1:2017/09/29(金) 01:57:47.774
ミサト「あらぁ?別にいいじゃない?それとも太巻きの方がイイのかしら?」ニヤニヤ

シンジ「やめてよっ!太巻きなんてもっとダメですよ、ミサトさぁんっ!」

ミサト「ケチケチしないで?ね?いいでしょ?シンジくん?」ニヤニヤ


2:2017/09/29(金) 01:58:23.147
スッッ パアァァ----ン!!!

ミサト「痛ったぁ~い!何すんのよ、アスカ!」

アスカ「ミサト!アンタ一体なにやってんのよ!」
3:2017/09/29(金) 01:58:58.421
ミサト「なにって、お昼ご飯よ?見てわからない?アスカ。」

アスカ「そんなの、見りゃわかるわよ!アタシが言ってんのは、なんでシンジから助六巻き上げようとしてんのかって言ってんの!」

ミサト「だって美味しそうなんだも~ん♩」
6:2017/09/29(金) 02:05:28.750
アスカ「なんだもーん♩じゃないわよ!アンタがシンジからそれ取り上げたら今日のシンジのランチがその助六の横にあるミニうどんオンリーになっちゃうでしょうが!」

ミサト「いーじゃない、アスカのケチんぼー!」

アスカ「だったらアンタも自分で注文すりゃいいでしょうが!そんくらいの俸給出てるんでしょ?」
7:2017/09/29(金) 02:07:21.013
ミサト「すみませーん、注文いいですかー?」

田村2尉「はーい。」

ミサト「こっちにも助六ひとつください、アスカ?あんた何にすんの?」

アスカ「アタシは親子丼で!」

田村2尉「助六と親子丼ね、しっかし葛城3佐カツカレーに助六ってよく食べるね?太っちゃうよ?」

ミサト「う…うるさいわねー。最近アタマ使う事がおおくて疲れてんのよ!」

田村2尉「はいはい、すぐ用意するからちょっと待っててね。」
8:2017/09/29(金) 02:08:13.869
……………………
………………
………

<食後・ネルフ職員食堂>
ソレデハツギノニュ-スデス
キョウハドヨウノウシノヒ
ウナギセンモンテンナドデハイチネンデモットモイソガシイヒヲムカエテイマス

アスカ「ところでさー。」

ミサト「なに?アスカ。」

アスカ「いまこのテレビのニュースでやってるドヨーのウシの日ってやつよ。」

シンジ「土用丑がどうかしたの?アスカ。」

アスカ「そもそも今日は土曜日じゃないし、それに牛の日なのにウナギってなんでよ?おかしいじゃない?」
9:2017/09/29(金) 02:09:03.038
ミサト「あ、それはその土曜日でもないし、食材としての牛肉の話じゃないのよー。」

アスカ「どういう事?」

ミサト「えっとー…それはー…。……シンジくぅん?」

シンジ「えぇっ⁈ミサトさんいくらなんでもその程度は…。」

ミサト「シンジくん、お願いっ!」
10:2017/09/29(金) 02:09:51.489
シンジ「わかりましたよ…。あのね、アスカこの土用丑の日っていうのは、昔の日本の暦の話で季節の変わり目の期間のことなんだよ。いまの日本は一年中夏だから季節の変わり目も何も無いんだけどね。」

アスカ「昔ってセカンドインパクト前?」

シンジ「もっと昔だよ、中国古典の五行学説が入ってきた頃から。それでね、丑の日はビーフの方の丑じゃなくて干支の方の丑なんだよ。土用にあたる期間を12きざみにして丑の干支が当たる日が土用の丑の日。」

アスカ「エトってのは何か聞いたことあるわ。アタシはヒツジが好きよ。」

シンジ「そんなマニアックな話ねじ込んでこないでよ!」
11:2017/09/29(金) 02:10:46.227
アスカ「それはいいわよ!それでなんでその丑の日にウナギ食べるようになったのよ?」

シンジ「あ、別にウナギでなくてもいいんだよ。」

ミサト「シンちゃん、それとういうこと?」

シンジ「丑の日にちなんで『う』のつくものなら何でもいいらしいんですよ。本来は。」

アスカ「もしかして、アンタ」

シンジ「うん、だから今日はうどんにしたんだ。」
12:2017/09/29(金) 02:11:50.755
アスカ「ダジャレなの~?くっだらなぁい。で、なんでそのダジャレならそれこそアンタみたいにうどんでも梅干しでもなんならそれこそ牛の肉でもいいわけでしょ?なんでウナギばっかりそんなメジャーなわけ?」

