90: 

P「居なれた場所でも、1人でいると心細く感じます」

P「そんな時、不安を煽るようなものを見つけてしまったら?」

P「これは、そんな空間に1人留守番するだけの物語です」


小鳥「黒子×火神……、ホMホMしいわぁ」

小鳥「……飽きちゃった」

小鳥(いつもは騒がしくて狭いはずの事務所も、みんながいないと寂しいものね。こんなに広かったかしら?)

小鳥「いいなぁ、旅行」

『お留守番』音無小鳥

92: 2012/05/07(月) 03:13:48.02 ID:zlJFHMv00
小鳥「あっ、765プロです! いつもお世話になってます!」

小鳥「えっと、今社長も事務所にいなくて……、こちらから連絡しておきます。今後とも765プロをよろしくお願いいたしますね」

小鳥「……社長まで行くことないじゃない」

小鳥「仕事はあるけど、暇ね……」

小鳥「こういう時は、ネット循環しちゃおっと! 今日も元気にステマをするわよ!」

小鳥「えーと、この曲良いよね。同じ日に発売した天海春香の歌もいいけどね……、完璧ね! これでステマとバレルわけがないわ」

小鳥「ふぅ……。暇ね」

小鳥「あら、着信。メールかしら?」

小鳥「あら、楽しそうね。水着でハッスルしちゃって。私なんか見せる相手も……」

小鳥「ちくしょー!!」

小鳥「みんなしてわがままボディを見せちゃって! BBAに対するあてつけ!? いや、BBAじゃないけど」

95: 2012/05/07(月) 03:17:23.17
見せる相手なら俺がいるじゃないか

96: 2012/05/07(月) 03:18:58.91 ID:zlJFHMv00
小鳥「はぁ……、することないわね。なーんか面白いことないかしら?」

小鳥「目をつぶって音無小鳥17歳って打ってみよっと」

小鳥「オトンSSぢ子予知28D氏」

小鳥「これは酷い」

小鳥「でも暇で仕方ないわ。いつもはアイドル達で妄想世界に飛び込めるのに、その餌……、じゃなくてアイドルもいないし」

小鳥「アイドル達がいなくて出来ること……」

小鳥「……折角だしロッカー見てみましょうか」

小鳥「って待ちなさいよ小鳥! それはさすがに犯罪じゃないの!? いくら暇だからってアイドルの私物を覗くなんて……」

小鳥「すごく面白そうね」

101: 2012/05/07(月) 03:31:04.37 ID:zlJFHMv00

小鳥「それじゃあ第一回、アイドルのロッカー確認大会!! わー!」パチパチパチパチ

小鳥「それじゃあ春香ちゃんのを……」

小鳥「えっと、これを回して……」

小鳥「開いたわ! それじゃあ中身ちぇーっく!」

ドサドサドサ!!

小鳥「ってきゃああ!!」

小鳥「な、雪崩の如く写真が……」

小鳥「ん? これも、あれも、あれも……」

小鳥「プロデューサーさんのばっかりじゃない!」

98: 2012/05/07(月) 03:25:04.74 ID:4oqnmTwV0
小鳥「こ、これはあれよ! 抜き打ち持ち物検査よ! 万一大麻君みたいになんか持ってたら洒落になんないしね! 大人の女としての責務よ! ノブオリよ!」

小鳥「べ、別に売ろうなんて思ってないしね! それじゃあ、チェックしましょうか」

小鳥「まずは春香ちゃん! あの子のロッカーは同じ色のリボンが大量に出てきそうだけど……」

小鳥「……鍵がかかってるわね」

小鳥「そりゃそうね。諦めましょう……」

小鳥「テレビでも見て過ごしましょうか。2時間ドラマかしら?」

F越『ちっ、鍵がしまってやがる。あんましたくねえが……』

小鳥「あら、ピッキング。F越さん泥棒の役なのかしら?」

小鳥「ピッキングか……」

小鳥「えっと、ピッキング、やり方……」

102: 2012/05/07(月) 03:37:02.98 ID:zlJFHMv00
小鳥「確かに春香ちゃんはプロデューサーさんが大好きだけど……。でもこれじゃあストーカーじゃ……」

P『ん? おかしいな。背後から気配がするぞ……』

春香『ええ、ずっといますから! プロデューサーさん?』

小鳥「こわっ! 全部後ろからとってたなら滅茶苦茶愛が重いじゃない!!」

小鳥「こんなに人のロッカーが精神的に来るものだったんんて……」

携帯『繋ぐレインボー!』

小鳥「うひぃ! な、なんだ私の携帯か……」

小鳥「もしもし? あっ、春香ちゃん!? どうしたの? えっ、録画してほしい番組がある? えっと、どの番組かしら?」

小鳥「ふぅ……、まさかロッカーを見てるのがばれたかと思ったわ。次は……」

小鳥「千早ちゃんね。千早ちゃんなら、音楽関係の雑誌かしら? それとも……、胸関係かしら」

104: 2012/05/07(月) 03:42:26.28 ID:4oqnmTwV0
小鳥「千早ちゃんのロッカーも青色なのね。一応黒髪だけど、青にちなむことが多い子よね」

小鳥「えっと、これをこうして……」

小鳥「御開帳~」クパァ

小鳥「中は整理されてるわね。と言うより、荷物が少ないだけか」

小鳥「著名なオーケストラのCD、有名なオペラ歌手……。あら、こっそりやよいちゃんのCDもあるわね」

小鳥「ん? 紛れ込んでなにも書いてないCDがあるわ。PCで見れるタイプね、何を入れてるのかしら?」

小鳥「私、気になります!!」

小鳥「……折角だから見ちゃいましょう!」

105: 2012/05/07(月) 03:44:10.61
ほほう

108: 2012/05/07(月) 03:47:33.61 ID:zlJFHMv00
小鳥「あの機械音痴な千早ちゃんがわざわざPCで見るぐらいなんだから、一体何が入ってるのかしら?」

小鳥「ファイル名、Yuu? 事故で亡くなったって言う優君のことかしら?」

小鳥「一気に重くなってきたわね。見ちゃっていいのかしら?」

小鳥「そうよ、この好奇心を抑えたままじゃ後悔するだけよ!」

小鳥「いんすとーる」

小鳥「さて、何が出てくるか……」

小鳥「? この子が優君? 千早ちゃんと髪の毛の色が違うのね」

小鳥「あれ、今度は違う子が出てきたわね。さっきのこと同じぐらいの子だけど」

小鳥「ま、また違う子が……。こ、これってもしかして……」

110: 2012/05/07(月) 03:52:02.92 ID:J7z4PLqT0
子供『キャッキャ!』

千早『ね、ねえ……。そ、そこの君ぃ?』

子供『え? なぁに?』

千早『お、お姉ちゃんって言ってくれるかしら?』

子供『お姉ちゃん?』

千早『そ、そうよぉ! もっと心を込めて! ビックリマンチョコあげるら!』

子供『ほんと、お姉ちゃん!?』

千早『ユニバーーーース! お姉ちゃん頂きましたー!!』

子供『ママー!』

千早『んあー!!』


小鳥「いやいやいや! 優君にシツレイでしょ! 何個人を馬鹿にするような妄想をするのよ、私! そんなの妄想じゃないわ!」

小鳥「しかし千早ちゃん、まさかショタっ気があるとは……。見たくないもの見ちゃったわ」

112: 2012/05/07(月) 03:57:46.52 ID:zlJFHMv00
携帯『繋ぐレインボー!』

小鳥「ぴよっ! ち、千早ちゃんから着信が……」

小鳥「えっと、音無ですけど千早ちゃん? どうしたの? えっ、録画してほしい番組がある? はじめてのお使いね。分かったわ」

小鳥「ちょっと、これはガチなんじゃ……。録画しないと殺されそうね」

小鳥「もうやめた方がいいかしら……」

小鳥「私、気になります! ……誰よ、無茶するなって言うのは」

小鳥「気を取り直して、次は平和そうなやよいちゃんを!!」

小鳥「うちの事務所の癒しだし、これまでみたいなえげつないのが来るなんてこと……」

小鳥「オープンザロッカー」

小鳥「用途に分けてきれいに纏められてるわね。やよいちゃんらしいかな」

113: 2012/05/07(月) 04:03:06.37 ID:KTuVlA6t0
小鳥「あら? なにかしらこれ。宝くじ? 最近の奴ね。夢を買うって言うのかしら? ギャンブルなんかしなさそうなのに意外ね」

小鳥「番号は……7753150。菜々子最高? どこの番長よ」

小鳥「交換期日はまだ先ね。でもそろそろ当選が発表されてるんじゃ……」

小鳥「ググってあげましょう!」

小鳥「~♪」

小鳥「7753150っと」

小鳥「どれどれ、2000万円の当たりくじ、盗まれる――」

小鳥「ふぇ? 当たりくじ盗まれた?」

小鳥「ば、番号が一致した……?」

小鳥「じゃ、じゃ、じゃあ! この当たりくじって……」

115: 2012/05/07(月) 04:11:50.91 ID:J7z4PLqT0
やよい『うっうー! 命が惜しけりゃ金をよこすですー!』

被害者『か、金目のものなんて何も……』

やよい『じゃあ高価なものよこしやがれです!』

被害者『じゃ、じゃあ宝くじの当たり券を……』

やよい『うっうー! そんな紙切れ……。2000万円の価値があります! 毎日もやし祭りが出来ます!!』


小鳥「うわっ、ちょっと萌えた」

小鳥「じゃなくて! あのやよいちゃんに限ってそんなことはないと思うけど、この宝くじを持ってたら、」

小鳥「泥棒ですよ、泥棒!!」

携帯『つが』

小鳥「ひゃい、音無です! あっ、876プロの。どうかなさいましたか? はい、分かりました。また本人に連絡します」

小鳥「ふぅ、ここでやよいちゃんから電話がかかってくると思ったけど、そんなことなかったわね」

117: 2012/05/07(月) 04:16:55.99 ID:4oqnmTwV0
小鳥「それじゃあ次は誰を……」

小鳥「そうね、まだマシそうな伊織ちゃんにしましょう」

小鳥「ロッカー一つにしても、妙に高価そうね。金持ちはロッカーにも力を入れるのかしら?」

小鳥「うげっ、ここでまさかのセキュリティ、パスワードなんかわかるわけないじゃない!」

小鳥「ためしに誕生日を……0505っと」

小鳥「あっ、開いた。なんか拍子抜けしたわね……」

小鳥「ふむふむ、ウサギちゃんの服まで置いているのね。なんというか、意地っ張りだけど可愛いわね」

小鳥「まぁ流石に伊織ちゃんは……、あら? 何かしらこの手帳。黒皮?」

小鳥「もう嫌な予感がプンプンするんだけど……」

119: 2012/05/07(月) 04:27:02.42 ID:J7z4PLqT0
小鳥「えっと……。O沢、H山……。政府の用人と、隣に日時が書かれてるわね」

