1: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:19:39 ID:TsoPulPE
幼「今までの関係が楽しくて」

幼「落ち着いてて」

幼「それが壊れてしまうのが怖かったけど」

幼「もう、自分の気持ちに嘘はつかない!」

幼「だから伝えるんだ…男に」

幼「大好きだって!」

2: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:20:01 ID:TsoPulPE
幼「…でもどうやって伝えよう」

幼「メールで…」

幼「いやいや、こんな大切な事は…」

幼「ちゃんと口で言わないと…」

幼「じゃあ電話で…」

幼「いやいや」

幼「やっぱり、直接言わないと…」

3: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:20:34 ID:TsoPulPE
幼「クリスマスに男の家に行って…」

幼「でも、おばさん達も居るもんね…」

幼「聞かれたら、恥ずかしいし…」

幼「…無理かな」

幼「いやいや!」

幼「せっかく決心したんだ!」

幼「絶対告白する!」

4: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:20:57 ID:TsoPulPE
幼「家じゃダメだとしたら…」

幼「外に呼び出して…」

幼「あ、場所は何処にしようかな?」

幼「そう言えば、中央公園のイルミネーションが綺麗だったなー」

幼「あそこで告白出来たら、なんか良いかな」

幼「うん!場所は公園にしよう!」

幼「問題はどうやって呼び出すか…だなぁ」

5: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:21:32 ID:TsoPulPE
幼「どうしよう…」

幼「クリスマスまであと二日しかないし」

幼「その間に何とかしなきゃ…」

幼「幼友ちゃんに相談してみようかな…」

幼「あ!そうだ!プレゼントも用意しなきゃ!」

幼「プレゼント渡して、思いの丈を伝えよう」

6: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:21:54 ID:TsoPulPE
幼「プレゼントは何にしようかな…」

幼「去年までは自分で焼いたケーキをプレゼントしてたけど」

幼「今年は何か…形に残る物にしよう!」

幼「…」

幼「悩み事が増えちゃった…」

幼「やっぱり明日、幼友ちゃんにちょっと相談してみよう」

幼「そうしよう」

7: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:22:24 ID:TsoPulPE


幼友「え?告白されるなら?」

幼「うん。告白されるなら、どう言う風にされたい?」

幼友「え?何?幼、私の事が好きなの?」

幼友「私、ノーマルなんで、告白されても困っちゃうよ?」

幼「え?ち、違うよ!そうじゃなくて!」

8: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:23:22 ID:TsoPulPE
幼「じゃあ、質問変えるね」

幼「好きな男子に告白するなら、どうする?」

幼友「んー?私なら、直接その男子の前に立って」

幼友「好きです!付き合って下さい!って言うかなー?」

幼「お、男前だね…」

幼友「何?幼、誰かに告るの?」

幼「え?あ、あの…」

9: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:24:04 ID:TsoPulPE
幼友「あぁ、誰かにじゃないよね」

幼友「男に告るんだよね?」

幼「あ、あの…」

幼友「ん?違うの?」

幼「…違わないです」

幼友「だよねー」

10: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:24:35 ID:TsoPulPE
幼友「でも何で急に?」

幼「あの…クリスマスにね」

幼「思い切って告白しようと思って」

幼友「ふふ。ロマンチックだねー」

幼友「乙女だねー、幼ってば」

幼「何かね、切っ掛けが無いと」

幼「いつまでも告白出来ないかと思って…」

11: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:25:10 ID:TsoPulPE
幼友「そっか。いよいよ告るのかー」

幼友「でも、私のやり方は、幼には無理だよね」

幼「そんなに男前な事はちょっと、無理…かな」

幼友「じゃあ、一緒に考えよっか?」

幼友「幼、一人で悩んで答え出ないから」

幼友「私に聞いてきたんでしょ?」

幼「う、うん…」

12: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:26:00 ID:TsoPulPE
幼友「んー。それにしても、あの朴念仁に告白かぁ」

幼友「はっきり好きって言わないと、伝わらないよね」

幼「うん。自分の気持ち的にもね。はっきり言いたいの」

幼友「じゃ、携帯じゃダメだよね」

幼「うん…ただ、どんな感じで伝えれば良いのか解らなくて」

幼友「呼びつければ?」

幼「それをどうやってやるかが問題なんだよー」

13: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:26:41 ID:TsoPulPE
幼友「そう?」

幼「メールで『用があるから、ちょっと』なんて送ったら」

幼「速攻電話かかってくるだろうし」

幼友「あー、そりゃそうだろうね」

幼友「『用って何?』って言いそうだー」

幼「多分、言われると思う…」

幼「だから悩んでるんだよー」

14: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:27:16 ID:TsoPulPE
幼友「手紙書けば?」

