1: 2012/05/03(木) 00:56:32.58 ID:DaZ0xps70
たとえば

あずさ「おじさま~」

とか

真「おじさん!」

とか

亜美・真美「おっちゃーん!」

とか

うちの事務所はこんなのばかりである。

2: 2012/05/03(木) 00:57:24.65 ID:DaZ0xps70
だけど稀に俺のことを「プロデューサー」と呼ぶやつもいたりする

同僚の律子や小鳥

あと

春香「プロデューサーさん!」



雪歩「ぷ、プロデューサー…」

そして

千早「プロデューサー」

これぐらいだろうか…

3: 2012/05/03(木) 00:58:48.46 ID:DaZ0xps70
P「あ゛ぁー…今日も疲れたな」

亜美「おっちゃん、そのため息のつき方がより一層おっさんくさいよ」

P「いいじゃねぇの…あとプロデューサーと呼べ」

真美「おっちゃんがそんなんだから真美たちもおっちゃんってよんでんだよ!」

P「お前ら、弱ってる中年いじめんなよ…抱きしめるぞコラ!」

亜美「うわぁー!おっちゃんそれセクハラ!セクハラだよ!」

真美「くすぐったいってば!髭がじょりじょりってうわー!」

ジョリジョリジョリジョリ

亜美真美「うわー!」

4: 2012/05/03(木) 01:01:45.09 ID:DaZ0xps70
小鳥「プロデューサーさん、そのくらいにしてあげてください」コトン

P「っと悪いね。茶いただくよ」

小鳥「どうぞ」ニコ

亜美「死ぬかと思った…」

亜美真美「了解…」トボトボ

P「ん。よろしい」

小鳥「プロデューサーさんもあんまり怒らないであげてくださいね。二人ともまだまだ子供ですから」

8: 2012/05/03(木) 01:03:49.18 ID:DaZ0xps70
P「そうでもないさ。今のは俺が疲れてるからこそ元気づけに来てくれたんだろうよ。子供は子供なりに考えてんだ」

小鳥「そうなんですか?」

P「あぁ。まぁまだやんちゃ盛りって部分が勝ってるけどなぁ。」

小鳥「あはは…」

P「まぁ大人になりゃ嫌でも気配りできるようになるさ。お前みたいになぁ」

小鳥「もう!プロデューサーさんったらおだてても何も出ませんよ~」

P「これで早いとこ嫁の貰い手が見つかりゃいいんだがなぁ…」ズズゥー

小鳥「プロデューサーさん!!」

10: 2012/05/03(木) 01:05:48.03 ID:DaZ0xps70
P「冗談だよ…怒んなよ…」

小鳥「笑えない冗談ですよ」

P「んなことねぇだろ?まだ二十代じゃねぇか。花盛り花盛り!」

P「っと…時間か」

小鳥「もう定時過ぎてますよ?まだ何かあるんですか?」

P「ちょっとな!そのまま俺は直帰すっから。お疲れな、小鳥」

小鳥「はい、お疲れ様です」

ガチャ

小鳥「プロデューサーさん…」

11: 2012/05/03(木) 01:09:19.94 ID:DaZ0xps70
__________
___________

P「それで?このような場所に呼び出されたわけですが何の用ですかな?」

他プロP「いやぁだなぁ!そんなに喧嘩腰にならないで下さいよ。もちろんビジネスですよぉ!仕事のお話ィ」

P「はぁ…はやく要点だけ話していただけないですか?あまり個人的に時間も取れませんので」

P(若いな…まだ20代前半ってとこか、ガキが粋がりやがって)

12: 2012/05/03(木) 01:13:23.71 ID:DaZ0xps70
他プロP「そうですね!そうですね!お話は簡単!」

P「………」

他プロP「そちらのアイドルの『天海春香』『萩原雪歩』『如月千早』をうちの事務所にいただきたい」ニヤ

P「な……!?」

P`「ふ、ふざけるな!なんでそんなことしなければならない!」

他プロP「まぁまぁ!落ち着いてくださいよぉ。いいじゃないですか3人ともデビューしてからそれなりに経ちますがまだCランクなんでしょう?そちらの事務所の方針上これ以上は無謀…おっと!高望みってことはないですかねぇ」

