1:19/11/02(土)11:08:15 Dhg
彡(゚)(゚)「【西の海】の貴族に生まれたワイは、ガキのころ倉庫に眠ってたカゲカゲの実を勝手食べて、両親にボコボコにされた上に軍隊に奉公に出されたんや」

彡(゚)(゚)「軍隊で悪魔の実の能力使いながら一線でバリバリ活躍していたんやが、革命の波を受けて国は崩壊」

彡(゚)(゚)「実家に帰ろ思ったら実家も大炎上しとった。ホンマ革命はクソ」

彡(゚)(゚)「帰るとこもあらへんし、海賊になって一旗上げたる!」

彡(゚)(゚)「夢でっかく! ゴールド・ロジャーをぶっ倒して海賊王や!」
2:19/11/02(土)11:08:50 3xC
すっごい可哀想な人やんけ
3:19/11/02(土)11:09:23 Dhg


彡(゚)(゚)「おっ、ええとこに船乗りおった。おーい、そこの兄ちゃん」

( ・`ω・´) 「ん? 誰だ?」

彡(゚)(゚)「ワイはゲッコー・モリアや! 兄ちゃんええ船乗ってんな」

( ・`ω・´) 「ああ、内乱に乗じてかっぱらった。そういうお前は……兵士崩れか?」

彡(゚)(゚)「その通りや! なあ、その船でいっしょに海賊やらへんか?」

( ・`ω・´) 「いきなり何言ってだこのキチOイ」
4:19/11/02(土)11:10:03 Dhg
( ・`ω・´) 「海賊なんかやらん。どっか行け」

彡(゚)(゚)「イヤや! そんなら船だけ置いてお前がどっか行け!」

( ・`ω・´) 「なんて理不尽な……これ以上くだらないことを言ってると斬るぞ」チャキ

彡(゚)(゚)「ほー、腕の立つ剣士のようやな。ええやろ、かかってこいや! 軍隊コマンドー見せたるわ!」
6:19/11/02(土)11:10:44 Dhg
彡(゚)(゚)「ゼェ、ゼェ、あかん強い……」

( ・`ω・´) 「ゼェ、ゼェ、ハサミが得物なんてふざけていると思ったが……なかなかやるな」

彡(゚)(゚)「しゃーない、奥の手や。【影法師】!」

影法師「」ニュルン

( ・`ω・´) 「な、影が立体化した!?」

彡(゚)(゚)「ワイはカゲカゲの実の能力者や! これで2対1やでー!」

影法師「」ブンブン

( ・`ω・´) 「ふん、所詮影は影! 質量を持ってるはずがグボァ」ドサッ

彡(゚)(゚)「持ってるんやなあ、これが」
7:19/11/02(土)11:11:48 Dhg
( ・`ω・´) 「くそ、能力者だったか……ようやくこの腐った国から抜け出せると思ったのに……」

彡(゚)(゚)「なんや、この国のもんか」

( ・`ω・´) 「俺の負けだ。その船は持っていけ」

彡(゚)(゚)「いや、せやから一緒に海賊やろうや。どうせ行くアテもないんやろ?」

( ・`ω・´) 「……」

彡(゚)(゚)「お前みたいな実力者がおった方が、海賊としてやりやすいやろうしなあ。なあ、ええやん」

( ・`ω・´) 「……いいだろう。どうせやることもない」

彡(゚)(゚)「おっしゃ! ほな、お前は副船長や!」

副船長「2人しかいないのに副船長もなにもあるか」

彡(゚)(゚)「仲間はこれからガンガン集めるんやで。 よーし! ほな出航や!」
8:19/11/02(土)11:12:22 Dhg
西の海



副船長「で、これからどうするんだ?」

彡(゚)(゚)「ワイらほぼ無一文やしなあ。手ごろな商船襲って金品強奪や。あと仲間集め」

副船長「いきなり狙いが物騒だな……」

彡(゚)(゚)「なーに言うとんねん。ワイら血も涙もない海賊やぞ」

副船長「……それもそうか」

彡(゚)(゚)「おっ、言うとるそばから商船や! 強襲するやでー!」
9:19/11/02(土)11:13:03 Dhg
副船長「……こんな小舟であんなデカい船に挑むのか?」

彡(゚)(゚)「ま、大砲ぶち込まれたらひとたまりもあらへん。まずは遭難者を装って近づくんや。おーい! 助けてクレメンス!」

副船長「うーんこのど畜生」

彡(゚)(゚)「 こっちに気づいたで! このまま接近や!」
10:19/11/02(土)11:13:59 Dhg
彡(゚)(゚)「よーし、ここまで近づいたらええやろ。【欠片蝙蝠】!」

コウモリ「キ?」パタパタ

副船長「!? なんだこいつは!」

彡(゚)(゚)「ワイの影の一部や。こいつを偵察に行かせる」

副船長「便利な能力だな……」
11:19/11/02(土)11:14:56 Dhg
コウモリ「キ-」パタパタ

彡(゚)(゚)「なんやコイツら……全員武装してる上にゴロツキばっかなんやが……ホンマに商船か?」

副船長「多少のケガは覚悟の上。行くなら行くぞ」チャキ

彡(゚)(゚)「待て待て。そんなリスキーな真似せんでええわ。【影法師】!」

影法師「」ニュルン

彡(゚)(゚)「ちっと蹴散らしてこい」

影法師「」ヒューン

副船長「と、飛んで行った……」

彡(゚)(゚)「アイツ、フルオートで動けんねん」


ぎゃあああ!! 悪魔だ! 悪魔が出た!!襲ってくるぞ!!
ぶっ殺せ! やられる前にやれ!
ダメだ!銃も剣も効かねえ!!本物の悪魔だ!

彡(゚)(゚)「ほんで物理攻撃無効。ワイほど強くないのがタマにキズやがな」

副船長「もはやなんでもアリか」

彡(゚)(゚)「さっ、アイツが撹乱しとる間に乗り込むで!」
13:19/11/02(土)11:17:09 Dhg
彡(゚)(゚)「大! 勝! 利! ワイにかかればこんなモンや!」

副船長「ほぼ影に怯えて海に飛び込んでたがな……」

彡(゚)(゚)「しょーもないチキンばっかや。さーて、船内のお宝物色するでー」
14:19/11/02(土)11:17:48 Dhg
彡(゚)(゚)「ファーwww 持ってる持ってる! 金銀財宝ざっくざくや!」

副船長「お、おお、これは……、たったのアレだけでこんなに儲かるのか……」

彡(゚)(゚)「やめられへんやろ! ……ん? なんやこの部屋?」ガチャ

???「ひっ、だ、誰だあんたら!」

彡(゚)(゚)「海賊や! ゆーてもまだ2人やけどな!」

???「2人? さっきのヤツらとは違うのか?」

彡(゚)(゚)「さっきの? どーゆーことや? ちゅーかお前らこのクソ狭い部屋に何人おんねんハッテン場か?」

商人「我々はこの船の本来の持ち主だ。つい最近、海賊に襲われて船を乗っ取られてしまい…… 」

副船長「つまり俺たちが襲う前にすでに乗っ取られてた訳か」

彡(゚)(゚)「なーんやそーゆーことか」
15:19/11/02(土)11:18:34 Dhg
海賊「てめえらか!さっきの騒動の元凶は!」

彡(゚)(゚)「ん?なんやこのビチャビチャ集団」

副船長「さっき海に飛び込んだ海賊たちだろう」

海賊「テメェ! 悪魔の実の能力者だな!? だまし討ちとは卑怯なマネしやがって!」

彡(゚)(゚)「海賊が何言うてんねん」

海賊「うるせえ! やっちまえおめぇら! 懸賞金1000万ベリーのツキノワグマ様にケンカ売ったことを後悔させてやれ!」
16:19/11/02(土)11:19:52 Dhg
海賊「」チーン

彡(゚)(゚)「くそザコやんけ。しょーもな」

副船長「こっちも全員片付いたぞ」キン

商人「おお、あの海賊たちをこうも簡単に。ありがとうございます!」

彡(゚)(゚)「イヤ、ありがとうっちゅーか、助けたつもりはないんやが……」

副船長「そもそもこの船を奪うつもりだったしな……」

商人「それで、その、折り入ってお願いがあるのですが……」

彡(゚)(゚)「ん? なんや?」

商人「実は、我々の会社の最大の取引先である国が、つい先日革命によって倒されてしまいまして、このままでは本国に帰っても倒産してしまうのです」

副船長「あんなに貯め込んでいるのにか?」


商人「先の利益が見込めぬのであれば、半年と持ちません。無一文で社員のクビを切る訳にも……」

彡(゚)(゚)「ちゅーか革命で国が滅んだってそれワイらの国やんけ! そら寝覚めが悪いわ!」


商人「ですので、その、我々を貴方の一味に入れていただきたく」

彡(゚)(゚)「ファッ!? 仲間になってくれんのけ!?」

商人「ええ。もちろん、家族のいる者は国に返しますが、我々の大半はひとり者なので」

副船長「それはいい。これだけ人数がいれば医者もコックもいるだろう」

彡(゚)(゚)「ファーwww 一気に仲間増えたやんけ!」
17:19/11/02(土)11:21:01 Dhg
彡(゚)(゚)「よーし! お前ら! ワイが船長のゲッコー・モリアや! 自己紹介がてらワイの能力を見せてやるわ!」

副船長「こいつは悪魔の実の能力者だ。影を操る」

商人「なんと!」

彡(゚)(゚)「ワイの影は変幻自在で縦横無尽で全自動で命令に従うんやでー」

影法師「」イェーイ
コウモリ「」オシェーイ

船医「すげー!」

彡(゚)(゚)「ほんで更に! ワイは他人の影も操れるんや!」

副船長「……初耳だ」

彡(゚)(゚)「言うてなかったからな! まずはココにノビてる海賊の影をこのハサミでチョッキン!」

海賊「ファッ!? ウーン」

彡(゚)(゚)「こうやって影を抜く! 抜かれたヤツはよっぽどのことがない限り2.3日は目が覚めへん!」

影「」ジダバタ

彡(゚)(゚)「クラァ! 大人しくワイの命令だけ聞け! そんで記憶も消せ!」

影「」シーン

彡(゚)(゚)「とまあ、こんな感じで服従させる。 あとはそこに転がってる、副船長が斬り頃した海賊の死体にこの影をポイー」

ゾンビ「はっ! 俺はいったい!?」

コック「死体が生き返った!?」

彡(゚)(゚)「生き返ったっちゅーかゾンビやな。おい、お前は誰の部下や?」

ゾンビ「モリア様」

彡(゚)(゚)「てな感じで、最初の契約でワイの従順な部下となる。戦闘能力は影の持ち主のモンや。タフネスは死体のモン」

航海士「気味悪い……」

彡(゚)(゚)「うっさいわ! 慣れや慣れ! あ、ちなみに影抜かれたヤツが日光浴びると跡形もなく消滅するからきーつけてや」

船大工「さらっと怖いこと言うな……」

彡(゚)(゚)「事実やししゃーない。さて、ワイらまだ海賊としての知名度ないし、このツキノワグマ君を海軍に持ってって1000万ベリーもらうやでー」
18:19/11/02(土)11:22:10 Dhg
とある島



