1:2019/02/24(日) 19:39:37.033 ID:/qnJpk110.net
ある日の真夜中――
一人の老人がベッドの上で静かに息を引き取ろうとしていた。
老人「おやすみ……ワシの古時計……」
彼が目をつぶると同時に、彼を百年間見守ってきた古時計も動かなくなった。
一人の老人がベッドの上で静かに息を引き取ろうとしていた。
老人「おやすみ……ワシの古時計……」
彼が目をつぶると同時に、彼を百年間見守ってきた古時計も動かなくなった。
2:2019/02/24(日) 19:40:58.746 ID:L36zU+3a0.net
大きなのっぽの古時計
3:2019/02/24(日) 19:41:06.946 ID:/qnJpk110.net
翌朝――
近所に住んでいた息子たちが、老人の亡骸を発見する。
父「昨晩、胸騒ぎがしたから駆けつけてみたら……親父……」
母「お義父さん……」
青年「おじいちゃん……」
嫁「おじい様……」
赤子「ばぶぅ、ばぶぅ」
近所に住んでいた息子たちが、老人の亡骸を発見する。
父「昨晩、胸騒ぎがしたから駆けつけてみたら……親父……」
母「お義父さん……」
青年「おじいちゃん……」
嫁「おじい様……」
赤子「ばぶぅ、ばぶぅ」
6:2019/02/24(日) 19:43:39.946 ID:/qnJpk110.net
父「残念だけど……大往生だったよ」
母「ちょうど百歳……だったかしら?」
父「ああ……今日が誕生日だった。親父らしい、いい最期だ」
父「同居の誘いも断って、最後までこの家で一人で暮らしてさ……本当に立派だった」
母「ちょうど百歳……だったかしら?」
父「ああ……今日が誕生日だった。親父らしい、いい最期だ」
父「同居の誘いも断って、最後までこの家で一人で暮らしてさ……本当に立派だった」
10:2019/02/24(日) 19:45:13.394 ID:/qnJpk110.net
青年「だけど、せっかく産まれたひ孫をもう少し抱かせてあげたかったな」
嫁「そうね……」
赤子「だー、だー」
嫁「だけど、おじい様の強い意志は、きっとこの子にも伝わってるわよ」
青年「うん……きっとそうだ!」
嫁「そうね……」
赤子「だー、だー」
嫁「だけど、おじい様の強い意志は、きっとこの子にも伝わってるわよ」
青年「うん……きっとそうだ!」
11:2019/02/24(日) 19:47:17.257 ID:/qnJpk110.net
父「ところで、あの古時計も止まってるな」
母「あらホント、百年いつも動いてたらしいのに……」
青年「たしかおじいちゃんが産まれた日に買ってもらったんだっけ?」
父「ああ、親父はいつもあの時計と一緒だった。嬉しい時も悲しい時も……」
父「俺が子供の頃、あの時計にふざけて蹴り入れたらメチャクチャに怒ったもんさ」
青年「そりゃ怒るって」
嫁「フフフ……」
母「あらホント、百年いつも動いてたらしいのに……」
青年「たしかおじいちゃんが産まれた日に買ってもらったんだっけ?」
父「ああ、親父はいつもあの時計と一緒だった。嬉しい時も悲しい時も……」
父「俺が子供の頃、あの時計にふざけて蹴り入れたらメチャクチャに怒ったもんさ」
青年「そりゃ怒るって」
嫁「フフフ……」
12:2019/02/24(日) 19:49:01.843 ID:/qnJpk110.net
青年「今、こうして止まっちゃったのは……きっと……」
嫁「おじい様が亡くなられたから自分の役目も終わった、と悟ったからかも……」
父「ああ、きっとそうだ」
母「ロマンチックな話ねえ……」
父「今頃、親父は古時計を抱えて天国に旅立って、お袋に再会してるに違いないさ……」
嫁「おじい様が亡くなられたから自分の役目も終わった、と悟ったからかも……」
父「ああ、きっとそうだ」
母「ロマンチックな話ねえ……」
父「今頃、親父は古時計を抱えて天国に旅立って、お袋に再会してるに違いないさ……」
16:2019/02/24(日) 19:52:15.581 ID:/qnJpk110.net
青年「――ん?」
青年「この古時計、よく見ると電池式なんだね」
父「え、そうなのか?」
青年「単三電池四本で動くみたい」
母「それだけの電池で百年動くってすごいわねえ。よほど設計が優れてたのね」
青年「今、俺ちょうど電池持ってるし、入れ替えてみようか」
嫁「……でもなんだか無粋じゃない?」
青年「なあに、おじいちゃんだってもっと時計に動いて欲しいに決まってるさ」
父「親父の性格なら、そういうだろうな。動かしてみろよ」
青年「オッケー」
青年「この古時計、よく見ると電池式なんだね」
父「え、そうなのか?」
青年「単三電池四本で動くみたい」
母「それだけの電池で百年動くってすごいわねえ。よほど設計が優れてたのね」
青年「今、俺ちょうど電池持ってるし、入れ替えてみようか」
嫁「……でもなんだか無粋じゃない?」
青年「なあに、おじいちゃんだってもっと時計に動いて欲しいに決まってるさ」
父「親父の性格なら、そういうだろうな。動かしてみろよ」
青年「オッケー」
17:2019/02/24(日) 19:53:48.976 ID:/qnJpk110.net
青年「入れ替えて、と」カチッ
ボーン…… ボーン……
チクタクチクタク
青年「お、動き始めた!」
ボーン…… ボーン……
チクタクチクタク
青年「お、動き始めた!」
20:2019/02/24(日) 19:55:35.215 ID:/qnJpk110.net
老人「フォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」
父「親父!?」
母「お義父さん!?」
青年「おじいちゃん!?」
嫁「おじい様!?」
赤子「キャッキャッ」
老人「おおっ、みんな!!! ひっさしぶりじゃなあ!!!!!」
父「親父!?」
母「お義父さん!?」
青年「おじいちゃん!?」
嫁「おじい様!?」
赤子「キャッキャッ」
老人「おおっ、みんな!!! ひっさしぶりじゃなあ!!!!!」
21:2019/02/24(日) 19:56:15.816 ID:iACWXqrLd.net
おい
23:2019/02/24(日) 19:57:42.259 ID:/qnJpk110.net
老人「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
老人「みなぎるッ! みなぎるぞおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
老人「天国で婆さんとも再会してきたし、まだまだ生きてやるぞおおおおおおおおおおお!!!!!」
どうやらこの爺さん、あと百年は生きそうである。
おわり
老人「みなぎるッ! みなぎるぞおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
老人「天国で婆さんとも再会してきたし、まだまだ生きてやるぞおおおおおおおおおおお!!!!!」
どうやらこの爺さん、あと百年は生きそうである。
おわり
27:2019/02/24(日) 20:03:56.491 ID:heOkjqvJa.net
えぇ…しんみりしたかったのに何だそりゃ…
29:2019/02/24(日) 20:13:05.825 ID:uKR8CArY0.net
びっくりした
老人「おやすみ……ワシの古時計……」
引用元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1551004777
引用元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1551004777
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります