1: 2010/10/13(水) 13:10:44.74 ID:KZdW7Dw9P
純「いや……えっとさ」

唯「だよね~♪ わたしも触らせてもらったことあるけど気持ちよかったよぉ」

梓「なんていうか、触り始めたら止まらないって感じですよね」

唯「うんうん♪」

純「あの、そーじゃなくて」

紬「そんなにモフモフしてるの?」

律「確かに触りたくなる髪形ではあるな」

梓「ですです」

純「あー……え~っと……」

憂「モフモフしてる上に可愛いよね♪」

澪「確かに可愛いと思う……」

純「そ、そうですか!?」

梓「澪先輩に対しては相変わらずリアクション大きいね」

純「まぁね……っていうかさ、これは一体どういう状況なわけ?」

2: 2010/10/13(水) 13:16:11.86 ID:KZdW7Dw9P
梓「わたしが純を部室に連れてきた」

憂「お願いされたのは私だけど」

唯「もう一回純ちゃんの髪をモフモフしたくて!」

律「梓が純ちゃんを連れてくるって言うから」

澪「私は律が来いって言ったから部室に来たんだけど」

紬「とりあえずお茶入れましょうか♪」

純「…………」

梓「…………」

純「憂、通訳してもらっていい?」

憂「えっとね……まずお姉ちゃんが」

唯「純ちゃんの髪をモフモフしたかったんです!」

純「そ、そう……ですか」

憂「それで、そのことを梓ちゃんに言ったの」

梓「どうせならって思って、純を軽音部に連れて来たんだよ」

4: 2010/10/13(水) 13:20:14.21 ID:KZdW7Dw9P
純「どうせならって……」

梓「ほら、純って澪先輩に憧れてるし、唯先輩のことも褒めてたでしょ?」

純「そうだけどさ」

律「で、それを梓から聞いたあたし達が『多分面白い事になるんじゃないか?』って思って集まったんだよ」

紬「人数が増えてお茶会が楽しくなると思って♪」

澪「っていうか、見世物みたいに言ったら純ちゃんが可愛そうだろ」

純「いえ! 澪先輩とお喋り出来るならいっそ見世物でもいいです!」

澪「そ、そう……か?」

純「はい!」

梓「ホント、澪先輩に対してはテンション高いね」

純「当然だよ! だって澪先輩だよ!?」

律「差別だー」

唯「差別だ~♪」

純「あ、いえ! 先輩達のことも、もちろん凄いって思ってますよ!?」

5: 2010/10/13(水) 13:25:14.66 ID:KZdW7Dw9P
唯「ホントに?」

純「本当ですよ! ライブとか聴いてて、一緒に演奏してる梓が羨ましいなぁって思ってましたし」

澪「そ、そうか」

律「こう……ストレートな反応はちょっと照れるな」

紬「なんか、くすぐったいわね♪」

梓「まぁ普段はダラしないけどね」

律「なにおー」

唯「あずにゃんのいけずー」

澪(……否定できない)

純「何言ってんの梓。そーいうのも良いんじゃない」

梓「そうかもだけど……いつもだよ?」

純「あたしはたまにしかここに来ないから問題ないもん」

梓「むぅ」

6: 2010/10/13(水) 13:30:02.06 ID:KZdW7Dw9P
憂「とにかく色々あって、純ちゃんをここに連れてきたってことなの」

純「すごい大雑把な説明だね」

憂「うぅ」

唯「憂を……憂を責めないであげて純ちゃん!」

純「あ、責めてるわけじゃ……」

唯「わたしが最初に『純ちゃんの髪をモフモフしたい!』って言ったのが悪かったんだから!」

純梓律澪「…………」

律「確かに責めるなら唯だな」

澪「うんうん」

梓「そうですね」

唯「がぁん……し、しどいよみんな……」

憂「お、お姉ちゃん! 大丈夫だよっ 私も一緒に悪い子になるから!」

唯「憂……うい~!」

≪ガバッ ぎゅぅ~≫

純梓律澪(この姉妹は……)

8: 2010/10/13(水) 13:35:02.07 ID:KZdW7Dw9P
紬「さ、お茶が入ったわよ~♪」

唯「じゃぁ、みんなでお茶にしよう」

律「さんきゅー、ムギ」

純「……グダグダだぁ」

梓澪「う」

純「あ、澪先輩は違いますよ!」

梓律「おい」

純「す、すいません律先輩!」

梓「わたしには?」

純「なにが?」

梓「むぅぅ」

憂「わ、私もいいのかな……」

唯「もちろんだよ~」

紬「憂ちゃんの分も純ちゃんの分も入れてあるわよ~」

律「んじゃ、いただこうぜー」

9: 2010/10/13(水) 13:39:02.11 ID:KZdW7Dw9P
          ティータイム!

唯「相変わらずおいしぃ~♪」

律「やっぱこれがないとな~」

澪「むしろこればっかりだけどな」

梓「ですね」

純「わっ すごい美味しい!」

憂「うん、ホント美味しいね~」

紬「クッキーもあるわよ」

唯律「いただきー」

憂「純ちゃん、クッキーも美味しいよ」

純「ホントだっ すごい美味しい!」

紬「そう言ってもらえて嬉しいわ♪」

澪「……なんか」

梓「普通にティータイムになっちゃいましたね」

梓澪(グダグダって言われても仕方がない……)

10: 2010/10/13(水) 13:43:02.30 ID:KZdW7Dw9P
唯「はっ そうだよ! お茶もいいけど、今日は純ちゃんの髪をモフモフするために集まったんだった!」

律「いや、唯以外は目的違うけどな」

純「あはは……やっぱするんですね」

唯「うん! モフモフしたい!」

律「でも、それってある意味失礼だよな……いまさらだけど」

澪「ある意味も何も、思いっきり失礼だろ」

唯「そうかなぁ……だって可愛いよ? モフモフしたいじゃない」

律澪(お前の可愛いは未だに分からん!)

純「い、いえ……構いませんよ。美味しいお茶もクッキーも頂いちゃいましたし」

梓「あげたのはムギ先輩だけどね」

紬「じゃぁ……私もモフモフしていいかしら?」

純「え?」

紬「だ、駄目……かしら?」

唯「わたしもモフモフしたい……」

純(う……なに、このほんわかオーラ)

11: 2010/10/13(水) 13:47:01.94 ID:KZdW7Dw9P
澪「無理しなくていいぞ? 純ちゃん」

純「……というか、もう好きにしてくださいって感じです」

梓「その台詞、何だかイヤラシイね」

純「なんで!?」

唯「よし! んく……んくっ もぐもぐ……」

憂「お姉ちゃん、そんなに急いで食べると喉に詰まっちゃうよ」

唯「ふぅ~……だいじょぶだいじょぶ♪ さぁ! 純ちゃんの髪をモフモフしちゃうよ!」

紬「わ、私も……こくこく……ぱくぱく……」

律「ムギまで……」

紬「だいじょ~ぶ! それじゃぁ、私もモフモフさせてもらうわね♪」

澪「そんなに純ちゃんの髪、触りたいのか」

梓「あ、ちょっとタンマ! えと……じゃすとあもーめんとぷりーず!」

唯「え、英語!? あ、えっと……ふぁっきゅー!」

律「さのばびっち!」

梓「何でですか!?」

12: 2010/10/13(水) 13:51:00.69 ID:KZdW7Dw9P
唯律「つい!」

梓「ついって……」

澪「それより、どうした梓?」

梓「えっと……ちょっと思いついたことがあるんで、モフモフタイムはちょっと待って下さい」

唯紬「えぇ~」

梓「純、ちょっと手伝って」

純「なに?」

梓「そのソファー動かすから手貸して」

純「いいけど……」

憂「何するの? 梓ちゃん」

梓「ちょっと待ってね……純、ソファー反対向きにするからそっち持って」

純「ひっくり返すの?」

梓「違う! ソファーをテーブルの方に向けるの!」

純「冗談だってば」

憂唯律澪紬「?」

13: 2010/10/13(水) 13:55:00.92 ID:KZdW7Dw9P
梓「こうやって……」

純「っしょっと!」

≪ガタガタッ≫

梓「じゃぁ、純はここに座って」

純「ほいほい」

梓「唯先輩……あ、唯先輩だけこっち来て下さい」

唯「ほーい」

律「何が始まるんだ?」

澪「さぁ?」

紬「何かしら?」

梓「で、他のみなさんはそっちのテーブルで」

律紬「了解~」

澪「あぁ」

憂「それでどうするの? 梓ちゃん」

梓「純と唯先輩のやり取りを、みんなで見学しようと」

15: 2010/10/13(水) 13:59:01.10 ID:KZdW7Dw9P
純「ちょ!? 一対一でお喋りしろってこと?」

梓「基本的にね」

純「……イジメ?」

梓「何でよ」

唯「純ちゃんはわたしと二人でお話しするのは嫌?」

純「え……ち、違います。そういう意味じゃなくてですね」

律「まぁまぁ、こっちからも少しはフォローするって」

澪「律……お前楽しんでるだろ」

律「だって面白そうじゃん」

梓「みなさんも純に興味ありそうだったし、こっちの方が色々聞けると思って」

純「そうかもだけど……これってめっちゃ緊張する」

憂「でも、澪さんと二人っきりでお話できるよ?」

純「このままでお願いしますっ」

梓律「変わり身早っ」

紬「じゃぁ……スタート~♪」

16: 2010/10/13(水) 14:03:00.89 ID:KZdW7Dw9P
唯「それじゃぁ、お隣失礼しまぁす♪ ……よいしょっと」

純「よ、宜しくお願いします」

唯「えへへ~♪ 何か変な感じだね~」

純「そ、そうですね……」

唯「緊張してる?」

純「えと……ちょっとだけですけど」

唯「自分の家だと思ってリラックスしてね~」

純「が、頑張ります」

唯「あ、そだ……それじゃぁ、髪触ってもいい?」

純「えと……はい、どうぞ」

唯「ありがと~♪ ではでは……モフモフ」

純「んっ」

唯「あ、乱暴に触っちゃったかな? もっと優しくするね?」

純「いえ……ちょっとくすぐったかったもので」

唯「そっか、痛かったら言ってね? ……モフモフ……サワサワ」

17: 2010/10/13(水) 14:07:00.92 ID:KZdW7Dw9P
律「……会話が工口く聞こえるのはあたしだけか?」

梓「わたしもです」

澪「う、うん」

憂紬「?」

唯「モフモフ♪ モフモフ♪」

純「あ、あのそろそろ……」

唯「モフモフ♪ モフモフ♪」

純「あの……唯先輩?」

唯「モフモフ♪ モフモフ♪」

純「えっとぉ……」

唯「モフモフ♪ モフモフ♪」

純「…………」

唯「モフモフ♪ モフモフ♪」

律澪(そんなに触り心地いいのか)

紬「うずうず」

18: 2010/10/13(水) 14:11:01.13 ID:KZdW7Dw9P
唯「ふはぁ~……堪能しました!」

純「ふぅ……ご満足していただけでよかったですぅ」

唯「じぃ~」

純「な、何でしょう?」

唯「やっぱ可愛いよー!」

≪ガバッ ぎゅぅ~!~≫

純「ひぃ!?」

唯「モフモフ可愛い! 純ちゃん可愛い!」

純「ひゃぁぁぁぁっ!」

梓「そこは『にゃぁっ!』って言わないと」

純「そんなこと言ってないで助けてよ!」

唯「スリスリ~♪」

憂「でもそうなっちゃうとお姉ちゃん止まらないから♪」

純「憂まで!?」

紬「後輩とのスキンシップってほのぼのするわね~♪」

20: 2010/10/13(水) 14:15:00.84 ID:KZdW7Dw9P
梓「唯先輩のはちょっと行き過ぎな気がしますけどね」

唯「♪~」

純「わっ あ、あれですよ! 色々と何かこうギュ~って!」

憂「お姉ちゃん暖かいでしょ~♪」

純「そうだけど! 当たってますって! 押し付けられてますって!」

律「当ててんのよ!」

澪「何で律が言うんだよ」

律「ちくしょー! 言ってみてぇ!」

梓「無いからってキレないで下さいよ」

律「お前も無いだろ!」

純「ゆゆゆ唯先輩く、くっつきすぎでは!」

唯「よいではないかよいではないか~♪」

紬「……(ぽぉ~)」

憂「紬さん?」

律「ありゃ……唯~? このままだとムギがどっか逝っちゃうから、そろそろやめとけ」

21: 2010/10/13(水) 14:20:01.83 ID:KZdW7Dw9P
唯「むぅ……でも、十分堪能したからいいか」

純「はふぅ……そ、そうですか……」

唯「中々の抱き心地でした!」

純「あ、あはは……」

梓「純、顔赤いよ」

純「うるさい!」

紬「女の子同士なんだから照れること無いのに~」

律「いや、あれはさすがに照れるだろ」

澪「私達が慣れすぎてるんだろうな」

梓「う」

唯「モフモフもしたし、ギュ~ってしたし……それじゃぁお話しようか」

純「あ、続けるんですね」

唯「当然だよっ 前から純ちゃんとはお話したいって思ってたしね」

澪「そうなのか? 二人って接点無さそうな……あぁ、憂ちゃんか」

律「梓はあまり自分のクラスのこととか言わないしな」

22: 2010/10/13(水) 14:24:01.08 ID:KZdW7Dw9P
純「そうなの?」

梓「だって練習しに部活に来てるんだし……」

純「お茶会目的だと思ってた」

梓「うぅ」

律「まぁ、梓は弄られるのが仕事だしな」

梓「仕事じゃないですぅ!」

憂「でもお姉ちゃん。私、純ちゃんのことそんなに話したっけ?」

唯「話してるよ~。特に……二年生になった頃からかな?」

憂「そ、そうだっけ?」

唯「ご飯食べた後とかに『今日は純ちゃんが~』とか『今度の休みに純ちゃんとね~』とか」

純「そうなの? 憂。あたし話題になるような面白いことなんて、あんまし言ってないと思うんだけど」

梓「いやいや」

唯「あ、特別何かあった……って話じゃないよ? 普段の学校の話とかだよ」

紬「憂ちゃんって、家ではあまりそういう話しなかったの?」

憂「そんなことはないと思うんですけど……」

23: 2010/10/13(水) 14:28:01.29 ID:KZdW7Dw9P
唯「えぇ~っ そんなことないことないよ~」

律「どっちだ」

唯「学校の行事があった~……くらいは話してたけど」

澪「誰か特定の子との話はあまりなかったってことか?」

唯「そそ、それ!」

憂「そ、そう……かな?」

律「ひょっとして……憂ちゃん、友達少ないのか?」

憂「え」

唯「そうなの!? 憂!」

憂「え……え?」

純「それはないですよ。中学も高校もクラスメイトとは仲良いですから」

唯「よ、良かった~」

純「ただ単に、憂がお姉ちゃ……唯先輩好きだからじゃないかと」

憂梓唯律澪紬「?」

25: 2010/10/13(水) 14:32:00.95 ID:KZdW7Dw9P
純「ようするに、クラスメイトより唯先輩と遊んでる方が多いってだけじゃないかと」