幼「手紙?」

幼友「そ。ラブレター」

幼「ラ、ラブレター…」

幼友「それならさすがに速攻電話掛かって来たりはしないでしょ?」

幼「うん!ラブレター良いかも!」

幼「書いた事無いけど、頑張ってみる!」

15: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:28:01
幼友「で?何て書くの?」

幼「え?」

幼友「呼びつけるんでしょ?何処に?何処で告白するの?」

幼「うーん…一応考えてはみたんだけど…」

幼友「どこに呼び出すの?」

幼「中央公園の…」

幼友「あぁ、あのイルミネーションの?」

幼「そ、そう…ベタかな?」

16: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:28:40 ID:TsoPulPE
幼友「超ベタだけど、良いんじゃない?」

幼友「あの鈍感に告白するなら、それくらいベタな方が良いよ」

幼「う、うん。ロマンチックな感じで、良いかなぁって」

幼友「うんうん、良いじゃん、そこで」

幼「ホント?ホントにそう思う?」

幼友「夜、呼び出すんでしょ?」

幼友「周囲、似たような人一杯だろうけどね」

17: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:29:10 ID:TsoPulPE
幼「う…カップルだらけかな?」

幼友「まぁ、そうでしょ」

幼「そんな雰囲気に耐えられるかな…」

幼友「そんな雰囲気だから、良いんじゃない」

幼友「鈍感な男も、雰囲気で解るでしょ」

幼友「…多分」

18: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:30:16 ID:TsoPulPE
幼「あ、あとね、プレゼントをあげようと思うんだけど」

幼「何にしようか迷ってるの」

幼友「去年まであげてなかったの?」

幼「去年までは手作りのケーキをあげてたんだけど」

幼「今年は、ちょっと特別な物をあげたいと思って…」

幼友「あれだ、あれ」

19: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:31:47 ID:TsoPulPE
幼「あれ?」

幼友「私自身がプレゼントでーす!的な?」

幼「え?えぇー?」

幼友「駄目か」

幼「駄目って言うか、む、無理…」

幼友「無理か…じゃあ…」

幼「何か、形に残る物が良いかなって思ってるんだけど」

20: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:32:55 ID:TsoPulPE
幼友「んー…人へのプレゼントって難しいなー」

幼友「うまい棒千円分とかじゃ駄目?」

幼「いや、それは食べたら無くなっちゃうから…」

幼友「駄目かー」

幼「形に残る物で、邪魔にならなくて」

幼「出来れば、いつも持ってて欲しい…かな?」

幼友「うーん。難しいね」

21: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:33:37 ID:TsoPulPE
幼友「手編みのマフラー!ってのは?」

幼「時間が無いよ…」

幼友「じゃあ、普通にマフラー買ってプレゼントは?」

幼「男は今年の冬、新しいマフラー買っちゃってるんだよ」

幼「私と、男のお母さんで一緒に選んだんだー」

幼友「むー…じゃあ、服とか?…違うかー」

幼「うーん、違うかなー」

22: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:34:07 ID:TsoPulPE
幼友「でも普段身につける物って言ったら…」

幼友「アクセサリー?でも男は身に着けそうに無いよね」

幼「多分…」

幼「あ!普段絶対持ち歩いてくれる物があった!」

幼友「え?何?」

幼「お財布!」

幼友「あぁ、良いね、財布」

23: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:34:40 ID:TsoPulPE
幼「そう言えば、最近財布買い換えようかって話してたや」

幼友「じゃあもう決まりじゃん」

幼「うん!今日、帰りに買いに行ってくるよ」

幼友「私も一緒に行っても良い?」

幼「うん!」

幼友「…私も何か買おっかな」

24: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:36:32 ID:TsoPulPE


幼友「これとか良くない?」

幼「うーん?派手過ぎないかな?」

幼友「そうかなー。カッコ良いじゃん?ヒョウ柄」

幼「男にはあんまり似合わないかなー」

幼友「そっかー。それじゃあ…」

25: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:37:08 ID:TsoPulPE
友「お?幼友に幼ちゃんじゃん」

幼友「あら。あんたこんな所で何してんの?」

友「ちょっとお使い頼まれてな」

友「そっちは?」

幼「ちょっと財布を見てたんです」

友「お?そのヒョウ柄の財布カッケーな!」

26: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:38:05 ID:TsoPulPE
幼友「カッケーかな?コレ」

友「おう!それいくらだ?」

幼友「4980円だね」

友「うぉぉ、1000円足りねぇ…」

幼友「何?買うつもりだったの?」

友「丁度財布買い換えようと思ってたんだ」

友「だが、金が足りん!出直してくる」

27: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:38:41 ID:TsoPulPE
幼友「だが残念、この財布は私が買ってしまうのでした」

友「あんだと?」

幼友「私が先に見つけたんだし」

友「ぐ…ま、まぁ財布くらい別にいつでも買えるし!」

幼友「へっへっへ。負け犬の遠吠えご苦労様」

友「バーカバーカ!」
タッタッタ

幼友「…バカはどっちだっつー話しよね」

28: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:39:20 ID:TsoPulPE
幼「幼友ちゃん、本当にその財布買うの?」

幼友「あぁ、うん。買うよー」

幼友「幼は?どれにするか決めた?」

幼「ちょっと高いけど、この革の財布にしようかなぁって」

幼友「おぉ、良いじゃん?…確かに高いけど」

幼「記念に残る品にしたいから…」

幼友「それじゃ、会計してこようか!」

幼「うんっ」

29: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:39:41 ID:TsoPulPE


幼友「あとは…手紙を書いて渡す…だねー」

幼「手紙は今晩書くよ」

幼友「どうやって渡すの?」

幼「私の家と男の家、イブの夜は毎年合同でパーティするから」

幼「その時に、渡そうかな…と」

30: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:40:59 ID:TsoPulPE
幼友「ん?パーティーって夜だよね?」

幼「ううん。今年のイブはお休みだから、お昼にやるんだー」

幼友「あ、その後、二人で抜け出すって事かー」

幼「…男、来てくれるかなー」

幼友「あいつは鈍感だけど、頼まれた事を断る様なやつじゃないでしょー」

幼「そ、そうだよね」

31: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:41:34 ID:TsoPulPE
幼「手紙、上手に書けるかな…」

幼友「上手に書く必要なんて無いよ、幼」

幼「え?」

幼友「幼の気持ちがこもってれば、それで良いと思う」

幼友「男は鈍感だけど、幼の気持ちには気付いてくれると思うよ?」

幼「うん…頑張って書いてみるね!」

32: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:42:25 ID:TsoPulPE


幼「幼友ちゃん、今日はありがとうね」

幼友「いやいやー。私は別に何もしてないけどねー」

幼友「頑張りなよ、幼。応援してるからね」

幼「ありがとう、幼友ちゃん」

幼友「じゃーねー」

幼「またねー」



幼友「…さて、私はどうすっかな」

33: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:43:01 ID:TsoPulPE


幼「さて、ラブレター」

幼「どう書こう…」

幼「好きですって書くべきかな?」

幼「いやいや…公園で告白するんだから」

幼「呼び出すだけで良いんだ」

幼「『男へ。今晩9時に、中央公園の噴水前まで来て下さい』」

幼「…何か素っ気ないかな?」

34: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:43:37 ID:TsoPulPE
幼「でも、他に書く事無い…」

幼「これだけ見たら、果たし状みたいかな?」

幼「うーん…」

幼「じゃあ、もうちょっと足そうかな」

幼「『男へ。私から大切な話しがあります』」

幼「『男の家族や私の家族には知られない様に』」

幼「『今晩9時に、中央公園の噴水前まで来て下さい』」

35: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:44:07 ID:TsoPulPE
幼「ちょっと増えたけど…やっぱり素っ気ないかな?」

幼「でもこれ以上は書く事ないから…これで良いかな?」

幼「それじゃこれを可愛い便箋に…」

幼「便箋は可愛くない方が良いかな?」

幼「封筒も、便箋も目立たない感じに…」

幼「文章量も少ないし…」

36: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:45:03 ID:TsoPulPE
幼「便箋に入れるまでもないかな?」

幼「一枚の紙に書いて、折り曲げて小さくして」

幼「パーティ終わる時、男にそっと渡そう」

幼「うん!我ながら良い考え!」

幼「それじゃ、この紙に…」


37: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:46:16 ID:TsoPulPE



幼父「男!お前もこっちきて飲め!」

男父「もう四捨五入したら成人だろ?飲め飲め!」

男「飲めるわけないだろ!」

幼母「全く…おっさん二人は、もうデキあがってるわね」

男母「まぁ、年に何回もある事じゃないし、大目に見ましょう」

幼母「そうね」

幼「クリスマスパーティだもんね!」

38: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:46:59 ID:TsoPulPE
幼母「幼、ちょっとテンション高い?」

幼「え?な、何が?」

幼母「まさか、お酒飲んだんじゃないでしょうね?」

幼「そんな。まさかだよー」

男母「でも、何かそわそわしてるように見えるわね?」

幼「パ、パーティで、ちょっと浮かれてるんですよっ」

幼母・男母「…ふぅん?」

39: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:47:21 ID:TsoPulPE
男「おーい、母ちゃん。ビール2本追加だってさー」

男「あと、つまみが足りねーってさ」

男母「はいはい…ちょっとペース早いわね」

男「昼間っから、酔っ払うって、良い身分だよな」

幼「そ、そうだよねー。まったくお父さんたちってば」

男「俺、ちょっとトイレ行ってくるわ」

男母「それじゃ幼ちゃん、これ運んでもらえる?」

幼「はーい」

40: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:47:57 ID:TsoPulPE
幼父「おー、幼ちゃん。ちょっとココに座りなさい」

幼「何?お酌?」

幼父「あ、お酌も頼みたいけど…」

幼「けど?」

幼父「母ちゃん達には内緒で、聞きたい事がある!」

男父「幼ちゃん、本当の事を答えてくれな?」

幼「は、はい?」

41: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:49:07 ID:TsoPulPE
幼父「男と付き合ってないってホント?」

幼「え?」

男父「さっき男に聞いたら、そんな事無いって言ってたんだよ」

幼「そ、その…お付き合いはしてないよ?」

幼父「そんな馬鹿な?」

男父「へっへっへ。賭けは俺の勝ちだな?」

幼「賭け?」

42: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:49:56 ID:TsoPulPE
幼父「俺は付き合ってる方に、こいつは付き合ってない方に賭けたんだ」

男父「ウチの息子を侮るなよ?」

男父「あいつは俺に似て、鈍感朴念仁だ!」

幼父「あの野郎、どこに目ん玉つけてやがるんだ…」

幼父「ウチの娘の何処に不満があるってんだ…」

男父「鈍感の目には何にも映ってねーのさ、ははは」

幼(自分の息子の事、そこまで言わなくても…)

43: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:50:36 ID:TsoPulPE
幼「お父さん達、お酒はそろそろ控えた方が良いよ?」

幼父「いいじゃあねぇか!クリスマスイブだぜ?」

男父「ケンタッキーのおっさんに感謝だぜ!」

幼(ケンタッキーは関係無いと思うけど…)

男「幼、もうこっちいいぞ」

男「酔っ払いの相手、疲れるだろ?」

幼「あ、じゃあ後宜しくね?」

44: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:51:37 ID:TsoPulPE



幼父・男父「グガーグガー」

男「みっともねぇ顔だなぁ、二人とも」

幼「ふふ、そうだね」

男「写メ写メっと」
カシャッ

幼「それじゃ、こっちの後片付け始めようか」

男「おう」

45: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:52:15 ID:TsoPulPE
ガチャガチャ
男「しっかしまた沢山飲んだなぁ…」

幼「料理も完食だったねー」

男「ま、普段こう言う事に縁が無いからな」

男「たまには良いだろ」

幼「そうだねー」

46: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:52:48 ID:TsoPulPE
男「全部お盆に載せたな?」

幼「うん」

男「んじゃ、流しに運ぶぞー」

幼「あ…」

男「ん?まだ何か残ってるか?」

幼(い、今がチャンスかも?)

47: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:53:11 ID:TsoPulPE
幼「あ、あのね男」

男「んー?早く載せてくれー」

幼「これ、私たちが帰った後、一人で読んでねっ」
サッ

男「ん?今俺のズボンのポケットに何か入れた?」

幼「手紙」

男「ん?手紙?」

48: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:53:57 ID:TsoPulPE
男「今読んじゃ駄目なのか?」

幼「い、今じゃなくて!私たちが帰ってから!」

幼「一人で読んで!絶対だよ!」

男「お、おう」

幼「それじゃ、洗い物を流しに運ぼう?」

男「了解っと」

49: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:54:36 ID:TsoPulPE


幼母「それじゃ、お邪魔しました」

幼「お邪魔しましたー」

男母「楽しかったわ。またねー」

男母「今度はお正月かしらね?」

幼母「ふふ。そうかもね」

男「気をつけてなー…って言っても、すぐ隣りだけど」

幼「じゃ、じゃあね、男」

50: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:55:10 ID:TsoPulPE
幼「男、忘れないでよね?」

男「ん?あ、あぁ。オッケー」

幼母「それじゃ、ほら、しっかり歩きなさい!」

幼父「おぉう…だ、だいじょぅぶ…」

幼母「全然大丈夫じゃないでしょ!」

幼父「…俺はまだ行ける!どこまでも!」

幼父「おぉぇー」

幼母「ちょっと!吐かないでよ?」

51: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:55:50 ID:TsoPulPE


幼「今、六時か…」

幼「プレゼント、オッケー」

幼「気合の入った勝負服、オッケー」

幼「覚悟…オッケー!」

幼「ちょっと早いけど、もう出よう」

幼「出る所、被りたくないし」

52: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:56:40 ID:TsoPulPE


幼「わぁ…雪、積もってきてる…」

幼「寒いと思ったー」

幼「ホワイトクリスマスだー」

幼「もっと積もるかなー?」

幼「ふふっ。積もったら、雪合戦とかするかなー」

53: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:57:03 ID:TsoPulPE
幼「…」

幼「昔は雪が降ったら、色々やったなー」

幼「雪ウサギをいーっぱい作ったり」

幼「少ない雪で、真っ黒いカマクラ作ったり」

幼「…楽しかったなぁ」

幼「…」

54: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:57:34 ID:TsoPulPE
幼「告白して、断られたら…」

幼「もうそんな事も出来なくなるのかなー」

幼「…それは嫌だなー」

幼「…告白、止めちゃおうかなー」

幼「…でも、もう手紙渡しちゃったし」

幼「駄目駄目!頑張れ自分っ!」

幼「もう自分の気持ちに嘘付かないって決めたんだからっ!」

55: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:58:11 ID:TsoPulPE
幼「ん?あのおばあちゃん…」

