1:2020/02/06(Thu) 22:37:38
桃の家 朝

チュンチュン

桃「ん……、もう朝か…」

桃「……」

桃「けど…、なんだか嫌な夢をみてがあんまりうまく寝れなかった気がする…、
まあいいや。今日は学校休みだし」

桃「二度寝でもしようかな…」

……

?「ん…」もぞもぞ…


桃「(って…あれ?誰かベッドにいるような…)」

……

桃(9歳)「ふああ…もう、朝…か」

桃「」
2:2020/02/06(木) 22:46:38.528 ID:Thz/25QK0.net
……

シャミ子「ど、どうしたんですか桃っ!めずらしく大声あげてっ、いったい何が!?」バンッ

桃「あ…いや、あ、あの」

シャミ子「え…?」

桃(9歳)「……」

シャミ子「あ、あれ…、あなたは、確か…、あれ?」

桃「だ、だれ、君は……?なんでわたしのベットの中に…?」

桃(9歳)「わたしは、千代田桃。魔法少女やってる小学生だよ」
9:2020/02/06(Thu) 23:04:38
……

シャミ子「これは一体どういうことなのでしょう、ごせんぞ…」

リリス「余にもよくわからぬが、何やら魔力がらみの何かであることは確かだな」


桃「……、もう一回きくけど…、君は一体何者なの?」

桃(9歳)「だからさっきから何度もいってる。私は千代田桃。魔法少女」

桃「違うっ、千代田桃はわたし!そんな小さいころの私の姿して
現れて君はどこのだれ!?いったい何のつもりなのっ!?」

桃(9歳)「もういい。らちが明かない。シャミ子お姉ちゃんも私のこと知ってるよね?久しぶり」

シャミ子「え…?」

桃「んな…っ!無視!?」
11:2020/02/06(木) 23:18:13.148 ID:Thz/25QK0.net
桃「う、うっさいって…、今、うっさいって言ったよ、コイツっ!
シャミ子っ!絶対腹黒で性悪な子供だよ、コイツ、いいから離れてっ!」

シャミ子「桃、子桃ちゃんがそんなこと言うわけないじゃないですか。それより
桃のほうこそ、こんな小さい子相手にコイツコイツって…、口悪いですよ…もう」

桃「んなっ…、しゃ、シャミ子!もういいからそいつから離れてっ」

子桃「シャミ子お姉ちゃん…、なんだかこの桃色の女の人、怖いよ…」ぎゅう

桃「!!??」

シャミ子「あ、ごめんなさいね子桃ちゃん。桃は普段、こんな感情むき出しで
怒ったりしなんですけど…よしよし」

子桃「えへへ…シャミ子お姉ちゃん、あったかい」すりすり

桃「………っ!」
13:2020/02/06(木) 23:26:53.118 ID:Thz/25QK0.net
リリス「おほおっ、シャミ子の大きな胸に顔を押し付けてすりすりするとは…
やるのう、子桃よ」

桃「ちょ、ちょっといい加減にシャミ子から離れ…!」

がっしゃああんっ

シャミ子「桃!?」

桃「あいたた…、んな…!わ、わたしを投げ飛ばすだなんて…!それに
いつの間に変身フォームにっ!」

子桃「桃お姉ちゃん…、魔法少女としての活動、何年もしてなかったでしょ?」

子桃「そんな体たらくなダメダメ魔法少女が魔法少女現役バリバリのわたしに
つっかかってくるなんて無駄。相手にもならない」

桃「んなっ…、と、年上のわたしにむかってなんて生意気なっ!高校生
をなめると痛い目にあうよっ!」

シャミ子「ちょ、ちょっと桃っ!桃まで魔法少女に変身して何おっぱじめようと
してんですかっ!?」
14:2020/02/06(木) 23:27:24.693 ID:1FCPWLiGd.net
自分に嫉妬する女
17:2020/02/06(木) 23:36:05.855 ID:Thz/25QK0.net
ドタドタ…

ミカン「なんだか桃の部屋が騒がしい気がするけど、何やってるのかしら?
まあいいわ。桃、柑橘類持ってきたから一緒に食べ…」がらっ

桃「ミカンっ!ちょうどいいところに来た!そいつ、捕まえて!早くっ
悔しいけど、手ごわいっ!」

ミカン「え!!?何この子っ!ち、小さいころの桃そっくりっ!や、やだっかわいいっ!
恰好もきゃわわ系じゃ…っ」

子桃「せいっ」

ミカン「きゃあっ!」がちゃーん

桃「ミカンっ!姿形が幼いころの私だからって油断しちゃだめっ!」

ミカン「きゅう…」

子桃「無駄だよ、もう、今の攻撃でミカンを気絶させたから。
ミカンに距離を取られたら私に勝ち目はないけど…、至近距離ならわたしのほうが有利」

桃「(ミカンのことも良く知ってる…!この子、ホントに昔のわたしなの…!?)」
18:2020/02/06(Thu) 23:48:10
子桃「桃お姉ちゃんもこれでトドメ。フレッシュピーチハート…あいたっ」