小鳥「あら? 今ちょうどO沢の時間ね。何が……」

テレビ『緊急ニュース速報』

小鳥「え? 地震かしら?」

テレビ『逆転無罪のO沢氏急死。原因は不明』

小鳥「ぴ、ピヨヨ……」

伊織『リュ○ク、見てなさい』

死神『んほっ? なんだ?』

伊織『今の世の中は腐っているわ。自分本位な政治家、二股する忍者、クラスで6,7番目ぐらいに可愛い女子×48のごり押し……。だから私は、世界を変えるの』

伊織『この、DEATH N○TEでね』

死神『人間って、面白!』

える(千反田)『キラが誰か、私気になります!!』

小鳥「んなわけないよね! ね!?」

携帯『つ』

小鳥「ひゃあ!」

121: 2012/05/07(月) 04:34:37.56 ID:zlJFHMv00
小鳥「い、伊織ちゃん……。どうしたの?」

小鳥「え? お土産は何がいいかって? そうね……、何でもいいわよ。ありがとうね」

小鳥「ふぅ。まさか触った者も殺されるなんてことがあったらどうしようかと思ったけど……」

小鳥「死神も見えないし、これは気のせいよね、うん!!」

小鳥「さて次ぐらいで最後にしましょうか。もうメンタルがやばいわ。全部見ないのかって? それならそれでスレ立てるわよ!!」

小鳥「最後は……、そうね、プロデューサーさんのロッカーを見ましょうか」

小鳥「まぁあの真面目好青年プロデューサーさんのことだから、特に怪しいものはないと思うけど……」

小鳥「いや待てよ? こんなに美女、美少女に囲まれてるんだから、もしかしたら出来心で……」

小鳥「私の写真もあったりして?」

123: 2012/05/07(月) 04:39:22.43 ID:4oqnmTwV0
小鳥「それじゃあプロデューサーさんのをグイグイっと入っちゃうわよ!」

小鳥「あれ? なかなか開かないわね……」

小鳥「んしょ、んしょ……。えいっ!!」

ドサッ

小鳥「きゃっ!! な、なにか落ちてきた……」

小鳥「え? ……首?」

小鳥「きゃあああああああああ!!!」

小鳥「だ、誰の!? 誰の首なの!?」

小鳥「こ、これ……」

小鳥「私の顔?」

124: 2012/05/07(月) 04:43:44.18 ID:4oqnmTwV0
小鳥「う、ウソよね! そんなわけ……。あれ? これって、マネキン?」

小鳥「はぁ……、マネキンと死体を間違えるなんて、どうかしてるわよ」

小鳥「でも、どうして私の顔なの? 凄く似てるけど……。なんでかしら? 違和感があるのは」

小鳥「鏡に映る私とマネキン。歌のタイトル?」

小鳥「似てるけど……、マネキンの方が若いかしら? まるで私が現役のころみたい」

小鳥「ってそうじゃなくて!  なんでプロデューサーさんのロッカーから私の首だけのマネキンが出てくるの?」

小鳥「あれ? このロッカーも少し変ね」

小鳥「奥にまだ、何かあるのかしら?」

126: 2012/05/07(月) 04:55:19.82 ID:J7z4PLqT0
小鳥「叩いたら空洞があるみたいなのよね……」

小鳥「壊してでも開けるべきかしら……。い、いや気のせい……?」

小鳥「何もなかったら、どう言い訳したらいいか分からないし……」

小鳥「でも気になるというか……。旺盛な性欲と好奇心は止まらないというか……」

小鳥「こ、これは正当防衛よね! うん、きっとそうなるわ!」

小鳥「ロッカーを移動しようとしていたら、落としてしまって偶然開いた! そのプランで行きましょう!!」

小鳥「そうと決まれば、あちょー!!」

ドンっ!

小鳥「はぁ……、はぁ……。ロッカーが壊れちゃいましたね。さあ、一体何があるのか……」

127: 2012/05/07(月) 05:00:41.99 ID:4oqnmTwV0
小鳥「み、見ますよー」

小鳥「やっぱり奥にまだスペースが有ったんだ。手首とか落ちてませんよね?」

小鳥「え、えっと……。これは、アルバム?」

小鳥「み、見ていいよね……」

小鳥「こ、これって……」

小鳥「私のアイドル時代の、写真?」

?「そうですよ、小鳥さん」

小鳥「ぴよっ!! ぷ、プロデューサーさん!? ど、どうして……」

P「急いで帰ってきました。だって小鳥さん、暇そうだったし、みんなのロッカー見てたからさ」

小鳥「ど、どうしてそれを……」

P「ああ、隠しカメラって便利ですよね。ずっと見てたんですよ? この子がね」

小鳥「ま、マネキン……」

129: 2012/05/07(月) 05:05:13.46 ID:zlJFHMv00
P「ええ、目にカメラが入ってるんです。アイドルのみんなには、忘れ物をしたって言って戻ってきました。意外と遠くないですよね、海から」

