1: 2012/01/24(火) 22:56:25.35 ID:da1OREXdO
貞子「この服も借りるぜ?あたし服これしか持ってねーからよ」

30分後

貞子「あーさっぱりした!井戸の中は臭いわグチャグチャだわでよ」

男「…」

貞子「ひょー瓶ビールあんじゃん?貰うぜ?」シュポンッ

グビグビ

貞子「っかー!!こりゃ氏に返るわ!」

男「…」

貞子「あ?お前シャンプー替えろよ、あれ髪ゴワゴワするぞ?」

男「…」

貞子「お?科学くんやってんじゃん?」

男「お前テレビに帰れよ」

12: 2012/01/25(水) 20:13:42.28 ID:mApjBV5xO

男「え?何?もうテレビから出てもいい設定になってんのね?」

貞子「何だよそれ?」

男「いやさ、いきなり人んちのテレビから出て来て、勝手にシャワーは使うわビールは飲むわ、非常識なおっさんだよこれ?」

貞子「何言ってんだ?こんな仲間由紀恵似の美人に対しておっさんとか?」

男「やってたからね!あの人やってたからね!」

貞子「お?いいもん発見」

男「あと何で幽霊がビール飲んだり、俺のプレミアムロールケーキを強奪してるんですか?」

13: 2012/01/25(水) 20:15:49.91 ID:mApjBV5xO
貞子「お前そんな固い事ばっか言ってると、彼女出来ないよー」

男「うるさいっ!」

貞子「ははーん?」

男「…何だよ?」

貞子「いないんだな?」

男「うるさいな…」

貞子「まー気にするなよ、あと六日間、このあたしが一緒にいてやるから」

男「六日間っ!?」

貞子「おう、昨日お前ようつべ見ただろ?めんどくさいから今日来た」

男「またそっちの設定で…ん?待て!俺、昨日はお笑いしか見てないぞ!?心霊系は見てないはずだ!」

貞子「ガキ使の板尾の嫁で呪ってやった」

男「もう何も見れない…」

14: 2012/01/25(水) 20:19:36.22 ID:mApjBV5xO
貞子「まあとにかく、お前はあたしが六日後に確実に頃してやるから、安心しろ?な?」

男「そのセリフで安心する奴いないだろ…」

男「あー…つーか何でまたこんな性格の奴が…予定ではツンデレかお嬢様口調だったのに…」

俺「それは挫折した」

男「えっ?」

貞子「えっ?」

佐藤「えっ?」

15: 2012/01/25(水) 20:21:53.01 ID:mApjBV5xO
男「ねえ…もうポンスケ2袋も食べてるよ…?」

貞子「いーじゃねーか、井戸の中にはお菓子なんてないんだからよ」

男「……そっか…そうだよな…井戸にはお菓子もビールも…友達だっていないんだろうな…」

貞子「友達はいるぜ?呪い専門学校の友達が」

男「へーそれ何県にあるのか気になるわ」

16: 2012/01/25(水) 20:24:12.95 ID:mApjBV5xO
貞子「カヤコや富江なんかが仲よかったなー」

男「ゴメンもうそこだけですごいこあい」

貞子「まっ何だ、あたしはあんま男友達いなかったし、ノブヒロさんくらいしか、だからこうやって話すのも、たまには、な?」

男「うあなんかまたこあいの来た」

貞子「まあ、そー言うわけだから、六日間よろしくな」

男「もうダメどっか行きたい…」

17: 2012/01/25(水) 20:26:10.69 ID:mApjBV5xO
二日目



貞子「うわっ何これ!?すごいやっこい!?」

男「ふんわり食パンだよ」

貞子「すげー!こんなやっこいハムサンド、初めて食べたぜ」モグモグ

男「はあ…それ食べたら、家で大人しくしててよ?」

貞子「あれ?どっか行くのか?」

男「仕事だよ仕事…」

貞子「へー?何の仕事してんだ?」

男「居酒屋だよ」

貞子「それにしちゃ早くねーか?まだ昼前だぜ?」

男「仕込みとか、やる事は色々とあるんだよ」

貞子「ふーん…」ニヤリ

18: 2012/01/25(水) 20:27:47.32 ID:mApjBV5xO
男「ちーす…」

従業員「あ、はざーす店長」

男「ざーす…」

従業員「どしたんすか店長?疲れてますね?」

男「まあ…色々と…」

女「あ、店長、おはようございます」

男「ああ、おはよう」

女「さっき予約の電話で、今日7時、四名様で飲み放題が入りました」

男「ああ、ホント?ボードにコースと名前入れておいてよ」

女「はーい」パタパタ

男「……」

20: 2012/01/25(水) 20:30:37.95 ID:mApjBV5xO
従業員「どうします?」

男「Bコースだから、もう枝豆とサラダは仕込んで、ラップしよう。後は鍋材も用意しておこう」

従業員「じゃあ刺身と焼き物は従業員2さんで?」

男「だな、あ?今日つくねが切れてたよな…埋め合わせでおぼろ豆腐出そう」

従業員「女性3人みたいっすから、スピードもう一品で行けませんかね?」

男「男は一人か、タコワサ2とから揚げ2だな」

従業員「じゃあ焼きと揚げは従業員3さんで」

男「そうしよう」

22: 2012/01/25(水) 20:32:16.27 ID:mApjBV5xO
夕方



男「じゃあ今日も一日、お願いしまーす」

全従業員「お願いしまーす」

女「あ、店長?」

男「何?女さん?」

女「来週のあれなんですけど…」

男「あ…ご飯の件…?」

女「返事遅れちゃったんですが…あの…よろしくお願いします…」

男「!?う…うん…」

女「じ…じゃあ…一日頑張りましょう!」パタパタ

男「うん!」

男(やった…やった!)

