1: 2012/11/05(月) 23:40:03.32 ID:wZQlR38t0
士郎「Fate/Zero……そうか十年前の第四次聖杯戦争ってのはこんなものだったんだな。BD-BOXは高かったけど作画は最高だったし払った価値はあった」

セイバー「士郎、なにを見ているのですか?」

士郎「いい所にきた。丁度今Fate/Zeroを見てたんだよ。ほら十年前の爺さんとセイバーが戦ったっていう。十年前のセイバーが見れて新鮮だったよ」

セイバー「違います」

士郎「は?」

セイバー「Fate/Zeroの私は私ではありません」

https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1352126403

2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/05(月) 23:43:21.94 ID:wZQlR38t0
士郎「違うって……なんでさ。これセイバーだろ。声も川澄○子だし。EDにもセイバーって書いてある」

セイバー「ですから違います。アレは私ではありません。他人の空似です」

士郎「……えーと、EXTRAの赤セイバーみたく顔が異常に似てるだけの別人ってことなのか?」

セイバー「はい」

セイバー「赤セイバーを含めてオルタやリリィなど、セイバーの派生形は数多くいます。Fate/Zeroのセイバーはそのうちの一人でしょう」

士郎「マジか」

3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/05(月) 23:48:45.87 ID:wZQlR38t0
士郎「いやいやいやいや! まてまて!」

セイバー「どうしたのです? 士郎。そんなに両腕を振って」

士郎「オルタは黒化でリリィはコスチュームチェンジ、赤セイバーは完全に別人。セイバーライオンも別キャラ。それは分かる。うん、凄く良く分かる」

セイバー「?」

士郎「だけどFate/Zeroのセイバーはセイバーだろ。爺さんだって普通にアヴァロンを触媒に使ってるし真名だってアルトリアだし」

4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/05(月) 23:51:16.20 ID:wZQlR38t0
セイバー「士郎、貴方はそれでも私のマスターですか」

士郎「ど、どうしたんだよ。そんなに深く溜息を吐いて」

セイバー「確かにFate/Zeroの劇中でセイバーの真名はアルトリアとなっています。容姿・鎧甲冑に至るまで全て私と同じといっていいでしょう」

士郎「えーと、だったらFate/Zeroと今俺の目の前にいるセイバーは同一人物なんだよな?」

セイバー「だから違います」

士郎「なんでさ」

5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/05(月) 23:58:05.52 ID:wZQlR38t0
セイバー「士郎……貴方には失望した。日本一のたこ焼きと宣伝してながら別に日本一でもなんでもなかったたこ焼きと同じくらい失望しました」

士郎「あれは単なる冗談で」

セイバー「私のマスターなら容姿や姿などの他に気付くべきところがあるでしょう!」

士郎「えっ?」

セイバー「まだ分かりませんか。仕方ありませんね、このままでも埒が明かないので教えましょう」

士郎「お、おう」

セイバー「いいですか。私とFate/Zeroのセイバーの違い、それは……」


セイバー「――――中身です」

6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/06(火) 00:00:44.11 ID:M6U0q4XS0
士郎「中身って中の人? それなら同じじゃないか」

セイバー「いいえ。中身というのは中の人じゃありません。心、或いはキャラともいうべきものです」

セイバー「私とZeroセイバーは外面こそ全く同じセイバーですが、その性格がまるで異なる」

士郎「そうなのか。俺はあんまりそんな気はしなかったけど……」

セイバー「士郎、歯を食いしばりなさい!」ドガッ

士郎「ひでぶっ」

8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/06(火) 00:08:37.06 ID:M6U0q4XS0
士郎「いてて、いきなる殴るなよ。しかも鎧装備で。俺の身体にアヴァロンが埋め込まれてなければ大怪我だぞ」

