4: 2011/11/16(水) 10:13:28.88 ID:zstfdAqW0
ルル「……いきなり何を言い出すかと思えば」

C.C.「不服か?」

ルル「不服だ」

C.C.「理解に苦しむ童O坊やだな。私のような絶世の美人にデートを求められて断る男がどこにいる?」

ルル「自画自賛もいいところだろう、お前」

C.C.「それとも何だ、私をこの屋敷に置いたままで世間の目に晒すのが怖いのか」

ルル「……俺は今学校に向かう準備で忙しいんだが」

C.C.「全く、童Oのくせに女を囲うことを覚えてしまったモヤシっ子はこれだから困る」

ルル「朝一番からワケの分からない事を聞かされるという時点で、
   現状で一番困っているのは間違いなく俺だというのが根底にないのか、お前は……」

5: 2011/11/16(水) 10:20:29.79 ID:zstfdAqW0
ルル「そもそも急に『デートしろ』とかどういう了見だ」

C.C.「それはな、ルルーシュ。 お前のためを思っての事だ」

ルル「……は?」

C.C.「激化するブリタニアとの戦い、黒の騎士団の長として奔走する立場、
   それを隠しながら学生という二足の草鞋を履き続ける生活…心労は相当なものだろう」

ルル「……俺が自ら望んでその場に立ったんだ、その程度の辛さは覚悟の上さ」

C.C.「しかし、いずれはガタが来る。張り詰めた糸がプツンと脆く切れるように」

ルル「……」

C.C.「そんなお前を見るのは忍びない。何せ私とお前は『共犯者』だからな」

ルル「C.C.…お前、そこまで考えていてくれて……」


C.C.「それにな」

ルル「?」

C.C.「屋敷にずっと籠っているのは存外暇だから、外の空気くらいたまには思いっきり吸いたいんだ」

ルル「それが本音か貴様」

7: 2011/11/16(水) 10:27:47.58 ID:zstfdAqW0
C.C.「学園では優等生で通っているんだろ? 別に今日一日くらいサボってもいいじゃないか」

ルル「ええぃ! 俺は俺でやらねばならんことが多々あるんだ!
   お前の思いつきで今日計画していたプランを台無しにつもりは毛頭無い!」

C.C.「ちなみに、そのプランというのはどういう内容になっているんだ」

ルル「午前中は授業を受けつつ、株の売買で騎士団の資金繰り。
   午後は生徒会に顔を出して怪しまれないよう振舞いつつ、ヴィレッタと今後の連携について提示報告。
   夜はそのまま騎士団に直行して、扇やカレンに指示をして2週間後を目安にブリタニアの第四部隊撃破を目論んでいる」

