1: 2010/07/20(火) 18:16:22.66 ID:FM5ZJ7di0



唯「ごめん。あたしやっぱこの曲ムリ。てか今までのも」

澪「・・・・何言ってんだよいまさら!」

唯「だってさ、こういう曲調で一生やってくの?高校の時とは違うんだよ?」

律「あー・・・・まー、どうでもいいじゃん。惰性でやってるバンドだし」

紬「あら?曲調が嫌なの? でも唯ちゃんが作っても無理よ。売れない。まあ詞が寒いのは同意見だけど」

唯「安い曲しか作れないくせに偉そうな口。曲も詞も両方よ」

澪「はっ。ふざけんな。ならライブは中止か?このバンドは解散か?・・・・律も何とか言えよ!!!!」

律「あはは・・・・マジでいい加減にしてくんない?八つ当たりも良いとこだろ?あたしは曲調なんてどうでもいいって」

紬「中立気取るのホントに好きね。羨ましいわ」

律「・・・大概にしとけよ」

唯「あーなんかやる気なくなっちゃったなー」

梓「・・・・・」

2: 2010/07/20(火) 18:18:38.35 ID:FM5ZJ7di0
唯「・・・・ねえ梓」

梓 ビクッ

唯「・・・・・返事くらいしろよ!!」

梓「は・・・・はい!」

律「あんまビビらしてやんなよ。てか声うるせえ」

唯「意見も言えないガキは黙ってて。梓はどう思うの?どう思ってるの?」

紬「それはあたしも気になるわ。梓ちゃん何も言ってくれないんだもん」

梓「わ、私は、先輩達と演奏が出来れば・・・」

澪「・・・そーいう事聞いてんじゃないだろ・・・」イラ

梓「わたしは・・・・」

唯「あずにゃんつまんなーい」

4: 2010/07/20(火) 18:24:52.83 ID:FM5ZJ7di0
梓「わた、私は、澪先輩のように詞もかけないし、紬先輩のように作曲もできないし、」

梓「唯先輩のギターや律先輩のドラムも、欠かせないものになってると思ってます・・・」

梓「だから私は先輩達が凄いと思うし、尊敬もしてます・・・」

梓「だから・・・・・だから・・・」

唯「だからーそういうこと聞いてんじゃないってー。あずにゃん面白いね」

澪「梓も律と同じか。まあ感情論言えるだけマシか」

律「そろそろ表出るか?」

紬「泣かせる話。澪ちゃんこの事詞に書けば?」

澪「馬鹿にしてるのか?お前」

5: 2010/07/20(火) 18:30:21.94 ID:FM5ZJ7di0
唯「いいから」


唯「話戻そうよー。」

唯「ね、なんで私達解散しないの?」




梓「!!」


7: 2010/07/20(火) 18:35:02.14 ID:FM5ZJ7di0
唯「あはは、そんなビクビクしないでよ、梓。意見言い合いたいだけだからさ」

澪「唯は解散したい物言いだな」

唯「別に「したい」なんて言ってないじゃん。ほんと上げ足とるの好きだよね」

律「澪の得意技だな」

澪「・・・・まあいい。お前ら正直どう思ってんだ?続けていきたいのか?このバンド」

唯「だってさー」

唯「高校卒業して、大学は別々だったけどライブハウス通って」

唯「気づいたら22。けど作っていく曲やノリはあの頃のまま」

唯「あの頃と同じ気持ちや外見の奴なんて一人もいないのに、あの頃からの感覚に縛られたまま」

唯「だいたい皆今好きな音楽だって昔と結構違うでしょ?」

9: 2010/07/20(火) 18:43:31.36 ID:FM5ZJ7di0
律「・・・だからそういう事を考えるのが面倒くさいから私は何も言いたくないってのに。言いだしたらキリねえだろ」

澪「でもちょうど今まさに売れるか売れないか、いい話がきだしてる時期じゃないか。これ、棒に振るのか?」

紬「まあ、私は別に音楽で食べていけなくても困らないしなあ」

梓「・・・・」

唯「澪ちゃんは、詞、本心で書いてんの?作曲は良くわかんないけどさ」

紬「曲は別に当たり障りないように作ってるだけよ。私が作らないと皆作らないでしょ?」

律「なんだか良いポジションだよな。適度に責任あって、それを押し付けられて」

紬「舌が良く回るようになってきたわね。何も出来ない脳無しが」

10: 2010/07/20(火) 18:48:47.01 ID:FM5ZJ7di0
律「あ?お前も今日は良く喋るな?なに?生理?」

紬「あっはは!面白い事言うのね!」

紬「・・・こんなので生理なんて言ったら、あなた、万年生理じゃない」

律「お嬢様も下品になったもんだな。親泣いてんぞ」

梓「・・・・・」

唯「皆うるさい。質問、答えろよ」



唯「澪」

13: 2010/07/20(火) 18:54:42.27 ID:FM5ZJ7di0
澪 (・・・・・)