セイバー「士郎……貴方にだけは分かって欲しかった」

士郎「えっ? なんか、ごめん」

セイバー「いいですか? そもそもFate/Zeroでやたらと私が正々堂々だの騎士道などとペラペラと喋っていますが、私がいつSN内で薀蓄を垂れましたか」

士郎「うーん、言われてみれば……セイバーって騎士って感じはするけど、正々堂々の勝負とかにはあんまり拘ってなかったよな。普通にアーチャーのやつを奇襲したし」

セイバー「ええ。貴方に止められたあれです。UBWルートでは令呪まで使われて止められました。更に言えばアーチャーのマスターだった凛を何の感慨もなく殺そうともしています」

セイバー「もしもFate/Zeroのセイバーなら『武器を構えろアーチャー、武器を構えぬ者を切るのは主義に反する』だとか言ってから戦いを挑んでいたでしょう」

9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/06(火) 00:18:24.85 ID:M6U0q4XS0
士郎「でもそれは第四次で色々あって、爺さんに感化されたとかなんじゃないのか」

セイバー「はぁ。貴方までFate/Zeroから入ったにわかファンみたいな事を言うんですね」

士郎「…………今日のセイバーは恐い」

セイバー「士郎の言い様だと、私の生前がまるでZeroのような性格で、私が第四次聖杯戦争で変わったと言ってるみたいではありませんか」

士郎「ご、ごめん。でも本当に色々あったし」

10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/06(火) 00:28:11.11 ID:M6U0q4XS0
セイバー「士郎、Fate/stay nightをワクワクドキドキプレイしたあの時を思い出して欲しい」

士郎「えーと、ちょっと待ってくれ。EXTRAでもZeroでもなくてSNだよな。うん、準備できた」

セイバー「余りこんな事は言いたくはないのですが。生前の私は蛮族の侵攻を防ぐため、自国の村を幾つか干上がらせて軍備を整えてきました」

セイバー「当然好きでやったのではありません。ブリテンはとても貧しい国です。蛮族を防ぐにはどうしても軍資金が必要だった。謂わば嘗ての切嗣やアーチャーのやっていた一を切り捨て十を救うという行いです」

士郎「それなら覚えてる。俺が前に夢で見たセイバーの記憶だ」

セイバー「はい。そんな罪なき無辜の民を防衛の贄としてきた私が、現世に迷い出てから正々堂々の騎士道精神を振りかざすと思いますか?」

士郎「…………いや、たぶん聖杯を掴むために爺さんのやり方もある程度は許容したと思う」

セイバー「ええ。今はもう聖杯に未練はありませんが、あの時の私は王の選定をやり直すためにも聖杯を欲していた。その為ならばこの身が汚れることを厭わなかったでしょう」

11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/06(火) 00:30:20.18 ID:M6U0q4XS0
士郎「王の選定といえば」

セイバー「なんでしょう?」

士郎「セイバーはイスカンダルとかギルのやり取り。それにランスロットの戦いと爺さんの最後の裏切りを経て『祖国の救済』から願いが変わったんだっけ」

セイバー「士郎、歯を食いしばりなさい!」ドガッ

士郎「あべし!」

12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/06(火) 00:38:38.60 ID:M6U0q4XS0
セイバー「ここまで話してまだ貴方はそんな世迷言を……!」

士郎「アヴァロンがなかったら俺、今頃顔がシャアザクみたくなってた」

セイバー「私の願いが変わる? 何を言うのです。私はSN内で全てが終わってから『選定の剣は間違った者を王に選んでしまったのではないか?』と思ってしまったのだと明言しているではありませんか」

セイバー「そもそも私には『女の身で王となった』という負い目が常にありました。勿論私は私なりに常に結果が出るよう努めてきましたが、女の身であるが故にギネヴィアを男として愛せず結果円卓の崩壊を招いてしまった」

セイバー「だからこそ私は王としての最後の責務を果たすため。我が身を守護者として世界へ捧げることで、アルトリア・ペンドラゴンという私を抹消し、ブリテンを崩壊させない新たなアーサー・ペンドラゴンの誕生を聖杯に祈ろうとしたのではありませんか」

セイバー「だというのに『祖国の救済』では私が一度失敗したから同じことをもう一度やり直そうとしている駄々っ子ではありませんか」

士郎「で、でもZeroでは……」

セイバー「士郎、貴方は茸と虚淵のどちらを信じるのですか?」

士郎「そりゃ茸だけど。原作者だし生みの親だし」

セイバー「それが全てです」

13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/06(火) 00:49:05.45 ID:M6U0q4XS0
セイバー「イスカンダルとギルガメッシュで思い出しました。不満といえば聖杯問答、あれも大いに不満です」

士郎「なんでさ。ギルガメッシュのとかはスケールがデカすぎて凄いんだか良く分からなかったけどさ。イスカンダルの王の軍勢のシーンは無茶苦茶格好良かったぞ」

セイバー「確かに王の軍勢は素晴らしい宝具だ。征服王イスカンダルの名に恥じぬ彼と彼の朋友との絆の結晶といっていい」

セイバー「ですが不満なのは、どうして私が彼等二人に一方的に言い負かされていることです! あれではまるで民草の為の王が全面的に間違っていて、自分のことを第一に考える暴君が素晴らしいと賛美しているようではありませんか」

士郎「あー、考えてみれば……そうなのか?」

15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/06(火) 00:55:01.35 ID:M6U0q4XS0
セイバー「士郎。貴方はもしカリスマのある政治家が世界を一周するため世界征服する、なんて公約を掲げたとして支持しますか?」

士郎「そりゃ俺は世界征服には興味ないから支持はしないけどさ。やっぱり正義の味方と並んで世界征服って男の夢だし。夢がある奴は指示するんじゃないかな」

セイバー「そうですね。それは正しい。確かに彼の有り方と彼の思想は私とは相いれないものだ。ですが征服王が王たるに相応強い事は認めなければなりません」

士郎「やっぱり」

セイバー「何がやっぱりですか。私が言いたいのは私達三人の語った王の有り方に優劣などはなく、唯一無二の正解もないということなのです」

士郎「……うんうん」

セイバー「しかしあれでは、私一人が全面的に間違っていてイスカンダルとギルガメッシュの二人だけが正解のようではありませんか」

士郎「たしかに、そりゃ俺も納得できない。ギルガメッシュのやつが王様だってのまで否定する気はないけど、あいつがセイバーより絶対的に優れてるなんてのは間違いだ。セイバーにはセイバーにしかない良さがある」

セイバー「士郎、貴方なら分かってくれると思っていた」

17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/06(火) 01:06:20.50 ID:M6U0q4XS0
セイバー「征服王関連でもう一つありました」

士郎「多いな」

セイバー「私と征服王の最後の戦いについてです」

士郎「セイバーとイスカンダルが戦ったのって……。あのランスロットがイスカンダルに化けて、それで良く分からない凄いバイクにのって戦った」

セイバー「そうです。あの時、私は征服王の戦車とエクスカリバーの打ち合いをしました。第五次でいうならFateルートの騎英の手綱VS約束された勝利の剣みたいなものです」

士郎「あれか。あれは凄かったな」

セイバー「ですが蓋を開けてみれば私のエクスカリバーは戦車を破壊しただけ。当のイスカンダルはジャンプで回避」

セイバー「……馬鹿にしているのですか? ジャンプ一つでエクスカリバーを回避できたら苦労はしません。もはやキャラ云々以上に手抜きが過ぎます」

セイバー「せめてウェイバーが咄嗟に『ライダー、躱せ』とでも令呪で命じてでもいれば納得のしようもありました。令呪はサーヴァントの意志と合致する命令であれば、サーヴァントの力をブーストできますから。征服王の高い幸運と合わせて躱せたとしても不思議ではなかった」


19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/06(火) 01:12:20.13 ID:M6U0q4XS0
士郎「セイバーの言うことは良く分かった」

セイバー「それは良かった」

士郎「でもZeroの描写がなにから何まで間違いってことはないんじゃないか。セイバーだってイスカンダルのことは認めてるんだろう」

士郎「それにセイバーにも騎士道とか誇りはあるじゃないか」

セイバー「否定はしません。私にも騎士王アルトリアとして、英雄の誇りはあります。騎士道精神がないか、と問われれば否とも言いましょう」

士郎「だろう?」

21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/06(火) 01:19:39.57 ID:M6U0q4XS0
セイバー「ですがその誇りに関連することこそ私が許せぬことの一つでもある。作品内では英雄としての誇りは下らない、誇りなんて溝に捨てても結果を優先するのが素晴らしいなんて描かれ方をしていましたね」

士郎「ギルガメッシュやイスカンダル、それにディルムットはそうじゃなかったけど……爺さんはそうだったよな」

セイバー「それを全面的に否定する気はありません。誇りよりも結果を。誇りと命を天秤にかけ命を選択するのは当人の自由です」

セイバー「士郎には少し自分の命を優先して貰いたいものですが」

士郎「うっ。ごめん」

セイバー「それはそれとして。誇りを捨てて結果を得ることを否定はしませんが、逆に他者の誇りを自分の考えで勝手に否定することもまた許されない」

セイバー「誇りとは言うなればその人間にとって生きる上の支柱、大黒柱ともなるものです。それを侮辱することは、その人間の生命を侮辱することに等しい」

セイバー「士郎、貴方はもし赤の他人が大河に対し謂れもない誹謗中傷を浴びせているのを見て、それを止めることが結果的に自分の不利となると分かっていたとして、貴方はそれを止めませんか?」

士郎「いや、止める。藤ねえは確かに滅茶苦茶なこともあるし暴走することもある。でも俺の大事な家族だ。それを侮辱しようってなら俺も容赦はしない」

セイバー「そうでしょう。誇りを侮辱するという行為はそういった所業と同じなのです」

22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/06(火) 01:30:08.48 ID:M6U0q4XS0
切嗣「二人とも中々白熱した議論をしているね。僕も混ぜてくれるかい?」

士郎「あっ、爺さん」

セイバー「おや切嗣、久方ぶりです」

切嗣「セイバーと士郎も懐かしいね。セイバーはサーヴァントだから変わらないけど、士郎は随分と大きくなった」

士郎「それで爺さんも混ざるって」

切嗣「うん。僕にも二言三言の愚痴があるんだ」

23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/06(火) 01:35:32.96 ID:M6U0q4XS0
士郎「愚痴って。爺さんはわりと優遇されてた方じゃないのか。結末はあれだったけど立ち位置とかキャラ的には」

切嗣「士郎。出番が多くて活躍する機会があればいいってもんじゃないんだよ」

セイバー「その通りです。私など出番は多くとも酔っ払いに絡まれるわ唯我独尊な金ピカに求婚されるは、ただの騎士道馬鹿キャラに改悪されるとはで散々だったのですよ」

士郎「…………」

切嗣「第四次聖杯戦争まで聖杯は無機物だったろ、とか間桐からの参加者はいなかったはずだ、とかアイリスフィールはイリヤと城に残ったっていう設定だったろ、とかは言わないよ」

切嗣「そんな批判は言うなれば重箱の隅をつつくような……とても、つまらない意見だからね。物語を作る上で改変するのは仕方ないことだ」

27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/06(火) 01:50:57.54 ID:M6U0q4XS0
切嗣「だけどね。やっぱり許せないこともある。セイバーや言峰の語る僕の像っていうのは、それこそ効率主義者のリアリストだ。誇りなんて度外視して結果を重視する。そんな人間だったはずだ」

士郎「Zeroでもそうじゃないか」

切嗣「いいや違う。大体だよ、もしも効率主義者ならセイバーに話しかけないのは余りにも不効率じゃないか。セイバーに王の重責を押し付けたのが許せなかった? それがどうしたんだい。結果を重んじるなら個人の感傷を排除するのが衛宮切嗣だ。ならそんな下らない感情でセイバーに話しかけないという選択をするわけないじゃないか」

士郎「でもSNでもセイバーは切嗣に三回しか声を掛けられなかったって」

セイバー「士郎。Fate/Zeroが生まれる前、SNを知る者達は『きっと切嗣は効率主義者で士郎のようにサーヴァントと交流なんて欠片もしなかったのだろう』と、そのように認識していたのです」