お婆ちゃん「…」キョロキョロ

幼「おばあちゃん、どうしたんですか?」

お婆ちゃん「あぁ、ちょっとねぇ…」

お婆ちゃん「駅まで行きたいんだけどねぇ」

お婆ちゃん「道が解らなくなっちゃってねぇ」

幼(ここから駅までって…全然反対方向だ)

幼(…時間はまだあるし)

56: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 21:59:20 ID:TsoPulPE
幼「おばあちゃん、私が駅まで案内しますよー」

お婆ちゃん「そんな、いいんですよぉ」

お婆ちゃん「あなた、そんなおめかしして」

お婆ちゃん「何処かへお出かけする途中でしょう?」

お婆ちゃん「私なんかに構わずに、ね?」

幼「大丈夫です。時間まだまだありますし」

幼「この辺り、道解りにくいですしね」

57: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 22:00:55 ID:TsoPulPE
お婆ちゃん「とっても助かるけど…良いの?」

幼「はい!さ、駅はこっちですよー」

お婆ちゃん「ありがとうねぇ」

幼「おばあちゃんは?電車に乗ってどこかにお出掛けですか?」

お婆ちゃん「久しぶりに息子が帰って来るもんでねぇ」

お婆ちゃん「駅まで迎えに行こうと思って」

お婆ちゃん「久しぶりに外に出てみたんだけどねぇ」

58: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 22:01:23 ID:TsoPulPE
お婆ちゃん「途中で、道が解らなくなっちゃってねぇ」

お婆ちゃん「年は取りたくないわねぇ」

幼「おばあちゃんのお家はどこですか?」

お婆ちゃん「○○町よぉ」

幼「じゃあ、結構歩いて来たんですんねー」

お婆ちゃん「そうなのー」

59: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 22:02:38 ID:TsoPulPE
お婆ちゃん「私、五年前にちょっとだけ足を悪くしちゃってねぇ」

お婆ちゃん「あまり外に出なくなっちゃってねぇ」

幼「それでも、息子さんを迎えに行くんですね」

お婆ちゃん「ごめんなさいねぇ。ご迷惑をお掛けして」

幼「全然迷惑じゃないですよー」

幼「駅につけば、息子さんが待ってますよ!」

幼「大丈夫ですからねー」

お婆ちゃん「お嬢ちゃんは本当に優しい子だねぇ」

60: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 22:03:18 ID:TsoPulPE
お婆ちゃん「おめかしして、今日はデートかい?」

幼「い、いえ、デートって言うか…」

幼「私、好きな人が居て」

幼「今日、その人に告白しようと思って…」

お婆ちゃん「あらあら…それは一大事ねー」

幼「えへへ。実はそうなんですよ」

お婆ちゃん「でもお嬢ちゃんならきっと大丈夫よ」

お婆ちゃん「こんなに可愛くて、優しい娘なんだもの」

61: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 22:04:52 ID:TsoPulPE


お婆ちゃんの息子さん「本当にどうもありがとうございます」

お婆ちゃん「本当にねぇ。ありがとうねぇ」

幼「いえいえー」

息子さん「何かお礼を…」

幼「全然気にしないで下さい!私、用事があるのでこれで…」

お婆ちゃん「あ、お嬢ちゃん、これあげる」

62: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 22:05:24 ID:TsoPulPE
幼「あ、私が好きなレモン味の飴だー」

お婆ちゃん「こんな物しか持ってなくて…ごめんねぇ」

幼「いえいえ、嬉しいです。ありがとうございますっ」

幼「それじゃ、私はこれで」

息子さん「本当にどうも!」

お婆ちゃん「お嬢ちゃん、上手く行くと良いねぇ」

幼「はいっ」

63: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 22:06:00 ID:TsoPulPE


幼「7時半か…まだまだ余裕!」

幼「この駅から公園までなら、15分で着く…はず!」

幼「よし!ゆっくり行こう」

バタッ

幼女「うわぁぁぁぁぁん!」

幼「お、お嬢ちゃん、大丈夫?」

64: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 22:06:45 ID:TsoPulPE
幼女「いたいよぉーーーうわぁーーーーん」

幼「ほら、大丈夫だからねー」

幼(確か鞄の中に…)
ガサゴソ

幼「お嬢ちゃん、コレ見てー」

幼女「うぅ…ぐすっ…それなぁに?」

幼「これはねー、お姉ちゃんがサンタさんから貰った」

幼「魔法の絆創膏なんだよー」

幼女「サンタさんから!?」

65: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 22:07:12 ID:TsoPulPE
幼「そう!これはすっごいよー」

幼「お嬢ちゃんの足に貼るよー」

幼女「うんっ」

幼「はい、魔法の絆創膏貼ったから、もう痛くないでしょう?」

幼女「サンタさんのだから?」

幼「そう。凄いでしょ?」

幼女「うん!もう痛くない!」

幼「良かったねー」

66: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 22:07:38 ID:TsoPulPE
幼「お嬢ちゃんは一人で来たの?」

幼女「幼女ねー、ママときたのー」

幼「幼女ちゃんのママはどこかなー?」

幼女「幼女がお花見てたら、ママいなくなってた…」

幼女「うぅ…ママ…どこー?」

幼(迷子だったんだ…駅員さんに…)

67: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 22:08:06 ID:TsoPulPE
幼女「ぐすっ…ひっく…」

幼女「うぅ…うわーん」

幼「幼女ちゃん、これ上げる」

幼女「ぐすっ…あめだま?」

幼「そう。これも魔法の飴玉なんだよー」

幼女「これも?」

68: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 22:08:42 ID:TsoPulPE
幼「これなめたら、すぐママが見つかるよー」

幼「だから、はい、どうぞ」
ペリペリ

幼女「おねえちゃん、ありがとう!」
パクッ

幼「ちょっとお姉ちゃんと一緒に、駅員さんの所に行こうか」

幼女「うんー」

69: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 22:09:18 ID:TsoPulPE


幼女の母「幼女ちゃん!」

幼女「マーマー!」

駅員「すぐ見つかって良かったですね」

幼女の母「本当にどうもありがとうございます!」

幼「いえいえ。私はここに連れてきただけなので」

幼「無事に会えて良かったです」

幼「それでは、私はこれで…」

70: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 22:09:40 ID:TsoPulPE
幼女の母「あのっ!な、何かお礼を…」

幼「い、いえ、そんなのいりません」

幼「幼女ちゃんと一緒にお出掛け、楽しんで来て下さい」

幼女「魔法のおねえちゃん、ありがとう」

幼「えへへ。幼女ちゃん、ママと一緒に楽しんで来てね」

幼女「うんっ!」

幼女の母「本当にありがとうございました!」

幼女「おねえちゃん、ばいばーい!」

71: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 22:10:11 ID:TsoPulPE


幼「ふぅ…今の時間がっと」
ピッ

幼「あっ…もう八時だ」

幼「ちょっと急ごうかな」

妊婦さん「うっ、いたたたたっ」

幼「だ、大丈夫ですか?」

72: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 22:11:01 ID:TsoPulPE
妊婦さん「だ、大丈夫じゃ、無いかも…」

妊婦さん「ご、ごめんなさい、救急車呼んで貰えないかな?」

幼「は、はい!」
ピッピッ

幼「す、すみません!救急車お願いします!」

幼「妊婦さんが、倒れてて…早くお願いしますっ!」

73: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 22:11:38 ID:TsoPulPE


バタン
救急隊員「それじゃ、通報どうもありがとう」

幼「い、いえ。妊婦さん大丈夫ですか?」

救急隊員「破水してるし、陣痛も来てるから」

救急隊員「もうすぐ生まれるはずだよ」

救急隊員「それじゃ!」

幼「はい」

ピーポーピーポー

74: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 22:12:24 ID:TsoPulPE
幼「はぁ…ビックリしたー」

幼「でも元気な赤ちゃんんが生まれると良いな」

幼「…」

幼「あ!時間!もう8時半だ!」

幼「急がなきゃ!」

幼「ひょっとしたら、男もう来てるかも…」
タタッ

ツルッ

幼「あっ!」

ゴツッ



75: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 22:12:57 ID:TsoPulPE


幼「うーん…」

女医「あら、目が覚めた?」

幼「はっ!?私…」

女医「道で滑って、頭を打ったらしくてね」

女医「救急車で運ばれてきたの」

幼「あっ…てて…ちょっと痛いです」

女医「雪のせいで道が凍ってたのね」

女医「気を付けないとダメよ?」

幼「は、はい…どうもありがとうございます」

76: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 22:13:39 ID:TsoPulPE
幼「あ、私の荷物はどこですか?」

女医「あー…ここにあるけども…」

幼「あ…」

女医「あなたが転んだ時、下敷きになっちゃったみたいね」

女医「服はそれほど汚れてなかったけど」

女医「鞄の中身は潰れちゃってて…」

女医「連絡先を知りたくて、中を見させてもらったけど」

女医「携帯も壊れちゃっててね」

77: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 23:49:42 ID:TsoPulPE
女医「だから、あなたが目を覚ますまで、私が傍で待ってたって訳」

幼「す、すみません…クリスマスなのに」

女医「そんな事は気にしなくて良いのよ。別に用事も無いしね」

幼「用事…」

幼「い、今何時ですか?」

女医「今?11時50分ね」

幼「じ、11時50分!?」

78: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 23:50:09 ID:TsoPulPE
幼「わ、私、行かなきゃ!」