シンジ「まぁ、昔の日本には獣肉食の文化自体が今ほど一般的じゃなかったからね。薬喰いって言い訳して隠れて食べるようなものだったらしいし。」

アスカ「でも、うどんや梅干しでも良かったんでしょ?」

ミサト「そうよねぇ、その『う』のつくものにしたって夏バテ避けのおまじないみたいなものなんでしょ?梅干しは疲労回復には良いらしいし、それこそ獣肉を薬としてなら食べてたんなら牛肉でも良かったんじゃないの?」
14:2017/09/29(金) 02:15:11.605
シンジ「俗説ですけど、幕末期に夏にウナギが売れなくて困ってたウナギ屋さんが平賀ゲンナイって偉い先生に相談して、そのゲンナイ先生がでっちあげた風習だっていうのが一番有名ですね。
でも夏バテにウナギが良いってのは万葉集にも謳われたりはしてるみたいなんで実態はハッキリしないらしいんですけど。」

ミサト「へぇ、昔は夏にウナギ売れなかったのねー。」

シンジ「ウナギって土用丑の風習のせいで夏が旬って思われがちなんですけど、実は夏のウナギって痩せてるですよ。ウナギ自体は冬の方が美味しいんです。」

アスカ「そうなの?その痩せウナギを有り難がるなんて日本人も変な国民性よねー。」

シンジ「まぁ、その痩せウナギ売るための広告を頼んでるんだから売れないと困るだろうしね…。それにいまの合成じゃない自然ウナギは養殖物がほとんどだから一年通して品質も安定してるらしいし。」
15:2017/09/29(金) 02:16:14.287
アスカ「そう聞くと、ちょっと食べたくなってくるわね…。」

シンジ「この近くなら湯本とか小田原に美味しいお店があるらしいよ。」

アスカ「そうなの⁈ねぇ、ミサト♩」ニッコリ

ミサト「えっ?あ、そのー、あのね…。あ、そうだ!ゴッメーン、あたし急用を『思いついちゃったぁ』また後でねぇ。」

アスカ「あぁっ!待って!ミサト。」

シンジ「……。」

アスカ「……。ねぇ、シンジ?」

シンジ「うん、まぁ……。そう…なるよね…。」
17:2017/09/29(金) 02:17:22.651
シンジ「でも、今からだともうスーパーで売ってる合成物のウナギしか用意できないけど… いいの?アスカ。」

アスカ「アンタの料理の腕前は信用してるわ。」

シンジ「わかったよ、じゃあ帰りにスーパーに寄るから付き合ってよ。」

アスカ「いいわ。アタシも買っときたいものがあるから。」

シンジ「なに買うの?」

アスカ「今日は丑の日なんでしょう?」ニヤリ
18:2017/09/29(金) 02:18:26.168
<夕方・葛城邸>
シンジ「さて、お米も炊けたしウナギも支度を始めなきゃ。すぐに用意できると思うからこっちでテレビでも観ながら待っててよ、アスカ」

