1:2019/03/06(水) 21:41:12.917 ID:QN2oVIV60.net
大男「お客さん」

女「なーに?」

大男「お会計10万円になります」

女「そんな……ビール一杯飲んだだけなのに……!」

大男「ああ、たしかに“一杯”飲んでくれたな、在庫の分のビールまで全部!」

大男「しかも、ビールだけじゃない! 高級酒のボトルも全部空けやがって!」

女「あれれ、そうだっけ?」
3:2019/03/06(水) 21:42:35.533 ID:vKzry+Sdp.net
かわいい
4:2019/03/06(水) 21:42:59.458 ID:1gEilCyzr.net
日本語って難しい
5:2019/03/06(水) 21:43:37.349 ID:Swq9q+pfa.net
いっぱいかと思った
7:2019/03/06(水) 21:45:00.823 ID:QN2oVIV60.net
大男「あんたを止めようとした、俺の手下は半殺しにされたし……」

手下「…………」ピクピク…

女「あっ、ごめんなさーい!」

大男「はじめての客だからおまけしてやるけど、はっきりいって10万でも安いくらいだ!」

女「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!」

女「今すぐATMでお金おろしてきます!」
8:2019/03/06(水) 21:47:35.513 ID:QN2oVIV60.net
女「あーあ、またやっちゃった……私っていつもこう……」ガックリ…

大男「…………」

大男「やっぱATMはいい」

女「え?」

大男「それよりもう夜も更けてきた、家まで送っていくよ」

女「いいんですか?」

大男「ああ、このまま追い出して外でまた暴れられても困るしな」

手下「大男さん、相変わらず女に甘いんだから……」
11:2019/03/06(水) 21:50:30.706 ID:QN2oVIV60.net
― マンション ―

女「ここが私の部屋よ」

大男「ほう、結構いいマンションに住んでるじゃねえか」

女「うん、それなりに稼ぎはあるから」

大男「ってことは部屋も当然キレイってわけだ?」

女「う……それは……」

ガチャッ
14:2019/03/06(水) 21:53:20.329 ID:QN2oVIV60.net
グチャッ…

大男「!?」

大男「――きったねえ! なんだこの部屋!?」

女「部屋で一人でお酒を飲んでると、こうなっちゃうの……」

大男「この光景だけ見ると、虎かなんか飼ってるのかって思っちゃいそうだぜ」

大男「しかし、よく苦情が来ないな?」

女「幸い、このマンションは防音がしっかりしてるから……」
15:2019/03/06(水) 21:57:26.486 ID:QN2oVIV60.net
女「他には会社でも……」


課長『いいじゃないか、一杯だけ飲もう』

女『いえ、私は……』

課長『俺の酒が飲めねえってのか!?』

女「じゃあ一杯だけ……」

……

女『……あら?』

課長『ひ、ひいいい……許して下さい……!』


女「こんなこともあったりして……」

大男「こりゃだいぶ重症だな……」
16:2019/03/06(水) 22:01:05.504 ID:QN2oVIV60.net
女「私、バーに通うくらいだし、お酒は好きなの」

女「だけど、こんな酒乱じゃうかつに飲めないし、人付き合いもままならなくて……」

大男「…………」

大男「だったら病院行こう」

女「!」

大男「病院に行けば、きっとあんたの酒乱の原因が分かるさ」

女「でも……」

大男「悪いところがあって病院行くのは決して恥ずかしいことじゃねえ。俺も一緒に行ってやるから!」

女「分かった……行ってみる!」
17:2019/03/06(水) 22:04:20.865 ID:QN2oVIV60.net
― 病院 ―

医者「えー、精密検査の結果、身体に全く異常はありません」

医者「むしろ、この検査結果だとお酒にはだいぶ強いはずなんですがねえ」

医者「なんで酒乱になってしまうのか……」

女「そうですか……」

大男(異常がないのはなによりだけど、結局原因は分からないままか……)
18:2019/03/06(水) 22:08:05.769 ID:QN2oVIV60.net
大男「とりあえず、禁酒するしかねえな」

