3:2019/02/24(日)22:08:01 nV2
黄色く細長い体にカエルのような顔、目の後ろから生える黒くて長い髪の毛を持つ男がいた。

彡(゚)(゚)(名前=慈栄やきう)はその黒い髪の毛をたなびかながら満面の笑みで町中を歩いていた。

彡(^)(^)(今日からワイは晴れて花の警察官や)テクテク
5:2019/02/24(日)22:09:18 nV2
彡(゚)(゚)はふと真顔に戻るなり、その大きな目の中にある瞳をギョロギョロと左右に動かしながら歩いていた

彡(゚)(゚)「」テクテク
彡(゚)(゚)(相変わらず家から警察署まで遠いなあ)テクテク

彡(゚)(゚)(まあ車とか電車使う程の距離ちゃうしこうやって歩きしかないが)テクテク

彡(゚)(゚)はふと横に目をやると、すぐ様前を見た。
彡(゚)(゚)は表面上では済まし顔しつつも、内心焦っていた。

彡()()(ファッ!?途中893おるやんけ!)
彡()()(しかも何故か猫抱えとるわ!)

彡(゚)(゚)(触らぬ神に祟りなし・・・スルーしとくか)
???「ちょっとそこの黄色いの」
9:2019/02/24(日)22:11:36 nV2
彡(゚)(゚)は一瞬目前が真っ白になった。暑くもないのに額からは汗が流れていた
彡(゚)(゚)は全身を小刻みに震えさせながらも、回らない頭を何とかして動かした。

彡;()()(グエー診断後)
彡;()()「な、なんですか・・・」(震え声)

190cm越えの長身に適度な筋肉、スキンヘッド、眉毛は完全になく、鋭い目付きに頬には傷。それに上下、真っ黒なスーツ姿。

完全にその道にしか見えない男は男とは正反対に可愛い子猫を大事そうに抱えながらも、こう続けた

???「君、警察の面接に来ていた子だね」
彡()()「ちゃ、ちゃいます・・・」(大嘘)

???「いやいや、そんな事ないはずだよ。一応俺はこーいう者だが・・・」
12:2019/02/24(日)22:13:33 nV2
その大男はふとスーツの内ポケットから黒い手帳を出した。彡(゚)(゚)はひたすら体も声を震わせながら謝罪の言葉を繰り返した後、手帳に書いてある事に目を見開き驚いた。

彡(゚)(゚)(弐知屋杏 警察署 巡査部長 強面太郎)
彡(゚)(゚)「ファッ!?警察なんですか!?」

強面は腕の中の子猫を大事そうに撫でつつも、笑顔でこう言った。

強面「まあこんな見た目だから勘違いされやすいんだよね・・・w」
強面「これから出勤?」

彡(^)(^)「はい!ワイ・・・僕は晴れて今日から貴方と同じおーぷん署になりました!」

彡(゚)(゚)は満面の笑みで語った。それに対して強面も同じく満面の笑みで返した。
強面「そっかー・・・おめでとう!」(ニッコリ)
彡(^)(^)「ありがとうございます!」

猫「ナー」
14:2019/02/24(日)22:15:29 nV2
彡(゚)(゚)はふと恐る恐る強面の腕の中にいる子猫に目をやった。

彡(゚)(゚)「こちらの猫は・・・」
強面「拾ったんだよ。ねー・・・にゃんごろう55号」

猫「ナー」

彡(゚)(゚)(にゃんごろう・・・)
強面「うちの署で飼う予定だったけど・・・」チラッ

彡(゚)(゚)(ヒェッ)
彡(>)(<)「も、勿論!飼いましょう!」

そんな彡(゚)(゚)を見て強面は高らかに笑った。彡(゚)(゚)は不思議そうな顔でそんな強面を見た。それから強面は自分の頬を指でなぞりながらこう言った。

強面「ちなみにこの頬の傷は」

強面「昔、警察になりたての頃に車に轢かれそうになった子猫をかばった時にパトカーに轢かれて出来た傷」

彡(゚)(゚)「はえー」(ドン引き)
16:2019/02/24(日)22:16:51 nV2
強面はふと自分の左手首につけられた時計を見た。

強面「こんな時間・・・急ぐぞ」シュバババッ

彡(^)(^)「勿論!」シュバババッ

猫「ンナー」

強面と彡(゚)(゚)はダッシュした。
17:2019/02/24(日)22:20:00 nV2
******

おーぷん署にて。

彡(゚)(゚)は元気に挨拶をした。
彡(^)(^)「本日より配属になりました!
慈栄やきうです!」

彡(゚)(゚)「ファッ!?原カスおるやん!」

そこには小柄で丸っこく白い眉毛の垂れ下がった一人の男性がいた。その男性は彡(゚)(゚)に対して如何にも不快そうな顔をした後にこう言った。

(´・ω・`)「ここでは僕が先輩だから敬語使ってよね」
彡(゚)(゚)「ぐぬぬ・・・兄のワイが2年間ニートしていた間に・・・」

強面「同じ苗字だと思っていたら・・・兄弟なんか。慈栄 巡査長と慈栄 巡査は」
19:2019/02/24(日)22:22:22 nV2
その白くて丸くて小柄な男こと慈栄 原住民は露骨に不快そうな顔でこう言った。

(´・ω・`)「こんな穀潰し何かと誰が兄弟だよ」(ええ・・・まあ、はい・・・)
彡(゚)(゚)「ゥー」

強面「wwwwwwwwwwww」

強面は高らかに笑った。すると強面の腕の中にいる子猫が退屈そうに欠伸をした後に、如何にも退屈そうに鳴き声を上げた。

猫「ナー」
強面「おーどうちたの?」

彡(゚)(゚)
(´・ω・`)「アレがあの人の平常運転だから」(ボソッ)
彡(゚)(゚)(成程)
21:2019/02/24(日)22:26:03 nV2
署内に響き渡る一本の電話。署内にピリついた空気が走り渡った。

電話「デンワヤデ」
強面「はい」電話とる

強面、電話越しでの通話終了するなり
強面「おい。おーぷん2丁目で殺人事件だ。すまないが巡査長と巡査もついてくるように」

彡(゚)(゚)(`・ω・´)「はい!」
22:2019/02/24(日)22:27:21 nV2
******
現場にて。

彡(゚)(゚)は何度も反吐を吐きそうになっていた。そんな彡(゚)(゚)に対して露骨に不快感を示す(´・ω・`)。

彡(>)(<)「うわぁ...血やんけ・・・オェェェェェ」
(´・ω・`)「穀潰し。そんなんじゃ警察成り立たないよ」
彡(>)(<)「でも・・・」

強面はそんな二人をよそに、床に倒れ込む形で胸元に刃渡り18cmのナイフが刺さった男性を、しゃがみ込む形で眺めていた

ナイフが刺さったその男性は身長は180cm近くあり、鼻筋は高く目はキリッとしているために顔は所謂イケメンだった。

強面「殺害されたのは 美男旦那 42歳 既婚
嫁の(*゚-゚)は現在、連絡がついておらず所謂、行方不明と言われるような状況だ」

彡(゚)(゚)はふとある違和感を感じていた。
彡(゚)(゚)(あれ・・・)
(´・ω・`)「何でも奥さんに(*゚-゚)さんとは現在連絡が取れていないみたいです」
24:2019/02/24(日)22:30:03 nV2
強面はそんな二人をよそに鑑識に淡々と事情を聞いていた。

強面「成程、死亡推定時刻は」
鑑識「恐らくですが本日未明の1:30から3:30だと」

(´・ω・`)「職場の人間によると昨日は日付が変わるまで上司と飲み
そのまま帰ったのだと」

強面「すると帰宅後に殺害された可能性があるという事になるのか・・・」

強面は右手で右の耳朶の近くに置いた。
その様子を黙って見ていた彡(゚)(゚)。

彡(゚)(゚)は目付きを鋭くし、ゆっくりと慎重な口調で言った。
彡(゚)(゚)「つまり奥さんが第一発見者の可能性が高い」

強面「まあ常識的に考えてな。それ以外にも考えられる事もあるが、まあこの状況ではそう考えられる」
彡(゚)(゚)

彡(゚)(゚)は強面を見つめた。鑑識はどこか間の抜けたような飄々とした口調でこう言った。

鑑識「近所でも有名のイケメンと美女の夫婦だったみたいですよ?
それに夫の方は何であの旧帝の法学部を主席で卒業後にあの一流企業勤めとか」
25:2019/02/24(日)22:32:47 nV2
強面は右手を自分の口の前に置いた。彡(゚)(゚)と(´・ω・`)はそんな強面を黙って見ていた。

(´・ω・`)
彡(゚)(゚)

強面「慈栄巡査
何さっきから俺を見てるんだ」

強面は一瞬両手をポケットに突っ込もうとし止める

彡(>)(<)「いえ!何でもないです!」
鑑識「一見理想的な夫婦ですが近所の方によると夫の方から罵声が聞こえていたとか」
彡(゚)(゚)

彡(゚)(゚)は更にいっそう目付きを鋭くした。そして気まずそうに重々しい口調でこう言った。

彡(゚)(゚)「あの・・・」
強面「ん?」

彡(>)(<)「漏れたから・・・うんこしたい!」
強面「ハァ!?」
(´・ω・`)(あーあ。またか)(呆れ顔)
28:2019/02/24(日)22:34:56 nV2
慌てる一同。(´・ω・`)だけは完全に呆れ返っていた。

強面「んなの近くのコンビニ・・・」

彡(●)(●)「あああああああああああああああああああああああああああああ」(ブリブリブリュリュリュリュリュリュ )

彡(゚)(゚)は盛大に脱糞をした。パニックと化した現場。

強面「ぎゃあああああああ!!!!!!!」
強面「脱糞しちゃった!!!!」

彡(^)(^)「トイレ使うで」スタコラサッサ
鑑識「トイレの鑑識はまだ途中のはずd」
鑑識、強面「あ~あ・・・行っちゃった」
29:2019/02/24(日)22:35:06 7rE
くさぁ!
30:2019/02/24(日)22:36:28 nV2
******

清々しい顔で帰ってくる彡(゚)(゚)と、露骨に不快感を示す一同。そんな事は気にせずに彡(゚)(゚)は真剣な表情と口調でこう言った。

彡(゚)(゚)「強面先輩。それから鑑識。飽く迄ワイの勘やが調べるならトイレのゴミ箱の中のナプキンに付いた指紋と血液」(キリッ)

彡(゚)(゚)は続けてこう言った。

彡(゚)(゚)「それから凶器に付いた指紋と電話の着信履歴とインターホンの履歴と監視カメラの履歴とスマホの履歴だけでええと思いますで」(キリッ)

彡(゚)(゚)「あとの部分は余計だと思います」(キリッ)
彡(゚)(゚)「原ちゃんは知ってるやろうがワイ、勘が凄いんで」(キリッ)

強面は怪訝そうな顔で彡(゚)(゚)を見た。
強面(何を言ってるんだ・・・コイツは・・・しかし・・・その目付きはさっきまでと違いタダモノではない気が・・・)
34:2019/02/24(日)22:39:10 nV2
鑑識は飄々とした口調でこう言った。

鑑識「そこは勿論調べてるよ」
強面「つーことで巡査は黙っt」

彡(゚)(゚)「それか強面先輩」
強面「?」
彡(゚)(゚)「何かあったんですか?」

強面は真っ直ぐ彡(゚)(゚)を見た。一切目線を逸らさない彡(゚)(゚)。(´・ω・`)は完全に呆れ返った顔で彡(゚)(゚)を見ていた。

彡(゚)(゚)「ここに来て奥さんの名前聞いてから様子がおかしいような・・・」

強面は一瞬、彡(゚)(゚)の目を見た。彡(゚)(゚)は黙って、ジッと真っ直ぐに強面の目を見た。

強面(!?)
強面「余計な事言うな。お前は黙っとけ」

彡()()「すんませんでした・・・」
(´・ω・`)「!!!」
39:2019/02/24(日)22:40:39 nV2
******
帰り道にて。

強面が運転する車の後ろには彡(゚)(゚)と(´・ω・`)。
小声で彡(゚)(゚)に注意する(´・ω・`)。

(´・ω・`)「怒られちゃったじゃん。この穀潰しが」(ボソッ)
彡(゚)(゚)「るせえ糞チビ。でもワイの勘の鋭さは知ってるやろ?」(ボソッ)

(´・ω・`)「そうだけど・・・今はまだ入りたてなんだから先輩方の言う事聞きなよ・・・ションベンカラー糞野郎」(ボソッ)

