1: 2012/09/04(火) 22:26:20.14 ID:+9gukX2W0
伊織「今日も疲れたわねー」

P「お疲れさん。今日の撮影もよかったぞ」

伊織「そんなの分かってるわよ、私は水瀬伊織ちゃんよ」

P「はは、そうだったな」

伊織「分かればいいのよ。はやく事務所に戻るわよ」

P「了解」

3: 2012/09/04(火) 22:30:42.71 ID:+9gukX2W0
P「しかし、この頃伊織は仕事頑張ってるな」

伊織「んー、まあね」

P「いつも以上に一生懸命だし、仕事の愚痴は言わないし」

伊織「愚痴なんて前から言ってないわよ」

P「言ってただろー、『こんな仕事出たくなーい』とか」

伊織「そ、それは入りたての頃でしょ」

P「そうだったかー?」

伊織「ふん、そうよっ」

4: 2012/09/04(火) 22:35:52.27 ID:+9gukX2W0
P「でも、ホント急にどうしたんだ?」

伊織「別に。あんたには関係ないでしょ……」

P「まぁ、そうなんだけど……」

P「俺プロデューサーだからさ。伊織の力になれるならなりたいんだよ」

伊織「そういう所がほんとに……」

P「ん?」

伊織「……」

伊織「私は仕事に生きる女になるって決めたのよ」

P「なんだそれ?」

伊織「どうでもいいでしょっ! ふんっ」

5: 2012/09/04(火) 22:39:02.36 ID:+9gukX2W0
P「俺、なんか悪い事言ったか?」

伊織「……」

P「おーい、伊織?」

伊織「……ふんっ」

P「悪い事言ったなら、謝るって」

伊織「別に!」

P「だって怒ってるじゃん……」

伊織「怒ってないわよ、ベー」

7: 2012/09/04(火) 22:44:51.49 ID:+9gukX2W0
――――――
――――
――

P「ただいま、戻りました」

春香「お疲れ様ですプロデューサーさん、伊織」

小鳥「お疲れ様です」

真「あっ、プロデューサー」

P「あれっ、真? 今日は仕事入ってなかったような……」

真「そうなんですけど……今日はプロデューサーに会いに来ちゃいました」

P「おぉ、そっか。嬉しいよ」

真「えへへ///」

9: 2012/09/04(火) 22:51:12.81 ID:+9gukX2W0
小鳥「伊織ちゃんもお疲れ様ね」

伊織「えぇ……はぁー……何よあれ」

春香「ははは……」


真「見てくだいよプロデューサー」

P「おっ、似合ってるな。昨日の撮影の奴か?」

真「はい、プロデューサーに一番に見てほしくって」

P「真はなんでも似合うからなー」

真「もぉ、恥ずかしいですよプロデューサー///」


春香「プロデューサーさんと真はいっつもラブラブだね」

小鳥「あっつあつよねー」

伊織「ただのバカップルでしょ……」

10: 2012/09/04(火) 22:58:01.51 ID:+9gukX2W0
小鳥「急に真ちゃんとプロデューサーさんが付き合うなんて言い出して、あの時はビックリしたわよね」

