1: 2012/12/22(土) 21:35:01.86 ID:8QWBDY3XP
シンジ「はー、アスカ可愛い」
シンジ「なんであんなに可愛いんだよ」
シンジ「クォーターで?」
シンジ「大学卒業してるのに、中学校に通っていて?」
シンジ「プライド高いくせに、実は繊細で?」
シンジ「口癖が『あんたバカぁ?』」
シンジ「なんだよ、その属性」
シンジ「反則だろ」
シンジ「はん! そく! だっ! ろっ!!」ダンダン
シンジ「……はぁ」
シンジ「なんであんなに可愛いんだよ」
シンジ「クォーターで?」
シンジ「大学卒業してるのに、中学校に通っていて?」
シンジ「プライド高いくせに、実は繊細で?」
シンジ「口癖が『あんたバカぁ?』」
シンジ「なんだよ、その属性」
シンジ「反則だろ」
シンジ「はん! そく! だっ! ろっ!!」ダンダン
シンジ「……はぁ」
3: 2012/12/22(土) 21:37:19.91 ID:8QWBDY3XP
ケンスケ「おい、碇」
シンジ「ケ、ケンスケ!?」
ケンスケ「聞いたぜ、今の魂の叫び」
シンジ「いや、今のは、その」
ケンスケ「何も言わなくていい。全て分かっている」
シンジ「え?」
ケンスケ「……まさか、お前も同志だったとはな」
シンジ「どういう意味?」
ケンスケ「ついて来い。真理を見せてやる」
シンジ「ちょっ、待ってよケンスケ!」
シンジ「ケ、ケンスケ!?」
ケンスケ「聞いたぜ、今の魂の叫び」
シンジ「いや、今のは、その」
ケンスケ「何も言わなくていい。全て分かっている」
シンジ「え?」
ケンスケ「……まさか、お前も同志だったとはな」
シンジ「どういう意味?」
ケンスケ「ついて来い。真理を見せてやる」
シンジ「ちょっ、待ってよケンスケ!」
5: 2012/12/22(土) 21:39:21.37 ID:8QWBDY3XP
司会「今日の目玉写真はこれだ! 髪を解いたアスカ様!!」
男たち『う、うぉおおおおおおおおお!!』
司会「500円から! それではスタート!!」
男A「700円!!」
男B「1000円!!」
男C「1200円!!」
シンジ「こ、ここは?」
ケンスケ「『式波・アスカ・ラングレー大尉を、遠くからひっそりと見守る男たちの集う会』」
シンジ「……」
ケンスケ「通称、アスカ様ファンクラブだ」
シンジ「アスカ様ファンクラブ……?」
男たち『う、うぉおおおおおおおおお!!』
司会「500円から! それではスタート!!」
男A「700円!!」
男B「1000円!!」
男C「1200円!!」
シンジ「こ、ここは?」
ケンスケ「『式波・アスカ・ラングレー大尉を、遠くからひっそりと見守る男たちの集う会』」
シンジ「……」
ケンスケ「通称、アスカ様ファンクラブだ」
シンジ「アスカ様ファンクラブ……?」
6: 2012/12/22(土) 21:41:25.09 ID:8QWBDY3XP
シンジ「何をするところなの?」
ケンスケ「基本的には、アスカ様について延々語り合う場所だ」
シンジ「アスカのことを?」
ケンスケ「―――バカ野郎!!」
シンジ「!」ビクッ
ケンスケ「いくら碇でも、この場所でアスカ様を呼び捨てにしてみろ」
シンジ「ど、どうなるの?」
ケンスケ「……二度と、その口から、アスカ様の名を口に出すことのできない体にしてやる」
シンジ「そうなんだ……ごめん、もう二度と呼び捨てにしないよ」
ケンスケ「分かってくれればいいんだ」
ケンスケ「基本的には、アスカ様について延々語り合う場所だ」
シンジ「アスカのことを?」
ケンスケ「―――バカ野郎!!」
シンジ「!」ビクッ
ケンスケ「いくら碇でも、この場所でアスカ様を呼び捨てにしてみろ」
シンジ「ど、どうなるの?」
ケンスケ「……二度と、その口から、アスカ様の名を口に出すことのできない体にしてやる」
シンジ「そうなんだ……ごめん、もう二度と呼び捨てにしないよ」
ケンスケ「分かってくれればいいんだ」
8: 2012/12/22(土) 21:42:28.07 ID:8QWBDY3XP
シンジ「ねぇ、あっちはなにか盛り上がっているみたいだけど」
ケンスケ「ああ、あれはアスカ様オークションだ」
シンジ「アスカ様オークション?」
ケンスケ「アスカ様の写真を、オークション形式で売りさばくんだよ」
シンジ「へぇー」
ケンスケ「ちなみに、過去最高額を叩きだした写真は『スク水アスカ様、お尻のくいこみを直す瞬間』だ」
シンジ「……いくらだったの?」
ケンスケ「12万8000円」
シンジ「じゅうにま……っ!?」
ケンスケ「落札者は、碇ゲンドウ氏だ」
シンジ「父さん!?」
ケンスケ「ああ、あれはアスカ様オークションだ」
シンジ「アスカ様オークション?」
ケンスケ「アスカ様の写真を、オークション形式で売りさばくんだよ」
シンジ「へぇー」
ケンスケ「ちなみに、過去最高額を叩きだした写真は『スク水アスカ様、お尻のくいこみを直す瞬間』だ」
シンジ「……いくらだったの?」
ケンスケ「12万8000円」
シンジ「じゅうにま……っ!?」
ケンスケ「落札者は、碇ゲンドウ氏だ」
シンジ「父さん!?」
9: 2012/12/22(土) 21:44:31.57 ID:8QWBDY3XP
シンジ「父さんが、そんな……ウソでしょ……?」
ケンスケ「ゲンドウ氏は、このファンクラブのスポンサーでもあるんだぜ」
シンジ「信じられない、信じたくないよ……」
ケンスケ「ファンクラブには結構、意外とも思える人物がいるぜ。ほら、あそこにも」
シンジ「え?」
トウジ「―――おー、碇やないか。お前もとうとう、この地へ来たんか」
シンジ「トウジ!」
ケンスケ「ゲンドウ氏は、このファンクラブのスポンサーでもあるんだぜ」
シンジ「信じられない、信じたくないよ……」
ケンスケ「ファンクラブには結構、意外とも思える人物がいるぜ。ほら、あそこにも」
シンジ「え?」
トウジ「―――おー、碇やないか。お前もとうとう、この地へ来たんか」
シンジ「トウジ!」
12: 2012/12/22(土) 21:46:02.43
ゲンドウさん何やってんだよ
13: 2012/12/22(土) 21:46:35.86 ID:8QWBDY3XP
シンジ「どうして、ここに」
トウジ「そんなん、アスカ様を愛しているからに決まっとるやないか」
シンジ「だ、だって、いつもケンカしてるじゃないか」
トウジ「あー、あれはご褒美を貰うためや」
シンジ「ご褒美……?」
トウジ「ほれ」ピッ
『アンタって、ほんとバカね!』
シンジ「……」
トウジ「こうやって、録音してな。何度も繰り返し聞いとるんや」
シンジ「……」
トウジ「オークションでも高値で売れるしな。ほんま、アスカ様の罵倒はたまらんわ」
トウジ「そんなん、アスカ様を愛しているからに決まっとるやないか」
シンジ「だ、だって、いつもケンカしてるじゃないか」
トウジ「あー、あれはご褒美を貰うためや」
シンジ「ご褒美……?」
トウジ「ほれ」ピッ
『アンタって、ほんとバカね!』
シンジ「……」
トウジ「こうやって、録音してな。何度も繰り返し聞いとるんや」
シンジ「……」
トウジ「オークションでも高値で売れるしな。ほんま、アスカ様の罵倒はたまらんわ」
14: 2012/12/22(土) 21:48:30.31 ID:8QWBDY3XP
シンジ「……委員長は?」
トウジ「ん?」
シンジ「トウジには、委員長がいるじゃないか。なのに、どうして」
トウジ「いいんちょか……まぁ、ここでは隠す必要ないな。ワシはいいんちょが好きや」
シンジ「!」
トウジ「でも、アスカ様に対するそれとは次元が違う。アスカ様はこの世に御降臨なされた天使やからな」
シンジ「て、天使?」
トウジ「せやろ?」
シンジ「うん……まぁ、そうだね」
トウジ「ん?」
シンジ「トウジには、委員長がいるじゃないか。なのに、どうして」
トウジ「いいんちょか……まぁ、ここでは隠す必要ないな。ワシはいいんちょが好きや」
シンジ「!」
トウジ「でも、アスカ様に対するそれとは次元が違う。アスカ様はこの世に御降臨なされた天使やからな」
シンジ「て、天使?」
トウジ「せやろ?」
シンジ「うん……まぁ、そうだね」
18: 2012/12/22(土) 21:50:57.45 ID:8QWBDY3XP
トウジ「そもそも、このファンクラブを作ったんは、ワシとケンスケなんやで」
シンジ「えっ」
トウジ「なっ、ケンスケ?」
ケンスケ「ああ、最初は二人きりのファンクラブだった」
シンジ「そうなんだ」
ケンスケ「しかし、一人、また一人と同志に声をかけ、仲間にしていき……」
トウジ「今では、このとおり、体育館一杯を埋め尽くすほどのファンクラブになったんや」
シンジ「すごいね」
ケンスケ「俺は将来、就職活動の面接で『学生時代になにを頑張ったか?』と問われれば、迷わずにこう答えるね」
ケンスケ「『アスカ様ファンクラブの会長として、民衆を導きました!』 って!!」
シンジ「それは、やめといた方がいいと思うけど」
シンジ「えっ」
トウジ「なっ、ケンスケ?」
ケンスケ「ああ、最初は二人きりのファンクラブだった」
シンジ「そうなんだ」
ケンスケ「しかし、一人、また一人と同志に声をかけ、仲間にしていき……」
トウジ「今では、このとおり、体育館一杯を埋め尽くすほどのファンクラブになったんや」
シンジ「すごいね」
ケンスケ「俺は将来、就職活動の面接で『学生時代になにを頑張ったか?』と問われれば、迷わずにこう答えるね」
ケンスケ「『アスカ様ファンクラブの会長として、民衆を導きました!』 って!!」
シンジ「それは、やめといた方がいいと思うけど」
20: 2012/12/22(土) 21:53:06.42 ID:8QWBDY3XP
ケンスケ「一つ悲報なんだが、碇はファンクラブの会員から嫌われてるよ」
シンジ「どうして!?」
ケンスケ「そりゃあ、アスカ様に一番近しい男だからな。一緒に暮らしてるし」
シンジ「そ、それは……」
トウジ「このままやと、会員に袋叩きにされてもおかしゅうない」
シンジ「そんなぁ……」
ケンスケ「そこで、頼みがあるんだが―――」
シンジ「―――え?」
シンジ「どうして!?」
ケンスケ「そりゃあ、アスカ様に一番近しい男だからな。一緒に暮らしてるし」
シンジ「そ、それは……」
トウジ「このままやと、会員に袋叩きにされてもおかしゅうない」
シンジ「そんなぁ……」
ケンスケ「そこで、頼みがあるんだが―――」
シンジ「―――え?」
22: 2012/12/22(土) 21:55:20.43 ID:8QWBDY3XP
―――ミサトの家
シンジ「ただいま」
アスカ「帰ってくるのがおそい」
シンジ「ごめん」
アスカ「なにやってたのよ」
シンジ「それは……色々だよ」
アスカ「……? まぁいいわ、早くご飯作ってよね」
シンジ「うん、今すぐ作るよ」
アスカ「もう、お腹ぺこぺこ」
シンジ「……」
シンジ「……」パシャッ
アスカ「!?」
シンジ「ただいま」
アスカ「帰ってくるのがおそい」
シンジ「ごめん」
アスカ「なにやってたのよ」
シンジ「それは……色々だよ」
アスカ「……? まぁいいわ、早くご飯作ってよね」
シンジ「うん、今すぐ作るよ」
アスカ「もう、お腹ぺこぺこ」
シンジ「……」
シンジ「……」パシャッ
アスカ「!?」
23: 2012/12/22(土) 21:57:30.74 ID:8QWBDY3XP
アスカ「ちょっと!」
シンジ「な、なに?」
アスカ「なに? じゃないわよ! なんで写真撮ったのよ!」
シンジ「それは……」
アスカ「また言えないの?」
シンジ「……うん」
アスカ「だったらいいわ、カメラ貸しなさい」
シンジ「え?」
アスカ「データ消すから。ほら、早く!」
シンジ「だ、駄目だよ!」
アスカ「しょーぞーけんの侵害よ!」
シンジ「だって、これは……これは! 僕の目の保養にするんだ!!」
アスカ「……へっ?」
シンジ「な、なに?」
アスカ「なに? じゃないわよ! なんで写真撮ったのよ!」
シンジ「それは……」
アスカ「また言えないの?」
シンジ「……うん」
アスカ「だったらいいわ、カメラ貸しなさい」
シンジ「え?」
アスカ「データ消すから。ほら、早く!」
シンジ「だ、駄目だよ!」
アスカ「しょーぞーけんの侵害よ!」
シンジ「だって、これは……これは! 僕の目の保養にするんだ!!」
アスカ「……へっ?」
24: 2012/12/22(土) 21:59:36.52 ID:8QWBDY3XP
アスカ「め、目の保養って、あんたねぇ!」
シンジ「ほら、可愛い女の子の写真が部屋にあると、華やかになるじゃないか!」
アスカ「かわっ……!?」
シンジ「アスカの写真が必要なんだ! どうしても!!」
アスカ「ひ、ひつ……?」
シンジ「だから、お願いだよ。見逃してよ」
アスカ「……」
シンジ「アスカ?」
アスカ「え、あ……その、可愛い女の子の写真っていうのは」
シンジ「うん」
アスカ「私じゃなきゃ、駄目なの?」
シンジ「当たり前だろ」