切嗣「ああ。セイバーも生前から効率主義者だからね。僕がアヴァロンを持ち敵を誘き寄せ、セイバーがそれを刈り取る。コミュニケーションは最小限、あくまでお互いの目的のために協力する仕事上の共闘者というような、そういったドライな関係をイメージしてたんだ」

セイバー「それが蓋を開けてみれば三回しか話しかけなかったのは単なる個人的な感情。これのどこが効率主義だというのですか? アイリスフィールを挟んで会話しているシーンなんてもはや拗ねた小学生です」

切嗣「僕自身もしょっちゅう泣き言を言いだすわで完全にキリングマシーン(笑)になってたしね。言峰は僕とセイバーのペアは強かったって言ったけど、そんなに強いと思わせるような活躍してないじゃないか。精々セイバーのステータスが高いことと、僕が言峰と戦ったっていうことくらいだ。それだって個人としての強さであってペアとしての強さじゃあない」

セイバー「最初から最後まで完全にバラバラでしたしね」

29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/06(火) 02:00:09.46 ID:M6U0q4XS0
切嗣「それとケイネスを殺した後のシーン、アイリを挟んでの会話もそうだけど、英雄のせいで戦場の悲惨さが覆い隠されて云々。あれなんだい?」

士郎「えーと」

切嗣「戦争が地獄だと言うのは否定しないし、戦争が英雄を生むのもまた一つの側面だ。だけどね、英雄のせいで何時までも戦争が終わらずに若者が死んでいく、なんていうのは極論過ぎる暴論だよ」

セイバー「戦争というのは冷酷なようですが国益のために行うものです。武勇や名誉が戦争を起こしてことがなかったと言いはしません。そういった理由で戦争が起きたことは確かに歴史上あります」

切嗣「そうだね。でもだからといって英雄や騎士道がイコールで悪ということにはならない。寧ろ騎士道精神が転じて後の福祉やらで戦争の被害を抑えることに役立っているくらいさ」

30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/06(火) 02:06:48.24 ID:M6U0q4XS0
士郎「話は分かったけど論点がちょっとずれてないか」

切嗣「おっと、そうだったね。話を戻そうか。……僕が最も許せないのは、ラストだよ」

士郎「ラストって、あの大災害の?」

切嗣「そうだ。いいかい士郎、Fate/Zeroでは何故か冬木の大災害を起こしたのは僕で、僕が死んだのはこの世全ての悪ってことになっているね」

士郎「ああ、そうだった。アニメって分かってもやっぱり当事者としてはアレを見るのは辛かったな」

切嗣「あの話ね。本当は大災害を引き起こしたのは言峰で、僕にこの世全ての悪の呪いをかけたのも言峰だったんだよ」

31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/06(火) 02:12:36.60 ID:M6U0q4XS0
士郎「そういや言峰がそんなことを言ってたな。大災害を起こしたのは自分だって」

切嗣「……細かいことは物語を面白くするためなんだ、って納得もできるよ。あんまり伏線に拘ってつまらなくなったら意味ないしね」

切嗣「だけどさ。流石にこれだけは変えちゃいけないだろう。言峰が黒幕どころか、言峰なんにも関係ないじゃないか。ただの蚊帳の外の部外者だ。やったことと言えば精々時臣を後ろから刺したのと、雁夜に火曜ミステリーっぽいことをさせたくらいだ」

切嗣「ジョジョで例えるなら、ジョースター邸が炎上したのはジョナサンのせいで、ジョナサンが死んだのは石仮面のせいってことになったのと同じだよ」

セイバー「そういえば言峰も『私と妻の最後の記憶が変わっていた』と嘆いてましたね」

切嗣「……あいつも、なんだかんだで自分と妻との記憶だけは弄って欲しくなかったんだろう」

35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/06(火) 02:25:31.38 ID:M6U0q4XS0
セイバー「そして最後にFate/Zeroの最も許し難いこと……それはFate/Zeroが第四次聖杯戦争、Fateの前日譚だったということにつきるのです」