女「うん……」

女「だけど、私一人暮らしだから、寂しくなるとついつい飲んでしまうの……」

大男「家族はいないのか?」

女「うん、幼い頃、父と別れてから、親戚の家を転々として今では一人ぼっち……」

女「父との記憶も全然ないわ。今はどこでどうしてるのか……」

大男「そっか……」
19:2019/03/06(水) 22:10:03.242 ID:QN2oVIV60.net
大男「だったら、毎晩うちに来いよ。お安くしてやるぜ」

女「え、でも、お酒飲んだらまた……」

大男「なぁに、うちはソフトドリンクだってあるんだぜ?」

大男「うちでパーって騒いでいきゃ、家に帰っても寂しいってことねえだろ」

女「大男さん……ありがとう……」
20:2019/03/06(水) 22:12:11.502 ID:1gEilCyzr.net
この大男心も大きいな
21:2019/03/06(水) 22:14:32.441 ID:QN2oVIV60.net
― バー ―

大男「ほら、ウーロン茶だ」

女「…………」グビッ

女「わぁっ、おいしい! これなら酒乱になる心配はないわね!」

手下「もう暴れないで下さいよ~」

女「分かってるってぇ~」

アハハハハ… ウフフフフ…
22:2019/03/06(水) 22:17:01.801 ID:QN2oVIV60.net
酔客「おう、姉ちゃん」

女「は、はい?」

酔客「さっきから見てるけどよ、全然酒飲まねえじゃねえか」

女「私は下戸なので……」

酔客「バーにいるのに、酒飲まねえってのは礼儀違反じゃないのかい?」

酔客「酒飲んで、俺といいことしようぜ~」

女「や、やめて……!」

大男「お客さん」ズイッ

酔客「ひっ!?」

大男「うちの店は下戸でもウェルカムです」パキポキ

酔客「す、すみませんでした……」
23:2019/03/06(水) 22:19:28.257 ID:QN2oVIV60.net
女「ありがとうございました……」

大男「なに、俺はみんなに楽しく過ごして欲しいだけさ」

女「大男さんって見た目は粗暴そうだけど、中身は誠実なのね」

大男「褒められてるのか、それって……」

女「ご、ごめんなさい!」

女「ところで、大男さんはどうしてこの店を?」

大男「俺は……元々ぼったくりバーで雇われてたんだ」

女「え……」
24:2019/03/06(水) 22:22:46.912 ID:QN2oVIV60.net
大男「法外な値段を請求して、俺が出ていって睨みつけるだけで客はみんな金を払っちまう」

大男「だけど、ある日バカらしくなって辞めた」

大男「そして、俺はぼったくりなんかしない、みんなが明るく楽しく飲めるバーを開店することにしたんだ」

女「そうだったんだ……」

女「いつかあなたとも楽しくお酒を酌み交わしたいな」

大男「俺なんかと飲んだって全然面白くないぜ?」

女「そんなことないって」

大男「いずれにせよ、あんたの酒乱が治ってからだな」

女「うふふっ、そうね! 早く治さないと……」
25:2019/03/06(水) 22:25:03.603 ID:QN2oVIV60.net
スタスタ

女「やっと会社終わった! 今日もバーに行こうっと!」


「あの……君……」


女「はい?」
26:2019/03/06(水) 22:27:01.387 ID:QN2oVIV60.net
紳士「君は……」

女「なにかご用ですか?」

紳士「もしかしたら、君は私の娘ではないのかね?」

女「ええっ!?」

紳士「よろしければ、身分証明できるものを見せ合いたいのだが……」

女「は、はい!」
28:2019/03/06(水) 22:30:03.539 ID:QN2oVIV60.net
紳士「間違いない……君は私の娘だ」

女「あなたが……お父さん……!」

紳士「会いたかったよ……」

女「私も、私もよ!」

紳士「それではさっそく、私の自宅へ――」

女「あ、できれば先に寄りたいところがあるんだけど……」

紳士「ああ、いいとも」
29:2019/03/06(水) 22:33:14.956 ID:QN2oVIV60.net
― バー ―

大男「へぇ~、まさに運命の再会ってやつだな」

女「うん!」

紳士「面影があったから声をかけたのですが、こんなに美しく成長していたとは……」

女「美しいだなんて……」

紳士「どうか、お前を手放してしまったことは許して欲しい」

女「もちろん! また父娘としてやり直しましょう!」
30:2019/03/06(水) 22:36:25.966 ID:QN2oVIV60.net
女「それじゃ大男さん、今日はこの辺で!」

