1: 2011/05/19(木) 21:19:49.61 ID:a3q/QF6/0
犬「こんな所でどうしたの?」

少年「うん、ここがどこだか分からないんだ」

犬「ふーん、どこから来たの?」

少年「・・・あれ?どこだろう?」

犬「分からないの?」

少年「・・・うん」

犬「そっかぁ、じゃあ一緒に探してあげるよ!」

少年「いいの?」

犬「うん、もちろん!」

少年「あ、ありがとう!」

兎「ありがとウサギ~」ポポ~ン

少年「わっ!だ、誰!?」

3: 2011/05/19(木) 21:21:50.09 ID:a3q/QF6/0
犬「ありがとウサギ、僕の仲間なんだ!」

少年「そうなんだ、こんにちわ!」

兎「こんにちワン!何してるの?」

犬「この子のお家を探してあげるところなんだ」

兎「へぇ~、そうなんだぁ」

少年「でも、家がどこだか分からなくって・・・」

兎「う~ん、そっかぁ」

兎「あ、じゃあさ!ひとまず、私達のテントにおいでよ!」

少年「テント?」

犬「あ、それがいいね!」

少年「二人はテントにすんでるの?」

犬「それは着いてのおたのしみ!さ、行こう!」

4: 2011/05/19(木) 21:23:50.69 ID:a3q/QF6/0
少年「うわぁ~、おっきいテントだね~」

犬「ほら、ここから中に入りなよ!」

兎「入ったら、一番前の席に座ってね!」

少年「席?」

犬「入ればわかるよ!それじゃあ、僕らはあっちからだから!」

兎「楽しんでねぇ~!」

少年「あ!待って!・・・行っちゃった」


少年「ここから入ってって行ってたっけ」

少年「お、おじゃましま~す・・・」



少年「わぁ!」

6: 2011/05/19(木) 21:25:51.17 ID:a3q/QF6/0
少年が中に入ると、目の前には大きなステージとずらりと並んだイスがありました
そう、ここは、動物サーカスのテントだったのです

少年「すごいなぁ!」

少年はなんだかワクワクしてきて、言われたとおりに一番前の席に座りました

すると、突然あたりがまぶしいくらいに明るくなり
楽しげな音楽が流れてきたのです

少年「何がはじまるんだろう?」

少年がキラキラと目を見開いて、ステージを見つめていると
大きなシンバルの音と共に、さっきの犬が飛び出てきました

それと同時に、反対側から大きなボールが転がってきます

犬はそれに、ピョーンと勢いよく飛び乗ると
うまく前足を使いながら、コロコロ、コロコロと玉乗りを始めました

ステージをぐるりと回ると、今度は玉の上で飛んだり跳ねたり
宙返りをしてみたりしました

少年はすっかり夢中です

8: 2011/05/19(木) 21:27:51.70 ID:a3q/QF6/0
そうしているうちに、音楽が変わり、ゆっくりとしたワルツが流れ始めました

そして今度は、兎がつま先立ちで、トコトコと現れました

兎はとてもきれいなダンスを踊りました

ピョン、と跳ねて、クルクルと回って
まるで風になったかのように、フワリフワリと踊ります

少年「すごい、きれいなだぁ!」

少年はまたしても、キラキラとした目を見開いて
ステージに釘付けになってしまいました

9: 2011/05/19(木) 21:29:52.15 ID:a3q/QF6/0
その後も、火の輪くぐりや手品、おもしろいお芝居など
楽しい曲芸がくりひろげられて行きました

