1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/30(月) 23:00:33 ID:pR3Bwhno
暇だから書いてみます。
ムーミンの世界観を再現するのは無理だけど気にしないでください。


白鳥さん「今日もムーミン谷はいいお天気です。でも浮かない顔をしている人もいるようですね。」

ヘムレン「はぁ…」

ムーミン「ヘムレンさんこんにちは。あれ?元気ないですね。」

ヘムレン「おおムーミンか。実はな最近新種の植物を見つけられなくてね…」

ムーミン「そうなんですか。見つかるといいですね。」

ヘムレン「そうだといいんじゃが…」

2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/30(月) 23:05:31 ID:pR3Bwhno
ムーミン屋敷(テラス)


ムーミンパパ「おやおかえりムーミン」

ムーミン「ただいまパパ」

ムーミンパパ「どうしたんだね?そんなに浮かない顔して」

ムーミン「え?あ、僕は何でもないよ。ただヘムレンさんが元気なかったんだ」

ムーミンパパ「ヘムレンさんが?」

ムーミン「なかなか新種の植物を見つけられないんだって」

ムーミンパパ「なるほどスランプか」

ムーミン「スランプ?」

ムーミンパパ「どんな名人でも、時には思うようにいかなくて立ち止まることもあるってことさ。」

ムーミン「そっかー」

ムーミンパパ「なあに、心配しなくてもヘムレンさんなら、またすぐに新種の植物を見つけるさ。」

ムーミン「うん、そうだね。」

3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/30(月) 23:10:18 ID:pR3Bwhno
・交番


署長さん「コラーまたお前か!」(物投げる)

スティンキー「うわあああ、ごめんよ!」

署長さん「今日という今日は絶対に許さん!!」

スティンキー「ひゃあああ、助けて」

署長さん「よりにもよって、ミムラから貰った花瓶を壊すとは!!」
(警官ヘルメットを投げつける)

スティンキー「だから謝ってるだろって、イテッ」

署長さん「許さん!許さん!許さん!」(転ぶ)


スティンキー「ごめんなさぁぁい!」(逃げ去る)

署長さん「スティンキー待て!」(転んだまま)

4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/30(月) 23:13:14 ID:pR3Bwhno
スティンキー「なんとか逃げ切れた…。しかしイタズラも飽きちゃったな。いつも何か壊すか盗むかだもんな。もっと気の聞いたイタズラはないだろうかな…?」


スティンキー「ありゃ?」

ヘムレン「ああ!ここにもない!どこへ行ったら新種の植物は見つかるんじゃ!」


スティンキー「へへへ、そうだ。面白いこと思い付いたぞ。」ソソクサ

5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/30(月) 23:22:14 ID:pR3Bwhno
・森のなか


ヘムレン「はぁ、くたびれた。おや?」

【占いの看板&テント】
ヘムレン「占い。1回に付き金貨三枚也。なんじゃこりゃ」

スティンキー「いらっしゃい。」(変装)

ヘムレン「な、なんだね君は」

スティンキー「しがない占い師ですよ。どうです?占っていきませんか?」

ヘムレン「くだらん、バカバカしい」

スティンキー「そんなこと言わずに。わたくしの店はよく当たりますよ。それに占いは古くから行われ続けているもので侮れないですよ。」

ヘムレン「しかしだな…金貨三枚は少々値を張るんじゃないかね?」

スティンキー(たく、しょーがないなー)

スティンキー「貴方様は初めてのお客様ですので、特別に金貨一枚で占って差し上げます。」

ヘムレン「なんだ初めてなんか。ホントに当たるのかね」

スティンキー「ええ、ええ、当たりますとも」

6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/30(月) 23:29:21 ID:pR3Bwhno
ヘムレン「まあこれも何かの縁じゃ。気休めに今日の運勢でも占ってもらおうかな」

スティンキー「はいはい、では中へ」

ヘムレン「ほう、随分閑散としとるな」

スティンキー「それではこちらの椅子におかけください」


スティンキー「ところで貴方お名前は?」

ヘムレン「ヘムレンです」

スティンキー「それではヘムレン様の本日の運勢を占ってしんぜよう。」

ヘムレン「あ、今日新種の植物を見つけられるかどうかを知りたいんじゃ。」

スティンキー「よろしい。では」
(水晶玉に両手を添える)


スティンキー「ハーーーー」


スティンキー「キェェェェェェェェェェェェイ!!!」

ヘムレン「!!」

7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/30(月) 23:40:24 ID:pR3Bwhno
スティンキー「でました…」

ヘムレン「それで、儂は…」

スティンキー「ヘムレン様、貴方は本日新種の植物を見付けるでしょう。」

ヘムレン「なに、本当かね?」

スティンキー「ただ…」

ヘムレン「ただ…なんじゃね?」

スティンキー「その紫色の服じゃダメですな」

ヘムレン「ええ、しかし同じようなものしかわしゃ持っとらんぞ」

スティンキー「そうですね。エプロンをして今日1日過ごすこと。そして、顔に落書きして誰かにあったら必ずお尻を…」

ヘムレン「何かふざけとらんかね?」

スティンキー(まずい…)

8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/30(月) 23:41:18 ID:pR3Bwhno
スティンキー「というのは冗談で、今日は1日エプロンをして過ごし、誰かに会ったら必ずウィンクをすること。そうすれば貴方の望みは叶います。」

ヘムレン「少々気が引けるが、まあ物は試しじゃな。ほれ金貨一枚」

スティンキー「まいどあり。またの御来店お待ちしております。」




ヘムレン「エプロンはムーミンママのを借りようかの」


スティンキー「へへへ、面白くなりそうだ」クスクス

9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/30(月) 23:45:52 ID:pR3Bwhno
ヘムレンさん散歩中
周りの住民がクスクス笑う

ヘムレン「やあフィヨンカ夫人、どうも」

フィヨンカ「あらヘムレンさん、ごきげんよう」
(通り過ぎる)



フィヨンカ「フフフ…ハハハハハハハハハ!何ですあの格好!ハハハハハハハハ!!」

フィヨンカ「あらやだやだ、ムーミン谷はおかしな人ばかりね。わたくしまでおかしくなりそうですわ」

10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/30(月) 23:52:51 ID:pR3Bwhno
・ムーミン、フローレン、ミイ、スニフが歩いている。
スニフ「ん?なんだあれは」

ムーミン「え?ヘムレンさん?」

ミイ「なんて格好してんのよ」


ヘムレン「やあ諸君」ウィンク

フローレン「ヘムレンさんどうしたんですか?その格好」

ヘムレン「あ、これか。これはな新種の植物を見つけるための装備じゃよ」

ムーミン「そうなんですか」

ミイ「そーんなわけないでしょ」

ヘムレン「ではまたな諸君」ウィンク☆

4人「…」


ヘムレン「あ、署長さんどうも」ウィンク

署長さん「ヘムレンさん、今日もいい天気ですな」

スニフ「なんなんだあれ」

フローレン「いつものヘムレンさんじゃないわね」

11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/30(月) 23:57:52 ID:pR3Bwhno
・森の中

ヘムレンさん「はあ、ウィンクをし過ぎて疲れたわい」ウィンク

スティンキー「ククク…みんなの反応がなかなか面白かったなぁ」(隠れながら)


ヘムレン「何だか喉が渇いた。近くに川があったはずじゃな」



ヘムレン「ん?…おお、これは!!」

スティンキー「へ?」

13: 1です。 2019/10/01(火) 00:06:32 ID:Ois0xnHU
あ、一応アニメ「楽しいムーミン一家」をベースに書いています。
それではまた何時間か後に書きます。

14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/01(火) 08:29:49 ID:Ois0xnHU
・ムーミン屋敷

ムーミンママ「確かにエプロンは、ヘムレンさんに貸したわよ」

ムーミン「やっぱり」

スニフ「ヘムレンさんったらエプロンつけたまま歩いてたよ」

ミイ「それにウィンクまで」

ムーミンママ「そういう日もありますよ」

ムーミンパパ「そうさ。時には気分を変えることも大事なのさ。」

4人「うーん…」

15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/01(火) 08:34:05 ID:Ois0xnHU
ヘムレン「ムーミンパパ!!」
(駆け込んでくる)

ムーミンパパ「どうしたんですか、ヘムレンさん」

ヘムレン「やったぞ!ついにやったぞ!」

ムーミン「何かあったんですか?」

ヘムレン「見つけたんじゃよついに、新種の植物をな!」

フローレン「まあ」

ムーミンパパ「良かったですねヘムレンさん」

ヘムレン「ああ」

16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/01(火) 08:43:23 ID:Ois0xnHU
ヘムレン「これもみんな、あの占いのおかけじゃ」

ミイ「占い?」

ムーミン「ムーミン谷に占い師がいるんですか?」

ヘムレン「ああ、今日からお店を開いたそうじゃよ。今日の運勢を占ってもらったらこの通りじゃ。まさか本当に当たるとは」

フローレン「まあ素敵、私も占ってもらおうかしら」

スニフ「たまたま当たっただけじゃないの?」

ムーミンママ「スニフ、そうとも言い切れないかもしれないわよ」

ムーミン「そうだよ、おかげでヘムレンさんは新種の植物を見つけたんだから」

スニフ「でもさー本当に当たるのかな?」

ムーミンパパ「要は気の持ちようさ。占いの結果のあとどのような行動に出るか。現にこうして占いの結果がヘムレンを元気付けて、新種の植物を発見したとも言えるなぁ」

スニフ「そんなもんかね」

ヘムレン「素晴らしい。実に素晴らかしい」

17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/01(火) 21:17:46 ID:2g/5uBHk
白鳥さん「ヘムレンさんの占いが当たったことはすぐに広まりました。そして」


次の日

ムーミン「あ、もうこんなに並んでる」

ミイ「もっと早く来れば良かったわ」

スニフ「あ、署長さん」

署長さん「やあ、君たちも占ってもらうのかい?」

フローレン「ええ」

署長さん「あの占い師はよく当たるぞ」

ムーミン「え?署長さん占ってもらったの?」

署長さん「ああ、お陰様でミムラから新しい花瓶を貰ったよ」

ミイ「本当に当たるみたいね」

フローレン「なんだか、ドキドキしてきたわ」

18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/01(火) 22:09:29 ID:852G.Lvk
ムーミン「あ、僕たちの番みたいだよ」

4人「失礼しまーす」

スティンキー(なんだムーミンたちか)

スティンキー「占いは一人ずつなんだがね」

ミイ「四人分金貨出すから別にいいでしょ」

スティンキー「まあいいでしょう」

スニフ「よし、じゃあまず僕の運勢を占って」

ミイ「ずるいわスニフ」

スニフ「早いもの順さ、はい金貨」

スティンキー「それでは参りましょう、貴方のお名前は」

スニフ「スニフです」

19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/01(火) 22:12:34 ID:852G.Lvk
スティンキー「スニフ様の本日の運勢」

スティンキー「ハーーーー!!」
(水晶玉に両手を沿える)

スティンキー「キェェェェェェェェェェェェイ!」

4人「!!!」

スニフ「あービックリした」

スティンキー「ふむ、貴方は今日はろくな目に遭わない。おうちでおとなしくしていなさい。」

スニフ「そんなぁ」

3人「クスクス」

ミイ「じゃあ、今度は私の運勢を占って。名前はミイよ」

スティンキー「よろしい。ではミイ様の本日の運勢を占ってしんぜよう」


スティンキー「ハーーーー!!」

ミイ「大きな声出さなくていいから、さっさと占ってちょうだい」

20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/01(火) 22:25:46 ID:852G.Lvk
スティンキー「おお、貴方には水難の相が出ております。くれぐれも気を付けてくださいね。
特にしばらくは赤い屋根で青い壁の家には近づかないほうが良いでしょう。」

ミイ「それって」

フローレン「ムーミンの家じゃない?」

ミイ「何よ、しばらくはムーミンの家に行ってはダメっていうの?!」

スティンキー「い、いや…ムーミン屋敷で水難に遭う…。もしくは貴方の身近にいる人が水難に巻き込まれる可能性があるんで…」

スニフ「ミイも今日は帰ったら?」

ミイ「バカバカしい、あたし信じなーい」

スニフ「ミイったら」

21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/01(火) 22:31:48 ID:852G.Lvk
フローレン「ねえ占い師さん、今日の運勢以外も占うことはできるんですか?」

スティンキー「ええ、できますよ。学業、恋愛、健康、商売など何でもどうぞ」

フローレン「じゃあ私、恋愛占いにするわ。私の恋がこれからどうなるのかを占って」

スティンキー「分かりました」

スティンキー「おお、見える見える」

フローレン「どうですか?」

スティンキー「貴方は、意中の人と結ばれます。」

フローレン「本当?!やったぁ」

スニフ「フローレンばっかりいい結果でずるい」

スティンキー「ただし、ライバルが現れるのですこし厄介かも。油断は禁物ですぞ」

フローレン「分かりました。ありがとうございました。ふふっ。」

ミイ「最後はムーミンね」

ムーミン「うん」

22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/01(火) 22:37:11 ID:852G.Lvk
フローレン「ムーミンは何にするの?」

ムーミン「うーん…じゃあ僕も今日の運勢にしよっかな」

スティンキー「よろしい、ではムーミン様の今日の運勢」

スティンキー「見える見える」

スティンキー(よし、ちょっとからかってやるか)

スティンキー「キェェェェェェェェェェェェイ!」


ムーミン「あービックリした!」

スニフ「その大声なんとかならないの?!」

スティンキー「ムーミン様、貴方は今日素敵な女性と巡り会うでしょう」

ムーミン「え?女性」

スティンキー「そうですとも」

スニフ「良かったじゃないムーミン」

ムーミン「う、うん」

フローレン「ムッ(-_-#)」

23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/01(火) 23:03:47 ID:852G.Lvk
帰り道

スニフ「なーに機嫌悪くなってんの?」

フローレン「べつに」

ミイ「ほっときなさいスニフ」

スニフ「うぎゃああああ」

ムーミン「どうしたの?」

スニフ「み、ミミズ踏んじゃった。気持ち悪い」

ミイ「オーバーね」

スニフ「うぎゃ」(気の根っこに引っ掛かって転ぶ)

ムーミン「大丈夫?」

ミイ「あ、やっぱり占い当たってる」

フローレン「え!」

ムーミン「あの占い師はすごいよ」

スニフ「ぼく、今日は帰ろうかな」

24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/01(火) 23:13:42 ID:852G.Lvk
ムーミン「あれ?あの子は誰だろう?」

女の子が困ってる(結構可愛い女の子)

ムーミン「どうかしたんですか?」

ヴァーサ「道に迷ってしまって。今日中におさびし山を越えたいんだけど」

ミイ「おさびし山までの道なら、あたし達知ってるわよ」

ヴァーサ「本当ですか?」

ムーミン「案内しますよ。僕の家もおさびし山の方向だから」

ヴァーサ「まあ、助かります。」

ムーミン「僕の名前はムーミン・トロール。君は?」(歩きながら)

ヴァーサ「ヴァーサです。」


スニフ「へーなかなか可愛い子だね」

ミイ「まあ、あたしにはすこし負けるけど」

フローレン「ムーミンったら、鼻の下伸ばしちゃって」

ミイ「ダメだこりゃ」

25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/01(火) 23:19:57 ID:852G.Lvk
・おさびし山の近く