春香「でかれこれ1カ月この調子ですからねー」

小鳥「けどマスコミにバレないかが心配ね……」

春香「そうですね」


真・P「イチャイチャ」

小鳥「良いわねぇ……」

春香「大丈夫ですよ、小鳥さんは大人の女性だから直ぐに彼氏できますよ」

伊織「……ふんっ」

14: 2012/09/04(火) 23:10:20.02 ID:+9gukX2W0
伊織「……私もう帰るわ」

春香「えっ」

伊織「明日もまた早いし……」

春香「そっか」

小鳥「お疲れさまね伊織ちゃん」

伊織「ん」


P「おっ、伊織帰るのか?」

伊織「あんた達みたいに暇じゃないのよ」

16: 2012/09/04(火) 23:15:23.82 ID:+9gukX2W0
真「むっ、僕だって暇じゃないさ」

伊織「こんな奴に話しに来てるのが?」

真「それは……」

伊織「ふんっ、せいぜいそうしてなさい」

伊織「そうしてる間に私はスーパーアイドルになるんだからね」

真「ぼ、僕だって負けないからね」

伊織「ふんっ」

バタン

17: 2012/09/04(火) 23:19:56.23 ID:+9gukX2W0
伊織「絶対に……」

伊織「負けないんだから……」

――――――
――――
――


ガシャン
伊織「っ──」

律子「ちょっと大丈夫、伊織?」

伊織「大丈……つっ――」

18: 2012/09/04(火) 23:23:23.77 ID:+9gukX2W0
亜美「うわ→すっごい腫れてるよ→いおりん」

あずさ「律子さん、これじゃあ……」

律子「そうね……これじゃあ今日のレッスンは無理かもね」

伊織「そんな事……つつ……」

律子「無理しないの、ほら伊織は一応病院」

伊織「うぅ……分かったわよ」

律子「ほらほら、あずささんと亜美はレッスンよー」

亜美「えぇ→」

あずさ「あら~……」

20: 2012/09/04(火) 23:28:49.92 ID:+9gukX2W0
――――――――――

律子「ただの捻挫で良かったわね」

伊織「律子は大げさのよ」

律子「はいはい、じゃあ私はタクシー捕まえてくるから待ってて」

伊織「分かったわよ」



P「……」

伊織「あれっ! なんであいつが病院に……?」

22: 2012/09/04(火) 23:37:18.68 ID:+9gukX2W0

伊織「……」コソコソ

P「まだドナーは見つからないんですか?」

医者「えぇ……そう簡単に順番が回ってくるものではないんですよ……」

P「そう……ですよね」

医者「心境は分かります、ですが焦ってもしょうがないですよ」

P「でも、このままだと俺は……」

医者「落ち着いて下さい」

23: 2012/09/04(火) 23:42:06.41 ID:+9gukX2W0
P「けど……」

医者「根気強く頑張りましょう」

P「死にたくないんです……」

伊織(えっ……)

医者「えぇ、えぇ」

P「うぅ……真……真……」

伊織(何? 死ぬ? 誰が? プロデューサーが?)

24: 2012/09/04(火) 23:47:37.11 ID:+9gukX2W0
伊織「……なんで、あいつが?」ふらふら

律子「ちょっと伊織! どこいってたのよ」

伊織「えっ、は?」

律子「もー、タクシー待たせてるんだからー」

伊織「ご、ごめん」

律子「じゃあ、、行くわよ」

伊織「あっ、うん」

25: 2012/09/04(火) 23:52:27.32 ID:+9gukX2W0
――――――――――――

律子「じゃあ、今日は安静にしてなさいよ」

伊織「えぇ、ありがとう」

律子「じゃあ、また明日ね」

伊織「うん」



伊織「……」ピッ

prrrrrrr

伊織「もしもし、ちょっと調べて欲しい事があるんだけど?」

28: 2012/09/04(火) 23:59:53.05 ID:+9gukX2W0
―――――――
――――
――


伊織「……」

伊織「あいつが病気……」

伊織「それで、その病気は治らないの?」

伊織「……移植? ドナーが必要?」

伊織「……そう」

伊織「……ありがと、じゃあ頼むわね」

29: 2012/09/05(水) 00:04:13.99
―――――――
―――――
――

P「話ってなんだ、伊織?」

伊織「あんたの……病気の事よ」

P「びょ、病気? な、なんの事だ?」

伊織「この間、偶然病院であんたを見つけて、聞いちゃったのよ……」

P「はは、プライバシーの侵害だな……」

P「……」

P「そっか、聞いちゃったか……」

伊織「えぇ」

31: 2012/09/05(水) 00:09:42.14 ID:q4zHnRlJ0
P「けど、大丈夫だ、ちゃんと治せば──」

伊織「全部知ってる……悪いと思ったけど、調べさせてもらったわ……」

P「……はぁ、そっか」

伊織「事務所には言ったの?」

P「あぁ、社長には……後は真にな……」

伊織「そう、真に……」ズキッ

32: 2012/09/05(水) 00:15:22.48 ID:q4zHnRlJ0
P「はは、参ったな……参った……」

伊織「プロデューサー……」

P「……まだ皆をトップアイドルにしてないのにな」

伊織「……」

P「このままじゃあ難しいな……はは……」

伊織「プロ……」

P「くそっ……なんで、なんで俺が……うぅ……真……」

34: 2012/09/05(水) 00:19:13.13 ID:q4zHnRlJ0
伊織「私も……」

P「……真」

伊織「……私達もサポートするわ、元気出しなさい」

P「あぁ、ゴメンな本当に」

伊織「気にしないでいいわよ」

P「……ありがとな、伊織に聞いてもらって気がすっきりしたよ」

伊織「あんたの力になれたなら、それでいいわよ」

36: 2012/09/05(水) 00:26:10.73 ID:q4zHnRlJ0
――――――――――――――――――

伊織「で、どうよ調子は?」

P「あぁ、最高だよ。こんな良い病院も紹介してもらって」

伊織「あったりまえでしょ、伊織ちゃんを舐めるんじゃないわよ」

P「あぁ、ホントありがとうな伊織」

伊織「別にいいって言ってるじゃない、ふんっ///」

真「あっ伊織」

伊織「真……」

37: 2012/09/05(水) 00:33:36.30 ID:q4zHnRlJ0
真「伊織も来てたんだ」

伊織「えぇ……偶然近くを通ったから、偶然ね」

真「そうなんだ」

真「あっ、プロデューサーこれ、雑誌買ってきました」

P「真が載ってる奴だろ、ありがとな」

伊織「それ、私も──」

真「早く見て下さいよプロデューサー♪」

P「おぉ」ペラペラ

伊織「……じゃ、私戻るから」

真「うん」

P「ありがとな伊織」

ガチャ

伊織「私も……載ってるのに……」

39: 2012/09/05(水) 00:38:42.47 ID:q4zHnRlJ0
――――――――

D「今日も調子いいね伊織ちゃん」

伊織「ありがとうございます~」

D「セリフもちゃんと覚えて来て、ミスもしないし~」

伊織「はは、そんな事ないですよ~」

prrrrrrrrr

D「どうぞ」

伊織「すいませ~ん」

ピッ

伊織「もしもし」

40: 2012/09/05(水) 00:42:06.28 ID:q4zHnRlJ0
伊織「えっ、ホント!? 見つかったの」

伊織「えぇ……えぇ、分かった直ぐ行く」

D「ど、どうかしたの伊織ちゃん?」

伊織「すいません、用事ができたので失礼します」ダッ

D「えっ、これから撮影が……」




伊織「見つかった! 見つかった!」

伊織「これであいつも助かる!」


41: 2012/09/05(水) 00:47:19.87 ID:q4zHnRlJ0
伊織「これで、あいつも私の事を……」

伊織「……そうよ」

伊織「これだけしたんだもん……」

伊織「きっとあいつも私の事を……」

42: 2012/09/05(水) 00:52:47.77 ID:q4zHnRlJ0
ガラっ

伊織「プ、プロデューサー!」

P「ど、どうしたんだ、そんな急いで?」

伊織「見つかったのよ!」

P「な、何が?」

伊織「あんたのドナーよ!」

P「えっ」

45: 2012/09/05(水) 01:00:54.01 ID:q4zHnRlJ0
P「えっ、ほ、本当か!?」

伊織「本当よ」

P「……」

伊織「? どうしたのよ?」

P「うっ……うっ……ありがとう……ありがとう……」

伊織「べ、別にいいわよっ」

P「いや、本当にありがとう、伊織! 伊織は俺の命の恩人だよ」

伊織「ふ、ふん、そうよ、私があんたの命の恩人なんだから」

48: 2012/09/05(水) 01:06:37.73 ID:q4zHnRlJ0
伊織「……」

伊織「あ、あんたに頼みが──」



P「す、すまんちょっと待ってくれ」

prrrrr

P「真! やったぞ、伊織が伊織がドナーを見つけてくれたって!」

P「うん……うん……ありがとう……うん……」

P「あぁ……うん、はは、真が泣くなよ……」

52: 2012/09/05(水) 01:08:52.55 ID:q4zHnRlJ0
P「えっ……あぁ、分かった」

P「伊織、真が変わって欲しいって」

伊織「えっ、うん」


伊織「……もしもし」

真『ひっぐ……うぅ……伊織?』

伊織「そうよ……」

真『本当にありがとう……本当に、ひっぐ、うぅ……』

伊織「……」

53: 2012/09/05(水) 01:14:01.89 ID:q4zHnRlJ0
真『何度、ありがとうって言っていいか分かんないよ……』

伊織「……」

真『本当にありがとう大好きだよ伊織!』

伊織「そう……」

伊織「……」

伊織「別にどうって事ないわよ。ほら、プロデューサーに変わるわよっ」

真『う、うん』

56: 2012/09/05(水) 01:18:51.74 ID:q4zHnRlJ0
伊織「ほら」

P「あっ、おぅ」

P「真か……あぁ……うん」

伊織「……」
ガラっ

P「! 伊織! さっき、言い掛けてた事ってなんだったんだ?」

伊織「……別になんでもないわっ! ほら真が待ってるわよ」

P「そっか……」

バタン



伊織「うぅ……ふっ……うゅ……うぅ……」

59: 2012/09/05(水) 01:25:34.81 ID:q4zHnRlJ0
――――――
――――
――

ガチャ

「「「退院おめでとうございます」」」

P「うわっ」

春香「おかえりなさいプロデューサーさん」

P「あぁただいま」

やよい「うっうープロデューサー戻ってきてくれてうれしいですー」

P「俺もまた、皆と仕事ができると思うと嬉しいよ」

60: 2012/09/05(水) 01:32:51.86 ID:q4zHnRlJ0
P「全部伊織のおかげなんだよ」

伊織「別にそんなんじゃないわよ」

真美「いおりん、がんばりましたな→」

真「ホントに伊織には頭が上がらないよ」

雪歩「そ、そんなに伊織ちゃん頑張ったんだぁ」

P「ホント、なんでこんな俺の為にそこまでしてくれたんだ?」

伊織「そんなの……あんたが私の……」

P「私の……?」


伊織「……私達のプロデューサーだからに決まってるじゃない」

61: 2012/09/05(水) 01:36:24.38 ID:q4zHnRlJ0
P「……そっか」

伊織「そうよ……」

……

響「自分も心配したんだぞ、プロデューサー」

P「はは、ありがとうな響」



伊織「……」

小鳥「……いいの伊織ちゃん?」

63: 2012/09/05(水) 01:43:46.90 ID:q4zHnRlJ0
伊織「何がよ……」

小鳥「……うーん、まぁ伊織ちゃんが言わないのならいいけど」

伊織「……ふん」

小鳥「伊織ちゃん良い女になるわよ。私みたいに」

伊織「……勘弁してよ」

小鳥「ふふっ」

64: 2012/09/05(水) 01:46:09.75 ID:q4zHnRlJ0
千早「あら、真どうしたの?」

真美「あ→! まこりん泣いてるYO→」

真「な、泣いてなんかないよ!」

貴音「まぁまぁ恥ずかしがる事はないですよ真」

真「そんな、恥ずかしがってないですよ!」

あずさ「あらあら、プロデューサーさんの出番じゃないですか?」

P「お、俺ですか!?」

真「プ、プロデューサー……」


小鳥「ふふっ」

伊織「もーあんた達こんな所でイチャイチャしてるんじゃないわよ!!」

おわり

66: 2012/09/05(水) 01:46:57.04 ID:q4zHnRlJ0
支援いただきありがとうございました。

67: 2012/09/05(水) 01:46:59.38
うむ、お疲れ様

68: 2012/09/05(水) 01:47:19.75
おっつん

72: 2012/09/05(水) 01:56:54.95

伊織株がストップ高

74: 2012/09/05(水) 02:18:24.54
誰も触れてないけど小鳥さんが良い女過ぎるだろう

引用元: 伊織「あいつが病気……」