女医「まだ寝ていた方が…」

幼「行かなきゃいけないんです!」

女医「…何か、大事な用があるのね?」

幼「はいっ!」

79: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 23:50:47 ID:TsoPulPE
女医「それじゃ、今度は転ばない様に気をつけてね?」

幼「はいっ」

幼「後日お礼に伺いますんで!」

女医「あはは、気にしないで。お大事ね」

幼「それじゃ、失礼しますっ」
ペコッ
タタタッ


女医「今日はイブだもんね…可愛い格好してたし」

女医「上手くいくと良いわね」

80: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 23:51:45 ID:TsoPulPE


幼「あ…雪、積もってる…」

幼「もう3時間も過ぎちゃって…」

幼「今日、告白するって決めてたのになぁ…」

幼「…」

幼「でも、公園までは行こう!」

幼「男は待って居るような気がする」

81: ◆L0dG93FE2w 2012/12/24(月) 23:52:30 ID:TsoPulPE
幼「ここからなら10分くらいで公園に行ける」

幼「男が居たら…その時は…」

幼「雪、結構積もってるから、すこし走れるかな?」

幼「転ばないように、気をつけて…」
タタッ


幼「見えた、噴水!」

82: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:00:00 ID:vvzGnBus
リーンゴーン…

83: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:00:42 ID:vvzGnBus
幼「あ…この音…」

幼「教会の鐘の音だ…」

幼「0時の鐘の音だ…」

幼「告白…出来なかったな…」

幼「ぐすっ…」



男「幼!」

84: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:01:14 ID:vvzGnBus
幼「お、男?」

男「おい、大丈夫か?心配したんだぞ?」

男「携帯にかけても繋がらないし」

男「幼の家に電話しても、出掛けたって言うし」

幼「あ、あの…私…」

男「本当に心配したんだぜ?」

85: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:01:50 ID:vvzGnBus
男「…ん?可愛い服だけど…ちょっと汚れてるな?」

男「本当に、何かあったのか?」

幼「だ、大丈夫」

男「幼、泣いてるのか?」

幼「ううん、大丈夫」

幼「ちょっとだけ、ね。思うところあってね」

幼「別に怪我したとか、そう言うのじゃないから、大丈夫だよっ」

男「…」

86: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:02:19 ID:vvzGnBus
幼「それより、こんな雪の中、3時間も待たせちゃって本当にごめんね」

男「それは気にするなよ」

男「俺が待って居たかったんだ」

男「探しに行こうかとも思ったけどさ」

男「すれ違いになるのは嫌だったし」

男「幼は絶対来るって信じてたしな」

87: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:02:46 ID:vvzGnBus
幼「ありがとう、男」

男「そんで、やっぱり幼はここに来たしな」

男「大事な話しがあるんだろ?」

幼「うん、あのね、男」

幼「その…今日ここに呼び出したのはね…」

幼「き、聞いて欲しい事があってね」

男「家じゃ言えない事なんだよな?」

幼「う、うん…」

88: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:03:50 ID:vvzGnBus
幼「あ、まずプレゼントがあってね」
ガサゴソ

グチャッ…

幼「あ…」

幼(転んだ時、踏んづけちゃったんだ…)

男「お?これ?開けて良い?」

幼「せっかく包装したのに、グチャグチャに…」

89: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:04:19 ID:vvzGnBus
男「どうせすぐ開けるんだから、気にしないよ」
ガサガサ

男「おぉー!カッコ良い財布!」

幼「先週、財布買い替えようかなーって言ってたでしょ?だから…」

男「一生大事にするよ!」

幼「えへへ、喜んでもらえて私も嬉しいよ」

90: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:04:50 ID:vvzGnBus
幼「それでね」

幼「本当は昨日…クリスマスにね」

幼「言うつもりで決心してたんだけどね」

幼「間に合わなかったけど、これだけはどうしても言いたくて」

幼「男君、あなたの事が好きですっ!」

幼「私とお付き合いして下さいっ!」
ペコッ

男「お、おぅ…て言うか、幼さん」

91: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:05:46 ID:vvzGnBus
幼「ん?」

男「け、結構大声だったな」

幼「え?」

ザワザワ

幼「あっ…」

幼(いっぱい人が居るの忘れてた…)

男「ち、ちょっと移動すっか」

幼「う、うん…」

92: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:06:31 ID:vvzGnBus
幼「な、何かごめんね?」

男「いやいや。大丈夫だけどさ」

幼「カップルだらけだって事、忘れてたよ…」

男「あー、あのさ幼」

幼「ん?何?」

男「昼のパーティの時は家族皆でだったけど」

男「改めて、幼だけに言いたい」



男「メリークリスマス、幼」

93: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:06:57 ID:vvzGnBus
幼「あ、あの…」

男「何で驚いた顔してるんだ?」

男「0時まわったから、今日がクリスマスだろ?」

幼「そ、そうだね」

男「大体、皆イブに騒ぎすぎなんだよな」

男「キリストの誕生日は今日だってのにさー」

幼「…」

94: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:07:31 ID:vvzGnBus
男「だから、クリスマスに告白するって言う幼の決心はさ」

