1: 2020/09/16(水) 20:57:46.159 ID:S9IrcKY10
男「ククク……ついに……ついに偽札が完成したぜ!」
男「どう見ても本物そっくり! 機械だって騙せる!」
男「だが、とっととここを引き払った方がよさそうだ。サツに乗り込まれたら全てパーになる」
マフィア「その偽札……全部よこしな」
男「な……誰だ!? サツか!?」
マフィア「俺は……マフィアだ」
男「マフィア!?」
男「どう見ても本物そっくり! 機械だって騙せる!」
男「だが、とっととここを引き払った方がよさそうだ。サツに乗り込まれたら全てパーになる」
マフィア「その偽札……全部よこしな」
男「な……誰だ!? サツか!?」
マフィア「俺は……マフィアだ」
男「マフィア!?」
3: 2020/09/16(水) 21:00:46.897 ID:S9IrcKY10
マフィア「さぁ、よこしな」
男「ふざけるな! お前なんかに渡してたまるか! こんなのもう二度と作れない!」
マフィア「命を失うことになってもか?」チャッ
男「じゅ、銃……!」
マフィア「お前を氏体にしてから、ゆっくり持って行ってもいいんだ」
男「わ、分かった……渡すよ」
マフィア「素直なのはいいことだ。あばよ」
男「くそう……!」
男「ふざけるな! お前なんかに渡してたまるか! こんなのもう二度と作れない!」
マフィア「命を失うことになってもか?」チャッ
男「じゅ、銃……!」
マフィア「お前を氏体にしてから、ゆっくり持って行ってもいいんだ」
男「わ、分かった……渡すよ」
マフィア「素直なのはいいことだ。あばよ」
男「くそう……!」
4: 2020/09/16(水) 21:03:34.427 ID:S9IrcKY10
マフィア「……」
マフィア「やった、やった、やったーっ!」
マフィア(実は俺は偽マフィア。正体はただのヤク中)
マフィア(奴が偽札を作ってるのは知ってたから、完成したのを見計らって奪いに来たのさ!)
マフィア(もちろん、この銃も偽物。ただのモデルガン。奴がもっと粘ったら危なかった)
マフィア「さて、こんだけの金があれば……たっぷりヤクを買えるぜ!」
マフィア「売人のところにGo!」
マフィア「やった、やった、やったーっ!」
マフィア(実は俺は偽マフィア。正体はただのヤク中)
マフィア(奴が偽札を作ってるのは知ってたから、完成したのを見計らって奪いに来たのさ!)
マフィア(もちろん、この銃も偽物。ただのモデルガン。奴がもっと粘ったら危なかった)
マフィア「さて、こんだけの金があれば……たっぷりヤクを買えるぜ!」
マフィア「売人のところにGo!」
5: 2020/09/16(水) 21:06:27.917 ID:S9IrcKY10
マフィア「よう……」
売人「おお、お前か」
マフィア「この金で買えるだけ…薬を売ってくれ」
売人「おいおい、こんな大金どうしたんだよ」
マフィア「金の出所を聞くのは野暮……そうだろ?」
売人「まぁな。綺麗な金だろうが汚い金だろうが、金さえもらえりゃ売ってやるよ。ほれ」ドサッ
マフィア「うおおおおお! こんなにたくさん! 毎日トリップしまくるぜええええ!!!」
売人「おお、お前か」
マフィア「この金で買えるだけ…薬を売ってくれ」
売人「おいおい、こんな大金どうしたんだよ」
マフィア「金の出所を聞くのは野暮……そうだろ?」
売人「まぁな。綺麗な金だろうが汚い金だろうが、金さえもらえりゃ売ってやるよ。ほれ」ドサッ
マフィア「うおおおおお! こんなにたくさん! 毎日トリップしまくるぜええええ!!!」
6: 2020/09/16(水) 21:09:36.209 ID:S9IrcKY10
売人「……」
売人「うひょ~! あいつ、どこでこんな金手に入れてきたんだか。大儲けだぜぇ!」
売人(俺は売人なんかじゃない。偽の売人さ)
売人(奴に売ってるのも、ただの小麦粉。あいつ、あんなんでいつもどうやってトリップしてんだか。安上がりすぎる)