シャミ子「こら、部屋の中で暴れちゃだめじゃないですかっ
ちゃんとミカンさんと桃に謝ってくださいっ」

子桃「え…けど…、桃お姉ちゃんが先に突っかかってきたし…」ぶす

シャミ子「だれであれ、みんなが仲良くなることが私のポリシーですから、
ちゃんと二人に謝ってくださいね」

子桃「……、わかった」

桃「……」

子桃「その代わり、わたし運動して汗かいちゃったから。
シャミ子お姉ちゃん、後で一緒にお風呂入ってくれる?」

シャミ子「え?ええ、いいですよ、それくらい」

桃「」ブチ
19:2020/02/06(木) 23:59:20.758 ID:Thz/25QK0.net
子桃「そっか、わかった。それじゃ謝るね、ごめんね、桃おねえちゃ…、ぐえっ!」

桃「何を…、調子に乗ってるのかなっ、このマセガキ魔法少女は…」ギリギリ

子桃「いたたたた…、ちょ…あ、あの…ぎ、ギブギブ…」

シャミ子「も、桃っ、子桃ちゃんに何ヘッドロックかましてんですかあっ!」

子桃「きゅう…」ぐったり

シャミ子「こ、子桃ちゃーん!」
21:2020/02/07(金) 00:01:10.178 ID:J9Pvcb+80.net
桃「ふう…、悔しいけど、確かにわたしは魔法少女としての実力は
現役バリバリのこの子よりは劣ってたみたいだけど…、」

桃「この子より長く生きてる分…、知恵と経験では私のほうが上…、そこが勝因になったかな
高校生をなめると痛い目にあうってこと、思い知ったかな」

リリス「え…?おぬし、今の戦いで、知恵と経験、どこで使ったのだ?
筋肉で無理やり落としただけでは…」

シャミ子「ちょっ…、桃!子桃ちゃんをどこに連れてく気ですかっ!?」

桃「この子…、さっき風呂に入りたいとか抜かしてたから…私がお風呂に連れて行くことにするよ」ズルズル

シャミ子「え…?ちょ、ちょっと桃!?」
22:2020/02/07(金) 00:09:08.549 ID:J9Pvcb+80.net
多魔健康ランド
お風呂

湯舟につかる桃と子桃

桃「……、それで?結局、君は何者なのかな?」

子桃「だから…、私は千代田桃。魔法少女」

桃「それはもういい。確かに魔法少女としての実力は、現役のころの
私そのものだった」

桃「けど、過去の私が目の前に存在するなんて、そんなこと絶対にありえない」

子桃「………」
27:2020/02/07(金) 00:44:03
子桃「桃お姉ちゃん、今朝、嫌な夢をみた、って言ってたでしょ?」

桃「え…?」

子桃「夢の内容は、現役で魔法少女やってた頃の話…でしょ?要は、過去にあった苦い思い出を夢でたまたま思い出してたんだ」

桃「………、なんで、そんなこと知って」

子桃「わかるよ。だって、わたしは、その夢の中で見た
桃お姉ちゃんの嫌な思い出が形になってできたような存在だから」

桃「え………?」
28:2020/02/07(金) 00:54:00
桃「なにそれ…、なんで…そんなことに…?」

子桃「なんで私が生まれたのかは…、それは私にもうまく説明できないけど…、
夢を見たタイミングの体調だとか魔力の具合とか…、きっといろんな偶然が重なったんだと思う」

子桃「ちょっと前に、夢魔であるシャミ子お姉ちゃんに夢の中に侵入されたりした
ことも、ちょっと影響してるのかも…」

桃「………」

子桃「心配しなくても大丈夫。こんな不思議な状態、いつまでも続かないよ」

子桃「所詮、私は桃お姉ちゃんの記憶が生み出した思念みたいなものに過ぎないし、
いつまでも現実にはいられない。今日のうちに私は桃お姉ちゃんの記憶の中に
還って現実からは、いなくなると思う」

子桃「…けど」

桃「……けど?」
29:2020/02/07(金) 01:03:08.803 ID:J9Pvcb+80.net
子桃「わたしのこと、もう思い出したくないっていうのなら…」