強面は背後からの小声が気になり運転しながらもこう言った。

強面「さっきから何話してるの?」
彡(>)(<)(´・ω・`)「いえ!何でも!」
強面「ふーん・・・」

(´・ω・`)は彡(゚)(゚)を睨みつけた。それから暫く三人の間には沈黙が流れた。

彡(゚)(゚)
(´・ω・`)
強面「」
41:2019/02/24(日)22:41:58 nV2
彡(゚)(゚)はバックミラー越しに強面を見た。その彡(゚)(゚)の顔は真剣な表面だった。彡(゚)(゚)は淡々とした口調で言った。

彡(゚)(゚)「強面先輩、何か隠し事してます?」
強面「え?」

驚き一瞬、バックミラー越しに彡(゚)(゚)を見た強面。

彡(゚)(゚)「人がしている時の隠し事の幾つかに」

彡(゚)(゚)「まばたきの回数増える、口調が早口になる、耳を触る、ポケットに手を突っ込む、詳細に話す、攻撃的になる、左の口角上がる」

彡(゚)(゚)「などがあるんですよ」
43:2019/02/24(日)22:43:49 nV2
彡(゚)(゚)は続けて同じように淡々とした口調で言った。

彡(゚)(゚)「勿論他にもありますが、先輩はコレらの行動並びに似た行動していました」

彡(゚)(゚)「しかも害者の嫁の名前聞いた途端始まった」
※害者=被害者。今回は殺害された美男旦那を指す。すなわち、害者の嫁とは現在行方不明の(*゚ー゚)

彡(゚)(゚)「偶然かも知れません。しかしワイは勘
が鋭い方ですしソレに当てはまり過ぎです」
彡(゚)(゚)「何かあったんですか?」

(´・ω・`)は完全に呆れ返った口調で彡(゚)(゚)に対してこう言った。
(´・ω・`)「おい、ションベンイエロー・・・」

少しの間、三人の間に静寂が流れた。それはほんの数秒だったが、(´・ω・`)に取っては一時間に感じた。
強面「」
45:2019/02/24(日)22:45:24 nV2
沈黙を破るように強面は高らかに笑った。
強面「アッハハハッwww」
強面「君は面白い事言うね」

(`・ω・´)
彡(゚)(゚)

強面は笑いながらこう言った。
強面「君がトイレ言ってる間に慈栄巡査長から色々話聞いたよ」

彡(゚)(゚)(原ちゃん・・・)
強面「今晩、飲み行くけど、どうよ?」
彡(^)(^)(´^ω^`)「はい!よろこんで!」

彡(゚)(゚)と(´・ω・`)は満面の笑顔で元気に返事をした。兄弟とだけあって同時だった。(´・ω・`)は不快だったのだろう

(´・ω・`)はコッソリ彡(゚)(゚)の足を踏んだ。何ともないフリをする彡(゚)(゚)。そんな二人に気付かず強面はボンヤリとこんな言葉を思った。

強面(庄〇かよ・・・)
47:2019/02/24(日)22:47:54 nV2
******

彡(゚)(゚)は初めて来た居酒屋にソワソワしながら周りを見渡した。完全にシカトする強面と(´・ω・`)。

彡(゚)(゚)(庄司って居酒屋 初耳!)

席順は彡(゚)(゚)から見て右側に(´・ω・`)、更にその右隣は壁、彡(゚)(゚)と(´・ω・`)の前に強面が座る。個室とだけあって彡(゚)(゚)や(´・ω・`)、強面のそれぞれの後ろにも壁がある。

強面は宝石のようにオレンジ色に輝く硝子のコップに入ったサンテロ ドゥエ(※度数は2%の酒。ちなみに、ビールは4~5.5%)を10倍水で薄めた奴を一口飲んだ

その様子に驚く彡(゚)(゚)。それから強面は姿勢を前屈みに直すと重々しい口調でこう言った。
強面「まあ今日あったヤマの話だが・・・」
※ヤマ=事件の事。この場合は美男旦那殺人事件の事を指す

その様子を彡(゚)(゚)はノッキーン・ポチーン(※度数は90%)を、(´・ω・`)はビールを飲みながら黙って見ていた。強面は多少吃りながらも続けた。

強面「その・・・害者の妻・・・(*゚-゚)さんとは・・・昔色々あってな・・・」
強面「まあ仕事に私情の持ち込みはイカンが・・・」
強面「昔・・・彼女と・・・恋仲・・・だったんだよ・・・」
49:2019/02/24(日)22:51:06 nV2
完全に吹き出す彡(゚)(゚)。その様子に露骨に不快感示す(´・ω・`)。涙目になる強面。

彡(゚)(゚)「プッwww」
強面「( TДT)」

(´・ω・`)「おい」グイッ
彡(;)(;)「原ちゃん・・・抓らないで・・・痛い・・・」

彡(゚)(゚)は完全に涙目だった。彡(゚)(゚)は(´・ω・`)に抓られた左外側の太股を庇いながらも、彡(゚)(゚)は恐る恐る強面に質問した。

彡(゚)(゚)「はえー・・・馴れ初めは?」
(´・ω・`)「おい」バンッ!
彡(;)(;)「原ちゃん・・・成人男性の本気のビンタ痛いから」

彡(゚)(゚)は(´・ω・`)にビンタされた左外側の二の腕を摩ったいた。そんな彡(゚)(゚)を完全にシカトする(´・ω・`)と強面。強面は懐かしげに語った。

強面「高校の時の同級生、ってことかな」
強面「俺が通っていた高校は部活や同好会が強制で」

それから強面は苦笑いしながらこう言った。

強面「俺とか195cmとかあるから凄いのよ」
強面「ラグビーとか柔道からの勧誘が」

強面「そしたら偶々同じ中学校出身の先輩が同好会の勧誘していて」
強面「俺と同じ少女漫画好きだったから」
51:2019/02/24(日)22:54:10 nV2
強面は懐かしげに、それもニコやかにこう続けた。その様子を見守るように見る彡(゚)(゚)と(´・ω・`)。

強面「それに先輩優しくてさ」
強面「先輩と割と仲良かったのよ、中学校の頃」

強面「そんな先輩の誘い受けて入ったのがニューミュージック・フォークソング同好会」
強面「まあ中身は軽音部だけどさ」

強面は気恥しそうに、そのスキンヘッドの頭を掻きながら、こう言った。

強面「そこで俺はファイブピースのドラム任せられる事になって」
※ファイブピース=五人構成のバンドのこと
彡(゚)(゚)(´・ω・`)(そりゃあ、その体型なら、そうでしょうね)