23: 2012/01/25(水) 20:34:28.97 ID:mApjBV5xO
>>21迅速にパンツ履こう



男「ほら、B-1のドリンク出てないよ!」

従業員「さーせん!」

男「まずドリンク!スピード出したら次サラダな!」

従業員2「刺身入りまーす」

男「はいよ!」

男「モモ肉足りない!すぐに流水!」

従業員「へーい!」

女「ご予約の山村様お見えでーす!」

男「いらっしゃいませー!
C卓用意してあるな!?」

従業員3「とっくです」

男「ラップ取って用意…」

貞子「よう?」

男「ええっ!?」

24: 2012/01/25(水) 20:36:42.52 ID:mApjBV5xO
男「おまっ!?ええっ!?何してんの!?」

貞子「何って、飲みにきたんだろうが?」

男「いや俺たくさんホラー映画見てきたけど!居酒屋に飲みに来るフランクな幽霊初めて見たよ!?」

女「ご案内しまーす」

貞子「お?席そっちか?」

男「ちょ!?おい!?」

カヤコ「よろしくね」

富江「……」チラ

ノブヒロ「よろしく…」

男「……終わった…」

25: 2012/01/25(水) 20:39:03.55 ID:mApjBV5xO
女「へええ、みなさんは店長の友達なんですか?」

貞子「まーな」

女「……」

女(このTシャツ…?)

女「あの…これ…?」

貞子「これ?ああ、あいつの借りてんだ」

女「!?」

カヤコ「……?」

女「…………」

カヤコ(ははぁん…)

カヤコ「前にみんなで遊んでたらね、この子が転んで服を汚してね、それっきり返してないみたいなのよ」

女「!?……そうだったんですかぁ…」ハァ

貞子「カヤコ、お前何…」

カヤコ「貞子…」ギロリ

貞子「!?」ビクッ

カヤコ「あ、わたし、ファジーネーブル追加ね」ニコッ

女「はいっ!かしこまりました!」

貞子「…なんだよ…?」

26: 2012/01/25(水) 20:41:18.73 ID:mApjBV5xO
カヤコ「貞子…まったくあんたは鈍いわね…」

貞子「なんだよ?」

カヤコ「だからあんただけ男がいないのよ」

貞子「うるせーよ!だから何なんだよ!?」

カヤコ「さっきのあの子は、男君が好きなのよ」

貞子「マジでか!?」

カヤコ「当たり前でしょ?あの動揺の仕方、それに、普通は好きじゃない男のTシャツに気付くわけないでしょ?」

富江「……」コクコク

カヤコ「それからあんた、ノーブラでしょ?」

貞子「あ、やべ…見えてんなあ?」

ノブヒロ「…いいですね…」

富江「…ウルセーロリコン…」ボソッ

28: 2012/01/25(水) 20:43:21.02 ID:mApjBV5xO
カヤコ「だーかーら、あと六日だっけ?最期くらいいい目見させてあげましょうよ?」

ノブヒロ「…逆に残酷ですよね…」

富江「……シヌカラネ…」ボソッ

貞子「っつってもなあ…あたしにゃどうしたらいいかよ…」

カヤコ「何言ってんの?こんな美女三人もいるのよ?そうね…まずは…」

29: 2012/01/25(水) 20:44:44.44 ID:mApjBV5xO
ありがとう



カヤコ「すみません、お手洗いはどちらかしら?」

女「あっ、どうも、ご案内します」

カヤコ「ありがとう」クスッ

女「……」スタスタ

カヤコ「ねえ?」スタスタ

女「はい?」スタスタ

カヤコ「前に男君が酔った時に、店に好きな子がいるって聞いたんだけど?」

女「!?」ピタッ

カヤコ「誰か知ってる?」

女「…さ…さあ…?」

カヤコ「そう…誰かは知らないけど…早めにあたしが貰っちゃおうかしら…?」

女「そっ!それは!」

カヤコ「なぁに?」

女「いえ…別に…」

カヤコ「……」クスクス

30: 2012/01/25(水) 20:46:31.41 ID:mApjBV5xO
貞子「で?どうだった?」

ノブヒロ「早くアタックしないとカヤコさんに取られちゃうから焦らせて早めにくっつけよう作戦は?」

富江「……ナゲーヨ…」ボソッ

カヤコ「どうかしらねえ?奥手っぽいわよ」

貞子「でもよ、この作戦、男が遊んでるような奴に誤解されないよな?」

カヤコ「……」ピクッ

貞子「……おい…」

カヤコ「や…やーねえ!大丈夫よ!」

貞子「……ホントだな…?」

カヤコ「た…多分…」

富江「……キット…」ボソッ

ノブヒロ「…恐らく…」

31: 2012/01/25(水) 20:48:24.60 ID:mApjBV5xO
貞子「あー今日は楽しかったぜー」

男「…」
貞子「よく飲んだわー、でもまだいけるな」シュポンッ

グビグビ

男「…」

貞子「…?何だよ?」

男「…」

貞子「ビールか?いいじゃねえかよ」

男「いや…さ…」

貞子「?」グビグビ

男「今日…さ…女さんに…何か言ったか…?」

貞子「!?」

32: 2012/01/25(水) 20:49:45.98 ID:mApjBV5xO
貞子「な…何が…?」

男「……今日の夕方…食事の約束出来たのにさ…仕事終わってから、急にお前らの事を言われてさ…」

貞子「…うん…」

男「ダメになったんだ…」

貞子「……」

男「何か言ったのか!?何でそんな事するんだよ!?それも呪いの内に入ってんのか!?」

貞子「そんなんじゃ…」

男「いいよもう!!俺は寝る!!寝てる間に好きなだけ殺せよ!!」

貞子「…ちが…う…よ…」

貞子「……ちが…」

33: 2012/01/25(水) 20:51:10.42 ID:mApjBV5xO
深夜



貞子「違うよ…」

貞子「……」

貞子「そんなつもり…なかったよ…」

貞子「くそっ…カヤコ…ダメだったじゃんか…」

貞子「あの時言われた通りに…家でおとなしくしとけばよかったな…」

貞子「……」ギュ

貞子「……ゴメンよ…」

貞子「……ゴメン…」

43: 2012/01/25(水) 22:03:46.80 ID:mApjBV5xO
三日目



男「……」ガチャッ

貞子「仕事行くのか?」

男「……」

貞子「あっ…あの…頑張ってな…車に気をつけろよ」

男「……」バタンッ

貞子「…………何だよ…」キュ

富江「………」

貞子「うぉわあっ!?」

貞子「何だよ富江!?静かに横にいるなよな!!」

富江子「……ヨカッタネ…」ボソッ

貞子「…何がだよ?」

富江「……モウ…シンデモイイトオモッテルヨ…アノヒト……」ボソッ

貞子「~~っ!?」

44: 2012/01/25(水) 22:05:08.45 ID:mApjBV5xO
貞子「…そんなのダメだ…嫌がる奴らを全力で殺さないと…あたしたちは永遠に浮かばれないって…」

富江「……」

貞子「学校でそう教わっただろ?だから…」

富江「……」

貞子「だから…あいつには幸せになってもらって…そこを全力でやらないと…」

富江「……スキニシナ…」ボソッ

貞子「えっ?」

富江「……アンタミタイナシロウトガ…ドコマデヤレルカ…ミテヤルヨ…」ボソッ

貞子「…富江……」

富江「……カヤコニハムリデモ……
アタシガツイテルカラナ……」ボソッ

貞子「……すまねえ…」

46: 2012/01/25(水) 22:06:28.86 ID:mApjBV5xO
富江「…スガタケシタカ…?」ボソッ

貞子「ばっちりだぜ」

富江「……キノウキヅイタ…」ボソッ

貞子「…何をだ?」

富江「……アソコ……アノキッチンノオクニイル…アノオトコ……」ボソッ

貞子「……おう…」

富江「…アイツ…アノオンナ…ネラッテル…」ボソッ

貞子「マジか!?」

富江「……ウルセーヨ…」ボソッ

富江「……カエリニ…アイツニノリウツッテ…ヘンタイコウイヲサセテ…キラワセル…トイウサクセン…」ボソッ

富江「……ライバルヘラス…」ボソッ

貞子「…うまくいくかぁ?」

富江「ダイジョウブ…ヘンタイコウイノ…プロヲヨンデアル…」ボソッ

ノブヒロ「…そこでわたしの出番です…と?」

47: 2012/01/25(水) 22:07:43.33 ID:mApjBV5xO
富江「……ワレナガラ…ナイスチョイスデスヨ…」ボソッ

貞子「すげえ…これ以上ない援軍だぜ…」

ノブヒロ「……何だろう?期待されてるのにすごい悲しい…」

富江「……ミツコチャン…ショウカイシテヤルカラ…」ボソッ

ノブヒロ「やります!」

貞子「うわあ…」

富江「……コノロリコン…」ボソッ

48: 2012/01/25(水) 22:08:57.96 ID:mApjBV5xO
富江「……ウマクヤレヨ…」ボソッ

ノブヒロ「任せてくださいよ!!」

富江「……ウルセーヨ…」ボソッ

貞子「…頼むぜ……」

ノブヒロ「男さんはまだ仕事ですかね…?おっ?出てきた…では…」シュルンッ

従業員「!?」ビクンッ

女「?…どうしました?」

ノブ員「…ねえ…これからさ…いい事しない?」

富江「…コノバカ……」ボソッ

貞子「違う!!乗り移るのはそいつじゃねえ!!」

ノブ員「えっ?」

女「キャー!?」

49: 2012/01/25(水) 22:10:41.10 ID:mApjBV5xO
従業員2「どうした!?」

女「あっ!?従業員2さん!何か従業員さんが…!!」

従業員2「お前…!?何やってんだ!?」

ノブ員「あ…いや…わたしは…」

男「どうした!?」ガチャッ

男「……!?」

女「ふえぇーん!怖かったよー従業員2さーん!」ギュッ

男「!?」

富江「……」

貞子「…くそっ…」

男「……」

従業員2「あ、何でもないですよ、店長」

従業員2「ほら、泣かないで、近くに俺の好きなお好み焼き屋があるからさ、そこで落ち着こう…?」

女「…」グスッ

女「……はい……」

男「………」

50: 2012/01/25(水) 22:12:02.28 ID:mApjBV5xO
富江「……スマナイ…」ボソッ

貞子「くそっ…くそっ!!くそっ!!」

富江「……ノブヒロ…」ボソッ

ノブヒロ「…面目ない…」

貞子「…いいよもう…」

富江「……サダコ…」ボソッ

貞子「…あたしが人に頼り過ぎたんだよ…」

ノブヒロ「でも…貞子さんもよくやりましたよ…」

貞子「……そうかな…?」

富江「……ン?…」ボソッ

貞子「……あたし…まだ何もしてないよな?」

51: 2012/01/25(水) 22:13:24.00 ID:mApjBV5xO
富江「……ソウダネ…」ボソッ

貞子「…今度はさ…あたしが頑張るよ!!」

富江「……ソウカ…」ボソッ

ノブヒロ「もう失敗はしません、だから好きな時に使ってください」

貞子「……ありがとうよ」

富江「……カヤコニモ…イッテオクカラ…」ボソッ

貞子「…恩に着るぜ…」

ノブヒロ「そんな…気にしないで下さい」

富江「……トモダチダロ…」ボソッ

52: 2012/01/25(水) 22:14:46.18 ID:mApjBV5xO
カヤコ「んもーう!何よ?せっかくアメリカン幽霊と遊んでたのに!!」

貞子「カヤコ!!」ガバッ

カヤコ「……何よ…?」

富江「……ハナシヲキケ…」ボソッ

カヤコ「聞くけど…ちょ…貞子…頭上げてよ…」

貞子「上げねえ!カヤコ!あたしに料理を教えてくれよ!!」

カヤコ「…料理…?いいけど…それで、何で土下座してるのよ…?」

富江「……ダマレ…」ボソッ

53: 2012/01/25(水) 22:16:23.34 ID:mApjBV5xO
貞子「頼むっ!!あいつは後一時間もしない内に帰ってくるんだ!!」

カヤコ「あいつ…って…男君の事?」

貞子「そうだよ!!あいつが帰ってくるまでに、何とかご飯を作りたい!!」

カヤコ「ハァ……」

富江「……ナンダ…?」

カヤコ「あんたら主婦舐めてんの?一時間?そんな時間で料理が出来るなんて、あんたらどんだけ天才なんですか?」

54: 2012/01/25(水) 22:18:16.02 ID:mApjBV5xO
カヤコ「いい?炊飯器でご飯炊くのとか、カップラーメン作るのとはワケが違うんですからね?」

貞子「…くっ…!!」

カヤコ「卵焼き一個習得するまで、一日かかると思ってもらわないとね!」

貞子「……わかった…」

カヤコ「……」

貞子「……頼む…後四日…いや…もうすぐ三日になるけど…」

貞子「……少しもでいいからさ…」

カヤコ「ふーむ…」ガチャッ

貞子「…料理を……教えてくれよ…」

カヤコ「…うわ、何にも入ってないじゃない、この冷蔵庫…」

貞子「…頼むよ……」

カヤコ「…いいけど…一つ条件があるの…貞子…」

貞子「何だ!?」

カヤコ「……お前…友達のあたしに…二度と土下座するなよな!!貞子!!」

70: 2012/01/26(木) 19:35:23.62 ID:D6yHNTcVO
カヤコ「そーじゃないんですけどぉ!?油が遅いから焦げるんですがあ!?」

貞子「こうかっ!?」

カヤコ「ほらあ!?向こう焦げてるよっ!?」

貞子「一旦皿に置いておくとかさ!?」

カヤコ「だしまき卵でそれは初めてですうっ!!」



カヤコ「だからあっ!!豚肉はそんなに火を通さなくてもいいのっ!!」

貞子「あっ!?野菜と一緒にするのか!?」

カヤコ「そうよっ!!」

貞子「これを片栗粉で…」

カヤコ「酢豚くらいまともに作ってよね!!」

71: 2012/01/26(木) 19:38:16.92 ID:D6yHNTcVO
貞子「…ダメだ…」ハァハァ

カヤコ「当たり前よ」

貞子「…くっ…今日はあいつに…何も作ってやれないのかよ…」

富江「……ソウカ…?」ボソッ

貞子「…なんだよ?」

ノブヒロ「男さん…もう帰ってきますね…」

カヤコ「分からない?あなたには、あなただけに出来る事があるでしょ?」

貞子「……?」

富江「……ニブイナ…」ボソッ

カヤコ「…今日はここまでよ…後は自分で考えてちょうだい」

72: 2012/01/26(木) 19:40:52.95 ID:D6yHNTcVO
貞子「…なんだよ…」

貞子「あたしだけに出来る事って何だよ…」

貞子「…やべえ…男が帰ってくる時間じゃん!?」

貞子「あたし何にもしてないっ!!」

貞子「どうしよう!?」

ガチャッ

貞子「……!?」

男「……」

貞子「……お…おう…あ…おか…えり…」

男「……」バタンッ

貞子「……」

男「……ただいま…」

貞子「!?…あ…の…」

男「……」

貞子「お…お…かえ…り…」

73: 2012/01/26(木) 19:42:20.87 ID:D6yHNTcVO
ガチャッ

男「……」シュポンッ

トクトクトクトク

グビグビグビグビグビグビ

貞子「おっ!?おいっ!?やめろよな!そんな飲み方はよ!!」

男「うるせーよ!!」

貞子「!?」ビクッ

男「もうやめてくれよ!」

貞子「……な…にが…?」

男「今日は従業員君がおかしくなって…途中記憶がないらしいんだ…」

男「またお前らだろ…?またお前らなんだろ!?」

貞子「それは…」

男「頼むからもうやめてくれよ…」グスッ

男「頼むから…頃すなら…俺以外には迷惑かけないでくれよ…」

貞子「……」

男「頃してもいいからさ…もう俺をみじめにさせないでくれ…頼む…」

74: 2012/01/26(木) 19:46:22.03 ID:D6yHNTcVO
四日目



カヤコ「だーかーら!!家庭用は違うの!!まずご飯をあっためてから卵を入れるのよ!!」

富江「……スパルタ…」ボソッ

ノブヒロ「…チャーハン一つで…すさまじい…」

貞子「おおっ!?ホントだっ!?パラパラだ!!」



カヤコ「違うっ!!マーガリンを塗ったパンを上に乗せて焼くのよっ!!」

貞子「おおぅっ!!こうすると下のパンにもっ!?」

ノブヒロ「トーストにも容赦がないっ…!?」

富江「……ナニガ?…」ボソッ

75: 2012/01/26(木) 19:49:06.13 ID:D6yHNTcVO
カヤコ「怒られたみたいね?」

貞子「…悪ぃーかよ…」?

富江「……カヤコ…」ボソッ

カヤコ「分かってるわよ、富江」

ノブヒロ「男のわたしから言わせてもらうと、みなさん余計なお世話ですよ」

富江「……ロリコンガ…」ボソッ

ノブヒロ「あーあ、そうですよ?自分は口リコンかも知れません」

富江「…ノブヒロ…?」ボソッ

ノブヒロ「ですがね?男ってのはね、みなさんが考えてるよりも、自分のプライドを持ってるんですよ」

ノブヒロ「女を取られたとか、邪魔されたとか…」

ノブヒロ「そんなんよりもね!!自分が相手に最期まで好きだと言えずに終わってしまう悔しさ!!」

ノブヒロ「あなたがた…分かりますか…?」

80: 2012/01/26(木) 21:48:51.18 ID:D6yHNTcVO
カヤコ「…そんなの…知らないわよ…」

ノブヒロ「でしょうね…」

貞子「だってよ…ダメなら仕方ねーだろ?」

ノブヒロ「それでは切り替えられないんですよ…男ってのは…」

ノブヒロ「一回好きになったら、キモいと思われる程好きなんです」

富江「……マジキモイ…」ボソッ

81: 2012/01/26(木) 21:50:08.89 ID:D6yHNTcVO
貞子「…よくわかんねえけどよ…」

カヤコ「まだやるの?」

貞子「うるせー!!」

富江「……」

貞子「ムカつく…」

カヤコ「あー…はいはい…」

貞子「幸せからどん底にしてやらないとよ…」

カヤコ「…じゃあ…早くやるわよ?」

貞子「…おう……」

富江「……バカ…」ボソッ

貞子「早くあいつ幸せにしてやろうぜ!!」

97: 2012/01/27(金) 19:30:28.75 ID:lW1RAKNcO
カヤコ「だーかーら、今日は、あたしは男君に振られて、店の女の子が好きだって言われた作戦で…」

貞子「だーかーら!!それが失敗なんだよ!!」

カヤコ「何がよ!?」

貞子「全部だよ!!」

カヤコ「じゃあどうしたらいいのよっ!?」

貞子「知らないよっ!!」

ノブヒロ「それよりも…料理の練習を…」

貞子「分かってるよ!!」

98: 2012/01/27(金) 19:32:31.37 ID:lW1RAKNcO
ガチャッ

貞子「お…おかえり…」

男「……」

貞子「…あ…のさ…」

男「……ん?」

貞子「サンドイッチ…作ってあんだ…」

男「……そうか…」

貞子「ハムサンドと…卵サンドなんだけど…」

男「……」

貞子「…あっ…!あのよ!迷惑だったら…捨てる…からさ…」

男「……」ドサッ

貞子「……だから…」

男「……」パクッ

99: 2012/01/27(金) 19:34:08.04 ID:lW1RAKNcO
貞子「……!?」

男「ん…うまい…」

貞子「~~っ!?」

男「後…何日だ…?」

貞子「なっ!?何が!?」

男「俺の寿命…」

貞子「えっ!あっ!今日入れて後二日…だけど…」

男「そうか…」パクッ

貞子「…なんだよ…」

男「…お前…料理出来たんだな…?」

貞子「あっ…あたしだってな!これくらいは出来るんだからな!!」

男「…はっ…」

貞子「…?」

男「あっはははは!」

100: 2012/01/27(金) 19:36:11.57 ID:lW1RAKNcO
貞子「どうしたんだよ…?」

男「いやな…もう、どうでもいいかなっ…てさ…」

貞子(くそ…富江の言った通りじゃねえか…)

男「もう…どうでもいいよ…好きにしてくれ…」

男「たかが女かも知れないけどさ…」

貞子(違う…)

男「何だろ?何かもうどうでもいいかな?って…」

貞子「違うだろ!?」

男「!?」

101: 2012/01/27(金) 19:43:23.83 ID:lW1RAKNcO
貞子「違う違う違う!!」

男「……」

貞子「お前はそんな、もうどうでもいいからで氏ねる程強くない!!」

男「……でもさ…」

貞子「違う!!あたしが頃したいのはそんなお前じゃないんだよ!!」

貞子「幸せなお前なんだ!」

男「………」

貞子「そりゃ…邪魔しちゃったよ…」

貞子「…だけどさ…」

貞子「幸せにしたかったのは…ホントなんだよ…」

102: 2012/01/27(金) 19:48:23.54 ID:lW1RAKNcO
男「幸せに…か…」

貞子「そっ…そうだよ!」

男「さっきまでの俺の幸せって何かな?」

貞子「……」

男「分かんねえ?」

貞子「……」

男「女さんとご飯行って!デートして!!」

貞子「~っ!!」

男「それだけなんだよ!!それだけなんだよ!!」

貞子「……」

男「全部お前らに邪魔されてんだよ!!もう頃していいから…!!」

男「それまで俺の部屋から……頼むから…消えてくれよ……」

116: 2012/01/28(土) 11:24:48.19 ID:JhWADy6UO
今日は仕事お休み!



富江「……チガウネ…」ボソッ

カヤコ「女子高生なら部屋に入れる変態とは違うもんねえ…」

ノブヒロ「呼んだ?」

富江「……ウルセーロリコン…」ボソッ

貞子「あいつは違う…

カヤコ「寝顔は可愛いのにねえ…」

貞子「あたし…変わるから…こいつに認めてもらうくらい…変わるから…」

富江「……フフッ…」

カヤコ「バカね…」

ノブヒロ「この人もう…」

カヤコ「ノブヒロ…黙ってなさい…」

ノブヒロ「……はい…」

117: 2012/01/28(土) 11:26:23.59 ID:JhWADy6UO
五日目



男「…むー…」

貞子「お…おはよう…」

男「…まだいたの?」

貞子「あ…あのさ…朝飯あるからさ…」

男「……」

貞子「ほら!鯵と、みそ汁だぜ!?」

男「……」ズズッ

貞子「……っ」

男「……ダシ入れた?」

貞子「えっ?」

男「……ダシ……入ってないだろ?」

118: 2012/01/28(土) 11:28:15.81 ID:JhWADy6UO
貞子「あ…」

男「…何で?」

貞子「……え?」

男「何でこんな事するの?」

貞子「あ…迷惑…か…?」

男「……迷惑…だな」ズズッ

貞子「……」

男「ん……マズイ…」ズズッ

貞子「あっ…あのさ…まずかったら…残してくれていいからな?」

男「……」ズズッ

119: 2012/01/28(土) 11:31:21.40 ID:JhWADy6UO
貞子「……」カチャカチャ

貞子(…全部食べた…)

貞子「そっ…そういやさ…そろそろ仕事の時間じゃねえか?」

男「…今日は休み…」

貞子「そっ…か…」カチャカチャ

男「……暇だな…」

貞子「えっ?」

男「…なあ?」

貞子「なっ!?…何…?」

男「ドライブでもするか?」

貞子「…………えっ?」

121: 2012/01/28(土) 12:32:29.20 ID:JhWADy6UO
貞子「あのさ…車持ってたんだな?」

男「ああ…店は近いからな、徒歩で充分…」

貞子(…ドライブ……ドライブだ!!)

カヤコ「あら?どうしたのかしら?」

貞子「カヤコ!?」

男「……」

カヤコ「あの…ごめんなさいね…男さん…」

富江「………サダコハナニモヤッテナイ…」ボソッ

ノブヒロ「…全部、わたし達三人がやった事なんです、男さん…」

貞子「みんな!?」

122: 2012/01/28(土) 12:34:14.39 ID:JhWADy6UO
男「……」

カヤコ「だから…って訳じゃないけど…貞子を許してあげてほしいの…」

富江「……ゴメン…」ボソッ

ノブヒロ「本当に申し訳ありません…」

貞子「ま…待ってよ!三人だけじゃないだろ!?」

カヤコ「いいのよ貞子」

貞子「よくねえよ!あたしが頼んだみたいなもんだったんだからよ!」

男「……はぁ…」

貞子「男?」

男「これからドライブ、五人乗れる、もういい…」

男「もういいから、適当に乗ってよ」

127: 2012/01/28(土) 20:01:57.71 ID:JhWADy6UO
カヤコ「何?何でこんなに進展してるの?」ボソッ

富江「……サァ?…」ボソボソッ

貞子「富江、ただでさえ聞き取れないから、更にボソッと言うのやめろ」ボソッ

ノブヒロ「でもまあよかったじゃないですか?ところで、席割は?」ボソッ

カヤコ「貞子は男さんの隣に決定ね」ボソッ

貞子「カヤコ!?」ボソッ

カヤコ「いーから」ボソッ

富江「……ノブヒロノトナリダケハシンデモイヤダ」ボソボソッ

カヤコ「氏んでるわよ、あたしだって嫌よ?」ボソッ

ノブヒロ「泣くよ?」ボソッ

128: 2012/01/28(土) 20:04:38.58 ID:JhWADy6UO
男「まあうん、いい天気だ」

貞子「ドライブ日和だな」

男「ところでさ…?」

貞子「何?」

男「一人トランクにいるけど…大丈夫なの…?」

カヤコ「気にしないで」

富江「……オイテッテモヨカッタンダガナ…」ボソッ

ノブヒロ「あんまりだ」ニュッ

カヤコ「ノブヒロ!あんたシートをすり抜けて出て来ないでよね!」

ノブヒロ「息苦しいんですよ!!」

富江「……シテネーダロ…」ボソッ

ノブヒロ「気分的に!!」

129: 2012/01/28(土) 20:17:32.78 ID:JhWADy6UO
ノブヒロ「もう少しだけ出ますよ!?」ムニュ

富江「…………」

ノブヒロ「…あ?……」

富江「…………」

ノブヒロ「ちち違いますよ富江さん!」

富江「…………」

ノブヒロ「今のはほんのはずみで…!!」

富江「…………」

ノブヒロ「決してわざとお尻を触ったわけじゃ!!」

富江「………」プチンッ

カヤコ「避難してっ!!」

富江「てめえ何してくれてんだあああ!!ボケこらぁあああ!!」

ノブヒロ「ひいぃーあー!」
ガタンッガシャンドコッズドッゴキンッ

134: 2012/01/29(日) 05:05:04.14 ID:nMi1mEwHO
富江「……イコウカ…」ボソッ

カヤコ「えらいコンパクトに梱包されたわね…」

貞子「…切れた富江…久しぶりに見た…」

男「……超不安…」

貞子「つかこれ、ドライブのくだりから、まだ出発してねーからな…」

カヤコ「と言うより、どこへ行くの?」

男「……寺巡り」

貞子「渋っ!?」

富江「……テラクライジャ……ジョウブツシネーヨ?……」ボソッ

男「…違うよ…昔から好きでね、お寺がさ」

貞子「まあいーじゃねえか!!行こうぜ!!」

カヤコ(あらまあ…はしゃいじゃって)

135: 2012/01/29(日) 05:07:03.72 ID:nMi1mEwHO
貞子「いやー、たまには寺もいいもんだな?」

富江「……ケシキトカナ…」ボソッ

カヤコ「弱りに弱ったノブヒロが、危うく成仏しかけてたけどね」

富江「……チッ…シテネーノカヨ」ボソッ

貞子「次はどうする?」

男「そうだな…これで最後にしよう…次は…」

136: 2012/01/29(日) 05:09:02.49 ID:nMi1mEwHO
貞子「おー!?見ろよ富江ー!!すげえぞ!!」

富江「……タシカニ…」ボソッ

カヤコ「今までよりも更に綺麗な景色ね」

ノブヒロ「いやー、心が洗われますね」

富江「……チッ…」ボソッ

男「ここはな、獨股山って言ってな、真言宗智山派の前山寺があるんだ」

富江「……ハジマッタ…」ボソッ

男「ここには、三重の塔に、未完成の完成の塔、ってのがあってな」

カヤコ「どっちだよ」

ノブヒロ「食い入るように聞いてるのは、貞子さんだけですね…」

男「くるみおはぎが絶品なんだよ」

富江「……マッテマシタ…」ボソッ

137: 2012/01/29(日) 05:11:10.41 ID:nMi1mEwHO
男「こっちが本堂、あそこは自宅なんだ」

貞子「へー」

?「ぬああああー!!」

男「?」

ザザザザザッ!!