紳士「後は父子水入らずで過ごさせていただきます」

手下「毎度ー!」

大男「…………」

手下「いやー、よかったですねえ。彼女、親父さんと再会できて」

大男「おい」

手下「はい?」

大男「ちょっと出かけてくるから、店番頼む」
31:2019/03/06(水) 22:40:32.918 ID:QN2oVIV60.net
― 父の家 ―

紳士「美しく成長したねえ。死んだ母さんにそっくりだ」

女「ありがとう」

紳士「ところで、子供の頃、私と暮らしてた時のことは覚えてるかい?」

女「ごめんなさい……それが全然覚えてないの」

紳士「そうか……どうりで。ならば、好都合だ」

女「え?」

紳士「だって、あの頃のことを覚えてたら、私を見たらすぐ逃げ出すはずだからなァ!!!」
32:2019/03/06(水) 22:41:45.788 ID:nyQQfIx1r.net
えええww
33:2019/03/06(水) 22:43:39.283 ID:QN2oVIV60.net
紳士「ほら、酒を飲め!」グイッ

女「うっ!」ゴボッ

紳士「もっともっとぉ! 酔い潰してやる! あの頃のようになァ!」

女「ガバッ、ゴボッ、ゲボッ!」

紳士「ふひひひひ……! 泥酔した我が子を好き放題するのはこの世で一番の快楽だァ!!!」

女(この光景……思い出した!)
34:2019/03/06(水) 22:46:47.710 ID:QN2oVIV60.net
女(私は子供の頃、こいつに酒を毎晩無理矢理飲まされて、その後……!)

女(あまりに嫌な思い出だから、今まで封印されてたんだ……!)

紳士「おっ、そのツラ、ようやく思い出したようだな」

紳士「あの時は失敗だった……近所の奴に通報されて、お前と引き離されてしまったからな」

紳士「だが、もう逃がさんぞ! たっぷり可愛がってやる!」

女「や、やめっ……」

紳士「ほら、飲めよぉ! ぐでんぐでんになるまでよォ! そしたらたっぷり楽しんでやるゥ!」

女「ひいいっ……!」
35:2019/03/06(水) 22:48:35.434 ID:QN2oVIV60.net
ピンポーン…

紳士「!」

女「た、助けて!」

紳士「無駄だ、外にはなにも聞こえねえよ」

紳士「たとえ警察が来たって、あのドアをこじ開けることはできねえ!」

紳士「さあ、酒を飲め! 酔っ払って俺の人形になるんだァァァ!!!」
36:2019/03/06(水) 22:51:24.129 ID:QN2oVIV60.net
ガチャガチャ

紳士「?」

メキメキ…

紳士「え?」

女「ドアが力ずくで……」

紳士「バカな! あのドアは頑丈に作ってあるんだ! できるわけが――」



メキメキメキメキメキ… ドカァンッ!!!
38:2019/03/06(水) 22:54:24.936 ID:QN2oVIV60.net
大男「お邪魔するぜ」ズイッ

女「大男さん!」

紳士「お前はさっきの……! どうしてここに!?」

大男「これでも客商売してるんで、人を見る目にゃ自信があるんだよ」

大男「さっきバーで見たお前の目、ありゃ実の娘を愛してる目じゃなかった」

大男「ただの欲情したオスの目だった」

紳士「くっ!」

女「大男さんっ!」ダッ

大男「もう大丈夫だからな」
39:2019/03/06(水) 22:58:21.390 ID:QN2oVIV60.net
紳士「何しに来やがった! ヒーローを気取ったつもりか!?」

大男「ヒーロー? 俺は代金を請求しに来ただけだ」

大男「この女が欲しかったら……お会計10万円になります」

紳士「ふざけるなっ! なんで実の娘を手に入れるのに金を払わなきゃならんのだ! ぼったくりだ!」

大男「払えないんなら……体で払ってもらうことになりますねえ」パキポキ

紳士「おのれ……!」
40:2019/03/06(水) 23:01:11.305 ID:QN2oVIV60.net
紳士「くそぉぉぉぉぉ!!!」

ガンッ!

