1: 2018/08/26(日) 21:07:53.98 ID:V+OCAz3J0
天使と悪魔のどちらかを選べと言われれば、大抵の人間は天使のほうを選ぶだろうが、それは悪魔に対するイメージが悪すぎるからだと思う。

だから、こんな条件を付け足してみよう。

美少女天使と美少女悪魔ならばどちらを選ぶ?

悪魔「当然、オレ様だよな?」

天使「わたくしはあなた様を信じています」

こうなると、非常に悩ましい問いかけである。
悪魔は痩せ型で小柄なかわいい系。髪は黒髪。
天使は清楚で綺麗系。髪は金髪ロング。
甲乙はつけ難く、どちらも捨てがたい。故に。

悪魔「はあ? どっちも? ふざけんな!」

天使「ふふふっ。面白い冗談ですねぇ」

選ぶことが出来ずに怒りを買ってしまった。
そして怒りと共にしばらく2人を飼うことに。
なんでも、魂を回収しなければ帰れない様子。

悪魔「今なら優しく食ってやるぜ?」

天使「今なら優しく抱いて差し上げますよ」

まあ、とりあえず、保留ってことで。

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1535285273/

2: 2018/08/26(日) 21:10:09.77 ID:V+OCAz3J0
天使「夕食はわたくしにお任せください」

家事が得意な天使が夕飯を作っている隙に。

悪魔「今のうちに風呂に入ろうぜ!」

満面の笑みで八重歯を輝かせた悪魔と入浴。

悪魔「髪洗って!」

言われた通りにショートヘアをシャカシャカ。

悪魔「んじゃ、次はオレ様が洗ってやんよ!」

悪魔の癖に、妙に親切だなと思っていると。

悪魔「対価に見合った見返りを授けるだけだ」

なるほど、取り引きか。悪魔らしい発想だ。

悪魔「お前は何が欲しいんだ?」

そう言われても、特に思いつかないな。

悪魔「ちぇっ。んじゃあ、考えとけよ!」

ザバッと湯をかけられて、泡を流してくれた。

3: 2018/08/26(日) 21:13:46.74 ID:V+OCAz3J0
天使「早くも仲良くなったようですね」

湯気が立ち昇る俺たちを見て、天使は微笑む。
柔らかな微笑だが、どこか寒々しい気がする。
なんとなく、目が笑っていないように見えた。

天使「怒ってませんよ? ええ、ちっとも」

それなら良かったと安心する馬鹿ではない。

天使「わたくしとも入って頂けますね?」

流石にのぼせそうだ。色々な意味で。

天使「不埒なことはいけませんよ?」

前以て釘を刺されつつも、とりあえず食事だ。

天使「お口に合うでしょうか?」

献立は肉じゃが。暖かくて、とても美味しい。

悪魔「ニンジンと豚肉をトレードしようぜ!」

どうやら悪魔はニンジンが嫌い。子供っぽい。
対価に見合わない取り引きを持ちかけられた。
でも可愛かったから交換してやろうとすると。

天使「甘やかしてはダメです!」

悪魔「なんだよ! 邪魔すんなっ!」

天使「何でも食べないと大きくなれませんよ」

悪魔「いーもん! このほうが需要あるし!」

たしかに一理あると思ってしまった。
どうかこのままチビっ子でいて欲しい。
そんな下心を見透かした、天使がため息。

天使「わたくしが大人の魅力を教えましょう」

それはなんとも、興味を惹かれる提案だった。

4: 2018/08/26(日) 21:16:56.14 ID:V+OCAz3J0
天使「気持ちいいですか?」

すごく気持ちいい。最高だ。

天使「特別ですからね?」

そう言って、タオルを使わずにごしごし。
場所は再び浴室。背中を洗って貰っていた。
ちなみに悪魔は残ってニンジンと格闘中。

天使「本当はこんなこといけないんですよ?」

たしかに、天使のイメージとはちょっと違う。

天使「わたくしにも意地がありますので」

どうも悪魔に負けたくない様子。当たり前か。

天使「地獄は恐ろしい場所なんです」

天使曰く、地獄は苦痛に満ちた場所らしい。

天使「だからどうか、天国に来てください」

対して天国は、お昼寝し放題な場所らしい。

天使「その為ならば、なんでもしますので」

覚悟を決めた様子の天使。しかし、まだ早い。

天使「わたくしに興味がないのですか?」

良い子だとは思う。胸もでかく色も綺麗。

天使「胸のことばかり。もう知りませんっ!」

とか言いつつ、共に湯船に浸りのんびりした。

5: 2018/08/26(日) 21:19:05.25 ID:V+OCAz3J0
悪魔「眠くなっちゃった」

天使「それではそろそろ寝ましょうか」

眠たげに目をこする悪魔。
パーカー付きの寝巻きを着ていて、かわいい。
そんな悪魔の手を引く天使。
シルクのネグリジェ姿が扇情的で、美しい。

悪魔「オレ様、右がいい」

天使「ではわたくしは左隣で」

川の字になって、横になる。両手に花だ。

天使「手を繋いでもよろしいですか?」

断る理由はない。天使と手を繋ぐ。温かい。

天使「まだ決心はつきませんか?」

