1:2017/11/25(土)23:43:19 VpJ
彡(゚)(゚)「ワイや」


彡(^)(^)「なんやワイか……」


彡(゚)(゚)「なあワイ、何処に行くんや?」


彡(゚)(゚)「え? 原住民の家やけど……なんでや?」


彡(゚)(゚)「行くのはすぐにやめるんや、行く途中に大事故にあって死んでまうで」


彡(゚)(゚)「な、何でそう言いきれるんや」


彡(゚)(「とにかくや! ワイを信じ…………今日…………大人しく……」シュゥゥゥ


彡(゚)(゚)「おろ、消えてもうたがな」
2:2017/11/25(土)23:45:39 VpJ
彡(゚)(゚)「よく分からんがまあええわ、ワイに免じて今日は家で大人しくしといたろ」


彡(゚)(゚)「せや、原住民に連絡いれて行かないって言わな……」スッスッ


「電話するのはやめるんやで」


彡(゚)(゚)「は? 急に誰や?」クルッ


彡(゚)(゚)「ワイや」


彡(゚)(゚)「なんや、またワイか」
3:2017/11/25(土)23:49:02 VpJ
彡(゚)(゚)「今度はなんや」


彡(゚)(゚)「今度? まあええわ……ワイよ、原住民に電話するのはやめた方がええで」


彡(゚)(゚)「そらまたなんでや」


彡(゚)(゚)「そのスマホはガタが来て壊れとるんや、電話なんてしようとしたら爆発して死ぬで」


彡(゚)(゚)「なんやまた曖昧な話やな」


彡(゚)(「もう時間か……とに……かく……電話は……す……な……」シュゥゥゥ


彡(゚)(゚)「あら、また消えたンゴ」
4:2017/11/25(土)23:52:23 VpJ
彡(゚)(゚)「まあええ、ワイに免じて電話はなしや……今度会ったとき謝ろ」


彡(゚)(゚)「さて、家に帰るやで」スタスタ


彡(゚)(゚)「……あっ、自販機やんけ! 喉乾いたし何か飲むで!」


「自販機で飲み物を買うのはやめるんやで」


彡(゚)(゚)「ん?誰や?」クルッ


彡(゚)(゚)「ワイや」


彡(´)(`)「またまたワイなんか……」
5:2017/11/25(土)23:56:48 VpJ
彡(゚)(゚)「今度はなんやねん」


彡(゚)(゚)「自販機で飲み物を買わん方がええで」


彡(゚)(゚)「は? なんでや」


彡(゚)(゚)「その自販機の飲み物は全部毒入りや、さっき狂った業者が全部毒入りのに入れ替えたんや」


彡(゚)(゚)「えぇ……なんやそれ……」


彡(゚)(゚)「信じられんかもしれんけど事実なんや、とにかく飲んだらあかん」


彡(゚)(゚)「さっきからやめろやめろやめろと……なにか証拠はあるんか?」


彡(゚)(゚)「ないで、でもワイを信じて欲しい……ワイは……お前を……」シュゥゥゥ


彡(゚)(゚)「またまたまた消えたで、というかもう少しお喋りせえよ」
6:2017/11/26(日)00:02:32 G0h
彡(゚)(゚)「いまいち信用ならんが……ああまで言われるともう買いたくないで、家で何か飲む事にするンゴ……」スタスタ


その後もワイはワイの前に出続けた


「今トイレに行かない方がええで」


「あと十分はベッドから起きたらあかんで」


「その青信号は渡らない方がええで」


どれもこれも訳の分からない内容


そしてどのワイも決まって最後にはその通りに行動するとワイは死ぬと言う


なんやかんやで気の優しいワイはワイのアドバンスに従いながら生きた


そんな状態が一週間も続いたある日のこと……
8:2017/11/26(日)00:08:31 G0h
彡(゚)(゚)「さーて、楽しみにしてた野球中継を見るンゴ」


彡(゚)(゚)「あっ、せや……」


彡(゚)(゚)「おーい、ワイー! 今からテレビ見てもええかー?」


しーん


彡(^)(^)「出てこないってことは良さそうやな!」


彡(゚)(゚)「コンセント入れて~スイッチポチー……」ポチッ


カッ


その瞬間、テレビが激しく輝き……


ドガァァァァァァン


ものすごい熱を一瞬味わった後、ワイの意識はそこで途絶えた
9:2017/11/26(日)00:11:16 yp7
えぇ……
11:2017/11/26(日)00:14:06 G0h
彡(-)(-)「…………んぐっ」


