五浪「ちょ、ちょっと待った!」

眼鏡「な、なんだよ?」

五浪「お前、……その言いわけってもしかして、…………いったん就職してたから。じゃないよね?」

眼鏡「ちょ、ちょっと!なんでわかんだよ!やめろよ!やーめーろーよー!」

五浪「お前どんだけ俺なんだよ!俺すぎて引くわ!っていうか引くわー!」


なんてくだらない会話を何時間も。何時間もした。

この五年間。

バイト以外で全く知り合いが居なかった俺が、久しぶりに得た友達。

仕事仲間じゃない。

ただただ対等の友人がそこにいて。

仕事じゃない話題を共有できる。

それだけのことが。

俺の胸に染みた。

141: 2012/12/13(木) 10:01:45.85 ID:UUN/6n9h0
受験に疲れた諸君。
ぜひ勉強を頑張ってほしい。


高校三年生で、追い込みをかけている君。

今頑張ると、四月から倍楽しくなれるぞ。


そして浪人生(一浪、二浪)

東大には浪人生が四割を占めるらしいぞ。

気にすることはないぞ。


そして多浪生(三,四,五浪)の諸君。

大学に入ったって友達も作れないなんて悲観することはない。

どんな所にも似たような奴は集まるもんだ。

諦めないで大学に入ってみてほしい。

きっと世界が開かれるから。


そして最後に超多浪生(六,七,八浪~)の諸君。

oんだ方がいいぞ。

142: 2012/12/13(木) 10:02:17.65 ID:UUN/6n9h0
じゃあ、俺はこれから代ゼミで勉強頑張るから。


大学?受かってねぇよ。


じゃあの。

143: 2012/12/13(木) 10:03:10.40 ID:lxlX/j3W0
東大でも二浪以上は3%以下
まず会えることはないだろうが頑張れ

144: 2012/12/13(木) 10:03:18.02 ID:OKjdDpK80
いつまでも夢見てないで早く勉強しろ

152: 2012/12/13(木) 10:16:57.25 ID:TGahDTNe0
面白かった

引用元: 男(五浪 )「やった!念願の大学へ入れたぞ!」