少年は、動物達が飛んだり跳ねたりするたびに
それはもう、大きな拍手をおくりました



楽しい時間はあっと言う間に過ぎ
動物達がずらりと並んで、おじぎをすると
キラキラした花火がステージから噴水のようにあがり
サーカスはおしまいになりました

少年は、ずっと拍手をしていたので、手がヒリヒリしていました

でもそんな事は忘れ、サーカスが終わっても
拍手をおくり続けました

10: 2011/05/19(木) 21:31:52.83 ID:a3q/QF6/0
テントがふっと明るくなり、犬がトコトコと出てきました

犬「僕達のサーカス、どうだった?」

少年「すっごく楽しかったよ!皆すごいね!」

犬「ありがとウサギ!僕も楽しんでもらえてうれしいよ!」

少年「こんなに楽しいのに、ほかにお客さんはいないの?」

犬「うん、僕らのサーカスは、お客さんが一人でも居れば、いつでもやるんだよ」

少年「じゃあ、今日は僕だけのサーカスだったんだね!すごいや!」

少年はうれしくてうれしくて、おおきくバンザイをしました

11: 2011/05/19(木) 21:32:50.56 ID:wH+q6mA50
なんだこのメルヘンワールド

12: 2011/05/19(木) 21:33:30.90 ID:ZQZFmeGV0
こんにちは

13: 2011/05/19(木) 21:33:53.31 ID:a3q/QF6/0
犬「ねえ、せっかくだから、皆に会っていかない?」

少年「いいの!?」

犬「もちろんさ!今日は君だけのサーカスだからね!」

少年「わぁ!じゃあ皆に会いたい!」

犬「よかった!じゃあこっちにおいでよ!」

犬はステージから飛び降りると、少年の手をひいて
ステージの奥の方へと案内しました

奥にあった幕をくぐると
さっきの動物達が拍手で出迎えてくれました


動物達「魔法の国の動物サーカスへようこそ!!」

15: 2011/05/19(木) 21:35:53.68 ID:a3q/QF6/0
ライオン「サーカスはおもしろかった?」

少年「とってもおもしろかったよ!」

ウナギ「ホホッ、うれしいねぇ」

鼠の子「ねぇねぇ!僕のつなわたりはどうだった!?」

少年「うん!すごかったよ!」

鼠の子「うわぁい!ほめられちゃった!」

鼠の母「コラ!そんなにはしゃがないの!」

スカンク「そうだぞ!悪い子にはプーッってしちゃうぞ!」

鼠の子「わぁー、いやだー!」


その後も、皆、少年をやさしく出迎えてくれました

16: 2011/05/19(木) 21:36:47.05 ID:sLOnDoMRO
和むな

17: 2011/05/19(木) 21:37:54.07 ID:a3q/QF6/0
犬「ねえ皆!ちょっと手伝って欲しいことがあるんだ!」

動物達は、いっせいに犬の方を見ました

犬「あのね、この子、自分のお家に帰りたいんだって」

犬「だから、お家を探すのを手伝って欲しいんだ!」

「もちろんさ!」「いいとも!」
動物達はすぐさま賛成してくれました

マンボウ「じゃあ~そのまえに~、君の事をおしえてほしいなぁ~」

少年「僕のこと?」