小鳥「こ、このマネキンはいったい……」

P「それですか? そっくりでしょ?」

小鳥「そういうことを聞いてるんじゃ!」

P「おれね、この業界に入ったの、小鳥さんが理由なの」

小鳥「え?」

P「俺ずっとファンだったんだ。だからこんな風に一緒に仕事できてうれしかった」

P「でも、悲しいことに気づいちゃったの」

P「小鳥さん、どんどん歳を取ってくの」

小鳥「え?」

P「俺が好きだった、アイドル小鳥さんは、その辺のおばさんと同じように、劣化していくのが見えたんだ」

132: 2012/05/07(月) 05:20:14.14
\(^o^)/

134: 2012/05/07(月) 05:33:36.95
はい

135: 2012/05/07(月) 05:39:19.23 ID:zlJFHMv00



P「それが赦せなかった。俺の大好きな小鳥さんは、もっと若々しかったから」

小鳥「い、いやぁ……」

P「でもさ、まだ今なら大丈夫かな。このまま小鳥さんの時間を止めたら、きっと……」

小鳥「こ、来ないでください……」

P「一人ぼっちのお留守番で寂しかったでしょ? でも大丈夫。今日から小鳥さんは、」

P「ずっと俺の家にいるんだから……」

小鳥「きゃあああ!!」

P「ずっと、美しくかわいい小鳥さんのままで……。他の誰にもあーげない」

小鳥「」

P「俺たちは、永遠になるんだから」

136: 2012/05/07(月) 05:44:09.45 ID:zlJFHMv00
社長「ううむ……」

律子「小鳥さんとプロデューサーがいなくなってから、どれぐらい経ったんでしょうね。警察も必死に探してるみたいですけど……」

社長「忘れ物を取りに行くと言っていたが、あの後なにが起きたというのだ?」

美希「あっ、律子」

律子「律子さん、でしょ」

美希「律子、さん。これ見て欲しいの」

律子「なによこれ、結婚式場のカタログ?」

美希「うん。それでね、このマネキンだけど……」

美希「そっくりじゃない?」


P「好奇心は猫をも殺す」

P「あなたが普段使っているロッカー、その隣には、何が入っているのでしょうか?」

P「いや、もしかしたらこの世界じゃないどこかと……」

世にも
奇妙な
アイドルマスター

137: 2012/05/07(月) 05:50:19.02
他のアイドルのロッカーはどうなってたんだろうな

138: 2012/05/07(月) 05:50:54.46
こわー

乙乙

142: 2012/05/07(月) 06:03:37.70
乙ー

143: 2012/05/07(月) 06:13:02.30

時間があればリメイクしてくれ

154: 2012/05/07(月) 09:35:01.20 ID:4oqnmTwV0
P「秘密と言うのは、親しい人にも話せないでいます」

P「友人、親、兄弟姉妹。打ち明けるのには、少し勇気がいりますね」

P「さてここに双子の姉妹がいます。この2人、腹に何を秘めているか、見てみましょうか」


真美「その……、えっとね……。好きなんだ、兄ちゃんのことが……」

P「ありがとうな、真美。全く、女の子に言わせるなんて、俺は情けないな」

真美「え?」

P「俺も好きだよ、真美」

真美「兄ちゃん!!」

155: 2012/05/07(月) 09:40:47.52 ID:4oqnmTwV0
真美「えへへ……」

亜美「ねーねー、真美。最近良いことあった?」

真美「なんでそう思うの?」

亜美「そりゃそんなにやけ顔されたら、誰だってそう思うっしょ」

真美(顔に出てたのかな。さすが我が妹、目ざとい)

律子「亜美ー、そろそろ行くわよ?」

P「真美も行くぞー」

亜美「あっ、待ってよ律っちゃん!」

真美「今いくよー!」

双海真美、双海亜美。恐らく、いま日本で一番有名な双子。思春期に入った姉の真美と、まだ幼さの残る妹の亜美の姉妹は、今日も今日とて収録だ。
納税長者に名が乗るだけはある。

真美「兄ちゃん」

P「なんだ、真美」

真美「呼んでみただけ!」

P「なんだそりゃ」

156: 2012/05/07(月) 09:44:34.04 ID:J7z4PLqT0
P「えっと今日の仕事だけど……。あれ?」

律子「プロデューサーと真美? 同じ仕事でしたっけ」

P「そうなのか? 特に聞いてなかったけど……」

真美「亜美と仕事って久しぶりかも」

亜美「そうかもね!!」

P「じゃあこの企画の相手ってのは……」

律子「姉と妹?」

亜美「?」

真美「?」

企画書『暴露コロシアム』


『暴露コロシアム』 双海亜美、双海真美

158: 2012/05/07(月) 09:50:49.22 ID:KTuVlA6t0
司会『相手に隠してることって、いっぱいありますよね?』

司会『例えばとあるお笑いコンビ。突っ込みは実はボケに恋愛感情を抱いていた。一体何を突っ込むのか!?』

司会『例えばとある夫婦。夫には節約生活を送らせる一方、自身はホストのジャガー君と毎日遊んでる!』

司会『そんな言いにくい胸の内を、今ここでぶちまけあいましょう!!』

司会『暴露コロシアム! 今宵は、人気双子アイドル、双海亜美、双海真美。互いの口から、どんな爆弾が飛び出るのでしょうか!?』

亜美「ねえ律っちゃん、なに付けるの?」

律子「心拍数を図るやつよ。この番組は、互いに自分の秘密、相手に思っている不満をぶつけ合って、より動揺させた方が勝利みたいなの」

亜美「えっと、暴露大会みたいなの?」

律子「そういうとこね。暴露ネタが攻撃ってとこかしら?」

亜美「良く分からないよ」

159: 2012/05/07(月) 09:55:51.27 ID:KTuVlA6t0
律子「まあ秘密を言えばいいんじゃない? ほぼ毎日悪戯してんだから、あんたらたくさんあるでしょ?」

亜美「そうだけどさ~」

律子「それに、向こうは戦闘態勢よ?」


真美「暴露バトルか……」

P「ああ、気負わずに行けば勝てるさ」

真美「ねえ兄ちゃん、真美が勝ったらさ……」

P「ああ、一緒に飯でも食うか」

亜美「……」

律子「亜美?」

亜美「あっ、うん! で、なんだっけ?」

律子「別に何も言ってないわよ」

スタッフ「本番五分前です!」

律子「はーい! じゃあ亜美、行ってらっしゃい」

亜美「なんだかなぁ」

160: 2012/05/07(月) 10:04:18.57 ID:KTuVlA6t0
司会『秘密と不満を武器にして、栄冠をつかめ!! 暴露コロシアム、今宵の選手入場です!』

