1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/22(木) 00:18:36 ID:4GZSp2ag
友「水道……!?」

男「そう、その名の通り水の力で戦う武道だ!」ニヤ…

男「ほら、人体の10%だか100%は水でできているっていうだろ?」

友「ずいぶん曖昧だな……」

友(俺の記憶が確かなら、60%とか70%だったような)

友「ようするに、あれか? 漫画でよく出てくる“発勁”的な技を使う武道なんだろ?」

友「人体を水が入った袋と見立てることで、体の内部にダメージを与えるみたいな」

男「全然ちがう!」

友「え、ちがうの」

2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/22(木) 00:24:13 ID:4GZSp2ag
男「“水道”では、水そのものを武器とする!」

男「たとえば、ここに水が入ったバケツがある!」チャプン…

友「うん」

男「この水をこうやって……手で相手にひっかける!」バシャバシャッ

友「うわっ、なにすんだ!」

男「このようにして、敵にダメージを与えることができるのだ!」

友「俺、全然ダメージないけど……」

3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/22(木) 00:27:42 ID:4GZSp2ag
男「さらに……こう!」ザバァッ

男「……」ビッショリ…

男「水もしたたるいい男になれる!」ビショビショ…

男「ほら、風呂上がりに鏡に映った自分を見ると、イケメンに見えるっていうだろ?」

友「はぁ……」

友「一時期話題になった、アイスバケツチャレンジを思い出したよ」

4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/22(木) 00:31:43 ID:4GZSp2ag
男「さらに、このように蛇口のある場所でなら、“水道”は無敵になる!」

男「なぜなら――」キュッキュッ

男「ほれほれほれええええっ!」ブシャァァァァァッ

友「バ、バカッ! ふざけんなっ!」

男「武器となる水が無限にあるからだああああああっ!」ブシャァァァァァッ

友「やめろ、このバカ!」ボカッ

男「あだぁっ!」

友「ったく……お前のせいで、俺までずぶ濡れじゃねえか。水もったいないし」キュッキュッ

5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/22(木) 00:35:56 ID:4GZSp2ag
男「他にも蛇口の近くにはホースが必ずある!」

友「必ずではないと思うけど……」

男「それをこのように振り回せば、強力な武器になる!」ヒュンヒュンヒュンッ

友「ひいっ! あっぶねえ!」

男「うわっ!?」グルグルグルッ

男「か、からまっちゃった……助けて……」

友「なにやってんだか……」

6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/22(木) 00:40:17 ID:4GZSp2ag
男「あぁ、苦しかった……」ゲホッゲホッ

友「じゃあ、こっちから質問させてもらうけど……」

友「もし近くに水も蛇口もなかったら、どうするんだ? どうやって戦うんだ?」

友「いっとくけど、剣道やってる奴って竹刀なくてもそれなりに戦えるっていうぜ?」

男「ふっふっふ、もちろん“水道”に弱点はない!」

男「近くに水がなければ、自分の水を使えばいいじゃない!」

友「自分の水? ……ま、まさか!」

7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/22(木) 00:43:14 ID:4GZSp2ag
男「そう!」

男「これとか!」ペッペッ

友「うわっ! きたねっ!」

男「さらには、これえっ!」ズルッ ポロン…

男「ふははははは、どうだぁっ!」ジョボボボボ…

友「やめろ、バカ! かかったら絶交だからな!」スタタタッ

8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/22(木) 00:46:45 ID:4GZSp2ag
男「あぁぁ~、スッキリした……」ブルブルッ

男「ちなみに、最初にやったのは“上水道”という技で」

男「ズボンを下ろしてからやったのは“下水道”という技だ」

男「上段と下段に対応しているわけだ」

男「ストリートファイターに出てくるサガットのタイガーショットみたいなもんだな!」

友(ツバと小便と一緒にされちゃ、サガットもいい迷惑だろう……)

9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/22(木) 00:49:38 ID:4GZSp2ag
男「他にも……」ウルッ

男「嘘泣きして、敵を騙したり……」シクシク…

男「汗を大量に出して、ダメージがあるフリをしたり……」ダラダラ…

男「鼻水をいっぱい出して……」ダラーン…

男「敵を捕獲することもできる」ジュルルッ

友「できねえって」

男「しかも、鼻水って、程よくしょっぱくてとろろの味に似て――」ジュルッ

友「やめてやめてやめて! とろろ食えなくなるからぁっ! 俺の好物だからぁぁぁっ!」

10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/22(木) 00:53:47 ID:4GZSp2ag
男「――ってところだ」

男「俺はこれから“水道”の道場を開く! 師範になる!」

男「そして、“水道”を柔道や剣道に並ぶ、いやそれ以上の武道にしてみせる!」

友「はぁ……」

男「もし、開いたら、真っ先に入門させてやるからな!」

男「なんなら、ダチ特典でいきなり初段からスタートさせてやってもいいぜ」

男「それじゃあな!」タタタッ

友(その前に、水道局に怒られたり、警察に逮捕されなきゃいいけど……)

11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/22(木) 00:56:37 ID:4GZSp2ag
数日後――

男「よう!」

友「お、おう」

友(よかった……逮捕されてなかった)

男「いやぁ、なんかお前とすっげー久々に会った気がするよ」

友「……俺はそうでもないけどな」

友「ところでさ……こないだ話してた武道ってどうなったんだ?」

男「ブドウ?」

友「ほら、水を使う“水道”とかいう武道だよ」

男「水道? なにそれ?」

友「おいおいおい、しらばっくれるなよ。たかだか数日前のことじゃんか」

12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/22(木) 01:00:08 ID:4GZSp2ag
男「数日前?」

男「俺、ここ一週間ぐらい、すっげー風邪ひいててさ」

男「熱40℃以上出ちゃって、頭ぼんやりしてて、全然覚えてないんだよ」

男「もしかして、ぼんやりしたまま夢遊病みたいな感じになってたかも」

男「あっ、なんか俺、変なことしちゃったか?」

友「いや……」

友(なるほど、風邪ひいてたのか……)

友(そりゃあ、汗はかくし、鼻水は出るし、わけ分からんこと思いつくわけだ……)

13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/22(木) 01:04:08 ID:4GZSp2ag
友「ハーックション!」

男「!」

男「おい、大丈夫か? もしかして俺がうつしちゃったか?」

友「ああ……うつっちゃったみたいだ……」

友「でも、なんだか……新しい武道を思いつきそうな予感がする……」ニヤ…







おわり

14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/22(木) 02:09:45 ID:HgQvZTXI
水道…恐るべし!

17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/22(木) 08:05:23 ID:ntrnoJRI

引用元: 男「最強の武道を思いついたぞ! その名も“水道”!」