ムーミン「そうなんですか。海を渡って今日上陸したばかりなんですね」

ヴァーサ「ええ、知り合いがおさびし山の反対側に住んでいるので」

ムーミン「そうなんですね。でも今日は天気が荒れるかもしれないから気を付けてくださいね」

ヴァーサ「ムーミンって優しいのね」

フローレン「何よ、ムーミンにベタベタして」(小声)


・おさびし山の麓
ヴァーサ「あら」

ムーミン「どうしたの?」

ヴァーサ「迎えに来てくれたみたい」
(ヴァーサの知り合いが向こうで待っている)

26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/01(火) 23:25:00 ID:852G.Lvk
ヴァーサ「じゃあ私行くわね。ムーミン、皆さん、案内してくれてありがとうございました。」

ムーミン「いえいえ」

スニフ「今度はムーミン谷にもゆっくり寄っていってね」

ミイ「そうね」

ヴァーサ「そうさせてもらうわ」

ムーミン「それじゃ、ヴァーサ」

ヴァーサ「ムーミン、また会いましょう」chu!

ムーミン「!」

フローレン「!」


アリサ「…?」(森の方からムーミン達を見ている)


ヴァーサ「それじゃあみなさん!」

三人「またねー!」

ヴァーサと知り合いが去っていく

27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/01(火) 23:37:25 ID:852G.Lvk
アリサ「みんなー」

ムーミン「あ、アリサ」

ミイ「久しぶりアリサ」

アリサ「こんにちはミイ、みんな」

スニフ「しばらくだね」

アリサ「ところで、今の子だあれ?もしかしてムーミンの新しいガールフレンド?」

ムーミン「よしてよ、ただ道案内してただけだよ」

アリサ「へえ~、でも私みたわよ。ムーミンがキスされるとこ」

ムーミン「え!見てたの?」

スニフ「あ、そうか。占い師さんの言ってた人はヴァーサだったのか。」

アリサ「占い?どういうこと?」

ミイ「今ムーミン谷に、よく当たる占い師が来ていてね。ムーミンは今日素敵な女性に出会うって言われたの」

アリサ「それがさっきの子かぁ」

ムーミン「だから違うったら」

ミイ「いいえムーミン。あの占いはよく当たるの」

28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/01(火) 23:40:38 ID:852G.Lvk
スニフ「きっとヴァーサだよ」

フローレン「二人とも!ムーミンが違うって言ってるんだから、それでいいじゃない!」

アリサ「フローレン」

ミイ「焼きもちやいてるのよ」

フローレン「そ、そんなこと」

ムーミン「そうだ。せっかくアリサも来たんだから、みんなで僕んちに行こう。ママが今日のおやつはクッキーだって言ってたよ」

スニフ「クッキー?!行く行く!」

ミイ「あんた、今日は家でおとなしくするんじゃなかったの?」

スニフ「だから、ムーミンの家でおとなしくするんだよ。クッキーを食べながらね。さあ行こう!」

ムーミン「もうスニフったら」

クラリッサ「アリサ!」

アリサ「あ、おばあちゃん!」

29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/01(火) 23:47:59 ID:852G.Lvk
クラリッサ「またムーミン達と遊んでいたんだね?」

アリサ「違うわ。たった今偶然会ったの。ムーミン達は別の用事があったみたいだし。ところで何か用かしら?」

クラリッサ「おやおや、あんた今日は海で魔法の稽古があるのを忘れたのかい?」

アリサ「あ、すっかり忘れてた」

クラリッサ「全く、さあ早くお乗り」

アリサ「分かったわ。ムーミン、ミイ、フローレン、スニフ、また今度ゆっくりお話ししましょ」

ムーミン「うん、またね」

ミイ・スニフ「ばいばーい」

30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/01(火) 23:49:11 ID:852G.Lvk
ムーミン「よし、僕たちも行こう」

フローレン「わたし、やっぱり帰るわ。」

ムーミン「え?どうして」

フローレン「今日はクッキーを食べる気分になれないわ。さよなら」

ムーミン「ちょっとフローレン」

ミイ「ほっときなさい。明日になればまたいつものフローレンに戻ってるわよ」

スニフ「そうそう」

ムーミン「…」

32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/02(水) 12:45:38 ID:sWhjeA6Q
・占いのテント

スティンキー「貴方は今日は落とし物が見つかるでしょう。」

スクルット「本当?嬉しいわありがとう」(出ていく)

スティンキー(たく、もう何人目だよ)


ガフサ「みんな私も占い当たったわ」

エリンギ頭「え、本当かい?わたしも当たったよ」

せんとくんモドキ「私は昨日『口は災いのもと』って言われたら、本当に友達を怒らせてしまったよ」

スクルット「やっぱり当たるんだわ」

髭メガネのじじい「次は儂の番か」

スティンキー「あ、一旦準備するのでしばしお待ちを」


スティンキー「冗談じゃねえ、これじゃあ占ってばかりで自由な時間が無いじゃないか」
(スティンキーこっそり抜け出す)

エリンギ頭「あ、占い師さんが逃げたぞ」

髭メガネじじい「何?!まだ占ってもらっとらん」

住民達「まてー!!」

33: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/02(水) 12:51:59 ID:sWhjeA6Q
・原っぱ
フローレン「はぁ、いい結果が出たはずなのに、今日はついてないわ」