司会『赤コーナー、上から78、55、77……。竜宮小町の幼女担当、史上最強の腕白少女!』

巻き舌『ふぅぅぅぅたぁぁみぃぃぃ、あぁぁぁぁぁみぃぃぃぃぃ!!』

司会『青コーナー、上から78,55,77……。絶賛ソロで活躍中、思春期お姉ちゃん!』

巻き舌『ふぅぅぅぅたぁぁみぃぃぃ、まぁぁぁぁぁみぃぃぃぃぃ!!』

亜美「真美とこうやって戦うって久ちぶりだね」

律子「ちなみに私はセコンドよ」

真美「真美が勝つもんね」

P「俺は真美側のセコンドだ」

司会『それでは、暴露コロシアム。第一ラウンド、ファイト!!』

161: 2012/05/07(月) 10:13:33.91 ID:4oqnmTwV0
司会『ここに剣はない! しかし、剣闘士よ! お前たちの武器は、そのマイクだ!! 先行は双海亜美!』

亜美「これで相手に暴露したらいいの?」

律子「みたいね」

真美「どんな暴露もかかってこいやー!」

亜美「じゃ、じゃあ……」

亜美「真美の写真、ピヨちゃんに売ったの、亜美なんだ!」

真美「へ?」

司会『おっと、双海真美! ちょっと動揺したぞ! 心拍数+5!』

真美「ピヨちゃんに売ったって……、なんのこと?」

亜美「実はね……」

162: 2012/05/07(月) 10:18:33.94 ID:4oqnmTwV0
亜美『あー、金欠だよー。給料ほとんど貯金されちゃうもんなぁ』

小鳥『あっ、亜美ちゃん』

亜美『ねえピヨちゃん、手っ取り早くお金を稼ぐ方法ないかな?』

小鳥『お金を稼ぐ方法?』

亜美『うん、ちょっと今月ピンチなんだ』

小鳥『そうね……。あっ、良いこと思いついた』

亜美『?』

小鳥『ねえ、亜美ちゃんにお願いがあるんだけど……』

亜美『なに?』

小鳥『真美ちゃんのすっぽんぽん写真、欲しいかなぁ。なんちゃって!』

亜美『いいよー。でも高くつくかんね!』

小鳥『え?』


真美「ちょ、ちょっとなにしてんのさ!!」

亜美「いやぁ、あのピヨちゃんの笑顔忘れられないよ」

163: 2012/05/07(月) 10:25:54.97 ID:J7z4PLqT0
真美「さいてーだよ! 普通姉を売る!?」

亜美「ち、ちかたないじゃん! VITAが欲しかったんだYO!」

真美「真美の裸=VITA!?」

司会『双海真美、妹の裏切りに動揺が隠せません!!』

真美「こ、これが暴露コロシアム……」

P「次は真美の番だ。亜美にお返ししてやれ!!」

真美「う、うん!!」

司会『双海真美の反撃だぁ! 一体どんな暴露が飛び出るのか!?』

真美「え、えーと真美は……」

真美「ネットの掲示板で竜宮に双海亜美はいらないスレを立てました」

亜美「えええ?!」

司会『おっと、とんでもないカウンターが来たぞ! 双海亜美、心拍数が上がっていくぞ!』

164: 2012/05/07(月) 10:31:13.49 ID:KTuVlA6t0
真美『はぁ……、退屈だなぁ』

真美『ピヨちゃんみたいにネット掲示板でも見て回ろうかな』

真美『うはぁ、さすが社会の最底辺の集まり。今日も今日とて不毛だね~』

真美『そうだね、真美もスレ立ててみようかな。面白そうだし』

真美『えっと……、何を立てようかな』

テレビ『今週の1位は、竜宮小町! 竜宮と言えば、双海亜美ちゃんのお姉さんもアイドルとして活躍していますね』

真美『い、今真美おまけみたいに言われなかった?』


真美「っていきさつで」

亜美「意味が分からないYO!」

真美「ほらっ、竜宮ってさ、いおりんはリーダー役だし、あずさお姉ちゃんは包容力と歌唱力があるけど、」

真美「亜美である意味ある?」

亜美「ぐはぁ!!」

律子「気を確かにもって、亜美! 私はあんたを入れて正解だと思ってるわよ!!」

165: 2012/05/07(月) 10:33:08.17
なんという傷の広げあい

166: 2012/05/07(月) 10:38:09.10 ID:KTuVlA6t0
P「真美、ホントにそんなスレ立てたのか?」

真美「うん。レベルが足りないとか言われたから、代行してもらったYO!」

