1: 2007/01/15(月) 02:30:22.15 ID:MzUi9rmn0
平和。
それは私の町。
私が・・・守る。
この町を、のびたさんを。

2: 2007/01/15(月) 02:30:44.02 ID:MzUi9rmn0
今日、のびたさんに告白しました。
のびたさんの彼女になっちゃった・・・。
「のびたさん、交換日記・・・しませんか?」
「は?普通に嫌だけど?」
こうして私とのびたさんの生活は始まりました。

4: 2007/01/15(月) 02:31:07.42 ID:MzUi9rmn0
今日は二人で初めてのデート。
のびたさんに水族館に行こうって言ったら、
じゃあ、3000円くれって言われました。
ぐふふ
のびたさんったら、恥ずかしがりやさんなんだから。

ついでに、交通費その他もろもろまで払ってあげました。
これが愛?

5: 2007/01/15(月) 02:31:31.21 ID:MzUi9rmn0
のびたさんに知られたくない秘密ができてしまいました。
はぁ・・・鬱です。

8: 2007/01/15(月) 02:32:14.64 ID:MzUi9rmn0
今日も軍隊の爆撃が市内で行われました。
平和なのは私がいる町だけ。
私は戦場にいく。

だって私は・・・・・・・。

「・・・のびたさん?」

見られたくなかった。
私のみにくい姿を・・・あなただけには。

10: 2007/01/15(月) 02:32:43.69 ID:MzUi9rmn0
のびたです。
今日は友人5人と市内に遊びに行きました。
突然の地鳴り。
空を見上げると見たこともない飛行機のたば。
その飛行機から何かが落ちてくる。

爆弾?

そう思ったときにはソレは間近に接近し
建物を吹き飛ばしていった。
イテテ・・・。

気がつくと辺りはコンクリートの瓦礫の山。
そしてその山に埋もれているスネオ。


・・・・・・スネオ?
それは紛れもなくボクの親友のスネオでした。

そして瓦礫の向こうに立つ異形。
ただでさえ人間離れしていたソレは
ついに完全に人間を超越してしまったようです。

「じゃ、ジャイ子?」
「のびたさん・・・私、こんなんなっちゃった」

そこには全身を兵器で覆われたブス、ジャイ子(彼女)がいた。

11: 2007/01/15(月) 02:33:02.34 ID:UvNs+VUT0
あれ以上に醜くなるの?

14: 2007/01/15(月) 02:34:23.51 ID:MzUi9rmn0
のびたです。
元から人間ではないのではと疑っていましたが
やっぱりかって感じです。

正直これから付き合っていく自信はありません。

あの裏山できちんと別れよう

15: 2007/01/15(月) 02:34:34.88 ID:bZ7mA+ja0
スレタイで吹いたw

19: 2007/01/15(月) 02:35:41.49 ID:MzUi9rmn0
ジャイ子です。

今日はのびたさんに裏山に呼ばれちゃった。
あんな姿見られたけど
のびたさんは私にめろりんこだからきっと大丈夫よね。

私、兵器である以前にのびたさんの彼女だもんよ。

21: 2007/01/15(月) 02:38:47.21 ID:4BkfF7mD0
めろりんこバロスwwwwww

22: 2007/01/15(月) 02:38:59.73 ID:qFU9qnF+O
だもんよwwwwwwwwww

23: 2007/01/15(月) 02:40:16.97 ID:MzUi9rmn0
のびたです。

裏山に現れたジャイ子(人間形態)はさながら野生のゴリラ。
危うく防衛本能により逃げ出してしまうところでした。

「じゃ、ジャイ子ちゃん・・・俺たち、別れよう」
「なんでさ!なんでなんさ!?
私が・・・私が兵器だからけ?人間じゃなくなったけか?」
「違う。元からジャイアンに脅されt・・・いやなんでもない。
ジャイ子ちゃんが悪いんじゃないんだ。だけど、俺たちもうだめなんじゃないかな?」
「私、兵器になって絶望したのよ。だけど、のびたさんに恋してる間は人間でいられたさ。
のびたさんと別れたら


私・・・世界を滅ぼしちゃうわさ   」


これは脅迫ですか?

これから地獄のような彼女との生活が幕を開けるのだ

25: 2007/01/15(月) 02:41:19.11 ID:MX7a9AWLO
( ;∀;)イイハナシダナー

26: 2007/01/15(月) 02:42:44.99 ID:bZ7mA+ja0
/(^o^)\ナンテコッタイ

27: 2007/01/15(月) 02:43:28.73 ID:MzUi9rmn0
のびたです。今日も鬱です。


出来杉「うはwwwジャイ子とつきあってやんのwwwwwwww」
ジャイアン「弟よ~~~!!」
しずか「のびたさんたち、とてもお似合いよ(笑)」
スネオ「・・・・・・」


みんなの反応にボクは泣いた。

ジャイ子は相変わらずのブスで、そして体臭がきつかった。

29: 2007/01/15(月) 02:46:05.62 ID:MzUi9rmn0
のびたです。

市内の爆撃から早1ヶ月。

どうやらスネオのやつがあの日から居なくなってるのにようやく誰か気づいたみたい。

ボクはあの瞬間を目撃したんだけど

すっかり忘れてたよ。

スネオ一人いなくても世界は回り続けるんだなぁ

32: 2007/01/15(月) 02:49:55.45 ID:MzUi9rmn0
ジャイ子です。
今日は愛しのダーリンにお弁当を作りました。
「ねえねえのびたさん、お弁当作ったの。食べて食べて」
「あ、ありがとう。どれどれ・・・」
ふたを開けるダーリン、かっわいい~~~。
食べちゃいたい。

「ねえ、ダーリン。このお弁当と~、私~、どっちが食べたい?」
「弁当」

即答だった。

「できればどっちも食いたくねえけどな」と聞こえたけど多分気のせいだわさ。

33: 2007/01/15(月) 02:50:30.81 ID:hK9YUbEP0
( ;∀;)イイバナシダギャー

34: 2007/01/15(月) 02:50:48.06 ID:MzUi9rmn0
のびたです。

あ~・・・戦争に負けてもいいからジャイ子死んでくれないかなぁ・・・。

35: 2007/01/15(月) 02:52:33.66 ID:MzUi9rmn0
のびたです。

今日、どこの国かわからない軍人の人に拉致されました。
聞き取れる言葉をつなぎ合わせる。

「やつは」
「人質」
「彼氏」
「最終兵器」
「JAIKO」

完全にあいつのせいじゃねえかよ_| ̄|○

助けて~ドラえもん~。

38: 2007/01/15(月) 02:55:29.36 ID:MzUi9rmn0
ジャイ子です。

「のびたさんが・・・さらわれた?」

私の怒りは頂点にたまっていました。
このままでは地球を破壊させてしまうかもしれません。

怒りを落ち着けるために誰か頃しちゃおうかな。

うん、そうしよう。

前から気に食わなかった出来杉君が最初のターゲットよ。

42: 2007/01/15(月) 02:59:00.58 ID:MzUi9rmn0
「ふふふ・・・出来杉く~ん。どこかな~。」
まだ学校の時間。
優等生の出来杉は学校に居るはず。
重火器は使わないわ。
片手に包丁を握り締め、4年生の教室にむかう。

ガララララ。

ドアを開けるとそこには出来杉君が座っていた。
「ねぇ、出来杉君。ダーリンの居場所・・・シラナイよね?」

当然知らないと答えると思っていた。
そう答えた瞬間にざっくりいってしまおうと。

しかし答えは予想外のものだった。
「ふふ・・・。連れてってあげるよ。」

43: 2007/01/15(月) 03:00:55.30 ID:MzUi9rmn0
「な!!!?なんであなたがのびたさんの居場所を!?」
出来杉は冷静に答える。
「あれ?知ってて聞いたんじゃないのか?そっか・・・。まぁいいや。
君には世界の真実を全て教えてあげるよ」

出来杉は口を開き始めた。

その言葉はどこか冷淡で、そしか、機械的な口調であった。
まるで人間ではないかのように・・・。

45: 2007/01/15(月) 03:03:34.97 ID:MzUi9rmn0
出来杉です。

「君はさ、自分がどういう存在かわかってる?」
私は驚いた。私が最終兵器であるのを知ってるのはダーリンだけ。
「ど、どういうことよ」
「その体のことだよ」
「か、体?な、ななななんのことかしら?」
全く、どこまでシラをきるつもりなんだ。

ボクは立ち上がると、背中から機械の翼を出して言った。

「この兵器の身体のことだよ」

46: 2007/01/15(月) 03:06:47.83 ID:MzUi9rmn0
「な!?」
「ふふふ。わかっただろ。君とボクは同類なんだよ」
「あ、あなたも最終兵器・・・なの?」
「?何を言ってるんだい?僕たちは最終兵器を倒すために改造されたアンチ最終兵器。」
「あんちさいしゅうへいき?」
「そう、いつ、どこからやってきたかもわからない。
どの軍事国家よりも恐ろしい最終兵器、彼の意思一つで世界の運命は決まるんだ。
そんなことを阻止するために僕らはいるんだよ。」
「その最終兵器って・・・?」
「ふ~、まだわからないのかい?
最終兵器・・・未来からやってきた謎の兵器・・・」

「まさか・・・ドラちゃん!!!???」

47: 2007/01/15(月) 03:08:00.71 ID:MzUi9rmn0
その頃。

スネオ(死)「早々にリアイアして出番ないんだけど・・・」
のびた「大ピンチなのに出番ないよー」

55: 2007/01/15(月) 03:19:55.54 ID:MzUi9rmn0
「ダーリン!!」
再開はすぎだった。出来杉の仲間・・・つまりは日本政府の差し金のもとに連れて行かれた私。
しかし運命とは残酷。
ダーリンの親友であるドラえもん、だけど私はそれを破壊しなければならない。
埋め込まれたチップが、そう脳に信号を送るのだ。

私は全て話した。
アンチ最終兵器のこと。
ドラえもんを破壊しなければならないこと。

「ドラえもんを殺す!!?馬鹿言うな!!!」
そういったダーリンの顔は本気だった。
「ごめん・・・だけど、ドラえもんはいつか私たちを滅ぼす元凶になるわ」
全部出来杉の言い回しだ。

「うるさい!!ボクはドラえもんの元に戻る!」
じゃあ、仕方ないわね。
「ダーリン、これ以上一歩でも動くと私、ダーリンを殺すから」
のびたは一度だけ振り向いて言った。
「殺せばいいさ!僕はドラえもんのもとに帰るよ。だって、ドラえもんはボクの大事な親友なんだ」
そういうと一歩ずつ歩き始めていった。

殺すといった私の腕は、足は、動かなかった。
「ダーリン・・・」

短かった恋人の関係は終わった。
でも、これでよかったのかもしれない。

だって、兵器を壊す私もまた、やっぱり兵器なんだから。
人間は、兵器を愛することはできないわ。

57: 2007/01/15(月) 03:22:55.37 ID:MzUi9rmn0
出来杉が私の隣へやってくる。
「行かせてよかったのかい?」
「そっちこそ、私がダーリン・・・ううん、ノビタを逃がして怒ってないの?」
「ふっ別にいいさ」

私と出来杉のチップはともに意識を通わせることができる。
そして兵器だけが感じうる予感というものもそれを告げていた。

近いうちにそれはやってくる。

最終兵器と人類の生き残りを賭けたハルマゲドンの存在を。

58: 2007/01/15(月) 03:24:03.16 ID:MzUi9rmn0
その頃、ドラえもん。
「うるうる。チセかわいいよチセ。
こっこ!こっこ!!!!!!!!!」




アニメを見ていた。

60: 2007/01/15(月) 03:26:38.96 ID:MzUi9rmn0
「ただいま~!ドラえもん!!!!」
のびたはすぐにドラえもんのもとへ行き、事情を説明する。

「えぇぇぇ、ボクが最終兵器だって?ぷぷぷ。
のびた君アニメの見すぎだよ。大体、最終兵器って言うのはかわいくってのろまな女子高生のことを指すんだよ。」

「ドラえもん!!!!!」

そういったのびたの顔は真剣そのものだった。

「の、のびた君?」

余りの真剣さに言葉がでなかった。

96: 2007/01/15(月) 12:58:08.25 ID:5ixNsPBvO
「ははは。のびた君また夢でも見たの?
最終兵器にアンチ最終兵器?まるでSFだよ。」
「でも…本当なんだ!」
泣きながら訴えるのびた。
その時だった。
すぐ近くで大きな爆発音が聞こえたかと思ったら
体が宙を浮き吹き飛ばされたのは。
 
「ふふふ。死んだ…かしらね?」
「いや、生態反応がある。ドラえもんの反応も残っている。」
(こいつ…一撃で決着をつけれないとは…。
つかえないな。)

99: 2007/01/15(月) 13:04:35.49 ID:5ixNsPBvO
ドラえもんです。
突然の爆撃…一瞬で全て悟りました。
のびた君は嘘をついてなかったんだ。
 
のびた君…!?
 
吹き飛ばされた家の瓦礫に埋もれているのびたを見つける。 
のびた君!!!!
 
呼びかけても返事がない。
ここに居ちゃまずい。
とりあえずのびた君を連れて…。
 
……ママさん!?
 
のびた君と瓦礫の間に何かあると思っていたら
それはのびたのママの体だった。
偶然だが、ママはのびたを最後まで守ったんだ。

100: 2007/01/15(月) 13:11:18.67 ID:5ixNsPBvO
ママさんごめん。
のびたを引き出し、どこでもドアを使う。
…ダメだ。さっきの爆撃のショックでどこでもドアが壊れてる。
仕方ない…。
タケコプターをつけ低空飛行で切り抜けようとする。
 
その時少し離れたところからミサイルの風を切る音が。
「ひ、ひらりマント」
ミサイルはマントに方向を逸らされどこかへと飛んでいく。
「よかった…壊れてなくて。急がなきゃ。」
 
ジャイ子と出来杉。
ともに羽をはやしさながら天の使いのようだった。
「追撃…いや、あの方角は。」

出来杉は追撃するのをやめて電話をかけた。

105: 2007/01/15(月) 14:12:16.42 ID:5ixNsPBvO
(のびた君…頑張れ)
のびたを背負い飛び続けるドラえもん。
学校だ。あそこで治療しよう。
 
開いていた窓から入る。
 

110: 2007/01/15(月) 15:23:24.52 ID:5ixNsPBvO
「誰だ!?」
背後からの突然の声に驚き振り返る。
その声の主は教室の電気をつける。
「のび…君?」
少し老けたその人は間違いなくのびた君の担任であった。
 
「そうか…突然襲われて。大変だったなぁ。
とりあえずのびた君を保健室のベットで休ませよう。」
 
あらかたの介護を終えのびた君を寝かせる。
「ドラえもん、君も大変だっただろう」
優しげに話しかける先生。
僕はこの時先生に対して信頼を覚えていた。
「それにしても君は不思議だ」
しかし何か腑に落ちない。
「ロボットなのに身体能力自体は人間なみ」
そうだ。なぜ出来杉たちはやってこない?
ミサイル攻撃のときにわかった。
やつらは僕らの居場所を探知できるはずだ。
「このポケットがなければもはや兵器にすらならぬ」
 
気づいたときにはもう遅かった。
僕の腹にあったポケットは一瞬にしてはぎ取られてしまっていた。

116: 2007/01/15(月) 15:56:21.18 ID:5ixNsPBvO
「ちょ!何をするんです!?」
あまりにもわかりきっていたこと。
だけど回路がそれを受け入れたがらない。
 
先生が向こう側の人間なのだと
 
パチン
先生が指を鳴らすと多くの軍人が乱入してきた。
その後ろには出来杉とジャイ子も。
 
なすすべもなく僕は捕まる。
 
のびた君…
 
連行される僕。
「のびた君!!僕は…兵器なのかもしれないけど
キミの…親友だよ!大好きだったよ!!
のびた君!!」
 
黙れとこずかれながらドラえもんはどこかへと連れていかれたのだった。

118: 2007/01/15(月) 16:00:02.13 ID:5ixNsPBvO
ドラえもん?
あれ…何を言ってるの?
わからないよ…
 
ぱっと目を覚ます。それは夢。
悲しい悲しい夢。
 
「ここは…保健室?なんで…?
そうだ!僕はジャイ子に!!」
 
声を出したその時、隣にいたその存在に気づく。
人間ではない何か…僕の彼女だった兵器。
 
「ジャイ子…ちゃん?」
他には誰もいなかった。
兵隊も出来杉もドラえもんも…。

119: 2007/01/15(月) 16:08:14.48 ID:5ixNsPBvO
「ドラえもんは連れていかれたわ」
その言葉を聞いた瞬間
のびたの顔が青ざめていく。
「ドラえもんはいいやつなんだ!!
兵器なんかじゃない!!
僕の…親友なんだ。」
涙がこぼれ落ちる。
ドラえもんもそう言っていた。
(この関係すごくうらやましいわ)
ジャイ子は少し優しい微笑みを見せ
そして何かを決意したような顔をしていた。
 
「のびたさん…」
そう聞こえたとき
目の前にはジャイ子の顔が迫っていた。
「キス…しちゃったね」
「な、なにを!?」「私が…ドラえもんを助け出してあげる」
のびたが驚く
「な、なんで?」
「人間で…いたいからかな」

122: 2007/01/15(月) 16:48:05.40 ID:5ixNsPBvO
それだけを伝えると
ジャイ子は勢いよく飛び立っていった。
「…ジャイ子」
のびたの脳裏にジャイ子との思い出が蘇る。
いつも僕のことを気づかってくれたジャイ子。
あんなにいかついのに気弱なジャイ子。
漫画が大好きでいつも一番に僕に見せにきたジャイ子。
 
僕は…そんなジャイ子をいつも邪険に扱って…。
 
ジャイ子は…僕の彼女なのに!!!
 
僕は走り出した。
ジャイ子の飛んでいった方角へひたすら。

137: 2007/01/15(月) 21:01:08.88 ID:MzUi9rmn0
「さてと、ドラえもん・・・君を捕らえられればいいと思っていたが
まさか、こんなにすんなり捕まってくれるとはね。正直ガッカリだよ。
僕がなんのためにこんな身体になったんだと思ってるんだい?」

「そんなこと知るかい!」
ロープでくくられているドラえもんは大声ではやしたてる。

「君を殺すのはいつでもできる。ポケットの無い君には最終兵器を語るのもおこがましい。
ただ、君の機構には興味があるんだ。
未来から来た君のメモリーには我々帝國人の更なる発展への鍵が詰まっているはずさ」

「殺すなら殺せ!」

「まぁ、そういうなよ。すぐに済ませて殺してやるから」
そういうと、出来杉は怪しげな機械を持った研究者に指示を出す。

(ごめん・・・のびた君。僕は駄目かもしれない・・・。君だけは、生きて・・・。)

観念したのか、静かになるドラえもん。
不思議な静寂を切り裂いたのは爆撃音だった。

「やめなさい」
「・・・裏切ったのか。どうして?・・・男か?くだらない。
我々は超越者になったんだよ。同じ兵器の身体を持つものどうし、どうして理解できないんだ?」
「私は・・・人間でいたいから。彼女として何かしてあげたいから。」

出来杉は少し寂しそうな表情を見せたように見えた。
「ふん、実験型と実践型の性能の差を思い知らせてやるよ」

138: 2007/01/15(月) 21:12:56.57 ID:MzUi9rmn0
勝負は一瞬でした。
ジャイ子の放ったとてつもない量のミサイルは
前方の出来杉の周り、半径100メートルを消し去った。
ミサイルを放ったと同時にドラえもんを連れて上昇したジャイ子。

出来杉は一歩も動かなかった。
「決まった・・・。なんてあっけないの。
出来杉君・・・かわいそうな人だったわ」

「悲しむ必要はないさ」
背後から聞こえたそれは紛れも無い出来杉の声だった。

(な・・・早い。だけど、私の攻撃は確実に当たったはず)

「ふふ・・・不思議そうな顔してるね。君のミサイルは確実に僕を捕らえたよ。
君にはついてないんだけどさ、僕には斜層防壁、まぁ簡単に言うとバリアってやつがついてるんだよね。
まぁ、君のせいで僕の仲間は全員死んでしまったよ。誇っていいよ。
もちろん、僕は全然困ってないけどね。
僕と、ドラえもんのメモリさえあれば世界は僕が動かすことができるんだよ」

140: 2007/01/15(月) 21:23:12.54 ID:MzUi9rmn0
「私の放ったミサイル・・・私が放てる最大の火力。これが効かないなんて・・・」
「観念したかい。じゃあドラえもんをこっちによこすんだ」
ジャイ子は考える。ジャイ子の機械の身体が教える。
出来杉を相手にした場合の勝率は0%だと。
「でも・・・だめ。闘わなきゃ。人間は、人間だけが勝ち目のない戦いもできるんだよ」
出来杉はまた少しだけ悲しそうな顔をして
「そうか・・・じゃあ君を殺してドラえもんを手に入れるか」
出来杉の手が銃口に変化しジャイ子の額に押し当てられる。

(私も・・・もう終わりか。一度でいいからのびたさんに好きって言ってもらいたかったな)
ジャイ子は観念したのか
静かに目を閉じる。
(だけど・・・のびたさんを好きになったこと後悔なんてしてない。
本気で人を好きになることができた私は・・・・・・・・幸せものだ)

141: 2007/01/15(月) 21:38:40.35 ID:MzUi9rmn0
「待てえええぇぇぇぇぇぇ!!」
ドンっと出来杉の背中に何かがぶつかる。
のびたであった。
「のびたさん!何で来たのよ?人間じゃ・・・人間にはもう介入できるレベルではないのよ!」
ジャイ子は声を荒げる。
愛する人が死に際に現れてきた。
嬉しくないわけがない。
愛する人が死ぬとわかっているのにやってきた。
悲しくないわけがない。
様々な感情が入り混じりジャイ子は涙を流す。

「うるさい!何ができるとか何ができないとか関係ない!
親友が死ぬかもしれないのに・・・彼女が死ぬかもしれないのに黙ってられるか!!」
のびたの足は震えていた。
「のびたさん・・・今、彼女って・・・」
「彼女だ!」
「でも、・・・別れるって・・・」
「じゃあ、これから付き合えばいい!恋してけばいい!!」
「私のこと・・・嫌いなんじゃ・・・」
「好きだ!!!!!!」

言えた。これだけは言いたかった。
償いなんかじゃない、僕は気づかないふりをしてただけなんだ。

告白されたあの日から、僕は恋してたのかもしれない。

149: 2007/01/15(月) 22:03:51.55 ID:MzUi9rmn0
「もう、終わりかい?滑稽だよ。兵器と人間の友情?恋?あるわけないじゃないか?」
そう言うと出来杉は向き直りのびたに照準を定める。
その時出来杉の腕に熱い何かが走る。
それは、ジャイ子の腕から放たれたビーム。
バリアをはる暇もなく出来杉の腕がとぶ。
「のびたさん!今のうちにドラえもんを連れて逃げて!!」
「わ、わかった」
のびたは急いでこの場から退避しようとする。
「くっそおぉぉぉ、このブスが!!!」
怒りに任せた出来杉のミサイルの波状攻撃、その面は機械にはふさわしくない感情にまみれたものであった。

何十何百というミサイルがジャイ子だけでなくのびたにもせまる。
(駄目だ!!!)
死を予感した。
目を瞑る。
爆発の音だけが木霊する。
何も起こらない。

恐る恐る目をあけると、そこには無残にも手足を吹き飛ばされボロボロになったジャイ子がいた。
「の・・・びたさ・・・ん、逃げ・・・て」

「ははは。滑稽滑稽。まさかバリアも持ってない君が身を挺してのびた君を守るなんてね」

「どうして!?」

「私は機械だから痛くないもんさ。だけどのびたさんが死ぬのは心がすっごく痛いさ。だから・・・かな」

175: 2007/01/16(火) 05:15:46.88 ID:Ur3bWapC0
「ふん、どうせみんな死んでしまうというのに・・・」
出来杉はまた少し寂しそうな顔を見せる。
そして、もはやろくに動けなくなったジャイ子にとどめの照準を合わせる。

(誰か・・・ジャイ子を助けて!)
(のびたさん・・・私、好きな人に好きって言ってもらえて幸せだったさ。
だけど・・・やっぱりまだ死にたくないよ・・・。誰か!!!)

「ジャイ子!!!」
「誰だ!!!」

そこに現れたのは他でもない、ジャイ子の兄、ジャイアンであった。

「お兄ちゃん!?・・・私、こんなんなっちゃった・・」
ジャイアンはジャイ子の凄まじい姿を見る。
腕や足はボロボロ、そしてかろうじでくっついている部分からはコードのような機械が見え隠れしている。
「もう何も言うな!お前がなんだろうとお前は俺のかわいい妹だ!」

176: 2007/01/16(火) 05:21:12.90 ID:Ur3bWapC0
「そうか!わかったぞ!」
これまで無言で何かを考えていたドラえもんが急に声を発した。
「ジャイアン、歌だ!歌って!!」
突然そう言い出した。
突然のことで戸惑いを隠せないが、この状況だ。何かわけがあるのだろう。
「ドラえもん、わかったぜ!お~れ~は──」

それはいつものように凄まじい音波であった。
確かに、ひどい音波であるが耐えようと思えば耐えれないものではない。
こんな歌で・・・そう思っていた。

「ぐ、がああああぁぁぁぁぁぁ」
突然、出来杉が頭を押さえて苦しみ始めた。
あまりの苦しさからか背中から搭載された兵器があふれ出していた。

そのありさまはまさに化け物のそれであった。

177: 2007/01/16(火) 05:27:07.20 ID:Ur3bWapC0
「いいぞジャイアン。やっぱり思ったとおりだ。
僕ら未来のロボットは感覚器官なんかをあえて抑えているんだ。
それは、良すぎる器官はときとして自分を破滅に追いやってしまうからさ。
出来杉は機械化されるときに恐らく五感を極限まで高めてたはずさ。
だから今のジャイアンの声もすさまじい音となって届いてるんだよ」

ドラえもんはそう説明する。
「くそおおぉぉぉぉ、こんなことでえぇぇぇぇぇぇ」
苦しむ出来杉が
かろうじで腕を動かし、ジャイアンのほうへと向ける。
そして次の瞬間。
光の柱が走ったかと思うとジャイアンの腹部に綺麗な穴がポッカリと空いていた。

「な・・・」
ドサっとジャイアンが崩れ落ちた。

178: 2007/01/16(火) 05:35:41.01 ID:Ur3bWapC0
のびたです。

今まで何度も危険をくぐりぬけてきました。
でも、今まで誰も死んだりすることはありませんでした。
それなのに、今、目の前でジャイアンがその命を儚くも散らせてしまいました。
僕はどこかで人は死なないんじゃないかと思っていました。

出来杉はジャイアンにやられた為にまだうずくまっていた。
そしてジャイ子はジャイアンの死に泣き叫んでいた。

そして僕は・・・

僕の足元にジャイアンの歌により苦しんでいた出来杉の身体から
零れ落ちた銃が転がってきていた。

僕はその銃を拾い上げる。
誰も気づいていない。

僕が出来杉を・・・
友達だと思っていたやつを・・・殺すんだ。

照準を定める。
銃の腕なら自信があった。

心臓の音が無性にうるさかった。

181: 2007/01/16(火) 05:47:00.01 ID:Ur3bWapC0
それは半ば反射のようなものであった。
出来杉の目が突然こちらを向く。
その恐怖からなのか、引き金にかかった指が動いていた。

放たれた光線は出来杉の首もとにあたり
そして胴体と頭は二つに分かたれた。

出来杉の頭が放物線を描いて宙を飛ぶ。
どんという音とともにのびたの足元に転がる。

「ははは。やられたよ。まさか僕が君たちみたいな何の力も持たない子供にやられるなんて・・・」
頭だけになっても出来杉は死んでいなかった。
「君たちの勝ちだ。どうやら僕はどこかで間違ってしまったらしい。
この身体を改造された時に、僕は人間としての心を失った。
兵器と人間は決して交われない。そう思ったからさ。
だけど・・・それは違ったみたいだ。
君とドラえもん、そしてジャイ子は本物の人間以上の強い絆で繋がっていた。
僕はそれがうらやましかったのかもしれないな」

出来杉の心の叫び。
優等生ゆえの孤独。
それを気づいてあげられなかった僕らにも責任はあるのだろうか。

「さぁ、とどめをさすんだ。そうすれば、君たちの未来はのこることができる。
早くしないと・・・僕の身体には自己修復機能も搭載されているんだ」
出来杉の首からは
機械とも思えない生物的なものがウネウネと伸びだしていた。

182: 2007/01/16(火) 05:59:49.97 ID:Ur3bWapC0
銃口を向ける。
「もう、やり直せないのかな?こんな風になった今でも、僕はまだ君と友達になれないのかと思ってるんだ」
出来杉は少し驚いた顔をして、そして少し嬉しそうにはにかんだ。
「ありがとう。だけど、無理だよ。実践型の僕の脳は実験型とは違い兵器としての強制力が強いんだ。
だから、僕が生きれば、僕の意志とは無関係に君たちを殺してしまう日がくる。・・・でも、まだ友達だって言ってくれて救われた気がするよ」

出来杉・・・。
悲しかった。
何もかもが、どうしてこんなただの小学生が兵器に改造されなきゃならないのか。
どうして友達をこの手で殺さなければいけないのか。

だけど・・・僕はやらないといけないんだ。
銃を持つ手が震える。

怖い。

そう思ったときだった。
僕の元までジャイ子がいずってきていた。
そして半分とれかけていたジャイ子の手が僕に重ねられた。

「私も・・・罪を背負う。だって、私はのびたさんの彼女だもんよ」

そしてロープをほどいたドラえもんも近づいてきて手を重ねる。

「だったら僕も・・・だってのびた君は手間をかける弟みたいなもので、そして・・・僕の親友だから」

重ねられた手が引き金を引く。
乾いた音が木霊する。

出来杉は満足したような表情を迎えて砕け散っていった。

184: 2007/01/16(火) 06:08:13.12 ID:Ur3bWapC0
あれから数週間が経ちました。

ドラえもんの秘密道具はあの爆撃時に8割が壊れてしまい、
また家が飛ばされたときにタイムマシンも破壊されてしまっていました。

そして僕たちは知りました。
世界中で巨大な戦争が起こっていて、日本も大きな都市は崩壊していたこと。
ドラえもんがやってきたことで世界が大きく変わっていってしまったらしいのです。
その結果の一つがアンチ最終兵器だったのかもしれません。

だけど、僕たちは生きています。
ドラえもんの技術でジャイ子もようやく修理が終わりました。

世界が変わっていっても、僕たちは変わらない。

今、僕はジャイ子とドラえもんと一緒に生活を送っています。
この先どうなるかなんてわからない。

だけどこれだけは言えるんだ。
僕とドラえもんはずっと親友で
僕とジャイ子はずっと恋人で

僕たちは恋していくんだ・・・。

                                     fin

185: 2007/01/16(火) 06:09:55.83 ID:YLX9jAcq0
( ;∀;)イイハナシダナー

192: 2007/01/16(火) 06:18:13.87 ID:wM648ydkO
いい話だった

引用元: 最終兵器ジャイ子