C.C.「なんだ、それくらいなら明日にでも回せるな。では早速私とデートの準備を始めるとするか」

ルル「お前絶対さっきの話聞いていなかっただろう…」

9: 2011/11/16(水) 10:33:55.17 ID:zstfdAqW0
C.C.「ルルーシュ」

ルル「なんだ、しつこいぞC.C.。俺は今日忙しいと…」

C.C.「お前はいつもそうやって忙しい忙しいと言う。
   いつでも作れる休みを二の次にして、身を粉にして戦い続けている」

ルル「ああ。そうでもしないとブリタニアを潰すことなぞ夢のまた夢だからな」

C.C.「さっきも言った。そのままではいずれか倒れてしまう。
   …お前が自分を大切に出来ないなら、それはそれでいい」

ルル「……」

C.C.「だがな、自分を大切に出来ない分だけ私に目を向けることくらい容易いだろう?」

ルル「……」

C.C.「倒れられたら困る、などという大前提の元に
   お前の為を思って言うほど私は優しくないぞ。私は私の為に言おう」

ルル「……」

C.C.「……たまには、構ってくれてもいいじゃないか」

ルル「……ふん」

11: 2011/11/16(水) 10:42:40.48 ID:zstfdAqW0
ルル「おい、C.C.」

C.C.「?」

ルル「…………今日だけだからな」

C.C.「ふん、最初からそう言えば事は早かったんだ。
   妙にモタモタして間遅れするのは相変わらず童O坊やらしい行動だな」

ルル「お前という奴は本当に傲岸不遜だな…」

C.C.「当然だろう? 私はC.C.だからな」


C.C.「おい、貧弱モヤシっ子」

ルル「なんだ。言っておくが出かけるのはAM9:00以降だ。それまでに支度を済ませておけ」

C.C.「まぁ何だ。その、本当に聞いてくれるとは思わなかったからな」

ルル「どうした? お前らしくもない歯切れの悪さだな」

C.C.「……少しくらいは感謝してやらんことも無い」

ルル「……そういう素直さをいつも出してくれたら、俺は助かるんだがな」

C.C.「馬鹿を言うな。貴様のような捻じれに捻じれた捻くれ者に素直になるのは愚者の挙行だ。調子に乗るなよ」

ルル「……ほんの数秒前に抱いた俺の気持ちが台無しだぞ」

12: 2011/11/16(水) 10:49:18.94 ID:zstfdAqW0
――AM9:00――

ルル「おい、C.C.。準備は出来たか?」

C.C.「女性を急かすのは男として落第点だぞ、ルルーシュ」

ルル「時間にルーズなのは人として落第点と思っているから問題ないな」

C.C.「減らず口を」

ルル「こういうのは無駄口と言うんだ。 それよりまだか、もう予定の時間だぞ」

C.C.「後は上着を着るだけなんだが、こう、なんだ、くっ…な、かなか苦戦しているんだ」

ルル「どうした? サイズでも合わなくなったのか」

C.C.「ま、前は…入ったんだが……どうやら、私の豊満な胸が、またサイズアップしてるようでな……
   な、なんとか着て見せるから少しだけ待ってろ」

ルル「ピザ食っては寝てばかりの生活だったからな、お前は」

C.C.「……」

ルル「こう言っては何だが、ひょっとして太ったのではないか?」

C.C.「お前後で絶対に殺すからな、待っていろ」

15: 2011/11/16(水) 10:56:20.19 ID:zstfdAqW0
~10分後~

C.C.「待たせたな」

ルル「ああ、待ったぞ」

C.C.「お前が急かすから、思ったよりも服の品定めが出来なかったじゃないか」

ルル「それに関しては少しくらい悪いと思っているさ」


ルル「おい、C.C.」

C.C.「なんだ、さっさと行くのだろう? キリキリ歩いてロスした時間を短縮するぞ」

ルル「その服装、悪くないな」

C.C.「……もっとストレートに褒めろ」

ルル「似合っているぞ」

C.C.「なんだ、恥ずかしい奴め。口説くにせよ、褒めるにせよ、中途半端極まりないな。
   悪いが私はちょっと先を歩くぞ。そういう男にリードされるのは心外だからな」

ルル「……はいはい」

ルル(なんとなく言ってはみたが、どんだけ顔赤くしているんだアイツ……)

C.C.(不意打ちか……、童O坊やのくせに生意気な……!)

16: 2011/11/16(水) 11:00:59.05 ID:zstfdAqW0
ルル「C.C.。歩くのが早いのは勝手だが、当然行き先は決めているのだろうな?」