澪「あの詩が本心かどうか、だって・・・?」

澪「あたしがあれを本気で書いてるって・・・?」



澪「ふ。ふふ・・あはは・・」

澪「あっはははは!!!はははははははは!!!!!」」


唯「・・・・・・・」








澪「・・・馬鹿言うなよ」

梓 ビクッ

15: 2010/07/20(火) 19:04:35.75 ID:FM5ZJ7di0
澪「高校の時から今までにない詞を考えて書いてきた結果だよ」

澪「自分でもくだらない歌詞だと思ってるよ。でもさ」

澪「でもこの歌詞を聞いて素敵だの斬新だの、感動を勝手に覚えてくれる頭の軽い奴が増えてるんだよ、今」

澪「現に今少しずつ人気が出て、売れはじめてる」

律「まあ、結果論ではあるけど、こういう歌詞は今のニーズに当てはまってるよ。よくわからんけど」

唯「でもそれを本人がやりたいかどうかは別でしょ?曲が独り歩きしてるほど滑稽なバンドはないよ」

澪「何人の音楽家が同じこと思ったんだって話だ。綺麗事が好きだな。唯は」


唯「私は滑稽だって言ってるの。・・・・お前が」

16: 2010/07/20(火) 19:12:18.78 ID:FM5ZJ7di0
澪「・・・・私以外に出来るか?こういう歌詞が、人を動かす事が」

紬「あんまり思いあがらない方がいいわよ。そうやって足元をすくわれるのよ、大抵は」

澪「その時がやめ時だろ、音楽の」

紬「あらかっこいい。名言ばかりね」

梓「・・・・・」



梓「せ、先輩達は」

唯「お?」





21: 2010/07/20(火) 19:31:55.50 ID:FM5ZJ7di0
梓「先輩達は音楽が嫌いになっちゃったんですか・・・?」

律「あはは。やっと喋りやがったこいつ」

梓 ビクッ

唯「ちょっと律。あずにゃん怖がらせていいのは私だけだよ?」

律「はいはい。つまんねえなお前」

唯「あんた程じゃないよ。 で、梓」

梓「・・・はい」

唯「私達音楽嫌いじゃないよ」

唯「それはきっと、澪ちゃんもりっちゃんも紬ちゃんも」

梓「なら!、・・・・ならまだk




唯「楽しくなくなっただけでさ」




梓「・・・え?」

22: 2010/07/20(火) 19:38:02.52 ID:FM5ZJ7di0
梓「楽しくないって・・・いつからですか?」

梓「前のライブ?その前?その前の前?」

梓「みなさんも・・・みなさんもですか?」

梓「・・・な、なんですかそれ・・・」

梓「何なんですか!!!!」

唯「きっとその前の前の前だよあずにゃん。やっと元気になったね」


23: 2010/07/20(火) 19:41:41.69 ID:FM5ZJ7di0
「4人はなんだかんだタメだしな、薄々気づいてただろ澪も紬も」

紬「口には出さないけどね。でも別につまらないってわけじゃないわよ?充実はしてる」

澪「仕事の感覚だからな。でも表に出したら無粋だろ」

梓「私だけだったんですか?」

梓「新曲作るのが、ライブするのが、皆で合わせるのが楽しかったのは」

梓「私だけ・・・なんですか・・・?」

紬「だから充実はしてるって言ってるじゃない」

紬「・・・子供みたいな事言わないで頂戴」イラ

24: 2010/07/20(火) 19:47:51.60 ID:FM5ZJ7di0
律「パンクでもないバンドなんて、メンバー間の距離感こんなもんだと思うけどな」

梓「それは・・・違います!」

律「言いきるのかよ。面白いなお前」

梓「・・・・ッ」

唯「まあまあまあー」

澪「でも梓は梓で楽しんでるならそれでいいじゃないか」

紬「ある意味一番幸せじゃない。ギターを楽しんで弾き続けて気づいたら売れてるなんて」

律「梓は案外色々考えてると思ってたんだけどなー」

25: 2010/07/20(火) 19:52:47.41 ID:FM5ZJ7di0
梓「わ、私だって考えてます!考えてきました!」

梓「バンドの在り方や皆さんとの関係、作った曲や作っていく曲!」

梓「考えて考えて・・・・全部含めて・・・・」

梓「好きだから、皆好きだから楽しいんです!!!皆さんもそうであるべk」

澪「いい加減にしろよ梓」

梓 ビクッ



唯 (・・・・・)

26: 2010/07/20(火) 19:53:31.03 ID:FM5ZJ7di0
澪「梓が楽しんでんのは分かってた」

澪「そういう気持ちでやってきてくれた事は、感謝してる」

澪「けどさ、そういうのさ、」

澪「押し付けようと口に出したらお終いでしょ」

梓「・・・」

澪「皆が皆同じ気持ちで和気あいあいと出来るほど、私たちは子供じゃないんだよもう」

律「おいおい、あんま責めてやんなよ。こんくらい甘い考えも悪くない気がしてきたぞ私は」

紬「考え方までフラフラしてるのね。・・・まあいいわ。私も澪ちゃんと同意見」

梓「別に、考え方を押し付ける気は、ありません・・・」

梓「ただ、皆さんが同じ気持ちかどうか確認したかった・・・それだけですから・・」

唯「確認して、それであずにゃんはどうするっていうの?」

梓「・・・皆さんの気持ちは分りました」

27: 2010/07/20(火) 19:56:56.56 ID:FM5ZJ7di0
梓「・・・分ったから、だから私ももう子供じゃないので決めます・・・」

唯「へえ、何を?」



梓「私、もうこのバンドにはいられません」




唯律澪「・・・・・・・・・!!!」


28: 2010/07/20(火) 19:58:35.56 ID:FM5ZJ7di0
律「は・・・・あっはははは!脱退だよ脱退!」

紬「梓ちゃんも言うようになったわね」

唯「・・何もしようとしないで?」

梓「茶化さないでください!!!!!!1」
ガタッ!

澪「・・・・まあ、わかった」

澪「悲しい事だけど、わかった」

紬「詩人は思ってもない事を言うのが得意なのね」

澪「本心さ。悲しいのは。 だから梓」

澪「それからどうするんだ?」


澪「・・・別のバンドに移るのか?」

29: 2010/07/20(火) 20:01:38.04 ID:FM5ZJ7di0
紬「好きにして、良いと思うけどね。」

律「見切りをつけられただけでも偉いのかもな」

梓「これから・・・・これから皆さん意外とバンドを組んでる自分を想像出来ませんし、したくありません」

梓「先輩方がこのままバンドを続けていくと言うなら、私は・・・」

梓「・・・・私は音楽をやめて、先輩達を見守る事にします」

唯「梓、それ・・・本気?」

梓「・・・本気・・です・・・!」

唯「・・・・は?」


30: 2010/07/20(火) 20:03:07.13 ID:FM5ZJ7di0
唯「ふふっ、・・・・あははは!」

律「・・・・唯?」





唯「・・・高みの見物かよ!!あっはははは!!!ははは・・・・・・ふ、」 





唯「・・・・・・・・・ふざけんな!!!!!!!」


32: 2010/07/20(火) 20:14:47.91
全員沸点低すぎワロスwww

33: 2010/07/20(火) 20:17:33.51 ID:FM5ZJ7di0
唯「・・・・・卑怯者」

梓 ビクッ

唯「・・・・・っ」

唯「ふざけんなよ?」

唯「取って変えれば代わりがいるようなパートのギターが・・・」

唯「それを理解してて辞めて、それで冷めた目で見守るって!?」


唯「何もしないで!!!!!」

梓「あ・・・・うっ」



唯「私にもプライドがあるのよ!!!!!!」

34: 2010/07/20(火) 20:19:36.47 ID:FM5ZJ7di0
澪「まあ、あまり気分が良くはないな、確かに」

紬「随分と上から目線よね」

律「・・・・・」

律「なあ梓、もうこのバンドの事見下してるだろ?」

梓「そんなことありません!!」

律「じゃあどういうことだよ」
ガッ
梓「あっ・・・っく」

唯「そんな言い方しといて、今更辞められると思ってんの?」

唯「・・・・一人だけ逃げ出すの?」

梓「皆さんとは・・・どの、みち・・続けられません・・・」


唯「・・・・」

35: 2010/07/20(火) 20:21:34.26 ID:FM5ZJ7di0
澪「はーー。どうする、紬」

紬「そうねえ・・・・」




・・・・・・・・



ガチャ!!

唯梓澪律紬「!!!!!」

俺「スタンバイお願いしまーす!」


俺「ってあ・・・・・・れ?」

37: 2010/07/20(火) 20:23:57.86 ID:FM5ZJ7di0
唯「・・・出てけ」

俺「あ、・・・す、すいませ」

唯「いいから黙って出てけ!!!!」

澪「すみません、すぐ行きます」

俺「あ、ひゃいう失礼、しま、した!!・・・・」 ガチャ

澪「おい律、下ろしてやれ」

律「命令すんなよ、私に」

紬「いいから」

律「・・・・・」スッ

梓「ケホッ・・・ケホッ」

39: 2010/07/20(火) 20:24:46.14 ID:FM5ZJ7di0
唯「あーあー。ちょっとやりすぎたかな、私ら」

澪「皆頭を少し冷やした方がいいな確かに」

紬「梓ちゃん、怪我はない?」

梓「さ、触らないでください・・・・!」

紬「あらあら。嫌われちゃった」

唯「皆、ね」




唯「・・・・・・」

40: 2010/07/20(火) 20:29:35.89 ID:FM5ZJ7di0
唯「・・・・なんか本来の話忘れちゃったなー」

澪「私の詞だろ」

紬「曲もね。」

唯「・・・そうじゃないだろ」ボソ

律 (・・・・)

律「この話、また後にすっか。今はとりあえずスタジオいくぞ」

澪「見に来てる人がやっかいなんだ。表にだすなよお前ら」

唯「はっ。とうとう上っ面だけのバンドかよ」

澪「唯!!」

紬「いい加減にして。いくわよ梓ちゃん」




梓「・・・・」

 



  ~数時間後~

42: 2010/07/20(火) 20:33:15.69 ID:FM5ZJ7di0
ガッシャアアン!!!