15: 2012/05/03(木) 01:21:25.96 ID:DaZ0xps70
P「ぐっ…しかしまだ彼女たちには伸び代がある!まだ上は目指せるんだ!」

他プロP「それを殺しているのは貴方ではないですかな?」

P「なっ…」


他プロP「まぁ最初から貴方は当てにしていません。移籍の話としてはちゃぁんと事務所間で話通さないといけませんから」

他プロP「最悪『如月千早』だけでも移籍させてもらえればこちらの丸儲け。あとの二人は差し詰め引き立て役といったところです」

18: 2012/05/03(木) 01:29:12.46 ID:DaZ0xps70
P「手前ぇ最初から千早を…」

P「それに春香と雪歩はただの引き立て役だと…ふざけるんじゃない!」

他プロP「『如月千早』は『アイドル』ではなく!『歌手』になりたいのだろう!こちらとしては好都合!実に好都合だ!」

他プロP「プロデューサーとしても名も売れていない癖に!貴方のような古いやり方しかできない中年はもうこの業界には不要なのですよ!」

P「クソガキが……絶対に移籍なんてさせない。俺がまとめてトップアイドルにしてやる…」

他プロP「フフフ…こちらの思惑通りにいかないかもしれないなぁ!実に面白いですよ765さん!」

他プロP「とりあえず断られる可能性も念頭に入れて話だけ事務所通して話させていただきますから、フフフフフフ…」カランカラン







P「………千早………」

19: 2012/05/03(木) 01:34:23.26 ID:DaZ0xps70
結局、移籍の話は事務所に届いたものの社長が一蹴。俺の心配は杞憂となったがこの話は事務所の雰囲気に影響を与えたのは言うまでもない。

P「おはようございます」

小鳥「おはようございますプロデューサーさん」

P「おはよう。そうだ春香、雪歩、千早の3人ってきてるか?」

小鳥「来てますよ?多分会議室にいると思うんですが?」

P「そうかちょうどよかった。ありがとう」

P「入るぞ」コンコン

春香「はーい」

P「おはよう」

春香「はい!おはようございます!プロデューサーさん!」

雪歩「おはようございますぅ」

千早「お早うございます」

P「二人ともおはよう」

20: 2012/05/03(木) 01:40:00.40 ID:DaZ0xps70
春香「あの…プロデューサーさん…あの話って」

P「その件については社長がはっきりNOっていっといたから。とりあえずは当人達にも伝えとかないといけないと思ってな」

千早「それで結局どういうことだったのでしょう?」

P「まぁそんなに気を急くなよ、今日は特に急ぎの仕事が入ってるわけじゃあないだろ?」

雪歩「それはそれで悲しいことですよね…」

P「雪歩…少しだけ黙っててくれ…」

雪歩「す、すみません…」

22: 2012/05/03(木) 01:45:43.31 ID:DaZ0xps70
P「はっきり言っとこう。今回の引き抜きは正直言って千早が目的だ」

春香「ど、どういうことですか!」

雪歩「私たちは3人って聞きました」

千早「………」

P「おそらく千早のセンスを買ったんだろうよ?それと…春香と雪歩は引き立て役…そう、言いやがった」

千早「………」

春香「…酷い…」

23: 2012/05/03(木) 01:50:20.42 ID:DaZ0xps70
P「今まで俺は過去にとらわれて真剣にお前らと向き合うことができていなかったらしい」