強面「そのバンドで高音担当のボーカルしていたのが(*゚ー゚)さん」
強面「彼女、音楽一家な上にアメリカ出身だから歌上手いのよ」

強面はまるで自分の自慢話するかのようにウキウキとした表面で続けた。その様子に多少引く彡(゚)(゚)と(´・ω・`)。

強面「しかも手先が器用で良く衣装とかメイクを担当していた」
強面「好きな歌手が尽く一致してそれで意気投合した末に向こうから告白して来た」

強面「何せ彼女は学校のマドンナだったからね」
52:2019/02/24(日)22:56:18 nV2
強面は嬉しそうに楽しそうに、どこか懐かしげに笑うとこう言った。
強面「嬉しかったね」?(^▽^)
彡(゚)(゚)(´・ω・`)(幸せそう (小並感) )

それなら強面は遠くを見つめ何処か悲しそうな、それでいて懐かしげにこう言った。

強面「卒業後、進路は違ったがそれでも付き合っていたね」
強面「そしたら、ある日 彼女が泣きながら別れを告げに来た」

強面と彡(゚)(゚)と(´・ω・`)の間に沈黙が流れた。強面は俯き、その美しくオレンジ色に光る硝子に入った酒を一杯飲んだ後に暫く、その酒を眺めていた。

強面「何でも『親が決めた人と結婚しなきゃいけない』って」
強面「俺はどうする事も出来ずに受け入れた」
彡(゚)(゚)(´・ω・`)
54:2019/02/24(日)22:57:55 nV2
気まずくなる三人。ほんの数秒が一時間に感じた三人。重そうな口調で強面は言った。

強面「・・・すまん・・・俺ばっかり・・・」
彡(>)(<)「いや!大丈夫です!」アタフタ

強面は話を変えるためか明るい口調でこういった。

強面「まあそんな事は良してさ。ほら色々飲んだり食べたりしな」

彡(^)(^)(´^ω^`)「はい!よろこんでー!」
強面(何だこの挨拶)
55:2019/02/24(日)23:00:29 nV2
******
翌々日

大きめの緑色のビニル袋に盛大に汚物を吐く彡(゚)(゚)。汚物を見るような顔で彡(゚)(゚)を蔑み見る(´・ω・`)。

彡()()「あーオェェェェェ」ゲロゲロゲロゲボボボッ

(´・ω・`)「飲み過ぎだぞ、おしゃべりクソ野郎」
彡(\)(/)「うっちゃい!」
彡()()「トイレ行ってくる・・・ゲロ袋満たんなったわ・・・」

その様子を(´・ω・`)と同様に呆れ返って見る強面。
強面「何してるんだ、恩慈栄巡査は」
強面「三日酔いとか聞いた事ないぞ」

数分後。
トイレから帰ってくるなり思い出したかのように言う彡(゚)(゚)。

彡()()「あーそうそう。昨日同様に、気分悪過ぎて早めに来たついでに鑑識らと共に調べたんですが」

彡()()「薄々勘づいていたんですが」
彡()()「あの日の夜、害者である旦那が死亡推定時刻内に(*゚ー゚)さんはとある人物と電話していたみたいです」

彡(゚)(゚)はポケットから一枚の写真を取り出した。そこには一人のセーラー服を着た美少女が写っていた。

彡()()「その人物がコチラ・・・JKさん・・・」
57:2019/02/24(日)23:02:46 nV2
露骨に気分悪いのを抑えながら彡(゚)(゚)は続けた。
彡()()「JKさんの家は丁度近所で(*゚-゚)さん同様に行方不明になってます」

彡()()「何でもJKさんは大人しい娘やったとか」
彡()()「今から三年ほど前に あのへんでタタキがあったやないですか」

まるで何かのスイッチが入ったかのように話す彡(゚)(゚)。

彡(゚)(゚)「あの時の犯人が美男旦那」
彡(゚)(゚)「害者がJKさん」
彡(゚)(゚)「美男が捕まってる間は(*゚ー゚)さんは馬車馬の用に働き」

彡(゚)(゚)「給料の殆どをJKさんに渡していたみたいです」

その彡(゚)(゚)の様子に驚く強面。(´・ω・`)の顔は無表情だった。彡(゚)(゚)は淡々と続けた。

彡(゚)(゚)「初めはJKさん一家は拒んでいたみたいですが」
彡(゚)(゚)「その(*゚-゚)さんの真摯さに心打たれて金を貰いつつ仲良くなったとか」

その話を聞き、強面は小さく独り言を呟いた。
強面「あの人らしい・・・」
彡(゚)(゚)(´・ω・`)
58:2019/02/24(日)23:04:55 nV2
暫く彡(゚)(゚)と(´・ω・`)は黙って強面を見ていた。しかし、彡(゚)(゚)はすぐ様口に手を当てるとどこかへ向かった。

彡()()「う・・・トイレトイレ・・・」

その様子を呆れた顔で見る強面と(´・ω・`)。

強面&(´・ω・`)「度数高い酒に加えて、瓶ビール一本分のテキーラを飲んでいたからね、アイツ」※真似したら最悪、死にます

******

その日の夜

彡(゚)(゚)は明らかにやつれた表情だった。

その彡(゚)(゚)の目線は焦点が定まっておらず口は半開きだった。しかも背中を前屈み気味に丸め、腕をだらし無くぶら下げ、フラフラとした情けない足取りでブツクサと独り言を言っていた。

彡()()「もー2度と酒なんて呑まん・・・」
彡()()「とか言いつつ呑むんやろうなあ・・・ワイ・・・」

彡(゚)(゚)は薄らと自分に対して心の中で苦笑した。しかしそれを表に出す勇気も気力もない。

彡()()「おぎやはぎのラジオ聴く気分やない・・・」
彡()()「しゃーない・・・コンビニで水でも・・・」コンビニ入
店員「ラッシュァースリー」

彡(゚)(゚)はまるで目隠しされたかのような顔付きと手付きで探し物していた。その時の彡(゚)(゚)の腰は少し引けていた。
彡()()「水と・・・週刊誌・・・」
彡()()
60:2019/02/24(日)23:06:28 nV2
彡(゚)(゚)はふと週刊誌に書いてあった記事に目に入った。
彡()()(えーと・・・弐知屋杏二丁目で殺人事件・・・嫁と夫婦と仲良かった女子高生は現在行方不明・・・)

彡(゚)(゚)はその記事を見て驚いた。
彡(゚)(゚)(ファッ!?スマホ、見なきゃ(使命感) )
彡(゚)(゚)は慌ててポケットから無機質なスマホ出すと慌てて検索をした。

***
掲示板

810:おサカナくわえたナナシさん 2017/11/23 01:14:51 ID:fsH
弐知屋杏二丁目の殺人事件
犯人は嫁の(*゚-゚)だって

811:おサカナくわえた名無しさん 2017/11/23 01:14:56 ID:HtC
>>810
知ってるわ
お嬢様育ちみたいだしワガママの末なのかな?

813:おサカナくわえた名無しさん 2017/11/23 01:15:00 ID:cLm
>>811
実際会ったら愛想クソ
会釈のみ
ちょっとやつれてるとは言え美人だからすかしてるのかしら
夫の方は愛想も良くて180cm近くの長身で高学歴でイケメンでしかも便通系列の会社務めてるエリート

814:おサカナくわえた名無しさん 2017/11/23 01:15:03 ID:tys
>>810
しかも(*゚-゚)って近所の おーぷん高校三年生のJKを誘拐して逃亡中
そのJKはかつて (*゚-゚)の夫に乱暴されたらしい
私ならイケメンだから許すけど

815:おサカナくわえた名無しさん 2017/11/23 01:15:05 ID:TrG
色々と闇が深そうな夫婦だねえ
しかも近所では夫の怒号が聞こえていたとか

>>814
>私ならイケメンだから許すけど
おいwww

***
62:2019/02/24(日)23:08:43 nV2
彡(゚)(゚)はその無機質なスマホの画面が映し出す情報に呆気にに取られていた。口を魚のようにパクパクさせた後、まとまらない頭でこんな事考えた。

彡()()(公表してへんのにバレてるンゴ・・・)

彡(゚)(゚)は腹の底からふつふつと湧き出る感情を爆発させた。
彡(\)(/)「おどれマスゴミー!」
店員&客「!?」ビクッ

驚く周りに気付かず彡(゚)(゚)はふとこんな事を思った。
彡(゚)(゚)(しゃーない。先輩と原ちゃんに伝えるか)
彡(゚)(゚)(あと色々地道に調べるか)

******

翌日。

おーぷん署のテレビでは低くて綺麗な声をした男性がニュースを読んでいた。それを半分呆れつつも真剣な顔で見る強面と彡(゚)(゚)と(´・ω・`)。

テレビ「弐知屋杏二丁目で殺人事件がー」
強面「これだからマスコミは・・・」
(´・ω・`)「だからテレビ離れが加速する」
彡(゚)(゚)「まあ大体掲示板に書いてあった通りです」

強面は旨いんだけど微妙に何かが足りない料理を食べたかのような表情でこう言った。

強面「でもなあ・・・うーん・・・ワガママ言うような人でも犯罪するような奴でもなかったけどなあ・・・」
65:2019/02/24(日)23:11:02 nV2
慌てて取り乱す強面とそれを黙ってみる彡(゚)(゚)と(´・ω・`)。

強面「イカン!イカン!私情は!」
彡(゚)(゚)
(´・ω・`)

取り乱す強面をよそに(´・ω・`)は写真を数枚出してから淡々とした口調で語った。

(´・ω・`)「ちなみに巡査の指摘通り」
(´・ω・`)「鑑識曰く凶器に使われたとされる美男に刺さっていたナイフについていたDNA鑑定と」

(´・ω・`)「トイレのゴミ箱に入っていた月経用のナプキンのDNAが一致したみたいです」

(´・ω・`)はそれから電話の着信履歴とインターホンの履歴が書いてあるA4の紙を数枚出し、同じく淡々とした口調で言った。

(´・ω・`)「またアソコはここ一年間以内に家族以外の人間は家の中に入っていないみたいです」
(´・ω・`)「また家族以外の人間と関わらなかったとか」
67:2019/02/24(日)23:13:05 nV2
強面は少し焦りながらも真剣な表情で、重々しい口調で言った。

強面「なら犯人は・・・(*゚-゚)ちゃん・・・(*゚-゚)さんの可能性が高いのか・・・」
(´・ω・`)「調べようにもスマホは家に置いたままです」

彡(゚)(゚)はそれから手帳をポケットから出し、手帳の中に書いてある事を見ながらこう言った。

彡(゚)(゚)「事件があった日、近所の玩具屋からトランシーバーがなくなったみたいです」
強面「まあスマホだけ置いて後の貴重品は無くなっていたらしいからな」
彡(゚)(゚)

******

更に四日後。

彡(゚)(゚)は署の時計を睨めつけながら自問自答する形で考え事をしていた。

彡(゚)(゚)(あれから正式に警察から発表があった)
彡(゚)(゚)(勿論、(*゚-゚)容疑者とJKが行方不明なのも)
彡(-)(-)

彡(゚)(゚)は数分の間、目を瞑った。それから目を開けると、再び、自問自答する形で語った。

彡(゚)(゚)(事件発生から丁度一週間が経っていた)
彡(゚)(゚)(ネットでは今回の事件についてアレコレと書いていた)

それから彡(゚)(゚)は完全に呆れ返ったようにこう考えた。
彡;(-)(-)(まー相変わらずガセや推測ばかりやけどな)

(´・ω・`)は日本地図、その上に数枚のA4サイズの紙を机上に広げた。
(´・ω・`)は東京から名古屋経由で沖縄県を指差しながら、こう言った。

(´・ω・`)「メールの内容から推測するに容疑者らは南の方向へ向かってます」
(´・ω・`)「おそらく今ごろ沖縄県・・・」
71:2019/02/24(日)23:15:34 nV2
(´・ω・`)の言葉を遮るように彡(゚)(゚)が口を開いた。
彡(゚)(゚)「否・・・福岡まででええ」
(´・ω・`)「え?」

驚いて彡(゚)(゚)を見る一同。
彡(゚)(゚)「それから日本海側を中心に情報提供求めて貰った方がええ」
強面「巡査!」

驚く一同。彡(゚)(゚)はそんな事を気にせずに淡々とした口調で地図の日本海側を指しながら言った。

彡(゚)(゚)「日本海側ならカモフラージュが効きます」
彡(゚)(゚)「それに日本海側ならテレビがない家の割合が増えます」
※日本海側のみなさんゴメンナサイ!。彡(゚)(゚)の偏見です

彡(゚)(゚)「それにこのへんの人は比較的内向的な方が多いですし」
※日本海側のみなさんすみませんでした!