子桃「魔法少女として、現役だったころの記憶…、世界を救った時のこと。
夢に見るくらい嫌な思い出を記憶から消したいって、桃お姉ちゃんがそう思ってるのなら…、

子桃「お風呂からあがったあと、私を退治したらいいと思う。そうすればもう、
昔の記憶は桃のお姉ちゃんの頭の中からきれいさっぱりなくなって、
もう嫌な思いをすることは…あいたたっ、な、なんでまたヘッドロックするの!?」

桃「…こんなことになった理由は完全によくわかんなかったけど、
まあ大体の事情はニュアンスでわかったよ。要は子桃は私の過去の記憶が形に
なったもので、今日のうちには私の中に戻ってくるんだね。だったらもういいよ」

桃「お風呂あがって、ご飯食べて、今日は一緒に寝よう」

子桃「え…?」
30:2020/02/07(金) 01:11:44
子桃「いいの…?わたしのこと、退治しなくて?だって私は桃お姉ちゃんに
とっては思い出したくない記憶が形になったものであって」

桃「やっぱまだまだお子様だね」

子桃「え…?」

桃「いろいろなことを経験して強くなっていくのが魔法少女なんだよ。
楽しいことだけじゃなく、つらかったことも苦しかったことも経験して
今の私があるわけだし。その記憶が頭からなくなったら、もはや私じゃなくなる」

子桃「………」

桃「さ、それじゃあがろっか、お風呂」
31:2020/02/07(金) 01:20:10
その夜 桃の部屋

桃「まさか、過去の自分と一つのベットで寝る日が来るなんてね」

子桃「大丈夫だよ、寝てる間に私は桃お姉ちゃんの記憶の中に還るから。
明日、目覚めるころには、いなくなくなってると思う」

桃「そっか。けど、昔の自分と語り合うなんてこと、なかなか体験できないから
ちょっと残念かもね」

子桃「ほんとかな。今朝は突っかかってきたのに」

桃「あ、あれは……、君が…、シャミ子にちょっかいかけてたから注意しようと…」

子桃「………、何がとは言わないけど」

子桃「小学校のころに比べてちょっと根暗すぎると思う。あの、もっと積極的にいかないと…」

桃「何の話!?」

………
36:2020/02/07(金) 01:25:46
……

チュンチュン

桃「ん……、もう朝か…」

桃「………」

桃「(……子桃、いなくなってる…)」

桃「……、無事、私の記憶の中に還ったかな」

桃「……なんだか昨日はよく眠れたな…、楽しい夢も見たような気がするし…
こんな目覚めのいい朝、久しぶりかも」

桃「……そうだ、シャミ子に会いに行ってみようかな」
37:2020/02/07(金) 01:28:16
シャミ子の家

桃「シャミ子」

シャミ子「あ、桃、おはようございますっ!珍しく早起きですねっ」

桃「え、うん。今日は目覚めがよくて…」

シャミ子「よかったら桃も朝ごはん作ってるんで食べてってください、
先に子桃ちゃんもご飯食べてますしっ」

桃「…………、あ?」
38:2020/02/07(金) 01:32:01
子桃「おいしい、さすが飯炊きまぞくだね、シャミ子お姉ちゃん」むしゃむしゃ

シャミ子「いや飯炊きまぞくじゃないですけどっ、まあお口に合ってよかったです」

桃「おい…、おい」

子桃「……………」
39:2020/02/07(金) 01:38:23
子桃「こんな時間まで寝てるなんて…、お寝坊魔法少女なのかな?桃お姉ちゃんは」

桃「いやそんなことどうでもいいからっ!なんでまだいるの!?一晩寝たら、
私の記憶に戻るみたいな話はどうなったの!?」

子桃「ううん、よくわかんないけど、もうちょっと時間かかるのかも…。
しょうがないから、もうちょっと現世でウロウロしてることにした。別にいいよね」

桃「いやダメだからっ、ウロチョロしないでとっとと私の中に戻ってきなよっ!」

子桃「そんなこといっても知らないよ」

子桃「…っさいな…」ぼそっ

桃「ああん…?」いらっ
40:2020/02/07(金) 01:39:11
シャミ子「ああ、ちょっとまた喧嘩ですか!?やめてください2人ともっ」

桃「いやシャミ子っ、これは喧嘩とかそういうアレではっ」

子桃「シャミ子お姉ちゃん、お替りもらえるかな?」

シャミ子「あ、はーい」

桃「」ぶちっ

がちゃーんばりーんっ

シャミ子「いやだから2人ともっ!!うちで喧嘩はやめてくださいっ!!」

その後、子桃はなんだかんだ数日間は、現世にいたのだった。



おわり
41:2020/02/07(金) 01:45:42
乙乙
子供の自分にすら妬く桃色さあ
42:2020/02/07(金) 01:46:10
よかった
43:2020/02/07(金) 01:48:45
良き
また何か書いてほしい
引用元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1580996258