彡(゚)(゚)「ハッ! こ、ここは……?」ムクリッ


彡(゚)(゚)「………………」キョロキョロ


彡(゚)(-)「なんや……ワイの部屋やんけ……」


彡(゚)(゚)「いったい何が起きたんや……?」


彡(^)(^)「あっ、そうそう! 野球中継を見なあかんな! リモコンリモコン……あった!」スッ


スカッ


彡(゚)(゚)「あれ、何や? リモコンが持てん……ん? 何やこれ……ワイの体……何か透け……えっ? あれ……」


その瞬間、嫌でも察しがついた


ワイはきっと……あの時、テレビが爆発して死んだのだと
12:2017/11/26(日)00:17:28 G0h
彡()()「嘘やん……ワイは……死んでしもうたんか……」


死神「そうだぜ、爆発で木っ端微塵だぜ」


彡(゚)(゚)「は? 何やお前」


死神「死神やで、お前に話があるんだぜ」


彡(゚)(゚)「は、話?」


死神「生き返りたいと思わないかぜ?」


彡(゚)(゚)「そら……生き返りたいで……まだ童貞やし……」


死神「オーケー、ならその方法を教えてやるぜ」
13:2017/11/26(日)00:21:29 G0h
死神「今から世界線を何度も移動してお前がテレビを爆発しないように誘導するんだぜ」


彡(゚)(゚)「は? 世界線を移動?」


死神「そうだぜ、今までも見てきただろ? お前がお前に助言をするのをだぜ」


彡(゚)(゚)「あ、ああ……もしかして……今までワイの前に出てきたワイ達は……本当に……」


死神「そうだぜ、あれは実際にあの場で、その行動をして、あっけなく死んだ違う世界のお前だぜ」


彡(゚)(゚)「そうだったんか……」
18:2017/11/26(日)00:28:53 G0h
彡(゚)(゚)「わ、分かったで! 助言をするで! それでワイは生き返るんやな!」


死神「それじゃあ生き返らないぜ」


彡(●)(●)「は? じゃあどうすりゃ生き返れるんや!」


死神「何処かの世界線のお前が老衰したらお前は生き返れるんだぜ」


彡()()「ろ、老衰!? というか何処かの世界線のワイってなんやそれ! ワイってそんなに早死にするんか!?」


死神「そもそもお前の命運はあの時、原住民の家に行くときに終わるはずだったのぜ」


死神「それを何百人もののお前が、その死の運命ってのを助言によって先伸ばしにしてたにすぎないんだぜ」


死神「要するにここまで生きてこれたのは今までそこで死んだお前じゃないお前自身のお陰なんだぜ」
19:2017/11/26(日)00:36:21 G0h
彡()()「じゃあ……今回は何でワイが助言しに来なかったんや……」


死神「そりゃ今回が初めて死んだ原因だからだぜ」


死神「お前のこれまではもしもを積み重ねてきたものなんだぜ」


死神「もしも原住民の家に行く途中で死んでしまったら……」


死神「もしもスマホで電話をしたら爆発して死んでしまったら……」


死神「もしも自販機の飲み物を飲んだらそれが毒入りで死んでしまったら……」


死神「そんなもしもでお前が死んで積み重なって……次のもしもでお前が死んでまた積み重なって……その次のもしもでお前が死んでまたまた積み重なって……」


死神「そんで、次はお前の番ってことだぜ、今までの助言してくれたお前と同じように……」


死神「お前自身が違うお前を生かすために……お前が生き返るために歯車になる順番が来ただけってことだぜ」
22:2017/11/26(日)00:41:15 G0h
彡()()「その助言ってのは……いつまでやればええんや」