律「つまりこういうことだな……カキカキっと」

純憂梓唯澪紬「?」

律「憂ちゃんの心の中はこうなっていると」



     唯>>>>>(超えられない壁)>>>>>その他人類



憂「大袈裟すぎますよ!」

純「そんな感じですね」

憂「違うよ!?」

唯「あ、壁の左側にお父さんとお母さんと和ちゃんが入るよ」

憂「そういう話じゃないもん!」

純「まぁ、つまりはそういうことです。憂は部活にも入ってなかったですし」

憂「違うのに……」

26: 2010/10/13(水) 14:36:01.06 ID:KZdW7Dw9P
澪「でもそれが高校二年になってから変わった?」

律「何か一大イベントでもあったか」

紬「どんな事件が……」

純「無いと思いますけど……何かあったっけ? 憂」

梓「わたしも特に気が付いたことはないなぁ」

憂「何もないよ~」

唯「じぃ~」

純「ふむぅ……」

憂「二人ともどうしたの?」

唯「憂……それは嘘だね?」

純「あたしもそう感じました」

憂「そ、そんなことないよ?」

純唯「じぃ~~」

憂「う……」

27: 2010/10/13(水) 14:40:00.61 ID:KZdW7Dw9P
唯「実はさ、純ちゃんと話したいことってそれなんだよね」

純「憂のことですか?」

唯「うん。なぁんか前と違うっていうか」

純「実はあたしもそんなこと考える時がありますよ。いつも気にしてるわけじゃないですけど」

憂「そうだったの?」

梓「わたしは……よくわかんないな。あんまり変わった気がしないし」

唯「変わってない所はもちろんあるよ? あったかくて可愛いし」

純「優しいし気が利くっていう部分も変わりませんよね」

唯「うんうん♪ 料理も美味しいし掃除もしてくれるしっ」

純「理想の女の子! って感じですもんねぇ」

唯「ちょっと抜けてる所があるけど」

純「それがまた可愛いんですよね~」

唯「そうそう! 純ちゃん分かってるね~♪」

純「憂とは付き合い長いですから!」

憂「……本人の前で分析するの止めてほしいな」

29: 2010/10/13(水) 14:44:00.18 ID:KZdW7Dw9P
純「良い所を挙げてるんだから、いいじゃない♪」

唯「うんうんっ」

憂「でも……恥ずかしいよ」

律「これはこれで後悔処刑だな」

澪「……あぁ」

紬「でも、そういう変わらない部分とは別に、どこか変わったところがあるって唯ちゃんと純ちゃんは思ってるのよね?」

唯「そうなんだよ~……それがなぁんか気なってね~」

純「う~ん……確かにどこか変わったなぁ……とは思うんですけどねぇ」

唯「何となく気になって……そうしたら純ちゃんの名前がよく出てくるじゃない? だからお話すれば分かるかもって」

律「大雑把な推理だな」

唯「直感と言って!」

梓「あんまり変わりませんよ、それ」

唯「まぁ、それはそれとして」

澪「どれだよ」

唯「というわけで、何か気付いたことない? 純ちゃん」

31: 2010/10/13(水) 14:48:00.34 ID:KZdW7Dw9P
純「う~ん……うぅ~ん……」

唯「…………(ソワソワ)」

純「変わったとこ……変わったとこ……」

唯「……モフモフ」

純「え、えっとぉ……」

唯「……モフモフ」

純「唯先輩?」

唯「お気になさらず!」

純「……は、はい」

澪「家族である唯でも気が付かないのに、さすがに無理じゃないか?」

律「でも案外、友達の方が変化に気付く場合もあるしなぁ」

紬「しかも純ちゃんは、憂ちゃんと付き合いが長いって言うし」

梓「わたしは高校に入ってからですしね」

唯「モフモフ……モフモフ……」

純(頭くすぐったいよぉ)

33: 2010/10/13(水) 14:52:00.42 ID:KZdW7Dw9P
純「あ、そういえば……」

唯「お? 何か思い出したかね? ……モフモフ」

純「憂って以前に比べてアクティブっていうか、積極的になってません?」

唯「う~ん……家だとあんまり変わらないかなぁ……モフモフ」

律「でも、憂ちゃんって結構アクティブじゃないか?」

紬「純ちゃんを誘って軽音部に来たこともあったわね」

澪「唯に成りすましてギター演奏しようとしたりとか」

純「唯先輩絡みのことだと、昔っから積極的なんですよ」

唯「姉想いの妹を持ってわたしは幸せだよ~」

梓「幸せを噛み締めるのはいいですけど、唯先輩はもうちょっとしっかりした方がいいと思いますよ」

憂「大丈夫だよっ お姉ちゃんの代わりに私がもっとしっかりするから!」

純梓律澪「いやいや」

紬「唯ちゃんが関係してないことだと積極的じゃなかった?」

純「消極的ってほどじゃありませんけどね。でも憂って基本的に受け手ですから」

憂「…………」

34: 2010/10/13(水) 14:56:02.59 ID:KZdW7Dw9P
唯「およ? ……モフモフ」

純「あれ? ビンゴ?」

憂「えと……」

唯「純ちゃんの言ったこと当たりっぽいね……モフモフ」

純「ですね……って、そろそろ髪を触るの勘弁してもらえないでしょうか」

唯「お気になさらず!」

純「……はい」

憂「…………」

律「何だ何だ? もうここまでバレちゃったら言っちゃいなよ」

澪「言いたくないんだったら無理にとは言わないけどさ」

紬「もし悩みとかがあるのなら、話すだけでも楽になるかもしれないわよ?」

憂「い、いえ! 悩みとか難しい話じゃないんです」

唯「じゃぁ、どうしたの? ……モフモフ」

憂「えっと……何て言えばいいかな……」

35: 2010/10/13(水) 15:00:00.29 ID:KZdW7Dw9P
憂「私って普段は引っ込み思案なところがあるっていうか」

純「確かに一歩引いた感じだよね」

憂「う、うん……でね? いつまでもそれじゃ駄目かもって思って」

唯「憂っぽくて良いと思うけどなぁ」

憂「かもしれないけど……高校生になったんだし、もっとこう『しっかりしよう!』って思ったの」

梓「誰かさんにも見習ってほしいですね」

唯「だね~」

律澪(お前だよ!)

憂「そんなこと考えてたら、近くにお手本になる人が居た……というか、居ることに気付いたというか」

純「へぇ~、憂の近くにそんな凄い人居たんだ。全然気が付かなかった」

梓「憂に見込まれるって相当なもんだよね」

律澪紬「うんうん」

唯「で? それってどんな人? この中に居る? わたしも知ってる人?」

憂「えっと……(チラッ)」

36: 2010/10/13(水) 15:04:00.02 ID:KZdW7Dw9P
純「……へ?」

梓唯律澪紬「…………」

憂「……純ちゃん」

純「えぇー!?」

憂「だ、だって純ちゃんって、自分から色んな人に話しかけたり、仲良くなろうとしたり出来るでしょ?」

純「いや……まぁ、そうかもだけど」

憂「それって凄いなって思うんだよっ 私、そういう積極性とか全然ないから何ていうか……」

唯「憧れ?」

憂「う、うん。そんな感じd」

梓「憂! 早まっちゃ駄目だよ!」

律澪「おいおい」

純「ちょ! 梓!? なにそれ!」

梓「だって憂が純に憧れるなんて……逆なら分かるけど!」

純「ま、まぁ憧れはあるけどさ? 勉強とか運動とか料理とか色々」

38: 2010/10/13(水) 15:08:00.35 ID:KZdW7Dw9P
梓「でしょ!?」

純「でも梓のその言い方は気に入らない」

梓「う……び、びっくりしたせいで言い方がアレだったのは謝るけど……」

憂「もう二人ともやめてよ~」

純梓「むぅ」

律「とにかく、純ちゃんに憧れる部分があって、それで自分なりに変わっていこうって思ってたのか」

憂「はい」

唯「それならそうと言えばよかったのに~」

紬「隠すことはなかったんじゃない?」

憂「わざわざ言うのは何となく恥ずかしくて……」

澪「まぁ、気持ちは分かるな……うん、分かる」

律「おんやぁ? みおちゅわん……何か思うところがあるんでちゅかぁ~?」

澪「う、うるさい!」

律「♪~」

39: 2010/10/13(水) 15:12:00.36 ID:KZdW7Dw9P
唯「でも、これで心のモヤモヤが晴れたよ」

憂「心配させてゴメンね? お姉ちゃん」

唯「いいよぉ~。憂くらいの年頃なら色々あるだろうからね~」

律「一つ違いだろ」

唯「一つ違いでも姉だからね! 妹のことは心配なんだよ……姉だからね!」

澪「何でそんなに強調する」

純「あたしの方はモヤモヤが一つ増えましたけどね」

憂「純ちゃん……ごめんね?」

純「え? あはははっ 謝んないでよ、憂。単にちょっと照れくさいだけだから……さ」

梓「純に照れは似合わないよ?」

純「うるさい!」

紬「でもいいわね、こういうの。友達同士で憧れたりとか♪」

純憂「うぅ」

唯「や~……純ちゃんが良い子でよかったよ」

純「あ、あたしなんて全然ですよ」

40: 2010/10/13(水) 15:16:00.05 ID:KZdW7Dw9P
唯「純ちゃん! これからも憂のこと宜しくね!」

純「え……あ、はい! もちろんです!」

唯「いつまでも親友でいてあげてね!」

純「はい!」

唯「そして出来ればお嫁さんに貰ってやって下さい!」

純「はい! ……って、えぇ!?」

憂「お姉ちゃん!?」

梓「女同士で結婚なんて出来ませんよ!」

唯「やだなぁ~、冗談だよ~♪」

律澪(唯の場合、もしかしたらってのがあるからなぁ)

純「び、びっくりしたぁ」

唯「それじゃ、わたしの番は終わりかな」

純「ひょっとして……この一対一のお喋りって全員あるんですか?」

唯「もちろんだよ!」

純「…………」

41: 2010/10/13(水) 15:16:55.12 ID:KZdW7Dw9P
梓「自分で言っておいてアレですけど、別に一対一のお喋りって感じじゃありませんでしたね」

律「まぁ、面白かったからいいんじゃないか?」

唯「そうだよ、あずにゃん。気にしたら負けだよっ」

澪「ちょっとは気にした方がいい場合もあるけどな」

紬「じゃぁ、次は誰にする?」

唯「あ、その前に!」

純憂梓律澪紬「?」

唯「……もう一回モフモフさせて?」

純「…………はい」

律「まだ触り足りなかったのか……」

唯「モフモフ~♪」

・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・

44: 2010/10/13(水) 15:38:00.64 ID:KZdW7Dw9P
唯「むふぅ~♪」

純「はぅ」

澪「両者の表情の差が激しいな」

梓「あれから五分耐久モフモフタイムでしたからね」

律「オマケに時々抱きつき攻撃も入ったしな」

唯「まだまだいけるよ!」

純「ご、ご勘弁を……」

律「まぁ、とにかく……次は誰いく?」

紬「はい! 私立候補します!」

唯「おぉっ ムギちゃんやる気満々だね!」

紬「フンス!」

律「よし、行ってこいムギー」

紬「お~」

梓「それじゃ……スタート!」

45: 2010/10/13(水) 15:42:00.40 ID:KZdW7Dw9P
紬「それじゃ、隣……失礼するわね?」

純「は、はははい!」

紬「そんなに緊張しないでいいのよ?」

純「がが、頑張ります!」

梓「凄いガチガチだね」

憂「あんなに緊張した純ちゃん見たことないね」

紬「あ、約束通り、私も純ちゃんの髪に触っていいかしら?」

純(しまったっ ムギ先輩もモフモフしたいって言ってたんだ!)

律「モフモフタイム追加だな」

紬「駄目……かしら?」

純(ぅわーんっ 唯先輩と似た空気! 断れないってば!)

純「い、いえ……どどどうぞ!」

紬「やった♪ ありがと~♪」

律「なんという平和的脅迫」

澪「あれは断れないな……」

46: 2010/10/13(水) 15:46:55.29 ID:KZdW7Dw9P
紬「それでは~♪ (サワサワ)」

純「ぅひゃぅっ!?」

紬「ご、ごめんなさい。痛かったかしら?」

純「そそそうじゃないですけど……びっくりしちゃって」

紬「そう? 続けていい?」

純「は、はい……」

紬「それではそれでは~♪ (サワサワ)」

純「ぅぅ……ぁ……ん……ひぁ……ぅ」

純(くくくくすぐったいよぉ! ムギ先輩の触り方が優しすぎて、ものスッゴイくすぐったい!)

紬「ぽわぽわが可愛い~♪ (サワサワ)」

律「……なぁ……やっぱえちくないか?」

梓「で、ですね」

澪「……う、うん」

憂「…………」

47: 2010/10/13(水) 15:50:00.73 ID:KZdW7Dw9P
唯「それは三人がHぃからじゃない?」

律澪「違うっ!」

梓「何でですか!?」

憂「お、お姉ちゃん……」

純「は……ぁ……ぅん……そ、そろ……そろ」

紬「もうちょっと……もうちょっとだけ! (サワサワ)」

純「は……ぃ…………んんっ ……ゃ……ぅ……」

純(あ、頭がぼぉ~っとしてきたぁ)

紬「♪~」

憂梓澪「…………(ゴクリ)」

律「ムギ……恐ろしい子っ」

唯「ほのぼのだぁね~♪」

律「……ほのぼのに見えるお前が心配だ」

49: 2010/10/13(水) 15:54:40.04 ID:KZdW7Dw9P
紬「ふぅ……はい、堪能しました~♪」

純「お、お疲れ様れしたぁ~……」

唯「純ちゃんの髪、モフモフして可愛かったでしょ~」

紬「うん♪ とってもモフモフで可愛かった♪」

梓律澪(その『可愛い』の感覚が分からない)

純「頭がムズムズするぅ……」

紬「あ、そうだ」

純「ふぇ?」

紬「えいっ♪」

≪ガバッ ぎゅぅ~≫

純「わっぷ!?」

紬「すりすり~ぎゅぅ~♪」

唯「おぉ! ムギちゃんの抱きつき攻撃!」

紬「唯ちゃんが可愛いって言ったのよく分かるわ~♪」

唯「うんうん♪ 純ちゃん可愛いよね~」

50: 2010/10/13(水) 15:58:00.54 ID:KZdW7Dw9P
純「ムギ先輩! 正面……からっ 来ると! 当たってぇっ 顔……に!」

紬「あ、ごめんね? 苦しかった?」

律「言ってみてぇ! 『苦しかった?』って心配してみてぇ!」

梓「だから無いからってキレないで下さいよ」

律「お前だって無いだろ! 抱きついたら『痛い』って言われるだろ!」

梓「律先輩だって同じじゃないですか!」

唯「あははは」

梓律「笑うな!」

澪「別にどっちでもいいじゃないか」

律「その余裕が気に入らない!」

梓「…………(ジィ~)」

憂「ん?」

梓「くっ!」

憂「え?」

51: 2010/10/13(水) 16:02:00.23 ID:KZdW7Dw9P
紬「はい、今度こそ堪能しました♪」

純「うぅ……ご満足頂けて何よりでふぅ……」

紬「じゃぁ、お話しましょうか♪」

純「はいぃ~」

澪「すでにフラフラだな」

憂「あ、ひとまずお茶にしません?」

紬「そうね……じゃぁ……」

憂「紬さんは純ちゃんと座っててください。私が入れますから」

紬「そう? それじゃぁ、甘えさせてもらうわね♪」

憂「はい♪」

律「それにしても、ムギのターンは最初っから飛ばしてたな」

梓「唯先輩と同じ感じだったのに、何となく違いますね」

唯「りっちゃんとあずにゃんの反応は同じだったけどね」

梓律「くぅっ」

52: 2010/10/13(水) 16:06:00.46 ID:KZdW7Dw9P
澪「というか、すでに座らせておいてなんだけど……ムギと純ちゃんって接点無さすぎじゃないか?」

唯「いざとなったらこっちから助け舟出せばいいんだし、大丈夫じゃない?」

律「お前ら気楽だな」

梓「律先輩もですけどね」

律「あたしは、楽しければそれでいい!」

澪「まぁ、共通の知り合いで梓もいるし、音楽繋がりを考えれば平気か」

純(む、無責任だぁ)

紬「その件につきましては私に話題があります!」

梓唯澪「おぉ?」

律「実は二人とも仲良しだったとか?」

紬「そうじゃなくて、どっちかって言えば音楽繋がりの方かな?」

純「あ、それならあたしもムギ先輩に聞いてみたいことありました」

紬「じゃぁ、純ちゃんからどうぞ……何かしら?」

純「ムギ先輩ってどうして軽音部に入ったんですか?」

律澪「…………」

53: 2010/10/13(水) 16:10:00.52 ID:KZdW7Dw9P
純「あたしの勝手なイメージですけど吹奏楽部とか……あと合唱部とかのが似合いそうなイメージがあったんですよ」

律澪「…………」

唯「えぇ~……ムギちゃんは軽音部って感じだよ~」

純「あ、もちろん軽音部が似合わないっていうんじゃないです。今はもう『軽音部!』って感じですし」

唯「だよね~。うんうん、ムギちゃんは軽音部って感じだよ♪」

純「ただ、梓に軽音部のこと聞く前は、不思議に思ってたんですよ」

律澪「…………」

紬「えっとね……私、最初は合唱部に入ろうかなって思ってたのよ」

純「あ、そうだったんですか」

紬「でも、一年の頃に軽音部を復活させようとしていた、りっちゃんと澪ちゃんに誘われて軽音部に入ったの」

純「なるほど……そんな経緯があったんですか」

紬「うん。今では誘ってもらえて良かったって思ってるわ♪」

唯「わたしもムギちゃんが軽音部に居てくれてよかったって思うよ~」

梓「お茶とお菓子が出るからですよね」

唯「うん♪」

54: 2010/10/13(水) 16:14:00.21 ID:KZdW7Dw9P
澪「いや、そこは否定しろよ」

唯「もちろんそれだけじゃないよ~。ムギちゃん優しいし暖かいし綺麗だし♪」

純(音楽に関係するものが一つもない)

紬「私も唯ちゃんが軽音部に入ってくれてよかったって思ってるわ♪」

唯「一緒だね~♪」

紬「ね~♪」

純「でもその話からすると……律先輩って凄いんですね」

律「へ?」

純「だって一人で……って、澪先輩は幼馴染って話だから、二人で軽音部を復活させようとしたんですよね?」

澪「私も最初は違う部に入ろうとしたんだけど……」

純「え? ということはたった一人で部を復活させようって思ったんですか!?」

律「えっとぉ……」

澪「まぁ、結果から言うと……そうなるな」

純「それってホントに凄いですよね!」

律「…………」

55: 2010/10/13(水) 16:18:00.43 ID:KZdW7Dw9P
純「そんなことまで梓に聞いてなかったんで知りませんでしたよ。尊敬しますよ、律先輩!」

律「いや……そんなことは……」

梓唯澪紬「…………」

純「?」

澪「律」

律「う……ごめんなさい!」

純「え?」

律「澪は嫌がってたのに無理やり入部させました!」

純「…………」

律「ムギは泣き落とししてたら、ムギの方から入ってくれるって言ってくれました!」

純「…………」

律「唯にいたってはお菓子で釣りました!」

純「…………」

律「梓は新入部員が一人も入ってこなかったから、どのみち『逃がさねぇ』って思ってました!」

純「…………」

56: 2010/10/13(水) 16:22:00.81 ID:KZdW7Dw9P
律「…………」

純梓唯澪紬「…………」

律「……てへっ♪」

純「律先輩」

律「なんでしょう、鈴木さん」

純「あたしの感動を返してください」

律「はっ! 貰ったモノは返せねぇな!」

純「…………」

律「……ごめんちゃい」

澪「ま、まぁ最初はそんなだったけど、私も今では誘ってくれてよかったって思うし」

紬「そうね、結果よければ全て良しって言うしね」

唯「りっちゃんも反省してることだし許してあげようよ」

律「お菓子に釣られた唯にだけは言われたくねー!」

梓「わたしはあえてノーコメントで」

律「ぐ……それが地味に一番効く」

57: 2010/10/13(水) 16:26:00.82 ID:KZdW7Dw9P
憂「お茶が入りました~」

律「おっと……それじゃぁ、憂ちゃん特製のお茶をいただくとしようか!」

唯「誤魔化した」

梓「誤魔化しましたね」

澪「あからさまだな」

紬「うんうん」

純「分かりやすいですね」

律「ちくしょー! イジメっ子どもがー!」

憂「?」

梓「憂は気にしないでいいよ」

憂「そう? あ、これは紬さんと純ちゃんの分です」

純「ありがと♪」

紬「ありがとう、憂ちゃん」

律「誰かあたしに優しくしてくれ……」

澪「……はいはい」

59: 2010/10/13(水) 16:30:00.44 ID:KZdW7Dw9P
純「あ、憂のお茶も美味しい!」

梓「うん、美味しい美味しい」

憂「ありがと、純ちゃん、梓ちゃん」

紬「ホントに♪」

律「同じお茶の葉なのに、やっぱ入れ方で味って変わるもんだなぁ」

澪「ムギの入れたお茶もいいけど、憂ちゃんが入れたお茶も美味しいな」

憂「ありがとうございます」

唯「はふぅ……ゴロゴロしたくなる~」

憂「駄目だよ、お姉ちゃん」

唯「分かってるよぉ~」

澪「自分の家での唯の様子がよく分かるな」

梓律(確かにこんな感じだった)

紬「一息ついたところで……純ちゃん、お喋りの続きしましょうか!」

純「え……は、はい!」

律「ムギのやつ気合入ってるなぁ」

60: 2010/10/13(水) 16:34:00.67 ID:KZdW7Dw9P
純「えっと、それであたしに聞きたいことって何ですか?」

紬「ジャズ研って普段どんな感じなのかなって」

澪「あ、それは私もちょっと興味あるな」

唯「ムギちゃん、澪ちゃん……まさか移籍!?」

律「なにー!? この裏切り者どもがー!」

梓「いやいや……っていうか、卒業まであと少しなのに移籍って……」

純「どんなって言われても……普通ですよ?」

紬「普通……みんなでお茶飲んだりお喋りしたり?」

純「お、お茶は飲みませんね……」

澪「それは私達くらいじゃないか?」

梓「悲しい現実ですね」

唯「悲しくないよっ 楽しいよ!」

律「アレだな……こーいう時、ムギ達がどんだけズレてるか分かるな」

61: 2010/10/13(水) 16:38:00.40 ID:KZdW7Dw9P
梓澪「…………」

唯「あずにゃんと澪ちゃん、どうして離れるの?」

紬「?」

梓「気にしないで下さい」

澪「うん、気にするな」

律「……悪あがきを」

憂「あ、それじゃぁ……純ちゃんは普段どんな感じにジャズ研の練習してる?」

純「あたし? そーだねぇ……まずベース持って部室に行く」

紬「うんうん」

純「で、先輩……はもう引退しちゃったので、同級生や後輩がいたら挨拶して、自分と同じパートの子がいるか確認しますね」

澪「ジャズ研は人数多いもんな」

純「はい。同じパートの子がいれば一緒に音合わせも出来るんで」

律「同じパートの子がいない時もあんの?」

純「大抵はいますけどね……なにせ人数が人数ですから。でも時々いない時もあるんで、そーいう時は個人練習ですね」

62: 2010/10/13(水) 16:42:00.45 ID:KZdW7Dw9P
唯「純ちゃんって偉いねっ」

純「え? そ、そうですか?」

唯「うんっ 一人でもちゃんと練習するんだもん。凄いよ!」

純「あ、ありがとうございます……」

梓澪(普通のことなんだけどなぁ)

紬「それでそれで?」

純「先輩がいた頃は難しいところ教えてもらったりして……それ以外の時は、後輩の練習みたり教えたり」

梓澪紬「うんうん」

純「同級生とはお互い腕を競う……というか、ミスったところ指摘し合ったり」

憂「ジャズ研はサバイバルだーって、純ちゃん言ってたもんね」

純「ギスギスしてるわけじゃないけどね。でもやっぱ心のどこかで『負けなくない!』って思ってるのは確かだよ」

唯「それって変じゃない? 音楽に負けも勝ちもないと思うけどなぁ」

純「え……」

63: 2010/10/13(水) 16:46:05.63 ID:KZdW7Dw9P

律(あちゃぁ……この天才っ子が)

憂「お、お姉ちゃん……」

梓澪紬「…………」

唯「上手い人は『すごい!』って思って、上手じゃない人は『がんばれ!』って思うじゃない?」

純「そう……ですね」

唯「勝ちとか負けとか関係なしで、みんなで楽しく演奏するものだと思うなぁ」

純「…………」

紬「で、でもほら。ジャズ研って人数が凄く多いって聞くしっ」

澪「だだだよな。人が大勢集まれば色々あるだろうし!」

梓「き、競い合うっていうのも上達に必要なものでもあるしさ! ね? 純」

唯「えぇ~っ 仲良くやった方が絶対上手くなるよ~」

憂「おおお姉ちゃんっ」

律「お前は空気読め!」

唯「わたし空気読めるもん!」

梓律澪(それは絶対嘘だ!)

64: 2010/10/13(水) 16:50:00.33 ID:KZdW7Dw9P
純「…………」

梓「じ、純? ほら唯先輩ってアレだから気にしないで……」

唯「アレってなにさ~? あずにゃん酷いよっ」

澪「そ、そうだぞ? 唯はアレだからなっ そんなに気にしないでいいぞ?」

唯「がぁんっ 澪ちゃんまで……」

紬「えっと……えっとぉ……」

律「梓も澪もムギも、とりあえず落ち着け」

純「…………ぷっ」

憂「純ちゃん?」

純「ぷふっ あはははっ ……す、すみません急に笑ったりして……」

憂梓唯澪紬「?」

純「何だか……ちょっと場違いというか、全然違うことが頭に浮かんで……つい」

律「……何考えてたんだ?」

純「えっと……軽音部って良いなぁって」

65: 2010/10/13(水) 16:54:00.88 ID:KZdW7Dw9P
憂梓唯澪紬「??」

純「ん~……何だろ。自分でもよく分かんないですけど……うん、何か良いなぁって」

梓「何それ?」

純「ほらアレだよ、梓が言ったんじゃん」

梓「わたし?」

純「そそ。軽音部って練習ほとんどしないし、一人一人はそうでもないのに……みんな集まると凄い演奏するって」

梓「あ、うん……確かに言ったけど」

純「なぁんとなくね……それがちょっと分かった気がしたってだけだよ」

梓「そう? まぁ、純がいいなら構わないけど」

純「うんうん。別に傷ついたとか怒ったとか、そーいうのないから平気平気♪」

紬「そっか……よかった♪」

唯「よ、よく分からないよ……」

律「よーするに、軽音部って凄いですね! って言ってくれてるんだよ」

唯「おぉ、なるほど! ありがと~♪」

66: 2010/10/13(水) 16:58:00.80 ID:KZdW7Dw9P

純「いえいえ♪ それにお礼を言うのはあたしの方かもしれません」

唯「ほえ?」

純「唯先輩のおかげで、後輩に教えたいことが一個増えたってことです」

唯「ふぇ?」

純「あー、えっと……ようするに、ありがとうございます! ってことです」

唯「よく分からないけど……どういたしまして!」

純「あはは♪」

唯「えへへ~♪」

紬「きゅぅぅんっ!」

律「……何? その擬音」

紬「純ちゃん可愛い! 純ちゃん良い子!」

≪ガバッ ぎゅぅ~!≫

純「ぉわ!? またっ!」

唯「あ、ムギちゃんズルイ! わたしもー!」

純「さらに追加!?」

67: 2010/10/13(水) 17:02:01.83 ID:KZdW7Dw9P
唯「え~い♪」

≪タタタッ ガバッ ぎゅぅ~!≫

純「ぉっぷ!? 二人とも! ちょっ タンマですってば!」

唯紬「ぎゅぅ~すりすり~なでなで~♪」

純「うわ! 何この柔らかさっ! 挟まれてむぎゅぅ!?」

律「阿鼻叫喚」

梓「あれ? 律先輩、言わないんですか?」

律「……あえて聞くが、何をだ?」

梓「胸の話ですが?」

律「もう虚しくなってきた」

梓「その方がいいですね」

律「でもやっぱりお前にだけは言われたくねぇ!」

憂「…………」

71: 2010/10/13(水) 17:06:00.81 ID:KZdW7Dw9P
澪「憂ちゃんどうしたんだ? ぼぉ~っとして」

憂「ひゃぃ!? なな何でも……あり…ません……」

澪「?」

梓「でも……後輩に教えたいことかぁ」

律「ん?」

梓「いえ、何でもないです」

律「…………」

梓(そーいうの、いいなぁ)

律「…………」

≪ポンポンッ≫

梓「にゃっ!? な、何ですかいきなり頭触ってきて」

律「べぇっつにぃ~?」

澪「おい、二人とも。そろそろいい加減にしておけっ」

唯紬「はぁ~い」

純「おふぅ……」

72: 2010/10/13(水) 17:10:00.76 ID:KZdW7Dw9P
憂「純ちゃん……髪が凄い事になってる」

律「ぐちゃぐちゃだな」

純「うぅ……直したい」

紬「じゃぁ……私の番も終わりってことで、少し休憩にしましょうか」

律「そだなー」

唯「憂~、またお茶入れて~?」

憂「うん、分かったよ」

紬「あ、私も一緒にやるわ」

澪「なら私はお菓子出すよ」

梓「純、トイレ行こ。髪直すの手伝ってあげる」

純「うん、お願い~」

梓「わたしと純はちょっとトイレ行ってきます」

唯律「ほ~い」

純「ぁぅ」

梓「ほら、しっかり歩きなよ」

73: 2010/10/13(水) 17:14:00.56 ID:KZdW7Dw9P

唯「いやぁ~、純ちゃんのぽわぽわは良いね~♪ また後で触らせてもらおうっと」

澪「そろそろ嫌がられるんじゃないか?」

唯「そんなことないよ~」

律「なぁ……」

澪「どうした? 律」

律「アレ見てみ?」

唯澪「?」

憂「あ、そうやると良いんですね」

紬「ちょっとしたコツみたいなものね」

唯律澪「…………」

憂紬「♪~」

唯律澪「何ていう癒しオーラ……」

澪「見てるだけで癒されるな」

律「だな」

唯「うん」

74: 2010/10/13(水) 17:18:00.68 ID:KZdW7Dw9P
          トイレ!

純「うぅ……すごいことに……」

梓「ほら、じっとして」

純「さんきゅ……でも、梓はアレを毎日されてたのかぁ……」

梓「あそこまでされることは滅多にないけどね」

純「はぁ……死ぬかと思ったよ」

梓「そんな大袈裟な」

純「だってダブルだよ? ダブル」

梓「まぁね」

純「ふぅ……」

梓「…………」

純「…………」

梓「凄かった?」

純「凄かった」

梓「そっか」

75: 2010/10/13(水) 17:22:00.94 ID:KZdW7Dw9P
純「むしろ超凄かった」

梓「超……か」

純「うん、超……だね」

梓「そっか」

純「うん」

梓「…………」

純「ムギ先輩さ……スゴく良い匂いするよね」

梓「するね」

純「なんでだろ?」

梓「……お金持ちだから?」

純「俗っぽい理由だね」

梓「…………」

純「…………」

77: 2010/10/13(水) 17:26:10.07 ID:KZdW7Dw9P
梓「唯先輩ってあったかかったでしょ」

純「うん」

梓「憂が言ってること、ちょっと分かるよね」

純「可愛いって言ってたのも、ちょっと分かるよね」

梓「まぁね」

純「……素直だ」

梓「先輩達いないし」

純「捻くれ者」

梓「素直じゃないだけだよ」

純「自分で言っちゃうんだ」

梓「自覚……あるもん」

純「そっか」

梓「うん」

梓「…………」

純「…………」

78: 2010/10/13(水) 17:30:01.07 ID:KZdW7Dw9P
梓「あのさ……後輩がいるってどんな感じ?」

純「楽しいよ。時々生意気だし手も掛かるけど……楽しいよ」

梓「そう……」

純「…………」

梓「…………」

純「楽しくて仲の良い先輩が四人もいるってどんな感じ?」

梓「……楽しいよ。ダラダラしてばっかだけど……うん、楽しい」

純「そっか……」

梓「でも純にだって、ジャズ研に憧れてる先輩いるじゃん」

純「どっちが……とか、比べるのあたし嫌い」

梓「……ごめん」

純「いいよ」

梓「…………」

純「…………」

梓「……出来たよ」

79: 2010/10/13(水) 17:34:01.04 ID:KZdW7Dw9P
純「ん~……よしっ さんきゅ~」

梓「いえいえ」

純「んじゃ、戻ろっか」

梓「だね」

純「……楽しんでる?」

梓「いつもより……じゃなくて、いつもと違う楽しみがあるよ」

純「それはよかった」

梓「純は楽しい?」

純「もちろんっ」

梓「そか……よかった」

純「うっし! 澪先輩のターンまで頑張るぞぉ~」

梓「じゃぁ、次は律先輩ね」

純「むぅ」

梓「えへへ♪」

純「まったくもぅ……」

81: 2010/10/13(水) 17:38:01.17 ID:KZdW7Dw9P
          軽音部部室!

梓「ただいまです」

純「戻りました~」

唯「おかえり~」

律「冷めちゃうからお茶飲んじゃえ~」

憂「あ、お姉ちゃん、お菓子食べすぎだよ?」

紬「まだあるから大丈夫よ」

澪「それだけ食べて何で太らないんだ……」

純「……軽音部だなぁ」

梓「時々はさ……時々はこの光景に違和感を覚えることもあるんだよ?」

純「へぇ?」

梓「……信じてないでしょ」

純「うん」

梓「むぅ」

唯「二人とも早くこっち来なよ~」

84: 2010/10/13(水) 18:00:49.35 ID:KZdW7Dw9P
純梓「はぁ~い」

憂「二人とも……はい、どうぞ~」

紬「お茶とお菓子よ~♪」

純梓(……癒しオーラが凄い)

梓「ありがと、憂」

純「ありがとうございます、ムギ先輩」

律「次、誰行く~?」

梓「あ、次は律先輩でお願いします」

律「よし来た!」

純「…………」

律「どしたん?」

純「い、いえ……」

律「だ~いじょぶだって♪ あたしは頭触らせろなんて言わないから」

純「……よかった」

85: 2010/10/13(水) 18:04:52.46 ID:KZdW7Dw9P
唯「えぇ~? 勿体無いよ? りっちゃんっ」

紬「そうよ? 純ちゃんの髪、凄いんだからっ」

律「はいはい、わかったわかった」

唯紬「む~」

律「よっし! 純ちゃん早く来るんだ!」

純「あ、はい! すぐ行きます! ……ごくごくもぐもぐっ」

澪「……なぁ、梓」

梓「何ですか?」

澪「意外っていうと失礼だけど……純ちゃんって上下関係とかしっかりしてるんだな」

梓「はい。いい加減に見えて実はそうなんですよ」

憂「梓ちゃん……」

唯「二人とも? それはさすがに失礼だよ?」

紬「そうよ?」

梓澪「う」

梓澪(この二人に常識を諭されてしまった)

87: 2010/10/13(水) 18:10:00.64 ID:KZdW7Dw9P
唯「あんなに可愛いんだもんっ ちゃんとしてるよ!」

紬「うんうん!」

梓澪(可愛い関係ない!)

純「…………」

律「……うちの部の連中がスマン」

純「い、いえ……」

律「んじゃ、ちゃっちゃと始めるか~」

純「その前に……律先輩」

律「ん?」

純「さっき差し上げたあたしの感動を返してくださいっ」

律「まだ言うか!」

純「こーいうネタは引っ張った方が面白いかと♪」

律「うむ。見所あるな!」

梓澪(何で息が合ってるんだろ)

唯「それではスタ~ト~♪」

89: 2010/10/13(水) 18:15:01.23 ID:KZdW7Dw9P
律「共通の知り合いネタも音楽ネタも特にないけど……どうしよっか?」

純「音楽ネタも無し……ですか?」

澪「おい、軽音部部長」

梓「最低です」

律「冗談だよじょーだんっ」

純「そうだっ あたしに一つ話のネタがあります!」

律「お? なになに? 言ってみんさい?」

純「律先輩って、前髪下ろすとカッコいいって聞きましたけど……本当ですか?」

律「…………(ジ口リッ)」

澪「え? 私じゃないぞ? そもそも純ちゃんと私じゃ接点ないし」

律「…………(ジ口リッ)」

梓「…………(サッ)」

律「お前か!」

純「はい、梓に聞きました」

90: 2010/10/13(水) 18:20:01.35 ID:KZdW7Dw9P
梓「何でバラすの!?」

純「てか、バレるでしょ……普通」

律「あーずーさ~っ」

梓「そ、そもそも、わたしにそれを教えた澪先輩の責任かと!」

澪「私!? いやだってっ 泊まった時とかみんな見たじゃないか!」

律「みぃ~おぉ~」

澪「え? あ……ご、ごめんっ」

律「むぅ~」

純「それで、ですね……あたしも一回でいいから見てみたいなぁっておm」

律「やだ!」

唯「いいじゃん~。カッコ良いんだし一回くらい見せてあげれば~」

紬「うんうん! りっちゃんカッコ良いから大丈夫!」

律「やだったら嫌だっ!」

91: 2010/10/13(水) 18:25:01.09 ID:KZdW7Dw9P
憂「お姉ちゃん……前髪下ろした律さん、そんなにカッコいいの?」

唯「惚れるね!」

律「惚れねぇよ!」

紬「惚れるわね!」

律「ないっつーの!」

梓「どちらかと言えば惚れますね」

律「どちらかってどっちだ!」

澪「うんうん、惚れるな」

梓唯紬「…………じぃ~」

澪「え……あっ ちがっ!?」

律「澪ぉ~……乗せられんなよぉ……」

澪「ま、待て! 違う……こっち見るなぁ!」

憂「澪さん、顔が真っ赤に……」

律「あーもー……澪をあんまりからかうなよなぁって、うわぁっ!?」

純「じぃ~~~~~~~っ」

93: 2010/10/13(水) 18:30:01.37 ID:KZdW7Dw9P
律「ガン見するな!」

純「ここまで聞いたらぜひとも見せて欲しいです!」

律「やだったら……い・や・だ!」

純「そんなこと言わずに~」

律「うるさーい!」

唯「りっちゃんテレ屋さんだね~♪」

紬「うんうん、ホントに♪」

律「ちくしょぅ……」

純「律先輩~見せてくださいよ~」

律「えぇい! 袖を掴むな振り回すな!」

純「ここまで聞いて見られないなんて、気になって夜も眠れませんよ~」

律「昼寝しろ!」

梓「お返しに、純の髪解いたところ見せるって事にすればいいんじゃない?」

純「…………(ピタッ)」

95: 2010/10/13(水) 18:35:01.26 ID:KZdW7Dw9P
唯律澪紬「?」

憂「梓ちゃん、それは……」

梓「それならお相子でしょ?」

純「…………」

律「え? なにそれ?」

唯「なんでお相子なの?」

紬「純ちゃんが髪解くと……どうなるの?」

純「あ、あー……嫌がるのを無理にっていうのは、やっぱ駄目ですよね」

唯律澪紬「…………(じぃ~)」

純「り、律先輩、お喋りしましょうよお喋り♪」

唯律澪紬「…………(じぃ~)」

純「何でしたっけ……音楽におけるリズムセッションの重要性について、でしたっけ?」

唯律澪紬「…………(じぃ~)」

純「うぅ……」

梓「…………ぷっ」

97: 2010/10/13(水) 18:45:01.10 ID:KZdW7Dw9P
純「あーずーさ~っ!」

梓「だって、どっちも『見せたくない』ものでしょ? なら純もそれ相応のことをするべきだよ」

憂「あ、あははは……」

律「ふむ」

唯「なになに? 憂とあずにゃんは純ちゃんの秘密を知ってるの?」

梓「えぇ」

憂「うん……私も」

唯「いいなぁ~。わたしも純ちゃんの秘密知りたい~」

紬「私も私もっ」

澪(私も気になる)

純「駄目ですってば! いや、ホント……全然大したことじゃないですから!」

律「純ちゃん?」

≪スルリッ ぱさっ≫

律「これが御所望の『前髪を下ろした田井中律』でございます♪」

純「…………」

98: 2010/10/13(水) 18:50:01.10 ID:KZdW7Dw9P
唯澪紬「おぉ~」

憂「わっ カッコいい♪」

梓「まるで別人ですよね」

律「ふっふっふ♪ 今は何を言われても平気さ!」

純「…………」

梓「とにかく、こうなったら純も見せないとね~」

純「…………」

律「ささっ♪ 純ちゃんの髪を解いて見せて下さいな~♪」

唯紬「わくわく♪」

澪「…………(ちらっ ちらっ)」

憂「えっと、あの……」

純「は……ははっ いいよ……憂。うん、覚悟決める」

憂「純ちゃん!?」

純「その代わり、律先輩だけに見せます」

101: 2010/10/13(水) 19:00:58.40 ID:KZdW7Dw9P
律「よぉっし♪」

唯紬澪「えぇ~」

梓(澪先輩も見たかったのか)

純「ちょっと付いて来て下さい」

律「悪いな皆の衆ー♪」

≪テクテクテク ガチャッ パタンッ≫

唯「外に出ちゃったよぉ」

紬「あぁ~……気になる~」

澪「……まぁ、本人が律だけって言うんだし、しょうがないさ(ソワソワ)」

梓「ぷふっ」

憂「もぅっ 梓ちゃん?」

梓「う……からかったのは悪かったかもだけど、大丈夫だってば」

憂「でも、純ちゃん気にしてるでしょ?」

梓「わ、わたし達にも見せてるんだしさ……律先輩もそんな、からかったりとかしないって」

102: 2010/10/13(水) 19:05:03.87 ID:KZdW7Dw9P
憂「…………(じぃ~)」

梓「ごごごめんっ 悪乗りしすぎたよ」

憂「私じゃなくて、後で純ちゃんに謝ってね?」

梓「う、うん……」

唯紬「そろ~り……そろ~り……」

憂「あ、お姉ちゃん! 紬さん!」

≪タタタタッ ババッ!≫

憂「駄目だよ!」

唯「憂っ お願い! 気になって気になってしょうがないんだよ!」

紬「お叱りは後で受けるからっ」

憂「いくらお姉ちゃんと紬さんの頼みでも、これだけは駄目です!」

唯「アイス我慢するから~」

憂「お姉ちゃん……めっ!」

唯「うひぃ!?」

103: 2010/10/13(水) 19:10:00.94 ID:KZdW7Dw9P
紬「しょぼん……」

憂「そ、そんな顔しても駄目ですよ、紬さん……友情と引き換えにはできま……せんっ」

澪「…………(ちらっ ちらっ)」

梓「澪先輩、駄目ですよ……って、わたしが言えた義理じゃないですけど」

澪「わ、私は覗き見なんて趣味の悪いことしないぞ!?」

梓「でも駄目ですよ」

澪「ホントに……しないぞ?」

梓(何でこの人はこんなにバレバレなんだろう……)

唯「憂~」

紬「憂ちゃん~」

憂「うぅ……だ、駄目ったら駄目でs」

律『ぅおわぁぁぁっ!!?』

憂梓唯澪紬「っ!?」

104: 2010/10/13(水) 19:15:00.96 ID:KZdW7Dw9P
律『すごっ!? あ、じゃなくて……アレだ……えっとぉ』

唯澪紬「…………」

律『スマン! とととにかくスマン! 悪かったごめん!』

憂「純ちゃん……」

唯「い、一体何が……」

律『えっとえっとぉ……あ、そんな顔しないでくれ! あーもーホントごめん! って、逃げるなぁ!』

律『え? いやいやいや変じゃないっ 変じゃないぞ? ただちょっと凄いというか……あぁっ ごめん!』

律『ほ、ほら。もう直していいって! あ、じゃなくて手伝うから! え? うん、あたしがやってあげるからっ』

律『ちゃんと結ぶよ……うん、うん……いや、大丈夫。忘れるから……うん……調子に乗ってごめんな?』

律『こうやって……こうっと。ほら出来た! うんうん、可愛い可愛い! ……そ、そんなことないって、ホントホント!』

律『よし、もう平気か? 扉開けるぞ? 大丈夫だな? ……いや、ちゃんと結べてるって!』

律『じゃぁ、ホントに開けるぞ? 3……2……1……』

≪ガチャッ≫

律「ただいまぁ~」

純「うぅ……」

107: 2010/10/13(水) 19:20:01.15 ID:KZdW7Dw9P
唯紬「じぃ~……」

澪「…………(ちらっ ちらっ)」

律「お前達……何も言うな……何も聞くな……」

唯紬「気になる~」

律「しゃらぁっぷっ!」

唯澪紬「!?」

律「いいか? これは部長命令だ……な・に・も・き・く・な!」

唯澪紬「しょぼん……」

純「り、律先輩……」

律「いや、いい……何も言うな純ちゃん」

純「うぅ」

律「さぁ来いっ ちょっと頼りないがこのあたしの胸で泣くがいい!」

純「律先輩~」

110: 2010/10/13(水) 19:25:00.86 ID:KZdW7Dw9P
≪ガバッ ぎゅぅ~≫

律「可愛い後輩よ!」

純「先輩~」

律「お前の悲しみはあたしが受け止めてやる!」

純「うぅ……」

梓(何? この寸劇)

律「大丈夫だ……あたしだけはお前の味方d」

純「痛っ」

律「…………」

純「あ、すみません」

律「…………」

憂梓唯澪紬「…………」

純「えっと……」

律「…………」

唯「あ、胸か」

111: 2010/10/13(水) 19:30:01.48 ID:KZdW7Dw9P
梓「ぷっ」

律「中野っ!」

梓「は、はい!?」

律「ちょっとこっち来い!」

純「そうだよっ 元はといえば梓のせいでしょ!」

梓「そ、そうかなぁ」

律「とにかくこっち来なさい」

梓「えと……」

唯「じゃぁ、客席に戻ってお茶しながら眺めるとしましょうかね~」

澪「そうだな」

紬「あ、私お茶淹れるわね♪」

梓「……う、憂?」

憂「ごめんね? 今回ばかりはフォローは出来ないよ……」

梓「う」

112: 2010/10/13(水) 19:35:02.10 ID:KZdW7Dw9P
唯「憂~、おいで~」

憂「はぁ~い」

梓「…………」

律純「…………」

梓「えっと……」

律「何か言うことはあるか?」

純「聞くだけ聞いてあげる」

梓「……ご、ごめんなさい」

律純「許さん!」

梓「にゃぁっ!?」

≪ペチペチン ぐにゅぅ~≫

梓「ひゃめれくらはぃよぉ~っ」

律純「まだまだー!」

・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・

114: 2010/10/13(水) 19:40:01.33 ID:KZdW7Dw9P
律「ふぅ~……堪能した」

純「なんで梓のほっぺたってあんなに柔らかいの?」

梓「知らないよぉ~」

唯「お帰り~」

澪「なかなか壮絶な私刑だったな」

梓「まだ頬がグニグニしてるみたいです」

紬「はい梓ちゃん、お茶~」

梓「どもです」

憂「律さん、純ちゃん、はいどうぞ」

律「さんきゅ~」

純「ありがとー」

澪「にしても……良いオチがついたな」

梓「……ぷふっ」

律「梓……お前も懲りない奴だな……」

梓「す、すみません……ぷっ」

115: 2010/10/13(水) 19:45:01.32 ID:KZdW7Dw9P
律「むぅ」

紬「まぁまぁ♪」

唯「りっちゃん」

律「ん?」

唯「…………」

律「なんだよ?」

唯「……痛っ♪」

梓「ぶふっ」

律「くっ!」

憂「お、お姉ちゃん……」

律「ちくしょー!」

純「律先輩……そんなに悲しまないで下さいっ」

律「純ちゃん……優しいのは君だけだ!」

純「あたしでよければこの胸をお貸しします! 思いっきり泣いて下さいっ」

梓「あ、また始まった」

116: 2010/10/13(水) 20:01:40.53 ID:KZdW7Dw9P
律「純ちゃん……純っ!」

純「律先輩……律さん!」

≪ガバッ ぎゅぅ~≫

律「純ーっ!」

純「律さーんっ」

紬「…………(じぃ~)」

唯「ムギちゃん?」

憂「紬さん、どうしたんですか?」

紬「御気になさらずっ フンス!」

梓澪(あぁ……この二人でも『アリ』なのか)

律「うぅ、純~」

純「律さん……」

律「う~……って、ん? ちょっと待て……」

純「律先輩?」

澪「どうした? 律」

118: 2010/10/13(水) 20:05:01.11 ID:KZdW7Dw9P
梓「っていうか、いつまで抱き合ってるんですか」

紬「私的にはいつまででも!」

梓澪「いやいや」

律「いや、ちょっとな……え~っと……」

憂唯「?」

純「律先輩、どうしたんでs」

≪むにゅっ≫

純「…………」

律「あ、やっぱ結構ある」

憂梓唯澪紬「?」

≪むにむにっ もみもみ≫

純「…………」

律「むむむっ これは意外なほど!」

澪「おい」

憂梓紬「!?(ガッタンッ)」

119: 2010/10/13(水) 20:10:01.10 ID:KZdW7Dw9P
唯「?」

純「……っぃ……」

律「あ、すまん。つい」

純「っひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

≪バッ! ガタガタッ≫

律「……凄いジャンプ力だなぁ」

純「なーなななななにしてるんですかかか! りり律先輩!」

律「いやー……目の前に、予想もしてなかった立派なモノがあったもんで、つい」

純「つ、つい……って」

梓澪「何やっt」

憂「何やってるんですか!」

純梓唯律澪紬「っ!?」

憂「…………」

純梓唯律澪紬「…………」

唯「憂? なんでそんなに凄い勢いで反応してんの?」

121: 2010/10/13(水) 20:15:08.66 ID:KZdW7Dw9P
憂「え? あ……え、えっと……」

梓「っていうか、憂じゃなくても驚きますよ! 律先輩何やってんですかっ」

澪「そうだぞ!? いきなり純ちゃんのむ、む……ね、を……その、アレだ……」

律「えっと……あー、スマン。みんながそんな凄い反応するとは思わなくて?」

唯「憂もあずにゃんも澪ちゃんも落ち着きなよ~。そんなに大慌てするほどのことじゃないでしょ~?」

憂「わ、私は慌ててなんてないよ!」

梓「わたしだって普通ですよっ」

唯「えぇ~?」

律「澪もそんな騒ぐなって」

澪「騒いでない! というか、律がおかしいだろ、今のはっ」

律「そうか?」

唯「よくあることでしょ?」

憂梓澪「ないよ!?」

122: 2010/10/13(水) 20:20:01.14 ID:KZdW7Dw9P
純「あー、びっくりしたぁ」

律「あ、ごめんな。いきなり」

純「急に触るんですもん。驚きましたよ~」

律「わ~るいわるいっ」

純「いえ、別にいいですけど」

憂梓「いいの!?」

純「友達同士とかでよくやることじゃない」

憂梓「ないよ!」

純「あるよ?」

憂梓「……え?」

律「だよな」

唯「んだね~」

憂梓澪(私がおかしいの?)

律「で、ムギはどこまで逝っちゃったんだ?」

紬「…………(ほわ~ん)」

124: 2010/10/13(水) 20:25:01.26 ID:KZdW7Dw9P
唯「ムギちゃ~んっ」

紬「はっ!? ご、ごめんなさい。あまりのことに意識が……」

唯「お帰り~♪」

純「でもちょっと意外ですね。軽音部って、こう……スキンシップ過剰なイメージがあったんで」

律「あ~、それ……基本的に唯と梓だからなぁ」

唯「わたし達、仲良しだもんね~♪」

≪ガバッ ぎゅぅ~≫

梓「にゃっ!? や、やめてくらはいよぉ~」

純「……なるほど」

律「それにこーいうのってノリじゃん? 仲の良さもあるけどさ」

純「ですねー。梓にやったら、あたし殴られそうだし」

梓「当たり前だよ!」

憂「…………」

唯「憂? どしたの?」

憂「な、なんでもないよ!?」

126: 2010/10/13(水) 20:30:01.27 ID:KZdW7Dw9P
律「でも……ちくしょう~。純って結構あるなぁ(じぃ~)」

純「さ、さすがに凝視されるのは恥かしいんですけど」

憂梓澪(触られる方が恥かしいと思う)

唯「あ、身長も純ちゃんの方がちょっと高いんだね」

律「何!?」

純「そうですか? あんまり変わらないと思うんですけど……」

律「純ちゃん、ちょっとこっち来るんだっ 唯! 身長見てくれ!」

唯「ほいほーい」

純律「…………」

唯「ん~……やっぱ純ちゃんの方がちょこっとだけ高いね」

律「嘘だ!」

澪「いや、確かに律の方が低いな」

律「…………」

純「ま、まぁ……ほんの少しですし」

律「……うぅ」

128: 2010/10/13(水) 20:35:01.08 ID:KZdW7Dw9P
紬「りっちゃん?」

律「じ、純の裏切り者ー!」

純「えぇ~……」

唯「まぁまぁ、りっちゃん。あずにゃんがいるから、一番小さいってことはないでしょ~」

律「梓よりおっきくても嬉しくないやいっ」

梓「イラっときました」

純「でも実際、この中じゃ一番小さいでしょ?」

梓「う」

律「みんなみんな裏切り者だー!」

≪タッタッタッタッ ガチャッ バタンッ≫

純梓唯紬「…………」

憂「行っちゃった……」

澪「はぁ~……」

純「あ、あの……あたし何か悪いことしたような……」

澪「ん? あぁ、大丈夫だよ。ただの冗談だから」

129: 2010/10/13(水) 20:40:01.40 ID:KZdW7Dw9P
純「え……でも、走って行っちゃいましたよ」

澪「トイレに行っただけだよ」

純「え?」

澪「もう一通り楽しんだから、律の番は終わりってことだな」

純「そう……だったんですか……」

純憂(よく分かるなぁ)

唯紬「うふふ~♪」

澪「どうした? 二人とも」

唯「いやぁ~、さすが澪ちゃんだねぇ。りっちゃんのことよく分かってるよ~♪」

紬「そうねぇ~、そこまでりっちゃんのこと理解してるのは、やっぱり澪ちゃんだけよね~♪」

澪「ふぇ!? な、なんだよそれ!」

唯紬「さぁ?♪」

澪「うぅ……わ、私もトイレ!」

132: 2010/10/13(水) 20:43:56.90 ID:KZdW7Dw9P
唯「あ、わたしもちょっとトイレ行く~」

紬「私も~」

澪「付いて来るなぁ!」

≪テッテッテッ ガチャパタンッ≫

純憂「……行っちゃった」

梓「騒がしい先輩達でごめん」

純「アレだね……ほんっとに個性的な先輩達だよね」

梓「う、うん」

純「あんな先輩達と一緒なら、毎日楽しそうだ」

梓「でも練習とかあんましないよ?」

純「でも、楽しいんでしょ?」

梓「まぁ……ね」

純「ん~?」

梓「う……」

純憂「…………」

135: 2010/10/13(水) 21:00:05.55 ID:KZdW7Dw9P
梓「うん……凄い楽しい」

純「にひひ♪」

憂「ふふっ♪」

梓「っ! わ、わたしもトイレ!」

≪テテテテッ カチャッ ぱたんっ≫

純「おーおー、照れちゃってまぁ」

憂「もぅ、純ちゃん~?」

純「いいじゃんいいじゃん♪ 梓はさ、ちょっとくらい素直になった方がいいんだって」

憂「そうかもだけど」

純「こーいうのは慣れだよ、慣れ」

憂「そう……かな」

純「そそ♪」

憂「私にはちょっと難しいかも」

純「ほら、習うより慣れろって言うでしょ? つまりそーいうことだよ」

憂「慣れ……かぁ」

137: 2010/10/13(水) 21:04:01.04 ID:KZdW7Dw9P
純「憂も何かやりたいことがあったら、とりあえずやってみることだって」

憂「う~ん」

純「ミスったとしても、あたしも梓もいるしね……って、フォロー役は大抵憂に回しちゃってる気もするけど」

憂「そんなことないよ~。私なんて大したこと出来ないし……」

純「勉強も運動もトップクラスの子が何を言い出すのやら」

憂「でもさ? たとえ勉強とか運動が出来ても……それが何の役にも立たない時ってあると思うんだ」

純「そう? 例えば?」

憂「人間関係……とか」

純「あー、確かにねぇ。それに関して言えば、勉強も運動もあんまり関係ないね」

憂「でしょ?」

純「でも憂って人当たり良いじゃない。それとも……人間関係で困ってることあるの?」

憂「困ってるってわけじゃないんだけど……ね」

純「言い難いこと?」

憂「…………」

純「そか、んじゃ聞かない」

138: 2010/10/13(水) 21:08:08.15 ID:KZdW7Dw9P
憂「ごめんね?」

純「いいのいいの♪ 言いたくなったら言ってよ。あたしに出来ることだったら何でもするからさ」

憂「うん」

純「頑張れるうちは自分で頑張った方が良い時もあるだろうしっ」

憂「……じゃぁ、宿題のノートは次から見せてあげなくても平気だね♪」

純「ごめん、それは助けて」

憂「さぁ? どうしようかなぁ♪」

純「え、ちょ……憂?」

憂「みんなが戻ってくるまでにお茶、淹れておこうか」

純「わっ あ、そだ。手伝うよ、うん。手伝う!」

憂「でも、私一人でも淹れられるしなぁ」

純「んじゃ、教えてよ。あたしも美味しいお茶淹れてみたいし」

憂「それなら……うん、OKだよ♪」

純「よろしくお願いします、憂先生!」

憂「は~い♪」

139: 2010/10/13(水) 21:12:01.43 ID:KZdW7Dw9P
純「……で、宿題の件は考え直していただけませんか?」

憂「それはお茶の出来次第で」

純「よっし! 頑張るぞぉーっ」

憂「…………」

純「? どうしたの? 憂」

憂(習うより慣れろ……とりあえずやってみる……かぁ)

純「憂?」

憂「……よしっ」

≪きゅっ≫

純「へ? ど、どうしたの? いきなり手繋いできて」

憂「えへへ~♪ 純ちゃん? 慣れだよ、慣れ♪」

純「はぃ?」

憂「美味しいお茶淹れようね♪」

純「え? あ、うん……?」

憂「♪~」

140: 2010/10/13(水) 21:16:24.66 ID:KZdW7Dw9P
・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・

純「あ、あはは……」

憂「えへへ……」

純憂「…………」

純「さっき言ったこと、ちょっとだけ訂正する」

憂「うん」

純「慣れの前に習うこと覚えた方が良い場合もあるね」

憂「うん」

純「調子に乗って色々やるべきじゃなかったよ」

憂「基本って大事だね……」

純「これ……どうしようか」

憂「飲めたものじゃないしね……」

憂(舞い上がって失敗しちゃったよぉ~)

141: 2010/10/13(水) 21:20:01.20 ID:KZdW7Dw9P
唯紬「ただいまぁ~」

澪「もういきなり走り出したりするなよ?」

律「さっき謝ったじゃんかよー」

梓「おまたせ~……って、どうしたの? 二人とも」

純「お茶を淹れるのって大変だなぁ……って実感してたところ」

梓「純が淹れてたの?」

純「教えてもらいながらねー……失敗したけど」

梓「……どうすればお茶淹れるだけなのに失敗するの」

純「あたしはどうせ駄目な子ですよ!」

紬「それなら私が……」

純「あ、できればもう一回やらせてくれませんか?」

憂「それなら今度は、紬さんに教えてもらうと良いかも……」

純「えっと……憂、もう一回教えて?」

憂「でも紬さんの方が淹れ方上手だよ?」

純「あたしは『憂のお茶の淹れ方』が知りたいんだよ」

143: 2010/10/13(水) 21:23:01.23 ID:KZdW7Dw9P
憂「…………」

純「お願い!」

憂「私は……構わないけど」

紬「うん、それならそこにあるお茶の葉、好きなだけ使っていいわよ♪」

純「やた♪ ありがとうございます!」

憂「すみません……ありがとうございます」

紬「いえいえ♪」

律「……どうみるね、皆の衆」

唯「何だか妙な感じですな……りっちゃん隊員」

澪「? 何がだ?」

唯律「…………はぁ」

澪「何で溜め息つくんだよ」

唯律「べぇっつにぃ~」

澪「?」

144: 2010/10/13(水) 21:26:01.58 ID:KZdW7Dw9P
梓「…………」

紬「あ、そうだ……梓ちゃんも一緒にお茶のお勉強してきたら?」

梓「わたしは別に……」

梓(ちょっと混ざりづらいし雰囲気っぽいし……)

純「お、そうだよ。梓おいで~」

憂「うん、梓ちゃんも一緒に淹れようよー」

梓「え……んと……」

純「二年生トリオでお茶淹れて、先輩達に振舞おうよ」

憂「うんうん♪」

紬「わ♪ いいわね、それ~」

律「梓にちゃんと淹れられるのか~?」

梓「わたしはっ 別に……」

唯「♪~」

梓「な、なんですか」

唯「ん? なんでもないよぉ?」

146: 2010/10/13(水) 21:29:01.75 ID:KZdW7Dw9P
梓「…………」

梓(素直……か……)

純「ほれほれ梓っ はーやくー」

憂「梓ちゃ~ん」

梓「うん、わかった」

律「へぇ~」

梓「別に律先輩に乗せられたからじゃありませんよ? わたしが純たちと一緒にお茶を淹れたいから淹れるんです」

律「わーってるよぉ」

唯紬「♪~」

澪「期待してるよ」

梓「はいっ 美味しいお茶を淹れてみせます!」

純「おぉ、梓がやる気だ」

憂「その意気だよ、梓ちゃんっ」

梓「ところで純ってお茶淹れられるの?」

純「馬鹿にしないでよ。憂に教えてもらうから大丈夫だよ」

147: 2010/10/13(水) 21:33:01.42 ID:KZdW7Dw9P
梓「……それ、馬鹿にしてくれって言ってない?」

純「なんでよ」

憂「まぁまぁ、二人とも」

律「こりゃぁ、楽しみだ♪」

唯「うんうん♪」

澪「そうだな」

紬「…………(ぽぉ~)」

律「すでに楽しんでる奴が役一名いるが……」

紬(今日は良い日だわ~♪)

純「よし……じゃぁ、頑張るかぁ!」

憂梓「おー!」

・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・

151: 2010/10/13(水) 22:00:04.07 ID:KZdW7Dw9P
純「と、意気込んでみたんですが」

憂「なんというか……」

梓「もの凄く普通の味になりました」

唯「不味くはないけど……」

律「別に美味しくもない味だな」

澪「ものすごく普通の味だ」

紬「香りも飛んじゃってるわね」

純「これ絶対あたしのせいだよぉ~……お茶の葉を浸す時間、間違えたっ」

梓「わたしもお湯の温度が高すぎたかも……」

憂「最初はしょうがないよ。次、頑張ろうよ」

純「漫画とかだとさ? こーいう時は上手くいくんだよねぇ」

梓「現実は厳しいね……」

純梓「……はぁ」

152: 2010/10/13(水) 22:04:01.34 ID:KZdW7Dw9P
律「まぁ、いいんじゃないか? 後輩が淹れてくれたってことで、思い出補正かかるかもしれないし」

純梓「うぅ……」

唯「それにさ? 普通の味があるから美味しい味が引き立つんだしっ」

純梓「ぅぐっ」

澪「唯……それ、とどめ刺してる」

唯「ふぇ?」

紬「とにかく、お茶にしましょう? 梓ちゃん達も座って座って」

純憂梓「はい~」

律「いいじゃんかよぉ、お茶くらい。憂ちゃんが言ったように、次頑張れ、次!」

唯「それに純ちゃんは、次はとうとう憧れの澪ちゃんとのトークタイムだよぉ?」

澪「う」

純「そうだった! 鏡っ 鏡っと! ねぇ梓、髪とか変じゃない?」

梓「……切り替え早いね」

純「当然だよ! なんと言っても澪先輩だもんっ 憧れの人だからね!」

153: 2010/10/13(水) 22:08:17.07 ID:KZdW7Dw9P
澪「そ、そんなに意気込まなくても……」

純「どう? 憂。あたしちゃんとしてる!?」

憂「大丈夫だよ♪」

澪「うぅ……」

律「澪が緊張してどうするんだよ」

澪「だ、だってぇ~」

純「ごくごくごくごくっ ……ふはぁっ」

梓「早っ!」

純「準備OKです! よろしくお願いします、澪先輩!」

澪「あ、あぁ……よろしく……」

律「こらこら、制服の裾掴むんじゃない……」

唯紬「それじゃぁ、スタート~♪」

梓「……うちってホント、グダグダだ」

憂「あ、あはは……」

154: 2010/10/13(水) 22:12:01.76 ID:KZdW7Dw9P
純「鈴木純です! お願いします!」

澪「あ、あぁ……えっと、秋山澪……だ。よろしく」

純「はい!」

澪「…………」

純「こうやって澪先輩とお喋りできるなんて感激です!」

澪「っ! そ、そうか……あはは……それはよかったよ」

純「はい!」

澪「えっと……純……ちゃんも、ベース弾いてるんだっけ」

純「はいっ まだまだ上手じゃありませんけど、頑張って練習してます!」

澪「そうなんだ……えと……頑張ってな」

純「はははい! ……梓、聞いた!? 澪先輩に『頑張れ』って言ってもらえたよ!」

梓「あ~、うん。そだね……よかったね」

純「どーしよっ めちゃくちゃ嬉しい!」

憂「よかったね、純ちゃん♪」

純「うん!」

155: 2010/10/13(水) 22:16:19.87 ID:KZdW7Dw9P
律「……何かあたしらの時とテンション違いすぎね?」

唯「贔屓だね。差別だね」

紬「まぁまぁ♪ 純ちゃんにとって、澪ちゃんはそれくらい憧れの人ってことなんじゃないかしら」

唯律「ぶーぶー」

純「そうだ! 質問していいですか!?」

澪「ぅ……そ、そんなに大きな声……出さなくても……」

純「あ、すみません。こうやって澪先輩とお喋りできるのが嬉しくて……」

澪「ぃゃ、こっちこそごめん。で、質問って……なんだ?」

純「えっとですね……澪先輩がベースを弾き始めたきっかけって何ですか?」

澪「き、きっかけか……えっと……」

純「…………(わくわく)」

澪(うぅ……凝視されてる。答えずらい~)

澪「えと、きっかけは……」

律「かぁぁぁぁっと!」

純憂梓澪紬「!?」

157: 2010/10/13(水) 22:20:02.59 ID:KZdW7Dw9P
唯「どしたの? りっちゃん」

澪「急に大声出してどうしたんだ? 律」

律「……つまらん」

純梓澪「え?」

律「話題が普通すぎてつまらない!」

純憂梓澪紬「…………」

唯「だよね~。わたしもそれは思ったよ~」

純(えぇ~……音楽関係の話だったのに)

律「というわけでもっと面白いネタを要求する!」

唯「賛成~♪」

純憂梓澪「…………」

紬「で、でもほら……音楽関係の話もたまには」

梓「たまにはって……」

純憂(『たまには』って言っちゃった)

158: 2010/10/13(水) 22:24:01.76 ID:KZdW7Dw9P
澪「わ、私はこのままでも別に……」

律「なぁ~に言ってんだよ、澪」

唯「澪ちゃんの話する時には、絶好のネタがあるじゃない♪」

澪「おい、ちょっと待て……まさか……」

唯「ねね? 純ちゃん。澪ちゃんに憧れてるんだよね?」

純「はい。そうですけど……」

律「ならば……澪ファンクラブの会員証を見せるんだ! ナンバーいくつくらいだ?」

澪「うぅ……」

唯「待ってりっちゃんっ みんなで当てようよ!」

律「おぉ、そうかっ そりゃぁいい!」

梓「あ、でも」

憂「たしか純ちゃんって……」

純「あたしファンクラブ入ってませんよ?」

唯律澪紬「…………え?」

159: 2010/10/13(水) 22:28:01.49 ID:KZdW7Dw9P
純「あたしは澪先輩のファンクラブに入ってませんよ」

梓「だよね、そう言ってたもんね」

純「うん」

唯「な、なぜに……」

純「え? いえ……え?」

律「さては澪に憧れてるっていうのは嘘だな! ちくしょーっ 騙された!」

純「えぇ~……」

梓「何でそこまで……」

唯「だってこれじゃぁ、恥ずかしがってる澪ちゃんが見られないよ!?」

律「そうだそうだっ ヘコんでる澪が見られないじゃないか!」

純憂梓紬「…………」

澪「お、お前らなぁ……」

憂(……お姉ちゃん)

梓(清々しいまでに最低だ)

160: 2010/10/13(水) 22:32:01.64 ID:KZdW7Dw9P
律「理由を! せめて理由を言うんだ、純っ」

唯「そうじゃなければ我々は納得出来ないー!」

澪「二人とも……いい加減にぃ……」

≪スタスタスタ≫

澪「しろっ!」

≪ゴツンッ!≫

律「い゛だぁーっ!?」

純憂「!?」

唯「ぁぅ……」

澪「ふんっ」

律「うぅ……やっぱり、あたしだけなんだな……(ガクリッ)」

純憂「…………」

梓「あ、いつものことだからスルーしていいよ、二人とも」

純「そう……なんだ……」

憂「う……うん」

161: 2010/10/13(水) 22:36:01.86 ID:KZdW7Dw9P
紬「でも、唯ちゃんとりっちゃんじゃないけど、どうしてファンクラブに入らなかったの?」

梓「それはわたしも思う。なんで入んなかったの? 純」

純「だってあのファンクラブって、音楽は関係ないでしょ?」

梓唯律澪紬「…………」

憂「たしかにそうだね」

純「澪先輩が綺麗でカッコよくて、でもちょっと可愛いところがあるとか……そーいうのが好きな人が集まってるみたいじゃない?」

憂「うんうん」

純「別にそれが悪いってんじゃないよ? でも、あたしは『ベーシスト秋山澪先輩』に憧れてるんであって」

憂「だから音楽関係の話が出てこないファンクラブには入らなかった?」

純「うん。そーいうこと」

梓唯律澪紬「…………」

憂「純ちゃんらしいね♪」

純「それは、褒めてるの?」

憂「もちろんっ」

純「んじゃ、ありがと♪」

163: 2010/10/13(水) 23:02:10.50 ID:KZdW7Dw9P
憂「いえいえ♪」

梓唯律澪紬「…………」

純「あ、あれ? どうしたんですか? みなさん」

憂「みんな止まっちゃってるね」

梓唯律澪紬「…………」

唯「……純ちゃん、真面目さんだ」

律「純は真面目だな」

紬「純ちゃんは真面目さんね」

純「え?」

梓「……純?」

純「なに?」

梓「お前は誰だ!?」

純「……へ?」

梓「純の偽者だな!? 正体現せ!」

純「何言ってんのさ、この子は」

164: 2010/10/13(水) 23:05:01.98 ID:KZdW7Dw9P
梓「だ、だって……あれ? 本物? でもほら、純とわたしってこーいう……音楽の真面目な話? したことないよ!?」

純「部活も違うし楽器も違うし、しょーがないじゃない」

梓「そう、だけど……でもほら……音楽の話っていうなら、してもおかしくなくない?」

純「休み時間でも遊ぶ時でも、憂が一緒の時がほとんどでしょ? 二人で真面目に音楽の話したら、憂が仲間外れになるでしょーが」

憂「私のことなら気を使わないでもいいのに」

純「甘いよ、憂。この手の話は、好きな者同士が始めると止まらなくなるんだよ」

憂「そ、そうなんだ」

梓「…………」

憂「梓ちゃん?」

純「どしたの? 梓」

梓「や……別に……」

憂「?」

純(まったくこの子は)

純「あーずさ?」

梓「なに?」

165: 2010/10/13(水) 23:07:07.78 ID:KZdW7Dw9P
純「今度、その手の話しようよ」

憂「……うんっ 私もその時までに勉強しておくよ!」

純「そこまでしなくても」

憂「うぅん。頑張る!」

純「そっか♪」

梓「えと……」

純憂「ん?♪」

梓「うん、そのうち……」

憂「うん♪」

純「その時は、寝かさないよ?」

憂「一晩中!?」

純「それくらい楽勝だよ」

梓「まぁね」

憂「…………」

166: 2010/10/13(水) 23:10:07.96 ID:KZdW7Dw9P
純「にひひ♪ 勉強頑張ってね♪」

憂「う、うん……」

梓「えへへっ♪」

唯紬「…………(ぽぉ~)」

律「?」

唯紬(三人とも可愛い~♪)

律「……お前ら、切り替え早いな」

純憂梓唯紬「♪~」

律「はぁ~……っと、澪。そろそろ戻ってこい」

澪「………ょ…」

律「ん?」

澪「律……ちょっと」

律「へ?」

澪「いいからちょっと来て」

168: 2010/10/13(水) 23:12:01.95 ID:KZdW7Dw9P
律「え? あれ? 澪さん?」

≪ガシッ テクテクテク カチャパタンッ≫

純憂梓唯紬「…………」

純「……出て行っちゃった」

憂「どうしたんだろう?」

唯「だいじょぶだいじょぶ~♪」

紬「すぐ戻ってくるわよ♪」

憂「で、でも」

梓「ん~、多分あれは大丈夫だよ」

純「ひょっとしてあたし、何かやらかしちゃったんじゃ……澪先輩とお喋りしてたのに、二人と盛り上がっちゃったり……」

梓「だから大丈夫だってば……よく分からないところで心配性だね、純」

純「だって澪先輩のことだしっ」

唯「憂も純ちゃんも気にしすぎだよ~」

紬「ほら、二人とも……耳を澄ましてみて?」

純憂「?」

169: 2010/10/13(水) 23:14:08.63 ID:KZdW7Dw9P
澪『どうしよう律っ』

律『何のことd』

澪『ベーシスト秋山澪のこと尊敬してるって!』

律『そこかよ! そこから大分話進んだぞ!』

澪『ベーシストって! 私のことベーシストって言ってくれた!』

律『お前ベース弾いてるじゃんか……見れば分かるだろ』

澪『だって今までそんなこと言ってくれる人いなかった!』

律『いや……まぁ、そうかもだk』

澪『どうしよう! 純ちゃん良い子だ! すごく良い子だよ! 律ぅっ!』

律『わっ ちょ、待てっ ぅわ!? 肩持ってガクガクするなっ 目が回る!』

澪『どうしようっ どうしたらいい!? どうやって接したらいいか分からないよ!』

律『ぐ……ぅぁ……ま……お、落ち着け……み……お! 目が……ま、回るぅ……』

純憂「…………」

唯「澪ちゃんだよねぇ~♪」

紬「澪ちゃんよね~♪」

170: 2010/10/13(水) 23:16:06.52 ID:KZdW7Dw9P
澪『何を話したらいい!? あ、さっき律のこと殴ったの見られちゃったかなぁ!?』

律『そ、そりゃぁ……見ら…れた……だろぉ……よ』

澪『いつもの癖でついやっちゃったけど、恥ずかしい! 何て言い訳したらいい!?』

律『お前……あ……たしの……心配……は……ないの……か……ぅぷっ』

澪『ごめん!』

律『ぅぐ……素直…だ……な』

澪『だから助けて!』

律『わ、わかった……から……とりあえ……ず……落ち着け……手……離せ……』

澪『うん!』

律『ふぅ~……あー気持ち悪ぅ~』

澪『で、どうしよう!?』

律『まず落ち着けって』

澪『無理!』

純「これ、あたしは聞かない方がいいんじゃないですか?」

唯「えぇ~? これが良いんじゃない♪」

172: 2010/10/13(水) 23:18:01.82 ID:KZdW7Dw9P
律『とにかくっ まず深呼吸しろ』

澪『うん! すー! はー! すー! はー!』

律『落ち着いたか?』

澪『無理!』

律『んじゃ、もっかい深呼吸』

澪『すー……はー……す~……は~……』

律『落ち着いたな?』

澪『な、なんとか……で? どうしたらいい?』

律『普段通りでいいって。変に着飾るな。困ったらフォロー入れてやるから』

澪『でもほら、先輩らしいところとか見せた方が……』

律『いらん! いいか、澪…………あたしを信じろ』

澪『う、うん!』

律『大丈夫、澪は普段のままで十分だから』

澪『うん、分かった。律の言う通りにするっ』

律『よし!』

173: 2010/10/13(水) 23:19:21.27 ID:KZdW7Dw9P
純「今思ったんですけど、律先輩が話の方向変えようとしたのって……」

紬「あ、分かった? その通~りっ 澪ちゃんが緊張してたからね♪」

唯「いやぁ~、愛し合ってるね~♪」

憂「そうだったんだ」

梓「律先輩本人の性格もあるんだろうけどね」

唯「……いいか、澪…………あたしを信じろ! ……だって~♪」

紬「うん、分かった。律の言う通りにするっ ……だって~♪」

唯「夫婦だね~♪」

紬「夫婦よね~♪」

純梓(この人たちは……)

律『んじゃ、戻るぞ?』

澪『うんっ』

≪カチャッ≫

澪「急にゴメン、みんな。おまたせ(キラキラ~ シャラ~ン☆)」

梓唯「ぶふぅっ!?」

174: 2010/10/13(水) 23:21:31.59 ID:KZdW7Dw9P
紬「おかえり~」

憂(カッコ良さが5割増し!?)

純「…………」

唯「ぷっ ……くくっ お、おかえ……り……ぶふっ!(プルプル)」

梓「お、おかっ えりな……さい……ぷふっ(プルプル)」

律「や~、すまん。んじゃ、澪と純ちゃんのお喋り再開といくかー」

≪ススッ ストッ≫

澪「ゴメンな? 純ちゃん。話の途中で出て行っちゃって(キラキラ~)」

純「…………」

唯「動きが……いちい…ち……芝居……がかって……ぶっ(プルプル)」

梓「か、かっこ……いいん……だか……おかし……んだか……ぷっ(プルプル)」

律「お前らもっと小声でな?」

紬「お疲れ様、りっちゃん」

律「ま、いつものことだって」

180: 2010/10/14(木) 00:01:19.36 ID:u4ZclIC9P
梓唯「ぷっ ……く、くる……し…い……ぷぷっ(プルプル)」

憂「お姉ちゃん……梓ちゃん……」

律「……そろそろいい加減にしとけよ?」

唯「だって……普…通……に…しろ……て……(プルプル)」

梓「あれが……ふ、普通……って……(プルプル)」

律「あーいう場合……普通にしろって言って、それで丁度良いくらいのカッコつけになるんだよ。あいつは」

純「…………」

澪「ん? どうしたんだ? 純ちゃん」

憂「あれ? 何だか純ちゃんの様子もおかしいよ?」

純「…………」

澪「純ちゃん?」

純「…………」

憂梓唯律紬「?」

純「……はいぃ~……何でしょうかぁ~♪ (ぽぉ~)」

憂梓唯律紬(効果は抜群だ!)

181: 2010/10/14(木) 00:03:32.22 ID:KZdW7Dw9P
澪「あはは、何だ。緊張してるのか?」

純「しゅ……すみません~……あ、いえ……そのぉ……(ぽぉ~)」

澪「そんなに畏まらないでいいんだぞ? 純……っと、すまない、純ちゃん」

純「いえ~……呼び捨てで構いませんですぅ~♪ (ぽぉ~)」

澪「そうか? ありがとう、純」

純「っ! ぅぅ……」

澪「ははっ 純は可愛いなぁ」

≪ナデナデ≫

純「ぅっ ぅぅ~……(カァ~)」

梓「……誰ですか、アレ」

律「しまった……ちょっと手加減間違えたか」

唯「澪お姉様って感じだね」

梓「それに、純のあんな表情……見たことない。顔真っ赤だし」

憂「私もない」

紬(こ、これが宝塚!?)

182: 2010/10/14(木) 00:07:01.75 ID:u4ZclIC9P
澪「純、そんなに俯かないでくれ」

純「ぇと……そのぉ……」

≪スッ ツイッ≫

純「あ」

澪「ふふっ これで純の顔がよく見える……純の頬は何でこんなに熱いんだろうな?」

純「ぁ……ぅ……あの……澪先……輩……」

澪「『先輩』はいらないな」

純「ぇ……えと……澪…………さん」

澪「ん?」

純「澪さん……」

澪「あぁ……純」

純澪「…………」

梓唯紬「…………(ゴクリッ)」

憂「…………」

律(この寸劇、どこまで行くんだ?)

183: 2010/10/14(木) 00:10:01.80 ID:u4ZclIC9P
純澪「…………」

唯紬(行け! そこだ! 残り5cm!)

梓(え? ちょ、これ……するの!? 何これ!? 何で!?)

憂「……ぅ……ぅぅ……」

律「…………」

澪「純」

純「澪……さん……」

唯紬(これはいく! いけっ いけーっ!)

梓(え? え? わ、ちょ……わーっ わー!?)

澪「…………」

純「…………」

梓唯紬「…………(ゴックンッ)」

憂「……ぁ……ぅ~……」

純澪「…………」

梓唯紬(いったか!?)

184: 2010/10/14(木) 00:12:02.08 ID:u4ZclIC9P
憂「駄目ぇーっ!!」

純梓唯澪紬「っ!?」

純「…………」

梓「…………」

唯「…………」

澪「…………」

紬「…………」

憂「…………あ」

律「ふぅ~……はい、そこまで~」

純「……はっ」

澪「……え? ……ぅわっ!?」

律「いやいや、いまさらだろ」

純「わっ わ! ごーごごごごめんなさい!」

澪「えっ!? あ……こ、こここっちこそゴメン!」

律「とーりあえず、お茶飲んで一服しろ…………全員な」

186: 2010/10/14(木) 00:14:01.91 ID:u4ZclIC9P
純憂梓唯澪紬「…………」

律「……ズズ~ッ」

純憂梓澪(き、気まずい)

唯紬(もうちょっとっ もうちょっとだったのに~!)

律「あ~……とりあえず、澪と純」

澪「っ! な、何だ?」

純「ひゃ、ひゃい!」

律「調子乗りすぎ」

澪「うぅ」

純「はいぃ~」

律「んで、憂ちゃん」

憂「は、はい!?」

律「ぐっじょぶ! と言っておこう」

憂「あ、ありがとうございますぅ」

187: 2010/10/14(木) 00:16:01.88 ID:u4ZclIC9P
唯「ぐっじょぶ! じゃないよぅ~」

紬「うんうんっ」

律「唯とムギ……お前らは自重しろ」

唯紬「ぶーぶー」

律「異論は認めません」

唯紬「しょぼん」

律「最後に梓」

梓「な、何ですか」

律「特になし!」

梓「…………」

律「しいて言うなら、生唾飲み込む時はもっと静かにな?」

梓唯紬「う」

律「ま、この雰囲気でお喋りもないだろうから、澪のターンは終了でいいな?」

澪「うん……ゴメンな? 純」

純「い、いえ……あたしの方こそすみませんでした」

188: 2010/10/14(木) 00:19:01.80 ID:u4ZclIC9P
紬「いえいえっ 大変良いモノを見せて貰いました!」

唯「うんうん! そのとーりです!」

純澪「うぅ」

律「自重!」

唯紬「しょぼん」

純「あ」

憂「どうしたの? 純ちゃん」

純「え~っと……」

梓「らしくないね。言っちゃいなよ」

唯律澪紬「?」

純「いやぁ、実は……澪先輩にベース教えて欲しかったんだよね」

憂「憧れの人だもんね♪」

梓「……どうでしょう? 澪先輩」

律「澪の番はあんな感じに終わっちゃったからな。いいんじゃないか?」

澪「あぁ、それくらいなら構わないぞ」

189: 2010/10/14(木) 00:21:01.91 ID:u4ZclIC9P
純「いいんですか!?」

澪「あぁ」

純「やったぁっ!」

唯「あ、それならさ……みんなで演奏しない?」

紬「わ♪ それいいわね♪」

律「おぉっ いいな、それ」

澪「あ、でも、憂ちゃんはどうする?」

梓「そっか……憂はどうする?」

憂「私は観客ってことで♪」

純「何言ってんのさ。オルガンがあるじゃない」

憂「でも……」

唯「だいじょぶだいじょぶ♪ てきとーに合わせてれば何とかなるってば♪」

澪「てきとーって……」

紬「オルガンなら私も分かるし、簡単なことなら教えられるかな」

律「んじゃ、憂ちゃんのことはムギに任せようっ」

190: 2010/10/14(木) 00:23:02.02 ID:u4ZclIC9P
紬「はぁい♪」

憂「お願いします」

純「律先輩、譜面ありますか?」

律「おうっ とりあえず簡単なやつを合わせてみるか」

唯「あずにゃんあずにゃんっ」

梓「何ですか?」

唯「何かいいねっ こーいうの♪」

梓「…………(ちらっ)」

純「…………(にこっ)」

唯「あずにゃん?」

梓「……はい。いいですねっ こーいうの!」

唯「だよねー♪」

憂「ふふっ♪」

純「あははっ」

梓「えへへ♪」

194: 2010/10/14(木) 01:00:04.13 ID:u4ZclIC9P
律「こら~、笑ってないで準備して練習しようぜー」

澪「活動中に、普段からこれくらいやる気出してくれてれば……」

紬「憂ちゃ~ん、こっち来て~」

憂「は~い」

唯「それじゃ、あずにゃん。頑張ろうかっ」

梓「はいっ」

純「澪先輩! よろしくお願いします!」

澪「あぁ、任せろっ」

律「なら、あたしはちょっかい出す係りっと」

澪「お前もちゃんとやるんだよっ」

≪ゴンッ≫

律「いてー!?」

唯「あはははっ」

律「これなら緊張しまくってる方がよかった……」

195: 2010/10/14(木) 01:02:02.07 ID:u4ZclIC9P
唯「それじゃぁ、みんな……頑張ろ~♪」

律「おうっ」

澪「あぁ」

紬「えぇ♪」

梓「はいっ」

憂「うん♪」

純「はーいっ」

唯「…………」

梓「見事なくらいバラバラですね」

律澪紬「うん」

純憂「だね」

唯「あ、微妙に揃った」

純憂梓唯律澪紬「…………」

196: 2010/10/14(木) 01:04:02.67 ID:u4ZclIC9P
律「あ」

憂梓唯紬「?」

律「ふっふっふっ ここは部長に任せなさい!」

澪「何言うか分かった」

純「多分、あたしもです」

律「んじゃ、一緒に言うかっ」

純「OKです!」

澪「えぇ~」

唯「んじゃ、部長っ お願いします!」

律「おっし、いくぞー?」

憂梓唯紬「うんうん」

純律「……ふぁいとー!」

唯「あ、それなら確かに揃いそうだね~」

梓「日本人なら大抵揃いそうですしね」

純律「…………」

197: 2010/10/14(木) 01:06:02.30 ID:u4ZclIC9P
唯「あ、ごめん」

梓「もう一回どうぞ」

純律「ふぁいと~!」

澪「私は言わないぞ」

梓「ホントにもう一回言うんだ」

純「なにそれ!?」

律「合わせろよお前ら!」

唯「もういいから始めようよ、時間もったいない」

純梓「唯先輩がそれを言うんですか!?」

憂「あ、あはは……」

紬「それじゃ、憂ちゃん。練習しようか♪」

憂「は、はいっ」

梓「唯先輩、始めますよ」

唯「ほ~い」

純律「…………」

198: 2010/10/14(木) 01:08:07.67 ID:u4ZclIC9P
律「純……酷いだろ? こいつら」

純「ですね」

澪「じゃぁ、始めるか、純」

純「はい! 澪先輩お願いします!」

律「…………」

梓唯「♪~」

憂紬「♪~」

純澪「♪~」

律「え、なにこれ? 酷すぎない?」

澪「……冗談だよ。律はこっち来い」

純「律先輩、一緒にやりましょう」

律「やたっ♪」

澪「まったく……あ、そうだ」

純「どうしたんですか?」

澪「純、ちょっと後ろ向いてくれるか?」

199: 2010/10/14(木) 01:13:01.80 ID:u4ZclIC9P
純「? はい、分かりました」

澪「いや、実は一度やってみたかったんだ(モフモフ)」

純「え」

律「あたしもあたしもっ」

純「…………」

澪「おぉ、ホントに気持ち良いな(モフモフ)」

律「あ、ホントだ(モフモフ)」

純「あの……そろそろ始めませんか?」

律澪「もうちょっとだけ! (モフモフ)」

唯「あ、ずる~いっ わたしも~」

紬「わ、私も私もっ」

純「えぇ~……」

唯律澪紬「モフモフ♪」

純「なに? この儀式」

梓「シュールだ」

200: 2010/10/14(木) 01:16:02.36 ID:u4ZclIC9P
憂「…………」

梓「どうしたの? 憂」

憂「よしっ」

梓「へ?」

憂「も、もふもふ」

純「憂……」

憂「えへへ~♪ やっぱり気持ちいい~♪」

唯「だよね~♪」

憂唯律澪紬「モフモフ♪」

梓「……よしっ」

純「あの……そろそろ……」

梓「もふもふ!」

純「梓まで!?」

201: 2010/10/14(木) 01:18:10.30 ID:u4ZclIC9P
梓「あ、やっぱ気持ちいいね」

純「真顔で言われても困るよ」

憂梓唯律澪紬「モフモフ♪」

純「……うぅ~」

憂梓唯律澪紬「モフモフ♪ モフモフ♪」

純「もう止めて下さいよ~!」

憂梓唯律澪紬「モフモフ♪ モフモフ♪ モフモフ♪」

純「誰か助けて~」

憂梓唯律澪紬「モフモフ♪ モフモフ♪ モフモフ♪ モフモフ♪」





                         おしまい!


203: 2010/10/14(木) 01:21:36.05
わちゃんかわいいよわちゃん

おつ!!

204: 2010/10/14(木) 01:22:16.15
純ちゃん可愛かった。

205: 2010/10/14(木) 01:29:14.67
おつ乙
オレも純ちゃんの髪モフモフしたい

引用元: 梓「純の髪ってモフモフしてて触り心地良いよね」