売人(それはさておき……)
売人「こんな大金手に入れたんだ! あの子のところに行くぜぇ!」
売人「うひょ~! あいつ、どこでこんな金手に入れてきたんだか。大儲けだぜぇ!」
売人(俺は売人なんかじゃない。偽の売人さ)
売人(奴に売ってるのも、ただの小麦粉。あいつ、あんなんでいつもどうやってトリップしてんだか。安上がりすぎる)
売人(それはさておき……)
売人「こんな大金手に入れたんだ! あの子のところに行くぜぇ!」
10: 2020/09/16(水) 21:12:50.095 ID:S9IrcKY10
売人「や、やぁ」
美女「あら、どうしたの?」
売人「君……お金が必要だっていってたよね?」
美女「うん、そうだけど……」
売人「はい、これ!」サッ
美女「!」
売人「このお金全部あげるから……俺と付き合って下さい!」
美女「嬉しい……ありがとう!」
売人「俺こそ、君の笑顔が見られて嬉しいよ……!」
美女「さっそくこのお金は使わせてもらうわね! そしたらあなたのところに行くから!」
美女「あら、どうしたの?」
売人「君……お金が必要だっていってたよね?」
美女「うん、そうだけど……」
売人「はい、これ!」サッ
美女「!」
売人「このお金全部あげるから……俺と付き合って下さい!」
美女「嬉しい……ありがとう!」
売人「俺こそ、君の笑顔が見られて嬉しいよ……!」
美女「さっそくこのお金は使わせてもらうわね! そしたらあなたのところに行くから!」
12: 2020/09/16(水) 21:15:45.977 ID:S9IrcKY10
美女「……」
美女「なーんてな」
美女(俺は偽美女……実はブサイクなのかって? そうじゃない、“男”なんだ)
美女(もちろん、あんな冴えない野郎と付き合うつもりはない。この金はもらい逃げよ)
美女(これだけありゃ、ようやく夢を叶えることができる!)
美女(“性転換”という夢を!)
美女「なーんてな」
美女(俺は偽美女……実はブサイクなのかって? そうじゃない、“男”なんだ)
美女(もちろん、あんな冴えない野郎と付き合うつもりはない。この金はもらい逃げよ)
美女(これだけありゃ、ようやく夢を叶えることができる!)
美女(“性転換”という夢を!)
14: 2020/09/16(水) 21:18:53.315 ID:S9IrcKY10
美女「あの……お金を集めてきました!」
医者「おお……」
美女「あなたなら、私を女そのものに性転換できるんですよね?」
医者「その通りです、身も心も完璧に女性にして差し上げます」
美女「赤ちゃんも産めるんですよね!?」
医者「もちろんです」
医者「それではさっそく、手術の日程を……」
医者「おお……」
美女「あなたなら、私を女そのものに性転換できるんですよね?」
医者「その通りです、身も心も完璧に女性にして差し上げます」
美女「赤ちゃんも産めるんですよね!?」
医者「もちろんです」
医者「それではさっそく、手術の日程を……」
13: 2020/09/16(水) 21:17:16.955
星新一にありそう
16: 2020/09/16(水) 21:20:13.719
星新一っぽいのわかる
17: 2020/09/16(水) 21:21:26.245 ID:S9IrcKY10
医者「……」
医者(性転換手術か……)
医者(んなもんできるわけねーだろ、バ~カ!)
医者(それどころか、俺は医師免許すら持ってねえ。れっきとした偽医者なんだよォ!)
医者(腕の悪いブラックジャックといや分かりやすいか!)
医者(さて……この金はどうするか)
医者「そうだ!」
医者(性転換手術か……)
医者(んなもんできるわけねーだろ、バ~カ!)
医者(それどころか、俺は医師免許すら持ってねえ。れっきとした偽医者なんだよォ!)
医者(腕の悪いブラックジャックといや分かりやすいか!)