ワニ「そうそう!せっかくだから仲良くなった方が、探すのも楽しいダロ?」

少年「うん、そうだね!僕も皆と仲良くなりたいな!」

スカンク「よっし!決まりジャン!」


そうして、少年は動物達とお話を始めました

20: 2011/05/19(木) 21:38:45.54 ID:+v0OVr250
かーわいいー

21: 2011/05/19(木) 21:39:54.51 ID:a3q/QF6/0
犬「ねえ、君はいつも『こんにちわ』って言ってる?」

少年「うん!ちゃんと言ってるよ!」

犬「そっか!じゃあ君には、仲のいい友達がいるんだね!」

少年「うん!いっぱい居るんだ!」

犬「そうかぁ!今度会いたいなぁ!」

少年「お家に帰ったら、皆をつれてくるよ!」

犬「うん!ぜひ見に来てね!」


少年は、友達とここへ来ることを想像して、ワクワクしました

23: 2011/05/19(木) 21:41:55.09 ID:a3q/QF6/0
兎「ねえ、じゃあさ、『ありがとう』は言ってる?」

少年「うん!もちろんだよ!」

兎「よかった!じゃああなたを助けてくれる子がいるんだね!」

少年「うん!たくさんいるよ・・・でも・・・」

兎「でも?」

少年「・・・あれ?でも、何だろう?」

少年は、不思議と胸がしめつけられる感じがしました

兎「もしかして、ありがとうって言ってない人がいるのかな?」

少年「・・・そんなことはないと思うんだけどなぁ」

やっぱり、胸がしめつけられる感じは消えません

24: 2011/05/19(木) 21:42:52.34 ID:ROAll0970
ごめん嫌な予感しかしない

26: 2011/05/19(木) 21:43:56.24 ID:a3q/QF6/0
ワニ「『こんばんわ』は?もちろん言ってるダロ?」

少年「うん、言ってるよ」

ワニ「夜になっても、君に会いに来てくれる人がいるのはいいことジャないか!」

少年「そうだね、皆優しいんだ!」

ウナギ「ホホッ!それなら『おはよう』もかな?」

少年「もちろん!」

ウナギ「ホホホッ!では、朝も君を待ってる人がいるのだねぇ」

少年「お父さんやお母さん、友達も、みんなそうなんだね!」

少年「そっかぁ、うれしいなぁ!」


少年は、お父さんやお母さん、友達、皆が恋しくなりました

29: 2011/05/19(木) 21:45:56.65 ID:a3q/QF6/0
サイ「・・・『おやすみ』はぁ?」

少年「毎日忘れずに言ってるよ!」

サイ「・・・じゃあ、君は寝るまでぇ、一人ぼっちじゃないんだぁねぇ」

少年「そうだね、そうなんだぁ」


少年はなぜか、だんだんとさびしい気持ちになってきました



ライオン「じゃあ『さよなら』はどう?」

少年「言ってるよ・・・でも、何か忘れてるような・・・」

ライオン「それならきっと、さよならを言いたい人がいるんじゃない?」

少年「う~ん・・・誰だろう?」


少年のさびしい気持ちは、どんどんふくらんでいきました

31: 2011/05/19(木) 21:47:57.00 ID:a3q/QF6/0
少年がなんだかさびそうな顔をしていたので
動物達は少年を心配して、楽しい話をはじめました

