1: 2011/09/04(日) 19:33:33.63 ID:Qc+V5CQH0
突然ですが、私の妹、平沢ういがひょんなことからサトラレになりました

ガチャ

憂「おねぇちゃ~ん朝だよ~~」

唯「んぁあ・・・あと・・・g、・・ふ・・・n・・・・」

憂「だめだよぉ、ちゃんと起きないと」

唯「ううん・・・ギ~太ァあ・・・」ゴロン

憂「あ、ちょっと」

憂『うっひゃあああああああパジャマがっ!!パジャマめくれておねぇちゃんのおなかがあああああああああ』

唯「あ、目覚めた。うん、今すっごい覚めたよ!!むしろなんかあれだもんね、覚醒っていうか」バッ

憂「・・・よかった!じゃあ、もう朝ごはんだから早く下に降りてきてね」ニコリ

唯「あはは・・・う、うん。すぐに行くよ、ういぃ・・・」

憂「えへへ」スタスタスタ 

バタン

3: 2011/09/04(日) 19:40:18.71 ID:Qc+V5CQH0
唯「・・・・ふぅ」

憂『今日のおねぇちゃん、テラキュート☆』キュン

唯「」ビクッ

唯「はぁ・・・」

もう一度言います

突然ですが、私の妹、平沢ういがひょんなことからサトラレになりました

唯「きがえよ・・・」ガサゴソ

本人は、そのことを知りません

唯「あれ・・・たしかここに今日履くストッキングを置いていたはずが・・・」

もっというと、ういの声は

憂『へへへへ~~おねえちゃんのストッキング~~』

私にしか聞こえません

唯「・・・昨日のでいいや」グイグイグイ

7: 2011/09/04(日) 19:47:18.13 ID:Qc+V5CQH0
唯「・・・ハァ」

ういが変態じみたことをすることを知ってしまってたまに嫌だけど

憂『今日は卵焼ききれいにやけたよ』エヘヘ

憂『はやくおねえちゃん、おりてこないかなぁ~』フンス

唯「・・・」

唯「はやく、おりよっ・・・と」スタスタスタ

ういの心の声はほとんど私についてで

唯「うい~!今日のごはんなに~~?」バタバタバタ

そういうのがあるから、サトラレがいいことなのか悪いことなのか

憂「あ、おねえちゃん!今日はトーストと卵焼きとサラダと赤いたこウインナーさんだよ~」ニコッ

唯「そっかぁ~。いつもありがとね、うい」

憂「え?いきなりなに、おねえちゃん。さ、たべよう。学校遅れちゃう」クスクス

憂『えへへ~。嬉しいな~』

唯「うん。そうだね」

私には、わかりません

8: 2011/09/04(日) 19:51:11.25
これ唯の方に能力があるんじゃないの

9: 2011/09/04(日) 19:53:52.13 ID:Qc+V5CQH0
モグモグ

唯「う~ん!!この卵焼きおいし~」モグモグ

憂「そう?よかった」パクッ・・・モグッ

憂『えへへ。お姉ちゃんに卵焼きほめてもらっちゃった!!』

唯「はは・・・」モグモグ

こういう風にういの声が聞こえるようになってから、
いまいち自分の感情を表にださないういを喜ばせることができるようになってよかった、と思う反面

唯「・・・」モグモグ

憂『トーストモグモグしてるおねえちゃんかわい~』

唯「・・・」ピクッ

憂『あ、あれ?』

唯「・・・(あと100回くらい噛もう)」モグモグモグモグモグモグモグモグ

憂「えへへ」

唯「どうしたの?うい、いきなり笑って。なにかいいことでもあった?」

憂「ううん。なんでもないよ、おねえちゃん」

11: 2011/09/04(日) 19:57:38.78 ID:Qc+V5CQH0
唯「そっか」

憂「うん」

唯「・・・」モグモグ

憂「・・・」モグモグ

唯「・・・」モグモグ

困ることはやっぱりでてくるものなのです

憂「おねえちゃん」

唯「ん?なに?」ゴクゴク

憂「おねえちゃんは、本当に優しいね」エヘヘ

唯「え~~?どうしたの、いきなり・・・そんなこと言われたらおねえちゃんてれちゃうよぉ~」クネクネ

憂「ううん、なんでもないんだけどね、ちょっとね。思っただけ」

憂『おねえちゃん、大好き』

唯「・・・」

唯「・・・そっか」

憂「うん」パクッ

14: 2011/09/04(日) 20:05:36.19 ID:Qc+V5CQH0
唯「あ!・・・も、もう学校行く時間だね!!じゅ、準備してくる!!ごちそうさまっ!!」ガタッ