ヘムレン「おやフローレン」

フローレン「あ、ヘムレンさん」

ヘムレン「何をしているんだね?」

フローレン「退屈だからお花を摘もうかと」

ヘムレン「ほう、そうじゃ。また新種の植物を発見したぞ。本当にあの占い師はよく当たる」

フローレン「それは良かったですね」
(イライラしながら立ち去る)

ヘムレン「何じゃありゃ」


フローレン「はぁ、何やってるのかしら。あら、雨…」

34: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/02(水) 12:57:43 ID:sWhjeA6Q
・ムーミン屋敷

ムーミンパパ「ほう、ムーミンたちも占って貰ったんだね」

ムーミン「うんそうだよ」

ミイ「ムーミンは素敵な女性に出会うって言われて当たったものね」

ムーミン「ミイ!」

ムーミンパパ「ほう、それはよかったな」

ムーミン「もう、パパったら。ミイはどうなったんだい?」

ミイ「あたしゃ、このうちで水難に逢うってさ。あり得ないけど」

ムーミンパパ「水難か、まあミイが水難に逢うなら、すなわち我々も水難に逢うってことだからなぁ」

ミイ「スニフは今日は良いことないから、うちでおとなしくしてなさいだって」

スニフ「うん。だからムーミン屋敷でおとなしくしてるよ」

ムーミンパパ「スニフらしいな」

ムーミンママ「さあさあ、お茶にしましょう」

35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/02(水) 13:02:59 ID:sWhjeA6Q
スニフ「わーいクッキーだ!」
(はしゃぎまくって、転ぶ)
スニフ「うぎゃああああ」
(スニフのせいでお茶がミイの服にかかる)

ミイ「ちょっとスニフ、何すんのよ!」

ムーミンママ「あらあら二人とも大丈夫?」(拭いてあげる)

ムーミンパパ「火傷してないかい?ミイ」

ミイ「これくらい大丈夫だわ。それよりスニフ」

スニフ「ご、ごめんなさい」

ムーミン「あ、もしかしてこれが水難?」

ムーミンパパ「あ、確かに水が関係する事故だな」

ミイ「なーんだ大したことないじゃない」

ムーミン「あの占い師はやっぱりスゴい」

ムーミンパパ「パパも占ってもらおうかなぁ?」

36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/02(水) 13:09:47 ID:sWhjeA6Q
ピシャー!

ムーミンパパ「ん?!おお雨がひどくなってきているな」

ムーミン「二人とも早く帰ったほうがいいかもしれないよ」

スニフ「え!でも雷なってるし…ほら、うちでおとなしくしてなさいって言われただろ?こんな天気に外でたらまた何か起こるよ」

ミイ「スニフは臆病ね」

ムーミンママ「雷が怖かったら今日は泊まっていってもいいわよスニフ」

スニフ「え、やったー」

ムーミン「もうスニフったら、でも今日は夜も遊べるねスニフ」

スニフ「そうだね。ミイはどうするの?」

ミイ「あたしはお姉ちゃんが心配するから、おうちに帰るわ」

ムーミンパパ「だったら今の方がいいな。この雲の様子じゃこれからもっとひどくなるぞ」

ムーミンママ「そうね。ひどくならないうちに帰りなさい」

ムーミンパパ「私がミイの家まで送っていくよ」

ムーミンママ「お願いしますパパ」

ムーミンパパ「よしミイ、行こうか」

37: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/02(水) 13:19:27 ID:sWhjeA6Q
ムーミンパパ「段々雨が強くなってきたな」(歩きながら)

ミイ「これくらいへっちゃらよ」

ムーミンパパ「ハハハ、ミイは強いなぁ」

【フローレンの家の近く】
スノーク「あ、ムーミンパパ!」

ムーミンパパ「おやスノーク、どうしたんだい?」

スノーク「あのムーミン屋敷に、フローレンお邪魔していませんか?」

ムーミンパパ「いや、今日は来ていないよ」

ミイ「フローレンは一緒におさびし山の近くまで行ったけど、フローレンだけ先に帰っちゃったわ」

スノーク「なんだって?おさびし山?」

ミイ「おさびし山にはいないと思うけど」

ヘムレン「おやおやみんなどうしたのかね?」

ムーミンパパ「ヘムレンさん」

ヘムレン「せっかく植物を探しておったのに、急に雨が降ってきて、敵わんわい」

スノーク「ヘムレンさん、うちのフローレンを見掛けませんでしたか?」

ヘムレン「フローレンなら、ついさっきまで向こうの原っぱにおったが…」

38: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/02(水) 13:24:41 ID:sWhjeA6Q
木の下で雨宿り
フローレン「はぁ、この雨早くやまないかしら」

ピシャー

フローレン「雷こわい…」

ピシャー、ゴロゴロゴロゴロ…

フローレン「この近くに落ちたみたい。そうだ確か木の下は雷が落ちやすいから、雨宿りしない方がいいってパパが言ってたっけ。そう言えば一度雷が落下してきたこともあったわ。早く逃げないと」

ピシャーピシャーピシャー

フローレン「あぁ…でも怖い…」

カサカサ
フローレン「え?何?」

(足音が近付いてくる)

フローレン「な、何?誰なの?」

(段々足音が大きくなってくる)

フローレン「…!」

39: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/02(水) 13:33:30 ID:sWhjeA6Q
・ムーミン屋敷
ヘムレン「ムーミンママ!ハァハァ…」(息切れ)

