1: 2014/04/15(火) 21:16:12.26 ID:mOEF+9Ih0
――――――



ガチャ



千早「ただいま戻りました」


小鳥「あ、おかえりなさい千早ちゃん。レッスンお疲れ様です」


あずさ「あら、千早ちゃん。お疲れ様~」


千早「お疲れ様です。……? あずささん、今日は撮影じゃ」

あずさ「そうだったんだけど、時間が変更になっちゃったらしくて。お仕事まで少し間が空くから、こうして音無さんとお話していたの。音無さんお仕事中だから、申し訳ないんだけど……」

小鳥「いいんですよ~。仕事の方はひと段落しましたし。何時間でも付き合っちゃいますよっ、あずささん!」

千早「ふふ。そんなこと言ってると、また律子に怒られてしまいますよ?」

小鳥「うっ、それを言われちゃうと……」

あずさ「あらあら♪」


https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1397564172

2: 2014/04/15(火) 21:18:16.73 ID:mOEF+9Ih0
小鳥「まあ、何時間もっていうのは冗談として、千早ちゃんもどうかしら? 美味しいお菓子買ってきたから、こっちで一緒に食べましょう?」

千早「いいんですか? では……お言葉に甘えて」

小鳥「どうぞどうぞ♪」

あずさ「千早ちゃん、こっちに座ってて。今お茶も淹れてくるから」

千早「えっ? 大丈夫です、お茶なら自分で―――」

あずさ「私のおかわりのついでだから。休んでて、千早ちゃん」

千早「そ……そうですか? すみませんあずささん」

あずさ「気にしないで。ふふ」

スタスタ

3: 2014/04/15(火) 21:21:35.11 ID:mOEF+9Ih0
千早「……」


小鳥「レッスンはどうだった? 春香ちゃんと一緒だったでしょう?」

千早「あ、はい。久し振りに、プロデューサーについてもらえましたし、良い内容だったと思います」

小鳥「よかったわね。プロデューサーさん、最近あちこち飛び回ってるから」

千早「そうですね。私とレッスンのあとは、すぐ春香と他の現場に向かってしまいましたし。忙しいみたいですね」

小鳥「そうねー……。千早ちゃん、寂しくない?」


千早「寂しい……ですか? ……えっと……もちろん、いてくれた方が助かることは確かなんですが……もう私も新人の頃とは違うので。一人でも、やらなくてはならないと思います」


小鳥「そっちじゃなくて」


千早「え?」


小鳥「プロデューサーさんじゃなくて、春香ちゃんのほう」

4: 2014/04/15(火) 21:23:10.15 ID:mOEF+9Ih0
千早「春香? 春香の方って……言っている意味が、わからないんですけど……」

小鳥「だって千早ちゃんと春香ちゃん、最近はレッスンもお仕事も別々なことが多いじゃない? 今日だって、久しぶりに一緒のレッスンだったのに、ゆっくりお話もできなかったでしょう」

千早「……まあ、そうですが」

小鳥「だから寂しくないのかなぁって」

千早「……ですが、私と春香はユニットを組んでるというわけでもないですし……現場が別になることは、おかしくないと思うんですが」

小鳥「んー……そういうことじゃなくて……」



あずさ「おまたせ~」

5: 2014/04/15(火) 21:24:30.25 ID:mOEF+9Ih0
あずさ「はい、千早ちゃん」コトッ

千早「あ。ありがとうございます」

あずさ「雪歩ちゃんには敵わないだろうけど。どうぞ~」

千早「そんなことないですよ。いただきます」スッ


小鳥「……? あら? あずささん」

あずさ「はい?」

小鳥「こっちのお茶は誰の分ですか? 二人分ありますけど」


あずさ「え? 誰って、千早ちゃんと、春香ちゃんの……って……あら?」


千早「春香なら、プロデューサーと仕事に行ってますよ?」

あずさ「あ、あら? あらあら、私ったら……」

小鳥「どうしたんですか、あずささん。春香ちゃんのドッペルゲンガーでも見えたんですか?」

あずさ「ちがいますっ。……だって千早ちゃんがいたから、つい春香ちゃんもいるのかなって……。もう、だめね。私。撮影までには、しっかり気を引き締めないと……」

6: 2014/04/15(火) 21:25:35.22 ID:mOEF+9Ih0
小鳥「あー、なるほど。それは仕方ないですね。千早ちゃんと春香ちゃんは、二人でひとつみたいなものですから」