彡(゚)(゚)は続けて淡々とこう言った。

彡(゚)(゚)「それに大阪や名古屋や東京と違ってソレ以外の地域の人間は有名人見かけても『ソックリさん』と思ってスルーします」
※色んなみなさん申し訳ありませんでした!
73:2019/02/24(日)23:17:16 nV2
彡(゚)(゚)の暴言の連発に呆れた顔をする(´・ω・`)。
(´・ω・`)「おい、パッと見 毛三本しか見えない方の巡査」
彡(゚)(゚)「移動における時間考えたら今は山口辺りかと・・・」

強面は呆れ返った表情と口調でこう言った。
強面「巡査。勝手な事ばかり言うな・・・」
強面「ただ」
強面「念のために調べはする」

(´・ω・`)は完全に納得いかない顔で強面を見た。ドヤ顔をする彡(゚)(゚)。
(´・ω・`)
彡(゚)(゚)(やったぜ。)
しかし その後、巡査の意見は却下された。

******

更に更に翌々日。署の時計は午後6:55を示していた。そんな時計を睨みつける強面。

強面「巡査は昨日は普通の休みだったが今日は風邪休みか」
(´・ω・`)「珍しいなあ・・・」
強面「ん?」

聞き返した強面に説明する(´・ω・`)。
(´・ω・`)「否、巡査は昔っから自他共に認めるほど体が丈夫なんですよ」
(´・ω・`)「おかげさまで幼稚園年少から大学卒業までの二十年間、無遅刻無欠席無早退」

強面は内心驚いた。彡(゚)(゚)が余りにもタフ過ぎるからだ。
強面「二十年間!?」
強面(一回ダブってる・・・)
75:2019/02/24(日)23:18:33 nV2
驚く強面をよそに飄々とした口調で(´・ω・`)は続けた。
(´・ω・`)「おかげで皆勤賞は25回、国からの受賞は二回です」
(´・ω・`)「体の丈夫さと運動神経以外は僕に劣りますからねwww」

(´・ω・`)の言葉に驚き絶句する強面。
強面「国から・・・!?」
強面「そういえばどこが見たと思ったら・・・ニュースか・・・」
強面は完全に言葉を失った。

署内に響き渡る一本の電話の音。一気に署内に緊張感が走った。
電話「デンワヤゾゴラァ」

強面「はい・・・なん…だと…」
(´・ω・`)(BLEACHかな)
強面「分かりました!」

強面は慌てて電話を切った。次の瞬間、強面の台詞に署内に緊張感が走った。
強面「巡査がやりやがった!」
強面「明日辺りには福岡から巡査が帰ってくる!」

強面は興奮した口調で続けた。
強面「しかも(*゚-゚)容疑者とJK連れてな・・・!」
一同「・・・!!」

(´・ω・`)は半分納得しながらも、驚きながらこう思った。
(´・ω・`)(やっぱり単なる休みじゃなかった!)
(´・ω・`)(たった二日で東京から福岡って・・・!)
(´・ω・`)(タフ過ぎるにも度が過ぎてる!)

(´・ω・`)(否、確かに元々から一週間飲まず食わず徹夜とか平気な人間だったけど・・・!)
※普通の人は三日が限界です。
76:2019/02/24(日)23:19:51 nV2
驚く一同。しかし強面は下唇を噛み締め、唾液を飲んだ後にこう言った。

強面「ただ・・・」
強面「容疑者はJK人質に 弐知屋杏大学の屋上にいるみたいだ・・・」
一同「・・・!!」

強面は(´・ω・`)の顔を見て、慌てるようにこう告げた。
強面「行くぞ!巡査長!」
(`・ω・´)「はい!」

******

弐知屋杏 学院大学 屋上。

一人の女性がピストル(回転式拳銃)を右手に自殺防止用の柵の外にいた。それもその女性はあと一歩で空へ飛べるような位置であった。
そのピストルの先は柵の内側に一人の少女のコメカミに当たっていた。少女の首には女性の左手が締めない程度に巻かれていた。

そんな二人を囲むようにいる十数人の機動隊。現場には緊張感が走っていた。強面は走って機動隊の近くにいる彡(゚)(゚)に近寄った。

彡(゚)(゚)「部長!」敬礼
強面「巡査!」敬礼
はじめに彡(゚)(゚)が敬礼した。それに対して敬礼し返す強面。彡(゚)(゚)は敬礼が終わるとこう言った。

彡(゚)(゚)「容疑者は部長を寄越せと申し上げております」
78:2019/02/24(日)23:22:40 nV2
同じく敬礼が終わった強面は右手を顎の下に持ってくる形で暫く考えた後に、次のような事を言った。
強面「」
強面「・・・分かった」

拳銃を手にし、その場を離れる、強面。彡(゚)(゚)は強面が行く先を見た。容疑者を囲むようにいる十数人の機動隊。
彡(゚)(゚)(生で見るとやっぱ・・・容疑者囲む機動隊の数凄いな)

強面、ゆっくりと拳銃を構えながら容疑者に近付く。
容疑者との距離が後5mと差し掛かった時だった。その女性 ━ (*゚-゚)は声を上げた。
(*゚-゚)「それ以上来ないで!さもないと、この子を撃つ!」

強面はユックリと拳銃を地面に置いた。そんな強面の行動に驚く一同。強面は真っ直ぐ(*゚-゚)を見ると、悲しそうな表情と口調でこう言った。
強面「(*゚-゚)ちゃん・・・」
強面「止めないか・・・?こういう事は」