雪歩「いきなりどうしたんですか?」

P「俺は…自分が受け持っているアイドル…お前らまで小さく見られたことが悔しい…」

春香「プロデューサーさん…」

千早「そうですか」フフッ

P「千早?」

千早「いいえ、続けてください」

P「俺は…お前らをもっと有名に…トップアイドルにしたいんだ」

24: 2012/05/03(木) 01:56:28.83 ID:DaZ0xps70

___________
___________

ハルカ「ヨシッワタシヤリマスヨプロデューサーサン!」

ユキホ「ウゥー…ワタシダメダメダケドセイイッパイガンバリマス」

チハヤ「サンニン…イイエ、ヨニンで」

P「ヤルゾ!」

___________
___________

小鳥「ふふっ…なんだか楽しそう」

社長「どうしたんだね?音無君」

小鳥「いいえ、ただ楽しそうだな」

小鳥「…あと若干懐かしくも」

社長「………そうかい…」

25: 2012/05/03(木) 02:10:00.25 ID:DaZ0xps70
数日後 ランク昇格が決まった。『Bランク』

人はたった一つランクが上がっただけだという。しかし本人達、そして業界関係者にはこの1ランクの差が大きく関わってくる

春香「プロデューサーさん!Bランクですよ!Bランク!」

雪歩「半年以上もCランクだったのにたった数日で1ランク上がっちゃいましたぁ」

P「半年あったんだ、レッスンもサボっていたわけじゃない。当然だ」

P「あえて言うならサボってたのは俺だよ。年だ!疲れた!っつてな」

千早「そんなことありません。プロデューサーは毎日遅くまで私達…3人だけではなくて他の娘のことまで」

春香「そうですよ!今回のはプロデューサーさんのおかげなんですから!」

P「ははは…やっぱ年だわ…涙腺がゆるくて敵わん」

雪歩「わわわ!ハンカチどうぞ!」

26: 2012/05/03(木) 02:13:48.19 ID:DaZ0xps70
prprprprprprprpr

春香「ん?誰か電話なってる?」

千早「私だわ…」

P「おう!でろでろ!」

千早「すみません」

千早(だれだろう…)

27: 2012/05/03(木) 02:14:52.85 ID:DaZ0xps70



着信:如月 千種


千早「!?」

28: 2012/05/03(木) 02:20:36.33 ID:DaZ0xps70
千早「………」トボトボ

P「千早?どうした」

春香「まさか!まだ引き抜きが!」

雪歩「誰からだったの?」

千早「母からでした」

P「!?」

春香「なんだお母さんか」

雪歩「プロデューサー?」

P「いや、なんでもないよ。千早も大丈夫か」

千早「はい」

P「ともかく今日は帰ろう」

雪歩「はい!」

29: 2012/05/03(木) 02:28:52.27 ID:DaZ0xps70
________

________事務所

小鳥「お疲れ様です4人とも。そしておめでとう」

雪歩「ありがとうございますぅ小鳥さん」

春香「ありがとうございまーす!」

P「おう」

千早「………」

_______

P「ふぅ…今日も終わったか。Bランク…しかしまだBランクだ」

P「どうしたことか」

『千早「母からでした」』

P「アイツ大丈夫かな…」

30: 2012/05/03(木) 02:35:39.75 ID:DaZ0xps70
______
_______次の日

P「あ゛ぁー…久しぶりにゆっくり事務所にいる気がすんな」

あずさ「あらあら。おじさまだいぶお疲れのようですね?」

P「おーあずさか。お前も久しぶりに顔見た気がするぜ…」

あずさ「はいー。最近は出演依頼が凄かったので」

P「さっすがAランクは違うねぇ…りっちゃんよぉ」

律子「なんで私もいるってわかったんですか?プロデューサー殿」

P「カンだよ、カン」

律子「なんか悔しいですね」

31: 2012/05/03(木) 02:44:30.20 ID:DaZ0xps70
P「あずさ、あずさ」

あずさ「なんですか?おじさま」

P「ちょっち肩もんでくり」

律子「日本中が会うだけでも難しいAランクアイドルに肩をもませるとかどんな人ですか貴方は!」

あずさ「いいですよ~」

P「やったー」

律子「あぁ…頭が痛い…」

P「深く考えるなよぉ~」

32: 2012/05/03(木) 02:51:25.01 ID:DaZ0xps70
あずさ「どうですかおじさま?」

P「んあ?ちょうどいいよ」

あずさ「かなり凝ってますね~」

P「あー眠くなってきた…」

あずさ「……あれ?これペンダントですか」

P「あーそうそう…」ウトウト

あずさ「奥様の写真でもはいってるんですかー」

P「いやぁ…ガキのな…」ウトウト

律子(え?妻子持ちだったの!)

小鳥「なん…だと…」

33: 2012/05/03(木) 02:57:07.67
なん・・・だと・・・

35: 2012/05/03(木) 02:58:59.94 ID:DaZ0xps70
あずさ「見てもいいですか?」

P「い…い…」グゥ…

あずさ「あら~寝ちゃったんですか?」

小鳥「今確かにいいって言いました!」

律子「事実確認しました!」

あずさ「あ、あら?」

小鳥「さぁ!」

律子「さぁ!」

P「Zzzz…」

あずさ「じゃぁ!えい!」

パカッ

36: 2012/05/03(木) 03:05:36.85 ID:DaZ0xps70
律子「これっ…て…」

あずさ「あらぁ…可愛らしい女の子と1人は男の子かしらぁ」

小鳥「…………」パチン

小鳥「まぁ休憩はこれくらいにして仕事しましょうか!律子さん!」

律子「え、えぇそうですね小鳥さん」

あずさ「…でもあの女の子誰かに似てるような気もしましたね~」

律子「きっとどこかで似たような娘とあったんじゃないですか?」

あずさ「そうかもしれません」

小鳥「きっとそうですよ…きっと…」

37: 2012/05/03(木) 03:07:46.46 ID:DaZ0xps70




P「Zzz…Zzz…」

40: 2012/05/03(木) 03:16:10.39 ID:DaZ0xps70
P「う…うーん?あれ、俺いつ寝たんだ」

小鳥「あっ起きられたんですね?」

P「あー…すまんな仕事場で寝るなんて、常識のないことを」

小鳥「いいえ。最近お疲れのご様子でしたし」

P「ちなみに今何時?」

小鳥「20時過ぎですね」

P「はぁ…あれ…これ中にしまって…」

P「まさか…」

41: 2012/05/03(木) 03:18:35.64 ID:DaZ0xps70
~~~~~~~~~~~

あずさ「……あれ?これペンダントですか」

P「あーそうそう…」ウトウト

あずさ「奥様の写真でもはいってるんですかー」

P「いやぁ…ガキのな…」ウトウト

あずさ「見てもいいですか?」

P「い…い…」グゥ…

~~~~~~~~~~~

P「小鳥…」

小鳥「はい」

P「これ、中見ちまったよな…」

小鳥「はい」

P「正直に答えてくれてありがとうよ」

42: 2012/05/03(木) 03:20:38.79 ID:DaZ0xps70
P「ということは気づいちまったか…」

小鳥「すみません」

小鳥「あの…本当にあの写真の娘って…」

P「あぁ…そうだよ」



P「千早だ」



小鳥「そうですよね」

49: 2012/05/03(木) 03:27:16.63 ID:DaZ0xps70
小鳥「でも、おかしいじゃないですか!なんで千早ちゃんは気づいてないんですか!」

P「小鳥は千早の家の事情…社長から聞いてんだろ?」

小鳥「はい…一通りは」

P「俺は…息子が、優が死んでからロクなことしてきてねぇよ」

P「親としても、夫としても…挙句の果て、何もかも妻の…千種のせいにして俺は逃げたんだよ」

小鳥「プロデューサーさん…」

53: 2012/05/03(木) 03:32:07.38 ID:DaZ0xps70
P「千早が覚えてないのも無理もない…家にいては喧嘩、おまけに数年たってこんな皺だらけ白髪交じりで気づかれるわけねぇよ」

小鳥「わかりました…もう、もういいですから…」

小鳥「泣かないでください」

P「は?お前何言って…」

P「はは…やっぱ年だな…」


P「馬鹿だな…俺は…」

54: 2012/05/03(木) 03:39:28.67 ID:DaZ0xps70
P「すまんな…小鳥、みっともない大人だよ俺は」

小鳥「私だってみっともない大人ですよ?プロデューサーさん」

P「はっ…相変わらずいい女だよ。お前は」

小鳥「もう!おだててもなにもでません!ってば」

P「嫁の貰い手見つかったか?」

小鳥「まだですよーだ!」

P「ハハハ…すまん、先上がるな?」

小鳥「はい。お疲れ様です」

56: 2012/05/03(木) 03:44:42.58 ID:DaZ0xps70
_________
_________数日後・事務所

春香「おそいなぁ…千早ちゃん」

雪歩「なにかあったのかなぁ?」

P「…………」prprprprpr

着信:如月千早

P「千早から電話だ…」

58: 2012/05/03(木) 03:49:48.14 ID:DaZ0xps70
__もしもし

P「おはよう、今日は番組収録だぞ。どうした」

__あの…えっとは、えっと…

P「どうした千早?少し落ち着け!」

__私…どうしたら?プロデューサー…は…

P「とにかく一回深呼吸しろ」

__スー…ハー…あ、あの、母が…倒れたと…知人から連絡が

__私、私どうしたら…

P(千種が倒れた…だって…?)

P「千早!!」

__はい!?

59: 2012/05/03(木) 03:58:52.56 ID:DaZ0xps70
P「どこだ!どこの病院だ!そしてお前は今どこにいる!」

__え、はい!双海病院です!私はあの…まだ家で…

P「そこを動くなよ!絶対だからな」

__はブツッ


春香「千早ちゃん、何かあったんですね」

雪歩「心配ですぅ」

P(そうだ…仕事…そしてコイツらをどうするんだ)

P(千早は今の心理状態じゃ仕事とかそういう問題じゃ…)

P(コイツらだけでも俺が指示しなきゃいけないんじゃ…)

P(何感情的になってんだ…俺が千種のとこなんて行ってどうするんだよ、そうだ…行っても仕方ないじゃないか…)

60: 2012/05/03(木) 04:02:35.48 ID:DaZ0xps70



小鳥「行ってください」

61: 2012/05/03(木) 04:08:16.32 ID:DaZ0xps70
P「こと…り?」

小鳥「今の会話で大体の見当はつきますよ…」

P「でも、春香と雪歩だけでも連れていかねぇと…」

小鳥「ほら、あんまり落ち着きがないと千早ちゃんまで不安になっちゃいますよ?お父さん?」

春香「?」

雪歩「?」

小鳥「この子達には私がついていきますから」

春香「心配しないでください!1日くらいプロデューサーさんがいなくても大丈夫ってところを見せますよ!1日くらいですけど!」

雪歩「千早ちゃんをよろしくお願いしますぅ」

P「お前ら……」

P「ありがとう…本当に…」

春香「何でプロデューサーさんがお礼いうんですか?」

P「なんでもねぇよ!じゃあ行ってくる」

小鳥「いってらっしゃい!」

63: 2012/05/03(木) 04:20:19.55 ID:DaZ0xps70
P「千早!」

千早「プロデューサー!?いきなり電話を切られたのでどうしたのかと…」

P「とりあえず乗れ!」

千早「は、はい!」

P「双海病院ってあれだよなぁ…亜美真美んとこの…」

千早「そうです」

P「それで容体は厳しいのか」

千早「今、意識が戻らないらしくて…私、もうどうしたらいいか…」

千早「………お母さん……」

千早「………………お父さん…」ボソ

64: 2012/05/03(木) 04:26:26.94 ID:DaZ0xps70
P「千早…大丈夫だ。大丈夫だから、俺を信じてくれ」

千早「プロデューサー…」


『千早、ほら!お父さんを信じて!大丈夫だ!大丈夫だからな!」


千早「おと…う…さん?」ボソ

P「!?」

P「千早?どうした?」

千早「!!」ハッ

千早「いえ…何でもありません、大丈夫です」

66: 2012/05/03(木) 04:33:33.92 ID:DaZ0xps70
P「着いたぞ…」

千早「えっと…入り口は…」

P「あっちだ」

千早「はい」

ウィーン

千早「あの…あの…えっと」

看護師「?」

P「すみません。先ほど如月千種がこちらに運ばれたと聞いて」

看護師「あ、はい。そちらの患者さんは○○号室ですね。それと安心してください」

千早「えっ…」

看護師「意識は先ほど戻られたようですから」

P「………良かった…」

千早「はい」

67: 2012/05/03(木) 04:36:32.57 ID:DaZ0xps70
________

________○○号室

P「ここか…」

千早「………」

P「ほら…行って来い」

千早「あの、プロデューサーも一緒に…」

P「いいから」

千早「はい…」

コンコン

68: 2012/05/03(木) 04:41:47.31 ID:DaZ0xps70
千種「どなた?」

千早「私です…お母さん」

千種「千早…」

千早「あの…私…お母さんが倒れたって聞いてあの…」

千種「私のことなんて放っておいて良かったのに」

千早「駄目!」

千種「!?」

千早「駄目だよ…私…今でも忘れない…優が、優が死んじゃってた日のこと」

千種「………」

千早「あれからお母さんとも喧嘩ばかりだったけど…家族なの!」

千早「家族…なんだよ…いなくなったら…辛いよ…嫌だよ…」

千種「千早…」

69: 2012/05/03(木) 04:48:02.44 ID:DaZ0xps70
P「………」



千種「そう…ね。辛いわ」

千種「辛いことから逃げようとして、私は貴女を遠ざけた…悲しみが増えないよう」

千種「でも繋がりは消えない…。いくら遠ざけても」

千早「お母さん…」

千種「違ったのね…たくさん…たくさん、辛い思いさせたね、千早」

千種「今までごめんなさい…千早」

千早「おかあ…さん…」

千早「お母さん!」


P「…………」

70: 2012/05/03(木) 04:53:08.82 ID:DaZ0xps70
千早「そうだ…今日の仕事!」

千種「そうか…アイドル、だったのよね」

P「待て…千早、お前は今日は休みで連絡済だ」

千早「あ…はい。プロデューサー」

千種「この声…ふふ…”まだ”プロデューサーなんてやってたのね」

千種「あなた」

P「千種…」

71: 2012/05/03(木) 05:02:44.08 ID:DaZ0xps70
________

________

春香「お疲れ様でしたぁ!」

雪歩「お先失礼しますぅ」

小鳥「はい、お疲れ様」

小鳥「………」

小鳥「プロデューサー大丈夫かなぁ…」

社長「おー!音無君。お疲れ」

小鳥「社長!お疲れ様です」

72: 2012/05/03(木) 05:07:12.65 ID:DaZ0xps70
小鳥「…………」

社長「彼のことが気になるのかね?」

小鳥「はい」

社長「そうかい。…昔話でもしよう」

小鳥「はぁ…」

社長「昔、あるプロダクションに若手ではあるが凄腕の敏腕プロデューサーがいた」

社長「彼は凄かった。業界に入ってたった2.3年でトップアイドルを生み出した。」

社長「もちろん、その後も何人もの高ランクアイドルを誕生させたよ。彼もその間に結婚し子供に恵まれた」

73: 2012/05/03(木) 05:11:49.30 ID:DaZ0xps70
社長「現場にまで子供を連れてくるものだから『子連れP』なんてよばれてね」

社長「彼の子供のそんな環境で育ったからかね…歌を歌うのが大好きだったそうだよ」

社長「しかし、すべてがすべてうまくいくわけじゃなかった」

社長「2人目の子供が亡くなった。ショックが大きすぎて彼は立ち上がれなかった」

社長「そして…彼は業界から姿を消した」

社長「離婚…そして愛した子供とも疎遠になってね」

小鳥「…………」

74: 2012/05/03(木) 05:17:04.33 ID:DaZ0xps70
千早「嘘…プロデューサーがおとう…さん」

千種「…………」

P「すまなかった」

千種「許しません」

P「ごめんなさい」

千種「駄目です」

P「申し訳ありませんでした」

千種「顔をあげていいとはいってません」

P「ホンットにごめんなさい!」

千種「千早があなたを許すまでは貴方を私が許しません」

千早「お母さん…」

75: 2012/05/03(木) 05:18:36.55 ID:DaZ0xps70
_________

_________数日後…

この事務所で俺のことをプロデューサーと呼ぶ人間は少ない

たとえば

あずさ「おじさま~」

とか

真「おじさん!」

とか

亜美・真美「おっちゃーん!」

とか

うちの事務所はこんなのばかりである。

76: 2012/05/03(木) 05:19:56.85 ID:DaZ0xps70
だけど稀に俺のことを「プロデューサー」と呼ぶやつもいたりする

同僚の律子や小鳥

あと

春香「プロデューサーさん!今日こそAランク上がりますよ!Aランク!」



雪歩「プロデューサー!私もがんばりますぅ!!!!」




そして

77: 2012/05/03(木) 05:20:56.51 ID:DaZ0xps70







千早「よし!目標はトップアイドルですね!お父さん!」

78: 2012/05/03(木) 05:21:50.43 ID:DaZ0xps70









P「事務所ではプロデューサーと呼べ!」

79: 2012/05/03(木) 05:22:22.88 ID:DaZ0xps70
おわる

81: 2012/05/03(木) 05:30:28.54
千早がかわいい

86: 2012/05/03(木) 06:16:00.16
イイハナシダナー(落涙)

引用元: P「この事務所で俺のことをプロデューサーと呼ぶ人間は少ない」