死神「何処かのお前が老衰するまでだぜ」


彡()()「これを断ったらどうなるんや」


死神「今まで助言してきたお前達が報われず、完全消滅するぜ! もちろん他の世界線のお前もだぜ」


彡()()「この行いに、本当に終わりはあるんか……」


死神「まだお前は20代前半、そしてお前が老衰するとしたら……まあ、とてつもなく長いが終わりは確かにあるんだぜ」


彡()()「……………」


彡()()「………………」


彡()()「……………………」
26:2017/11/26(日)00:44:56 G0h
彡(゚)(゚)「さーて、楽しみにしてた野球中継を見るンゴ」


「そのテレビで野球中継を見るのはやめた方がええで」


彡(゚)(゚)「なんや……」


彡(゚)(゚)「ワイや」


彡(゚)(゚)「まあ、ワイやろな……」
32:2017/11/26(日)00:49:35 G0h
彡(゚)(゚)「今度はなんやねん?」


彡(゚)(゚)「そのテレビはこの間の地震で配線が狂ったんや、スイッチ入れたら爆発して死ぬで」


彡()()「そ、そうなんか……じゃあなんや? ワイは野球中継を見れないんか?」


彡(゚)(゚)「原住民の家のテレビを使わせて貰うんやな」


彡(-)(-)「えぇ……めんどくさいンゴねえ……」


彡(゚)(「とにかくや……そのテレ……ビ……は……破棄……して……かわ……り……を……」シュゥゥゥ


彡(゚)(゚)「相変わらずお別れが早いンゴねえ」
34:2017/11/26(日)00:53:54 G0h
彡(゚)(゚)「しゃあない、原住民の家に行くンゴ!」ムクリッ


スタスタ……スタスタ……


死神「行ったな……さあっ、次のお前のところに行くんだぜ」スーッ


彡(゚)(゚)「あのー、もうちょいワイと話す時間を伸ばせないんか……」


死神「今までのお前もその時間で頑張ってきたんだぜ、文句言うなだぜ」


彡(-)(-)(これが何処かのワイが老衰するまで続くんやな……)


彡(゚)(゚)(頼むでワイ……助けてやったんやから……何とか生きてくれやで……)
36:2017/11/26(日)00:58:59 G0h
彡()()「全く……何で野球中継を見るためにわざわざ原住民の家に行かなきゃならんのや……」スタスタ


キラッ


彡(゚)(゚)「ん? 何か落ちてるンゴ……」


彡(^)(^)「あっ! 500円やんけ! ラッキー! 拾ったろ!」


彡(゚)(゚)「あっ……せや……」


彡(゚)(゚)「おーい、ワイー! この500円拾ってもええかー?」


しーん


彡(^)(^)「出てこないってことは拾っても良さそうやな!」スタスタ


彡(¥)(¥)「しめしめ、儲けや儲けや」


ヒュゥゥゥゥゥ……


彡(゚)(゚)「ん? なんや?」


ドガァァァァァァン‼
37:2017/11/26(日)01:01:53 G0h
土かたのおっさん「くそっ! 鉄骨が落ちたぞ!!」


おばさん「キャァァァァ! 血! 血がぁぁぁ!」


土かたのお兄さん「だ、誰かが下敷きになったんだ……! 誰か救急車! 早く救急車を!」


ワーワー!


キャーキャー!


ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
38:2017/11/26(日)01:03:54 G0h
彡(-)(-)「…………んぐっ」


彡(゚)(゚)「ハッ! こ、ここは……?」ムクリッ


彡(゚)(゚)「………………」キョロキョロ


彡(゚)(-)「道路? ワイなんで道路で寝てるんや……」


彡(^)(^)「……あっ、そうそう! 確かワイは500円を拾おうとしたんや! 500円500円……あった!」スッ


スカッ


彡(゚)(゚)「あれ、何や? 500円が掴めん……ん? 何やこれ……ワイの体……何か透け……えっ? あれ……」
40:2017/11/26(日)01:07:53 G0h
彡()()「マジか……ワイは……死んでしまったんか……」


死神「そうよ、貴方は鉄骨でぺっちゃんこになったのよ」


彡(゚)(゚)「……え? だ、誰や? 貴女は……」


死神「私は死神……急で悪いけど……貴方にお話があるの……」


彡(゚)(゚)「話……?」


死神「貴方、生き返りたいと思わない?」



―おわり―
42:2017/11/26(日)01:09:01 G0h
おわりや、お疲れさん
44:2017/11/26(日)01:13:18 Zb8
引用元:http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1511620999