もう少し、このまま。今日はもう眠くて。

天使「ふふっ。いい夢が見れますように」

柔らかな声と感触に包まれて、俺は眠った。

6: 2018/08/26(日) 21:20:50.64 ID:V+OCAz3J0
悪魔「おい! 起きろ!」

突然走った、頬への衝撃。悪魔の仕業だ。

悪魔「へへっ。お楽しみはこれからだぜ?」

上に乗って、ペ口リと舌なめずり。
闇夜に紅い瞳が怪しく光っている。
その眼で見下されると、ゾクゾクした。

悪魔「寝るわけねーだろ。夜行性だからな」

まあ、たしかに悪魔は夜行性かも知れない。

悪魔「狙い通り、天使の馬鹿はぐっすりだな」

左隣では天使の規則正しい寝息が聞こえる。

悪魔「さあ、オレ様を求めろ。叶えてやろう」

たぶん、望みは何でも叶えてくれるのだろう。

悪魔「その代わりに、魂を頂くけどな」

そんなに欲しいのなら、タダでやってもいい。

悪魔「だ、駄目だ! それは契約違反だ!」

慌てて拒否する悪魔。なんだからしくないな。

悪魔「だ、だって、一方的な享受は……」

紅い瞳を彷徨わせながら、悪魔は赤面して。

悪魔「……それは、愛だから、受け取れない」

どうやらこう見えて、意外と初心らしい。

7: 2018/08/26(日) 21:24:24.29 ID:V+OCAz3J0
悪魔「違うの! 悪魔はそういうものなの!」

思わず笑ってしまうと、悪魔は憤慨した様子。

悪魔「なんだよもう、子供扱いすんなよな!」

どう見ても子供なので、頭を撫でた。すると。

悪魔「……もっと」

一方的な享受は受け取れないんじゃないのか?

悪魔「これは添い寝の対価だからいいのっ!」

左様でございますか。なんとも都合がいいな。
悪魔が眠りにつくまで、頭を撫でてやった。
その次の日も、次の日も、何日でも撫でた。
毎日天使の手料理を食べて、お風呂に浸かり。
この関係がいつまでも続いて欲しかった、が。

天使「そろそろ、時間です」

悪魔「ああ、時間だ」

どうやら時間らしく、決断を迫られた。

悪魔「お前はどっちが」

天使「お好きですか?」

まるで昔の料理番組みたいな問いかけだな。

悪魔「オレ様は間違いなく、射止めた筈だ」

天使「わたくしも間違いなく鷲掴んだかと」

言葉通り、射止められて、鷲掴まれた。
悪魔はいたずら好きで、甘えん坊。
天使は理想の嫁で、ちょっと嫉妬深い。
可愛すぎる悪魔に心を射止められ。
天使の料理で胃を鷲掴みにされた。
そんな状態でどちらかを選ぶことは出来ない。

悪魔「チッ! なら、オレ様もう帰る!」

天使「わたくしも、もう待てませんので」

結局、天使と悪魔は愛想を尽かして、帰った。

8: 2018/08/26(日) 21:26:48.87 ID:V+OCAz3J0
悪魔「なーんちゃって! 帰るわけないだろ!」

ややあって、ひょっこり悪魔が現れた。

悪魔「寂しかったか? なら、オレ様が……」

食ってやると、そう続けようとしたのだろう。

悪魔「って、なんで泣いてんだよっ!? 」

しかし、こちらの様子を見て慌てて駆け寄る。

悪魔「どっか痛いのか!? 苦しいのか!?」

天使「どうなされたのですか!?」

悪魔「わかんねーけど、泣いてんだよ!」

悪魔の悲鳴を聞いて、天使まで戻って来た。

天使「大丈夫です。居なくなったりしません」

天使は優しく抱きしめて、宥めてくれた。

悪魔「なんだよ、寂しかっただけかよ」

天使「ふふっ。可愛いではありませんか」

悪魔「こんなんじゃ、地獄行きは無理だな」

天使「おや? あっさりと諦めるのですか?」

悪魔「お前だって、諦めるしかないだろうが」

天使「たしかに、寂しがり屋のようですしね」

悪魔「こいつにはオレ様たちが必要らしいな」

都合良く話が進んでいく。全ては計画通り。
なんて言っても、泣き顔では様にならないな。
とにかく、戻って来てくれて、嬉しかった。

9: 2018/08/26(日) 21:28:37.45 ID:V+OCAz3J0
天使「よもや、天使を誑かすなんて」

悪魔「よもや悪魔を手懐けるとはな」

呆れながらも感心されて、少し照れる。

天使「わたくしたちと離れたくない」

悪魔「オレ様たちも、離れたくない」

天使「それがあなた様の望みならば」

悪魔「叶えてやらなきゃ、名が廃る」

天使も悪魔も負けず嫌いな叶えたがり。
だからこそ、願うことはたったひとつ。
これからもずっと、一緒に過ごしたい。

天使「その願い、たしかに承りました」

悪魔「だが、願いには、対価が必要だ」

それぞれ魅力的な笑顔で対価を要求してきた。

天使「代わりに、たっぷり愛して頂きますね」

悪魔「代わりに、同じくらい、愛してやろう」

天使と悪魔、どちらかを選ぶなど愚問である。


【もしも天使と悪魔が美少女だったら】


FIN

10: 2018/08/28(火) 01:52:53.95 ID:nWOG/LOb0
誰か死神連れて来い

引用元: 悪魔「お前はどっちが」天使「お好きですか?」