律「唯!!落ちつけ!!」

唯「・・・・・ッツ」

唯「・・・・・このっ」

澪「唯!!!」

紬「いい加減にして唯ちゃん。楽屋の物、タダじゃないのよ?」




唯「・・・・・っ」



澪「・・・本当にいいんだな、梓」

唯「・・・・」

44: 2010/07/20(火) 20:34:19.11 ID:FM5ZJ7di0
梓「後悔は、してません・・・・でも」

梓「残念で、残念で、仕方ありません・・・」

律「あ?」

律「あたしらが残念なんだろ?てめえ」ガタ

梓「そうじゃありません!!」

梓「そうじゃ・・・ありません・・・」

唯「・・・・」

澪「・・・・本気で決めた事なら、それでいい」

紬「二度と顔見せないで頂戴」

梓「言われなくても、もうこのバンドには二度と戻ってはきません」

唯「・・・・で、最後に聞くけどさ、」

唯「・・・・何が残念だったのよ」

45: 2010/07/20(火) 20:35:20.79 ID:FM5ZJ7di0
梓「きまってますそんな事、」

梓「皆さんと、もう演奏出来ない事がです!」

唯 (・・・・・っ)

梓「今まで・・・・ありがとうございました・・・!」 バタン



律「あーあ、行っちまったなあ・・・・」

唯「・・・最後に・・卑怯者」ボソ

紬「?? 何か言った唯ちゃん」

唯「・・・」



唯「・・・何も」

46: 2010/07/20(火) 20:36:01.71 ID:FM5ZJ7di0
澪「・・矛盾してるようではあるけど、曲がりなりにもずっと一緒にやってきたんだ・・・」

澪「少し、寂しいのかもな」

紬「多少我を忘れてた節もあったけど仕方なかったわよ。結局同じところに結論ついたと思うわ」

澪「唯は、寂しくないのか?」

唯「・・・・・・・・」

唯「・・・まさか」

澪「昔はあんな可愛がってたのに、よく」

唯「いなくなったゴミの話はもういいよ。けど、」

唯「話し合いは続くでしょ?」

唯「曲や詞や今の感じ。このままでいくかどうか」

澪「・・・悪いが・・・唯。もうそれはこれ以上話し合っても無駄だよ」

47: 2010/07/20(火) 20:38:12.23 ID:FM5ZJ7di0
紬「そうね。方向性は決まっているわ。今のままでいかないと売れないし、メジャーの話もなくなる」

律「現に支持されてるのは今までの曲だ。ファンは新境地なんて今の段階で望んじゃいない」

唯「そうだけ 律「言いたいことはわかってる」

律「でもこれ以上話すってんなら唯、今度はお前が抜けるしかないぞ」

唯「・・・・わかった。悪かった。」

唯「私たちはこのままで行く。それが嫌なら抜けろってことよね」

澪「そういうことだな」

紬「でないとまたさっきのくり返しになるわね」

律「唯」

48: 2010/07/20(火) 20:39:23.67 ID:FM5ZJ7di0
律「唯」

唯「・・・なに?」

律「嫌なら抜けろよ?早い方がいい」

唯「誰に口きいてんの?それこそ、・・・まさかだよ」

澪「・・・空いたギターのパート、どうするかな」

紬「適当に拾いましょう」

澪「・・・そうだな」


ガチャ!!

俺「あ、す、すいませーん・・・きょ、今日は、お、お疲れ様でしたー!」

俺「放課後ティータイムの皆さんにはこの後○○誌の方から取材が・・・」

律「・・・おい」

俺「それから・・・! は、・・・はい!・・」

49: 2010/07/20(火) 20:40:10.92 ID:FM5ZJ7di0
律「お前、ギター弾けるか?」

俺「え、と、まあ、はい・・・少し・・・やってました・・」

澪「コピーですか?」

俺「え、と・・・恥ずかしながら・・デュフ・・・皆さんのを・・・」


俺「・・・・wwwデュフフwwwサーセンww」

澪唯紬律「・・・・・・・・・」


                           



それから半年後――


56: 2010/07/20(火) 20:53:16.69 ID:FM5ZJ7di0
梓「今、注目。放課後ティータイム か・・・」

梓「・・・・あれから半年・・・か」

梓「先輩・・・・・」

誌面にはHTTの記事が多くなってきていた。

梓「・・・メジャーデビューしちゃったんだから、当然、かあ・・・」



その大々的な誌面に梓が乗ることはなかった。

57: 2010/07/20(火) 20:54:26.91 ID:FM5ZJ7di0
その大々的な誌面に梓が乗ることはなかった。

半年前の梓脱退、

新メンバーにリズムギター「俺」が参入したようだ。



・リズムがまず糞
・テクニックが独学っぽい
・てか男入んな
・っていうか死ね 

ピンポイントでのネット上での批判が今日も絶えない


しかし相変わらずの独特の音楽感で続けていて、固定ファンも多く付くようになってきており、
日本を代表するバンドになりつつあった。

しかしながら、当然、と言うべきか、シーンではややアイドル的な扱いを受けてしまっており、
苦笑いでインタビューに応じる先輩達の姿があった。

58: 2010/07/20(火) 20:55:13.40 ID:FM5ZJ7di0
あれから一年、けれどもう随分とたった気がする。
一年半か、二年。もっとか・・・


梓「逃げ出すように抜けてきてしまったけれど

梓「先輩達は、今、どういう気持ちで音楽を続けているんだろう」

 誌面を見ながら、私は今日も独りごとを呟く。


ピンポーン

梓「はーい」

憂「こんにちはー。ご飯作りに来たよー!」

59: 2010/07/20(火) 20:56:06.37 ID:FM5ZJ7di0
梓「いつもごめんね?」

憂「いいのいいの!さっそく台所借りるねー」

私は、というと、あれから何にも手がつかなくなってしまい。大学もやめてしまった。
家で過ごす時間が長くなったのを心配してか、こうして時々憂が食事を作ってくれる。

とってもおいしくて、今の私にはとても嬉しくて・・・・少し、つらい。



梓「チャーハンってさあ」

憂「なに!?突然」

梓「チャーハンって自分で作るより冷食のがおいしいよね」

憂「え!?ごめん・・・おいしくなかった?」

梓「いやいやそんなことない!おいしいよ! 自分が作るとって事」

憂「あはは・・・良かったあ」

憂と過ごすと、とてもまったりできる。独りでいる時とは大違いだ。
けれど

けれど憂をみてるとどこか先輩を思い出してしまい、胸にチクリと傷みが刺す

60: 2010/07/20(火) 20:58:20.93 ID:FM5ZJ7di0
憂「あ、もうこんな時間!!そろそろ帰るね?」

梓「うん。ありがとう。おいしかった・・けど」

憂「けど?」

梓「あんまり、気、使わないでいいからね?」

憂「・・・・」

憂「梓ちゃん・・・仕事、見つかった?」

梓「・・・・まだ」

憂「梓ちゃん、・・・なんで大学やめちゃったの?」

梓「さー・・・なんでだろ」

憂「純ちゃんも心配してるんだよ。梓が急に変わった、って」

梓「あはは・・・・面目ない・・・」

憂「梓ちゃんが大学で組んでたバンドの子達も、心配してるよ。
  何かあったら連絡してほしいって」

61: 2010/07/20(火) 20:59:02.34 ID:FM5ZJ7di0
そういえばそんなのもあったなと思い出した。
コピーバンドだったけど
それでも好きな曲を皆で演奏するのが楽しかった気がする。

