1: 2011/12/03(土) 22:28:11.30 ID:sLP2Jllt0
美樹宅:さやかの部屋

さやか「キュゥべえあたし決めた、魔法少女になるよ」

QB「その言葉を待っていたよ、キミはどんな願いでソウルジェムを輝かせるんだい?」

さやか「恭介の事故を無かったことにする、それがあたしの願いだよ」

QB「よし、契約は成・・・あっ」

さやか「えっ、なに!?」

4: 2011/12/03(土) 22:29:26.97 ID:sLP2Jllt0
QB「う~ん、それがどうもその願いを叶えるにはさやかのエントロピーじゃあ少し足りないみたいで」

さやか「えっ、無理なの?」

QB「事故をなかった事にするチャンスを作る事ならできるけど」

さやか「じゃあそれでいいから、はやくはやく!」

QB「それじゃあ改めて契約は成立した、新しい力を受け取るといいよ」

さやか「うっ・・・ぐっ、くるし!」

6: 2011/12/03(土) 22:32:34.37 ID:sLP2Jllt0

さやか「えーっと、それでいったいどんな力が使えるようになったわけ?」

QB「まずは時間軸、或いは世界線を移動してなお記憶を維持し続ける能力、運命探知(リーディングシュタイナー)」

さやか「リー・・・はっ?」

QB「その次は所謂ひとつのタイムマシン」

さやか「えっ!そんなマジカルを通り越したSFな物一体何処に!?」

QB「いやまだ無いよ」

さやか「だって今タイムマシンって言ったじゃん」

QB「だから今から作るんだよ」

さやか「誰が?」

QB「キミが」

7: 2011/12/03(土) 22:34:50.33 ID:sLP2Jllt0
さやか「いやいや、そんなものの作り方わかるはず無いじゃん」

QB「心配ないよ、作り方は既にさやかの記憶に植えつけられてるから」

さやか「なにそれこわい、っていうかそんなの魔法でチョチョイと出せばいいじゃん」

QB「もうちょっとさやかに才能があれば・・・」

さやか「ううっ・・・」

QB「まあとりあえずくよくよしてないでタイムマシンを作ったほうがいいんじゃないかな?」

さやか「まあそうだね」

9: 2011/12/03(土) 22:36:44.72 ID:sLP2Jllt0

4日後:美樹さやかの部屋

さやか「途中で仁美とまどかを魔女から助けたりしたけどなんとか完成したね」

QB「やったね」

さやか「でもさ、電子レンジ型タイムマシンなんて聞いたこと無いんだけど・・・」

QB「名前は電話レンジ(改)だよ」

11: 2011/12/03(土) 22:38:43.11 ID:sLP2Jllt0
さやか「それでさ、どうすればタイムスリップできるわけ?こんなんでも一応タイムマシンなんでしょ」

QB「じゃあ使い方の説明をするよ、まず予め中に温めたい物を入れておく」

さやか「うんうん」

QB「次に電話レンジにセットした電話に電話に掛けて温めたい時間を入力する、例えば60秒なら60#とね」

さやか「それから?」

QB「入力するとレンジが起動する」

さやか「そうすると?」

QB「家に帰る頃にはご暖かいご飯を食べられるよ」

さやか「それだけ?」

QB「うん」

さやか「はぁ、それだけ!?あたしの願いを返せ!」

14: 2011/12/03(土) 22:42:22.84 ID:sLP2Jllt0
QB「いやいや、今のはもう一つの使い方だよ」

さやか「じゃあ早く本当の使い方を教えなさい!」

QB「この電話レンジは過去にメールを送れる機械」

QB「時間入力をするときに数字と#を逆に、つまり#60みたいに入力すると1秒表示ごとに1時間ずつメールを遡行させるいことが出来るんだよ」

さやか「過去にメールを送るとどうなるの?」

QB「過去にメールを送りると過去改変が起こってメールが送られなかった世界線からメールを送った世界線に移動する」

さやか「世界・・・線?」

QB「世界線は世界を一本の線として無数に並行する世界が編みこまれたロープのように例える考え方だよ」

さやか「はぁ」

15: 2011/12/03(土) 22:45:48.62 ID:sLP2Jllt0
QB「つまり過去改変が起これば世界線甲から世界線乙への移動が行われて人々の記憶は書き換えられてしまう」

さやか「じゃあ恭介の事故を防げばみんな事故のことは忘れるってこと?」

QB「それは違うよ、事故自体が無かったことになるから誰も覚えていない、さやか、キミ以外はね」

さやか「えっ、あたし?」

QB「そうさ、それがキミのもう一つの力、世界線を超えてなお記憶を維持し続けるリーディングシュタイナーの能力さ」

さやか「じゃあ過去を書き換えるとそれまでの出来事はあたししか覚えていないってこと?」

QB「そうなるね、あとメールの字数制限と世界線収束範囲(アトラクトフィールド)はないから安心して」

さやか「アトラ・・・なに?」

QB「気にしなくていいってことだよ、もう説明はいいかな?」

さやか「う~ん、なんかまだしっくりこないなぁ」

QB「じゃあ試しになにか適当なDメールを送ってみたらどうだい?」

さやか「D・・・ああ、過去に送るメールのことね、つまり実験してみたらってこと?」

QB「うん」

17: 2011/12/03(土) 22:47:55.44 ID:sLP2Jllt0
さやか「実験ねぇ・・・そういえば今日帰ってきた数学の小テスト酷い点数だったっけ」

QB「ちなみに何点だったんだい?」

さやか「えっと1点、ちなみに10点満点中だからね」

QB「つまり過去のさやかにテストの問題を送って点数を変えてみるってことだね」

さやか「そゆこと」

さやか「たしかテストは3日前だから、えーと大体70時間だから#70っと」カチカチ

さやか「よしっ、送信っと」カチ

さやか「あ・・・ぐっ、あたまが」

19: 2011/12/03(土) 22:51:39.88 ID:sLP2Jllt0
さやか「ハァ・・・ハァ・・・」

QB「さやか、大丈夫かいさやか?」

さやか「う、うんなんとか」

QB「よかった、それでどうするんだい?」

さやか「えっ、何を?」

QB「どんな内容のメールを送るか今一緒に考えてたとこじゃないか」

さやか「へっ、いや今送ったじゃん?」

QB「・・・さやか、キミはまさか世界線を移動してきたのかい?」

さやか「あれ?たしかメールを送ったらあたまがクラクラってなって・・・」

QB「恐らく既に過去改変は行われているよ、一体どんな内容のメールを送ったんだい?」

さやか「そうだ、テスト!」

21: 2011/12/03(土) 22:54:44.40 ID:sLP2Jllt0
さやか「あーもう、なんで相変わらずこんなに汚いのよあたしの鞄は!」ガサガサ

さやか「あった!点数は・・・」

QB「さやか?」

さやか「9・・・点、9点になってる!」

QB「どうやら実験は無事に成功したみたいだね、でどうするんだい?」

さやか「どうするってどういうこと?」

QB「キミの願いはたしか上条恭介が事故に合わないようにすること、その内容のDメールを送るんじゃないのかい?」

さやか「あ、ああ、そうだね・・・」

QB「?」

さやか「メールを送る前に行っておきたい所があって」

QB「まあいいんじゃないかな、時間はたっぷりあるわけだし、ね」

22: 2011/12/03(土) 22:57:35.46 ID:sLP2Jllt0
病院:廊下

さやか「・・・やっぱりやめようかな」

看護師「たしか上条さんの、上条さんなら今入浴の時間なのでそろそろ戻ってくると思いますよ」

さやか「いいんです、もう帰るんで」

さやか「何・・・やってんだろあたし」

上条「あっ」

さやか「・・・」クルッ

上条「まっ、待って!」