アスカ「わかったー」リモコンポチ-

コノミセデハウナギノネダンハキョネンナミトイウコトデス
マタコトシハドヨウノウシノヒガモウイチニチアリ
ツギハライゲツ6ニチノニチヨウビデス

アスカ「ねぇ、シンジ?丑の日って年に2回もあるの?」

シンジ「土用自体が18日あるからね。それを12日サイクルでまわすから二の丑がある年もあるよ。」

アスカ「へぇ、そうなの。ふふっ、ちや~んす」ニヤリ

シンジ「???変なアスカ。」
19:2017/09/29(金) 02:19:28.474
シンジ「さてと、まずはパックから合成ウナギを出して。」

シンジ「どのみち焼き目入れ直す時に充分熱は通るだろうからレンジ加熱無しでこのままやるか。」

シンジ「フライパンに小さじ一杯ぶんサラダ油を馴染ませて…と。」

シンジ「まずは身の方を下に向けて中火で2分焼く…と。」

シンジ「2分たったら一度火を止めてウナギをひっくり返して… これ下手に菜箸使うと身が崩れちゃうな… フライ返しの方がいいね。」

シンジ「皮目を下に向けて、そこに小さじ一杯ぶんのお酒を鍋肌から垂らして蓋をしてさらに中火で2分蒸し焼き…と。」

シンジ「この隙に丼にごはんをよそって…と。」

シンジ「2分たったら火を止めてごはんの上にウナギを載せて…フライパンに付属のウナギのタレを全部入れてよくかき混ぜてからふつふつとなるまで加熱…と。」

シンジ「タレが温まったら丼にまわしかけて。」
20:2017/09/29(金) 02:20:09.172
シンジ「アスカー!できたよー!」

アスカ「はーい。」

シンジ「お待たせ。リクエストどおり鰻丼だよ。お好みで山椒ふって食べてね。」

アスカ「へぇ、なかなかいい匂いしてるわねぇ。じゃ…。」

シンジ・アスカ「「いただきます!」」
21:2017/09/29(金) 02:23:36.981 ID:OIf8S1NZ0.net
うなぎ食べたくなってきた
22:2017/09/29(金) 02:28:10.936
アスカ「へぇ、ふわふわしててなかなか美味しいわね。所詮合成モノだと思ってちょっとあなどってたわ。それともアンタの腕前の賜物かしらね。」パクパク

シンジ「僕は今日は大したことしてないよ。僕よりも日本の水産業の底力だよね。」モグモグ

アスカ「たしかに日本人の食べることへの執着はときどき凄く驚かされるわね。」モニュモニュ

シンジ「セカンドインパクトからこっちの食料事情として考えてさ、こんな合成の代替食材なんか
普通ならもっとSFの創作みたいな見た目からしてディストピアっぽい物でもおかしくないのにちゃんと食べ物らしい味と形なんだもんね。」モキュモキュ
23:2017/09/29(金) 02:29:12.566
ピ---!
プシュ-
ミサト「たっだいまー♩あらー、いい匂いねぇ。もしかしてウナギかしらぁ」

シンジ「あ、ミサトさん。おかえりなさい。すぐに用意出来ますよ。」

ミサト「おねが~い。さてと、ビール♩ビール♩」ゴキュゴキュゴキュゴキュゴキュ プッハ-------!!!

シンジ「はい、ミサトさんのぶんです。」
つ【鰻丼】

ミサト「美味しそー!いっただっきまーす!」
24:2017/09/29(金) 02:30:02.345
アスカ「…。」ヒョイ ヒョイ

ミサト「え?あ?アスカなにすんのよ?」
【鰻 のタレ 丼】

シンジ「ちょ?ちょっと?アスカ、何してるのさ!」

アスカ「『う』がつきゃいいんでしょ?コレで充分よ!」スッ
つ【うまい棒】

ミサト「ちょ?ちょっと待って!この仕打ちなんなのよ⁈」

アスカ「ねぇ、シンジ。来月6日…。二の丑だっけ?もう一回土用の丑の日あるのよね?」
25:2017/09/29(金) 02:30:53.988
シンジ「う、うん。」

アスカ「ミサト!そこでアタシたちを湯本なり小田原なり本物のウナギ食べに連れて行きなさいよ!連れてってくれなきゃこのウナギはアタシとシンジで食べるわよ!」

ミサト「わかった!わーかったから!ね?アスカ!ウナギ返してよー!」

ワ-キャ- ワ-キャ-

葛城家は今日も平和です。


劇終
26:2017/09/29(金) 02:33:20.046
お騒がせしてすまんかったの
中の人もウナギ風蒲鉾しか食えんのじゃ
ウナギ風もそこそこ美味いけど柔らかすぎるのと脂が足らん感じがするんじゃ

作中のウナギ蒲鉾あたための手順でやるとウナギ蒲鉾でも香ばしさが出るぞ

じゃあの
28:2017/09/29(金) 02:55:05.160 ID:n30NBs90p.net
シンジ君ペンギン知らなかったくせにやけに詳しいな
31:2017/09/29(金) 03:18:35.181
>>28
ね?詳しいよね
32:2017/09/29(金) 03:32:51.594 ID:wz8LoYVR0.net
うなぎ蒲鉾なんて初めて聞いたわ