彡(゚)(゚)「1000万ベリーいただきや! まあでも、これは商人の部下の退職金にある程度使われるしな」

副船長「それで残りの財宝と帆船がもらえるんだ。安いものだろう」

商人「お待たせしました。ただ今退職する者に退職金を渡して別れを告げてきました。これより私以下22名、モリア様の配下となります」

彡(゚)(゚)「苦しゅうない苦しゅうない! なんてな! ほな、これよりスリラーバーク海賊団の旗揚げや!」
19:19/11/02(土)11:23:45 Dhg
彡(゚)(゚)「ところで、アレなんや?」

商人「ああ、アレは……ヒューマンショップ。いわゆる奴隷の売買所ですな」

彡(゚)(゚)「へ? 人間を売ってるってことかいな」

商人「その通りです。同じ商人としては唾棄すべき商売ですが、政府の後ろ盾がありまして……」

副船長「腐ってるな。こういう国こそ革命を起こせと」

彡(゚)(゚)「……つまり、夢も希望もない奴隷予定者がいっぱいおるんやな?」

商人「え? まあ、それは、その通りですが……」

副船長「おい、まさか」

彡(゚)(゚)「いっちょアソコぶっ潰してくるやで~」
20:19/11/02(土)11:24:40 Dhg
ヒューマンショップ



彡(゚)(゚)「意外と強かったンゴ……」チョキチョキ

副船長「そりゃ、お前、ゼェ、政府の兵士が、ゼェ、入ってんだから、ゼェ」

彡(゚)(゚)「ま、まあでも、奴隷がいっぱいや! こいつらみんなもらうでー!」

魚人「お、おい、アンタ助けてくれんのか!?」

彡(゚)(゚)「お、なんや鯉の魚人さんか! 今その檻から全員出してやるで! 」

奴隷「それはありがたいが、檻の鍵が」

彡(゚)(゚)「任せえ、ワイの影は変幻自在や。あらよっと」


ガチャン


魚人「あ、開いた! マジかよ! ありがとう!」

彡(゚)(゚)「ええんやで。ワイの海賊団に入ってくれればな」ニッコリ

奴隷「え?」
21:19/11/02(土)11:26:34 Dhg
<そこまでだ! 貴様らは完全に包囲されている!


彡(゚)(゚)「ファッ!? なんや!?」チョキチョキ

副船長「チッ、海軍の応援だな。外を固めている」

彡(゚)(゚)「早すぎるやろ! 商人たち大丈夫け?」

副船長「ここからだと見えないが…」


<無駄な抵抗はよせ! 大人しく出てくれば命だけは保障する!


副船長「だそうだが?」

彡(゚)(゚)「だーれが大人しく出て行くかい。おい、奴隷予備軍ども! 大人しく出てったら命は保障されるやろうが再び奴隷確定や! めいっぱい暴れるで!」


ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!


彡(゚)(゚)「あの包囲網を抜けたら北を目指せ!ワイの船がある! モタモタしてたら置いてくで!」
22:19/11/02(土)11:28:00 Dhg
広場



海兵「出てきませんね」

大佐「それならそれで構わん。時間が経てば経つほど援軍は増える。本部にも要請済みだ」

海兵「なるほど……あ、出てきました!」


影法師「」ヤッホ-


大佐「??? おい! 貴様! 手を頭の後ろに組んでうつ伏せになれ! さもなくば撃つ!」

影法師「」バッ

海兵「!? バラバラになっ」

コウモリs「「「 キー! 」」」

大佐「なんだ! コウモリ! っつ! 噛むぞコイツら! 攻撃している!」


彡(゚)(゚)「今や! 北へ一点集中突破!!」


ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!



海兵「至急至急!! 応援要請!! 奴隷どもが暴れ出した!!」
23:19/11/02(土)11:28:44 Dhg
副船長「フッ!!」ズババン!


「グフッ」「ぐあ…!」


副船長「来い! こっちだ!!」


「ありがてえ!」「逃げろ! 早く!」


大佐「させるかバカども!」バッ

副船長「!」
24:19/11/02(土)11:29:19 Dhg
魚人「ヒャッハー!」バキッ

大佐「グアアッ!?」ドサッ

副船長「っ、すまん! 助かった」

彡(゚)(゚)「さっすが魚人! クソ強いやんけ!」

魚人「ったりめぇじゃあ! こちとら元々2500万の賞金首じゃゴラァ! 油断さえしてなきゃテメェらゴミクズに負けるか広島ナメんなゴラァ!」

彡(゚)(゚)「なんや広島て」
25:19/11/02(土)11:29:58 Dhg
ドドドドドドドドドドドド!!


副船長「マズい! 増援だ! モリア急げ!」

彡(゚)(゚)「ワイはシンガリや! 先に行っとれ!」チョキチョキ

副船長「船長が殿なんて聞いたことないぞ!」

彡(゚)(゚)「ええから先に行け! つーか、ワイを置いて出航せえ!」チョキチョキ

副船長「なに!?」

彡(゚)(゚)「ええて! すぐに追いつく!」

副船長「……あとで恨むなよ!」タタッ
26:19/11/02(土)11:30:02 slQ
副船長有能すぎる
27:19/11/02(土)11:30:37 Dhg




商人「あ、あの集団が最後ですね」

副船長「おい! 出航しろ!」

商人「え!? 船長は!?」

副船長「その船長の命令だ! 早くしろ!」

商人「わ、分かりました!」
28:19/11/02(土)11:31:20 Dhg
広場



彡(゚)(゚)「ぐえー! 捕まったンゴ!」

大佐「……大失態だな。ほぼ逃したか」

海兵「こちらもかなりの損害です。ですが、一命を取り留めた者は多く、気絶してる者が大多数で……」

大佐「ところで、そこら中でうろうろしている黒いのはなんだ?」

海兵「さあ……?」
29:19/11/02(土)11:32:33 Dhg
大佐「さて、主犯はお前だな?」

彡(゚)(゚)「助けてクレメンス……」

大佐「ここまでやってよくそんな口がきけるな。お前はインペルダウンに収監されるだろう。そしてすぐに死刑台へ送られる」

彡(゚)(゚)「そんな……ほな、辞世の句だけでも聞いてもらえんやろか」

大佐「……なんだ?」

彡(゚)(゚)「ワイの名前はゲッコー・モリア! 新進気鋭のルーキーや!あ、気を失ってるヤツ日光浴びんといてな」



スゥッ



大佐「は?」

影法師「」グエー

海兵「あ、あれ? 主犯格のヤツが消えて、最初の変なのが代わりに……」

影法師「」ニュルン

大佐「な、鎖から抜け出したぞ! 捕まえろ! イヤ、頃してもいい! 撃て! 撃てーー!」

影法師「」ヒューン

海兵「ダメです! 空を飛んでいて届きません!」
31:19/11/02(土)11:35:39 Dhg
少し前、沖合い



副船長「……アイツ、大丈夫か……」

商人「……あの、船長は……」

魚人「な、まさか縁もゆかりもないワシらのためにタマ張ってくれたんか……」

元奴隷「そこまでして、なんで……」

副船長「……戻るぞ」

商人「!?」

魚人「おうさ! 大恩人を見頃しにゃできねえ!」

元奴隷「っ、そう、だな! 戻ろう!」

影法師「」ヤッホ

副船長「ん? アイツの影……?」
32:19/11/02(土)11:36:09 Dhg
彡(゚)(゚)「はえー、意外と乗っとんなあ」スッ

副船長「!?」

商人「か、影が一瞬で船長に?」

魚人「は? え? なに? 菊池が残留確定みたいな?」

元奴隷「お前は何を言ってるんだ?」

彡(゚)(゚)「ああ、ご苦労さん皆の衆。ワイも無事生還や。ワイは【影法師】といつでも場所を入れ替えられるんやで」

副船長「先に言え!」

商人「ほっ……」

魚人「スゴい。野間より速い」

元奴隷「お前はいったい何を言ってるんだ?」
33:19/11/02(土)11:37:13 Dhg
彡(゚)(゚)「そんでもって最終奥義! 【影の集合地】!!」



影「」影「」影「」影「」影「」ヒューン
影「」影「」影「」影「」影「」影「」ヒューン


副船長「影が大量に飛んできた!?」

商人「なんですかアレ!? まるで空を覆い尽くす」

魚人「赤い応援旗」

元奴隷「真っ黒だぞ?」

彡(゚)(゚)「そんで全部キャッチ! 身体に入れると負担大きいからな。これいつか使うからふん縛ってどっか置いといてやー」

副船長「……つまり、海兵やら兵士やらの影を奪うために最後まで残っていたと。やたらチョキチョキやってたのはそーゆーことか」

彡(゚)(゚)「そーゆーことや。いつでも逃げられるから怖ないしな」
34:19/11/02(土)11:37:44 Dhg
彡(゚)(゚)「てな訳で一件落着! おう元奴隷候補ども! お前ら今からワイの部下や! 海賊なんてやりたないんやったら次の島で降りいや! 邪魔じゃ!」

魚人「大丈夫じゃ! ここにいるほとんどはワシら赤ヘル海賊団のモン! この恩義忘れはせん!」

元奴隷「船長がCSに行けなくて凹んでるとこをやられたんだ。こんなバカよりアンタを船長に立てた方がいい」

彡(゚)(゚)「CSってなんやねん。お前らだけさっきから世界線がおかしいやろ」
36:19/11/02(土)11:38:37 Dhg
それから



彡(゚)(゚)「元商人ども、お前らも自分の身は自分で守らなアカンで! コイツ相手に訓練や!」

影法師「」ヘイヘイ

商人「よ、よし! やるぞ!」

航海士「武器は何にしようかしら、棒術とか?」

船大工「いやあ、やっぱ銃器だろ」

コック「蹴りだな」

船医「秘薬」

彡(゚)(゚)「ちょっと待て」
38:19/11/02(土)11:42:58 Dhg
副船長「おっ、こないだの新聞に載ってるぞ。……モリア、4500万の賞金首だ」