C.C.「そんなの私が決める事では無いだろう。適当に街にでも出るぞ」

ルル「なんだ、計画無しか」

C.C.「そういうお前は何かプランでもあるのか?」

ルル「一応考えては見たんだが、お前の好きなものって何なのか存外分からなくてな」

C.C.「ふふん、では私の趣味嗜好を知るために午前中はぶらついてみるか?」

ルル「なんで偉そうなんだお前…まぁいい、それで行くとしよう」

17: 2011/11/16(水) 11:06:41.81 ID:zstfdAqW0
C.C.「電車で街に向かうのは久々だな」

ルル「ああ、そうだな」

C.C.「マオと対峙したとき以来か」

ルル「そういう事になる」

C.C.「……」

ルル「……あの時の」

C.C.「?」

ルル「あの時のお前のゴス口リ姿は衝撃だった」

C.C.「なんだ、似合っていたとでも言いたいのか?
   ふふん、そう思うのも致し方が無い。絶世の美女は何を着ても映えるからな」

ルル「ああ、まぁ、…そうだな」

C.C.「何故そこで茶を濁した!?」

18: 2011/11/16(水) 11:12:19.39 ID:zstfdAqW0
ルル「思い返してみたら、ゴス口リ以外でもお前は色々な服を着て動いているな」

C.C.「普段が普段の服装なだけに、様々な服を着るのは楽しいからな。
   必然的に服の種類も増えていくというワケだ」

ルル「後はその服を脱ぎ散らかさずに、ちゃんとタンスに収納するのを覚えれば完璧だな」

C.C.「どこぞの顔だけはいい家政婦が後始末してくれるから問題ない」

ルル「誰が家政婦だ」

C.C.「別にお前の事を指しているワケじゃないぞ。咲世子だって顔がいいだろう。
   これだから自意識過剰な坊ちゃんは困る」

ルル「俺以外がお前の服を収納することなぞ今まで一度も無かったろうが!」

C.C.「ふふ、これからも精々励んでくれよ」

ルル「……全く」

21: 2011/11/16(水) 11:19:33.30 ID:zstfdAqW0
C.C.「おい、ルルーシュ」

ルル「なんだ?」

C.C.「さっきの服の話だがな」

ルル「まだ掘り下げるか」

C.C.「お前が今まで見てきた私の服装で、一番良かったのは何だ?」

ルル「……は?」

C.C.「今後の参考がてらに聞いておこうと思ってな」

ルル「なんだその『今後』というのは。俺が言った服をこれから着てくれるとでもいうのか」

C.C.「気持ちの悪いことを言うなこの変態が。ただの参考だと言っているだろうが」

ルル「冗談に決まっているだろうが」


C.C.「……お前が望むなら、考えてやらんことも無いがな」


ルル「何をボソボソ言ってるんだお前」

C.C.「黙っていろ包○。お前的に良かった服はあるのか、無いのか、どっちなんだ」

23: 2011/11/16(水) 11:23:40.18 ID:zstfdAqW0
ルル「…良かった服が無いわけでもないぞ」

C.C.「!」

ルル「とは言ってもシンプルだがな」

C.C.「ま、まぁ一応聞くだけ聞いてやる」

ルル「拘束服だ」

C.C.「……は?」

ルル「だから、お前が着ている白の拘束服だ」

C.C.「……ルルーシュ」

ルル「?」

C.C.「お前は、本当に変態さんだな…母の愛を充分に注がれなかったのが原因か…。
   済まなかったな、今まで散々辛く当たってしまって……」

ルル「おい、なんで慈愛の目で俺を見つめてくるんだ。言っておくが絶対誤解しているからな!」

25: 2011/11/16(水) 11:27:51.52 ID:zstfdAqW0
ルル「拘束服はお前と初めて出会ったときの服装だろう。
   インパクトが強くて脳裏に焼きついてるというか、あの服が一番お前にしっくりくる」

C.C.「……拘束服が一番しっくり来るというのも考え物な発言だがな」

ルル「他意はない」


C.C.(……帰ったら久々に拘束服、着てみるか)