P「そこまでして書きたかったのか……」

亜美「あ、悪意しか感じないよ……」

真美「まあそんなスレ立てたら、逆にこっちが叩かれたけどさ。お前真美だろって」

律子「ほらっ! 世間の目も亜美を求めてるわよ!!」

亜美「り、律っちゃん……」

真美「あっ、でもやたらはるるんを推す声があったかな……。しかも同一IDで」

P「その暴露の方がえげつないと思うのは、俺だけか?」

司会『さて、第1ラウンドの結果はこうだ!』

双海亜美 +13

双海真美 +10

司会『第1ラウンドは辛くも双海真美が勝利だ!!』

167: 2012/05/07(月) 10:42:37.69 ID:J7z4PLqT0
亜美「うぅ……、律っちゃん……」

律子「よしよし……」

真美「兄ちゃん、第1ラウンドは貰ったよ!」

P「ああ、いい感じだ! って素直にいえないんだよな、うん」

真美「亜美なんか知らないよ! 人の裸売るなんて、どういうつもりさ!」

P「ネットで妹叩く姉もどうなんだ? Lイージとか赤い雪男が頭をよぎるぞ」

司会『それでは第2ラウンド、開始します!』

P「よし、行って来い!」

真美「ストレートで勝っちゃうよ!」

律子「あんたの思いのたけ、しっかりぶつけてきなさい!」

亜美「おうよ!!」

169: 2012/05/07(月) 10:54:14.19 ID:J7z4PLqT0
第2ラウンド!!

真美「真美が先行だよ!!」

亜美「な、なんでも来なよ!」

真美「んじゃどうしようかな……」

真美「はいはーい! 実は……」

真美「亜美と間違えて告白してきた先輩に、亜美の代わりにオーケーだしときました!」

亜美「えええええ!?」

司会『おっと! 双海亜美、一気に心拍数が上がったぞ!』

律子「ちょ、ちょっとええ!?」

P「真美、マジなのか?」

真美「あっ、うん」

171: 2012/05/07(月) 11:00:48.20 ID:J7z4PLqT0
イケメン『亜美ちゃん! 俺、亜美ちゃんのことが……』

真美『え? 亜美じゃな……』

イケメン『好きなんだ!!』

真美(この人って、学校1のイケメンだよね? 亜美が好きって)

真美『えっと、その……』

真美(亜美が好きなら何で間違えるかなぁ。まあ真美も昔は、自分がどっちだったか分からなくなってたけどさ)

イケメン『だめ、かな……』

真美(あっ、まてよ? 亜美は学校1の人気者、人気者には、人気者の彼氏の方がが映えるよね)

真美『うん、いいよ……』

イケメン『え? マジ!? へへっ、やーりぃ!』


真美「てな感じで」

亜美「てな感じで、じゃないよ! だから最近妙に付きまとってきたのかあの先輩!!」

172: 2012/05/07(月) 11:10:32.84 ID:zlJFHMv00
真美「めーわくだった?」

亜美「当たり前だよ!! しつこくて仕方ないんだから!」

真美「ほら、亜美友達が彼氏出来たみたいなこと言ってたし」

亜美「だからって押し付けないでよ!!」

司会『さて、双海亜美はどんな反撃を見せるのか!?』

律子「落ち着いて、亜美。勝機は必ずあるはずよ」

亜美「ねえ、律っちゃん。あれ、ばらしてもいいかな?」

律子「あれ? ま、まさか!?」

亜美「うん、あれだよ」

律子「あ、あれを暴露したら、あんたはあんたじゃいられなくなるわよ!」

亜美「いいんだよ、もう」

亜美「今の亜美は、修羅だかんね!!」


174: 2012/05/07(月) 11:18:12.22 ID:zlJFHMv00
真美「へえ、亜美もあるんだ」

亜美「うん、これだけは使いたくなかったけど……」

亜美「実は亜美、スリーサイズを詐称してました」

真美「へぇ、スリーサイズを……」

真美「え? 今何って言った?」

亜美「スリーサイズ、実は嘘」

真美「ええええええ!?」

律子「言ってしまったのね、ついに!!」

P「なん…だと…」

175: 2012/05/07(月) 11:19:25.33
なん・・・だと・・・

千早の胸圧が消えた・・・!?