まああの日までは
  

憂「急にバンドやめちゃったって聞いて、なんだかその時から梓ちゃんおかしいよ」

梓「・・・おかしいのは」

憂「え?」

梓「おかしいのは、どっちだったんだろう」




憂「梓ちゃん・・・?」


63: 2010/07/20(火) 21:00:11.89 ID:FM5ZJ7di0

憂「急にバンドやめちゃったって聞いて、なんだかその時から梓ちゃんおかしいよ」

梓「・・・おかしいのは」

憂「え?」

梓「おかしいのは、どっちだったんだろう」

憂「梓ちゃん・・・?」


憂「お姉ちゃんが、何か梓ちゃんにしたの・・・かな?」

梓「そういう訳じゃ・・・・ないよ。たぶんなるようにしてなっただけ」

梓「たぶん」

65: 2010/07/20(火) 21:00:58.03 ID:FM5ZJ7di0
憂「私、バンドの事とか、難しい事わからないけど・・・」

憂「梓ちゃんはもう音楽、やらないの?」

梓「そんなこと・・・出来ないよ」

憂「・・・嫌いになっちゃったの?」


梓「まさか」




梓「好きじゃなくなっただけだよ」



憂「好きじゃなくなったって・・・」

66: 2010/07/20(火) 21:01:47.16 ID:FM5ZJ7di0
梓「昔は楽しかったな」

憂「梓ちゃん?」

梓「先輩達も楽しそうでさ。からかわれたり、練習あんまりしなかったり、色々あったけど」

梓「けど」

梓「楽しかったな・・・」

憂「やめようよ、梓ちゃん。良くないよ」

梓「良くないって・・・何が?振り返っちゃ駄目?」

憂「・・・浸ることがだよ。梓ちゃん・・・」

憂「・・・・ギター」

梓「?」


憂「ギター、売っちゃったの?」

68: 2010/07/20(火) 21:06:18.71 ID:FM5ZJ7di0
梓「うん・・・・もったいないことしたかな、はは」

梓「思い出、振り返るのは好きなくせにさ、」

梓「持っているのは面倒くさくなっちゃったんだ」

憂「・・・・ね、梓ちゃん」



梓「ん?」

憂「これ、もしよかったら、一緒に見に行かない?」



梓「放課後ティータイム・・・ライブのチケット?」

69: 2010/07/20(火) 21:07:43.53 ID:FM5ZJ7di0
憂「すっごく大きなところでやるんだって!・・・なんだか色んな事、あったと思うけど・・・」

梓「・・・ねえ」

憂「もう一度お姉ちゃん達を・・・」

梓「ねえ・・・・!」

憂「梓ちゃん来てくれたら、きっとお姉ちゃん喜ぶよ!」


梓「いい加減にしてって!!!」



梓「なんなの・・・?」

70: 2010/07/20(火) 21:09:27.65 ID:FM5ZJ7di0
梓「憂はわかんないの?もうあの人たちに関わりたくもないし」

梓「ライブなんかいまさら」

梓「それにあの人たちなんてろくに音楽が好きでもないくせに」

梓「いつまでもあんなくだらない歌詞なんか歌い続けて」



梓「・・・そういうの」


梓「虫唾が走るの」

71: 2010/07/20(火) 21:10:52.44 ID:FM5ZJ7di0
梓「それにいまさらどんな顔してあの人たちの顔見に行けばいいの?」

梓「私の気持ち散々無視されて・・・」


梓「偉そうな口叩いて、逃げだしてきて」

梓「唯先輩にだって・・・」

憂「お姉ちゃん・・・・きっと喜ぶよ・・?」



梓「そんなこと・・・・

梓「・・・・そんなことあるわけないでしょ!!」

憂「そんなことあるよ!!!」

梓 ビクッ



梓「・・・憂?」

73: 2010/07/20(火) 21:12:59.58 ID:FM5ZJ7di0
憂「あ・・・・ご、ごめん、でも」

憂「きっと喜ぶ、よ。それにまだ当日まで結構あるからさ」

梓「・・・・うん。考えて・・おく・・・」

憂「・・・ありがとう。梓ちゃん。それじゃ、お邪魔しました―」

梓「バイバイ・・・・」



大変な物を、渡されてしまった。

74: 2010/07/20(火) 21:13:54.81 ID:FM5ZJ7di0
二か月なんてあっと言う間だった

チケットを眺めながら布団の上で悶々とする日々がずっと続いていた。

けれどメール憂から「一緒にいかないともうご飯作りにいかないよ?」
と言われてしまった。


それをいい訳にする訳じゃないけれど
何度もチケットを眺めているうちに


いってみようかと、どうしようかと、心が揺らいだ

それに正直、


―――――――――今の先輩達を見てみたいと思った。




後ろめたい気持ちはあったが、沢山の人がくるようなライブなら、私とバレる事もないだろう。

75: 2010/07/20(火) 21:16:29.04 ID:FM5ZJ7di0
ライブ当日

憂「ごめんねー梓ちゃん。待ったー?」

梓「う、ううん。さっき来たとこだから」

純「緊張してるのか、梓。てか久しぶりだな―こいつー」

梓「そりゃ・・・緊張するよ・・」

純「ったく部屋から出ないって言うから心配してたんだぞー、今日来れるか」

梓「あはは・・・・面目ない」

憂「あ、そろそろ動きだすかな?」

純「良い時間帯だな、ほんじゃ行きますかー」

梓「う、うん・・・」

憂「梓ちゃん、リラックスリラックス」

梓「あ、ありがと・・・」


私は正直心臓が爆発しそうなほど、緊張していた。

76: 2010/07/20(火) 21:17:46.70 ID:FM5ZJ7di0
アリーナ内

ざわざわざわ

憂「うわーー。おっきーなー」

純「ほんとにこんなとこでやるのか!凄いなあー」

憂「ねー梓ちゃん」

梓「・・・・」

憂「梓、ちゃん?」

梓「へ!? あ、ごめん! その・・・」

梓「ごめん、やっぱ緊張しちゃって・・少し話しかけないでもらって、いいかな?・・・ごめん」

憂「・・・ううん、全然いいよ。そうだよね・・・・こっちこそごめんね?」

梓「憂・・・ありがと」

77: 2010/07/20(火) 21:18:31.25 ID:FM5ZJ7di0
緊張する。生で先輩たちを見るのはあれ以来初めてだ。
緊張しない方がどうかしてる

皆どういう顔でやってるのか、気持ちでやってるのかそれを見たいし

しかし見ると思うと緊張する。だいたい新メンバーの「俺」さんとはどうなのか


そうこう考えていると

憂「わっ・・・」


会場が暗転する。

梓「・・・!」

ライブが始まるらしい

78: 2010/07/20(火) 21:19:35.67 ID:FM5ZJ7di0
歓声がすごい

憂も横で「おねーーーちゃーーーん!」と叫んでいる
純もピンポイントで彼女を呼んでいるし、

歓声が凄い。私の緊張も、すごい

薄暗いライトが徐々に明るくなるにつれて、例のリフがはじまった。

どんどん早くなっていく

まずい。彼女がだんだん見えてくる。


そしてついにスポットライトが完全に点き、下を向いていた彼女が、

緊張が 

顔を、あげる。

唯「一曲目!!ふわふわタイム!!!」




笑顔の先輩が、そこにはいた。

80: 2010/07/20(火) 21:24:15.13 ID:FM5ZJ7di0
あの頃のままの、底抜けの笑顔だった

それをみていると余計に、つらくなる。


曲は最初のうちは、私がいた時の物だったが、徐々に知らない曲が入ってくる。
会場もどんどん盛り上がっていて

梓「・・・・・い」

憂「え?なにかいったー!?」

純「聞こえないよー!」

梓「・・・でも」


でも、いつもと変わらない笑顔を絶やさない先輩たちに、少し違和感を感じた。
なんで笑顔でいられるのか。どうして隙を見せないで演奏できるのか。

けれどすぐに、こう思うのは嫉妬なのではないかとも思った。

現にこんな大勢の人たちの中なのだ。
楽しくはないかもしれない。けれど密度の濃い音楽活動を続けてきた先輩たちにとっては

やはり、きっとこれはとても充実した事なんじゃないかと思う

81: 2010/07/20(火) 21:26:35.23 ID:FM5ZJ7di0
実際ライブはというと、大成功だと思う。
やはり経験が多い先輩たちの演奏力は高く、知らない曲もいままでのような、ファン層をのがさない曲調や歌詞でもある。


俺「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」


しかし、彼はまだ慣れてもいないようで、たまにミスをする。


俺「おおおおおおおおおお」

客「ひっこめクズ!!!」「実家帰れえ!!」

俺「wwwwwwwwwwwwwww」

客「「「・・・・・笑ってんなカス!!!」」」




俺「wwwwwwwwwwwwwwww」


どうなんだろう。

86: 2010/07/20(火) 21:31:33.41 ID:FM5ZJ7di0
時間はあっという間に過ぎる。気づけばもうライブも終盤だった。


唯「ありがとうございました!!」

歓声が凄い。昔は男性のファンが多かった気がするけれど
今では黄色い声も大きく聞こえる。

唯「それでは最後の曲です!」

最後の曲らしい。でもこれで終わる。わたしは寂しさと安心を感じていた



唯「最後の・・です!聞い・・・ださい!

歓声で先輩の声がもみ消されそうになる。

唯「・・・ッ・・・!!!

けれど


梓「・・・っ」


87: 2010/07/20(火) 21:32:20.95 ID:FM5ZJ7di0
その曲は

訳してしまえば、親愛なるあなたへという曲だった。





・・・タイトルに自分を感じたのはいささか過剰気味だったのだろう。

曲の内容は、別れた友だちにいつまでも自分たちは楽しくやっているよ、と叫び続けるという
曲調も歌詞もひたすらに底抜けに明るいものだった。



唯先輩が唄う。「楽しいよ、楽しんでいるよ、」と

明るく、笑顔で

私はなんだかいたたまれなくなった。



・・・もうこれ以上見る必要もない、席を立とうと思って準備をした

89: 2010/07/20(火) 21:34:25.12 ID:FM5ZJ7di0
憂「あ、梓ちゃん!?帰るの!?この曲で最後だよ!?」

梓「うん、もう十分みたから・・・」

純「あー?聞こえないってば―!!」

準備が済み、
そして最後にステージに目を向けた時

その時だった




梓(唯先輩が・・・こっちを見てる!?)

間違いない。こっちを見ている。

91: 2010/07/20(火) 21:35:27.79 ID:FM5ZJ7di0
何故?なんでこの距離でバレた?
まずい
とにかく気づかれたのか、どうしよう、どうしよう

けれど目を離せずにいた。動けなかった


けれど、今更逃げ出せるものか


私は唯先輩のほうに目を凝らしてみる

梓「・・・・・・・・・・!!!!」




梓「・・・・・っ」

憂「梓ちゃん!?」

私はそれに気付いた瞬間、

私は逃げるように会場を駆けだしていた

93: 2010/07/20(火) 21:36:09.84 ID:FM5ZJ7di0
どれ位走ったか。
気付くと私は近くの公園に来ていた。
改めて事実を確認してみる。出来るだけ平常心に、落ち着いて・・・

梓「唯先輩・・・・泣いてた?」

しかも

梓「私を、見ながら・・・・?」

楽しい、楽しいよと、先輩は

けれど笑いながら



私に泣いて叫んでいたんだ。

94: 2010/07/20(火) 21:37:15.29 ID:FM5ZJ7di0
憂「梓ちゃん・・・?大丈夫?」

私は、気付いたらベンチでずっと泣いていた




梓「う、・・・ごめ・・・急に、飛び出してきちゃっ、て」

憂「ううん、ちょっと心配しちゃったけど、見つけられて良かった」

憂「はい、ハンカチ」

梓「あり・・・がと・・」


泣きやむまで、少しかかった

けれど、憂がそばにいてくれたおかげで、
少しずつだけど落ちつく事ができた。

95: 2010/07/20(火) 21:40:37.22 ID:FM5ZJ7di0
梓「うーーー。恥ずかしいとこみせちゃった」

憂「いいのよ、友だちなんだもん」

梓「うーーー」

・・・私はいい友達を持ったものだ。

梓「あれ?純は?」

憂「なんかライブ見てテンション上がったらしくて、カラオケに走って行った見たい」

梓「あはは・・・あいつめ」

・・・それからいろんな話をした。
私が辞めてしまった大学の話、憂の将来の夢、友だちの恋の話

憂は人を和ませる天才なんだと思う。

96: 2010/07/20(火) 21:41:20.78 ID:FM5ZJ7di0
だいぶ私は落ち着きを取り戻して、そして話が尽きてきた頃だった


憂「お姉ちゃんね?」

梓「・・・・うん」

憂「お姉ちゃんね、昔と比べてだいぶ大人っぽくなっちゃけど」

梓「そうだね。昔とは比べ物にならないよ・・・」

梓「唯先輩、昔より怖くなっちゃった」

憂「ふふ。でもね、ああ見えてお姉ちゃんって、ホントはあの頃のままなんだよ?」

梓「・・・・・」

憂「去年までだって、バンド内は今ギスギスしちゃってるけど、でも」

憂「皆と組めて良かったって」



梓「・・・え?」

97: 2010/07/20(火) 21:42:09.43 ID:FM5ZJ7di0
憂「特に梓ちゃんの話が多くてね。あの子は凄いんだ、って。ホントに上手くて私も焦るって」

憂「あの子は純粋だから、バンドの良心なんだろうって」

憂「恋人の自慢話するみたいにいつも話すお姉ちゃんは可愛かったな」

梓「・・・・」

憂「それでね、バンドの事」

梓「なにか・・・言ってた?」

憂「うん・・・・」

憂「いまはちょっとつらくなってきてしまったけど、また昔みたいに楽しめるように」





憂「私が頑張らなきゃって」




私は、私は大馬鹿者だ。

98: 2010/07/20(火) 21:43:14.14 ID:FM5ZJ7di0
どうしようもないほど馬鹿だ。唯先輩は、唯先輩は、

あの頃と何一つ変わっちゃいなかったんだ




そう思ったらまた涙があふれてきた




憂「あ、梓ちゃん!?どうしたの!?」

梓「私!!あ、たし!!馬鹿!馬鹿だ!!」

99: 2010/07/20(火) 21:45:47.98 ID:FM5ZJ7di0
憂「梓ちゃん、落ち着いて!」

梓「私、せ、先輩の事何一つ、ひと!解ってなかった!!!」

梓「唯先輩が解散、の話、出した時!、ゆ、唯先輩はこのままじゃ嫌だったんだ!」

梓「だから多少、強引なやり方じゃないと!今までからは変われないと思って!!」

梓「なのに私は勝手に先輩たちを見限って!!変えようと努力もしないで!!1」

梓「最後の!さ、最後の!!」

梓「あれが最後のチャンスだったんだ!!!」


梓「なのに先輩はいまでも続けて!」

梓「だけど泣いてて・・・!!」



憂「・・・梓ちゃん」

115: 2010/07/20(火) 21:56:53.62 ID:FM5ZJ7di0
憂「・・・ねえ梓ちゃん」

梓「?」

憂「なんで私、梓ちゃんにご飯つくりにいってたと思う?」

梓「・・・?」

憂「私が行ってあげたいって思ったのもあるんだけどね」


憂「・・・一番の理由はお姉ちゃんに頼まれたからなんだ」

梓「・・・え?」

憂「ライブのチケットだって、何も言わずに私に三人分渡してくれたのよ?」

憂「あんまり梓ちゃんの事喋りたがらないけど、きっと心配してるんだよ」



憂「・・・妬けちゃうけど、私よりもずっと」

116: 2010/07/20(火) 21:58:41.52 ID:FM5ZJ7di0
梓「・・・・」

憂「それでね梓ちゃん、梓ちゃん、曲の途中で飛び出しちゃったけどさ」


憂「お姉ちゃん、こっち見てたよ。ずっと」

憂「梓ちゃんいなくなっても、こっちを見て歌ってたんだ」





梓「・・・・敵わない、な」



梓「・・・結局、誰より全部見下してたのは私・・・」

梓「だったのかな・・・」

120: 2010/07/20(火) 22:02:22.43 ID:FM5ZJ7di0
・・・先輩達は、今もああして続けているんだろうか
あの殺伐とした空気の中、生存競争のようなバンドの世界を

楽しくないと言いながら、でも充実してると自分で言い聞かせながら


梓「ねえ憂、私まだ、・・・音楽楽しめるのかな」

憂「どうだろう。私はあんまり、バンドとかってどういうものかわからないから・・・」

梓「あはは・・・ごめん」

憂「・・・でもさ」

憂「でも少なくとも梓ちゃんは、楽しもうと思ってるんだよね?」

梓「・・・そうでありたいとは、思ってる・・・」

憂「なら、たぶんきっと出来るよ」

梓「・・・そうかな?」

梓「でもs憂「だって」


憂「だって、音を楽しむから、『音楽』 なんでしょ?」

123: 2010/07/20(火) 22:04:40.55 ID:FM5ZJ7di0
梓「憂・・・・・  」


梓「・・・・」



梓「・・・・・・あは!・・・あはははははは!!」

憂「梓ちゃん!?」

梓「あははははは!!」

憂「あれえ!?ち、違ったかな!?ご、ごめ・・・」

梓「憂・・・それ、はは・・・!安直・・あはは!」

憂「ひ、ひどいよ梓ちゃん!!」

124: 2010/07/20(火) 22:05:24.80 ID:FM5ZJ7di0
梓「ご、ごめ・・・ふふ」

憂「もー!」

梓「ごめんってば!ふふ・・・ ありがと。元気、少し出た」

憂「・・・・えへへ」

梓「・・・そういえば、」

憂「?」




梓「そういえば、軽い音楽だと思ってバンド始めた先輩が、」


梓「いたかあ」

125: 2010/07/20(火) 22:07:04.71 ID:FM5ZJ7di0
梓「先輩達、待っててくれるかな?」

憂「え?梓ちゃん?」

憂「もしかして・・・バンドまた戻るの?」

梓「決めた事だから、もう先輩達の処へは戻らない」

憂「そっか・・・・」

梓「うん。それに先輩達は、先輩達のやり方でやっていくってあの日に決めたと思うから。けど・・・・」

憂「けど・・・?」

梓「けど・・・・」




梓「新しく作ってみるなら、いいかなあ」

126: 2010/07/20(火) 22:09:01.99 ID:FM5ZJ7di0
その頃、アリーナ楽屋

澪「お疲れ皆。」

紬「まあまあじゃない。なんのかんのやってきたけど、大きい所は気持ちがいいわね
  新曲の歌詞様々?やっぱり天才ポエマーは違うわね」

澪「知った風な口きくな。作曲が当たり障りなくて無難だからだよ」

紬「甘くて安っぽい詞だものね・・・最後の曲なんてほんと食い付きだけはいいわ」

澪「ま、そう・・・だな・・」

紬「・・・言い返さないのね、めずらしい」


ガチャ

唯「おつかれー」

律「おつかれ。俺、後でお前覚えとけよ」

俺「wwwwwww」

澪「遅かったなお前ら」

128: 2010/07/20(火) 22:12:43.49 ID:FM5ZJ7di0
律「ああ、まあ、ちょい色々話があってな」

唯「自称リーダーと一緒に聞いてきた」

律「おい・・・ま、その話、また後ですっからまだ休んでていいぞ」

紬「言われなくてもそのつもりよ」

律「・・・・まあ、いい話がきたからスル―してやるよ」



律「・・・おい唯」

唯「? 何よ」

律「お前、ライブの時、梓の方見てただろ」

129: 2010/07/20(火) 22:16:41.31 ID:FM5ZJ7di0
律「お前、ライブの時、梓の方見てただろ」

唯「・・・驚いた。変なとこで鋭いなあ。てか目えいいね、後方ドラムのくせに。」

律「・・・・」

唯「なんか言いかえせよ、張り合いないなあ」

律「なに強がってんだよバーカ」

唯「はは・・・・」


唯「・・・律、あの時から気付いてたでしょ」

律「・・さあ」

唯「だから梓抜ける時も手えあげて」

律「やめろよ」

130: 2010/07/20(火) 22:17:26.27 ID:FM5ZJ7di0
唯「・・・・律が中途半端な位置にずっといるのってさ」

律「やめろって。そんな頭良くないよ私は」

律「それにどう転んでも現状変わらなかったろうさ」

唯「ははは。ほんとなんか腹黒いなあ」

律「てめえ・・・・」

律「泣くくらいなら、無理すんなよ」ボソ

唯「・・・なんか言ったかデコ」


唯「・・・・」

唯「でもまあ・・・」

131: 2010/07/20(火) 22:20:15.03 ID:FM5ZJ7di0
唯「・・・こういうバンドも、最近はありだと思えるようになってきた。」

唯「もちろん皆も自分も楽しんで、ずっとそうやっていくに越したことはないんだけど」

唯「けど、現にファンは私たちの音楽を待っていてくれて、幸運な事に私たちはそれに応えられる」

唯「皆もあの日からなんだか吹っ切れてきたしね。楽しいかどうかは知らないし、どうでもいいけど」



唯「けど梓には、チケット渡して、そんでこんなライブでも来て貰えたから、十分だよ。」

律「そうかい」

唯「・・・でもあの時皆が本心を言い合ってれば、なにか違ったのかもな」

律「何言ってんだ今更。その時はたぶん・・・」

律「たぶん皆して辞めちゃってただろうよ」

唯「・・・そうだね」

135: 2010/07/20(火) 22:22:20.48 ID:FM5ZJ7di0
唯「まあいいよ。私はこれで行くって決めたんだ。今更変える気もないし」

律「・・・・」

律「あはは、なにくさいセリフ平気で吐いてんだよ」

唯「・・・黙ってろよデコ」

律「ま、私はドラムたたけりゃそれでいいや」

律「んじゃ、シャワー浴びてくる」タッ

唯「りょーかい」




唯「・・・・」

唯「・・・・まあ」

唯「伝わってくれてたら」


唯「いいなあ」

153: 2010/07/20(火) 23:32:48.81 ID:FM5ZJ7di0
「おい律、さっさと帰ってこいよ」

律「うるせーなー。わかってるよ」

紬「ならさっさと行ってきなさいよ。・・・ちょっと今日は荒れるかもね」

唯「・・・当然だけど」

澪「皆わかってると思うけど、律が戻ってきたらさっきの話とやらと、あと」




澪「今日の戦犯会議始めるから」

俺「・・・・・・・」


                  
                 それから3年。

154: 2010/07/20(火) 23:36:10.49 ID:FM5ZJ7di0
とある箱。楽屋






梓「疲れたーー!!」

男「受け、まあまあ良かったじゃん」

女「お客さんだいぶ増えたねー」

梓「うん!・・・・うん!」


あれから3年。

私は今、バンドを組んでいる。

156: 2010/07/20(火) 23:40:24.42 ID:FM5ZJ7di0
それは大学の時コピーバンドをやってた時のメンバーだ。

曲を作ってプロ目指してやっていく、そう決めるまで時間はかかったけれど、

けれどいま私たちは少しずつ階段を上っている。


ギターは今はSGを使っている。

売ってしまったあのギターを探そうとも思った。
愛着もあったし、一番長く付き合っていたギターだったから

しかし探してみると、それはそれはとても大変で。
その行為が昔にとらわれているような気もした。

だから、なんだか心機一転したくて、



私は新しく違うものに変える事にした。

調子も良くて、当たりの様だ



梓「SGのみりょく!!!」

女「なに!?どうしたの急に!?」

158: 2010/07/20(火) 23:44:20.51 ID:FM5ZJ7di0
梓「SGってさ。ヘッド落ちするのね」

女「・・・うん」

梓「まあ形状的に仕方ないんだけどさ」

梓「形状と言えばね」

女「!?」

梓「そもそもこのギターって、元の名前はレスポールなの」

女「・・・レスポールって、あの有名なやつだよね?」

梓「今までのレスポールの次世代だったの」

女「う・・・・うん」

161: 2010/07/20(火) 23:49:41.14 ID:FM5ZJ7di0
梓「でも形がさ、ほら、クワガタみたいでしょ、これ。全然レスポールと違う」

女「・・・・」

梓「それでまあ、レスポール作った人。レスポールさんがね」

梓「「これなんかレスポールと違う」って」

女「・・・・」ゴクリ

女「それで・・・・」

梓「?」

女「それでどうなったの・・・・?」

162: 2010/07/20(火) 23:52:58.79 ID:FM5ZJ7di0
梓「いや・・・」

梓「・・・どうもしないの」

女「・・・・え?」

梓「どうもしないよ。性能的には問題は無かったし。これは凄いって言う人も結構いた」

梓「ただ・・・」

女「ただ・・・?」

梓「レス・ポールさんとの契約切れたの期に、名前がただのSGになっちゃった」

女「・・・・・」

163: 2010/07/20(火) 23:56:32.02 ID:FM5ZJ7di0
梓「音は・・・・」

女「・・・梓?」

梓「音はさ、とってもいいんだよ?中高音が強めでさ」

梓「すごい癖になるの。生音がいいの」

梓「形なんかも、私は案外好きだし、薄くて弾きやすいし、軽いしさ」

梓「もちろん色はチェリーがいいかな」

梓「どこぞの宇宙人がホワイト使ってから人気ちょっと移っちゃったけど」

女「う、うん・・・似合ってるよ」

梓「えへへ」

165: 2010/07/21(水) 00:02:05.65 ID:k5I3v5fx0
梓「ただね・・・」

女「・・・ただ?」

梓「・・・・SGってヘッド落ちするのよ」

女「あ、梓?それさっきも・・・」

梓「ほらみて、ほら」ダラーン

女「う、うん・・・・」

梓「ヘッド落ちがなあー・・・・」


梓「・・・・」イラッ



女「SGの・・・・魅力?」

166: 2010/07/21(水) 00:04:28.08 ID:k5I3v5fx0
女「ま、まあこの調子で、次もがんばりましょ」

梓「あ、う、うん!そだね!」

男「あ、あと梓、新曲頼むな―」

梓「うえー・・・わ、わかったー」

男「ほんじゃ解散ってことで。二次会は無しだから」

梓「それじゃーお先にー」

女「バイバイ―」

167: 2010/07/21(水) 00:07:23.35 ID:k5I3v5fx0
自宅にて


梓「うーーーー」

私は机とにらめっこをしている。

梓「なんか変かなあ」

このバンドを組んでから、作詞は私がやっている。



   ――――――詞を書くようになって、少しわかった事がある。

169: 2010/07/21(水) 00:10:11.21 ID:k5I3v5fx0
初めのうちは、書いてる事は本心だと思っていた。

自分の正直な気持ちや感覚。それを全部言葉に乗せれば済むものなのだと

そうやって綴った言葉が歌になって支持されるというのは、とても

とても幸せなことだと思った。


けれど書いて、書いて、書き続けていくうちにどうしようもなく不安になる時がある。
やがて自分の想いをこう文字に書き起こしてみると、

なんて安っぽいものだと焦りといら立ちを感じた



梓「・・・あの人は、こんな気持ちでずっと詞を書き続けてきたのかな」

170: 2010/07/21(水) 00:14:03.05 ID:k5I3v5fx0
けれどその感覚が続くにつれ、やがて自分の詞をもう一度、少しずつだけど信じられるようになる。

一度は投げ出したいと思った自分のその気持ちを書いていく行為を、
少しだけ、別の位置から見れるようになった。

自分の詞はひどく純粋で子供っぽく、偽善で、愚直で、でもとても優しくて

それを分っていて、けれどそれを信じたくて伝えたくて、書き続ける


きっとあの時の澪先輩は、自分の詞を本心ではないといいながら
けれどやはりどこか本心でも書き続けていたんだ

高校の時からずっとあの甘い歌詞の通りの気持ちを持って、
けれどあの時は自分の言葉を信じられなくなって



・・・・自分の先輩たちは、今にして思うと誰もかれも、誰よりも純粋だったんだと思う

172: 2010/07/21(水) 00:16:53.27 ID:k5I3v5fx0
きっと彼女たちは、何より音楽をやめたくなかったんだ。

純粋だからこそ現実に少しずつ歪んでしまう。


けれどまだどこか、純粋さをを失っていないからこそ

その思いが今も、四人の中で少しでも通じ合っているからこそ


今もああして、音楽を続けていられるのかもしれない






梓「うんーー、少し、休憩!」

174: 2010/07/21(水) 00:21:58.30 ID:k5I3v5fx0
気分転換に少し散歩に出てみる
夜中に歩くのは少し危ないけれど、冷たい空気が頭を洗ってくれる気がした。


20分ほどで家に帰ってると、ポストに何通か封筒が入っているのに気付いた。


梓「あれーーー?料金?なんだろ」

何通かは行政からの封筒だったが、一枚、少し様子の違う封筒が入っていた

梓「送り主は・・・」


梓「・・・・先輩!?」


鼓動が速くなる。

175: 2010/07/21(水) 00:24:44.76 ID:k5I3v5fx0
あのライブから私は彼女たちに会っていない。

いつか立派になったら
そうしたら対バンの申し込みを叩きつけてやろうと
彼女たちの出来なかった、私の音楽を見せつけてやるのだと、目下たくらんでいるのだが


梓「中身は・・・」

手が震える。しかし嫌な予感がする。

梓「・・・・・・」カサ

梓「・・・・」

梓「・・・はーー・・・」


くそう。


・・・やられた。

177: 2010/07/21(水) 00:28:49.66 ID:k5I3v5fx0
企んでいたんだが、やっぱりやられた。

どうやら、本当に唯先輩は中身は変わっていなかったようだ。

妙に鋭く、いつだって私より数センチ先を行く。

梓「やっぱ・・・敵わないなあ」

今はまだ、敵わない。けれど・・・・

梓「・・・詞、書けそう、かな!」

わたしは再び机に向かって駆けだした。なんとなく、タイトルが決まったのだ。

きっとびっくりするだろう。皆。なにせ





なにせあのバンドから、対バンのお呼びがかかったのだから。

梓「忙しく、なるな・・・!」

179: 2010/07/21(水) 00:37:24.92 ID:k5I3v5fx0
――――――3か月後


男「おおおおおおお」

律「おい!走ってんぞ!」

紬「さっきから、ミスが続くわね・・・!でも・・・」

澪「あいつよりは・・・マシ!」

唯「・・・・ありがとう!!!」



歓声や絶叫が絶えない、とあるライブハウスの中に

放課後ティータイムはライブをしていた


183: 2010/07/21(水) 01:07:08.42 ID:k5I3v5fx0
唯「ありがとう!!!」

ファン「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
俺「りっちゃああああああああああああああああああああああ」


一曲が終わり、会場が暗転する。

唯「はあ、はあ」

律「どした、唯、まさか緊張してんのか?」

紬「アリーナに比べたら小さなものよ?冗談よしてよ唯ちゃん」

唯「うるさいな、んなわけないっしょ」

澪「とちるなよ、折角の評判落ちるぞ」

唯「・・・・うん」

スタッフ「次行きまーす。オッケーですか?」


唯「・・・・オッケーです!」

185: 2010/07/21(水) 01:14:09.84 ID:k5I3v5fx0
再びライトが灯って行く中で、彼女は呟く。


唯「情けないとこ、見せないようにしよう皆。なんせ」

唯「なんせ逃げ出してったあの子がまた音楽始めて、初めて・・・」

唯「初めて一緒にやってやるライブなんだから!」

唯「見せつけて、食ってやるんだろ皆!」


唯「次の曲!!ペンタブ!歪んでる!?」


ファン「おおおおおおおおおおおおおおおおお」
俺「ゆいちゃああああああああああああああああああああああああああ」

186: 2010/07/21(水) 01:16:26.62 ID:k5I3v5fx0
ここはライブハウス。規模はそこまで大きくないものの、ここまで人が集まるのは
放課後ティータイムというバンドとそして

澪「・・・あの子達の力も、きっと大きいんだろうな」


律「いい加減にしろ!!やっぱお前クビにするぞ!!」

男「wwwwwwwwwwwwwwww」






その頃控え室

188: 2010/07/21(水) 01:19:31.23 ID:k5I3v5fx0
女「梓、水」

梓「あ、ありがと」

男「緊張してるのか?」

梓「あはは・・・うん。」


手は、確かに震えている。今までで一番大きな会場だというのもあるけれど、それ以上に

男「てかよく対バンの話くれたな。梓、半ば喧嘩別れだったんだろ?」

梓「うん・・・でも、だから許可してくれたんだと思う」

男「あ?なんだそりゃ」

梓「あはは・・・」


きっと先輩達は、新しくバンドを組んだ時から私を見ていてくれたんだろう。

お前は楽しんでやっていけるのか、

お前達は気持ちを忘れずにいれるのかと。


スタッフ「すいませーん、スタンバイお願いしますー」

189: 2010/07/21(水) 01:21:36.09 ID:k5I3v5fx0
梓「あ、はい!」

梓「・・・試されてるのかも、なあ」

女「? でも確かに試されてるよねこのライブ」

男「踏み台にする気満々だよな。あの人たち、すげえ怖いし」

女「あはは、でもさ、食ってやろうよ」

梓「・・・うん」

梓「うん!」

そうだ。先輩達にみせてやるんだ。
私は、私たちは凄いんだぞって、負けてないんだぞって

梓「行こう!」

そう、きっと待ってる。

190: 2010/07/21(水) 01:24:12.81 ID:k5I3v5fx0
ステージ



唯「ありがとう!!!」

唯「はあっはあっ・・・ここで!皆にお知らせが!」

きっと待ってる。

唯「今日はもう、ひとバンド、呼んでます!」

唯「次だけは、・・・・次だけは彼らのライブです!」

彼女たちも、見に来ている皆も、

191: 2010/07/21(水) 01:27:23.66 ID:k5I3v5fx0
唯「イニシアの皆、お願いします!」

そして

唯「そして!」

全て巻き込んだ、楽しい音楽を

唯「あずにゃん!お願い!!」


―――――――――――――私は、やってやるんだ!


                     制作・NHK  おわり





ファン「おおおおおおおおおおおおおおおおお」
俺「あずにゃああああああああああああああああああああ」


193: 2010/07/21(水) 01:35:14.05
おつ

196: 2010/07/21(水) 01:35:57.16
乙でした

引用元: 唯「もうやってらんないわ」