彡(゚)(゚)「おー! 初期手配にしてはかなり高額やんけ!」

魚人「政府の管轄地に手ェ出したからな。いやホント、並大抵のことじゃねえ」

元奴隷「こんだけ高いと【西の海】じゃ最高額じゃない?」

彡(゚)(゚)「はっはっは! ワイにかかりゃこんなもんや!」



彡(゚)(゚)「影めっちゃ減っとるんやけど……」

副船長「日光浴びたな」
39:19/11/02(土)11:43:58 Dhg
彡(゚)(゚)「敵船や! 戦闘準備!!」

副船長「さすが賞金首だな! わざわざ狙ってくるヤツらも出てくんのか!」

航海士「面舵いっぱい! 敵船の横に付けます!」

操舵手「よしきた!」

魚人「潜行して船底に穴空けてくらあ!」

元奴隷「大砲準備! 弾込めろ!」

彡(゚)(゚)「ワイが指揮せんでもめっちゃ動くなコイツら」
40:19/11/02(土)11:44:54 Dhg
とある島



商人「おたくねえ、足元みてます? こんな買取価格だせます?」

換金所「いやしかし……」

商人「貴金属としての価値のみで見てます? 文化財としての価値がお分かりでない?」

換金所「は? ああ、いや……その……」

商人「分かりました。それなら別のところに持って行きます」

換金所「わ、分かりました。……このくらいでどうでしょう?」

商人「そんなところでしょうな」



商人「ふぅ、とりあえず3ヶ月は困りませんでしょう」

副船長「あの海賊ども、そんなに高価なもん貯め込んでたのか?」

商人「さあ? 適当にふっかけてきましたから」

副船長「……流石にやり手だな」

商人「海賊ですし?」

彡(゚)(゚)「やるやんけ! お前もだいぶ染まってきたなぁ」
41:19/11/02(土)11:46:09 Dhg
そして…


彡(゚)(゚)「ついに【偉大なる航路】のログポースを手に入れたで!」

副船長「いよいよか……」

商人「航行困難な分、あらゆる宝の額が跳ね上がる……いやあ、胸が躍りますな」

魚人「懐かしいな、俺にとっちゃ里帰りじゃ」

彡(゚)(゚)「海賊王やら白ヒゲやらがバチバチにシノギ削っとる海や! ワイらも名を上げるで!」
43:19/11/02(土)12:19:18 Dhg
リヴァースマウンテン



彡(゚)(゚)「なんやねん山を船で登るて……くそデカくじらて……」

副船長「洗礼がキツすぎたな……」

船大工「船長! 今ので船がボロボロだ! しばらく修理しねえとこの後もたないぞ!」

彡(゚)(゚)「しゃーない。海に落ちたらいちばん困るのワイやし。しばらく停泊や」
44:19/11/02(土)12:20:04 Dhg
翌日



カモメ「クー」

彡(゚)(゚)「お、今日の新聞や……ファファファファファ!? 海賊王捕まっとるやんけ!!!!」

副船長「!? んな訳あるか! 懸賞金55億だぞ!?」

彡(゚)(゚)「ホンマやって! ほら!」

魚人「えぇ……引くわ……」

元奴隷「そこは普通に引くのな」

彡(゚)(゚)「ちょ、もう一面どころか全面海賊王の記事やんけ」

商人「時代の頂点が陥落した訳ですからね……いやあ、コレは世界が荒れますよ」

副船長「いちばんの元凶が捕まったのにか?」

商人「海賊王の庇護で生きてきた島や仲間はたくさんいるでしょう。その庇護がなくなったとなれば、周りが潰すなり切り取るなり。間違いなく荒れますな」

彡(゚)(゚)「なるほどなあ……」
45:19/11/02(土)12:21:23 Dhg
数日後



彡(゚)(゚)「海賊王の処刑の日取り……場所は東の海……ローグタウン……」

副船長「連日海賊王関連のニュースばかりだな」

彡(゚)(゚)「金色のシキ、海軍本部殴り込むも検挙…犠牲者多数…」

魚人「トミーズの雅、ソフトバンクにトレード放出…来季はフリー…」

元奴隷「お前だけなんの新聞読んでんの?」

彡(゚)(゚)「んー、ワイちょっとコレ行ってみようかな」

副船長「コレ……って?」

彡(゚)(゚)「イヤ、公開処刑」

商人「……【東の海】で処刑と書いてありますが……?」

彡(゚)(゚)「【赤い大陸】越えれば行けるやろ? 幸い目の前にあるし」

魚人「どうやって乗り越えるんだよ?」

彡(゚)(゚)「行けるか分からんけど……」

影法師「」ヒュッ

彡(゚)(゚)「行けるとこまで飛ばしてみるわ。ほんで、てっぺんまで行ったら入れ替わる」

副船長「マジか……いや、向こうで乗る船どうすんだよ」

彡(゚)(゚)「それも【影法師】で偵察してそこらの船乗り込むわ。海賊王の処刑なんてぎょうさん集まるやろから船の一隻くらい通るやろ」
46:19/11/02(土)12:21:56 Dhg
数日後、ローグタウン



彡(゚)(゚)「餓死寸前やったけど、なんとかここまで来れたな……道中砂になって飛んどったヤツ、雨にやられへんかったかな」

彡(゚)(゚)「遅れに遅れて処刑日当日になってもうたな。とりあえず三段重ねのアイス食べるやでー」ペロペロ



ドフラミンゴ「……」

ミホーク「……」

クロコダイル「……」



彡(゚)(゚)「えらい集まってんなあ。なんやデカいのちっこいのイカついのキモいのぎょうさんおるわ」
47:19/11/02(土)12:22:35 Dhg
彡(゚)(゚)「始まった……ゴールド・ロジャーが断首台に……」

彡(゚)(゚)「……は? おいおいいきなり首チョンパする気か?」

彡(゚)(゚)「そんなん味気なさすぎるやろ……せや! おーいロジャー! お前の財宝どこにやったんや!」

ロジャー「……」

ロジャー「……俺の財宝か? 欲しけりゃくれてやる」

彡(゚)(゚)「は?」

ロジャー「探せ!! この世のすべてをそこに置いてきた!!!」


ザンッ!!


………

……オオ……

オオオオ


ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!
48:19/11/02(土)12:23:16 Dhg
リヴァースマウンテン



彡(゚)(゚)「戻ったで!! えらいもん見たわ!!」

副船長「見れたのか、てっきり死んだかと……」

彡(゚)(゚)「出航や出航!! 海賊王の宝や!!」

商人「はい?」

彡(゚)(゚)「海賊王は宝をどこかに隠した! すべてを手にした男の宝や! 探すしかないやろ!」

魚人「漢黒田か」

元奴隷「黙ってろよ」

彡(゚)(゚)「そんで! それを求めてガンガン偉大なる海に入って来よるぞ! ここは危険や! さもなきゃバカどもが束になって押し寄せてくるで!」

船大工「修理はとっくの昔に終わってるぜ! いつでも出せる!」

彡(゚)(゚)「ほな出航や! 行くで行くで! 海賊王にワイはなる!!!」
49:19/11/02(土)12:24:02 Dhg



彡(゚)(゚)「グエー! 天気悪すぎンゴ!!」

航海士「ごめん! もうこの海意味分かんない!!」

副船長「お前が頼りだ! いいから指示出せ!」

航海士「えーっとじゃあ春一番を受けて津波をかわして雪を船からかきだしてヒョウにマストを破られないようにたたんで」

副船長「なるほど分からん!」

彡(゚)(゚)「風受けるんかマスト畳むんかどっちや!」

魚人「8時方向に海獣! デカいぞ!」

コック「ちょうど蓄えがなくなってたんだ! 仕留めろ!」

魚人「よしきた!」

元奴隷「オエップ気持ちわりい」

船医「酔い止め飲んどけ! まだまだ荒れるぞ!」
50:19/11/02(土)12:24:51 Dhg
彡(゚)(゚)「な、なんとか1つ目の島や……」

副船長「初っ端からひどすぎる……」

航海士「ごめんなさい、認識不足」

彡(゚)(゚)「とりあえず上陸や上陸。平地が恋しいわ……」

船大工「船長、また整備しないとこの船スーパーヤベェ」

彡(゚)(゚)「頼むわ。どのみちログってのがたまらんと先に進めへんし」
51:19/11/02(土)12:26:09 Dhg
サボテン島ウイスキーピーク



町民「ようこそウイスキーピークへ。まあまずは休んでいきな」

彡(゚)(゚)「ええ人や……なあ、この島のログってのはどんくらいで貯まるんや?」

町民「あー、ログ自体は数時間で貯まるんだけどね。ログ通りに進まない方がいいよ」

彡(゚)(゚)「へ? なんでや」

町「次の島は【太古の島】だ。未だに恐竜が生存しているが、人類はいない。さらに、ここ数十年は巨人が住みついて戦争している。おまけにログは一年経たないと貯まらない」

彡(゚)(゚)「詰んどるやんけ。は? なに? ワイらハズレ航路選んでもうたん?」

島民「まーハズレだね。そんな運の悪い航海者たちを救うためにあるのがエターナルポース! これを辿って行けば次の【何もない島】まで行けるのさ!」

彡(゚)(゚)「ファッ!? そんなんあんのけ!?」

島民「これがないと交易もできないからね。ただ、次の島は名前の通り本当になにもない島だ。ここで物資を補給しておくことをおススメするよ」

彡(゚)(゚)「はえー、親切にどうも。あ、ちなみにそのエターナルポースってのはどこで買えるんや?」

島民「ここで買えるよ。100万ベリー」

彡(゚)(゚)「たっか! お前ら初心者狩りやろ!」

島民「はっはっは、我々も商売だから。イヤー、クロッカスがいないおかげで繁盛繁盛! アイツのいらん忠告がないおかげで儲かるわ!」
52:19/11/02(土)12:29:45 Dhg
サボテン島ウイスキーピーク



町民「ようこそウイスキーピークへ。まあまずは休んでいきな」

彡(゚)(゚)「ええ人や……なあ、この島のログってのはどんくらいで貯まるんや?」

町民「あー、ログ自体は数時間で貯まるんだけどね。ログ通りに進まない方がいいよ」

彡(゚)(゚)「へ? なんでや」

町民「次の島は【太古の島】だ。未だに恐竜が生存しているが、人類はいない。さらに、ここ数十年は巨人が住みついて戦争している。おまけにログは一年経たないと貯まらない」

彡(゚)(゚)「詰んどるやんけ。は? なに? ワイらハズレ航路選んでもうたん?」

町民「まーハズレだね。そんな運の悪い航海者たちを救うためにあるのがエターナルポース! これを辿って行けば次の【何もない島】まで行けるのさ!」

彡(゚)(゚)「ファッ!? そんなんあんのけ!?」

町民「これがないと交易もできないからね。ただ、次の島は名前の通り本当になにもない島だ。ここで物資を補給しておくことをおススメするよ」

彡(゚)(゚)「はえー、親切にどうも。あ、ちなみにそのエターナルポースってのはどこで買えるんや?」

町民「ここで買えるよ。100万ベリー」

彡(゚)(゚)「たっか! お前ら初心者狩りやろ!」

町民「はっはっは、我々も商売だから。イヤー、クロッカスがいないおかげで繁盛繁盛! アイツのいらん忠告がないおかげで儲かるわ!」
53:19/11/02(土)12:30:28 Dhg
彡(゚)(゚)「どないしよ。もうアイツぶっ頃して強奪しようかと思うんやけど」

副船長「まあ、そう言ってやるな。アレを見ろ」

彡(゚)(゚)「あ? ああ、あのでっかいサボテンか。それがどないしたんや」

副船長「アレは岩だそうだ。棘は墓標らしい」

彡(゚)(゚)「ほーん。灰色なのはそーゆーことか」

副船長「次が【太古の島】ってことで、航海者たちはこの島を避けていたらしい。そのせいで、この島は長年極貧生活だったそうだ」

彡(゚)(゚)「誰が航海者にそんな有力情報教えてくれんねん。みんなワイらより情報通なんか?」

副船長「あのデカい鯨のところに医者が1人いたらしいんだが、ここ数年は留守にしてるんだと。そいつが忠告してたらしい」

彡(゚)(゚)「ほーん」

副船長「体力のない街は無法者どものカモだ。きっと自警団もかなり殺されたんだろう。ちと厳しいが、100万くらいなら出したらどうだ?」

彡(゚)(゚)「んー、せやなあ、商人と相談して……ちょい待ち。あれ全部墓?」

副船長「ん?」

彡(゚)(゚)「自警団も殺されて?」
62:19/11/02(土)20:25:49 Dhg
夜、サボテン岩



彡(゚)(゚)「なるべく若いヤツやで! そんで比較的強そうなヤツ!」

副船長「偉大なる海で最初にやることが墓荒らしか……」

彡(゚)(゚)「スカウトやスカウト!」

魚人「そしてドラフト会議」

元奴隷「どこと競合する気だ」

彡(゚)(゚)「幸い影はまだまだあるからな! ここで何人か入れるでー!」

医者「全員手袋とマスクは装着。使えそうな死体を見つけたらまず酒をぶっかけて。効果あるか分からないけど感染怖いから」

航海士「効果あるか分からないの?」

医者「基本的に生きてる人間しか相手にしねえから」
63:19/11/02(土)20:27:25 Dhg
彡(゚)(゚)「こいつらご丁寧に海賊も弔ってくれとるわ。内臓も抜いとるしラッキーやなあ」


ゾンビ「」ゾンビ「」ゾンビ「」ゾンビ「」
  ゾンビ「」ゾンビ「」ゾンビ「」ゾンビ「」

副船長「……さすがに不気味だな」

商人「あの、これだけ増えると、食料から飲み水まで足りませんが……」

彡(゚)(゚)「なーに言うてんねん。こいつらゾンビやぞ? メシは食わんしクソもせん。まあ、やろうとすれば出来るけどな」

商人「なんと」

彡(゚)(゚)「100万も払うんやからこんくらいええやろ。さ、準備して出航やでー」
64:19/11/02(土)20:28:52 Dhg
航路



彡(゚)(゚)「相変わらず悪天候やけど最初よりマシやな」

航海士「ええ、これならまだなんとか……ゾンビで人手も増えましたし」

ゾンビ「」

彡(゚)(゚)「海水被ると急に影抜けてぶっ倒れんのがたまにキズやけどな。お、アレか次の島」
65:19/11/02(土)20:29:48 Dhg
何もない島


彡(゚)(゚)「……見事になんにもないな」

副船長「これホントに島か? 大陸だろ」

航海士「ここのログは2週間だって」

商人「……しばらく蓄えはありますが、節約しないと厳しいですな……」

魚人「食料なら海に潜っていくらでも獲ってきてやるわい。問題は水じゃな」

元奴隷「雨乞いかぁ、なんとなく嫌だな」

彡(゚)(゚)「観光するもんも買うもんもないなら、なんもすることないな。とりあえずここに停泊や」
66:19/11/02(土)20:30:35 Dhg




彡(゚)(゚)「ンゴー……ンゴー……」zzz


カアン!カアン!カアン!カアン!
敵襲!敵襲!


彡(゚)(゚)「ファッ!? なんやなんや!」

副船長「海軍だ! 逃げられん! 戦闘になるぞ
!」
67:19/11/02(土)20:31:51 Dhg
彡(゚)(゚)「んー、沖合いに軍艦1隻か。まだ距離あるな。向こうの大砲の射程距離なんぼやろ」

副船長「知るか。とにかくここを動いて死角に回るぞ。向こうは大砲でこっちを沈めれば勝ち。こっちの大砲で軍艦は落とせん」

彡(゚)(゚)「せやな。魚人は?」

元奴隷「先行して敵の船底に小細工しに行ってる」

彡(゚)(゚)「おし、ほなワイらも行くで。【影法師】も先行や」

影法師「」ヒューン
68:19/11/02(土)20:32:58 Dhg
魚人「戻った! アイツら船底になんか仕込んじょるぞ!」ザパッ

彡(゚)(゚)「なんかってなんや」

魚人「分からん。じゃが、石みてーなヤツじゃ。いつも通り何ヶ所か穴開けてきたが、効果は薄い。沈みァしねえだろうな」

彡(゚)(゚)「さすがに海軍本部は魚人対策もバッチリやな」


ドン! ドン!


操舵手「撃ってきたぞ!」

副船長「フッ!!」


ズバン!! ドォン!!


元奴隷「スゲー! 砲弾を切った!」

副船長「ふうっ、意外とやれるもんだな」

彡(゚)(゚)「お前どんどん腕上げとるやんけ! ワイも負けてられへんな!」
69:19/11/02(土)20:33:50 Dhg
彡(゚)(゚)「おっしゃー! 白兵戦じゃ! ゾンビ兵行ってこい!!」


ゾンビ「」ゾンビ「」ゾンビ「」ゾンビ「」
   ゾンビ「」ゾンビ「」ゾンビ「」ゾンビ「」


「な、なんだ、こいつら!」「怯まねえ!」
「強いぞ! きをつけろ!」「クッサ! 酒くさ!」


彡(゚)(゚)「ワイも特攻や! 影よこせオラァ!」

副船長「半分は船を守れ! やられるなよ!」
70:19/11/02(土)20:34:28 Dhg
少将「4500万ベリー、ゲッコー・モリア。カゲカゲの実の能力者」

彡(゚)(゚)「お、なんや強そうなヤツやな!」

少将「お前の相手は私が努めよう。いざ!」

彡(゚)(゚)「なにカッコつけとんねん! シバき回して影抜いたるわ!」
71:19/11/02(土)20:35:20 Dhg
彡(゚)(゚)「ヴォエ!! ウソやろこいつクソ強い……!」

少将「ふん、所詮この程度。海賊王に唆された雑魚海賊どもなど恐るるに足りん」

副船長「モリア! 大丈夫か!?」

彡(゚)(゚)「大丈夫なワケあるか! 手ェ貸してクレメンス!」

副船長「すまんがこっちも手一杯だ!」

魚人「同じく!」

彡(゚)(゚)「アカン、こいつら強すぎる……」

少将「これが海軍本部の力だ。たかだか4500万のルーキーが粋がるな」
72:19/11/02(土)20:36:15 Dhg
彡(゚)(゚)「……コレ気持ち悪くなるからあんまり使いたくなかったんやけど……」

少将「ん?」

彡(゚)(゚)「死ぬよりマシや! 【影の集合地】!!!」

影「」 影「」影「」影「」影「」影「」
   影「」影「」影「」影「」影「」影「」

彡(゚)(゚)「今回は直接取り込む! ……オオオオオオオオ!」グググ

少将「!? 巨大化だと!?」

彡(゚)(゚)「単なる巨大化ちゃうわボケ! 取り込んだ影の分だけワイは強くなる! こうなったらワイを止められへんで!!」
73:19/11/02(土)20:37:21 Dhg
少将「くっ……」

彡(゚)(゚)「ウッソやろお前まだ耐えるんけ! もう夜明けやぞ!」

少将「ナメるなよ、海軍は悪に屈しない……!」

彡(゚)(゚)「正義感の塊やなあ、涙出るわ。でもサイナラ」スッ

影法師「」ヨッ

少将「!? 消えた」

彡(゚)(゚)「後ろや! 影チョッキン!」ジャキン!

少将「しまっ……!」ガクッ

彡(゚)(゚)「っと、すぐ日影に隠さんと身体消える! こんな強いヤツの影や! 絶対逃がさんぞ!」
74:19/11/02(土)20:38:09 Dhg
彡(゚)(゚)「オエー」

副船長「か、勝ったか……?」

彡(゚)(゚)「オエー」

魚人「ゼェ、ゼェ、なんとか、ゼェ、こっちもだいぶやられた……」

彡(゚)(゚)「オエー」

元奴隷「よかった、生きてた……」

彡(゚)(゚)「オエー」

副船長「いつまで吐いてんだ」

彡(゚)(゚)「すまんな、アレやると吐き気止まらんのや……」
75:19/11/02(土)20:39:01 Dhg
彡(゚)(゚)「とりあえず生きとるヤツは全員影抜いてふん縛ったわ。後は物資運び込むで。ああ、でも最小限は残してな。こいつら死ぬと影も消えるし」


ゾンビ「」ゾンビ「」ゾンビ「」ゾンビ「」
  ゾンビ「」ゾンビ「」ゾンビ「」ゾンビ「」


副船長「こーゆー時ゾンビは便利だな。疲れを知らない」

彡(゚)(゚)「海兵の死体に海兵の影入れたから兵力も補強できたで。こら相当強いゾンビ軍団になるで」

魚人「大型外国人か。ウチに馴染めるかな」

元奴隷「大丈夫。ジョンソンばりに活躍する」

商人「疲れすぎてとうとうツッコミが不在に……」
76:19/11/02(土)20:40:20 Dhg
彡(゚)(゚)「海軍のレポートも出てきたで。どうやら、この島は海軍の狩りスポットや」

副船長「どういうことだ?」

彡(゚)(゚)「最初の島とグルになっとる。この島に誘導させて海軍が一網打尽にするっちゅーことや」

商人「あの島にしてみれば海賊に金だけ払わせて海軍に始末してもらう。いいことづくめですな」

彡(゚)(゚)「そーゆーこっちゃ。この島だと隠れるとこないしな。あの島の連中、いつか七武海とかに乗っ取られて痛い目見るで」

副船長「えらく具体的だな」

彡(゚)(゚)「とりあえず、ここにおったらまた別の海軍が来る。島をぐるーっと回って反対に着けるで。ログがたまり次第出航や」
77:19/11/02(土)20:42:44 Dhg
数日後、航路