アスカ「そ、そうなんだ……ふーん……」
シンジ「ほら、可愛い女の子の写真が部屋にあると、華やかになるじゃないか!」
アスカ「かわっ……!?」
シンジ「アスカの写真が必要なんだ! どうしても!!」
アスカ「ひ、ひつ……?」
シンジ「だから、お願いだよ。見逃してよ」
アスカ「……」
シンジ「アスカ?」
アスカ「え、あ……その、可愛い女の子の写真っていうのは」
シンジ「うん」
アスカ「私じゃなきゃ、駄目なの?」
シンジ「当たり前だろ」
アスカ「そ、そうなんだ……ふーん……」
25: 2012/12/22(土) 22:01:58.97 ID:8QWBDY3XP
アスカ「じゃ、じゃあ分かったよ。アスカ様は寛大だから、見逃してやるわ」
シンジ「ほんとに!?」
アスカ「ええ」
シンジ「良かったー。これが奪われたら、この世の終わりだよ」
アスカ「そんなに……?」
シンジ「うん!」
アスカ「……なら、しょうがないわね」
シンジ「ありがとう、アスカ!」
シンジ「ほんとに!?」
アスカ「ええ」
シンジ「良かったー。これが奪われたら、この世の終わりだよ」
アスカ「そんなに……?」
シンジ「うん!」
アスカ「……なら、しょうがないわね」
シンジ「ありがとう、アスカ!」
27: 2012/12/22(土) 22:04:27.22 ID:8QWBDY3XP
アスカ「でも、いきなり撮るのはやめてよね」
シンジ「いきなりじゃないと、意味がないんだ」
アスカ「どうして?」
シンジ「だって、いつものアスカが一番可愛いはずだって、ケンスケが……」
アスカ「えっ?」
シンジ「あ、いや! いつものアスカが一番可愛いって僕は思うから!」
アスカ「……本気で言ってる?」
シンジ「もちろん!」
アスカ「あっそ……まぁ別にうれしくないけどね、うん……」
シンジ「?」
シンジ「いきなりじゃないと、意味がないんだ」
アスカ「どうして?」
シンジ「だって、いつものアスカが一番可愛いはずだって、ケンスケが……」
アスカ「えっ?」
シンジ「あ、いや! いつものアスカが一番可愛いって僕は思うから!」
アスカ「……本気で言ってる?」
シンジ「もちろん!」
アスカ「あっそ……まぁ別にうれしくないけどね、うん……」
シンジ「?」
29: 2012/12/22(土) 22:07:08.09 ID:8QWBDY3XP
シンジ「……じゃあ、ご飯作るから、待ってて」
アスカ「は、早くしなさいよね!」
シンジ(よーし、写真GETだ)
シンジ(これで、会員の人に殺さなくて済むよ)
シンジ(それはともかく、今日のアスカも可愛かったなぁ……)
アスカ「……」
アスカ「は、早くしなさいよね!」
シンジ(よーし、写真GETだ)
シンジ(これで、会員の人に殺さなくて済むよ)
シンジ(それはともかく、今日のアスカも可愛かったなぁ……)
アスカ「……」
31: 2012/12/22(土) 22:09:59.31 ID:8QWBDY3XP
ケンスケ「―――さて諸君、新たな会員が生まれたのは知ってるな?」
男たち『……』
ケンスケ「その者は、かつては俺たちの敵だった、かつては忌むべき存在だった……」
男たち『……』
ケンスケ「しっかぁーし! その者は、私たちの仲間に加わった! このような手土産を持参して!!」バシーン
男たち『そ、それは!』
ケンスケ「そう! 『部屋着アスカ様! 気を抜いてゴロゴロ』……という写真だ!!」
男たち『う、うぉおおおおおおおおおお!!』
ケンスケ「しずまれぇーい!! ……まずは、この写真を持ってきた男の自己紹介だ」
ケンスケ「来い、碇」
シンジ「―――あ、どうも、碇シンジです」
男たち『……』
男たち『……』
ケンスケ「その者は、かつては俺たちの敵だった、かつては忌むべき存在だった……」
男たち『……』
ケンスケ「しっかぁーし! その者は、私たちの仲間に加わった! このような手土産を持参して!!」バシーン
男たち『そ、それは!』
ケンスケ「そう! 『部屋着アスカ様! 気を抜いてゴロゴロ』……という写真だ!!」
男たち『う、うぉおおおおおおおおおお!!』
ケンスケ「しずまれぇーい!! ……まずは、この写真を持ってきた男の自己紹介だ」
ケンスケ「来い、碇」
シンジ「―――あ、どうも、碇シンジです」
男たち『……』
33: 2012/12/22(土) 22:13:20.14 ID:8QWBDY3XP
シンジ「みなさんが、僕のことを嫌っていたのは知ってます」
シンジ「アスカ様の近くにいるんだから、当り前です」
シンジ「それも、たまたま……運が良かっただけで」
シンジ「席替えで、自分の好きな子の隣になった男子を恨むような……そんな気持ちにさせてしまったと思います」
シンジ「ですが、一つだけ、僕らには通じるものがあります」
シンジ「それは、アスカ様が大好きだってこと」
シンジ「それは、アスカ様のためなら死ねるってこと」
シンジ「……アスカ様を好きな人に、悪い人なんていません」
シンジ「僕たちは一つ。アスカ様が好きというカテゴリーの中の、一つの存在に過ぎないんです」
シンジ「だから、争ったり、憎んだり……そんな馬鹿げたことはやめませんか?」
シンジ「アスカ様を愛するという行為以外に、必要なものなんて、ありますか?」
シンジ「僕は、そう思わないから、だから……」
シンジ「……」
シンジ「話は、以上です」
シンジ「アスカ様の近くにいるんだから、当り前です」
シンジ「それも、たまたま……運が良かっただけで」
シンジ「席替えで、自分の好きな子の隣になった男子を恨むような……そんな気持ちにさせてしまったと思います」
シンジ「ですが、一つだけ、僕らには通じるものがあります」
シンジ「それは、アスカ様が大好きだってこと」
シンジ「それは、アスカ様のためなら死ねるってこと」
シンジ「……アスカ様を好きな人に、悪い人なんていません」
シンジ「僕たちは一つ。アスカ様が好きというカテゴリーの中の、一つの存在に過ぎないんです」
シンジ「だから、争ったり、憎んだり……そんな馬鹿げたことはやめませんか?」
シンジ「アスカ様を愛するという行為以外に、必要なものなんて、ありますか?」
シンジ「僕は、そう思わないから、だから……」
シンジ「……」
シンジ「話は、以上です」
34: 2012/12/22(土) 22:15:37.95 ID:8QWBDY3XP
シンジ「……」
シンジ「……」
パチ、パチ……
シンジ「!」
パチ、パチパチ、パチ!
シンジ「みんな……!!」
パチパチパチパチパチ!!
