1: 2012/04/21(土) 17:20:16.23 ID:DoBsko1C0
みさえ「あなた~時間よ~起きて」

ひろし「ううっ・・・ごほっ・・ごほっ」

みさえ「調子悪いの?」

ひろし「超調子悪い」

しんのすけ「父ちゃんつまらない」

ひろし「ダジャレじゃねーよ!うっ・・・ごほごほ」

ひろし(きもちわりぃ・・・頭いてぇ・・・だるい・・・)

ひろし「ま・・まぁ別にそこまでひどくねーから心配はいらないよ」

みさえ「そう?無理しちゃだめよあなた」

ひろし「いってきまーす」

10: 2012/04/21(土) 17:23:46.17 ID:DoBsko1C0
会社にて~

ひろし「でここがこうあるからしてこのような経済効果が生まれてですね・・・」

ひろし「ごほっごほっ・・・ごはぁああ!!」

河口「うわっ・・・血が出てるじゃないですか!!大丈夫ですか係長!」

ざわざわ

ひろし「大事なプレゼンなのに・・・。」

ひろし「河口…頼んだ・・・」

16: 2012/04/21(土) 17:27:38.00 ID:DoBsko1C0
病院にて~

看護婦「野原さ~ん 野原ひろしさ~ん」

ひろし「はい・・・」

看護婦「3番診察室へどうぞ~」

ひろし「失礼します」

医者「あ~、うん・・・あ~」

ひろし「で、どうなんですか?」

医者「肺に白い影移ってますね…これです」ピラッ

ひろし「(ま・・さか?)あの、それって?」

医者「はい。野原さんは肺がんです」

20: 2012/04/21(土) 17:32:39.61 ID:DoBsko1C0
ひろし「どうして・・・ど、どうしてですかっ!!

ひろし「しん、長男が生まれてから・・5年前からタバコはやめました!なのにっ!」

医者「落ち着いてください野原さん。タバコを吸っているとがんのリスクが高まるだけです。」

ひろしです「先生…なおるんですか?」

医者「野原さんの癌のレベルはステージ4。切除は不可能でしょう。」

25: 2012/04/21(土) 17:37:12.49 ID:DoBsko1C0
ひろし「どうすれば・・・どうすればっ!!」

医者「抗がん剤で治療しても、40・・いや30%か・・・」

ひろし「ううっ・・・・」

医者「野原さんの癌は肺の数か所に転移しています。完全に治すのは不可能かと。」

ひろし「・・・。」

いしゃ「持って余命は3か月です。」

ひろし「!!!!!!!!!!」

30: 2012/04/21(土) 17:40:39.54 ID:DoBsko1C0
医者「なぜ吐血するまでほっておいたんです?」

ひろし「時間が…なくて・・。健康体でしたし・・・。」

医者「ともかく今日の時点では何もできません。」

医者「今後どうするのかを家族の皆さんと話し合ってきてください。」

医者「残された時間は限りなく少ない。1日1日を大切に過ごしてください。」

32: 2012/04/21(土) 17:45:00.80 ID:DoBsko1C0
遅くて悪い

河口「先輩どうでした!!?」ガタッ

ひろし「おう、来てくれてたのか!肺が炎症を起こしてたんだってさ」

河口「そうなんですか!?よかったぁ…いきなり吐血するもんですから肺がんとか重い病気を想像しちゃいましたよ~」ヘラヘラ

河口「癌なんて悪化したらホント治りにくいらしいですね!うちのおばあさんはすい臓がんで」ヘラヘラ

ひろし「すまない。ちょっと今日用事あるから。先帰るわ。わざわざ来てくれたのに悪いな。」

河口「あッ??はいわかりました。」

ひろし「(くそっくそっ)」ガタガタ

34: 2012/04/21(土) 17:48:04.56 ID:DoBsko1C0
みさえ「おかえり~あなた。今日はみさえ特性ハンバーグよ!!」

ひろし「ああ・・・そうか・・・。」トボトボ

ミッサエ「??なにかあったの?」

ヒッロシ「・・・いや、なんでもない」

しんのしけ「おっかえり~父ちゃん!!今日はあいちゃんちに行ったんだゾ」

ひろし「そうか…よかったなぁ・・」トボトボ

みさえ、しんのすけ「??」

40: 2012/04/21(土) 17:52:02.58 ID:DoBsko1C0
ひろし「’(いつきりだそう・・・。)」

しんのすけ「ピーマンさんはおらになんかたべられてくないだろぉなぁ~」コソコソ

みさえ「こらっ!!ピーマン残しちゃいけませんって何回言ったらわかるの!!」

しんのすけ「んとね~一万回!」

ひろし「好き嫌いするなっていってるだろうが!!」ガンッ 

しんのすけ・みさえ「!!・・・」ビクッ

みさえ「そんなに強く言わなくたって・・・」

ひろし「もういい!!」スクッ ドンドンピシャ

しんのすけ「今日の父ちゃんなんか変だぞ・・・」ブルブル

72: 2012/04/21(土) 18:17:56.04 ID:DoBsko1C0
ひろし「まだひまだってしんのすけだってちいさいじゃねぇかよ」

ひろし「俺のこと大きくなっても覚えててくれるかな・・・」


ひろし「ううっ・・・くそっ・・・くそっ・・・。」

ひろし「俺が悪いことしたのかよ!!グッス・・・ヒッグ」

ひろし「まだまだ一緒にいたい」

ひろし「おおきくなったらみんなで海いってばかやったり・・・入学式だって…ヒグ・・」

ひろし「みさえぇ・・・しんのすけ・・・ひまわりぃ・・・シロォ・・・」ポロポロ


79: 2012/04/21(土) 18:22:10.40 ID:DoBsko1C0

みさえ「あなた」コンコン

ひろし「!!はいってくんあ!」ダラダラ

みさえ「な、なんかあったの?」

ひろし「なんでもぉ、ねぇよおお」ジュルジュル!

みさえ「なんかあるんなら私に話してみて?・・・」

ひろし「ほんとぉに・・グスッ・・・なんもないからぁ」ズビズバッ!

みさえ「落ち着いたらでいいから…話に来て観て?・・・。」

87: 2012/04/21(土) 18:29:37.62 ID:DoBsko1C0
しんのすけ「zzz・・・zzz」

ひろし「(ここは心配させないよう…なくな俺!!)」

ひろし「さっきは悪かったな・・・。」

みさえ「ううん・・・何か・・・あったの??」

ひろし「実は俺、肺がんであど3か月しかいきられないんだってさ」

みさえ「!!」

ひろし「いやいや、そこまで心配することじゃないだろ?だってほら、俺がいなくてもあんまかわらんだろ?金のことは死んだときはいるしな」

ひろし「しんのすけたちも大きくなれば俺のことなんかすぐにわs!!・・・」

みさえ「ううぐ・・・うう」ポロポロ

みさえ「どうしてそんなこというの?あなたはあなたで一人しかいないの!!代わりなんていないの!!」バンッ

みさえ「新之助たちは忘れないわ!もちろん私だって!!」

みさえ「自分のことをいらない存在みたいに言わないで!!」


97: 2012/04/21(土) 18:36:47.00 ID:DoBsko1C0
ひろし「スマン・・・・。」

みさえ「ううっ・・・ぐぅうう・・・うぇええ」ポロポロ

ひろし「・・・今考えることは今後どうするか・・・だ。」

ひろし「・・・さっきいったとおりあと3か月だ。治療も無理だ。ほんとに低い確率なんだ。」

みさえ「!!・・・」

ひろし「俺ははっきり言ってこの3か月を家族みんなで過ごしたい。思い出を・・・たくさん作りたい。」

みさえ「なんで死ぬこと前提なのよ!!あたしはみんなでずっと一緒にいたい!!」グッスウ

ひろし「確率が低いんだ!治らないかもしれないのにしんのすけたちにおれの苦しんでる姿を見せるのか!?俺の記憶が苦しんでた記憶になっちまうじゃねえか!!」

ひろし「それなら俺はすこしでもそばにいたい。目に焼き尽くしておきたい。」

みさえ「でも・・・でも・・・!」ボロボロ


107: 2012/04/21(土) 18:40:40.93 ID:DoBsko1C0
ひろし「俺は…やっぱり家族で大切な時間を過ごしたい。」

ひろし「治る確率があがったとしても・・・苦しい姿は見せたくない。」

みさえ「うぐ・・・。」ポロポロ

みさえ「わがった・・・そうじましょう・・・」

ひろし「会社を辞めるかな」

110: 2012/04/21(土) 18:44:14.00 ID:DoBsko1C0

チュンチュン

ひろし「(全然寝れなかった・・・)」

しんのすけ「おはようとおちゃん!かいしゃはいいのぉ??」

ひろし「ちょっくら有給休暇もらったんだよ!遊びたくてな!1」

しんのすけ「ゆーきゅーきゅーか?機関車みたいな名前だゾ」

ひろし「てなわけで^明日から車でじいちゃんとこにいくぞ!」

しんのすけ「やったあやったあ じいちゃんちだゾ!!おら楽しみ~!!」

ひろし「・・・それはよかったな・・」シミジミ

149: 2012/04/21(土) 19:39:11.62 ID:DoBsko1C0
銀之助「ようきたのお。たっぷり遊んで行けよ!はっはっは!」

しんのすけ「わ~いじいちゃんふとももぉ~!」

ばあさん「ほれしんのすけ、あいすいらんかのぅ?」

しんのすけ「うぉおおおお!ばあちゃんふとももぉ!!」

銀之助「くそう・・・。それよりどうして突然来ると言い出したんじゃ?」

ひろし「すこしわけがあってな・・・またそれは後でいうよ」

銀之助「そうか。もうこんなにおそいししんのすけたちとふろに入ってくるわいww」

みさえ「よろしくおねがいしますねお義父さん。」

ひろし「ここに来られるのはもうさいごかなぁ・・・」

ひろし「柱のこの傷俺がつけたんだっけ・・・」

ひろし「まだちいさかったなぁ」シミジミ

153: 2012/04/21(土) 19:44:26.48 ID:DoBsko1C0
た・・・なた・・・あなた!!

ひろし「はっ!!」

みさえ「よかった・・・寝てただけか・・・心配させないでよね」

ひろし「すまなかった・・・それよりオヤジは?」

ぎんのすけ「ここにおるべよ」

ひろし「おふくろも・・・。じゃあ話すか。」

かくかくしかじか

ぎんのすけ「・・・嘘はついてないのう」

ぎんのすけ「3か月か・・・もうこの家にはこれなさそうだのぉ」

ひろし「・・・」コク

ばあさん「・・・すこしトイレに行ってくるわい・・」

クゥウ・・・ウゥウ・・・

ひろし「ごめんよおやじ・・・おふくろ・・・」

ぎんのすけ「ばあさんは泣き虫じゃのお・・・一番つらいのはみさえさんだというのに」

157: 2012/04/21(土) 19:47:17.25 ID:DoBsko1C0
ひろし「おやじ・・・いままで世話になった。もうつぎにこの家をおれが来ることはないと思う。そのときはしんのすけたちのようすをちょくちょく見てほしい。」

ひろし「みさえだけじゃ不安だからなww」

ひろし「というわけで、俺からの話は以上だ」

ひろし「もうねようか」


159: 2012/04/21(土) 19:52:49.44 ID:DoBsko1C0
しんのすけ「とうちゃん死んじゃうの?」

ひろしたち「!!」

しんのすけ「父ちゃん死んじゃうの?おらが・・・おらが悪い子だから
・・・」

ひろし「しんのすけ。それは違う。お前はいい子だよ。とうちゃんはな天国を守る仕事に昇進したんだ。3か月後からな。」

ひろし「おっと、もちろんまたあえるぞ?お前がいい子にしてママの言うこと聞いてればな」

ひろし「おにいちゃんだもんな。出張ぐらい耐えれるよな?」

しんのすけ「おら・・・お、おらは平気だゾ・・・でもひまとかシロがさびしがると思う・・・ゾ」

ひろし「はっぁはっは!!そうかもな!でも新之助がいれば大丈夫だ。俺も安心安心」

162: 2012/04/21(土) 19:55:52.48 ID:DoBsko1C0
ひろし「大丈夫だ。お前を信じてる。男同士のお約束だ。ほら」クイッ

しんのすけ「うん・・・男同士のお約束!!」クイッ

ひろし「よっしゃ!!じゃああしたは虫取り行くから早く寝なきゃな!!」

しんのすけ「うん!おやすみ!」

ひろし「みさえたちも寝てて。俺はちょっくら夜風にあたってくるわw」

ぎんのすけ「ひろし・・・」

197: 2012/04/21(土) 20:31:14.89 ID:NWmGr60T0

───

 リーンリーン

ひろし「……」

ひろし(……俺が逝く頃には、)

ひろし(この虫の声も、庭からは消えてるよなぁ……)

ひろし「………」

 ギシ…

ひろし「?」

しんのすけ「……」

ひろし「しんのすけ……?」

しんのすけ「……とーちゃん」

ひろし「……」

ひろし「こっち来い」ニコ

しんのすけ「……」コクリ

  リーンリーン… リーンリーン…

202: 2012/04/21(土) 20:39:37.84 ID:NWmGr60T0

「とうちゃんのヒザの上、あったかいゾ」

「ははっ、しんのすけぇ、お前いつの間にか重くなったなぁ」

「そ~う~?」

「ああ、……いつの間にか、お前も大きくなってたんだなぁ」ナデナデ

「………」

「……」ナデナデ

「とうちゃん、しなないでよ」

「……そりゃ、ちょっと難しいかもな」

「……ひどいゾ オラとかーちゃんとシロとひまわりを置いてどっかいっちゃうなんて ずるいゾ」

「……」

「………」

「しんのすけ」

「……?」

「父ちゃんな……」

「……」

209: 2012/04/21(土) 20:49:59.79 ID:NWmGr60T0

「父ちゃんだって、お前たちと離れるのはさびしいよ……」

「……」

「ひまも、まだちっちゃいし……家のローンも残ってる……。 みさえも、これから色々苦労するだろう……」ナデナデ

「……」

「だから、しんのすけ」

「……」

「お前が、母さんをまもってやってくれ」ナデナデ

「……オラ、できないゾ」

「……」ナデナデ

「おら……おら、父ちゃんみたいに、父ちゃんみたいにつよくないゾ……」

「……できるよ、お前なら」

「ホントに?」

210: 2012/04/21(土) 20:52:09.95 ID:NWmGr60T0

「ああ、約束だ」

「やくそく」

「そう。 男同士の……」

「「おやくそく!」」 ビシッ

「……ははっ、そうだ、約束だ」

「わかったゾ……おら、がんばる」

「……しんのすけ」ギュッ

「……とうちゃん……くるしいぞ。 ギュッてされるならナナコおねいさんがいいな~」

「……」ギュゥ…

「……とうちゃん」

「……」

「だいすき、だゾ」

────
──



217: 2012/04/21(土) 20:59:17.67 ID:NWmGr60T0

───

 ……ちゃん!

  お兄ちゃん!……

「お兄ちゃん!」

「んおっ!?」ガバッ

「お兄ちゃん! 初日から遅刻するつもりっ? 早く起きて!」

「分かった分かった」

「もう! 入社式遅れちゃうよ!?」

「だいじょーぶだって」ゴソゴソ

218: 2012/04/21(土) 20:59:42.25 ID:NWmGr60T0

 ゴソゴソ

  バタバタ

「よし」

「準備できた? あ……」

「ん?何?」

「あ、いや…スーツ着ると……なんだろ、いつもと違うね」

「そうか?」

「うん……なんだろ……   お父さん、思い出しちゃった……うっすらとしか、覚えてないはずなのに」

「………」

「お兄ちゃん……  行ってらっしゃい!」

「おう、お前も学校遅れんなよーじゃ、」



「  行ってくるゾ!   」  

 
     完

222: 2012/04/21(土) 21:02:08.79
綺麗に終わらせてくれたな
ありが乙

223: 2012/04/21(土) 21:03:04.96

227: 2012/04/21(土) 21:10:32.71
泣きそうになった乙

231: 2012/04/21(土) 21:42:52.93
あれ、なんか視界が滲んできた

引用元: ひろし「余命2か月・・・か・・・ゴホッ」