23: 2011/12/03(土) 23:00:20.13 ID:sLP2Jllt0
病院:病室

上条「今日はお土産は無いんだね」

さやか「うん、今までごめんね」

上条「いや、嫌味とかじゃなくて・・・ごめん、あんなひどい事言って」

さやか「言われて当然だよ、恭介の心配するフリしてさ、本当は自分の事ばっか考えてたのかもね、あたし」

さやか「最低だよね、恭介が苦しんでるわかってたのに」

上条「そんなこと・・・」

さやか「でもさ、大丈夫だよ」ボソッ

上条「えっ?」

さやか「ちょっとメールしていい?」

上条「あっうん、いいよ」

さやか「・・・」カチカチ

上条「・・・誰に?鹿目さん?」

さやか「ちがうよ」カチカチ

24: 2011/12/03(土) 23:03:20.54 ID:sLP2Jllt0
上条「じゃあおばさん?それとも志筑さん?」

さやか「あたし」

上条「えっ?」

さやか「なかった事にするんだ、恭介の事故を」

上条「そんなこと出来るわけが」

さやか「できるよ、だからお願い信じて、過去のあたしを、あたしも信じるから」

上条「さやか・・・君は一体何を?」

さやか「怖いよね、でも大丈夫だよ、これを送れば全部無かったことになるから、だからお願い」

上条「さや・・・か?」

さやか(お願い過去のあたし、どうか恭介を守ってあげて)カチッ

さやか「あっ・・・うぐっ!ああ・・・」

25: 2011/12/03(土) 23:07:26.76 ID:sLP2Jllt0
さやか「ゲホッゲホッ!」

上条「さやか!大丈夫?」

さやか「ハァ・・・ハァ・・・、うんちょっとめまいがしただけだから」

上条「そっか、よかった」

さやか「・・・!きょ、恭介、なんで立ってるの?」

上条「なんでって、いきなりさやかが苦しそうにしたから心配になって」

さやか「腕、左腕貸して!」グイッ

上条「な、何を、痛い痛い痛い!」

さやか「痛いの!?」

上条「そんなにツネったら痛いに決まってるじゃないか」

さやか「やった・・・よかった恭す」ガタン!

27: 2011/12/03(土) 23:10:41.62 ID:sLP2Jllt0

上条「大丈夫!?今、頭から落ちたよ!」

さやか「痛ったー・・・あれ?あたしいつのまにベッドに」

上条「まってて、今起こすから」

さやか「ああ大丈夫だって、自分で起きれ・・・」

さやか「あれ?おかしいな・・・左の足がうまく動かないや」

上条「ほら掴まって、よいしょ!」

さやか「左手も・・・あれ、変だな?あ・・れ」

上条「頭打ったけど大丈夫?」ナデナデ

33: 2011/12/03(土) 23:18:19.21 ID:sLP2Jllt0
さやか「あのさ恭介、あたしは事故に合ったんだっけ?」

上条「う、うん、そうだけど・・・本当に大丈夫?」

さやか「あ、ああそうだったね、大丈夫だよ・・・」

上条「そう、ならいいけど・・・」

さやか「・・・」

上条「ごめんねさやか」

さやか「なんで恭介あやまるのよ?」

上条「だって・・・あのときぼくが一緒にいたのに守ってあげられなかったから」

さやか(そっか、メールを受け取ったあたしが恭介の側にいたから代わりに事故に・・・)

37: 2011/12/03(土) 23:21:34.12 ID:sLP2Jllt0
さやか「そんなに気にしないでよ、それにほら、もし恭介の方が事故に合ってあたしみたいになってたほうが大変だし」