パチパチパチパチパチ!!
男たち『そうだ、アスカ様を好きなやつに悪い奴なんていないんだ!!』
男たち『うぉおおおおおおおおアスカ様ぁあああああ!!』
男たち『世界はアスカ様で一つになるぞおおおおおおお!!』
シンジ「……」
パチ、パチ……
シンジ「!」
パチ、パチパチ、パチ!
シンジ「みんな……!!」
パチパチパチパチパチ!!
パチパチパチパチパチ!!
男たち『そうだ、アスカ様を好きなやつに悪い奴なんていないんだ!!』
男たち『うぉおおおおおおおおアスカ様ぁあああああ!!』
男たち『世界はアスカ様で一つになるぞおおおおおおお!!』
38: 2012/12/22(土) 22:18:29.61 ID:8QWBDY3XP
ケンスケ「さぁーて、感動的なシーンも終わったところで、さっそくオークションといきますか!」
トウジ「今日の目玉はもちろん?」
ケンスケ「碇が持参してきた写真、だな!」
トウジ「せやな!」
冬月「今日の予算は?」
ゲンドウ「……私に限界などない」
冬月「そうだったな」
シゲル「やれやれ、今月も苦しくなりそうだ」
マコト「カップラーメンで日々を過ごす覚悟は出来てますよ!」
加持「頼もしいな、流石はNERV職員だ」
ペンペン「クエッ!」
トウジ「今日の目玉はもちろん?」
ケンスケ「碇が持参してきた写真、だな!」
トウジ「せやな!」
冬月「今日の予算は?」
ゲンドウ「……私に限界などない」
冬月「そうだったな」
シゲル「やれやれ、今月も苦しくなりそうだ」
マコト「カップラーメンで日々を過ごす覚悟は出来てますよ!」
加持「頼もしいな、流石はNERV職員だ」
ペンペン「クエッ!」
40: 2012/12/22(土) 22:21:00.29 ID:8QWBDY3XP
―――ミサトの家
アスカ「ねぇ、暇だからゲームの相手してよ」
シンジ「ごめん。僕はこれから行くとこがあって」
アスカ「……また出かけるの?」
シンジ「うん」
アスカ「最近、いっつも出かけてるけど、どこ行ってんのよ」
シンジ「ちょっと、ね」
アスカ「……帰ってくるのも遅いんでしょ?」
シンジ「そうなっちゃうかも」
アスカ「……」
シンジ「じゃあ、行ってくるね」
アスカ「……」グイッ
シンジ「?」
アスカ「ねぇ、暇だからゲームの相手してよ」
シンジ「ごめん。僕はこれから行くとこがあって」
アスカ「……また出かけるの?」
シンジ「うん」
アスカ「最近、いっつも出かけてるけど、どこ行ってんのよ」
シンジ「ちょっと、ね」
アスカ「……帰ってくるのも遅いんでしょ?」
シンジ「そうなっちゃうかも」
アスカ「……」
シンジ「じゃあ、行ってくるね」
アスカ「……」グイッ
シンジ「?」
43: 2012/12/22(土) 22:23:21.53 ID:8QWBDY3XP
シンジ「どうしたの?」
アスカ「……」
シンジ「離してくれないと、出かけられないよ」
アスカ「……」
シンジ「アスカ?」
アスカ「私も行く」
シンジ「えっ!?」
アスカ「暇なんだもん」
シンジ「いや、でも、ダメだよ」
アスカ「どうして?」
シンジ「……男だけの場所だし」
アスカ「邪魔しないから!」
シンジ「そういう問題じゃ……」
アスカ「……」
シンジ「離してくれないと、出かけられないよ」
アスカ「……」
シンジ「アスカ?」
アスカ「私も行く」
シンジ「えっ!?」
アスカ「暇なんだもん」
シンジ「いや、でも、ダメだよ」
アスカ「どうして?」
シンジ「……男だけの場所だし」
アスカ「邪魔しないから!」
シンジ「そういう問題じゃ……」
46: 2012/12/22(土) 22:26:14.06 ID:8QWBDY3XP
アスカ「……そんなに私が邪魔なの?」
シンジ「ち、違うよ! そんなわけないじゃないか!」
アスカ「でも、来るなって」
シンジ「色々あるんだよ」
アスカ「色々って、なによ」
シンジ「と、とにかく! 勘弁してよ、アスカ!」
アスカ「……」
シンジ「今日のご飯は、アスカの好きなものにするから! ね?」
アスカ「……わかった」
シンジ「ほんと? よかった!」
シンジ「ち、違うよ! そんなわけないじゃないか!」
アスカ「でも、来るなって」
シンジ「色々あるんだよ」
アスカ「色々って、なによ」
シンジ「と、とにかく! 勘弁してよ、アスカ!」
アスカ「……」
シンジ「今日のご飯は、アスカの好きなものにするから! ね?」
アスカ「……わかった」
シンジ「ほんと? よかった!」
50: 2012/12/22(土) 22:28:55.36 ID:8QWBDY3XP
シンジ「なにが食べたい?」
アスカ「エビフライ」
シンジ「りょーかい。じゃ、行くね」
アスカ「……ねぇ」
シンジ「ん?」
アスカ「早く、帰ってきなさいよ……?」
シンジ「うん、分かった」
アスカ「……」
シンジ「行ってくるね」
アスカ「行ってらっしゃい」
アスカ「…………」
アスカ「エビフライ」
シンジ「りょーかい。じゃ、行くね」
アスカ「……ねぇ」
シンジ「ん?」
アスカ「早く、帰ってきなさいよ……?」
シンジ「うん、分かった」
アスカ「……」
シンジ「行ってくるね」
アスカ「行ってらっしゃい」
アスカ「…………」
52: 2012/12/22(土) 22:31:53.01 ID:8QWBDY3XP
―――ファンクラブ会場
ケンスケ「今日の写真はこれだ! 『眠気に耐えきれず船を漕ぐアスカ様!』」
男たち『う、うぉおおおおおおおおお!!』
ケンスケ「800円からぁあああ……スタート!」
男A「1100円!」
男B「1300円!」
男C「1500円!」
ゲンドウ「……10000円」
男D「いちまんんんっ!?」
男E「畜生! 相場を守れよ、会員ナンバー12番!!」
冬月「……買ったな」
ゲンドウ「ああ」
ケンスケ「今日の写真はこれだ! 『眠気に耐えきれず船を漕ぐアスカ様!』」
男たち『う、うぉおおおおおおおおお!!』
ケンスケ「800円からぁあああ……スタート!」
男A「1100円!」
男B「1300円!」
男C「1500円!」
ゲンドウ「……10000円」
男D「いちまんんんっ!?」
男E「畜生! 相場を守れよ、会員ナンバー12番!!」
冬月「……買ったな」
ゲンドウ「ああ」
56: 2012/12/22(土) 22:34:52.23 ID:8QWBDY3XP
シンジ「……」
加持「やぁ、シンジ君」
シンジ「加持さん!」
加持「隣、いいかい?」
シンジ「あ、はい、どうぞ」
加持「失礼するよ」
シンジ「……盛り上がってますね」