でも少年は、何かを忘れているような気がして、楽しめませんでした


すると突然、犬が大きな声で言いました

犬「そうだ!あの歌をみんなで歌おうよ!」

「そうだ!」「それがいいね!」「やろうやろう!」
動物達はうれしそうにそう言いました

少年「あの歌?」

犬「うん、僕達の新しい出し物なんだ!君も一緒に歌おうよ!」

少年「僕も?」

犬「そうさ!歌えばきっと、たのしい気持ちになるはずだよ!」


犬はそういうと、動物達に合図をしました

動物達はオルガンをひっぱりだし
そして一列にならびました

32: 2011/05/19(木) 21:48:03.99 ID:bBDIBsr30
なんかやばいぞ・・・・

34: 2011/05/19(木) 21:49:58.13 ID:a3q/QF6/0
犬「それじゃあ、まずは僕達で歌うから、覚えて一緒にうたってね!」

犬「それでは、皆、行くよ!『魔法のことば』!」

犬の合図で伴奏がはじまりました
動物達の顔はもう楽しそうです



少年は、動物達の歌を、だまって聞いていました

動物達は、かわるがわる歌います

少年は歌をきいているうちに、だんだんと楽しい気持ちになってきました

そして、何かを思い出しそうな、そんな気もしました

38: 2011/05/19(木) 21:51:58.58 ID:a3q/QF6/0
動物達の歌がおわると、今度は少年も一緒に歌う事になりました

簡単な歌だったので、少年もすぐに覚えました

皆で歌って、いっしょに踊りも考えました

そして、新しい出し物が完成しました


少年「あっ!」

犬「どうしたの?」

少年「・・・僕、お家に帰らなきゃいけないんだった」

犬「あっ!そうだった!」

兎「楽しくてすっかりわすれちゃってた!」


きっと皆が心配しているだろうな
そんな気がして、少年は思わず声をあげてしまったのでした

するとその時
ステージの方が、ふっと暗くなりました

39: 2011/05/19(木) 21:53:57.22 ID:edzJCTlI0
ざわ・・・
ざわ・・・

40: 2011/05/19(木) 21:53:58.98 ID:a3q/QF6/0
犬「あ、お客さんが来たみたいだ!」

ワニ「ジャあ、サーカスの開幕ダナ!」

鼠の子「がんばるぞー!」

マンボウ「でもぉ~お家さがしはぁ~?」

ライオン「そうだね、どうしようか」

少年「じゃあ僕、終わるまで待ってるよ」

兎「でも、けっこう長いよ?」

少年「大丈夫だよ!だって、皆のサーカスを待ってるお客さんもいるし」

犬「それなら、君も一緒に、サーカスにでようよ!」

少年「えっ!?」

犬の提案に、少年はびっくりしました

42: 2011/05/19(木) 21:55:59.34 ID:a3q/QF6/0
犬「ほら、さっきの歌があるでしょ?あれに君も一緒にでるんだよ!」

サイ「・・・それならぁ、君もぉ楽しいかもぉ」

少年「で、でも」

兎「大丈夫!さっきも歌ったでしょ!」

ウナギ「ホホッ!新しい仲間の誕生だな!」

少年「でもぉ・・・」

犬「大丈夫だよ、歌はサーカスの最後にしておくから」

犬「その間に、準備しておこう!僕らだって、仲間は多いほうが楽しいんだ!」

少年「・・・うん、わかった。がんばるよ!」

兎「やったぁ!」


少年は、はじめてのサーカスに
なんだかはずかしいような、こわいような
そんな気持ちになりました

44: 2011/05/19(木) 21:56:21.90 ID:sLOnDoMRO
もうすでに怖い

46: 2011/05/19(木) 21:57:59.74 ID:a3q/QF6/0
そうしてサーカスの幕はあがり
少年がさっき見たように、動物達はいろんな芸を披露していきます

少年は、やっぱり動物達の芸に夢中になって
もうはずかしいような、こわいような
そんな気持ちは忘れてしまっていました

それどころか、皆と一緒に歌を歌うのが
楽しみにさえなっていたのです



そして、一度、ステージが暗くなり
ついに最後の出し物の番がやってきました

47: 2011/05/19(木) 22:00:00.19 ID:a3q/QF6/0
犬「さぁ、こっちだよ!」

こちら側に来たときのように犬に手を引かれ
少年はステージの真ん中にやってきました

客席は暗くてよく見えません

でも、サーカスを楽しんでいるお客さんがいるのを思うと
少年はワクワクしてきました


オルガンの伴奏が始まり

ステージの照明がパッと明るくなりました

最後の出し物

『魔法のことば』の始まりです

49: 2011/05/19(木) 22:02:00.61 ID:a3q/QF6/0
少年「こんにちわ」

犬「こんにちワン!」

まずは犬が玉乗りをして登場です

少年「ありがとう」

兎「ありがとウサギ!」

次に兎がクルクル回りながら登場しました

少年「こんばんわ」

ワニ「こんばんワニ!」

その次はワニです
おどけたワニがステッキを振りかざして登場しました

少年「さよなら」

ライオン「さよなライオン!」

ライオンはたてがみを大きく広げて、手を振るしぐさをしました

50: 2011/05/19(木) 22:02:05.40 ID:etyar/83i
くそっ怖いが気になる

52: 2011/05/19(木) 22:03:38.35 ID:ukAeu15K0
さっきから頭の中にざわ…ざわ…が鳴りっ放しなんだ…

53: 2011/05/19(木) 22:04:01.07 ID:a3q/QF6/0
歌いながら、少年は、だんだんと思い出してきました
それは、ここに来る前の事でした