強面は続けてこうも言った。
強面「(*゚-゚)ちゃんが何故ココを選んだのか分かる」

強面「俺が一年生や二年生の頃、俺が金がないもんだから良くココでデートしていたもんな」
強面「俺がココ通っていたから」

強面な意外な行動に対して更に緊張感が張り詰める一同。聞こえるのは建物の近くを通る車の音のみ。その静寂を遮るように彡(゚)(゚)は大きな声で、次の事を言った。

彡(゚)(゚)「警察の皆さん。お疲れ様です」
彡(゚)(゚)「敢えてここは2人だけにしましょう」
素直にはけて行く多くの警察官達

その様子を見て驚き慌てる強面と(´・ω・`)。呆然とした様子で見る(*゚-゚)。

強面「!おい!!」
(´・ω・`)「え・・・」
(´・ω・`)「ちょっと!みんな!!」
彡(゚)(゚)「原ちゃん・・・」

彡(゚)(゚)の飄々とした口調に驚く一同。彡(゚)(゚)はゆっくりと(´・ω・`)に近付くなり(´・ω・`)にしか聞こえない声で耳元でこう囁いた。

彡(゚)(゚)「ホンマは影から見るだけや」(小声)
(´・ω・`)「!!」
81:2019/02/24(日)23:23:43 nV2
彡(゚)(゚)は続けて(´・ω・`)にしか聞こえない声で呆れたようにこう囁いた。

彡(゚)(゚)「ホンマにはける警察が何処の世界おんねん」(小声)
(´・ω・`)「」頷く

強面以外の警察ははけるフリして隠れた。
それを見てJKは解放された。
JK「!!」シュババババッ

逃げた矢先で(*゚-゚)と強面に分からないように確保されたJK。
強面「おい!!!お前ら!」

驚き怒鳴る強面をよそに淡々とした口調で(*゚-゚)はこう言った。
(*゚ー゚)「私があの人に頼んだのよ」
(*゚ー゚)「あの黄色い人に」

強面と(*゚-゚)以外は影から二人を見ていた。(*゚-゚)に発言に驚き言葉を失う強面。
強面「え・・・」(驚)

(*゚-゚)は淡々とした口調でこう言った。
(*゚-゚)「ココで貴方と二人っきりじゃないと本音が言えないしアノ事件について言えないから」
(*゚-゚)「二丁目で私の夫が死んだ事件」

(*゚-゚)の台詞に驚き、一瞬 言葉を失う強面。(*゚-゚)は済まし顔で強面を見た。
強面「じゃあ・・・やっぱり・・・犯人は・・・(*゚-゚)ちゃん・・・?」
(*゚-゚)「そうよ」

(*゚-゚)の目は真っ直ぐ強面を見ていた。その目は迷いがなく、しかし、どこか悲しげだった。驚きを隠せない強面。

(*゚-゚)「そのつもりは無かったんだけどね・・・」
強面「どういう・・・こと・・・?」
82:2019/02/24(日)23:31:40 nV2
(*゚-゚)は暫く沈黙した。
(*゚-゚)「話すと長くなるけど、良いの?」
強面は黙って頷く

(*゚-゚)は淡々とした口調で語った。
(*゚ー゚)と旦那は元々許嫁同士で強制的にお見合い結婚

確かに旦那は誰の目から見ても長身でイケメンしかも日本一難しい大学出て一流の企業に就職し勤務で

初めは誰に対しても優しかった事や、その為に (*゚ー゚)は(*゚ー゚)の親戚から妬まれた事
しかし、(*゚ー゚)の流産がきっかけで旦那のDVか酷くなり、結果的には(*゚ー゚)は子供が産めない体になった事や

女遊びや飲み歩きが酷くなった事や それでも(*゚ー゚)は旦那の事を信じ続けた事や、(*゚ー゚)と強面が写ってる写真見て勘違いし、更にDVが酷くなった事 等

(*゚-゚)は暫く遠くの空を仰ぎ眺めた。強面はそんな(*゚-゚)を何とも言えないような表情で見ていた。

再び屋上は静寂に包まれた。(*゚-゚)は重々しく悲しそうな口調でこう言った。

(*゚-゚)「ある日警察から電話がかかってきたの」
(*゚-゚)「知ってるだろうけど、ニュースにもなった例の事件」

(*゚-゚)の台詞に黙って頷く強面。
(*゚-゚)「彼は捕まり、勿論職も失った」
(*゚-゚)「私はその日以来馬車馬のようにバイトしたわ」
(*゚-゚)「何個も掛け持ちしたりして」

(*゚-゚)はそのまま自虐気味に笑った。それから(*゚-゚)は淡々とした口調で言った。
(*゚-゚)「その頃の私って色々おかしかったのね」
(*゚-゚)「幻覚、幻聴、幻味、幻触、被害妄想・・・色々な物に悩まされたわ」

(*゚-゚)は自分の手越しに空を仰ぎ見た。
(*゚-゚)「しかも意思に反比例して体が動かない事もあった」
(*゚-゚)「それでも被害者のJKちゃんを何とかしようと」
(*゚-゚)「給料の殆どを渡していたの」

(*゚-゚)は小さく笑った。
(*゚-゚)「そしたらおかしなことに仲良くなっちゃったね、JKちゃんと」
84:2019/02/24(日)23:33:06 nV2
(*゚-゚)は一旦、深呼吸した。(*゚-゚)は遠くを見つめながら、少し声のボリュウムを下げて、こう言った。

(*゚-゚)「あの日はいつものようにアイツは飲み歩いて帰ってきたの」
(*゚ー゚)「どうやら私がアイツに対する生活費や食費以外は全てJKちゃんに渡してるの知ったみたい」

(*゚-゚)は暫く黙って、こう言った。
(*゚-゚)「アイツは私に対して言ったのよ」

(*゚-゚)「『自分の働いて稼いだ金を赤の他人に渡す何て馬鹿な真似は止めろ』って」
彡(゚)(゚)(´・ω・`)(うーん、この)

(*゚-゚)は黙って真っ直ぐ強面を見た。その目は一点の曇りも無かった。
(*゚-゚)「気付いたら刺していたわ・・・」

その瞬間、屋上に緊張感が走った。
(*゚-゚)「何が何だか分からずJKちゃんに連絡したの」
(*゚-゚)「そしたら色々提案してくれて」

(*゚-゚)「私もJKちゃんも英語が話せるからシンガポールに逃亡する話になって」

(*゚-゚)は斜め上を見ながら続けた。
(*゚-゚)「スマホだけ家に置いて銀行からお金下ろして」
(*゚-゚)「それでトランシーバー盗んだりウィッグ盗んだり車盗んだりして」

(*゚-゚)「隠れるように日本海側ルートで」
※日本海側のみなさん、申し訳ありません!
(*゚-゚)「ひたすら南の方を目指していたの」
85:2019/02/24(日)23:33:58 nV2
(*゚-゚)は俯き苦笑いした。
(*゚-゚)「国内でも沖縄ならシンガポールへ逃亡出来るし警察の目が届きにくいだろうし」
※沖縄県民、ごめんなさい!