加持「そうだな。やはり、部屋着は可愛い」
シンジ「同感です」
加持「君のおかげだ、シンジ君」
シンジ「そんな、僕なんて、別に……」
加持「やぁ、シンジ君」
シンジ「加持さん!」
加持「隣、いいかい?」
シンジ「あ、はい、どうぞ」
加持「失礼するよ」
シンジ「……盛り上がってますね」
加持「そうだな。やはり、部屋着は可愛い」
シンジ「同感です」
加持「君のおかげだ、シンジ君」
シンジ「そんな、僕なんて、別に……」
58: 2012/12/22(土) 22:37:23.62 ID:8QWBDY3XP
加持「知ってるか? プラグスーツっていうのは、碇司令が自らデザインしたものなんだ」
シンジ「えっ?」
加持「言っちゃ悪いが……アレだろ?」
シンジ「たしかに……ちょっと卑猥ですよね」
加持「アスカ様に性を連想させるような格好を強要させる司令を、糾弾する声も少なくない」
シンジ「そういった行為はご法度ですもんね」
加持「しかし、こういう理由で決着がついた……『ギリギリを目指すその姿勢、悪くない』」
シンジ「!」
加持「パンチラは駄目だ。だが、アンスコは許す……その理念に則っているとも言えなくないしな」
シンジ「……」
シンジ「えっ?」
加持「言っちゃ悪いが……アレだろ?」
シンジ「たしかに……ちょっと卑猥ですよね」
加持「アスカ様に性を連想させるような格好を強要させる司令を、糾弾する声も少なくない」
シンジ「そういった行為はご法度ですもんね」
加持「しかし、こういう理由で決着がついた……『ギリギリを目指すその姿勢、悪くない』」
シンジ「!」
加持「パンチラは駄目だ。だが、アンスコは許す……その理念に則っているとも言えなくないしな」
シンジ「……」
59: 2012/12/22(土) 22:38:22.17 ID:8QWBDY3XP
シンジ「……」
加持「気になることでもあるのか?」
シンジ「……父さんが」
加持「自分の父親が、ああしてなにかに熱狂している姿は、やはり見たくないものか?」
シンジ「それもそうですけど……分からなくて」
加持「分からない?」
シンジ「だってそうじゃないですか。大好きなはずなのに……どうして、アスカ様をエヴァのパイロットとして、危険な目に遭わせるんですか?」
加持「それは、俺も碇司令に尋ねたことがあるよ」
シンジ「父さんは、なんて?」
加持「戦うアスカ様も、可愛い」
シンジ「……なるほど」
加持「気になることでもあるのか?」
シンジ「……父さんが」
加持「自分の父親が、ああしてなにかに熱狂している姿は、やはり見たくないものか?」
シンジ「それもそうですけど……分からなくて」
加持「分からない?」
シンジ「だってそうじゃないですか。大好きなはずなのに……どうして、アスカ様をエヴァのパイロットとして、危険な目に遭わせるんですか?」
加持「それは、俺も碇司令に尋ねたことがあるよ」
シンジ「父さんは、なんて?」
加持「戦うアスカ様も、可愛い」
シンジ「……なるほど」
61: 2012/12/22(土) 22:42:39.14 ID:8QWBDY3XP
シンジ「すみません、つまりどういうことですか?」
加持「碇司令も色々悩んでいるってことさ」
シンジ「……?」
加持「本当は戦わせたくない。でも、可愛いから戦わせたい」
加持「工口は駄目だ。でも、工口いのも見たい」
加持「守りたい。でも、守れないから―――」
シンジ「ファンクラブの会員に、守らせる……」
加持「そういうことだ。このファンクラブがある限り、アスカ様は人為的な脅威に晒されることはないだろうしな」
シンジ「……」
加持「このファンクラブ自体が脅威と言えなくもないが」
シンジ「それを言ったら、お終いですよ」
加持「碇司令も色々悩んでいるってことさ」
シンジ「……?」
加持「本当は戦わせたくない。でも、可愛いから戦わせたい」
加持「工口は駄目だ。でも、工口いのも見たい」
加持「守りたい。でも、守れないから―――」
シンジ「ファンクラブの会員に、守らせる……」
加持「そういうことだ。このファンクラブがある限り、アスカ様は人為的な脅威に晒されることはないだろうしな」
シンジ「……」
加持「このファンクラブ自体が脅威と言えなくもないが」
シンジ「それを言ったら、お終いですよ」
63: 2012/12/22(土) 22:45:17.34 ID:8QWBDY3XP
シンジ「……アスカ様は、すごいですね」
加持「ん?」
シンジ「父さんもそうだけど、こんな大勢の人に愛されて」
加持「そうだな」
シンジ「みんなの、アスカ様ですね」
加持「ああ、俺たちのアスカ様だ」
シンジ「……」
加持「どうかしたか?」
シンジ「いえ、なんでも」
加持「?」
加持「ん?」
シンジ「父さんもそうだけど、こんな大勢の人に愛されて」
加持「そうだな」
シンジ「みんなの、アスカ様ですね」
加持「ああ、俺たちのアスカ様だ」
シンジ「……」
加持「どうかしたか?」
シンジ「いえ、なんでも」
加持「?」
65: 2012/12/22(土) 22:47:18.74 ID:8QWBDY3XP
―――ミサトの家
アスカ「おかえり」
シンジ「ただいま」
アスカ「今日は、早かったじゃない」
シンジ「早く帰って来いって、言ったじゃないか」
アスカ「言ったわね」
シンジ「そうだろ?」
アスカ「……ふふっ、そうね、言ったわ」
シンジ「?」
アスカ「おかえり」
シンジ「ただいま」
アスカ「今日は、早かったじゃない」
シンジ「早く帰って来いって、言ったじゃないか」
アスカ「言ったわね」
シンジ「そうだろ?」
アスカ「……ふふっ、そうね、言ったわ」
シンジ「?」
66: 2012/12/22(土) 22:49:19.51 ID:8QWBDY3XP
アスカ「ねぇ、ご飯作るまで、まだ時間あるでしょ?」
シンジ「えーっと……うん」
アスカ「じゃあ、私の部屋でゲームするから、来なさい」
シンジ「それは駄目だよ」
アスカ「えっ?」
シンジ「あ、その、宿題やんないといけないから」
アスカ「……そんなの、後でもいいじゃない」
シンジ「今、やっておきたいし」
アスカ「……」
シンジ「ほ、ほら! 僕ってなにをやるのも遅いから! 出来る時にやっておかないと!」
アスカ「そうかも、しれないけど」
シンジ「えーっと……うん」
アスカ「じゃあ、私の部屋でゲームするから、来なさい」
シンジ「それは駄目だよ」
アスカ「えっ?」
シンジ「あ、その、宿題やんないといけないから」
アスカ「……そんなの、後でもいいじゃない」
シンジ「今、やっておきたいし」
アスカ「……」