千早「音無さん。だから私と春香はユニットでは―――」

小鳥「いいえ! そういうことじゃないの! ユニットなんていう、そんな形式上の関係なんかじゃない! もっと……こう……概念的なものというか……スピリチュアル的なものというか……オーガニック的な何かというか……! そう! はっきり口にすれば……ナイスカップリングッ!!」



千早「……?」

あずさ「えっと……私もよくわからないんだけど……多分、春香ちゃんと千早ちゃんは仲良しですね、って言いたいのかしら」

千早「仲良し……」

あずさ「多分、だけどね♪」


小鳥「……はっ!? す、すみません。つい喋りすぎてしまいました!」

7: 2014/04/15(火) 21:26:20.77 ID:mOEF+9Ih0
千早「あ、小鳥さん」

小鳥「ごめんなさい千早ちゃん、今話してたのは聞き流して……」

千早「あの、いいですか?」

小鳥「へ?」


千早「カップリング……というのは?」

小鳥「お願い、聞き流して」

千早「? ですが」

小鳥「お願い」

千早「……わ、わかりました……」


あずさ「……?」

8: 2014/04/15(火) 21:27:54.02 ID:mOEF+9Ih0
――――――



ガチャ


千早「ただいま戻りま―――」


亜美「あああーーーっ!!!」


千早「っ!?」ビクッ!!


亜美「あ、亜美のカンタロスが……」

小鳥「ふふふ……そう簡単に、私のガンキングには勝てないわよ。出直していらっしゃい」

真美「ピヨちゃーん……編成がガチすぎっしょー……」


伊織「くっだらないわねー……なんでそんな遊びで、そこまで熱くなれるのよ」

亜美「あそびじゃないよっ! しんけんだかんねっ!!」

伊織「はいはい……」


伊織「……ん? あら、千早じゃない。どうしたのよ、入口で止まったまま」


千早「え……ええ……。その、ちょっと、驚いてしまって」


伊織「ああ……なるほどね……」

9: 2014/04/15(火) 21:30:39.32 ID:mOEF+9Ih0
真美「ピヨちゃんっ! こんどは真美とだよっ! 真美のスミロドナットと勝負!!」