上条「そ、そんなことないよ、だってもしかしたらさやかは一生・・・」

さやか「あーもう、いいってば!そこまで言うな退院してからでいいから聞かせてよ、恭介のバイオリン、あたしはそれで満足だから」

上条「うん、そんなことならお安い御用だよ」

さやか「約束だよ」

上条「じゃあ、指切りしようか」

さやか「えっ!う、うん」

上条「ゆっびきりげんまん・・・じゃあぼくはそろそろ帰るね」

さやか「うん、またね」

41: 2011/12/03(土) 23:25:06.94 ID:sLP2Jllt0
さやか「本当だ、左手全然動かないや・・・」

さやか「・・・でもいいんだよ、それで恭介が助かるなら、後悔なんて・・・」

さやか「ううぅ・・・えぐっ・・・」

44: 2011/12/03(土) 23:27:30.56 ID:sLP2Jllt0
翌日:病室

コンコン

さやか「はーい」

上条「入るよ」

上条「具合、どう?」

さやか「う~ん、まだ慣れないかな・・・あっ、いや慣れてないっていうのは!」

上条「?まあ元気そうでなによりだよ」

さやか「う、うん、そうだね」

上条「・・・ねぇさやか」

さやか「なに?」

上条「ちょっと散歩いかない?」

さやか「そうだね、いいね」

46: 2011/12/03(土) 23:30:14.73 ID:sLP2Jllt0
上条「看護婦さんにはもう言ってるから、車椅子用意するのちょっとまってて」

さやか「ごめんね」

上条「いいって、ほらぼくの体に捕まって」

さやか「う、うん」ダキッ

上条「よいしょっ、じゃあ屋上行こっか」

47: 2011/12/03(土) 23:33:17.97 ID:sLP2Jllt0
病院:屋上

さやか「風、気持いいね」

上条「でもちょっと冷えるね」

さやか「そうかもね」

上条「ぼくの上着、着なよ」ヌギヌギ

さやか「ありがとう」

上条「・・・あっ、病室に忘れ物しちゃったからちょっと取ってきていい」

さやか「いいよ、あたしはここで待ってるね」

上条「じゃあいってくるね」

さやか「いってらっしゃーい」

さやか「・・・上着、あったかいな」ギュ

49: 2011/12/03(土) 23:36:24.09 ID:sLP2Jllt0
上条「おまたせ」

さやか「おつかれー・・・あれ、それって?」

上条「うんバイオリン、昨日聞きたいって言ってたから」

さやか「な、なんだそれなら忘れ物なんて言わないで最初から持ってればいいのに」

上条「ごめんごめん、ちょっとさやかを驚かせようと思って、びっくりした?」

さやか「そんなの・・・びっくりするに決まってるじゃん」グスッ

上条「さやか?」

さやか「あっ、ほらっ!早く聞かせてよ、あたし恭介のバイオリン聞きたくてウズウズしてるんだからさ」

上条「うん、わかったよ」

51: 2011/12/03(土) 23:39:28.74 ID:sLP2Jllt0

夕日で全てが茜色に染まった屋上で二人っきりの特別な演奏会が始まった
演奏の間、屋上庭園の草花を揺らしていた風は繊細な音色を邪魔しまいとこの間だけ止み
まるで世界が静止して聞き入っているようだった


さやか(本当にやったんだ、今あたしは恭介を助けてもう二度と聞けないと思ってたバイオリンを聞いている)

さやか(この身体は奇跡の代償かもしれない、それでも恭介がバイオリンを弾く姿を見てる)

さやか(だからあたしは今本当に幸せだよ)

53: 2011/12/03(土) 23:43:41.37 ID:sLP2Jllt0
夜:美樹さやかの病室

さやか「恭介、今頃練習してるのかな」

さやか「バイオリン、また聞きたいな・・・」

???「美樹・・・さやか」

さやか「だ、誰!?」

???「やっと見つけたわ」

さやか「あんた・・・転校生?」

ほむら「美樹さやか、あなたは、あなたは何をしたの!?」ガシッ

さやか「ちょ、ちょっと落ち着きなさ、あわわわ」ガタン!

さやか「痛ったい・・・また落ちた」

55: 2011/12/03(土) 23:46:25.97 ID:sLP2Jllt0
ほむら「まどかを、まどかを返して!」

さやか(何、まどか?なんなの?逃げなきゃ、でも身体が動かない)

さやか「や、やめてよ、こっちこないで!」

ほむら「そうはいかないわ、あなたが何をしたのか聞くまでは」ニジリ

さやか「やめて、こ、怖い・・・えっぐ・・グスッ」

ほむら「はぁ・・・はぁ・・・」

さやか「ひっく・・・ひっく・・・」

ほむら「・・・」

59: 2011/12/03(土) 23:49:43.30 ID:sLP2Jllt0
ほむら「落ち着いた?」

さやか「あんたこそどうなのよ?」

ほむら「わたしは・・・たぶん」

さやか「じゃああたしも」

ほむら「・・・」

さやか「なにがあったのよ?まどかがどうとか言ってたけど」

ほむら「・・・志筑仁美と鹿目まどかが魔女に襲われたらしいわ」

さやか「ふたりは無事なの!?」

ほむら「・・・」フルフル

さやか「そんな・・・あの時あたしが助けたのに」

ほむら「違うわ」

さやか「えっ?」

ほむら「あなたが助けなかったから二人は犠牲になったのよ」

63: 2011/12/03(土) 23:52:15.93 ID:sLP2Jllt0
さやか「はぁ?あんた何言ってんのよ、あたしが二人を助けた時あんたもいたじゃない」

ほむら「そうよ、でも“ここ”ではあなたは二人を助けていない、魔女を倒していない」

さやか「い、意味分かんない、どういうことよ?」

ほむら「じゃあ逆に聞くわ、どうやってあなたが魔女を倒すの?」

さやか「それは・・・あ、たしかにこの身体じゃ」

ほむら「違うわ、たかが人間風情のあなたがどうやって魔女と戦うのかを聞いてるのよ」

さやか「どういう意味よ?」

ほむら「あなた、ソウルジェムは?」

さやか「ソウルジェムなら指輪にしてここに・・・嘘?無い・・・どうして!?」

ほむら「美樹さやか、教えて、あなたが何をしたのかを」

さやか「・・・」

ほむら「あなたが全てを話してくれたらこっちも知っていること全てを話すわ」

さやか「・・・信じていいの?」

ほむら「状況はわからない、でもきっと今信じられるはわたしだけのはずよ」

さやか「・・・わかった」

69: 2011/12/03(土) 23:59:02.60 ID:sLP2Jllt0
ほむら「過去にメールを送って時間軸を変える機械・・・」

さやか「そう、それを使ってわたしは恭介が事故に合わない世界線に飛んできた」

ほむら「なる・・・ほど、わかったわ」

さやか「分かったって何が?」

ほむら「あなたが契約して魔法少女になったのは上条恭介のため、そうでしょ?」

さやか「う、うん、まあそうだけど」

ほむら「だから上条恭介が事故に合っていないこの時間・・・世界線ではあなたは魔法少女になるはずがない、だから志筑仁美とまどかを救えなかった」

さやか「あっ」

さやか「じゃあまどかと仁美が氏んじゃったのは・・・」

74: 2011/12/04(日) 00:03:32.87 ID:aNNJjO2f0
ほむら「あなたのメールのせい、結果的には」

さやか「そんな・・・あたしのせいで仁美とまどかが?う、嘘」

ほむら「本当よ、現実を受け止めなさい」

さやか「あたしの・・・あたしのせいで」

ほむら「・・・大丈夫よまどかをこのままにはしない、わたしがさせない」

さやか「でも!・・・まどかはもう」

ほむら「わたしの話しを聞きなさい、これまで誰も信じなかった、でも今のあなたなら信じられるはずよ」

75: 2011/12/04(日) 00:06:41.52 ID:aNNJjO2f0
さやか「何度も時間を?」

ほむら「そうよ、この一ヶ月をわたしは何度も繰り返した、信じられない?」

さやか「信じ・・・にくいけど」

ほむら「でもあなたは信じるしか無い、時間軸が変わったこの世界で以前の記憶を共有してるのはわたし達だけだから」

さやか「そうだね、それでどうするの、やり直すの?」

ほむら「いえ、いい考えがあるわ」

さやか「何?」

78: 2011/12/04(日) 00:10:35.53 ID:aNNJjO2f0
ほむら「あなたがもういちどキュゥべえと契約してその電話レンジを作るのよ」

さやか「もう一度?でもなんで」

ほむら「今時間を戻せば魔法少女でない今のあなたの記憶もリセットされるかもしれない」

ほむら「でももう一度契約してそのDメールで過去改変を行えればわたしとあなた、記憶を共有出来る存在が二人になる」

さやか「つまり協力しろってこと?」

ほむら「わたしの望みはまどかを魔法少女にしないことあなたにとってのメリットはあると思うけど?」

さやか「・・・まぁ、いいわ、協力してあげる」

ほむら「と、言う訳だけど聞いてたわよね?」

QB「やれやれ、いまいちボクの方からは話が見えないんだけど」

ほむら「御託はいい、あなたはわたしたちの望みを叶えなさい」

QB「ま、こっちとしては契約してもらえるならいいからね」

QB「じゃあ美樹さやかキミの願いを・・・」