___________


「ねぇー、風邪、大丈夫?」

「うん、なんとかね・・・ックシュン!」

「ほら、ちゃんと布団かぶって寝てなきゃー」

女の人が、自分を看病していました
薄着をして寝てしまった為、自分は風邪をひいていたのです

「春って言ったって、夜はまだ冷えるんだからね?」

「分かってるよ」

女の人はまるで母親のように、自分に言い聞かせました

「お前、母親じゃないんだからさ、そんな小言いうなって」

「何それー、ひどーい」

そう言いながら、女の人は笑いました

55: 2011/05/19(木) 22:06:03.45 ID:a3q/QF6/0
女の人は、自分が風邪気味だと連絡すると、すぐにやって来ました
その手には飲み物と食べ物が沢山入った、スーパーの袋を提げていました

「風邪ひくと、寂しくなるでしょ?今日は看病してあげるからさ」

女の人は、やれやれ、というように
テキパキと袋の中身を冷蔵庫に移し変えています

「なんか、悪いな」

「もう、気にしないでよ。いつもの事だし、慣れてるよ」

女の人は、自分が小さい頃から、何かと世話を焼いてくれるのでした
小学校の頃に、39度の熱を出して寝込んだ時も
中学校の頃に、部活で無茶をして骨折した時も
高校の頃に、勉強について行けず、悩んでいた時も

女の人は、いつも心配してやって来てくれたのでした

58: 2011/05/19(木) 22:08:03.80 ID:a3q/QF6/0
「あのさ・・・」

「んー?なぁに?」

「・・・いや、何でもない」

「何よー、途中で言うの止めるの、悪い癖だよ?」

自分は、たまには感謝の声をかけようと思うのですが
言おうとすると、途端に気恥ずかしくなって
つい、言うのを止めるのでした

「ま、長い付き合いだし、いいけどさ!」

そうするといつも、同じ台詞で、女の人は笑うのでした

60: 2011/05/19(木) 22:10:05.39 ID:a3q/QF6/0
「じゃあ、ちょっと夕飯の買い物、行ってくるから」

「ああ、すまん・・・ックシュン!」

「いいのいいの!ほら、夕飯出来るまで寝てなさいって!」

「それじゃあ行って来るねー!」

「ああー、頼むー・・・」

女の人は、自分が夕飯も作れないと知って、買い物に出かけました
自分は女の人を送り出した後、すぐに眠ってしまいました

そして、買い物の帰り道

女の人は、スピードを出しすぎて止まれなかったトラックに轢かれ

死んでしまいました

64: 2011/05/19(木) 22:11:13.63 ID:E1hoeHFT0
ああ・・・

65: 2011/05/19(木) 22:12:05.86 ID:a3q/QF6/0
自分は、とても後悔しました
いつも助けて貰ってばかりだった事
ろくに相手をしてやれなかった事
言おうと思った事を、言うのを止めた事

しかし、全ては手遅れでした

風邪はその夜から酷くなり、次の日、悲報を聞かされた事もあって

自分は一週間、何も出来ず

ただ、布団の中で、泣いていました

それしか出来ませんでした

______________


そして、気がつくと

子供の頃の姿まま、ここに居たのです

67: 2011/05/19(木) 22:13:07.69 ID:8KVDi6Ppi
そういうことだったのか…

70: 2011/05/19(木) 22:14:06.54 ID:a3q/QF6/0
四匹の動物達と一列にならんで
皆そろって歌を歌うところにさしかかりました

少年・動物達「魔法のことばでー」

少年はその時、不思議な感じがして、自分の横に目をやりました



すると、そこには

あの懐かしい、子供の姿のままの

女の人がいたのです

72: 2011/05/19(木) 22:16:10.69 ID:a3q/QF6/0
少年は目を疑いました
さっきまでそこに居なかったのに
急に光の中から女の人が、しかも自分と同じ、子供の頃の姿で
自分の隣に現れたからです

少年少女・動物達「たのし~い 仲間~が」

ポポポポ~ン

隠れていた動物達が、いっせいに飛び出しました

少女はうれしそうに笑っています

少年はそれを見て、やっぱりうれしそうに笑いました

75: 2011/05/19(木) 22:18:11.15 ID:a3q/QF6/0
少年・少女「おはよう」

ウナギ「おはよウナギ!」

ウナギは得意の手品を披露します

少年・少女「いただきます」

鼠の母「いただきマウス!」

鼠の母は、ご飯をたべる時のように手を合わせ、お辞儀をします

少年・少女「いってきます」

スカンク「いってきまスカンク!」

スカンクは陽気に手を上げ、おどけたようにおならをしました

78: 2011/05/19(木) 22:20:11.90 ID:a3q/QF6/0
少年・少女「ただいま」

マンボウ「ただいマンボウ!」

マンボウはトコトコとコミカルに横歩きして
プクプクとシャボン玉のように泡をとばしました

少年・少女「ごちそうさま」

鼠の子「ごちそうさマウス!」

鼠の子も、鼠の母を真似て、手を合わせてお辞儀をします

少年・少女「おやすみなさい」

サイ「おやすみなサイ」

サイは何故か寝巻き姿で、コックリコックリしています

79: 2011/05/19(木) 22:22:33.00 ID:a3q/QF6/0
少年少女・動物達「すてきなことばで」

動物達も、少女も、もちろん少年も、同じように手を大きく広げます

少年少女・動物達「ゆかい~な 仲間~が」


少年はとても楽しくなって、少女の方を見ました
少女も同じように、少年の方を見ました

そして、二人は
ポポポポ~ン!と、嬉しそうに歌いながら
両手を、ポーンと、合わせました

80: 2011/05/19(木) 22:24:43.95 ID:a3q/QF6/0
いよいよ、歌も終わりです
動物達も少年と少女を見て笑っています

少年「こんにちわ!」

犬「こんにちワン!」

そして少年は、あの時言えなかった、言うのを止めた言葉を言おうと
少女の方を振り向きました

しかしその時、急に寂しくなって、悲しくなって
その言葉が、のどに詰まりました


それを見た少女は、ヤレヤレ、という風に笑いながら
少年のかわりに、歌いました

少女「ありがとう!」

兎「ありがとウサギ!」


最後の出し物は大成功で終わりました

82: 2011/05/19(木) 22:26:53.07 ID:a3q/QF6/0
ステージに向かって、皆で最後のあいさつに手を振ります

すると、あたりは急にまぶしくなって

客席の方から、こんなにお客さんが居たのかと思うほど

おおきな、おおきな拍手がおこりました


少年は、まぶしい光の中、少女を探しました

しかし、目の前が真っ白で何も見えません

少年は、どうしても少女に伝えたかった言葉を、光の向こうに叫びました


少年「ありがとう!!!・・・さよならぁーーーー!!!」


するとどこからか、かすかに声が聞こえました


「ま、長い付き合いだし、言わなくても分かってるよ」


光の向こうで、女の人が笑ったような気がしました



- 終わり -

86: 2011/05/19(木) 22:29:13.01 ID:a3q/QF6/0
あいさつの魔法だったな、まちがった
脳内で差し替えておいて

ごめんねグロ展開じゃなくて
みんな氏ね

91: 2011/05/19(木) 22:31:45.14 ID:lpGDCuP/0
シンプルな中に見え隠れする才能

92: 2011/05/19(木) 22:32:23.89 ID:/4rFcP030
>>1

引用元: 犬「こんにちワン!」少年「こ、こんにちわ」