カモメ「クー」


元奴隷「おー、ご苦労さん。……船長、1億2000万に額上がってる」

彡(゚)(゚)「ホンマけ!?」

元奴隷「それに副船長が6000万、魚人が7500万」

副船長「とうとう俺も賞金首か……」

魚人「5000万アップ。まあサインしてもいいか」

元奴隷「誰にするんだよ」

商人「あー、最初の島の墓荒らしもバレてますね。金額上がったのはそのせいでもあります」

彡(゚)(゚)「んなはっはっは、コレでワイらも有名海賊やな。仲間が活躍するとワイも鼻が高いわ。こんなに頑張ってくれてありがとナス」
78:19/11/02(土)20:43:59 Dhg
サンディ島アラバスタ



彡(゚)(゚)「砂漠の国アラバスタや! カンカン照りとかゾンビとミスマッチすぎる!」

商人「ここは世界有数の歴史ある国。その分宝もありますでしょうなあ」

副船長「奪うか? 探すか?」

彡(゚)(゚)「まあ、情報集めてからや。あと物資も買わんと」

魚人「今回は待機。魚人が住む環境じゃねえ」






彡(゚)(゚)「ミイラとゾンビのぶつかり合いとかほんま何処の世界や…」

商人「ままま、無事お宝はゲットできましたし、はい」ホクホク

副船長「呪われていないことを祈るしかあるまい」
79:19/11/02(土)20:45:23 Dhg
ジャヤ島モックタウン


商人「ええ、そう。アラバスタのネフェルタリ王家の秘宝ですとも」

闇業者「ふーむ、間違いなさそうですな。しかし、どこでコレを?」

商人「おやおや、ルートを気にされるような商売をしてらっしゃるので?」

闇業者「隣の島の宝となれば、流石に慎重にもなる」

商人「なるほど。では今回は諦めましょう。遠くの島で売るとします。巡り巡ってあなたの元に来たとき、果たして売り値はいくらになってるでしょうねえ」

闇業者「む……」

商人「ではこれで……」

闇業者「ま、待て……このくらいで」

商人「いえ、もう決めましたので」

闇業者「この……分かった。0ひとつ足してやる」

商人「!?」

闇業者「なんてな。お前らかかれ!」
80:19/11/02(土)20:46:44 Dhg
シーン……


闇業者「あ、あれ?」

彡(゚)(゚)「オエッぷ、ワイの練習台ありがとナス。ええ護衛部隊持っとんなあオッチャン」

闇業者「お、お前は億越えの!」

彡(゚)(゚)「そーゆーこっちゃ。さーてもう一個0足すのと二度と太陽の下歩けなくなるのどっちがええ?」

商人「イヤ、船長流石にそんな大金」

闇業者「わ、分かった! 出すよ! 出せばいいんだろ!」

商人「あるんですか」
81:19/11/02(土)20:47:31 Dhg
副船長「おう、アラバスタの香辛料やら服やら、それなりに売れたぞ」

彡(゚)(゚)「こっちもや! ぼろ儲けやでー! 今夜は宴や!」

商人「いやー、これだけカネがあると持ち運びも大変ですな」

魚人「えっぐ! なんだそのカネ!」

彡(゚)(゚)「なっはっは! このカネで今の船を乗り替えてガレオン船にするでー! ま、ここやと色々狙われるから次の島やな」
82:19/11/02(土)20:48:21 Dhg
航路


操舵手「敵襲ー! 海賊だ!」

彡(゚)(゚)「ほーん、なんや手配書で見た海賊旗やんけ。ワイらのカネを狙ってきたか」

副船長「億越えの賞金首だな。返り討ちにしてやれ!」

魚人「よしきた!」

航海士「取舵一杯! 嵐も来てる!」

コック「おうゾンビども! シケたら御陀仏だ! 部屋戻ってろ!」

元奴隷「じゃあ砲撃はゾンビでやれ! 俺たちは船の操作!」

操舵手「風変わりやすいぞ! 気をつけろ!」

彡(゚)(゚)「なんや最近さらに動きようなってきたなぁ」
83:19/11/02(土)20:49:21 Dhg
クライガナ島シッケアール王国


彡(゚)(゚)「きっしょ。なんやこの国、腹立つほど懐かしい雰囲気やわ」

副船長「内乱の真っ最中か。故郷を思い出す」

元奴隷「ああ、船長たちの国は革命で滅んだんだっけか」

彡(゚)(゚)「まあな。せやけど、この国もう限界やろ」

商人「装飾品はおろか、水や食糧までまともに売られていない。いやはや、ここまでやっては経済的ではありませんな」

魚人「15年連続Bクラスみたいなもんか」

元奴隷「なんの話だ」
84:19/11/02(土)20:49:59 Dhg
彡(゚)(゚)「それに加えてなんやこの気候。えらいジメジメしとるな」

航海士「この島じゃコレが普通なんですって。太陽も滅多に出ないって。貧困の原因でもあるみたい」

彡(゚)(゚)「ほーん………ん?」

副船長「……また変なこと思いついたな?」

彡(゚)(゚)「内乱真っ最中の国で? 太陽も滅多に出ない?」

彡(゚)(゚)「内乱真っ最中ってことは兵士も死体もいっぱいよな?」
85:19/11/02(土)20:51:11 Dhg
反乱者「今日こそ! この国をぶっ壊す!!そして新たな政府を! さあ行くぞ!!!」


ワアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!


兵士「鎮圧しろ! シッケアール王国軍の底力を見せてやれ!!!」



オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!



「かかれえ!撃てえ!」「進め!!進め!!未来はすぐそこだ!!」

「無駄な抵抗はよせ!」「不義の者ども滅ぶべし!!」「平和を脅かす悪党ども!!」

「大丈夫か!しっかりしろ!」「まだまだ!」「未来を掴みとれ!」

「起き上がれ!どうした!」「これしきのことで!」「行け!行けええ!!」

「おいどうした!?」「ファ!? ウーン」
「なんだ何が起こってる!」

「誰だ貴様ら!!」「ゾンビの大軍だ!」「クソ! 海賊だ! 海賊がいるぞ!」

「お前死んだんじゃ」「おい! 俺は味方だろ!」
「起きろ! どうした!」「ゾンビがどんどん増えていく!」




「「「影を取られた!!!」」」
「「「死んだ仲間が襲ってくる!!!」」」
「「「ゾンビに!!国が!!落される!!!」」」
86:19/11/02(土)20:52:35 Dhg
彡(゚)(゚)「漁夫の利作戦大成功!!! 影もゾンビも大量ゲットや!!!」

副船長「……おい、国崩しは流石にマズくないか?」

彡(゚)(゚)「うっさいわ!ここまで限界な国なんてさっさと滅んだ方がええやんけ!!ちゅーかまだかろうじて滅んどらんわ!!」

魚人「荒れてんのう」

元奴隷「それなりにトラウマなんだろな」

商人「あの、ゾンビを入れる部屋がもうギチギチなんですが……」

彡(゚)(゚)「この国の船かっさらえばええやろ!」

副船長「根こそぎ奪う気か……」

船大工「船長! でかいボロ船が一隻あったぜ!! 直せば使えそうだ!」

彡(゚)(゚)「おっしゃ! ゾンビの大半はそっちに乗せい! 生きてる連中の半分はゾンビと乗れ! コイツら海水被ったら影抜けるからな!」
87:19/11/02(土)20:53:52 Dhg
航路


商人「……船長、なんだか身体大きくなりました?」

彡(゚)(゚)「特訓中や。常に少ない数の影を取り込んでんねん。ちょうど影もかさばって置き所なくなってきたしな」

副船長「アレ夜中でもジタバタしてて気持ち悪いんだが」

彡(゚)(゚)「大人しうしとけって命令してんやけどなあ。やっぱ身体がないと落ち着かんみたいや。迷惑かけてすまんな」

カモメ「クー」

元奴隷「お、今日もご苦労さん」

商人「……そういえばこのカモメ、どんな海でも来ますね……優秀すぎません?」

元奴隷「うわ、ゲッコー・モリア、懸賞金3億5千万。シッケアール王国に追い討ちをかけて滅亡寸前に追い込んだ張本人……」

彡(゚)(゚)「懸賞金上がるのはかまへんけどなんでワイが原因になっとんねん!」

副船長「実際国崩しの張本人だろ」

元奴隷「副船長が1億1000万、魚人が1億2500万。それぞれ5000万ずつ上がってるな。こっちは前の海賊を倒した経緯からみたいだけど」

副船長「マジか」

魚人「俺もとうとう億越えプレーヤーか……」
89:19/11/02(土)20:54:59 Dhg
ロングリングロングランド


彡(゚)(゚)「はえー、みんななっがい」

商人「すいません、食糧や水を売ってもらえませんか?」

トンジット「あん? あー、ベリーか。まあいが少しな」

商人「? 値段を吊り上げる、と?」

トンジット「いやいや、俺たちは遊牧民だからな。自給自足の生活がメインなんだ。だからカネを貰ってもなあ」

商人「!?!?!?!?!?!? 貨幣に、価値がない……?」

トンジット「ああ、いや、航海者たちから何かを買ったりするから、まったく必要ない訳じゃねえんだ。ただ、できれば物々交換の方がいいんだよ」

副船長「……アラバスタの香辛料ならまだけっこう残ってたが」

トンジット「!! ぜひもらおう! それなら羊肉に加えて乳もやる! この島じゃ香辛料は僅かにしか採れなくてな!」

商人「なんと……こんな文化もあるのですね……」

彡(゚)(゚)「世界は広いやな」
91:19/11/02(土)20:56:19 Dhg
ウォーターセブン


彡(゚)(゚)「おお! ようやく船が買えそうな街やんけ!!」

副船長「すごいな、水の都か」

アイスバーグ「お、海賊か。船でもどうだい? なんてな」

彡(゚)(゚)「買う買う!どこがええんや?」

アイスバーグ「なに!?」

彡(゚)(゚)「へ?」


「船買うって!?」「にいちゃんウチで買ってけ!」「こっちのがいいぞ!」「大将ウチにしな!」
  「おうどこだご新規さんは!」「毎度あり毎度あり!」「頼むウチにしてくれ」「少しならまけるぞ船長!」


彡(゚)(゚)「な、なんやなんや急に!」

アイスバーグ「最近不景気でな。おいお前ら!俺が先に声かけたんだぞ!」


「黙ってろクソガキ!」「今のトムにそんな資金ねえだろ!」
「大人しくガラクタでもいじってやがれ!!」
92:19/11/02(土)20:57:31 Dhg
商人「ふむ、では、これでどうでしょう。我々が必要なのは大型船1隻とその護衛艦1隻。各社この2隻の設計図と予算案を持ってきてください。一番いいところに依頼します」

