1:2020/07/08(水) 21:32:01.814 ID:zt1jxmYi0.net
プシュー… ガタンゴトン… ガタンゴトン…
女上司「あっ……」
若手「あっ……」
女上司「終電……行っちゃったね」
若手「追いかけましょう!」
女上司「それしかないか」
若手「電車より速く走れますか?」
女上司「ナメないでくれる?」
ダッ!
女上司「あっ……」
若手「あっ……」
女上司「終電……行っちゃったね」
若手「追いかけましょう!」
女上司「それしかないか」
若手「電車より速く走れますか?」
女上司「ナメないでくれる?」
ダッ!
2:2020/07/08(水) 21:33:06.738 ID:8To8RWAq0.net
何それ怖い
4:2020/07/08(水) 21:35:11.457 ID:zt1jxmYi0.net
タタタッ…
若手「追いつきましたね」
女上司「よーし、飛び乗るわよ」
若手「はいっ!」
バッ
ガシィッ!
女上司「ガラスを割って……」パリィンッ
女上司「失礼しまーす」
若手「追いつきましたね」
女上司「よーし、飛び乗るわよ」
若手「はいっ!」
バッ
ガシィッ!
女上司「ガラスを割って……」パリィンッ
女上司「失礼しまーす」
6:2020/07/08(水) 21:36:45.710 ID:ANN4ww1d0.net
若いって素晴らしいな
7:2020/07/08(水) 21:38:09
女上司「ふぅー、乗れたわね」
若手「間に合いましたね! これで家に帰れます!」
女上司(同じ車両に……私たちの他に客は四人か)
グラサン「……」ジロッ
女「なにあれ……」
男「見ない方がいいぜ」
酔っ払い「ウイ~……」ヒック
女上司(いかにも悪そうな奴に、若いカップル、酔っ払いのおっさん……)
若手「間に合いましたね! これで家に帰れます!」
女上司(同じ車両に……私たちの他に客は四人か)
グラサン「……」ジロッ
女「なにあれ……」
男「見ない方がいいぜ」
酔っ払い「ウイ~……」ヒック
女上司(いかにも悪そうな奴に、若いカップル、酔っ払いのおっさん……)
10:2020/07/08(水) 21:41:11
ガタンゴトン… ガタンゴトン…
若手「……」
女上司「どうしたの?」
若手「この電車、網棚に荷物が多くないですか?」
女上司「たしかにね……」
女上司「どれ、一つ開けちゃいましょうか」ヒョイッ
若手「あっ、駄目ですよ!」
女上司「いいのいいの」ベリッ
若手「……」
女上司「どうしたの?」
若手「この電車、網棚に荷物が多くないですか?」
女上司「たしかにね……」
女上司「どれ、一つ開けちゃいましょうか」ヒョイッ
若手「あっ、駄目ですよ!」
女上司「いいのいいの」ベリッ
12:2020/07/08(水) 21:44:32
女上司「これは……!」
若手「白い粉……ですね」
女上司「小麦粉じゃないってことは確かね。他のも開けてみましょう」
ガサガサ…
若手「こっちには銃が!」
女上司「これは……象牙だわ。ほら、一本丸ごと入ってる」
若手「象牙の取引は厳しく制限されてるはず……!」
グラサン「てめえら……見ちゃいけねえもんを見たな……」
若手「白い粉……ですね」
女上司「小麦粉じゃないってことは確かね。他のも開けてみましょう」
ガサガサ…
若手「こっちには銃が!」
女上司「これは……象牙だわ。ほら、一本丸ごと入ってる」
若手「象牙の取引は厳しく制限されてるはず……!」
グラサン「てめえら……見ちゃいけねえもんを見たな……」
13:2020/07/08(水) 21:45:11
ほう…
14:2020/07/08(水) 21:47:32.833 ID:zt1jxmYi0.net
グラサン「氏ねや!」チャッ
二人(銃!?)
パパンッ!
グラサン(かわしやがった!)
若手「はあっ!」バキッ!
グラサン「ぐほあっ……!」ドサッ
女上司「ナイスパンチ!」
二人(銃!?)
パパンッ!
グラサン(かわしやがった!)
若手「はあっ!」バキッ!
グラサン「ぐほあっ……!」ドサッ
女上司「ナイスパンチ!」
15:2020/07/08(水) 21:48:44.274 ID:ZInMyqPv0.net
展開スピーディで笑うw
17:2020/07/08(水) 21:50:35.864 ID:zt1jxmYi0.net
男「シェアッ!」バッ
女「シャアッ!」バッ
女上司(こいつら……爪を装備してる!)
男「キョアアアアアッ!」シュババババッ
女「キエエエエエッ!」シュババババッ
女上司「なるほど、コンビネーションってわけ……だけどそんな稚拙なコンビネーションじゃ」
女上司「私の首は獲れないわよ」ガシッ
男女「!?」
若手(二人の頭を掴んだ!)
女「シャアッ!」バッ
女上司(こいつら……爪を装備してる!)
男「キョアアアアアッ!」シュババババッ
女「キエエエエエッ!」シュババババッ
女上司「なるほど、コンビネーションってわけ……だけどそんな稚拙なコンビネーションじゃ」
女上司「私の首は獲れないわよ」ガシッ
男女「!?」
若手(二人の頭を掴んだ!)
20:2020/07/08(水) 21:53:20.873 ID:zt1jxmYi0.net
女上司「カップルはカップルらしく……キスでもしてなさい」
ゴツンッ!
男「が……」
女「は……」
ドササッ…
若手「やったぁ!」
酔っ払い「やれやれ、三人ともだらしねえ。俺の出番かい」コキッ
若手(こいつも!?)
ゴツンッ!
男「が……」
女「は……」
ドササッ…
若手「やったぁ!」
酔っ払い「やれやれ、三人ともだらしねえ。俺の出番かい」コキッ
若手(こいつも!?)
22:2020/07/08(水) 21:56:46.679 ID:zt1jxmYi0.net
酔っ払い「ウ~イ!」ドカッ!
若手「ぐっ……!」
若手「これは……酔拳!?」
酔っ払い「そうよ、俺は酔拳の達人よ!」
酔っ払い「うぅぅぅっぷ!」ドカカカッ!
若手「ぐあああっ!」
女上司(手出しはしないわ……)
女上司(ここで殺られたら、所詮それまでの男だったということ!)
若手「ぐっ……!」
若手「これは……酔拳!?」
酔っ払い「そうよ、俺は酔拳の達人よ!」
酔っ払い「うぅぅぅっぷ!」ドカカカッ!
若手「ぐあああっ!」
女上司(手出しはしないわ……)
女上司(ここで殺られたら、所詮それまでの男だったということ!)
23:2020/07/08(水) 21:59:24.655 ID:zt1jxmYi0.net
酔っ払い「せあっ!」
バキィッ!
若手「あぐぁ……!」
若手(どんどん動きが鋭くなる!)
酔っ払い「俺様は酔えば酔うほど強くなるのよぉ~!」
若手「……!」
若手(そうか! こいつの攻略法が分かったぞ!)
若手(俺のカバンの中には、飲み会のためにアレが入っている!)
バキィッ!
若手「あぐぁ……!」
若手(どんどん動きが鋭くなる!)
酔っ払い「俺様は酔えば酔うほど強くなるのよぉ~!」
若手「……!」
若手(そうか! こいつの攻略法が分かったぞ!)
若手(俺のカバンの中には、飲み会のためにアレが入っている!)
25:2020/07/08(水) 22:02:29.540 ID:zt1jxmYi0.net
酔っ払い「トドメだッ!」ダッ
若手「“ウコンの力”を喰らえッ!」
酔っ払い「ごもっ!?」
グビグビグビ…
酔っ払い「ううう……」ビクビクッ
酔っ払い「し、しまった! 酔いが弱く……」
若手「今だッ! 駆け込み乗車タックル!」ダッ!