27: 2011/11/16(水) 11:32:13.34 ID:zstfdAqW0
―― 次は  ○○駅 ○○駅――


ルル「ようやく着いたか」

C.C.「意外と遠かったな」

ルル「お前は兎も角、俺は学校を無断で休んでいるからな。
   アッシュフォードから少し離れた郊外の地になるのは仕方ないだろう」

C.C.「別に近場でもそうそう見つかるもんじゃないだろう。
   相変わらず随所で器の小ささが計り知れる男だな、ルルーシュ」

ルル「喧しい。さっさと降りるぞ」

C.C.「了解した」

28: 2011/11/16(水) 11:36:55.83 ID:zstfdAqW0
C.C.「ほぅ、駅を出ていきなりショッピングモールか」

ルル「時間を潰すのに最適ではあるな」

C.C.「では、本格的にデートの開始だな」

ルル「……ふん」

C.C.「手でも繋いでみるか? 周りからは存外お似合いのカップルと思われるかも知れんぞ?」

ルル「遠慮する。お前と手を繋いだら、それだけでからかわれるタネになりそうだからな」

C.C.「つまらん男め、そこは『畏まりましたC.C.様。不肖このルルーシュめがエスコートさせて頂きます』と言って
   優しく手を差し伸べるのが当然だろうが」

ルル「……お前は一体どんな本に感化されたんだ」

29: 2011/11/16(水) 11:40:55.11 ID:zstfdAqW0
ルル「与太話はこれくらいにしておいて、だ」

C.C.「ん?」

ルル「C.C.、お前はどこか行ってみたい場所はあるか?」

C.C.「そうだな…まず最初に向かうとすれば……」

36: 2011/11/16(水) 11:51:07.24 ID:zstfdAqW0

C.C.「服や小物でも見てまわるか」

ルル「随分としおらしいな。本当にそんな一般的なものでいいのか?」

C.C.「やかましい、私だって女の子だぞ」

ルル「歳相応の発言を願いたいんだが」

C.C.「お前も怖いもの知らずだな。血を見るだけが地獄ではないんだぞ?」

ルル「……さて、真向かいに見えるファンシーショップにでも入ってみるか」

37: 2011/11/16(水) 11:56:13.60 ID:zstfdAqW0
C.C.「おお、おおぅ………」

ルル「これはまた、何とも……」

C.C.「チ、チーズ君が、沢山いるじゃないか……」


店員「いらっしゃいませー。本日より、ピザ○ットと提携してチーズくんフェアを行なっておりまーす!」


C.C.「おい! 見ろ、ルルーシュ! チーズ君スリッパなんてあるぞ!」

ルル「あ、ああ…」

C.C.「こ、これは幻の『押したら鳴く等身大チーズ君ぬいぐるみ』じゃないか!」

ルル「これが等身大か。思ったより大きいんだな」

C.C.「ルルーシュ! ここは凄いな、いや、凄いぞ! なんかもう、凄い!」

ルル「ええぃ、少しは落ち着け!」

40: 2011/11/16(水) 12:04:10.57 ID:zstfdAqW0
C.C.「おい、来て見ろ! このチーズ君とか最高に可愛いぞルルーシュ!」

ルル(あんなに楽しそうにはしゃぐC.C.は稀有だな。そんなに嬉しいか…)