憂「う、うん・・・?」

ドタドタドタドタ

ガチャッ

バタンッ

唯「・・・」

唯「・・・」ズリズリズリ・・・

ペタン

唯「・・・はぁ」

唯「・・・」

唯「うい・・・」

18: 2011/09/04(日) 20:11:42.38 ID:Qc+V5CQH0
まだカーテンをあけてすらいない
この薄暗い部屋のなかで響いて消えた私の声は
本来だれにも聴こえないもので・・・

唯「・・・すきだよ」

でも、だからこそ

――ういの

ういという、他人であるべきはずの、それでも私の妹の、
知りたいような、知りたくないような、そんな心の声を聞いてしまうのは

唯「きついよ・・・」

声が聞こえるようになって、
ういの私に対しての気持ちが普通のものではないということがわかりました
というか、普通の妹はきっと姉のストッキングを盗んだりなんかしません
パジャマがめくれて、チラっと見えてしまった姉のおなかに興奮なんてしません

変態の予兆はいくらでもあったけど

唯「まさか・・・サトラレとは・・・ね」

20: 2011/09/04(日) 20:19:06.10 ID:Qc+V5CQH0
唯「やんなっちゃう・・・」

でも、

唯「えへへ・・・すきか・・・ういは私がすきなんだ・・・」

たとえ変態でも、自分に向けられている好意がそこにあって、
それを嬉しいと思ってしまう、私はなんなんでしょう
そして、
いつのまにか、ういのことを好きになってしまった私はなんなんでしょう

唯「簡単にいえたらいいのになぁ・・・この気持ち・・・」

唯「うい・・・すき・・・・朝から、かわいい」


トタトタトタ


自分の気持ちを、他人の気持ちを
しらないように、しらんぷりする

コンコン

憂「おねえちゃん、そろそろ学校行く時間だけど・・・大丈夫?」

唯「・・・」

そんな私はちょっとサイテー

26: 2011/09/04(日) 20:28:10.33 ID:Qc+V5CQH0
憂「・・・?」

憂「もしかして具合わるいのかな?」

憂『でも、そしたらまたおねえちゃんの看病できる!看病ができたら看病にかこつけて色々できる!!おねえちゃんに色々できるよできるよできちゃうよ!!』

唯(ちょ、ちょっと・・・!?)

憂『またパンツかぶろう!!』

唯(ういぃいいい!!!!!!)

でも、サイテーだと自分を責めそうになる私の、妹はもっと心根が腐っててもっとサイテー

唯(いや、好きなんだけどね、すきなんだけどさ、どうしようか、この変態・・・)

憂「おねえちゃん?聴こえてるよね?大丈夫?」

唯「・・・あ、う、うん。大丈夫だよ・・・うい・・・」

憂「そう、よかった。じゃあ、学校いこう」

唯「わかってるよ、うい・・・」

28: 2011/09/04(日) 20:32:16.27 ID:Qc+V5CQH0
憂「うん、ギー太わすれないでね」

唯「うん、ギー太は忘れないよ~」

憂「でも、おねえちゃんは前科があるから」クスクス

唯「あぐっ・・・そ、それは言わないお約束ってもんだぜぇ・・・」

憂「ふふっ・・・ごめんごめん」

唯(ういは・・・こんなアホな私のどこがすきなんだろう・・・)

憂「全部、だよ」

唯「ふぇ!?」

憂「ほら、もうこんな時間。あせらなくていいから。待ってるね」

トタトタトタ

32: 2011/09/04(日) 20:40:19.18 ID:Qc+V5CQH0
唯「・・・」

唯「・・・え」

唯「・・・え?今の・・・なに・・・?なにが・・・全部?」ゴクッ

唯「・・・うい・・・?」

憂『おねえちゃん、まだかな。早くしないと学校おくれちゃうよぉ・・・』

カチッコチッ

唯「あわわわわわ!?もうこんな時間!?」ガバッ

憂「おねえちゃーん、まだー?」

唯「今行くよ、ういぃい」

ドタドタドタ

唯「お、おまたせ・・・」ゼェゼェ

憂「そんなにあわてなくても・・・ギー太もってるね」

唯「う、うん!!じゃあ、いこっか!!」

憂「うん」

スタスタスタ

35: 2011/09/04(日) 20:49:26.41 ID:Qc+V5CQH0
唯(それにしても今日の卵焼きおいしかったなぁ~)

唯(みんなにも食べさせてあげたいくらいだよ)ウンウン

唯(やっぱういは料理の才能があるね!)

憂「ふふっ・・・今日もあついねー」

唯「そうだねぇ。こんなに暑いとりっちゃんのおでこのピカリン具合がましちゃうよぉ~」

憂「なにそれ、律さんに失礼だよぉ」クスクス

唯「えへへ」

憂『おねえちゃん、だいすき』

唯「・・・」

唯(・・・わたしも・・・すき)

憂「えへへ」

唯「・・・え?」

憂『あっ・・・!』

唯「・・・」

憂「・・・」

37: 2011/09/04(日) 20:50:55.79 ID:Qc+V5CQH0
唯「・・・もしかして・・・聴こえてる?」

憂「な、なにが?」

唯「い、いや・・・べつに・・・」

憂『♪~』

唯「・・・」ジッ

唯(いや、まさか、まさかね・・・)

憂『なんだかしらないけど、私のことジッと見てくるおねえちゃんかわいい~』

唯「・・・」バッ

憂『あ、顔そらしちゃった・・・』

唯「・・・う」

憂『いつかいえたらいいなぁ~この気持ち』

唯「・・・」

憂「まぁ、もう聞こえてるんだろうけど」

唯「・・・え?」

38: 2011/09/04(日) 20:54:25.05 ID:Qc+V5CQH0
憂「あ、じゃあ2年生こっちだから。またねおねえちゃん」タッ

唯「あ、え、いや・・・ちょ・・・と・・・ういぃいい!?」

唯「・・・いっちゃった」ポツン

唯(走り去る後ろ姿も、それに合わせて揺れるポニーテルがキュートだよ、うい・・・)

ガバッ

唯「うわっ!?」

律「お~い!!朝っぱらからな~にそんなしあわせそうな顔してるんだ!?」

唯「あ、・・り、りっちゃん・・・お、おはよぉ・・・ていうか、しあわせそうな顔て・・・?」

律「まるでサトラレみたいだぞ?また憂ちゃんとなんかあったのか?」

唯「え?」

律「ん?どうしたんだよ、そんなに驚いて。あ、やべ私今日日直だった先いくな!」ダッ

唯「・・・」

40: 2011/09/04(日) 21:02:05.91 ID:Qc+V5CQH0
憂『あ、おねえちゃんにお弁当渡すのわすれてた』

唯「・・・はは。学校でもちゃんと聞こえてきちゃうもんねぇ~」

憂『あとで届けにいこぉ~っと』

唯(ういやつめ・・・)

肝心なところが抜けているのはういもおんなじみたいです

きっと、お弁当にも今日のおいしいおいしい卵焼きがはいってるのでしょう
本当においしかったから、りっちゃんと澪ちゃんとムギちゃんにもわけてあげようと思います

唯「・・・いつか、いえたらいいな」

ういの気持ちをすでにしっているから、OKをもらえるとわかっているのに
気持ちを伝えることをうやむやにしてしまう私はやっぱりサイテーかもしれない

憂『あ、休み時間に嗅ごうと思ってたのに。おねえちゃんのストッキング忘れた』

唯「」

41: 2011/09/04(日) 21:02:51.25 ID:Qc+V5CQH0
唯「やっぱいうのはもうちょっとあとでいいや・・・うん・・・なんか・・・むしろすきになったことうやむやにしたいな・・・あははは」

憂『おねえちゃんの匂い嗅ぐといつもがんばれる気がするんだよねぇ~』

唯「・・・」

唯「ばかうい・・・ばかっていうか変態なんだけど」

私の妹、平沢ういがひょんなことからサトラレになりました
治し方もそれを本人に教えていいのかも、私にはよく、わかりません

でも、私はよく思うのです

唯「でも、・・・いっか」

ういが私にサトラレていれば、私はきっとずっとういに笑顔を与えることができます
すきな人の笑顔を見て過ごす毎日

なんてすばらしいことでしょう

42: 2011/09/04(日) 21:04:18.41 ID:Qc+V5CQH0
キンコーンカンコーン

律「ぐあああ・・・よく寝た」ノビー

澪「いや、授業きけよ・・・」

律「さて、めしめしめし~!めしの時間だー」ヒャホーウ

澪「お前は・・・」マッタク

紬「あら、唯ちゃん、お弁当は?」

唯「あ、・・・今日はういがとどけてくれるんだ」

紬「そうなんだ。じゃあ、もう来るのかな?」

憂『あ、いまのうちに・・・おねえちゃんの箸なめとこ』

唯「・・・」

唯(間接キスどころじゃない・・・)