ドゴンッ!
酔っ払い「ぐはぁぁぁ……!」
女上司「よいサラリーマンのみんなは決して真似しちゃダメよ」
若手「“ウコンの力”を喰らえッ!」
酔っ払い「ごもっ!?」
グビグビグビ…
酔っ払い「ううう……」ビクビクッ
酔っ払い「し、しまった! 酔いが弱く……」
若手「今だッ! 駆け込み乗車タックル!」ダッ!
ドゴンッ!
酔っ払い「ぐはぁぁぁ……!」
女上司「よいサラリーマンのみんなは決して真似しちゃダメよ」
26:2020/07/08(水) 22:05:13.503 ID:zt1jxmYi0.net
ガタンゴトン… ガタンゴトン…
若手「なんなんでしょう、この電車は」
若手「ヤバイ荷物があったり、客が襲いかかってきたり……」
女上司「……」
女上司「こんな噂を聞いたことがあるわ」
女上司「日本には、普通の電車を装って違法な商品を運搬する犯罪組織があると」
女上司「その組織の名は……≪トレイン≫!」
若手「トレイン……!」
『その通り!』
二人「!!!」
若手「なんなんでしょう、この電車は」
若手「ヤバイ荷物があったり、客が襲いかかってきたり……」
女上司「……」
女上司「こんな噂を聞いたことがあるわ」
女上司「日本には、普通の電車を装って違法な商品を運搬する犯罪組織があると」
女上司「その組織の名は……≪トレイン≫!」
若手「トレイン……!」
『その通り!』
二人「!!!」
28:2020/07/08(水) 22:07:38.782 ID:zchA4SqTr.net
な、なんだってー!
27:2020/07/08(水) 22:07:06.694 ID:e3D8Jzgg0.net
そのまんまやないかい
29:2020/07/08(水) 22:08:16.761 ID:zt1jxmYi0.net
放送『この電車は、我が組織≪トレイン≫の電車なのだ』
女上司「あなたが組織の長ね!」
放送『我らの秘密を知ってしまったからには、君たちには消えてもらわねばならない』
放送『全構成員に告ぐ! この二人を抹殺せよ!』
放送『私は運転席にいる……君たちの健闘を祈っているよ』プッ…
若手「おい、待てっ!」
女上司「気をつけて……来るわよ!」
女上司「あなたが組織の長ね!」
放送『我らの秘密を知ってしまったからには、君たちには消えてもらわねばならない』
放送『全構成員に告ぐ! この二人を抹殺せよ!』
放送『私は運転席にいる……君たちの健闘を祈っているよ』プッ…
若手「おい、待てっ!」
女上司「気をつけて……来るわよ!」
30:2020/07/08(水) 22:09:23.928 ID:DWYC+XgH0.net
組織の長が自ら運転とかやべぇ
33:2020/07/08(水) 22:11:28.193 ID:zt1jxmYi0.net
ドドドドド…
「敵はどこだ!」 「ブッ殺せ!」 「始末しろォ!」
女上司「ざっと30人ってところか」
若手「……」ゴクッ
女上司「ここから先、あなたのフォローをしてる余裕はないわよ」
若手「俺とて企業戦士……自分の身は自分で守ります!」
女上司「いい返事だわ」
「敵はどこだ!」 「ブッ殺せ!」 「始末しろォ!」
女上司「ざっと30人ってところか」
若手「……」ゴクッ
女上司「ここから先、あなたのフォローをしてる余裕はないわよ」
若手「俺とて企業戦士……自分の身は自分で守ります!」
女上司「いい返事だわ」
32:2020/07/08(水) 22:09:56.541 ID:LGm697Vs0.net
いつの世も通りすがりのサラリーマンって最強なんだな
35:2020/07/08(水) 22:14:32.588 ID:zt1jxmYi0.net
女上司「名刺投げ!」ヒュヒュヒュッ
ザクッ!
ドシュッ!
グサッ!
「うぎゃっ!」 「ぐげっ!」 「うぎゃあっ!」
構成員A「あの女、つええぞ!」
構成員B「だったら男の方からだ!」
ザクッ!
ドシュッ!
グサッ!
「うぎゃっ!」 「ぐげっ!」 「うぎゃあっ!」
構成員A「あの女、つええぞ!」
構成員B「だったら男の方からだ!」
37:2020/07/08(水) 22:16:57.553 ID:lyPLnUih0.net
スレタイ見て想像した内容とかけ離れすぎて草
38:2020/07/08(水) 22:17:03.350 ID:zt1jxmYi0.net
若手「ネクタイは暑苦しいだけ、なんていう人もいるけど……」
若手「こういう時は結構いい武器になるんだ」シュルルッ
若手「ネクタイウィップ!」ヒュンッ
ビシッ!
バシッ!
ズバシュッ!
「ぐはっ!」 「ぎゃっ!」 「いでえっ!」
女上司(へえ、なかなかやるようになったじゃない)
若手「こういう時は結構いい武器になるんだ」シュルルッ
若手「ネクタイウィップ!」ヒュンッ
ビシッ!
バシッ!
ズバシュッ!
「ぐはっ!」 「ぎゃっ!」 「いでえっ!」
女上司(へえ、なかなかやるようになったじゃない)
39:2020/07/08(水) 22:20:24.543 ID:zt1jxmYi0.net
痴漢「うへへへ……」
若手「なんだこいつ!?」
ヒュッ
若手「消えた!?」
若手「しまった、狙いは俺じゃない!」
女上司「後ろ!?」
痴漢「尻はもらったァ!」サワッ
若手「なんだこいつ!?」
ヒュッ
若手「消えた!?」
若手「しまった、狙いは俺じゃない!」
女上司「後ろ!?」
痴漢「尻はもらったァ!」サワッ
40:2020/07/08(水) 22:24:34.431 ID:zt1jxmYi0.net
ガシッ!
痴漢「な……!? 尻で俺の手を挟んで……!」
女上司「痴漢なんか、こちとらピー年前からとっくに対策済みなのよ」
若手「ピー年前……」
女上司「女性の年を詮索すると、長生きできないわよ?」
若手「失礼しました!」
女上司「痴漢返し!」グインッ
痴漢「ぐはぁっ!」ズダンッ!
若手「お尻で投げ飛ばしたァ!」
痴漢「な……!? 尻で俺の手を挟んで……!」
女上司「痴漢なんか、こちとらピー年前からとっくに対策済みなのよ」
若手「ピー年前……」
女上司「女性の年を詮索すると、長生きできないわよ?」
若手「失礼しました!」
女上司「痴漢返し!」グインッ
痴漢「ぐはぁっ!」ズダンッ!
若手「お尻で投げ飛ばしたァ!」
41:2020/07/08(水) 22:26:57.628 ID:8To8RWAq0.net
お尻で投げとば……え?
42:2020/07/08(水) 22:28:35.964 ID:zt1jxmYi0.net
頃し屋「お遊びはここまでだ……」スゥ…
若手「手強そうなのが来たな……」
頃し屋「今宵の相棒はよく切れる……」サッ
若手(ナイフを繰り出してきた!)
ザシュッ!
若手「ぐっ……!」
女上司「若手君!」
頃し屋「若造に、真の頃しというものを教えてやろう」
若手「……!」
若手(だけど付け入るスキは……ある!)
若手「手強そうなのが来たな……」
頃し屋「今宵の相棒はよく切れる……」サッ
若手(ナイフを繰り出してきた!)
ザシュッ!
若手「ぐっ……!」
女上司「若手君!」
頃し屋「若造に、真の頃しというものを教えてやろう」
若手「……!」
若手(だけど付け入るスキは……ある!)
44:2020/07/08(水) 22:31:29
若手「ぜひお願いします」サッ
頃し屋「えっ」
頃し屋(メモ帳……こいつ本気か! 本気で学ぼうというのか!)
頃し屋「まず、刺すべき急所だが、素人は心臓を狙いがちだがこれは意外と狙いにくい――」
若手「スキありィ!!!」
ドゴォッ!
頃し屋「ぶへぇっ!」ドサッ…
若手「ふぅ……なんとかなった」
女上司「メモ帳を取り出すことで、頃し屋の“教えたがり”の心を突いたのね」
若手「ええ、人は得意分野の話になると、つい早口になってしまいますから」
頃し屋「えっ」
頃し屋(メモ帳……こいつ本気か! 本気で学ぼうというのか!)
頃し屋「まず、刺すべき急所だが、素人は心臓を狙いがちだがこれは意外と狙いにくい――」
若手「スキありィ!!!」
ドゴォッ!
頃し屋「ぶへぇっ!」ドサッ…
若手「ふぅ……なんとかなった」
女上司「メモ帳を取り出すことで、頃し屋の“教えたがり”の心を突いたのね」
若手「ええ、人は得意分野の話になると、つい早口になってしまいますから」
45:2020/07/08(水) 22:34:59.653 ID:zt1jxmYi0.net
スキンヘッド「よくここまで来たなァ!」
スキンヘッド「だが、ガトリングガンにはかなうめぇ!!!」
ガガガガガガガガガガッ!
ガガガガガガガガガガッ!
ガガガガガガガガガガッ!
若手「うわっ、ずっと撃ち続けてますよ!」
女上司「弾切れも期待できそうにないわね……」
スキンヘッド「だが、ガトリングガンにはかなうめぇ!!!」
ガガガガガガガガガガッ!
ガガガガガガガガガガッ!
ガガガガガガガガガガッ!
若手「うわっ、ずっと撃ち続けてますよ!」
女上司「弾切れも期待できそうにないわね……」
46:2020/07/08(水) 22:36:29.050 ID:X2MhXx+fr.net
電車穴だらけだろw
48:2020/07/08(水) 22:38:25.742 ID:zt1jxmYi0.net
若手「どうしましょう!? これじゃ進めない!」
女上司「大丈夫、私たちは会社員よ。あの程度の弾幕、どうってことないわ」
若手「えっ!」
女上司「思い出すのよ……あの満員電車を!」
若手「そうか……あのギュウギュウに比べれば!」
サッササッ サササッサッ
サササッ サッ サッ
スキンヘッド「なにいいい!? 弾丸をかわしてるだと!?」ガガガガガッ!
女上司「大丈夫、私たちは会社員よ。あの程度の弾幕、どうってことないわ」
若手「えっ!」
女上司「思い出すのよ……あの満員電車を!」
若手「そうか……あのギュウギュウに比べれば!」
サッササッ サササッサッ
サササッ サッ サッ
スキンヘッド「なにいいい!? 弾丸をかわしてるだと!?」ガガガガガッ!
49:2020/07/08(水) 22:40:22.695 ID:zt1jxmYi0.net
女上司「呼吸を合わせて!」
若手「応!」
二人「とりゃあっ!!!」
ドゴォンッ!!!
スキンヘッド「ぶぎゃあああああっ!!!」ドサッ…
若手「応!」
二人「とりゃあっ!!!」
ドゴォンッ!!!
スキンヘッド「ぶぎゃあああああっ!!!」ドサッ…
51:2020/07/08(水) 22:44:11.925 ID:zt1jxmYi0.net
運転士「ほう……運転席までたどり着くとはな」
若手「ここまでだ!」
女上司「もうこの電車にはあなたしか残ってないわ!」
運転士「日本のビジネスマン・キャリアウーマンは日々軍隊並みの訓練をしているようなもの……」
運転士「――という噂はあながち笑い話でもないようだな」
運転士「だが、私も犯罪組織≪トレイン≫の長……」
運転士「そうやすやすと屈服はせん! 行くぞっ!」
女上司「……来るわよ! 気を引き締めて!」
若手「はいっ!」
若手「ここまでだ!」
女上司「もうこの電車にはあなたしか残ってないわ!」
運転士「日本のビジネスマン・キャリアウーマンは日々軍隊並みの訓練をしているようなもの……」
運転士「――という噂はあながち笑い話でもないようだな」
運転士「だが、私も犯罪組織≪トレイン≫の長……」
運転士「そうやすやすと屈服はせん! 行くぞっ!」
女上司「……来るわよ! 気を引き締めて!」
若手「はいっ!」
52:2020/07/08(水) 22:44:50.383 ID:rAnuOWds0.net
つよいなあ
53:2020/07/08(水) 22:47:20.595 ID:zt1jxmYi0.net
若手「だああっ!」
運転士「よっと」ヒョイッ
若手(吊革につかまって……!)
運転士「ほれっ」
バキィッ!
若手「ぶっ!?」
若手(なんて身軽さだ……! 雑技団かこいつ……!)
運転士「よっと」ヒョイッ
若手(吊革につかまって……!)
運転士「ほれっ」
バキィッ!
若手「ぶっ!?」
若手(なんて身軽さだ……! 雑技団かこいつ……!)
54:2020/07/08(水) 22:50:24
女上司「名刺投げッ!」シュバババッ
運転士「ほいっと」ヒョイッ
運転士「そりゃっ!」
ドゴォッ!
女上司「きゃあっ!」
若手「大丈夫ですか!」
運転士「吊革は“倒れないようつかまるもの”としか思っていないお前たちにこんな芸当はできまい」
運転士「加えて、この電車は私にとって自宅のようなもの!」
運転士「お前たちは私に触れることさえできないッ!」
運転士「ほいっと」ヒョイッ
運転士「そりゃっ!」
ドゴォッ!
女上司「きゃあっ!」
若手「大丈夫ですか!」
運転士「吊革は“倒れないようつかまるもの”としか思っていないお前たちにこんな芸当はできまい」
運転士「加えて、この電車は私にとって自宅のようなもの!」
運転士「お前たちは私に触れることさえできないッ!」
55:2020/07/08(水) 22:52:45
グラッ…
若手「揺れた!」ヨロッ
運転士「この勢いを利用して……」バッ
ドボォッ!
若手「うげっ……」
若手「揺れさえも……自分の武器に……!」
女上司「このっ!」ビュオッ
運転士「甘いッ!」ドガッ!
女上司「あ、ぐう……!」ガクッ
若手「揺れた!」ヨロッ
運転士「この勢いを利用して……」バッ
ドボォッ!
若手「うげっ……」
若手「揺れさえも……自分の武器に……!」
女上司「このっ!」ビュオッ
運転士「甘いッ!」ドガッ!
女上司「あ、ぐう……!」ガクッ
56:2020/07/08(水) 22:55:25.758 ID:zt1jxmYi0.net
運転士「よく粘ったが、いよいよ終点が近づいてきたな」
運転士「お前たちのたどり着く終点は……≪地獄≫だ。むろん折り返しなど不可能」
女上司「くっ……!」
若手「さ、最後に一つ……聞いていいか……」
運転士「……?」
若手「あんたは長年、電車を走らせ続けてきたんだろう。でなきゃ≪トレイン≫なんて組織は運営できない」
若手「あんたの攻撃からは、電車への愛がビンビン伝わってくる!」
運転士「!」
若手「なぁ……なぜこれほど電車を愛してるあんたが、違法商品の運搬なんて悪事を働くんだ!」
運転士「うぐっ……!」
運転士「お前たちのたどり着く終点は……≪地獄≫だ。むろん折り返しなど不可能」
女上司「くっ……!」
若手「さ、最後に一つ……聞いていいか……」
運転士「……?」
若手「あんたは長年、電車を走らせ続けてきたんだろう。でなきゃ≪トレイン≫なんて組織は運営できない」
若手「あんたの攻撃からは、電車への愛がビンビン伝わってくる!」
運転士「!」
若手「なぁ……なぜこれほど電車を愛してるあんたが、違法商品の運搬なんて悪事を働くんだ!」
運転士「うぐっ……!」
57:2020/07/08(水) 22:57:50.764 ID:eLj3TDZ60.net
意味はわかるが意味がわからん なにこの感覚
58:2020/07/08(水) 22:58:02.737 ID:zt1jxmYi0.net
若手「あんただって、電車をこんな風に使いたくないはずだ!」
若手「いや……電車の方だって、あんたがこんな犯罪するなんて望んでないはずだ!」
運転士「いきなり何をいう! お前に私の何が分かる!」
若手「分からないさ。だが……」
若手「電車が悲しんでることだけは分かる!」
運転士「!」
若手「耳を澄ましてみろ……電車の音に!」
運転士「くっ……!」サッ
ガタンゴトン… ガタンゴトン…
若手「いや……電車の方だって、あんたがこんな犯罪するなんて望んでないはずだ!」
運転士「いきなり何をいう! お前に私の何が分かる!」
若手「分からないさ。だが……」
若手「電車が悲しんでることだけは分かる!」
運転士「!」
若手「耳を澄ましてみろ……電車の音に!」
運転士「くっ……!」サッ
ガタンゴトン… ガタンゴトン…
59:2020/07/08(水) 22:58:19.109 ID:2RtjA/aX0.net
これ京王線の話だろ
よく見る光景だわ
よく見る光景だわ
61:2020/07/08(水) 22:59:26.778 ID:fXPbzYxY0.net
>>59
いやこれ東武東上線だわ
今朝見た
いやこれ東武東上線だわ
今朝見た
64:2020/07/08(水) 23:01:53.537 ID:zt1jxmYi0.net
運転士「これは……泣いて……いるのか……?」
若手「聞こえたか?」
運転士「聞こえてないッ! なにも聞こえてなどいないッ!」
若手「まだ意地を張る気かッ! お前にはパンタグラフの嘆きが聞こえないのかッ!」
運転士「だまれええええッ!!!」ダッ
女上司(突っ込んできた!)
若手「聞こえたか?」
運転士「聞こえてないッ! なにも聞こえてなどいないッ!」
若手「まだ意地を張る気かッ! お前にはパンタグラフの嘆きが聞こえないのかッ!」
運転士「だまれええええッ!!!」ダッ
女上司(突っ込んできた!)
63:2020/07/08(水) 23:01:38.825 ID:dJDRa1NC0.net
宇都宮線でたまに見かける
65:2020/07/08(水) 23:03:07.910 ID:yxi3aSft0.net
>>63
宇都宮線はこんなに人いないぞ
宇都宮線はこんなに人いないぞ
66:2020/07/08(水) 23:04:14.900 ID:zt1jxmYi0.net
ドゴォッ!!!
ミシ…
運転士「カウンター……か」
運転士「み、ごとだ……」ドサッ…
若手「はぁ、はぁ、はぁ……」
女上司(相手の拳を冷静に見切って、自分の拳を叩き込んだ……)
女上司(まるで手強い得意先との“打ち合わせ”における理想像ね)
女上司(成長したわね……)
ミシ…
運転士「カウンター……か」
運転士「み、ごとだ……」ドサッ…
若手「はぁ、はぁ、はぁ……」
女上司(相手の拳を冷静に見切って、自分の拳を叩き込んだ……)
女上司(まるで手強い得意先との“打ち合わせ”における理想像ね)
女上司(成長したわね……)
67:2020/07/08(水) 23:08:01.012 ID:zt1jxmYi0.net
運転士「私は……元はただの運転士だった……」
運転士「だが、乗客は来る日も来る日もトラブルやクレームを引き起こす……」
『いつになったら運転再開すんだよ! もう一時間も待ってんだぞ!』
『この人痴漢でーす!』『違う、やってない!』
『今足踏んだだろうが!』『うるせえええええ!』
運転士「いつしか嫌気がさした私は、電車を悪用した犯罪に手を染めるようになっていたんだ……」
若手「……」
女上司「……」
運転士「だが、乗客は来る日も来る日もトラブルやクレームを引き起こす……」
『いつになったら運転再開すんだよ! もう一時間も待ってんだぞ!』
『この人痴漢でーす!』『違う、やってない!』
『今足踏んだだろうが!』『うるせえええええ!』
運転士「いつしか嫌気がさした私は、電車を悪用した犯罪に手を染めるようになっていたんだ……」
若手「……」
女上司「……」
68:2020/07/08(水) 23:09:30.490 ID:OV/FRD8C0.net
かなしいなぁ・・・
69:2020/07/08(水) 23:11:14.410 ID:zt1jxmYi0.net
運転士「だが、私は間違っていた」
運転士「そんなことをしても、電車が悲しむだけだというのに……」
若手「運転士さん……」
運転士「たしか、次の駅の近くには、警察署があったな……」
運転士「私は自首するよ」
「お供します!」 「俺も」 「私も!」
ザワザワ…
運転士「みんな……ありがとう」
若手「≪トレイン≫の部下たちも……!」
女上司「やってきたことはどうあれ、この人は皆に慕われていたのね」
女上司(私もこういう上司にならないとね)
運転士「そんなことをしても、電車が悲しむだけだというのに……」
若手「運転士さん……」
運転士「たしか、次の駅の近くには、警察署があったな……」
運転士「私は自首するよ」
「お供します!」 「俺も」 「私も!」
ザワザワ…
運転士「みんな……ありがとう」
若手「≪トレイン≫の部下たちも……!」
女上司「やってきたことはどうあれ、この人は皆に慕われていたのね」
女上司(私もこういう上司にならないとね)
71:2020/07/08(水) 23:14:20.415 ID:zt1jxmYi0.net
若手「……終わりましたね」
女上司「終電を追いかけたら、まさか犯罪組織一つ潰すことになるとはね」
若手「社会人ってホント何が起こるか分かりませんね」
女上司「ここまで極端な例はなかなかないけどね」
若手「あっ、見て下さい。空が少し明るくなってますよ」
女上司「完全に徹夜しちゃったわね」
若手「目はギンギンに冴えちゃってますけどね。このまま会社に戻ってもへっちゃらです!」
女上司「若いっていいわね~」
女上司「終電を追いかけたら、まさか犯罪組織一つ潰すことになるとはね」
若手「社会人ってホント何が起こるか分かりませんね」
女上司「ここまで極端な例はなかなかないけどね」
若手「あっ、見て下さい。空が少し明るくなってますよ」
女上司「完全に徹夜しちゃったわね」
若手「目はギンギンに冴えちゃってますけどね。このまま会社に戻ってもへっちゃらです!」
女上司「若いっていいわね~」
75:2020/07/08(水) 23:16:41.056 ID:zt1jxmYi0.net
女上司「ところで……電車が来るのはいつ?」
若手「30分後ですね」
女上司「終電を追いかけた次は……始発を待つことにしますか!」
若手「はいっ!」
― 完 ―
若手「30分後ですね」
女上司「終電を追いかけた次は……始発を待つことにしますか!」
若手「はいっ!」
― 完 ―
76:2020/07/08(水) 23:17:08
おつ
78:2020/07/08(水) 23:18:26.332 ID:t08yokPi0.net
いいテンポだった
80:2020/07/08(水) 23:18:57.528 ID:8hQOiafE0.net
夜明けまでってどんだけの距離乗ってたんだろ……
86:2020/07/08(水) 23:29:19.424 ID:08dhxNoKr.net
乙
次はこのコンビでブラック企業と戦ってくれ
次はこのコンビでブラック企業と戦ってくれ
引用元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1594211521
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