男「ちゃんと果たされたんじゃね?」

幼「うん…そうだね。今日がクリスマスだもんね!」

幼「えへへ。やっぱり男は言う事が違うなぁ」

男「…やっぱり幼は笑った顔が一番だな」

男「そんな幼の事が昔から好きだったんだ」

幼「えっ?」

95: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:08:23 ID:vvzGnBus
男「隣りの家の幼馴染っていう関係がさ」

男「とっても心地よくてさ」

男「壊したくなくて」

男「俺、ずっと逃げてたんだよな」

男「改めて言わせてもらうけど」

男「幼、俺もお前の事が好きだ」

男「俺と付き合ってくれ」
ペコッ

96: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:09:06 ID:vvzGnBus
幼「えへへ、顔上げてよ、男」

男「…」

幼「私たち、お互い同じようなこと考えてたんだね」

幼「気持ち繋がってた気がして、嬉しいよ」

男「お、おう。俺も嬉しいよ」

97: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:09:39 ID:vvzGnBus
男「俺たち、正式に付き合うって事で良いんだよな?」

幼「よろしくお願いします」
ペコッ

幼「…でも、お付き合いするって言っても」

幼「今までと変わらないんじゃ、しょうが無いから…」

男「う?」

幼「えいっ」

ぎゅっ

98: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:10:25 ID:vvzGnBus
男「お、おぅ」

幼「男もぎゅってして?」

男「おう…大胆だな、幼」

ぎゅっ

幼「…こうしてると暖かいね」

男「そうだな、暖かいな」

99: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:10:59 ID:vvzGnBus
幼「あ、また雪が降って来たよ」

男「ホワイトクリスマスって、何か良いよな」

幼「風情があって、ね」

男・幼「…」

幼「クリスマス…ちゃんと伝えられて良かった」

男「俺も、良かったよ」

100: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:11:29 ID:vvzGnBus
幼「ね、キスしても良い?」

男「う?と、突然だな…」

幼「嫌?」

男「い、嫌じゃ、ないけど…」

幼「イエス様の誕生日に、ノーは無いよねっ?」

男「イ、イエス…」




ちゅっ



おわり
だけどちょっとだけおまけあり

101: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:12:02 ID:vvzGnBus
ガンガンガン

幼友「おーい。起きてるんでしょー?」

ガラガラ

友「んだよ、今ゲーム中なんだけど」

幼友「ほら、これ」
ぽいっ

友「ん?」
ぱしっ

102: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:12:30 ID:vvzGnBus
友「なんだこれ?」

幼友「今日何の日か知ってる?」

友「は?別に何の日でもねーよ」

幼友「クリスマスも知らないの?」

友「クリスマスは3年くらい前から中止になったはずだ!」

幼友「あ、そ?でも今年は開催されたみたいよ」

103: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:13:02 ID:vvzGnBus
友「て事はこれ、プレゼントか?」

友「お前が俺に?」

幼友「まあね」

友「開けていいか?」

幼友「ご自由にどうぞ」

友「…」
ガサガサ

104: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:13:36 ID:vvzGnBus
友「おぉ!ヒョウ柄の財布!」

友「超カッケー!」

友「マジ貰って良いのか?」

友「自分が使う為に買ったんじゃねーの?」

幼友「違うわよ」

幼友「それ、プレゼント用に買ったの」

友「俺の為に買ったのか?」

105: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:14:17 ID:vvzGnBus
幼友「あら。鈍感な癖によく解ったわね」

幼友「あんたの為に買ったのよ」

友「お、おぅ…そうなのか」

幼友「友、好きだよ」

友「は、はあ?いきなりどう言う事だよ?」

幼友「好きです、付き合って下さいって事」

106: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:14:47 ID:vvzGnBus
友「マジで?」

幼友「マジよ。で、返事は?」

友「お、おぅ…」

幼友「はっきり、返事くれるよね?」

友「俺もお前の事、ずっと好きだったさ」

幼友「…だったって過去形?」

友「ち、違う!好きだって事をだな…」

107: ◆L0dG93FE2w 2012/12/25(火) 00:15:14 ID:vvzGnBus
幼友「じゃ、私と付き合ってくれる?」

友「こっちの台詞だっつー話しだよ」

幼友「じゃ、久々にちょっとそっちに行っても良い?」

友「お、おう…気をつけて渡れよ」

ヒョイ
幼友「お邪魔しまーす」

友「い、いらっしゃい」

幼友「問答無用っ!」

友「は?」

ガシッ

チュッ


幼友「メリークリスマス、友」



ほんとにおわり

111: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/12/25(火) 01:39:27
乙。幼馴染はラブラブちゅっちゅに限るよね

引用元: 幼馴染「クリスマス…ちゃんと伝えるんだ」