強面は内心驚いていた。
強面(慈栄巡査が言っていた通りだ・・・)
(*゚-゚)「福岡についたくらいかな」

(*゚-゚)「一人の男性が近付いて来たの」
(*゚-゚)「その人は『地元の大学に通う大学生』って言ったの」

(*゚-゚)は苦笑いしてこう言った。
(*゚-゚)「あまりにも流暢な博多弁で騙されたわ・・・」
(*゚-゚)「まさかさっきの黄色い警察官とは」

(*゚-゚)は驚いた口調でこう言った。
(*゚-゚)「何でも47都道府県の県庁所在地がある場所の方言が話せるみたいね」

その台詞に驚きを隠せない強面と(´・ω・`)と機動隊。
強面(何者・・・?)

(´・ω・`)(ニート時代の趣味でやっていた勉強がココで生かされえるとは・・・)
(´・ω・`)(こん畜生が・・・)
彡(^)(^)
86:2019/02/24(日)23:34:42 nV2
強面同様に影で(´・ω・`)が彡(゚)(゚)を睨みつけてるのを知らない(*゚-゚)は暫く黙った後に朗らかな口調で言った。

(*゚-゚)「私は結婚してからも強面きゅんに対する思いは変わらなかったわ」

それから(*゚ー゚)は暫く黙ってから吃り吃りながら、こう言った。
(*゚-゚)「また、前みたいに強面きゅんとデートとかしたかったなあ・・・」
強面「出来るさ」

強面の発言に呆気にとられる一同。屋上にまた静寂が流れた。
(*゚-゚)「え?」(疑問)

強面は微笑みながら(*゚-゚)に対して、こう言った。
強面「出来るさ」
強面「俺も心の何処かで(*゚-゚)ちゃんに対する思いは変わらなかった」

強面「忘れようと違う人と付き合っても」
強面「(*゚-゚)ちゃん超えるような人はいなかった」

強面は微笑みながら(*゚-゚)を見つめた。その様子を影から驚いた様子で見ていた彡(゚)(゚)と(´・ω・`)と機動隊ら

(*゚-゚)はあだ呆気に取られていた。強面は優しい口調でこう言った。
強面「だからさ」

強面は(*゚-゚)に対して右手を出した。
強面「また前みたく手を繋ごうよ」
強面「俺はいつまでも待ってるから」
89:2019/02/24(日)23:41:01 nV2
(*゚-゚)は暫くその強面の様子を驚いたような顔で見た。それから(*゚-゚)の頬には一粒の雫が流れた。
(*;-;)「強面・・・きゅん・・・」

(*゚-゚)は顔を手で隠す形で号泣した。強面は厳しい口調で、しかしどこか優しさのある口調で、歌うように(*゚ー゚)を説教しづけた

周囲にいる人間は ソレを黙って聞いていた
90:2019/02/24(日)23:48:20 nV2
強面「こんな事言うのは警察として失格かもしれない」
強面「好きだからこそ君の笑顔が見たいんだ、俺は」

(*゚-゚)は暫く呆気に取られていたがすぐ様子供のように無邪気に笑った。
(*^▽^)「クスクスwww」
強面「?」

不思議そうに(*゚-゚)を見る強面。強面(*゚-゚)は暫く笑っていた。
(*^▽^)「相変わらず馬鹿な人ね」
(*^▽^)「そして相変わらず熱い人」

(*^▽^)「好きだわ、その飾らない真っ直ぐさ」
(*^▽^)「相変わらず猫とか拾ってるのかしら?」

(*゚▽゚)「私だって、あなたの笑顔がもっと見たかった」
それから暫く沈黙が流れた。それから(*゚ー゚)と強面は泣き始めた

(*;▽;)強面「「あなたが幸せなら他は何もいらなかった」」

(*゚▽゚)「それから、私ね、本物は夢のように消え去りたかったの・・・」
(*゚-゚)は一点の曇りもない笑顔で銃を自分のコメカミに当てた。
強面「!待て!!早まるなっ!!!」シュババババッ

強面を初め(´・ω・`)や彡(゚)(゚)や機動隊は(*゚-゚)の方に駆け寄った。
(*゚-゚)は満面の笑顔で引金を引きそのまま屋上の外側である後ろへ倒れた
91:2019/02/24(日)23:48:30 nV2
しかし、間に合わなかった。

彡(゚)(゚)や(´・ω・`)を初めとした多くの警察官は(*゚-゚)が地面に叩き付けられるのも見た。
強面はその(*゚-゚)の姿を見ずに泣き叫びながら倒れ込んだ。

******

数日後。
都内某所にて。彡(゚)(゚)と(´・ω・`)と強面は集まっていた。何でも強面が転職するらしい

暫く3人の間に静寂が流れた。彡(゚)(゚)は真剣な口調でこう言った。
彡(゚)(゚)「やっぱ893絡みの・・・」
強面「何でも屋?だよ」

心配げに思わず(´・ω・`)は強面に質問した。
(´・ω・`)「それ大丈夫なの・・・?」

強面は飄々とした口調でこう言った。
強面「知り合いの探偵雇ったけど普通の自営業だったよ」

彡(゚)(゚)(´・ω・`)(ふー安心)安堵
強面「今日までだな」
強面「巡査長と巡査とは」

四人の間に沈黙が流れた。
彡(゚)(゚)(´・ω・`)
強面、無言で敬礼
彡(゚)(゚)、(´・ω・`)も無言で同じく敬礼した

ふと(´・ω・`)思い出したかの口調で言った。
(´・ω・`)「ちなみに巡査は仮病疑惑で減棒だから」
彡(゚)(゚)「えぇ...」(困惑)
彡(゚)(゚)「ホンマに四十度の高熱あったのに」
92:2019/02/24(日)23:48:43 nV2
終わりやで
93:2019/02/24(日)23:48:54 pBz
乙一
95:2019/02/24(日)23:50:02 nV2
ちなみに名前の由来は銀魂の月詠ちゃんに御世話になってるからです
ほな、また
96:2019/02/25(月)00:04:22 heb
おつやで
【SS】 彡(゚)(゚)「逃げるは恥やし役にも立たん」
引用元:http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1551013586