店員「あら、彼氏さんですかー?」

ルル「断じて違う」

店員「彼女さん、可愛いらしいですね。
   あんなに綺麗な人があそこまで喜んでくださると、私たち一同としても喜ばしい限りです」

ルル「だから彼女ではないと…」

店員「どうですか、ここはお一つプレゼントとか如何でしょう?」

ルル「……」

41: 2011/11/16(水) 12:08:23.57 ID:zstfdAqW0
ルル「もう充分だろ、C.C.。そろそろ出るぞ」

C.C.「むぅ、まだ堪能したりないが…まぁいい。流石にここで一日を潰すわけにはいかないからな」

ルル「正気に戻ってくれたようで何よりだ」

C.C.「馬鹿を言うな、元々正気だというに」

ルル「信頼できるような発言ではないな、さっきの様子から考えると…」

C.C.「…少し舞い上がっていただけだ、さっさと出るぞ」


<オカイアゲ アリガトウゴザイマシター


C.C.「ん? 何か買い物したのか?」

ルル「さぁな、どうせ客でも見間違えたんだろう」

42: 2011/11/16(水) 12:15:31.94 ID:zstfdAqW0
C.C.「ん、もうこんな時間か」

ルル「もう昼食の時間に差し掛かっているな」

C.C.「ここに着くのに時間がかかったのと、さっきの店で思いのほか足止めをくらったのが原因か」

ルル「後者は完全にお前が原因だろうが」

C.C.「煩いぞ、ルルーシュ。そもそもアレは相対性理論の所為だ」

ルル「いきなり何を言い出すかと思えば」

C.C.「楽しい時間は早く過ぎる、さっきの店で私はそれを実感したよ」

ルル「それは重畳だな」

C.C.「…今日一日も、なかなか過ぎる時間は早く感じるがな」

ルル「…少しだけ同意してやろう」

C.C.「素直じゃない奴め」

ルル「それはお互い様だ」

43: 2011/11/16(水) 12:20:02.13 ID:zstfdAqW0
C.C.「昼食はもちろん分かっているな」

ルル「ああ、カレーうどんだろう」

C.C.「阿呆か貴様は。ピザの美味い店一択だろうが」

ルル「俺だってたまには好物を心置きなく食べたいんだ!」

C.C.「えぇい! そもそもデートの昼食でカレーうどんとか童Oこじらせすぎだぞお前!」

ルル「お前相手にデリカシーなぞ知ったことではない!」

C.C.「くうっ、何という水掛け論の予感だ…!」

ルル「な、なら妥協案を提示しよう」

C.C.「…ほぅ?」

44: 2011/11/16(水) 12:23:12.81 ID:zstfdAqW0
ルル「俺はカレーうどんが食べたい」

C.C.「私はピザが食べたい」

ルル「この意見から同案できる部分をピックアップすると…」

C.C.「カレー、うどん」

ルル「ピザ、チーズ  だな」

C.C.「相違ない」

ルル「つまり挙げるとなれば…」

・カレーライス(チーズトッピング)
・ピザ
・力うどん

ルル「上記の三つになるか」

C.C.「いくらなんでも偏りすぎだろう……」

46: 2011/11/16(水) 12:27:12.37 ID:zstfdAqW0
~モール内 ピザ専門店~


C.C.「で、結局は……」

ルル「カレー味のピザ、になったな。この組み合わせは盲点だった」

C.C.「そうか? 今ではかなり一般的なメニューだと思うぞ」

ルル「そもそも俺はあまりピザを食べないからな。
   そういった意味では新しいメニューを知れて色々と新鮮ではある」

C.C.「ふふん、私が毎度ピザを頼んでいて良かっただろう?」

ルル「それとこれとは別問題だ」

C.C.「……ノリの悪い奴め」

48: 2011/11/16(水) 12:31:28.19 ID:zstfdAqW0
C.C.「美味しかったな、ルルーシュ」

ルル「ああ。一人で4枚も食べたら、さぞ腹も苦しいだろう」

C.C.「もう2枚はいけたが、腹八分で抑えるのが美容の秘訣だ」

ルル「あれだけ食べてまだ入ったのか…底なしだな」

C.C.「褒めるな褒めるな、少し照れるだろうが」

ルル「俺の言葉のどこに褒める要素を見出したかは知らんが、それは勘違いだとだけ伝えておこう」

51: 2011/11/16(水) 12:38:14.14 ID:zstfdAqW0
C.C.「さて、次はどこに行こうか?」

ルル「お前はどこか行きたい場所など無いのか?」

C.C.「思ったよりもモールが広いからな。行き場所で迷うのは仕方ないことだ」

ルル「確かにこれだけ広大だと、一日では周りきらないな」

C.C.「……場所でも変えるか?」

ルル「ほぅ、その場所にもよるが良い提案だな。
   どこか目星でもついているのか?」

C.C.「そうだな……」
外でもぶらついてみよう」

61: 2011/11/16(水) 12:47:18.09 ID:zstfdAqW0

C.C.「広い草原でゆっくりするのも、結構いいな」

ルル「確かに、交通機関を使用して少し移動したら草原はあるが…」

C.C.「不服か?」

ルル「…いや、むしろ賛成だ」

C.C.「では早速移動することにするか」

ルル「ああ、そうしよう」

C.C.「ちなみに移動手段は?」

ルル「そうだな…バスが一番手っ取り早いだろう」

62: 2011/11/16(水) 12:49:45.48 ID:zstfdAqW0

―― 小高い丘に大木が1本だけそびえる 緑の草原――


C.C.「ルルーシュ」

ルル「……」

C.C.「いい眺めだな」

ルル「ああ」

C.C.「ルルーシュ」

ルル「……」

C.C.「帰りのバスが一本も無いというのはどういう了見だ?」

ルル「田舎を侮っていた、としか返せないな……」

64: 2011/11/16(水) 12:53:48.14 ID:zstfdAqW0