176: 2012/05/07(月) 11:23:59.12 ID:zlJFHMv00
真美「う、ウソだよね? 亜美と真美っていつも同じで……」

亜美「んふっふ~。一体いつから、姉と同じって思ってたの?」

真美「え?」

亜美「双子キャラが壊れるー、だとか真美が傷つくかもー、って黙ってたけど、実はさ、亜美の方が大きんだよね」

真美「そ、そんな!? だって温泉回じゃ……」

亜美「それは錯覚なのだ! 亜美は真美と同じぐらい、と言う先入観がそう見せてただけだよ」

亜美「ホントのサイズはね」

双海亜美 80、56、77

真美「ま、負けてる……?」

178: 2012/05/07(月) 11:29:08.12 ID:KTuVlA6t0
亜美「亜美の方がせくちぃなのに、ホント、思春期ぶっている真美の姿はお笑いだったよ!」

真美「あ、ああ……」

P「真美! 真美いいいいい!!」

司会『これは勝負あったかぁ!?』

双海亜美 +18

双海真美 +23

司会『第2ラウンドは、双海亜美が勝利だー!!』

亜美「イエイ!」

真美「うそうそうそ……、姉に勝る妹なんて……」

P「真美……」

181: 2012/05/07(月) 11:38:03.14 ID:J7z4PLqT0
司会『1対1での第3ラウンドを迎えるが、両者満身創痍だ! 特に双海真美のショックは計り知れないぞ!』

亜美「トーゼンの報いだよ、トーゼンの!!」

律子「あんた結構えげつないわよね……」

亜美「そう? でも真美の方がひどくない!? 勝手に告白うけちゃうんだよ!? そもそも亜美には……」

律子「亜美?」

亜美「い、いや! なんでもないよ!」

律子「そうなら良いんだけど……」

律子(今、何を言いかけたのかしら?)

真美「うう……」

P「真美、自分を保つんだ」

真美「無理だよぉ。あんな核弾頭が来るなんて誰も思わないよ」

183: 2012/05/07(月) 11:51:17.19 ID:J7z4PLqT0
P「これから大きくなるさ。なんなら俺がしてやろうか?」

真美「さ、触らないでよ! もう、兄ちゃんのスケベ!!」

P「はっはっは! 良いじゃないか。胸の大きさだって違うんだ、別に真美と亜美が一緒であり続ける理由なんてないだろ?」

真美「あっ……」

P「真美は真美だ。それ以外の何物でもない。例え亜美でも真美になんかなれないさ」

P「行って来い! 暴露コロシアムなんて大袈裟な名前付いてるけど、所詮は姉妹喧嘩なんだしさ」

真美「兄ちゃん……」

P「俺さ、兄弟姉妹いないから、そんな風に喧嘩できるお前たちが羨ましいんだ」

真美「嬉しくないよ? 妹なんていても……」

真美「ははっ、なんか気が楽になって来たや」

真美「兄ちゃんありがとう、行ってくるね?」

P「ああ、負けんじゃねえぞ!」

184: 2012/05/07(月) 11:56:21.16 ID:zlJFHMv00
亜美「なんか真美も覚悟入ったって感じ? じゃあ律っちゃん行ってくるね」

律子「ええ、行ってきなさい。姉妹喧嘩なんだから、負けちゃだめよ?」

亜美「うん!」

司会『さぁ両者立ち直ったようです!』

真美「亜美、こうやって向き合うの久しぶりかも」

亜美「そうかもね。逃げてたんじゃないの?」

真美「んなわけないじゃん!」

司会『さあ、最後のラウンドは同時に秘密を暴露してもらうぞ!!』

亜美「真美、言っとくけどさっきのよりもキツイかんね」

真美「亜美こそ。覚悟しなよ?」

185: 2012/05/07(月) 12:05:41.18 ID:KTuVlA6t0
亜美「じゃあ行くよ、真美!」

真美「おう! いっせーのでっ! で行くよ!」

亜美・真美『いっせーのでっ!!』

亜美・真美『兄ちゃんと付き合ってる!!』

亜美「え?」

真美「へ?」

亜美真美『えっ?』


――


置手紙『旅に出ます。探さないでくださいbyP』

世にも
奇妙な
アイドルマスター

189: 2012/05/07(月) 12:30:14.92
や、オチは読めたけど面白かったよ。次も期待。乙!

196: 2012/05/07(月) 14:29:56.13
双子編面白かった

引用元: P「世にも奇妙なアイドルマスター」