士郎「?」

セイバー「もしもZeroがSNの後の話なら、ただのキャラ崩壊で済ませることもできました。しかしFate/Zeroは前の話だったのです。しかも主にufoの頑張りによりアニメは高クオリティー大反響」

切嗣「これらの相乗効果によりね。Fate/Zeroがデフォで正しいということになってしまったんだよ。そしてFate/stay nightの設定は間違っているということにされてしまったんだ」

セイバー「事がFate/Zeroに留まっていれば、私も我慢はできた。しかしあろうことかFate/Zeroはマナーの悪いにわかファンを生み、にわかファンによるFate/stay nightへの謂われない誹謗中傷を招いてしまったのです」

セイバー「私でいうと主に『前回の戦争で遅れを取ることはありませんでした』という発言が槍玉にあげられますね。あとついでに私がイリヤスフィールに気付かなかったというのにも余りにも無茶な言い訳がされてましたし」

切嗣「僕はまだFate/stay nightでは死んでるから被害は少なかった。ギルガメッシュや言峰も……性格が変わってる所はあったけど、まだどうにかなった」

切嗣「一番悲惨なのはセイバーだ。今やセイバー=騎士道馬鹿っていうのがデフォになってしまっているからね。これを最悪と言わず何と言えばいいんだ」

セイバー「……私はあんなキャラじゃありません。私が士郎にZeroの私と私は違うと言ったのはその為です」

士郎「なんか、ごめん」

38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/06(火) 02:37:07.65 ID:M6U0q4XS0
切嗣「と、言ってもFate/Zeroのアニメが高クオリティーだったということは否定しないし、イスカンダルを始めとして魅力的な登場人物が多くいたのも事実だ」

セイバー「こんな身形をしていますが私も大人ですから。一つの妥協をすることにしたのです」

士郎「妥協?」

セイバー「Fate/ZeroはFate/stay nightとは全く関係のない平行世界の出来事。プリズマ☆イリヤのようなものだと」

士郎「そ、それは……えっ、いいのか?」

切嗣「驚くことはないだろう。Fate/stay nightだってBAD ENDも含まれば四十以上もの未来があるんだ。なら第四次聖杯戦争のストーリーがアレだけと断言する事が誰に出来るんだい?」

士郎「なるほど」

39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/06(火) 02:40:24.16 ID:M6U0q4XS0
セイバー「Fate/stay nightのスピンオフ、前日譚としてFate/Zeroは酷く矛盾に溢れていますが、単体の作品として見る分には良い出来ですから」

切嗣「Fate/ZeroはFate/stay nightと語られた事と異なるから屑だ! ゴミだ! なんて言ってたら、SNを批判するマナーの悪いにわかファンと同じだからね」

切嗣「Fate/Zeroが好きだっていう人は不愉快な思いをするだろうし、こういうことは思ってても余り口にしちゃいけないことだ」

切嗣「ただ僕や>>1も人間だから、こうして偶には愚痴りたくなっちゃう時もあるんだけどね」

セイバー「そうです。最初期からFate/stay nightに触れ感動した人間としては」

切嗣「Fateルートのセイバーとの別れ、UBWでのアーチャーとの戦い、HFルートでの言峰とのラストバトル」

セイバー「ホロウでの日常やアンリとバゼット、カレンのやり取りも良かったですね」

士郎「爺さんとセイバー、苦労してるんだな」

セイバー「英雄にとって苦労などは常に共に歩いてきた友人のようなものです」

切嗣「それじゃセイバー、それに士郎。久しぶりに風雲イリヤ城でもやろうか。今日こそはイリヤ城まで辿りつくぞ」

セイバー「いいですね。負けませんよ切嗣」

士郎「これでも正義の味方を目指してる者としちゃ、現役を引退した爺さんに負けちゃいられないな」




 お し ま い

41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/06(火) 02:52:25.10
おつー

つまり矛盾云々を解消するにはZEROはあったかもしれない前日譚って事でいいのね

50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/11/06(火) 12:08:39.71
久しぶりにSNをやり直すべきかな
そう思ったわ

引用元: 士郎「Fate/Zero? これが十年前のセイバーか」セイバー「違います」