副船長「落札形式か」


「「「「「「乗った!」」」」」」


商人「ちなみに我が船には億越えの賞金首が3人います。不備や夜逃げその他諸々、我々に不利益が出た場合……分かりますね?」


「よしきた!」「おめえ変なマネすんなよ」
「どの口が言うんだ!」「おいここの会社はやめときな」


彡(゚)(゚)「なんやねんコイツらほんま」
93:19/11/02(土)20:58:25 Dhg
アイスバーグ「さっきは見苦しくて悪いな。実はこの島、とんでもなく不景気なのさ」

副船長「その割には元気な職人が多いみたいだが」

アイスバーグ「まだそれだけが救いだ。ここは職人の街。日常生活用の小舟からガレオン船までどんと来い。……ただ、それしかないんだ」

彡(゚)(゚)「どうゆうこっちゃ」

アイスバーグ「年々街の水位が上昇してるんだ。今じゃ農耕地はおろか住む土地さえなくなってきている。腕があっても食う物と住むところがなきゃな」

商人「なるほど……交易のほうは?」

アイスバーグ「こっちは買うばっかりで売るモノがないからな。最近じゃ足元見られてぼったくられる始末さ」

彡(゚)(゚)「……」

アイスバーグ「さ、俺も自分とこの社長に知らせてくるか。絶対ウチで落札してくれよ!」
94:19/11/02(土)20:59:18 Dhg
彡(゚)(゚)「……どこもかしこも不景気やな……」

副船長「【偉大なる航路】じゃ島を行き来するだけで命懸けだ。散々実感しただろう?」

商人「だから人は追い詰められて海賊となり、財物を強奪し、経済は回らず、貧困し、追い詰められる。私も船長に拾われなかったら危うかったかもしれません」

彡(゚)(゚)「なるほどなあ。前の島はもう滅亡しか残ってなかったけど、こういう元気な街が沈んでいくのはイヤなもんやな……」
95:19/11/02(土)21:00:42 Dhg
数日後



商人「さて、各社出揃いましたね……」

副船長「この中から選ぶ訳だが……」

彡(゚)(゚)「おー! これええやん! これにしよ!」

商人「な、それは高すぎるのでは?」

彡(゚)(゚)「ええやんけ。こちとら3億越えの賞金首やで? こんくらいデカないと箔が付かんわ、箔が」

魚人「球場に風呂つけるみてえなもんか」

元奴隷「絶対違う」

彡(゚)(゚)「それにこれからの航海、ゾンビやら影やらガンガン増えるで? また空きがないだのなんだの言うよりマシやろ。ゾンビとお前らいっしょにしたないし」

商人「ふむ、まあ、それなら……」

彡(゚)(゚)「ほな決定ー! そうと決まれば内装やら装備品やらもガンガン買うでー!」

副船長「……この都市にカネを落としたかったのか。たまに見せる仲間意識の高さといい、貧困を嫌うところといい、トラウマなんだな」
96:19/11/02(土)21:01:50 Dhg
航路



彡(゚)(゚)「やー、快適快適! やっぱこれにして正解やんけ!」

副船長「デカいと揺れないもんだな。確かにこれはいい」

航海士「あとは天気が良ければいいんですが……」

商人「濃い霧ですな。まあ、風がないだけマシですか」

魚人「ああ、ここはしょうがねえんじゃ。年中こんな感じで」

元奴隷「久々にまともに喋ったな」

魚人「霧も濃いし海流も複雑じゃき、下手すると数ヶ月出られん。【魔の三角地帯】言うてな。本来なら避けた方がいい海域じゃ」

航海士「え!?」

彡(゚)(゚)「なんや詳しいやんけ」

魚人「俺の故郷のすぐ近くじゃ。まあ任せとけ。ちょっとコツが分かれば海流もすぐ分かる。今日中に抜け出せる」

副船長「そういえば、次は魚人島か」
97:19/11/02(土)21:02:40 Dhg
シャボンディ諸島



魚人「魚人なら潜ってそのまま魚人島に行けるんじゃが、船と人間はそういう訳にゃいかねえ。ここでシャボンコーティングってのが必要じゃ」

彡(゚)(゚)「シャボンって、そこら中に浮かんでるアレけ?」

魚人「そういうことよ。昔の馴染みがまだ店やってればそこに頼むわ。ちょっと待ってろ」

元奴隷「俺も行くよ」

商人「あ、私も行きます。日用品がそろそろ切れますし」

副船長「なら護衛役は俺が」

彡(゚)(゚)「ほな、たまには舟番してるわ」
98:19/11/02(土)21:03:34 Dhg
彡(゚)(゚)「お、戻ってきたな」

魚人「……」

彡(゚)(゚)「ん? なんや思い詰めた顔して。コーティングはどないしたんや」

魚人「それは大丈夫。手配できた。船長頼みがある」

彡(゚)(゚)「なんやねん。お前まともに話すと違和感あるわ」

魚人「コーティングが終わり次第、魚人島へのツレを増やしたい」

彡(゚)(゚)「はあ?」
99:19/11/02(土)21:04:35 Dhg
数日後、夜、ヒューマンショップ前


副船長「おう、そこの」

警備「ん?」

副船長「魚人を売りにきたんだが、いくらで買い取る?」

魚人「……」

警備「ま、マジか! ちょっと待て、どこでそんな」

副船長「とりあえずこっち来いよ。詳しくは向こうでゆっくり話そうぜ」

警備「わ、分かったよ」






影法師「」ヒョコ
102:19/11/02(土)21:06:02 Dhg
ヒューマンショップ、奴隷保管室


影法師「」ニュルン

影法師「」スッ


彡(゚)(゚)「おーし、潜入成功やな。おい、そこの人魚姫、起きい」

人魚「!? だれ?」

彡(゚)(゚)「静かにせえ静かに。今出してやるで」


ガチャン


人魚「!!! うそ……ああ、なんてお礼を言ったらいいか!」

彡(゚)(゚)「そーゆーのええから早よ行け。って歩けへんのか。ほなコイツに掴まれ」

影法師「」カモン

人魚「ありがとうございます。ありがとうございます……」
103:19/11/02(土)21:07:50 Dhg
シャボンディ諸島


彡(゚)(゚)「えーと、今ので何人や?」

副船長「奴隷販売所6件で魚人が18人、人魚が1人、その他大勢」

商人「そして現金が数千万。バカみたいに稼いでますな、このゴミクズども」

魚人「すまねえ、恩に着る」

彡(゚)(゚)「いやまあカネもいっしょに稼げるから別にええんやけど。なんでこんなコソコソせなアカンねん」

魚人「海軍本部が近いんじゃ。変な動きすりゃあ中将クラスがわんさか来る。それに騒ぎになりゃあ、こんなに解放できんし」

彡(゚)(゚)「そらそうか。しっかし、なんやってこんなに魚人が捕まってんねや」

魚人「聞いた話じゃ、魚人島で海賊による人攫いが横行してるらしい」

副船長「それを阻止する海軍国軍で海賊とぶつかり合い。魚人島は荒れてるそうだ」

彡(゚)(゚)「この辺に来る海賊なんて実力エグいやろうしな。そら荒れるわ」

魚人「夜明けには出航しよう。そして、コイツらを島に返す。ありがとうな、船長」

彡(゚)(゚)「ええて、仲間の頼みやし」

魚人「恩に着る。その代わり、魚人島までの航路は任せてくれ。これだけ魚人がいりゃあまず間違いねえ」
104:19/11/02(土)21:08:42 Dhg
魚人島


彡(゚)(゚)「……確かに荒れてんな。でも、なんちゅうかこう……」

副船長「活気がある。追い詰められるような感じはしないが……」

タイガー「おお! なんだお前帰ってきたのか!!」

魚人「タイガー! 元気じゃねえか!」

タイガー「まあな! つーかお前なんで人間といっしょに海賊なんてやってんだ? 俺が散々冒険に誘っても来なかったくせに」

魚人「いやそりゃお前鯉から虎に行くのはダメじゃろ。広島は阪神の2軍じゃねえんじゃき」

タイガー「相変わらず理由が意味不明なんだよ」
105:19/11/02(土)21:09:42 Dhg
タイガー「アンタら、捕まってた魚人たちを助けてくれたんだってな。ありがとう!」

彡(゚)(゚)「ええてええて。でも、なんや意外とへっちゃらやんな。ワイはもっとこう悲壮感に溢れてるもんかと」

タイガー「つい最近まではそうだったよ。だが、最近白ヒゲがここをナワバリに入れてくれてな。誰も迂闊に手が出せなくなったんだ」

彡(゚)(゚)「ナワバリ……ほーん、ここから先の海はそういうこともあんのやな」

副船長「確かに四皇に手を出したと同意義になるからな。海軍すら迂闊な真似はできなくなる」

商人「というか、この辺りまで四皇が来るんですね」

タイガー「ま、とりあえず今日は休んでいきな。変なことしなきゃ海賊だろうが海軍だろうが誰も文句言わねえからよ」
106:19/11/02(土)21:10:32 Dhg
数日後、新世界、ミストリア島



彡(゚)(゚)「さーて、ようやく新世界やけど……なんやここ」

副船長「また霧か」

商人「……この島、変ですね」

魚人「何が?」

商人「水がおかしい。これまでのどんな海でも、色がおかしいというのは……」

彡(゚)(゚)「ホンマや気づかんかった。なんやコレ赤い」
108:19/11/02(土)21:12:30 Dhg
半獣「おいてめえら! よそモンだな!?」

彡(゚)(゚)「お、なんや原住民か?」

副船長「つーかアイツ下半身馬だぞ」

半獣「ここは百獣海賊団カイドウ様のナワバリだ!! この島に入るなら、それ相応のモノを置いてきな!」

彡(゚)(゚)「はあ!? 上陸するだけでカネとんのかい!」

副船長「魚人島じゃそんなことはなかったが……」

半獣「あそこは白ヒゲのナワバリだろうが! ウチは取るんだよ!」

彡(゚)(゚)「まあ参考までに聞いたるわ。いくらや」

半獣「1億ベリーと奴隷100人だ!」

彡(゚)(゚)「気が狂っとる」
109:19/11/02(土)21:14:12 Dhg
魚人「ふざけたこと言ってんじゃねえぞコラぁ! そんなイカれた入場料あるかコラ!」

半獣「さもなくば、カイドウ様の傘下に入れ! テメェら最近名を上げてる海賊じゃねえか! カイドウ様も気にいるかもしれねえぞ!」

副船長「だそうだが?」

彡(゚)(゚)「いきなり奴隷100人寄越せとかふざけた海賊に従いたないわ」

商人「同意」

元奴隷「聞くまでもなく船員全員同じ気持ちだよ」

彡(゚)(゚)「せやろな。そこの珍獣! すまんが勝手に上陸するで!」

半獣「! ケケ、そうか! そうかそうか! 悪いときに来たなテメェら!」ダダッ

副船長「……上陸を止めずに逃げたぞ」

彡(゚)(゚)「なんなんや、いったい」
110:19/11/02(土)21:15:42 Dhg
彡(゚)(゚)「これは……なんや? 工業が盛んなんか?」

副船長「あちこちで煙突から煙が上がってるな」

商人「……おそらく、島の自然を大幅に破壊しながら無理な生産をしてますね。このままじゃ十数年で廃墟になるでしょう」

魚人「ああ、そういうのはフロントが変わらねえと潰れるからな」

元奴隷「会話が噛み合ってるような合ってないような……」

彡(゚)(゚)「この島も貧困か? どこもかしこも……」
111:19/11/02(土)21:16:24 Dhg
???「貴様ラが不法入国した海賊カ!?」

彡(゚)(゚)「へ? な、なんやこのバケモノ!」

副船長「危ねえ!散れ!」


ズドン!!