大男「…………」

女「きゃっ!」

紳士「このっ! このっ! このぉっ!」

バキッ! ドカッ! ゴッ!

大男「…………」

紳士「び、ビクともしない……」
42:2019/03/06(水) 23:04:35.212 ID:QN2oVIV60.net
大男「本当は10万発ぐらい殴りたいとこだが――」

紳士「あ、あわわ……」

大男「一発で勘弁しといてやるよ。ただし、とびきり重いヤツをなァ!」


ドゴォッ!!!


紳士「ぎゃばぁぁぁぁぁっ……!」ドサッ…
43:2019/03/06(水) 23:06:12.398 ID:uzS8+6a9r.net
パワーは正義
44:2019/03/06(水) 23:08:07.183 ID:QN2oVIV60.net
大男「ケガはないか?」

女「うん……ありがとう」

女「だけど、せっかく父に再会できたのに……こんな人だったなんて……」グスッ…

大男「…………」

大男「こいつはあんたの父親でもなんでもねえ。ただのクズだ」

大男「きっと今までも大勢の女をここに連れ込んで、ひどい目にあわせてきたんだろう」

大男「通報して、ブタ箱にブチ込んでもらおう。そしたらもう、こんな奴のことは忘れちまえ」

女「うん……」
46:2019/03/06(水) 23:11:21.042 ID:QN2oVIV60.net
― バー ―

大男「さ、飲みな。こういう時は飲むのが一番だ」

女「お酒? でも、また暴れたら……」

大男「暴れたら、俺が止めてやるさ。さ、飲むんだ」

女「うん……いただきます」チビ…

女「…………!」

女「おいしい……」

手下「あれ、酒乱にならない?」

女「どうしてだろ……」
47:2019/03/06(水) 23:14:13.914 ID:QN2oVIV60.net
大男「多分……あんたが酒乱になる原因は、さっきのクズ野郎が原因だったんだ」

大男「酒を飲まされると、子供の頃のトラウマがよみがえって暴れちまったんだ」

大男「だが、トラウマの元凶であるあいつはもうぶっ飛ばしてやった。だから――」

女「酒乱も治ったってわけね……」

女「大男さん、本当にありがとう!」

大男「礼をいわれることなんかねえ。俺はただお客に当然のサービスをしただけさ」
48:2019/03/06(水) 23:18:21.734 ID:QN2oVIV60.net
女「あ、そうだ!」

大男「ん?」

女「今の私なら、もう酒乱にならないし、あなたとお酒を酌み交わせるじゃない!」

女「ぜひ一緒に飲みましょ!」

大男「あ、いや、俺はまだ仕事中だし――」

女「……お願い」

大男「分かったよ、じゃあ飲ませてもらうよ」

女「それじゃ私たちのこれからの仲を祝って、カンパーイ!」

大男「乾杯!」

ゴクッ ゴクッ
49:2019/03/06(水) 23:20:15.911 ID:QN2oVIV60.net
女「おいしい! ねえ、大男さ――」

大男「…………」

大男「ボクは大男です! よろしくお願いします!」シャキーンッ

女「あらら……?」

手下「大男さんは酒飲むとこうなっちゃうんですよ。“逆酒乱”とでもいうべきかな」

女「これは……治せるのかなぁ?」







―おわり―
50:2019/03/06(水) 23:26:51.706 ID:4eAW0bcP0.net
51:2019/03/06(水) 23:27:08.103 ID:uzS8+6a9r.net

やっぱ男は大きくないとな!
大男「お会計10万円になります」女「ビール一杯飲んだだけなのに……!」
引用元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1551876072