C.C.「全く、お前にしては信じられないミスだな」

ルル「……」

C.C.「それとも何だ、私と二人きりになりたかったとでもいうのか」

ルル「……」

C.C.「……お、おい。冗談にくらい返事をしろ」

ルル「……俺だって、ゆっくりしたい時がある。お前もそう言ってたろう?」

C.C.「……そ、それは確かにそうだが」


ルル「よっ、と」

C.C.「いきなり寝転ぶとははしたないぞ、ルルーシュ」

ルル「ふん、別に今くらいは構わんだろう」

65: 2011/11/16(水) 12:56:24.63 ID:zstfdAqW0
C.C.「……ふん」 ポスッ

ルル「なんだかんだでお前も寝転がっているじゃないか」

C.C.「勘違いするな。お前が寝転がっていて私が立っていたら、スカートの中を覗かれるだろうが」

ルル「そういう恥じらいがあるなら、下着一枚で部屋をうろつくのは勘弁願いたいものだ」

C.C.「それとこれとは別物だ」

ルル「……お前の判断基準は相変わらず分からん」

C.C.「当然だろう? 私はC.C.だからな」

66: 2011/11/16(水) 12:58:43.24 ID:zstfdAqW0
ルル「……おい、C.C.」

C.C.「なんだ?」

ルル「いい天気だな」

C.C.「まぁまぁだな」

ルル「……こんな穏やかな時間は、久しぶりだ」

C.C.「感謝しろ」

ルル「少しくらいならな」

C.C.「なんだ、やけに素直じゃないか」

ルル「ふん、勝手に言っていろ」

67: 2011/11/16(水) 13:02:26.19 ID:zstfdAqW0
ルル「むぅ……気候がいいと、気が緩むな」

C.C.「それは人間が生まれ持った気質だ。お前だけじゃないさ」

ルル「……少し、寝る」

C.C.「最近のお前は激務で寝ることすらままならんかったからな。
   ……たまにはゆっくり眠れ。膝枕のサービス付きだぞ?」

ルル「ふん、やけに優しいじゃないか」

C.C.「いつもの事だ」

ルル「ああ、そう…だったな……」


C.C.「…おやすみ、ルルーシュ」

ルル「…おやすみ、○○」

68: 2011/11/16(水) 13:07:52.61 ID:zstfdAqW0

~ppppp ppppp~


ルル「……休む暇もない、か」

C.C.「騎士団からの呼び出しだな。しかも緊急コールときた」

ルル「もう少しゆっくりしたかったが、仕方ない。
   ここにはロロにでも迎えに来てもらうか」

C.C.「全く…余韻も何もあったもんじゃないな」

ルル「残念か?」

C.C.「……少しだけ」

ルル「俺は結構残念だ」

C.C.「……変に素直だと調子が狂うからやめろ」

72: 2011/11/16(水) 13:11:15.45 ID:zstfdAqW0
ルル「おい、C.C.」

C.C.「なんだ、ルルーシュ」

ルル「まぁ色々あったが、今日の事は感謝してやる」

C.C.「ふん、童O坊やなぞついでだ。私は私で羽を伸ばせたから感謝される覚えなどない」



< 兄さん、あと1分足らずでそっちに着くから準備しといて!



ルル「…では、行くぞ」

C.C.「了解した、ゼロ」

73: 2011/11/16(水) 13:17:10.55 ID:zstfdAqW0

【エピローグ】


―屋敷にて―


C.C.(緊急コールだから急いで向かってみたものの、歯ごたえのない任務だったな)

C.C.(実際ロロとカレンだけれで絶対どうにか出来たろうに…)

C.C.(無理にゼロを戦線に向かわせるから、アイツの疲労が取れないというのが分からんのか)

C.C.(ふふん、まぁその辺りを理解してやれるのは『共犯者』である私だけ、という事か)

C.C.(……内助の功、というのか。これは?)


C.C.「くふふ………」

咲世子「あら、ニヤニヤしちゃってどうかされましたか~。何かいい事でもありました?」

C.C.「ふぉぉう!? い、いきなり現れて驚かせるな!」

74: 2011/11/16(水) 13:20:36.33 ID:zstfdAqW0
C.C.「そ、そうだ。ルルーシュは今夜も遅くなるとの言伝だ」

咲世子「あら? ルルーシュ様でしたら先ほどバタバタして帰ってきて、すぐ出ていきましたけれど」

C.C.「ん? さっき帰ってきていたのかアイツ?」

咲世子「はい、何か大きな荷物運んでらっしゃいましたよ」

C.C.「ふぅん。 まぁ、私には関係ないな。
   部屋に戻るんで風呂の準備が出来たら呼んでくれ」

咲世子「はい、かしこまりました」

76: 2011/11/16(水) 13:25:43.93 ID:zstfdAqW0
―― 自室にて ――


C.C.「こ、これは………」

C.C.「等身大、チーズ君の…ぬいぐるみ……」

C.C.「それに、メッセージカード…?」


  気まぐれで買ってしまったからお前にやる。
      せいぜい大切にしろ。

           今日は有難う。    ルルーシュ


C.C.「梱包までしておいて気まぐれも何もあったもんじゃないだろうに……」

C.C.「ふふ…本当に、愛しいくらい不器用なヤツめ」


C.C.「私も気まぐれに、今日は拘束服でも着てアイツの帰りでも待ってやるか…!」


~END~

79: 2011/11/16(水) 13:26:34.70 ID:ONPppekMO

ニヤニヤできてよかった

87: 2011/11/16(水) 13:59:08.59 ID:zstfdAqW0
立てたままでは勿体無いと思い、スレお借り致しました
少しでも時間つぶしのお供になれたのなら幸いです

素敵なスレタイを考えた>>1に全力で敬意を表しつつ、この辺りで失礼を

引用元: C.C.「今日は学校サボって私とデートしろ」 ルルーシュ「…は?」