?「何とまがまがしい霊気じゃああああ!?」

カヤコ「…何よ?」

?「くあああ!?とんでもない悪霊が3.5人もおるではないかああっ!?」

富江「……0.5ハ…ゼッタイノブヒロダナ…」

?「祓いたまえ清めたまえ!フィアトフィアト!!」

富江「……エクソシストカヨ…」ボソッ

138: 2012/01/29(日) 05:13:06.74 ID:nMi1mEwHO
ノブヒロ「この人…わたし達を祓おうとしてますよ?」

富江「……ヤルカ…」ボソッ

カヤコ「……任せて…」ザワッ

あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"

男「どうも、住職さん」

カヤコ「?」ピタッ

住職「おや?男君…?」

男「お久しぶりです」

住職「うむ、久しぶり…じゃなくってえ!?何この魔道に堕ちた霊をこんなに引き連れてぇっ!?」

男「いや…この四人は、そんなに悪い奴らじゃ…」

富江「……3.5ナ…プッ」ボソッ

住職「しかし…」

男「それより住職さん、おはぎ、五つ下さい」

富江「……4.5ナ…プッ」ボソッ

140: 2012/01/29(日) 05:16:53.11 ID:nMi1mEwHO

貞子「うめーっ!!」

カヤコ「あらホントだわ」

富江「……ウマイ…」ボソッ

ノブヒロ「これは…」

男「な?うまいだろ?」

貞子「これちゃんと店出せばいいのにな?」

男「確かにな、でも、やっぱり町にある店より、ここが一番なんだよ」

貞子「そーだな」

カヤコ「でもこれ…ホントにおいしい」

貞子「なっ!なっ!?おかわりしていーか!?」

男「すいませーん、もう五つ下さーい」

富江「……4.5ナ…プッ」ボソッ

141: 2012/01/29(日) 05:19:18.96 ID:nMi1mEwHO
貞子「あー、食った!」

カヤコ「貞子…6皿はさすがに食べ過ぎよ?」

ノブヒロ「まあでも、おいしかったですね」

富江「……ダナ…」ボソッ

男「よし…じゃあ今日はもう帰ろうか?」

貞子「えーっ!?」

カヤコ「貞子、ワガママ言わないの?」

貞子「ちぇー…」

男「あっ?住職さーん、ごちそうさまでしたー」

住職「……」チョイチョイ

男「ん?何だろ?みんな、先に行ってて」

貞子「ほーい」

142: 2012/01/29(日) 05:22:26.80 ID:nMi1mEwHO
男「何です?住職さん?」

住職「うむ…ワシは男君が悪霊を3.5人、連れていると言ったな?」

男「?ええはい、多分、あの男性かと」

住職「いや違う、霊気としては、みんな同等の力があるじゃろう…」

男「はあ…」

住職「じゃが、あのTシャツの女の子だけは、悪霊として不完全なんじゃ」

男「貞子が?」

住職「うむ…元々不完全なのか…あるいは…」

男「……」

住職「悪霊ではなくなりつつ、あるのか…」

143: 2012/01/29(日) 05:25:00.09 ID:nMi1mEwHO
貞子「何だった?」

男「ああ…お盆の催し物を手伝ってくれないか?…ってさ……」

貞子「ふうん」

男「それよりさ、今日は家でパーっとやんない?」

貞子「さんせー!」

カヤコ「あら?あたしたちもいいのかしら?」

男「もちろんさ」

富江「……ビールナ…」ボソッ

ノブヒロ「わたしはツナが四角くなって金色と銀色の包装紙に包まれたやつが食べたいです」

富江「……ウルセーロリコン…」ボソッ

144: 2012/01/29(日) 05:27:07.57 ID:nMi1mEwHO
男「明日は副店長がいるから、夕方5時出勤なんだ」

貞子「マジか!?朝までやっちゃうか!?」

カヤコ「いいわねー」

ノブヒロ「お金は大丈夫なんですか?」

男「もう必要ないだろ」

ピタッ

貞子「……」

カヤコ「……」

富江「……」

ノブヒロ「……ツナ…」

145: 2012/01/29(日) 05:29:03.06 ID:nMi1mEwHO
男「何だよ?そんな暗くなるなよな?」

貞子「でも…さ…」

カヤコ「うん…」

富江「……スマナイ…」ボソッ

ノブヒロ「……ツナ…」

男「いいんだよ…」

貞子「男…」



男「よし着いた、この店、酒が安いんだ、つまみも買って、隣の寿司屋でさらに…なんてどう?」

貞子「………そっ…」

カヤコ「?」

貞子「そうしよーぜ!?あたしイカ食いたい!!」

146: 2012/01/29(日) 05:34:15.32 ID:nMi1mEwHO
カヤコ「貞子…?」

貞子「最期なんだ…最期くらい…何とか楽しませてやりたいんだ!!」

富江「……フン…」ボソッ

ノブヒロ「貞子さん、乗りましたよ」

貞子「みんな…」

カヤコ「はぁー…仕方ないわね…」

貞子「カヤコ…」

カヤコ「じゃあ今日は、散々飲ませていただきますからね?」

貞子「そう来なきゃ!!」

147: 2012/01/29(日) 05:35:34.02 ID:nMi1mEwHO
飲みに飲んで

六日目



男「……ん…?」

男「もう3時か…」

男「あれ?みんなは?」

男「この散らかりっぷり…夢じゃないよな…?」

男「あー…頭いて…」

男「……ん?…」

男「…………」

男「……」ズズッ

男「……うん…」

男「ちゃんとダシ入ってる」

148: 2012/01/29(日) 05:37:32.69 ID:nMi1mEwHO
男「ざーす」

従業員「ざーす」

女「おはようございます…」

男「?」

男「どうしたの?」

女「~~っ」ポロポロッ