魚人「っ!まるで地鳴りじゃねえか!なんだあの恐竜!」

元奴隷「踏み潰されるぞ!距離を取れ!」
112:19/11/02(土)21:18:19 Dhg
半獣「ケケケ!! テメェらこのお方がこの島にいるときに来たことを後悔しな!」

彡(゚)(゚)「あっ、さっきの!」

半獣「このお方は百獣海賊団において最も恐れられる【災害】として名高い最高幹部! 懸賞金額ではテメェら全員を足してもまだ足りねえ!」

副船長「なっ」

半獣「聞いて驚け! フタロンコサウルスの動物系能力者!! その名も!!」




半獣「トランプ様だ!!」


トランプ「態度を改めロ!」


彡(゚)(゚)「ウッソだろお前」
113:19/11/02(土)21:19:16 Dhg
彡(゚)(゚)「アカンアカンアカン!まともに攻撃きかん!」

副船長「どうなってんだコイツの外皮!」

トランプ「我々はすべての文明国に対し、大量虐殺に終止符を打つため、そしてあらゆる種類のテロを根絶するため、共に手を取ろうと呼びかけタ」

魚人「ああ、俺いっつもあんな感じか」

元奴隷「分かってくれて嬉しいよ! こんな状況じゃなきゃな!」

半獣「ケケケ! 覇気も知らねえルーキーがこんなところに来るんじゃねえ!」

彡(゚)(゚)「なんや覇気って! くっそ一撃が重すぎる!」
114:19/11/02(土)21:20:46 Dhg
彡(゚)(゚)「こうなりゃ、【影の集合地】!!」

影「」影「」影「」影「」影「」影「」影「」
  影「」影「」影「」影「」影「」影「」影「」
     影「」影「」影「」影「」影「」影「」影「」
        影「」影「」影「」影「」影「」影「」影「」

トランプ「OH?」

彡(゚)(゚)「ウップ、前回の倍や! 覇気やがなんやが知らんがパワーで潰したらぁ!!」ブン

トランプ「オット」サッ

彡(゚)(゚)「ファ!? 避けた!?」

副船長「あの速さをかわせんのか!」

トランプ「タフで頭がよく、勝つ方法を知っている俺みたいな人間が必要なンダ」

彡(゚)(゚)「腹立つわクソがぁ!」
116:19/11/02(土)21:25:15 Dhg
商人「船長! ゾンビ軍を連れて来ました!」

ゾンビ「」ゾンビ「」ゾンビ「」ゾンビ「」
  ゾンビ「」ゾンビ「」ゾンビ「」ゾンビ「」
ゾンビ「」ゾンビ「」ゾンビ「」ゾンビ「」
 ゾンビ「」ゾンビ「」ゾンビ「」ゾンビ「」

彡(゚)(゚)「おっしゃ、手数で勝負や!肉壁展開じゃ!」

トランプ「移民なんかクソくらエ!」ブン

ズガァン!!!

商人「!!! ゾンビ軍が一撃で!?」

トランプ「HA HA HA HA HA HA!!」
117:19/11/02(土)21:26:22 Dhg
彡(゚)(゚)「一瞬稼げりゃ十分や!」ビュッ

トランプ「HO」グルッ

彡(゚)(゚)「せやろな!」スッ

影法師「」オシェーイ

トランプ「!? っと、後ロ」

副船長「魚人! 合わせろ」タタッ

魚人「よしきた!」ダッ


ズババン!ドゴン!


トランプ「ヌ、このっ!」ブオン

副船長「ぐっ!」ドッ

魚人「どわっ!」ドサッ

トランプ「I don’t like losers」

彡(゚)(゚)「どこの言語やこのカス。とっととその影を」

トランプ「アッ!?」

彡(゚)(゚)「よこせボケぇ!!」


ジャキィン!!
119:19/11/02(土)21:27:59 Dhg
トランプ「」

半獣「な、そんな、バカな」

彡(゚)(゚)「オエ、ゼェ、お前もかかってくんのか?」

半獣「く、くそぉ」ダッ

彡(゚)(゚)「……行ったな。おい、ゾンビども集合! 今から出す影しっかり捕まえとけよ!」

ゾンビ「」  ゾンビ「」 ゾンビ「」
    ゾンビ「」 ゾンビ「」
  ゾンビ「」  ゾンビ「」 ゾンビ「」
    ゾンビ「」 ゾンビ「」

彡(゚)(゚)「数少ない……木っ端微塵のは流石に戻らんか。まあええわ、ちゃんと捕まえて船戻せ」

副船長「っ、無事か?」

魚人「しばらく無理じゃ。登録抹消してくれ」

元奴隷「……死ぬ……」

彡(゚)(゚)「お前、腕それ……」

元奴隷「変な方向向いてら……切断かなあ」

彡(゚)(゚)「……スマン」

元奴隷「いや、船長が謝るのはスジが違うでしょ」

商人「船医を連れて来ました!」

船医「全員重傷。ベット足りないよ」
120:19/11/02(土)21:29:17 Dhg
トランプ「」

彡(゚)(゚)「……コイツの影は大人しくさせて船にしまった。身体の方をどないかせな」

副船長「恐竜なんて動かせないしな。今なら殺せるか?」

彡(゚)(゚)「一撃で仕留められるか? この満身創痍の身体で。仕留めきれないならコイツ目ぇ覚まして襲いかかってくるで」

副船長「首の直径で1メートル超えてるしな……今すぐには難しいか」

魚人「しっかし、戦闘員全員で幹部1人に襲いかかって、ようやく倒せたのか。先が思いやられる……」
122:19/11/02(土)21:30:21 Dhg
???「あ、アンタたち、ソイツを倒したのか?」

彡(゚)(゚)「! 誰やお前!」

島民「わ、私はこの島の者です! 敵意ありません! どうか武器を下ろしてください!」

副船長「……たしかに、丸腰だな」

島民「い、今しがた、この島を支配していた海賊たちが一斉に出て行きまして……何が起きたのかと検索しておりまして」

彡(゚)(゚)「出て行った? ああ、コイツ倒したからか」

島民「き、きっとそうです! ああ、なんとお礼を言っていいか! 我々はアイツらに虐げられていて! いつ殺されるか分からなくて! これで、これで救われます!」

副船長「……白ヒゲと大違いだな」
123:19/11/02(土)21:31:42 Dhg
彡(゚)(゚)「なんでもええねんけど、コイツ今寝とるだけやねん。今のうちになんとかできへんか?」

魚人「できるわけないじゃろ。できたら最初から」

島民「できます! できますとも!」

魚人「できんのかい!」

島民「海楼石の鎖!それを使えば能力者を無力化できます! アイツらが置いていったのがまだあります! こうしちゃいられない! すぐに取ってきます!」タタッ

彡(゚)(゚)「行ってもうた……まあ、とりあえずこれでなんとかなりそうやな」
124:19/11/02(土)21:32:37 Dhg
数日後、市街地



彡(゚)(゚)「つまり、ここはカイドウの武器製造工場になってた訳や」

島民「そうです! ここで作った武器は世界中の戦場に送られていきます! 我々もそんなもの作りたくありませんでしたが、あんな怪物が来ては……」

副船長「俺たちが束になって辛勝だからな」

島民「ええ、ですが、あなた達のおかげで救われました。また元の生活に戻れます」

彡(゚)(゚)「そうせえ。国を滅ぼすもん作ったってええことないでホンマ」
125:19/11/02(土)21:33:49 Dhg
郊外



商人「やはり、ちょっとやりすぎましたね」

島民「そんなの俺たちだって分かってるよ。ただでさえ霧の多い土地だ。こんだけ森を切り開いたら、育つもんも育たねえ」

商人「ですが、カイドウはお構いなしに自然を破壊したと。まるで島がどうなってもいいような考えですな」

島民「そりゃ海賊だからな、自分さえ良ければそれでいいんだろ」

商人「おや、一般人に海賊のあり方を説かれるとは」

島民「はっはっは、アンタらはいい海賊なんだろ。たまにいるんだよ」

商人「いやあ、良くはないと思いますが……」

彡(゚)(゚)「おーい、何しとんねん」

商人「この国の再建について、少々所見を」
126:19/11/02(土)21:34:37 Dhg
島民「船長さん、ありがとうよ。この島を救ってくれて」

彡(゚)(゚)「成り行きや。そこまで感謝されるとこそばいわ」

島民「救ってもらったコトには変わりねえよ。今夜は宴にするからさ、楽しんで行ってくれ」

彡(゚)(゚)「お、ええんか? 宿やら薬やらタダやのに悪いなあ」

島民「どうせアイツらが置いていったもんだ。利用しなきゃ損ってもんさ」
127:19/11/02(土)21:35:31 Dhg
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ……


彡(゚)(゚)「なんや? 急に天気が悪くなってきたな」

商人「ひと雨来ますか……いや、待ってください。暗雲の中になにか……」



ウチのシマに手を出したのはお前か?



彡(゚)(゚)「は?なんや今の」



ルーキー、何も知らずに手を出したか



島民「雲の中!そんな!」





龍「おれの名はカイドウ。ゲッコー・モリア、お前を頃しに来た」

彡(゚)(゚)「ファ!?」
128:19/11/02(土)21:42:30 Dhg
ドズゥン………!



カイドウ「あ~~~、気持ちワリい。長旅はするもんじゃねえな」

彡(゚)(゚)「ちょ、待て待てお前! こっちはまだ怪我人だらけで」

カイドウ「なんでおれがテメェらの都合に合わせなきゃならねえ」

彡(゚)(゚)「……くっそ、影よこせ!」

カイドウ「【雷鳴八卦】」ブン

彡(゚)(゚)「アッ」
129:19/11/02(土)21:43:17 Dhg
ドッ

影法師「」ギューン

カイドウ「ああ?」

彡(゚)(゚)「ウッソやろ! ワイの影どこまで飛ばされてんねん! 物理きかんハズなのに!」

カイドウ「ほう、変わり身か。面白い能力だ」

彡(゚)(゚)「アカン、勝てる気がせえへん……」
130:19/11/02(土)21:43:59 Dhg
副船長「モリア!」

魚人「船長!一旦引け!」

彡(゚)(゚)「わ、分かった!影法師!」スッ

影法師「」ウワ

カイドウ「ああ? またか」

コウモリs「「「「キー!」」」」バタバタ

カイドウ「変幻自在、か。だが、それまでだろう」
131:19/11/02(土)21:45:21 Dhg
船内


彡(゚)(゚)「アカンアカンアカン。勝てへん」

副船長「ただでさえ全員が満身創痍だ。あの恐竜より強いとなると、万全でも難しいが」

魚人「暗黒期に最盛期巨人とやるようなもんじゃぞ」

元奴隷「ホント、まだ言うか」

商人「今さら傘下に、と申し出てもダメでしょうね」

航海士「あの、みんなで襲いかかって、船長が隙を突いて影を抜くというのは……」

彡(゚)(゚)「前回の手か。ムリや」

船大工「なんでだよ!」

彡(゚)(゚)「アイツらなんや動きを先読みしよる。オマケにアイツいざとなりゃ空飛べるやろ」

コック「それが何か……?」

彡(゚)(゚)「影を抜くには影と本体をワイのハサミで切り離さなアカンねん。飛んでる生物は最初から身体と影が離れてるやろ? 例外中の例外や。先読みされて空飛び続けられたらおしまいや」

船医「打つ手なしか……」
132:19/11/02(土)21:47:38 Dhg
彡(゚)(゚)「……ひとつだけ、策はあるにはあるんやけど」

副船長「なんだ?」

彡(゚)(゚)「今まで刈り取ってきた影を全部取り込むんや。ゾンビ兵の分も全部」

魚人「……許容量的に大丈夫なのか?」

彡(゚)(゚)「やったコトないから分からへん。せやけど、これまでの戦いでだいぶ慣れてきたとこや。やれへんことないと思う」

副船長「……いや、まだ足りない。やるなら、俺たちの影も使え」

彡(゚)(゚)「はあ!?」

魚人「そうじゃ。ここまでこの海を乗り越えてきた連中じゃぞ。百人力じゃろ」

彡(゚)(゚)「そらそうやろうけど! アカンやろ! 下手したら日光浴びて死ぬんやぞ!」

元奴隷「それ今さら言う?」

彡(゚)(゚)「いや、仲間の影はまた違うやんけ! 何より影抜いたら気ぃ失うんや! ワイが負けたらお前ら逃げることも出来ずに殺されるで!」

商人「どのみち、勝たねば死ぬ状況かと」
134:19/11/02(土)21:48:39 Dhg
彡(゚)(゚)「せやけど……」

副船長「お前、いつだったか言ったよな。影の強さは持ち主の実力と同じだと。ケガで動けない俺たちより、影の方が役に立つぞ」

彡(゚)(゚)「……」

魚人「これでも億を超える賞金首。入れぬ手はないじゃろ」

元奴隷「足手まといはゴメンだよ」

商人「微力ながら、一緒に戦わせてください」

彡(゚)(゚)「……」



彡(゚)(゚)「後悔、すんなよ」
135:19/11/02(土)21:49:29 Dhg
広場



カイドウ「……」

手下「カイドウ様、コウモリはすべて追い払いました」

カイドウ「アイツは?」

手下「目下捜索中です」

カイドウ「さっさと探し出せ」

手下「は……」




その必要はない
136:19/11/02(土)21:50:14 Dhg
バキバキバキバキ……!!


手下「な、アレは巨人か!?」

カイドウ「ほう……」



彡 (゚ ) (゚ )「この身に宿るは数百の影のチカラ。たとえ四皇やろうが勝てへんと知れ」
137:19/11/02(土)21:53:02 Dhg
カイドウ「巨大化か、その程度で勝てると思う阿呆だったか……」

彡 (゚ ) (゚ )その程度と思うなら」

彡 (゚ ) (゚ )「受けてみい!!!」


ド   ゴ  ン !!!!!!!!!


カイドウ「ぐっ……!?」ガク


「カ、カイドウ様が」「膝を突いた~~!?!?!?!?!?」


彡 (゚ ) (゚ )「もう一丁!」

カイドウ「チッ……」サッ


バ  ッ  ゴオオオオオオオオオ!!!!!!!!


「大地が砕けた~~!?!?」「ナニモンだあいつ!」「ただのルーキーじゃねえのか!?」

彡 (゚ ) (゚ )「お前んとこの幹部の影も入れさせてもろたわ。なるほど、コレが覇気か」

カイドウ「ウォロロロロロ、久々に面白えヤツが出てきたな」

彡 (゚ ) (゚ )「一般人から国の英雄、手練れの海軍に億越えの海賊、すべてがワイのチカラや。お前の影もワイのチカラにしてくれるわ!!」

カイドウ「やってみろ! ルーキー!」


「逃げろーーー!!!」「巻き込まれるぞ!全員避難しろ!」
138:19/11/02(土)21:54:20 Dhg
カイドウ「面白え! パワーで負けるなんざいつ以来だ!」

彡 (゚ ) (゚ )「ぬかせ! 張り合うな怪物が!」





彡 (゚ ) (゚ )「空に逃げてもムダや!!【角刀影】!!」ギューン

龍「おう、遠距離もイケるクチか!【熱息】!」ボゥ




彡 (゚ ) (゚ )「オエー」

カイドウ「ウォロロロロロ」


「どっちも吐き気を催しながら戦ってる!」「なんだこの決闘!?」
139:19/11/02(土)21:55:25 Dhg
カイドウ「……どうした。勢いがなくなってきたぞ?」

彡 (゚ ) (゚ )「うっぷ、アホか。まだまだや。負けるわけに、いかんのや」

カイドウ「その割に、さっきから影が抜けているようだが?」

彡 (゚ ) (゚ )「アホか、今さらザコ影の一体や二体……、……!?」


彡 (゚ ) (゚ )「な、なん、や、影が!き、消えていく!?」

彡 (゚ ) (゚ )「抜けとるんやない!!消えていく!!」
141:19/11/02(土)21:56:28 Dhg
カイドウ「……」

彡(゚) (゚)「な、なんや、一体……」

彡(゚) (゚)「影、が、消える、という、コトは、影、の、持ち、主、が」

彡(゚) (゚)「まさか、アイツら!」

カイドウ「【雷鳴八卦】」

彡(゚) (゚)「ブっ!? あ、が、ああああああああ!!!!??????」



ドシュウウウウウウウウ……………!



カイドウ「……元に戻った。しょうもねえ。所詮はルーキー、こんなものか」

彡(゚)(゚)「」

カイドウ「ふん、だが面白えヤツだった。おうテメエ、今日のところは見逃してやる」

彡(゚)(゚)「」

カイドウ「いつかまた、おれの首を取りに来い。そんときゃ、最高の戦争をしようぜ……」

彡(゚)(゚)「」



彡(゚)(゚)「」






彡(゚)(゚)「」
145:19/11/02(土)21:58:26 Dhg
副船長「ああ、来たか。悪いな、おれ以外は全員死んでしまった」


ウソやろ、おまえら……!


副船長「近づくな!」


っ!?


副船長「ゲボっ、ウイルス性の感染症……だそうだ……接触によって感染する……船医の遺言だ」


な、なんで、急にそんなんが……


副船長「敵が乗り込んできて、そのウイルスをばら撒いた……気づいた時……には……手遅れ……だった……」


そ、そんな……


副船長「悪い……モリア……おれ達は…………おまえに……………死体すら……………残して………や、れず、に…………………」



ああああああああ


ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ




ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
148:19/11/02(土)22:00:52 Dhg
こうして、ワイは大きく名を馳せた有能な仲間をすべて失った


世間には、ワイがカイドウと互角に渡り合った末に敗北したという情報だけが流れた


そのウワサを聞きつけた政府から七武海加盟の打診が来た


ワイはコレを受けた


ひとつの答えを導いた


仲間なんざ生きてるから失うんだ、と


生きてる仲間は最小限でいい


元から死んでいるゾンビなら失うことはない


そのため、七武海に入り、誰にも邪魔されずに準備を進めた


故郷に帰り、すべての生物をゾンビに変えた


島ごと船にして、【魔の三角地帯】に浮かべ、迷い込んだ海賊たちから影を奪い続けた


その傍ら、西へ東へ、楽園へ新世界へ、強靭な死体を求めて、墓を暴き続けた


今、影こそ弱いものの、死体は強靭なモノを揃えた


このゾンビ軍団とともに、新世界へいく


新世界の海賊どもの影を奪い、軍団のチカラを底上げし、今度こそカイドウに勝つ


そして、おれは、海賊王に……
149:19/11/02(土)22:01:53 Dhg
バチィ!!


モリア「ふがっ!?」

ゾンビ「ご主人様おはようございます!」

モリア「んあ? あぁ~悪ィ夢を見た」

ゾンビ「サイコーですね!ご主人さま!」

モリア「おれはどれくらい寝ていた?」

ゾンビ「前回の夜討ちから3日ほど寝ていました!その分の食糧はあちらに用意してあります!」
150:19/11/02(土)22:03:28 Dhg
そう、もはやおれは動かなくていい。

あのとき、馬鹿正直におれが真っ正面からカイドウと戦ったから仲間は死んだ

死んでも死なねえゾンビ兵が戦えばよかったんだ

おれは後方でサポートをしてればいい

いちばん効率よく、何も失わず、勝てばいい

それが、いちばん、いいに決まっている

もう二度、仲間は失わない



モリア「キシシシシシ! お前ら!! 早くおれを海賊王にならせろ!!」
151:19/11/02(土)22:04:19 Dhg
彡(゚)(゚)「ワイはゲッコー・モリア! 新進気鋭のルーキーや!」

これにて終幕
152:19/11/02(土)22:05:02 MUX
おつやで
153:19/11/02(土)22:07:38 Dhg
このSSはコレで終わりや!
途中色んな意味で抜けて申し訳ない
ほんま休日呼び出しはクソ
原作の方でモリアの過去が明かされるかもなんて記事見たんで、長年の暖めてた妄想を放出したわ
154:19/11/02(土)22:13:59 glM
面白かったサンガツ
156:19/11/03(日)00:07:12 MC2
良かった
引用元:http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1572660495