医者(さて……この金はどうするか)
医者「そうだ!」
19: 2020/09/16(水) 21:24:44.557
腕の悪いBJ…ただの悪党やん
20: 2020/09/16(水) 21:25:08.215
腕の悪いブラックジャックはワロタ
18: 2020/09/16(水) 21:24:39.620 ID:S9IrcKY10
医者「父さん! 母さん!」
父「おお、お前か」
母「どうしたの?」
医者「このお金……二人にあげるよ!」
父「こんな大金を……!」
母「いったいどうやって稼いだの?」
医者「ま、いいからいいから。二人で温泉旅行にでも行ってきなよ!」
父「おお、お前か」
母「どうしたの?」
医者「このお金……二人にあげるよ!」
父「こんな大金を……!」
母「いったいどうやって稼いだの?」
医者「ま、いいからいいから。二人で温泉旅行にでも行ってきなよ!」
21: 2020/09/16(水) 21:27:25.062 ID:S9IrcKY10
父「……」
母「……」
父「嬉しいなぁ」
母「ええ、ホントに。立派に育ってくれたわ」
父「我々が実の親ではない偽両親とも知らずにな……」
母「ええ……」
母「……」
父「嬉しいなぁ」
母「ええ、ホントに。立派に育ってくれたわ」
父「我々が実の親ではない偽両親とも知らずにな……」
母「ええ……」
22: 2020/09/16(水) 21:30:34.115 ID:S9IrcKY10
父「子宝に恵まれなかった我々はまだ幼いあいつを誘拐し、そのまま育てた」
母「そんなあの子が、これほどの親孝行をしてくれるとはねえ……」
父「せっかくこんな大金もらったんだ」
父「二人で高級温泉旅館に行こうじゃないか。セレブしか泊まれないようなところに!」
母「そうね!」
父「よーし、さっそく予約だ!」
母「そんなあの子が、これほどの親孝行をしてくれるとはねえ……」
父「せっかくこんな大金もらったんだ」
父「二人で高級温泉旅館に行こうじゃないか。セレブしか泊まれないようなところに!」
母「そうね!」
父「よーし、さっそく予約だ!」
23: 2020/09/16(水) 21:33:06.633 ID:S9IrcKY10
主人「いらっしゃいませ」
父「予約していた夫婦です」
主人「お待ちしておりました。さあ、どうぞ」
母「ここの温泉はすごいんですってね?」
主人「ええ、体の汚れはもちろん、病気も、罪さえも洗い流します」
父「それはすごい!」
母「私たちにうってつけね!」
主人「それではごゆっくり……」
父「予約していた夫婦です」
主人「お待ちしておりました。さあ、どうぞ」
母「ここの温泉はすごいんですってね?」
主人「ええ、体の汚れはもちろん、病気も、罪さえも洗い流します」
父「それはすごい!」
母「私たちにうってつけね!」
主人「それではごゆっくり……」
26: 2020/09/16(水) 21:36:17.203 ID:S9IrcKY10
主人「……」
主人(あの夫婦、こんな大金を払ってくれるとはいったいどこの大富豪なんだか)
主人(ちなみに、ウチの旅館の湯は偽温泉さ。水道水に入浴剤入れただけの代物)
主人(汚れ? それなりに落ちるだろうよ。病気? 特に効果ねーよ。罪? んなもん洗い流せるか)
主人(ま、こんなもんに有り難がって入りに来るバカは後を絶たんのだがね)
主人「さて、このお金は当然……」
主人(あの夫婦、こんな大金を払ってくれるとはいったいどこの大富豪なんだか)
主人(ちなみに、ウチの旅館の湯は偽温泉さ。水道水に入浴剤入れただけの代物)
主人(汚れ? それなりに落ちるだろうよ。病気? 特に効果ねーよ。罪? んなもん洗い流せるか)
主人(ま、こんなもんに有り難がって入りに来るバカは後を絶たんのだがね)
主人「さて、このお金は当然……」
28: 2020/09/16(水) 21:39:16.179 ID:S9IrcKY10
主人(ウチの旅館の近くにある洞窟には、“神”がいらっしゃる)
主人(私が近づくと……)
神『お供え物は……持ってきたか?』
主人(声が聞こえるのだ! なんという神々しい御声! これは間違いなく神!)
主人「はい、持ってきました!」
神『なんだ?』
主人「今日は現金でございます」
神『ほう……』
主人「このように、札束の山でございます」
主人(私が近づくと……)
神『お供え物は……持ってきたか?』
主人(声が聞こえるのだ! なんという神々しい御声! これは間違いなく神!)