ムーミンママ「どうなさったんですか?そんなに慌てて」

ヘムレン「それが、フローレンがこの雷雨のなか、まだ帰っていないそうなんじゃ」

スニフ「え!」

ムーミン「なんだって!」

ムーミンママ「まあ、どうしましょ」

ヘムレン「今パパ達が捜索しておるよ」

ムーミン「ヘムレンさん、パパ達はどこに?」

ヘムレン「お花畑のある原っぱの方を捜しておるよ」

ムーミン「行くよスニフ!」(走る)

スニフ「ちょっと、待ってよー」(走る)

ヘムレン「待ちなさい二人とも」(息切れして走れない)

ムーミンママ「あ、ヘムレンさん無理なさらないで」

40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/02(水) 13:40:14 ID:sWhjeA6Q
・原っぱ
ムーミン「パパー!」

ムーミンパパ「ムーミン!スニフ!何で来たんだ。危ないから早く戻りなさい。」

ムーミン「だってフローレンがまだ帰ってないんでしょ?僕たちも捜すよ」

ムーミンパパ「ダメだ。ミイと一緒に屋敷に戻りなさい」

ミイ「嫌よ、あたしはフローレンを見付けるまで帰らないわ」

ムーミン「僕も。フローレンは大切な仲間なんだよ」

スニフ「パパ!」

ムーミンパパ「…君たちの気持ちはよく分かった。よし一緒に捜すぞ。ただしこれ以上君達に危険が及ぶと判断したら、パパは君達に帰るように命令する。そのときは必ず従うと約束できるかね?」

ムーミン「うん、約束する」

ミイ「約束するわ」

スニフ「僕も約束する」

ムーミンパパ「よし、ではスノーク、ムーミンを頼む。ミイとスニフは私に着いてきなさい」

スノーク「分かりました。行くぞムーミン」

ムーミン「うん」

41: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/02(水) 20:04:51 ID:sWhjeA6Q
ミイ「フローレン!」

スニフ「フローレン!」

ムーミンパパ「いたら返事しろフローレン」



一方…

スノーク「フローレン!」

ムーミン「フローレン!ダメだどこにもいない。」

スノーク「ムーミン、この辺は滑りやすくなってるから気をつけて」

ムーミン「うん、フローレン川に落ちてないといいけど。う、うわぁ~」
ボチャン!!

スノーク「ムーミン!」

ムーミン「スノークー!!」(流されていく)

42: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/02(水) 20:39:38 ID:sWhjeA6Q
ミイ「フローレン!」

ムーミンパパ「フローレン!」

スニフ「フローレン!どこにもいない」

ミイ「そんな弱気なこと言わずにさがすの!」

スニフ「だって…」

ムーミンパパ「まあまあ二人とも。喧嘩している場合じゃないよ」

カサカサ
ミイ「な、何よ?」


カサカサ
スニフ「怖いよぉ」

43: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/02(水) 20:48:58 ID:sWhjeA6Q
カサカサ
スナフキン「やあみんな」

三人「スナフキン!」

ミイ「あれ?」
(フローレンがスナフキンの後ろから出てくる)

ムーミンパパ「フローレン!ああ無事で良かった」

スニフ「心配したぞ」

ミイ「どこ行ってたのよ」

フローレン「ちょっと森の中に。でも雷が怖くて木の下から動けなくなってたの」

ムーミンパパ「そうだったのか。いやいやスナフキンありがとう」

スナフキン「いえ。薪を拾いに行った帰りに偶然フローレンを見かけたので。」

スニフ「ムーミンとスノークも今捜してるぞ」

フローレン「まあ。みんなに迷惑かけたのね。本当にごめんなさい。」

ムーミンパパ「いやぁ、無事ならそれでいいんだよ」

44: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/02(水) 21:45:25 ID:sWhjeA6Q
スノーク「みんなー!!」

フローレン「あらお兄さん」

スノーク「フローレン無事だったのか」

ムーミンパパ「どうかしたのかね?」

スノーク「ムーミンが川に落ちて、流されたんです」

ムーミンパパ「なんだって?!」

みんな「え?!」

フローレン「ムーミン…!」
(走り出す)
スナフキン「おい、待てよフローレン」
(追いかける)

ムーミンパパ「待ちなさい二人とも」

45: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/02(水) 21:48:16 ID:sWhjeA6Q
ビュゥゥゥゥゥゥゥゥン(風)

ムーミンパパ「これ以上は危険だ…。スノーク!私は二人を追いかける。君はミイとスニフを連れてムーミン屋敷に戻って待機してくれ!」

スノーク「パパ!」

ムーミンパパ「ママにもこの事を知らせてくれ。任せたよ!」
(走り出す)

ミイ「あたしも行く」

スノーク「ダメだ。ムーミンパパと約束しただろ」
(ミイを捕まえる)

ミイ「離してスノーク。ムーミンを助けるのよ」

スニフ「ほらミイ行くよ」

ミイ「話なさい!」(連れていかれる)

スノーク「ムーミン…」



フローレン「こんなことになったのは私のせいだわ。私が占いなんかで変な意地を張るから…!」
(泣きながら走る)

46: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/02(水) 21:57:09 ID:sWhjeA6Q
・ムーミン屋敷
ミイ「ムーミン大丈夫かしら…」

ムーミンママ「…」

ミイ「ママ?ママ?」

ムーミンママ「え?なぁにミイ」

ミイ「大丈夫?ママ」

ムーミンママ「ええ大丈夫よ。きっとパパ達が連れ戻しに来てくれるわ」

ヘムレン「この様子じゃと時期に雷雨もおさまるじゃろ」

スニフ「でもムーミンは川に落ちたんだよ?」

スノーク「雨の日の川は増水して危険です。雨がやんだあとも」

ヘムレン「そんなことはわかっておる」

ムーミンママ「みんな落ち着いて。信じて待ちましょう」
(キッチンへ向かう)

47: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/02(水) 21:59:03 ID:sWhjeA6Q
・キッチン

ミイ「ママ…?」

ムーミンママ「…」(涙を流している)

ミイ(ママ…)

(ミイが黙ってママの手を握る)


ムーミンママ「…ありがとうミイ」
ムーミンママ

48: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/03(木) 09:38:03 ID:8jnqTW/s
・川
ムーミン「うぅ…もう持たない…手が…」木の枝に捕まっている」


スティンキー「ふぅ、みんなから逃げてたらこんなところまで来ちまったぜ。あれぇ?」(まだ占い師の格好のまま)

ムーミン「うぅ…」

スティンキー「ムーミンじゃないか。何してるんだ?」

ムーミン「あ、占い師さん。お願いです。助けてください。」

スティンキー「え?何だって?」

ムーミン「もう腕が…」

スティンキー「分かった、待ってろ」

50: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/03(木) 23:10:03 ID:8jnqTW/s
スティンキー「ムーミン捕まれ!」

ムーミン「う…!」(頑張って手を伸ばす)

スティンキー「あと少しだ!」

ムーミン「う!!」

ガシッ!

スティンキー「よし、もう安心しろ」

ムーミン「ありがとう」

スティンキー「エヘヘ」


スティンキー「うわぁ!!」(川に落ちる)

二人流される

51: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/03(木) 23:22:56 ID:8jnqTW/s
スティンキー「助けて!!」

ビュゥゥゥゥゥゥゥゥン(箒の音)

スティンキー「もうダメだ…」


ムーミン「…あれ?」

スティンキー「助かった?」(衣装がとれる)

アリサ「ムーミン、スティンキー大丈夫?」
(箒の上にクラリッサ・スティンキー)
(水面の上からアリサがムーミンの手を掴んでる)

ムーミン「アリサ!」

アリサ「話はあと!」

(アリサがムーミンを引っ張る)
アリサ「よいしょ」

クラリッサ「全く世話がやけること」(スティンキーを川岸に置いて、戻ってくる)

クラリッサ「ほれアリサ」(ムーミンを箒に乗せる)

アリサ「ありがとう、おばあちゃん」

(ムーミンも川岸に着く)

52: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/03(木) 23:31:53 ID:8jnqTW/s
ムーミン「ふぅ…助かった。助けてくれてありがとうアリサ、クラリッサおばあさん」

スティンキー「…どうもありがとう」

アリサ「でも良かったわ。海から帰っていたら、二人が流されているんだもの」

ムーミン「そっか。今日は海で魔法の稽古があるって言ってたもんね」

クラリッサ「まったく。私たちが川沿いを飛んでなかったらどうなっていたことか」

スティンキー「面目ない…」

ムーミン「すみません」

アリサ「あ、雨がやんだわ…」

ムーミン「ホントだ」


クラリッサ「じゃあここから先は自分たちで帰りな」

アリサ「おばあちゃん!」

クラリッサ「第一この箒に四人も乗れますか」

ムーミン「いいんだよアリサ。助けてもらっただけでじゅうぶん」

アリサ「じゃあ二人とも気をつけて帰ってね」

53: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/03(木) 23:37:19 ID:8jnqTW/s
ムーミン「本当にありがとうございました」

スティンキー「さよなら」



アリサ「もう1人ずつ送ってあげることはできないの?」

クラリッサ「そんなことしてたら時間がかかるよ。それに私はあの子達を助けたんだから、充分働いたよ」

アリサ「もう…ケチね」

クラリッサ「これ!」

アリサ「エヘヘ、ごめんなさい」

クラリッサ「まあそれに、私たちが送る必要もないじゃろう」

アリサ「え、それってどういうこと?」

クラリッサ「…すぐに家に帰れるってことさ」

アリサ「?」

54: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/03(木) 23:42:51 ID:8jnqTW/s
ムーミン「スティンキー、ありがとね」

スティンキー「いや、おれは何も…。一緒に流れちゃったしさ」

ムーミン「ううん。スティンキーがいなかったら、きっと溺れていたと思うよ。本当にありがとう。」

スティンキー「エヘヘヘ…」

ムーミン「君って本当はいいやつなんだね」

スティンキー「そんなことないさ。俺はイタズラが好きな悪いやつさ」

ムーミン「素直じゃないんだから」

スティンキー「それが俺様さ」

ムーミン「ハハハ。そう言えば、占い師さんの正体はスティンキーだったんだね」

スティンキー「え?ああ!!バレちゃったのか…」

ムーミン「だって変装が全部取れてるもん」

スティンキー「あちゃー」

55: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/03(木) 23:49:49 ID:8jnqTW/s
ムーミン「しかし驚いたなぁ。スティンキーの占いは当たってばかりいるから。」

スティンキー「へっ!そのせいでお客が絶えなくて、俺の自由は一切ないぜ!」

ムーミン「もうイタズラなんかやめて、占い師としてやっていけば?」

スティンキー「冗談じゃない!お客に付きまとわれる生活なんてもううんざりさ!」

ムーミン「ハハハ」

スティンキー「あ、俺が占い師だってこと言うんじゃねえぞ。昼過ぎに逃げ出してきたんだから」

ムーミン「そうなの?!でも結構儲かったんじゃない?」

スティンキー「あ!お金置き忘れてきた…」

ムーミン「取りに帰ったら?」

スティンキー「でも、あの辺に誰かいたらなぁ。テントの中に入ってお金をとったら泥棒と間違えられちゃうし」

ムーミン「占い師の格好で取りに行けば?」

スティンキー「それはそれで…ああ!どうしたらいいんだ!」

ムーミン「ハハハ、あ、誰か来る」

56: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/03(木) 23:54:05 ID:8jnqTW/s
スティンキー「えっ!まさかお客…?」


フローレン「ムーミーン!」

ムーミン「フローレン!」

フローレン「ムーミン無事だったのね、良かった」

ムーミン「フローレンこそ。いったい何処にいたの?」

フローレン「森のなかで雨宿りしてたの。それよりムーミンごめんなさい。私のせいで川に落ちて…」(泣く)

ムーミン「フローレンのせいじゃないよ」(撫でる)

ムーミンパパ「ムーミン!」

ムーミン「あ、パパ!スナフキン!」

スナフキン「良かった、無事だったんだね」

ムーミンパパ「ムーミン怪我はないか」

ムーミン「うん大丈夫。みんなありがとう」

57: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/03(木) 23:58:46 ID:8jnqTW/s
スナフキン「ところでさっきの天気の中、よく川から上がってこれたね」

ムーミン「それはね、スティンキーのおかげなんだ」

フローレン「え、スティンキーが?」

スティンキー「違うだろムーミン。アリさとクラリッサが助けてくれたんじゃねえか」

ムーミン「いや、君も川の中にいる僕の手を掴んでくれたじゃないか」

スナフキン「へぇ、スティンキーがね」ニコッ

フローレン「信じられないわ」

ムーミンパパ「でもここは、スティンキーに礼を言うべきだな。スティンキーどうもありがとう。ムーミンを助けてくれて」

ムーミン「本当にどうもありがとう」

スティンキー「い、いや…」

58: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/04(金) 00:05:10 ID:0jG/TgJ6
フローレン「スティンキーもいいとこあるのね」

スティンキー「う、うるせえ。俺は助けたくて助けて訳じゃねえよ。変なこと言うなよバーカ」

フローレン「まあ、スティンキーたら」

スティンキー「ムーミン、次は助けてやんないからな!あばよ!」(立ち去る)

ムーミン「スティンキー…」

ムーミンパパ「やれやれ。スティンキーももう少し素直だといいんだがな」

スナフキン「でも、スティンキーも憎めないところはあるってことが分かりましたね」

ムーミンパパ「それもそうだな。さあみんな帰ろう」

ムーミン「うん」

59: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/04(金) 00:11:15 ID:0jG/TgJ6
・帰り道
フローレン「ねえムーミン、私、今回に懲りて占いは信じないことにしたわ」

ムーミン「なに言ってんのさ。あの占い師の占いは当たってばかりだったじゃないか」

フローレン「そうね、ムーミンはヴァーサと出逢えたものね」

ムーミン「違うよフローレン」

フローレン「え?」

ムーミン「僕が川で流されたあとね、素敵な女性が迎えに来てくれたんだよ」

フローレン「ムーミン…!」

ムーミン「今日は色々あったけど、いい日だったな」

フローレン「ムーミン」

ムーミン「ん?」

フローレン「だーいすき」(抱きつく)

60: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/04(金) 00:33:13 ID:0jG/TgJ6
・ムーミン屋敷
スニフ「あ、パパたちだ!」(窓の外を見る)

ミイ「え?あ!ムーミンもいるわ」

ムーミンママ「まあ、ムーミン!」


ガチャッ
(全員集合)

ムーミンママ「ムーミン!」

ムーミンパパ「おーい!ムーミンは無事だぞー!」

ムーミン「ただいまー!」


ミイ「よかったー」

スニフ「わーい!ムーミン!」
(ムーミンの元へスニフ・ミイ駆ける)


白鳥さん「ムーミン屋敷に戻ってきて安心したのか、ムーミンもフローレンもどっと疲れが出てきました。それもそのはず。二人ともずっと占いに振り回されていたのですから。それでもムーミンはフローレン占いの結果もその通りになるといいなと考えていました。でも今日は、ムーミンもフローレンもゆっくり休んでくださいね」


-Fin-

61: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/04(金) 06:20:57 ID:eTP7.koQ
アニメ版の雰囲気が上手く再現できてたと思う
ムーミン愛が伝わってくる良作だった

62: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/04(金) 09:23:31 ID:0jG/TgJ6
>>61
ありがとうございます。
気が向いたらまたムーミン書こうと思います。

引用元: ムーミンの占い騒動