小鳥「いい度胸ね……返り討ちにしてあげるわ」

亜美「ま……真美……あとは……まかせた……ガクッ」



伊織「あっちは放っておけばいいわ。そのうち終わるだろうから。……あ。ゴージャスセレブプリン、食べる? 全員分買ってきたから」

千早「あ、ありがとう。いただくわ……」



真美「あーーーっ!! ちょっとピヨちゃんっ!! さすがにゴッドエンペラーはないっしょっ!!!」

小鳥「ん~~~? 聞こえんなぁ」

亜美「ま……まさにげどー……!」

10: 2014/04/15(火) 21:34:42.89 ID:mOEF+9Ih0
伊織「今日はレッスン?」

千早「いえ、午後から歌番組の収録が。水瀬さんたちは?」

伊織「私たちはレッスンよ。なのにあの子たちったら、今から騒いで体力使って……意味がわからないわ」

千早「ふふ。楽しそうだからいいじゃない」

伊織「あら? 千早のことだから、事務所でゲームなんてとんでもない! って言うかと思った」

千早「そんなことないわ。こういうのも息抜きみたいなものなんでしょう?」

伊織「そうかもね。まあ、ゲームなんて私にはよくわからない世界でだし、勝手にやってろって感じだわ」

千早「ふふ……」


伊織「……? そういえば今日は一人?」


千早「え?」


伊織「春香は一緒じゃないのね。別の仕事?」

千早「え、ええ。レギュラー番組の方にいったわ」

伊織「ああ、そうだったわね」


千早「……」

11: 2014/04/15(火) 21:39:36.01 ID:mOEF+9Ih0
伊織「……あ。向こうは終わったみたいね」



亜美「ぐぬぬ……ピヨちゃんめ……」フラフラ

真美「必ず、りべんじしてやるぜ……」フラフラ



伊織「よくわからないけど、その様子じゃボコボコにされたみたいね」

真美「うあうあー! ピヨちゃんがつよすぎるんだよー!」

亜美「亜美たちだって、けんとーしたんだからっ!」

千早「音無さん、すごく上手なのね。そのゲーム」

亜美「上手っていうか~」

真美「エグイ?」

千早「? やっぱり、私にもよくわからないわね……」

12: 2014/04/15(火) 21:45:29.89 ID:mOEF+9Ih0
伊織「あら? 肝心の小鳥はどうしたの?」

真美「そろそろ律っちゃんが帰ってくるから~って、ダッシュで戻っていったよ?」

伊織「いつの間に……全然気づかなかったわ……」

亜美「ピヨちゃんぐらいになると、カンタンに気配が消せるってことだよ」

千早「そうなの?」

伊織「真面目に聞かなくていいから……」


亜美「……あれ? 千早お姉ちゃん。はるるんは?」

真美「あ、ほんとだ。いっしょじゃないの?」

千早「水瀬さんにも聞かれたけど、春香はレギュラーに行ってるわ。私は別の収録なの」

亜美「そうなんだ~。なんだかめずらしーねっ」



千早「……。あの。ひとつみんなに聞きたいんだけれど……」

真美「へ?」

伊織「なによ、あらたまって」

13: 2014/04/15(火) 21:51:26.22 ID:mOEF+9Ih0
千早「私……そんなにいつも、春香と一緒にいるかしら。そこまでじゃないわよね?」



伊織「いるでしょ」

真美「いるよね」

亜美「いるっしょ→」



千早「……」



伊織「……」

真美「……」

亜美「……」



千早「……そうかしら?」



亜美「千早お姉ちゃん……」

真美「さすがだね……」

伊織「……自覚、なかったのね……」



千早「……?」


14: 2014/04/15(火) 21:56:43.77 ID:mOEF+9Ih0
――――――



ガチャ


千早「ただいま戻りました」



小鳥「あ、千早ちゃん。お疲れ様でした」

千早「お疲れ様です、音無さん。……今は音無さんだけですか?」

小鳥「奥に、律子さんとやよいちゃんがいるわよ。今は忙しいと思うけど」

千早「ミーティング中ですか?」

小鳥「ううん、そうじゃなくて……あ、そうだわ。千早ちゃんもいてくれた方がいいかも」


千早「?」

15: 2014/04/15(火) 22:03:01.91 ID:mOEF+9Ih0
律子「……と、いうわけ。わかった?」


やよい「はいっ! とってもわかりやすかったです!」

律子「そう。よかったわ、うまく説明できて」

やよい「ありがとうございますっ、律子さん。……でもでもー、律子さんのお話はわかりましたけど……やっぱり英語は難しいです」

律子「大丈夫よ。うちには先輩がたくさんいるんだから、またわからない所があれば聞くといいわ」

やよい「でも、いつもお願いするのも……」

律子「そんなことないわよ。やよいのお願いだったら、迷惑だなんて思わないわ……あ。やよいの、頼れるお姉さんがきたみたいよ」

やよい「えっ?」



千早「なにかと思ったら……勉強中だったのね、高槻さん」

やよい「あっ! 千早さんっ! お疲れ様でーす!」

16: 2014/04/15(火) 22:10:43.03 ID:mOEF+9Ih0
千早「お疲れ様。それ、学校の宿題?」

やよい「いえ、もうすぐテストがあるんですけど、英語でどうしてもわからない所があって……それで、律子さんに教えてもらってたんですっ」

律子「そういうこと。ちょうど私だけ事務所にいたからね」

千早「そう……え? 音無さんもいたけれど」

律子「小鳥さんは片づけなきゃいけない書類があったから。それに……その、小鳥さんに勉強を教わるのはちょっと、ね」

千早「どうして? 大学レベルならともかく、中学の英語だったら問題ないんじゃないかしら?」

律子「ちがうの。学力の問題じゃなくて……文法の話をしてたはずなのに、いきなりカップリングの話になっちゃうから。あたしはこうやって覚えた、って……まったくあの人は」

千早「……また、カップリング? ねえ。カップリングってどういう意味―――」

律子「あー、忘れてちょうだい。とにかく、やよいの教育によろしくないってこと」

千早「……? そう……」



やよい「?」

18: 2014/04/15(火) 22:21:25.08 ID:mOEF+9Ih0
律子「そういえば千早、今日は一人なのね」

やよい「あっ、そうですね。春香さんは一緒じゃないんですか?」


千早「……。春香なら、今はレッスンに行っているわ」

律子「あら、そうなの? 別々なんて珍しいわね」

千早「そうなのって……律子なら、みんなのスケジュールはわかっているでしょう?」

律子「春香はプロデューサー殿の担当じゃない。……まあ、本当はわかってて聞いたんだけどね」

千早「もう……」

やよい「でもでも、やっぱりめずらしいですっ! 今日は千早さんだけなので」

千早「高槻さん。私と春香は、いつも一緒にいるわけじゃないの。私だけ、っていう日もそこまで珍しくないわ」

やよい「そうなんですかー?」

千早「ええ。そうよ」

19: 2014/04/15(火) 22:22:17.92 ID:mOEF+9Ih0
やよい「でも、千早さんと春香さん、すっごく仲良しですよね!」



千早「え?」

やよい「仲良しですよねっ?」


千早「……え、えっと」

やよい「ねっ?」


千早「……。ええ」

やよい「ですよねっ! 千早さんたち、いっつも二人で楽しそうですもんねっ♪」

千早「……。ええ。そうね……」




律子(……なんであんなに照れてるのかしら、あの子)


20: 2014/04/15(火) 22:26:10.01 ID:mOEF+9Ih0
――――――



ガチャ



千早「おはようございます」


真「あ、おはよう千早!」

響「おはよー!」



千早「真、我那覇さん。……あら? なんだかいいにおいがするわね

響「あ、よかったら千早も食べるか? 自分、サーターアンダギー作ってきたんだ!」

千早「たしか、沖縄のお菓子だったわよね」

響「そうだぞ! ほらほら、遠慮しないで! たくさん作ってきたから!」

千早「え、ええ。いただくわ。ありがとう我那覇さん」

真「あはは。強引だなー……でも、確かにおいしいんだよなぁ」

21: 2014/04/15(火) 22:29:34.74 ID:mOEF+9Ih0
千早「……ん。おいしい」

響「でしょ? ふふふ、自分、これ作るのは得意なんだ!」

千早「我那覇さん、お菓子も作れるのね。飼っている動物たちのご飯も作ってるんでしょう? 料理が得意なのね」

響「ふふーん♪ なんてったって自分、完璧だからな!」

真「うーん……これ食べちゃうと、言い返せないな。まあ、ダンスなら負けない自信あるんだけどさ」

響「なっ!? そんなことないぞっ! 自分、ダンスだって負けないからな!」

真「いいやっ! ボクが勝つね! なんなら、今ここで証明してみせるよっ!!」

響「上等だぞっ!! ちょうど千早もいるし、どっちが上か確かめてもらうぞ!」



千早「え」

22: 2014/04/15(火) 22:34:33.58 ID:mOEF+9Ih0
真「よし! 頼むよ千早っ!」

響「いくぞ真! 正々堂々と勝負!」

千早「ちょ、ちょっと二人とも―――」


真「レッスンまで時間もある! 耐久力も勝負だ!」

響「カッコよく、美しく、最後まで踊りきった方が勝ちってことだな! よおし!!」

千早「だから二人とも―――」

真「いざ!」

響「勝負―――」


千早「落ち着いてっ!! 二人ともっ!!」

真「うわっ!?」

響「び、びっくりしたぞ……」



千早「驚くのはこっちよ……。このあと、二人でレッスンなんでしょう? ダンスの勝負なら、その時にすればいいじゃない。事務所の中じゃなくて」

響「……あ。そっか」

真「あはは……千早の言うとおりだね。ちょっと熱くなっちゃったよ」

千早「もう……」

23: 2014/04/15(火) 22:39:13.94 ID:mOEF+9Ih0
千早「……ごちそうさま、我那覇さん。おいしかったわ」

響「千早の口に合ってよかったぞ。だって、千早の舌はお菓子にうるさそうだからなー」

千早「え?」

真「え? そうかな……あっ、なるほど。そういうことか」

千早「真まで……どういうこと? 私は別に、甘いものにうるさいってわけじゃ……」

真「いや、そうじゃないよ。いつもおいしいお菓子を食べてるだろうから、千早の舌は肥えてそうだなってこと」

響「そうそう! 春香のお菓子、一番食べてるのはプロデューサーか千早だと思うぞ!」

千早「春香のお菓子……ああ、そういうことね」

響「自分は完璧だけど、春香とお菓子対決したら……ちょっと、自信ない、かな……あっ! さ、サーターアンダギーならなんとか……」

真「響にここまで言わせるんだもんなぁ……。うーん、ちょっと今度、春香にお菓子の作り方、教えてもらおうかなあ。ほら、お菓子作りって、女の子らしいし!」

千早「女の子らしいかは別として……いいと思うわ。春香も喜んで教えてくれるだろうし。……でもみんな、春香のお菓子には敵わないと思ってるの? 我那覇さんのお菓子もおいしかったのに」

24: 2014/04/15(火) 22:43:44.09 ID:mOEF+9Ih0
響「そ、そうか? そう言われると自信が出てくるぞ」



千早「ええ、本当よ。……でも、まあ、確かに春香のお菓子はおいしいわよね。クッキーが一番多いけれど、他にもドーナツにケーキに、あとは……ああ、和菓子もあったわね。とにかく、レパートリーが豊富だわ。それに味のほうのバリエーションもすごいわね。同じクッキーでも甘さを変えてみたり、見た目も変えてみたり、なんなら渡す人の好みに合わせて、一個一個変えてるんじゃないかと思うくらいだし。その時期の旬な果物に詳しいし、知識もかなりのものでしょうね。まあ、砂糖と塩を間違えたり、ひっくり返したり、うっかりが有る時もあるけれど、それでも……いえ、それを補って余りあるくらい。そのくらい春香のお菓子は素敵な……」



千早「……なにか、変なこと言ったかしら?」



真「いやいや、別に」ニヤニヤ

響「なんでもないぞ。なんでも」ニヤニヤ

千早「じゃあ、何を笑って……」

響「だからなんでもないって。あーあー、やっぱり自分は春香には敵わないなー」スタスタ

真「しかたないよ。春香だしね。ボクたちじゃ分が悪いや」スタスタ

千早「ちょ、ちょっと、二人とも……」



千早「……行ってしまったわ」



千早「……」



千早「……なんなの?」


25: 2014/04/15(火) 22:49:29.53 ID:mOEF+9Ih0
――――――



ガチャ



千早「おはようござい……え?」



雪歩「……あ。お、おはよー……千早ちゃん……」


千早「お、おはよう、萩原さん」


雪歩「……」


千早「……」




千早「……あの、萩原さん」


雪歩「……」



千早「……どうして……美希に、膝枕を?」

雪歩「え、えへへ……」




美希「zzz……」




26: 2014/04/15(火) 22:54:59.55 ID:mOEF+9Ih0


美希『なんだか雪歩って、やわらかそうなの』

雪歩『ええっ!? わ、私、そんなに太ってきたかな……』

美希『そうじゃなくてー……んー……』ジー

雪歩『……な、なに?』


美希『……雪歩って、この後レッスン?』

雪歩『え? う、うん。でもレッスンまで、まだ時間あるけど……』

美希『そっか』

雪歩『う、うん』

美希『ねえ雪歩』

雪歩『な、なに? 美希ちゃん』

美希『膝かして』



雪歩『……へ? ひ、ひざ?』


27: 2014/04/15(火) 22:56:13.90 ID:mOEF+9Ih0

美希『えーいっ。なの』ポフッ

雪歩『ひぇっ!? ちょっ、美希ちゃ、ちょ、ええっ!?』


美希『おー、やっぱりミキのにらんだ通りなの。やわらかくって、いいねごこち……あふぅ。しばらく寝かせてねー、ゆきほー……』

雪歩『み、美希ちゃん!? ちょっと、美希ちゃん!』


美希『zzz……』



雪歩『……ほんとに寝ちゃった……』



28: 2014/04/15(火) 23:00:07.35 ID:mOEF+9Ih0


千早「……。なるほど」

雪歩「なるほどじゃないよ、千早ちゃん……。うう……やっぱり私、太ってきたのかなぁ……」

千早「そうじゃないと思うわ。萩原さんって、なんだか近くにいると落ち着けるから、美希も安心して眠れるんじゃないかしら。その……スタイルのほうも、とても女性的だから、心配しなくていいわ」

雪歩「そ、そうなのかな……」

千早「でも、足は痺れない? 疲れたなら、さすがに起こしたほうが」

雪歩「あっ、ううん! それは大丈夫だよ。全然しびれたりとかはないから。美希ちゃん、膝枕の時の寝かたが上手なのかな……」

千早「それにどこでも眠れるくらいだから、眠りに関してはスペシャリストね……」


美希「zzz……んん……」



千早「……。あ、そうだわ。萩原さん。ちょっと聞きたいんだけれど」

雪歩「? なぁに、千早ちゃん」


29: 2014/04/15(火) 23:06:24.42 ID:mOEF+9Ih0

千早「その……最近よく、事務所のみんなに、春香のことを言われるの。春香といないと珍しがったり、春香の話をすると笑ったり……いったいなんなのかしら」

雪歩「え……ふふ、そうなんだ」

千早「……萩原さんも笑うのね」

雪歩「―――あっ!? ご、ごめんね千早ちゃんっ! 悪気はないんだよっ!? そうじゃなくてっ……そのぉ……んー……」

千早「……?」



雪歩「なんていうか……二人が仲良くしてると、みんなもうれしいんじゃないかな?」

千早「……」

雪歩「さっき、私のこと、近くにいると落ち着けるっていってくれたけど……千早ちゃんと春香ちゃんがいっしょにいると、なんだか安心するんだ。なんだか、周りの空気も、ほのぼのするというか……うーん、うまく説明できてないと思うけど……」



千早「……」

雪歩「……ち、千早ちゃん?」



千早「……ごめんなさい。やっぱりよくわからなくて……」

雪歩「あ、あんまり意識しなくてもいいと思うよ。悩むことでもないと思うし」

千早「……そう、かしら。……ありがとう。萩原さん」

雪歩「ううん。気にしないで―――」


モゾモゾ……


雪歩「ひゃぁっ!?」

千早「っ!?」

30: 2014/04/15(火) 23:11:11.11 ID:mOEF+9Ih0



美希「……んー」



千早「だ、大丈夫? 萩原さん」

雪歩「ご、ごめんね、おどかしちゃって……美希ちゃんが動いて……あっ、目が覚めたのかな」



ムクッ


美希「……んー……よく眠れたの……ありがとねー、ゆきほー。また今度、まくらにさせてねー……」

雪歩「ま、また。う、うーん……」

千早「美希。あまり萩原さんを困らせてはだめよ」



美希「……? あ、ちはやさんだー……」

千早「おはよう、美希」



美希「……はるかなら、今日はみてないよー……」



千早「……」


雪歩「……あ、あはは……」


31: 2014/04/15(火) 23:13:58.19 ID:mOEF+9Ih0
――――――



千早「……」ソワソワ



P「……」カタカタ


千早「……」キョロキョロ


P「……」カタカタ


千早「……」ソワソワ


P「……?」カタカタ



P「……なあ、千早」

千早「……」ソワソワ


P「……千早っ!」

千早「っ!? な、なんですかプロデューサー」

32: 2014/04/15(火) 23:19:00.96 ID:mOEF+9Ih0

P「なんですかって……どうしたんだ千早。そんなにソワソワして」

千早「えっ……そう、でしたか?」

P「……本当にどうした?」

千早「……」

P「……なにか、悩み事か? 俺でよければ相談にのるぞ」

千早「いえっ、悩みとか、そんな深刻なことじゃないんです。ないんですけど……その……強いて言えば」

P「なんだ?」


千早「その……今日は、春香と仕事、なので……」


P「……? 春香? どうした、春香とケンカでもしたのか?」

千早「違うんです。そうじゃなくて……むしろ、最近は合わない事の方が多かったですし」

P「ケンカでもないなら、なんだ? 久しぶりに会えるんなら、喜ぶところじゃないか」

33: 2014/04/15(火) 23:27:12.95 ID:mOEF+9Ih0


千早「……最近……事務所のみんなから、春香について、色々言われてたんですが……二人でいないなんて珍しい、とか。始めは何とも思わなかったのに、何度も言われたら、なんだか意識してしまって……」

P「意識?」

千早「なんというか……久しぶりに会うというだけなのに……すごく、緊張してしまって……。何なんでしょうか?」


P「……」


千早「……プロデューサー?」


P「千早。なんだか、遠距離恋愛の恋人みたいなこと言ってるぞ」

千早「っ!? へっ、変なこと言わないでくださいっ! プロデューサーに相談したのが間違いでしたっ、失礼します!」


P「あっ、悪い、冗談だ。おーい千早……いってしまった」


34: 2014/04/15(火) 23:27:55.67 ID:mOEF+9Ih0


小鳥「……なにしてるんですか。プロデューサーさん」


P「あっ……見てたんですか小鳥さん」


小鳥「今、ちょうど戻ってきたところです。もう……だめじゃないですか。千早ちゃんを怒らせるなんて」

P「いやぁ。つい、からかいたくなってしまって」

小鳥「……まあ、その気持ちはわからないでもないですが……いったいなんで千早ちゃんを怒らせちゃったんですか?」

P「春香が原因みたいです。あ、いや、怒らせたのは俺なんですが」

小鳥「春香ちゃん? どういうことです?」


35: 2014/04/15(火) 23:29:25.94 ID:mOEF+9Ih0

……


小鳥「なるほど……。まるで遠距離恋愛のカップルですね」

P「やっぱりそう言いたくなりますよね。さっきは、ついからかってしまったが……いったいどうしたんだ千早は?」

小鳥「んー……それは……」


小鳥「……あっ、そうだわ」



小鳥「プロデューサーさん。千早ちゃんのしっぽ、って見たことあります?」



P「……は? しっぽ?」



小鳥「……そんなに引かなくてもいいじゃないですか……。本物のしっぽじゃなくて、例えです。例えっ」

P「ああ、例えですか……びっくりした……。てっきり、妄想をこじらせたのかと」

小鳥「……。まあいいです。その反応なら、見たことないみたいですね」

小鳥「どうです?見に行きませんか?」


P「……?」


36: 2014/04/15(火) 23:30:28.61 ID:mOEF+9Ih0
……



千早(……もう。いったい何を言ってるのかしら、プロデューサーは。恋人だなんて……女同士なのに……)



千早(……)

千早(……な、なぜかしら……なんだか、余計に緊張してきたような……)

千早(……! ち、ちがうわ! 春香は、友達よ! そう、友達……)

千早「春香は友達、春香は友達、春香は友達、春香は友達……」ブツブツ

千早「……よし!」



千早「……」



千早「……一人でなに言ってるのかしら、私は」

37: 2014/04/15(火) 23:37:37.58 ID:mOEF+9Ih0



千早(……でも……確かに私は、春香と一緒にいるのが楽しいと思ってる。春香のおかげで頑張れた時も、何度もあった……。春香の笑顔、春香の言葉、春香の歌……どれもが私の心に残っている。きっとこれからも……)



千早(事務所のみんなも、もちろん大切な仲間だけれど……)




千早(……私は……春香が、一番……)


38: 2014/04/15(火) 23:43:54.17 ID:mOEF+9Ih0


ガチャ





春香「―――千早ちゃんっ♪」





千早「―――!」





千早「……なに? 春香」


39: 2014/04/15(火) 23:48:28.72 ID:mOEF+9Ih0


小鳥「どうですか? しっぽ」コソコソ


P「……俺にも見えました。いや、もちろん千早のお尻には何もはえてないんですけど……春香に会った途端、思いっきりぶんぶん振ってる、ように見えますね。……おかしいな。俺も妄想をこじらせたか」


小鳥「クールに振舞いながら、あんなにうれしそうな顔してれば、誰にだって見えるはずですよ」

P「んー……仕事が終わったらミーティングの予定だったが……早めに終わらせてやるか。二人とも、明日はオフだし」

小鳥「それがいいですね♪」




―――春香と千早は、仲良く仕事に向かったそうな。ミーティングも早めに終わったので、千早の部屋に仲良く帰っていったそうな。そのあと滅茶苦茶イチャイチャしたそうな。



 おわり

40: 2014/04/16(水) 00:49:10.69
おつ!ニマニマさせてもらった!

41: 2014/04/16(水) 01:11:26.03
乙、ニヤニヤ出来て良かったよ

引用元: 春香「千早ちゃんっ♪」 千早「なに? 春香」ブンブン