主人「はい、持ってきました!」
神『なんだ?』
主人「今日は現金でございます」
神『ほう……』
主人「このように、札束の山でございます」
29: 2020/09/16(水) 21:42:18.288 ID:S9IrcKY10
神『うむ、よくやった』
神『おぬしには必ずや幸運が訪れるであろう』
主人「ははーっ!」
主人「では失礼いたします」
神『今後もよく神に仕えるのだぞ』
主人「ははーっ! もちろんでございます!」
神『おぬしには必ずや幸運が訪れるであろう』
主人「ははーっ!」
主人「では失礼いたします」
神『今後もよく神に仕えるのだぞ』
主人「ははーっ! もちろんでございます!」
31: 2020/09/16(水) 21:45:47.967 ID:S9IrcKY10
神「……」
神「ったく、あの主人、勝手に洞窟に住みついてた俺を神だとか崇めやがって、バカじゃねーの?」
神「思い込みが激しいというか、なんというか……」
神「ようするに、俺は偽物の神ってわけだ」
神「ま、せっかくこんな大金くれたんだ」
神「町に出て豪遊しなきゃバチが当たるってもんだぜ!」
神「ったく、あの主人、勝手に洞窟に住みついてた俺を神だとか崇めやがって、バカじゃねーの?」
神「思い込みが激しいというか、なんというか……」
神「ようするに、俺は偽物の神ってわけだ」
神「ま、せっかくこんな大金くれたんだ」
神「町に出て豪遊しなきゃバチが当たるってもんだぜ!」
33: 2020/09/16(水) 21:47:17.424
偽者だらけ
32: 2020/09/16(水) 21:47:12.929
ここまで誰一人偽札だと見破れてないな
34: 2020/09/16(水) 21:47:45.874
これが経済か
35: 2020/09/16(水) 21:49:07.255 ID:S9IrcKY10
神「久々の町だぁ!」
神(うまいもん食って、うまい酒飲んで、いい女抱いて、ギャンブルもやったりして)
神「笑いが止まらねえ~!」
警官「待ちなさい、君」
神「は、はい?」
神(ゲッ、警察官……!?)
神(うまいもん食って、うまい酒飲んで、いい女抱いて、ギャンブルもやったりして)
神「笑いが止まらねえ~!」
警官「待ちなさい、君」
神「は、はい?」
神(ゲッ、警察官……!?)
36: 2020/09/16(水) 21:51:39.393 ID:S9IrcKY10
警官「そのカバンはなんだね?」
神「いや、あの、これは……」
警官「開けなさい」
神「え、それはちょっと……」
警官「開けないと撃つぞ」チャッ
神「ひっ!」
神「わ、分かりました……開けます開けます!」
神「いや、あの、これは……」
警官「開けなさい」
神「え、それはちょっと……」
警官「開けないと撃つぞ」チャッ
神「ひっ!」
神「わ、分かりました……開けます開けます!」
38: 2020/09/16(水) 21:55:38.220 ID:S9IrcKY10
神「ど、どうぞ」
警官「なんだこの大金は……どうやって手に入れた?」
神「えぇと……競馬で……」
警官「ウソをつけ! どうせ強盗でもしたんだろう!」
神「ひいっ!」
警官「射殺されるか、素直にこの金を渡すか、選べ!」
神「わ、渡します渡します! あなたにあげます! やっぱり町はこりごりだぁ~!」タタタッ
警官「なんだこの大金は……どうやって手に入れた?」
神「えぇと……競馬で……」
警官「ウソをつけ! どうせ強盗でもしたんだろう!」
神「ひいっ!」
警官「射殺されるか、素直にこの金を渡すか、選べ!」
神「わ、渡します渡します! あなたにあげます! やっぱり町はこりごりだぁ~!」タタタッ
39: 2020/09/16(水) 21:57:10.044 ID:S9IrcKY10
警官「……」
警官「テキトーに職質かけたら、こんな大金ゲットできるなんて。俺はツイてる! ヒャッホーッ!」
警官「え、俺?」
警官「もちろん、本物の警官だよ」ニヤッ
END
警官「テキトーに職質かけたら、こんな大金ゲットできるなんて。俺はツイてる! ヒャッホーッ!」
警官「え、俺?」
警官「もちろん、本物の警官だよ」ニヤッ
END
40: 2020/09/16(水) 21:59:28.043
乙
本物かよ!
本物かよ!
41: 2020/09/16(水) 22:00:37.444
おつ
短編小説にでも出来そうなオチ
短編小説にでも出来そうなオチ
42: 2020/09/16(水) 22:00:39.455
本物が一番悪党じゃねえか!乙
45: 2020/09/16(水) 22:20:27.784
巡りめぐって最初の男に帰ってくるかと思ってた
おつおつ
おつおつ
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります