1:2018/09/18(火) 00:22:00.371 ID:s/zZTE8/0.net
カキーン…

ワァァァ… ワァァァ… ナイスバッティーン…



補欠部員(あーあ、また試合出られなかった……)

補欠部員(こうやってベンチで応援することしかできない……)

補欠部員(応援することにも意味がある、三年間続けることに意味がある、だなんていうけど)

補欠部員(補欠で得られるものなんかなーんもない)

補欠部員(部活の補欠ってしょせん負け組だよなぁ……)
4:2018/09/18(火) 00:25:58.558 ID:s/zZTE8/0.net
監督「いい守備だったぞ! ピンチをよくしのいだ!」

レギュラー部員「はいっ、監督!」



補欠部員(やっぱりレギュラーって、試合出れる奴って、輝いてるよなぁ……)

補欠部員(俺も……レギュラーになりたい!)

補欠部員(よぉし、絶対レギュラーになってやる!)
5:2018/09/18(火) 00:28:12.515 ID:s/zZTE8/0.net
補欠部員(ダッシュだ!)

補欠部員(ダッシュで足を鍛えるんだ!)

ズドドドドドドッ

ビュンッ!



陸上トレーナー「うおっ!?」

陸上トレーナー(あのスピード……あんな走り方なのに10秒台出てないか!?)
6:2018/09/18(火) 00:31:08.839 ID:s/zZTE8/0.net
陸上トレーナー「おい、君!」

補欠部員「はい?」

陸上トレーナー「ぜひ本気で陸上を志してみないか!?」

補欠部員「いえ、結構です」

陸上トレーナー「しかし、君が今から本気で練習すれば、オリンピック100mでメダルだって――」

補欠部員「自分は野球部なんで……」

ドヒュンッ!

陸上トレーナー「ああっ……」
7:2018/09/18(火) 00:33:04.729 ID:s/zZTE8/0.net
補欠部員(足だけじゃダメだ! 腕力も――)

補欠部員「でりゃあああっ!」グンッ



マッチョ「な、なんだあの少年は!?」

マッチョ「まだ若いのに、あんな重さのバーベルを軽々と……」
8:2018/09/18(火) 00:34:40.703 ID:r1rxG+Vqr.net
超人じゃねーか
9:2018/09/18(火) 00:35:56.396 ID:s/zZTE8/0.net
マッチョ「少年!」

補欠部員「なんですか?」

マッチョ「私と一緒に筋肉を極めないか!?」ムキッ

マッチョ「君ならウェイトリフティング界を制覇できる! 100年に一人の逸材だ!」

補欠部員「せっかくのお話ですが、興味ないんで……」
10:2018/09/18(火) 00:38:39.756 ID:s/zZTE8/0.net
補欠部員「監督!」シュザッ

監督「ん?」

補欠部員「俺の体を見て下さい!」ムキッ

監督「ほう、だいぶ鍛えたな……」

補欠部員「俺をレギュラーにして下さい! お願いします!」

監督「いいだろう……テストしてやる。こっちへ来い」
11:2018/09/18(火) 00:42:08.102 ID:s/zZTE8/0.net
監督「テスト終了だ」

補欠部員「……!」

補欠部員(うう、全然ダメだった……。守備も打撃もまるで素人以下……)

監督「やはり、お前には野球のセンスがまるでない」

監督「レギュラーにすることはできんな」



補欠部員「ちくしょう、ちくしょう……!」ガンッ
12:2018/09/18(火) 00:44:20.492 ID:r1rxG+Vqr.net
ダメなのかw
13:2018/09/18(火) 00:45:40.329 ID:s/zZTE8/0.net
補欠部員(野球部辞めよう……)

補欠部員(さっそく退部届を……自分の気持ちを率直に……)カリカリ…

カリカリ…



補欠部員(――って、退部の理由を書いてるうちに、ついノリで小説を書いてしまった)

補欠部員(試しになんかの賞に応募してみるか……)
15:2018/09/18(火) 00:48:54.165 ID:s/zZTE8/0.net
編集者「この小説、ものすごく面白いよ! こんなに夢中になったのは久しぶりだ!」

編集者「補欠の悲哀が巧みに描かれてて、ラストも衝撃の展開で……!」

補欠部員「はぁ」

編集者「ぜひ、本として出版、いや漫画化やアニメ化、ドラマ化も……!」

補欠部員「好きにして下さい」

編集者「できれば我が社専属の作家に……」

補欠部員「あ、いえ、部活で忙しいんで」

補欠部員(退部届を書きながら思った……やっぱり俺には野球しかないって!)
16:2018/09/18(火) 00:50:17.229 ID:7exiOtg3d.net
強豪校の補欠なら3年まで辞めなかったら大学推薦してくれるやろ
18:2018/09/18(火) 00:53:26.451 ID:r1rxG+Vqr.net
小説www
17:2018/09/18(火) 00:51:31.837 ID:s/zZTE8/0.net
補欠部員「おーい」

サッカー部員「ん? 野球部の補欠じゃねえか」

補欠部員「最近スランプでさ、ちょっとサッカー混ぜてくれないか?」

サッカー部員「いいけど……」

サッカー部員「うちは野球部と違って強豪なんだ。邪魔になるようだったらすぐ追い出すからな」

補欠部員「分かってるよ」
19:2018/09/18(火) 00:54:47.539 ID:s/zZTE8/0.net
補欠部員「ほいっ」バシュッ

サッカー部員「こ、これで五点目……! ハンパねぇ!」

サッカー部員「うちの部は全国大会にも出たことあるのに……特にディフェンスには定評が……」

サッカー部員「おいお前、うちの部に入れよ!」

補欠部員「いや……俺はサッカー向いてないから」

補欠部員(広いコートの中を敵味方が入り乱れるサッカーは、俺には難しすぎる……)
20:2018/09/18(火) 00:57:16.077 ID:s/zZTE8/0.net
補欠部員「ボールを投げて肩を鍛えるか……それっ!」ビュンッ


ヒューン…


補欠部員「やべっ、とんでもない方向に飛んでいった! 俺ってノーコンだなぁ……」


ガンッ


補欠部員「しかも誰かに当たっちゃった!」
21:2018/09/18(火) 01:00:03.601 ID:s/zZTE8/0.net
美少女「暴漢にボールを当てて、私を助けて下さってありがとうございます……!」

補欠部員「いえ、マグレですよ」

美少女「あの……私、あなたに一目惚れしてしまいました!」

美少女「どうか、お付き合いを……」

補欠部員「すみませんが、今は野球に専念したいので……失礼します」タタタッ

美少女(名前も名乗らないで……なんて人なの)ドキン…
23:2018/09/18(火) 01:03:50.070 ID:s/zZTE8/0.net
補欠部員「バッティングセンターで猛特訓だ!」

補欠部員「ふん! ふん! ふん!」

スカッ スカッ スカッ



オーナー(いつも来てるあの子……野球の才能はからっきしじゃが、努力はしておるようじゃの)

オーナー(ああいう子こそ、報われるべきじゃ!)
24:2018/09/18(火) 01:05:11.432 ID:gGMpAGJId.net
なんで野球だけダメなんだw
25:2018/09/18(火) 01:05:40.447 ID:2NNMs0jG0.net
お前いっつもこんな妄想してんの?
26:2018/09/18(火) 01:07:45.422 ID:VOy1DeR60.net
うん
27:2018/09/18(火) 01:08:18.381 ID:s/zZTE8/0.net
オーナー「練習を休んで、少し話をせんか?」

補欠部員「なんでしょう、オーナーさん?」

補欠部員(もしかして、バッティングセンターの料金少し安くしてくれるとか?)ワクワク

オーナー「実はワシの正体は日本有数の大富豪なんだが、道楽でバッティングセンターを開いておるんじゃ」

補欠部員「はぁ」

オーナー「しかしワシには家族がいなくてのう……」

オーナー「いつも頑張ってる君に全財産を授けたいんだが、受け取ってくれるね?」

補欠部員「あ、そういうのはちょっと……結構です」

補欠部員(違う話だった……ガッカリだ)
29:2018/09/18(火) 01:11:14.606 ID:s/zZTE8/0.net
補欠部員(カフェオレでも飲んで気分転換……)

補欠部員「ん?」

プログラマー「くそっ、うまくいかない!」バンッ

補欠部員「どうしたんですか?」

プログラマー「今、新しい野球ゲームの開発をしてるんだが、どうしてもこういうバグが出てしまって……」

補欠部員「ああ、これならこうすれば……」カタカタ

プログラマー「えっ、バグが消えた!?」
30:2018/09/18(火) 01:11:40.680 ID:WEszcJ6L0.net
昔のこと思い出した
補欠にチャンスはない
31:2018/09/18(火) 01:13:23.432 ID:s/zZTE8/0.net
プログラマー「す、すごい……すごいよ君!」

プログラマー「ぜひうちの会社に入らないか!? これ名刺!」サッ

補欠部員(業界最大手のゲーム会社じゃないか)

プログラマー「一緒に素晴らしい野球ゲームを作ろう!」

補欠部員「すみませんが、お断りします」

補欠部員(俺がやりたいのは野球ゲーム作りじゃなくて、野球なんだよ!)
33:2018/09/18(火) 01:15:16.583 ID:s/zZTE8/0.net
補欠部員(こうなったら最後の手段だ……)

補欠部員(レギュラーをバットで殴ってケガをさせれば、俺がレギュラーになれる……!)メラメラ…





レギュラー部員「……」スタスタ


補欠部員(……来た!)

補欠部員(このバットで闇討ちしてやる! 悪く思うなよ!)
34:2018/09/18(火) 01:15:31.592 ID:A3vSYPiIp.net
これも今風に言えばなろう系かな
こういう無自覚超人系SSって昔VIPにゴロゴロあったよね
というか今も割と書かれる
36:2018/09/18(火) 01:18:29.187 ID:s/zZTE8/0.net
悪人「ヒャッハーッ!」パンッ

悪人「いくらヒーローとはいえ、拳銃には敵わねえだろ!?」パンッ

ヒーロー「くっ……!」


レギュラー部員「う、うわぁぁぁぁぁっ!」タタタッ


補欠部員「あっ、逃げちゃった!」

補欠部員(でも、正直ホッとしてる自分がいる……)

補欠部員(やっぱり暴力でレギュラーの座をつかむなんてよくないよな)
37:2018/09/18(火) 01:21:33.896 ID:s/zZTE8/0.net
ヒーロー「さすがの俺でも、あんなにピストルを乱射されたら……!」

補欠部員「ヒーローさん、俺に任せて下さい」カキンカキンカキンッ

悪人「なにいいい!? バットで弾丸を打ち返した!?」

補欠部員(野球ボールは打率0割だけど、こういうのは打てるんだよなぁ……)

ヒーロー「今だ、覚悟しろ!」バキッ

悪人「ぐぎゃあっ!」



ヒ―ロー「君のおかげで悪人を倒せたよ!」

補欠部員「いえ、こっちもあなたのおかげで道を誤らずに済みました」

ヒーロー「よかったら、俺と一緒にヒーローをやらないか!?」

補欠部員「ヒーローはヒーローでも、野球でヒーローになりたいんで……」
38:2018/09/18(火) 01:24:06.409 ID:s/zZTE8/0.net
補欠部員「球拾いで培ったテクニックでゴミでも拾うか……」シュババババ



市民A「おお、すごいスピードでゴミを回収している!」

市民B「お見事! 彼は次世代のスーパーボランティアだ!」
39:2018/09/18(火) 01:25:40.050 ID:7VtLP0VEr.net
完璧超人(ただし野球を除く)
40:2018/09/18(火) 01:27:54.092 ID:s/zZTE8/0.net
補欠部員(もうレギュラーの座は諦めた……せめて応援を頑張ろう!)

補欠部員「かっとばせーっ!!!」

ワァァァァ…



音楽プロデューサー「君、いい声してるね!」

音楽プロデューサー「ぜひ、バンドを組んでデビューしてみないか!? 大儲けできるよ!」

補欠部員「野球に集中したいんで……」
41:2018/09/18(火) 01:30:25.386 ID:s/zZTE8/0.net
ホータールノーヒーカーリー…

レギュラー部員「いよいよ卒業だな」

補欠部員「ああ、色々あったけど楽しかったよ」

レギュラー部員「卒業後はどうするんだ? なんかいっぱいスカウトが来てたけど……」

補欠部員「全部断ったよ」

レギュラー部員「えっ、どうして!?」

補欠部員「大学でも野球を続けたいからな」

レギュラー部員「偉いなぁ、俺はもう野球は辞めるつもりなのに」

補欠部員「俺の取り柄はそれぐらいだから……」
42:2018/09/18(火) 01:33:16.581 ID:s/zZTE8/0.net
補欠部員(レギュラーにはなれなかったけど、俺は野球を続ける決心をした)

補欠部員(でもどうせ、大学でもレギュラーにはなれず、四年間補欠なんだろうなぁ……)

補欠部員(あーあ、部活の補欠ってしょせん負け組だよなぁ……)







― 終 ―
43:2018/09/18(火) 01:34:44.706 ID:gGMpAGJId.net
乙 大学編も見たいな
44:2018/09/18(火) 01:34:54.075 ID:kDWgxehU0.net
46:2018/09/18(火) 01:38:32.688 ID:WEszcJ6L0.net

部活の環境が合わないと思ったら速攻で辞めるべき
補欠部員「あーあ、部活の補欠ってしょせん負け組だよなぁ……」
引用元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1537197720