男「ええっ!?」

女「店長~!!」ダキッ

男「どうしたの!?いったん事務所行こう!?」

149: 2012/01/29(日) 05:38:51.61 ID:nMi1mEwHO
女「あたしもう従業員2さんと仕事したくないです…」

男「どうしたの?」

女「グスッ…先日…従業員2さんに…お好み焼き屋に連れてってもらった後…」

男「……うん…」

女「…うっ…ふええー!」

男「……」

女「あたし…やっぱり…店長が一番…」

?「ふざけんなよな!!」

150: 2012/01/29(日) 05:40:48.81 ID:nMi1mEwHO
男「!?」

女「何っ!?」

?「てめえで勝手にくら替えしといて!!」

女「どっから声出てるのよっ!?」

?「厚かましいにもほどがあるんだよ!!」ゾッ

女「ひっ!?」

カヤコ「最初から認めればよかったのに…」ゾゾ

女「ひいっ!?」

富江「……ノロウゾ…?」ボソッ

女「ひあっ!?」

ノブヒロ「若くありませんねえ?」ズゾゾ

女「きいーやあああー!?」

男「やり過ぎだろ」

151: 2012/01/29(日) 05:42:10.94 ID:nMi1mEwHO
ペシペシ

男「あー…起きないわ…」

貞子「いいんだよ!!」

富江「……コンナヤツ…」ボソッ

カヤコ「たぶん、誰でもいいんでしょ?」

ノブヒロ「わたしは圏外ですけどね」

富江「……ウルセーロリコン…」ボソッ

貞子「…でも…やっちまったな…

カヤコ「そうね…もう隠せないわね…」

男「ま、いいだろ」

貞子「男…?」

男「こうなったら…」

貞子「…何だよ?」

男「やるだけ…やっちまおうか?」

152: 2012/01/29(日) 05:43:54.92 ID:nMi1mEwHO
キャー!ワーッ!

貞子「砂肝お待ち」ニュルンッ

お客「ギャーッ!?」

富江「……ビール…」ボソッ

お客「ふあー!?」

カヤコ「シーザーサラダ、待たせたわね」スルンッ

お客「あーむあー!?」

ノブヒロ「オレンジジュースお待たせ…」

お客「あんたうちの子をいやらしい目で見ないでよねっ!?」バシーンッ

ノブヒロ「ふぐあっ!?」

男「最期だ最期だー!!」

貞子「男!!」

男「楽しい…な?」

貞子「……ああ…!」

153: 2012/01/29(日) 05:46:43.17 ID:nMi1mEwHO
最終日



男「楽しかったぜ?」

貞子「……うん…」

カヤコ「貞子…」

男「しんみりすんなよ」

貞子「男…」

カヤコ「あの…男さ…ん」

富江「……カヤコ…」ボソッ

カヤコ「分かったわよ…」

貞子「…男…」

男「…ああ…」

貞子「……すまない…」

男「ああ…」

男「事故でも病気でもなくさ…お前になら…」

貞子「……やめろよ…」

154: 2012/01/29(日) 05:48:36.43 ID:nMi1mEwHO
カヤコ「……貞子…」

富江「……サダコ…」ボソッ

ノブヒロ「貞子さん…」

貞子「………」

カヤコ「これはルールよ…呪い頃しなさい…」

貞子「……あたしさ…」

貞子「もし…生きてたら…」

カヤコ「貞子、もしも、の話なんてやめなさい…」

貞子「…だってさ…やっと味噌汁作れたんだ…」

156: 2012/01/29(日) 05:50:15.79 ID:nMi1mEwHO
男「…うまかったぞ…」

貞子「!?」

男「卵焼きも甘すぎなくてうまかった…」

貞子「……」

男「鯵は焼きすぎかな?」

貞子「……う…」

男「新しいシャンプー、よかっただろ?

貞子「……ううっ…」ポロッ

男「ポンスケ、たくさんあるから、持ってけよ?」

貞子「…やめろよ」ポロッ

男「楽しかったぞ…」

貞子「やめろよ!」グスッ

157: 2012/01/29(日) 05:53:15.78 ID:nMi1mEwHO
男「……貞子…」

貞子「やめてよ…」

男「……いいから…」

カヤコ「貞子…」

貞子「……呪うぞ…」

富江「……サダコ…」

貞子「あたしの運命…」

ノブヒロ「貞子さん…」

貞子「……好きな男を殺さなくちゃいけない運命…」

男「……貞子…」

貞子「呪ってやる!!」

男「貞子…」

男「俺も…」

………ズンッ

158: 2012/01/29(日) 05:55:30.38 ID:nMi1mEwHO
とんだ落ちこぼれね?

シロウトダカラナ…

でもあの人らしいですね

はーあ…でもまさかあそこで悪霊じゃなくなるなんてね?

バカダカラナ…

しかし…これでわたし達とは代わっちゃいましたね…

そうね…でも…

ソウダナ…

友達…ですよね…

159: 2012/01/29(日) 05:57:24.87 ID:nMi1mEwHO
?「いやー!でもさ!?トリックは何なの!?」

?「トリックなんて、一切ないっすよ?」

?「トリックないのに!ここまでやれたの!?」

?「トリックあったら、ここまでやれないっすよ」

?「まあいいかー!」

?「これからも!心霊居酒屋!!繁盛させてね」



男「………」

男「そうしますよ」

男「ずっと…」

男「なっ?」




貞子「あったりめーよ!」



おしまい

160: 2012/01/29(日) 06:17:12.36
おもしろかったよ!

161: 2012/01/29(日) 06:32:38.62
乙!

162: 2012/01/29(日) 06:58:10.47
面白かった!!

引用元: 貞子「よっ、ちょっと風呂借りるぜ?」