シンジ「ほ、ほら! 僕ってなにをやるのも遅いから! 出来る時にやっておかないと!」
アスカ「そうかも、しれないけど」
69: 2012/12/22(土) 22:51:43.47 ID:8QWBDY3XP
シンジ「僕だってアスカと遊びたいけど、でも、ね?」
アスカ「ほんとに?」
シンジ「ほんとほんと」
アスカ「じゃあ、いいけど」
シンジ「ありがと、じゃあね」
アスカ「じゃあね、って……」
ガラッ
ピシャ
アスカ「…………」
アスカ「ほんとに?」
シンジ「ほんとほんと」
アスカ「じゃあ、いいけど」
シンジ「ありがと、じゃあね」
アスカ「じゃあね、って……」
ガラッ
ピシャ
アスカ「…………」
72: 2012/12/22(土) 22:54:18.60 ID:8QWBDY3XP
―――翌日
アスカ「ふぁーあ」
ミサト「おはよ、アスカ」
アスカ「おはよう……ん、あれ?」
ミサト「どうしたの?」
アスカ「シンジは?」
ミサト「学校行ったけど」
アスカ「もう? なんで?」
ミサト「さぁ。早めに行きたい気分だったんじゃない?」
アスカ「ふーん……」
アスカ「ふぁーあ」
ミサト「おはよ、アスカ」
アスカ「おはよう……ん、あれ?」
ミサト「どうしたの?」
アスカ「シンジは?」
ミサト「学校行ったけど」
アスカ「もう? なんで?」
ミサト「さぁ。早めに行きたい気分だったんじゃない?」
アスカ「ふーん……」
73: 2012/12/22(土) 22:56:46.32 ID:8QWBDY3XP
ミサト「なぁーに、アスカ? 一緒に学校行けなくて寂しいの?」
アスカ「……んなわけないでしょ」
ミサト「あら、手厳しい」
アスカ「ったく、それより私の分のご飯は?」
ミサト「トースターにセットしてあるから、自分で焼いてください―い」
アスカ「それくらいミサトがやってくれればいいのに。保護者なんだから」
ミサト「それくらい自分でやってよ。中学生なんだから」
アスカ「……もうっ!」
ミサト「ふふっ」
アスカ「……んなわけないでしょ」
ミサト「あら、手厳しい」
アスカ「ったく、それより私の分のご飯は?」
ミサト「トースターにセットしてあるから、自分で焼いてください―い」
アスカ「それくらいミサトがやってくれればいいのに。保護者なんだから」
ミサト「それくらい自分でやってよ。中学生なんだから」
アスカ「……もうっ!」
ミサト「ふふっ」
77: 2012/12/22(土) 22:58:50.37 ID:8QWBDY3XP
―――学校
アスカ「バカシンジ」
シンジ「なに?」
アスカ「これからNERVでしょ? 行くわよ」
シンジ「あ、そうだね……ちょっと待ってて」
アスカ「?」
シンジ「―――綾波!」
綾波「なに?」
シンジ「綾波も、僕たちと一緒に行こうよ」
綾波「ええ」
シンジ「よかった」
アスカ「…………」
アスカ「バカシンジ」
シンジ「なに?」
アスカ「これからNERVでしょ? 行くわよ」
シンジ「あ、そうだね……ちょっと待ってて」
アスカ「?」
シンジ「―――綾波!」
綾波「なに?」
シンジ「綾波も、僕たちと一緒に行こうよ」
綾波「ええ」
シンジ「よかった」
アスカ「…………」
78: 2012/12/22(土) 23:01:32.23 ID:8QWBDY3XP
シンジ「じゃ、行こうか」
アスカ「……」
シンジ「アスカ?」
アスカ「……なによ」
シンジ「どうかした?」
アスカ「どうかするわけないでしょ!」
シンジ「な、なんだよ、急に大声出して」
アスカ「……」
シンジ「変なアスカ」
アスカ「……」
アスカ「……」
シンジ「アスカ?」
アスカ「……なによ」
シンジ「どうかした?」
アスカ「どうかするわけないでしょ!」
シンジ「な、なんだよ、急に大声出して」
アスカ「……」
シンジ「変なアスカ」
アスカ「……」
82: 2012/12/22(土) 23:03:30.69 ID:8QWBDY3XP
―――ファンクラブ会場
ケンスケ「さて、今日の議題だが」
トウジ「近頃、アスカ様の顔が優れない件についてやな」
ケンスケ「誰か、知ってる人はいないか?」
男たち『……』
ケンスケ「……」
トウジ「センセはどないや」
シンジ「なんで、僕に聞くんだよ」
ケンスケ「一緒に住んでるんだから、当然だろ」
シンジ「うーん……ごめん、分からないや」
ケンスケ「そうか……」
ケンスケ「さて、今日の議題だが」
トウジ「近頃、アスカ様の顔が優れない件についてやな」
ケンスケ「誰か、知ってる人はいないか?」
男たち『……』
ケンスケ「……」
トウジ「センセはどないや」
シンジ「なんで、僕に聞くんだよ」
ケンスケ「一緒に住んでるんだから、当然だろ」
シンジ「うーん……ごめん、分からないや」
ケンスケ「そうか……」
86: 2012/12/22(土) 23:06:39.45 ID:8QWBDY3XP
加持「ちょっといいかな?」
ケンスケ「なんだ、会員ナンバー238番」
加持「アスカ様は、退屈なんじゃないか?」
ケンスケ「退屈?」
加持「同居人碇シンジは、少し前まではアスカ様が暇な時間、よく一緒にいたらしい」
ケンスケ「そうなのか?」
シンジ「それは……まぁ、うん」
加持「しかし、彼がこのファンクラブの会員となったことで、暇な時間を潰す相手がいなくなった」
ケンスケ「なるほど、徐々にストレスが蓄積していったと」
加持「ああ」
ケンスケ「なんだ、会員ナンバー238番」
加持「アスカ様は、退屈なんじゃないか?」
ケンスケ「退屈?」
加持「同居人碇シンジは、少し前まではアスカ様が暇な時間、よく一緒にいたらしい」
ケンスケ「そうなのか?」
シンジ「それは……まぁ、うん」
加持「しかし、彼がこのファンクラブの会員となったことで、暇な時間を潰す相手がいなくなった」
ケンスケ「なるほど、徐々にストレスが蓄積していったと」
加持「ああ」
87: 2012/12/22(土) 23:09:30.43 ID:8QWBDY3XP
加持「というわけで、同居人碇シンジを即座に家に帰すことを提案します」
シンジ「ちょっと待ってください! それは……」
加持「不服か?」
シンジ「いえ、その」
加持「アスカ様の為を思うならば、君の事情など、無視するべきだと思うが?」
シンジ「……」
加持「会長」
ケンスケ「そうだな。碇、行って来い。これは会長としての命令だ」
シンジ「……」
ケンスケ「碇」
シンジ「わ、分かったよ!」ガタッ
シンジ「ちょっと待ってください! それは……」
加持「不服か?」
シンジ「いえ、その」
加持「アスカ様の為を思うならば、君の事情など、無視するべきだと思うが?」
シンジ「……」
加持「会長」
ケンスケ「そうだな。碇、行って来い。これは会長としての命令だ」
シンジ「……」
ケンスケ「碇」
シンジ「わ、分かったよ!」ガタッ
88: 2012/12/22(土) 23:11:57.45 ID:8QWBDY3XP
ガチャッ
バタン
ケンスケ「……」
トウジ「……」
加持「……」
男たち『……』
ケンスケ「238番」
加持「なんだい?」
ケンスケ「今の行動で……終わるかもしれないぞ」
加持「いいだろ。それは、アスカ様の幸せの始まりでもある」
ケンスケ「……」
加持「きっとな」
バタン
ケンスケ「……」
トウジ「……」
加持「……」
男たち『……』
ケンスケ「238番」
加持「なんだい?」
ケンスケ「今の行動で……終わるかもしれないぞ」
加持「いいだろ。それは、アスカ様の幸せの始まりでもある」
ケンスケ「……」
加持「きっとな」
93: 2012/12/22(土) 23:13:40.57 ID:8QWBDY3XP
―――ミサトの家
シンジ「ただいま」
アスカ「……ずいぶん、早いじゃない」
シンジ「そうかな?」
アスカ「そうでしょ」
シンジ「たまには、こういうこともあるよ」
アスカ「たまには、ね……」
シンジ「ん?」
アスカ「別に」
シンジ「ただいま」
アスカ「……ずいぶん、早いじゃない」
シンジ「そうかな?」
アスカ「そうでしょ」
シンジ「たまには、こういうこともあるよ」
アスカ「たまには、ね……」
シンジ「ん?」
アスカ「別に」
94: 2012/12/22(土) 23:15:26.90 ID:8QWBDY3XP
シンジ「ねぇ、アスカ」
アスカ「なによ」
シンジ「ゲームやろうよ」
アスカ「ゲーム……?」
シンジ「だめ?」
アスカ「……なんで、そんなこと言いだしたのよ」
シンジ「特に意味はないけど」
アスカ「ウソ」
シンジ「嘘じゃないってば」
アスカ「……」
シンジ「やらないなら、別にいいけど」
アスカ「……やるわよ! やればいいんでしょ!!」
シンジ「う、うん」
アスカ「なによ」
シンジ「ゲームやろうよ」
アスカ「ゲーム……?」
シンジ「だめ?」
アスカ「……なんで、そんなこと言いだしたのよ」
シンジ「特に意味はないけど」
アスカ「ウソ」
シンジ「嘘じゃないってば」
アスカ「……」
シンジ「やらないなら、別にいいけど」
アスカ「……やるわよ! やればいいんでしょ!!」
シンジ「う、うん」
98: 2012/12/22(土) 23:18:06.26 ID:8QWBDY3XP
シンジ「ソフト、これでいい?」
アスカ「ええ」
シンジ「じゃあ、始めよっか」
アスカ「ええ」
シンジ「……」ピコピコ
アスカ「……」ピコピコ
シンジ「……」
アスカ「……」
シンジ「アスカ、楽しい?」
アスカ「楽しくない」
シンジ「そ、そっか」
アスカ「……」
アスカ「ええ」
シンジ「じゃあ、始めよっか」
アスカ「ええ」
シンジ「……」ピコピコ
アスカ「……」ピコピコ
シンジ「……」
アスカ「……」
シンジ「アスカ、楽しい?」
アスカ「楽しくない」
シンジ「そ、そっか」
アスカ「……」
102: 2012/12/22(土) 23:20:21.33 ID:8QWBDY3XP
アスカ「アンタさぁ」
シンジ「なに?」
アスカ「最近、なんで私のこと、避けてるわけ?」
シンジ「……避けてないけど」
アスカ「避けてたじゃん」
シンジ「避けてないって」
アスカ「―――避けてたでしょ!!」
シンジ「……!」
アスカ「なんで、ウソつくのよ」
シンジ「……」
アスカ「そんなに、私のこと……」
シンジ「いや、その」
シンジ「なに?」
アスカ「最近、なんで私のこと、避けてるわけ?」
シンジ「……避けてないけど」
アスカ「避けてたじゃん」
シンジ「避けてないって」
アスカ「―――避けてたでしょ!!」
シンジ「……!」
アスカ「なんで、ウソつくのよ」
シンジ「……」
アスカ「そんなに、私のこと……」
シンジ「いや、その」
105: 2012/12/22(土) 23:22:45.29 ID:8QWBDY3XP
アスカ「……」
シンジ「……」
アスカ「……」
シンジ「……」
アスカ「……う゛」
シンジ「あ、アス……!」
アスカ「うるさいバカこっち見んな」
シンジ「……」
アスカ「う、う゛ううううううううう」グスッ
シンジ「……」
シンジ「……」
アスカ「……」
シンジ「……」
アスカ「……う゛」
シンジ「あ、アス……!」
アスカ「うるさいバカこっち見んな」
シンジ「……」
アスカ「う、う゛ううううううううう」グスッ
シンジ「……」
107: 2012/12/22(土) 23:24:52.68 ID:8QWBDY3XP
シンジ「ごめん、アスカ。寂しかったよね」
アスカ「ざびじくない……」
シンジ「だよね。ごめん」
アスカ「うる゛ざい……」
シンジ「……これからは、ちゃんと時間とるよ」
アスカ「あだりまえ゛よ」
シンジ「そうだよね。それが、当り前だよ」
アスカ「……」グスッ
アスカ「ざびじくない……」
シンジ「だよね。ごめん」
アスカ「うる゛ざい……」
シンジ「……これからは、ちゃんと時間とるよ」
アスカ「あだりまえ゛よ」
シンジ「そうだよね。それが、当り前だよ」
アスカ「……」グスッ
108: 2012/12/22(土) 23:26:34.71 ID:8QWBDY3XP
シンジ「僕が一番大事なのはアスカだから」
シンジ「これからは、二度と放っておいたり、しないから」
シンジ「だから、許してくれる……?」
アスカ「……」グスッ
シンジ「……」
アスカ「……次は、絶対に許ざない」
シンジ「うん、許さないでいいよ。もうやらないから」
アスカ「……なら……許ず……」
シンジ「ありがとう、アスカ」
シンジ「これからは、二度と放っておいたり、しないから」
シンジ「だから、許してくれる……?」
アスカ「……」グスッ
シンジ「……」
アスカ「……次は、絶対に許ざない」
シンジ「うん、許さないでいいよ。もうやらないから」
アスカ「……なら……許ず……」
シンジ「ありがとう、アスカ」
110: 2012/12/22(土) 23:28:29.25 ID:8QWBDY3XP
―――ファンクラブ会場
シンジ「ファンクラブをやめさせてください」
ケンスケ「……理由は?」
シンジ「もっと、アスカと一緒にいたいから」
ケンスケ「……」
トウジ「分かってて言ってるんやな?」
シンジ「うん、ここにいる人たち、全員を敵に回す発言だよね」
トウジ「それでも、撤回はしないと?」
シンジ「僕は、自分よりアスカが大事だから」
トウジ「……」
シンジ「ファンクラブをやめさせてください」
ケンスケ「……理由は?」
シンジ「もっと、アスカと一緒にいたいから」
ケンスケ「……」
トウジ「分かってて言ってるんやな?」
シンジ「うん、ここにいる人たち、全員を敵に回す発言だよね」
トウジ「それでも、撤回はしないと?」
シンジ「僕は、自分よりアスカが大事だから」
トウジ「……」
113: 2012/12/22(土) 23:30:29.39 ID:8QWBDY3XP
ケンスケ「碇」
シンジ「なに?」
ケンスケ「俺は、お前が妬ましい」
シンジ「……ごめん」
ケンスケ「五臓六腑を細切れにして、海鳥のえさにしてやりたい」
シンジ「そ、そこまで!?」
ケンスケ「でも……」
シンジ「?」
ケンスケ「―――お前といることが、アスカ様の一番の幸せなんだよなぁ」
シンジ「……!」
シンジ「なに?」
ケンスケ「俺は、お前が妬ましい」
シンジ「……ごめん」
ケンスケ「五臓六腑を細切れにして、海鳥のえさにしてやりたい」
シンジ「そ、そこまで!?」
ケンスケ「でも……」
シンジ「?」
ケンスケ「―――お前といることが、アスカ様の一番の幸せなんだよなぁ」
シンジ「……!」
117: 2012/12/22(土) 23:32:42.92 ID:8QWBDY3XP
ケンスケ「アスカ様の幸せこそ、俺たちの幸せ……そうだよな、みんな!」
男たち『応っ!!』
シンジ「みんな……!」
冬月「それにな」
シンジ「えっ?」
ゲンドウ「―――会員の幸せもまた、然り」
冬月「というわけだ」
シンジ「父さん……!!」
男たち『応っ!!』
シンジ「みんな……!」
冬月「それにな」
シンジ「えっ?」
ゲンドウ「―――会員の幸せもまた、然り」
冬月「というわけだ」
シンジ「父さん……!!」
122: 2012/12/22(土) 23:36:09.71 ID:8QWBDY3XP
ケンスケ「その代わり、アスカ様を大切にしろよ?」
シンジ「うん」
トウジ「アスカ様の笑顔を奪おうもんなら、ワシがぶん殴ったるからな」
シンジ「うん!」
ケンスケ「では、以上を持って」
トウジ「会員ナンバー812番。碇シンジの登録を抹消する」
ケンスケ「一同、礼!」
ビシッ!!
シンジ「―――ありがとう、ございました!!」
シンジ「うん」
トウジ「アスカ様の笑顔を奪おうもんなら、ワシがぶん殴ったるからな」
シンジ「うん!」
ケンスケ「では、以上を持って」
トウジ「会員ナンバー812番。碇シンジの登録を抹消する」
ケンスケ「一同、礼!」
ビシッ!!
シンジ「―――ありがとう、ございました!!」
124: 2012/12/22(土) 23:39:00.48 ID:8QWBDY3XP
ケンスケ「……これで、よかったんだよな?」
加持「ああ」
トウジ「部屋着が見れなくなるだけや」
シゲル「それはけっこう痛いな」
冬月「この際、女性会員の確保に乗り出すか?」
ゲンドウ「……あの家には一人、使えそうな人間がいたな」
マコト「あれ? その前に……」
ペンペン「クエッ?」
男たち『うぉおおおおお! アスカ様ファンクラブは不滅だぁあああああああ!!』
加持「ああ」
トウジ「部屋着が見れなくなるだけや」
シゲル「それはけっこう痛いな」
冬月「この際、女性会員の確保に乗り出すか?」
ゲンドウ「……あの家には一人、使えそうな人間がいたな」
マコト「あれ? その前に……」
ペンペン「クエッ?」
男たち『うぉおおおおお! アスカ様ファンクラブは不滅だぁあああああああ!!』
125: 2012/12/22(土) 23:41:29.47 ID:8QWBDY3XP
エピローグ
アスカ「ねぇ」
シンジ「ん?」
アスカ「最近、写真撮らなくなったわね」
シンジ「あー……」
アスカ「どうして?」
シンジ「だって、ほら」
アスカ「?」
シンジ「写真より、実物の方が……ね」
アスカ「うっ」
アスカ「ねぇ」
シンジ「ん?」
アスカ「最近、写真撮らなくなったわね」
シンジ「あー……」
アスカ「どうして?」
シンジ「だって、ほら」
アスカ「?」
シンジ「写真より、実物の方が……ね」
アスカ「うっ」
127: 2012/12/22(土) 23:43:30.46 ID:8QWBDY3XP
シンジ『本当にやめて良かったの? ファンクラブ』
ケンスケ『ああ、未来への投資っていう意味もあるから』
シンジ『?』
ケンスケ『なぁ碇、女の子の一番可愛い表情って知ってるか?』
シンジ『……笑顔とか?』
ケンスケ『惜しい』
シンジ『正解は?』
ケンスケ『好きな人に見せる笑顔だ』
シンジ『えっ』
ケンスケ『碇なら、アスカ様から引き出せるかもな』
シンジ『そんな、僕は別に……』
ケンスケ『少なくとも、俺よりはずっと確率が高いだろ?』
シンジ『それはまぁ』
ケンスケ『否定しろよ!?』
ケンスケ『ああ、未来への投資っていう意味もあるから』
シンジ『?』
ケンスケ『なぁ碇、女の子の一番可愛い表情って知ってるか?』
シンジ『……笑顔とか?』
ケンスケ『惜しい』
シンジ『正解は?』
ケンスケ『好きな人に見せる笑顔だ』
シンジ『えっ』
ケンスケ『碇なら、アスカ様から引き出せるかもな』
シンジ『そんな、僕は別に……』
ケンスケ『少なくとも、俺よりはずっと確率が高いだろ?』
シンジ『それはまぁ』
ケンスケ『否定しろよ!?』
128: 2012/12/22(土) 23:44:57.97 ID:8QWBDY3XP
シンジ「……」
アスカ「なに?」
シンジ「アスカはいつも可愛いから、これ以上があるのかなって」
アスカ「は、はぁ?」
シンジ(でも、いつかは……なんてね)
アスカ「?」
終劇
アスカ「なに?」
シンジ「アスカはいつも可愛いから、これ以上があるのかなって」
アスカ「は、はぁ?」
シンジ(でも、いつかは……なんてね)
アスカ「?」
終劇
130: 2012/12/22(土) 23:46:00.67 ID:8QWBDY3XP
シンジとアスカがいちゃつくだけのを書きたい。
でも流石にそれは……と思った果てがこれです。どうもでした。
でも流石にそれは……と思った果てがこれです。どうもでした。
145: 2012/12/22(土) 23:58:47.48
乙
引用元: シンジ「アスカ様ファンクラブ?」
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