律「ん?どうした、唯、いきなり固まっちゃって。ていうか、なんか顔赤くね?」

唯「え?あ、ううん!な、なにもないよ!?りっちゃん」アハハハ

澪「・・・お、唯、ほらきたよ」スッ

唯「あ・・・」

45: 2011/09/04(日) 21:06:13.57 ID:Qc+V5CQH0
憂「おねえちゃ~ん、お弁当もってきたよ!!」

唯「ういぃ!!」スタタタ

やっぱ嬉しいです、すきな人の顔をみるのは

憂「はい、これ」

たとえそれがかわいい顔した変態さんでも

唯「うん、ありがとうね」スッ

憂「おかず、少し多めにいれといたから」

唯「?」

憂「ふふっ!じゃあ、またね」スタタタ

唯「・・・う、うん」

律「おぉ~し!唯のべんとーも届いたことだし食べるっ!!」

澪「ムギの弁当はこれまた量が・・・」

紬「食べる子は育つ!」フンス

律「いや、それは少し違うぞー、ムギー」アハハ

唯「・・・」

46: 2011/09/04(日) 21:07:26.80 ID:Qc+V5CQH0
澪「どうした?唯、食べないのか?」

唯「え・・あ。ううん!食べる!!食べるよ!!」バッ

唯「今日はみんなにおかずあげるよ~」

律「おぉー!!マジか!!憂ちゃんの手作り!!」

澪「いいのか?唯、おかずもらっても」

紬「でも、憂ちゃんの料理っておいしいもんね」

唯「うん!だから、みんなにも食べてほしいなって思っててね・・・その・・・あれ?」パカッ

律「うはーうまそうな卵焼きだな!!」

澪「本当にもらっていいのか?ていうか、量多いな・・・卵焼きだけやけに」

唯「・・・」

唯(私・・・いつういに卵焼きのこといったかな・・・?)

紬「どうしたの?唯ちゃん?」

唯「え?な、なんでもないよ・・・みんな好きなだけ食べて~」

47: 2011/09/04(日) 21:08:27.34 ID:Qc+V5CQH0
律「うはーい。あんがとー」ヒョイ

澪「それにしても、すっごい見た目きれいだな・・・こげめないよ、これ」ヒョイ

紬「さすが憂ちゃんって感じね」ヒョイ

唯「えへへ~でしょ?私もまた食べよう」パクッ

憂『しゃああああああああああああああああああ』

唯「あ・・・はし・・・」

唯(てか、ういうるさっ!)

48: 2011/09/04(日) 21:08:49.68 ID:Qc+V5CQH0
律「うめー五臓六腑に染み渡るっつーかなんつーか唯!憂ちゃんやっぱくれ」モグモグ

唯「だめだよーあげないよー」

憂『うひひひひひひひひひいひひひ』

唯「・・・」

澪「むっ。今度・・・作り方おしえてもらおう」モグモグ

紬「やっぱり憂ちゃんはすごいわね~!」ガツガツ

ニコニコ

憂『いえいえいえ、私なんてそんなぁ~』テレテレ

唯「・・・」

憂『あ』

唯「・・・」

49: 2011/09/04(日) 21:09:39.07 ID:Qc+V5CQH0
唯「うん、まいった。もうまいった。認めよう。完全に認めよう」

律「ん?なんだいきなり、一人ごとか?」モキュモキュ

唯「うん、そんな感じだよ、りっちゃん」

唯「ただ、一人だけにしか聴こえないみたいだけどね。ホントそれが救いっていうかなんというかね」パクッ

紬「なんだかメルヘンちっくなことを唯ちゃんが言ってるわよ、澪ちゃん」

澪「私になんで振るんだ、ムギ・・・というかなんだそれ」

唯「さぁ、よく私にもわかんない」モグモグモグ

律澪紬「?」

憂『あ、純ちゃん鼻毛でてる』

唯「ぶふっ」

律「お・・・おい、大丈夫かよ。いきなりフきだしたけど・・・なんかおもしろいことあったか?今」

唯「ごほっ、ごほっ、ご、ごめん!ちょっと、つまった、ごほっ」トントントントン

憂『絶対おしえてやんない』

唯(うい・・・な、なかなか黒いな・・・)

50: 2011/09/04(日) 21:10:10.41 ID:Qc+V5CQH0
紬「はい、これ飲み物よ、唯ちゃん」

唯「あ、ありがとう、ムギちゃん」アハハ

唯(帰ったらういと話し合おう)ゴクゴクゴク

唯(いままでのあれこれ、ういの変態行為も・・・あとストッキングも返してもらって・・・・)プハッ

憂『スススススストッキングはだめだよ!おねえちゃん!』

唯「・・・」

唯「・・・」パクッ

唯(とりあえず、今日家に帰るまではムシしとこう・・・)モグモグ

唯(話し合って・・・そして、ちゃんとこの気持ちも・・・サトラレてるままじゃなくって・・・ね)モグモグ

憂『ストッキングは返さないけどね』クスクス

唯「黙れ変態!!でもだいすき!!」ゴクン


おわり

52: 2011/09/04(日) 21:12:51.65 ID:Qc+V5CQH0
本屋いくので終わります
読んでくれた方ありがとうございました
そして支援もありがとうございました

では

54: 2011/09/04(日) 21:20:20.43
乙!

引用元: 唯「おんりーゆー」