79: 2011/12/04(日) 00:13:50.46 ID:aNNJjO2f0
二日後:病室

さやか「やれやれまさかまた作ることになるとはね、まあ今回は2日で出来たけど」

ほむら「これがタイムマシン・・・?」

さやか「見かけは冴えないけど正真正銘タイムマシンだよ」

さやか「それで、まどかたちを助けるにはどうするの?」

ほむら「過去のあなたが上条恭介を助けるために送ったメールを取り消すメールを送る」

さやか「ど、どうしてよ!?まどかを助けるならわたしにもっと早く魔法少女になるように教えればいいじゃん」

ほむら「ダメよ、上条恭介が無事な限りあなたが魔法少女になる可能性は無い」

さやか「そうだ、あんたにまどかを助けるようにDメールを送るのは?」

ほむら「無理よ」

さやか「どうしてよ?」

ほむら「わたし、携帯電話持ってないから」

83: 2011/12/04(日) 00:19:37.92 ID:aNNJjO2f0
さやか「ああ・・・」

ほむら「まどかを助けるにはこうするしか無い、上条恭介のことは後からでも遅くはないわ」

さやか「まどかのため・・・」

ほむら「わかってもらえた?」

さやか「わかった・・・けど、あの」

ほむら「いいわ、メールは明日あなたのタイミングで出して」

さやか「えっ、いいの?」

ほむら「わたしだって空気ぐらい読めるわ、上条恭介と話すくらいの時間はある」

さやか「ああ、ありがとね・・・あっ、Dメールの内容はどうするの?」

ほむら「あなたが送ったメールを信じないようにする内容・・・たとえば上条恭介の悪口なんかでイタズラだと思わせるとか」

さやか「うう・・・あんまり気が進まないなぁ」

ほむら「まあそっちはまかせるわ」

84: 2011/12/04(日) 00:21:34.95 ID:aNNJjO2f0
さやか「はぁ・・・リハビリってやっぱりキツイなぁ、でも恭介も頑張ってたんだしあたしもやっとかないと」

上条「さやか」

さやか「あっ恭介、今来たの?」

上条「うん、さやかは今リハビリ終わったの?」

さやか「うん、まあね」

看護師「ベッドの方起こしておきますね、じゃあごゆっくりどうぞ」

上条「ありがとうございます」

さやか「そういえば恭介なんか手に持ってるけどどうしたの?」

上条「ああ、来る途中でシュークリーム買ってきたんだ、一緒に食べようと思って」

さやか「わぁ、ありがと」

上条「はい」

86: 2011/12/04(日) 00:24:18.50 ID:aNNJjO2f0
さやか「おっきいね」モグッ

上条「そうだね」モグッ

さやか「カスタードだね」モグモグ

上条「ぼくのは生クリームだよ」モグモグ

さやか「甘いね」モグモグ

上条「そうだね」モグモグ

さやか「・・・えっと」ゴクッン

上条「・・・さやか、こっちも食べてみる?」

さやか「えっ、恭介が食べてるの!?」

上条「こっちのお尻のほうからなら食べかけじゃないから」

さやか「う、うん・・・あっ!でもほら、そうすると恭介が食べた方からクリームが出ちゃうじゃん」

上条「あ、そうだね、じゃあどうしよっか」

さやか「あー、いいっていいって、気にしないから」

上条「そう?」

87: 2011/12/04(日) 00:27:30.85 ID:aNNJjO2f0
さやか「いただきまーす」モグモグ

さやか「クリーム美味ねー」モグモグ

さやか「皮も美味しいし」モグモグ

さやか「・・・」モグ

上条「さやか?」

さやか「・・・」ゴクッ

さやか「うっ・・・うっ・・・」ポロポロ

上条「さやか、どうしたの?」

さやか「うっ・・・ごめんね・・・・えっぐ・・・」

上条「なんで謝るの?さやかはがんばってるじゃないか」

さやか「うっ・・・ちがうよ」

89: 2011/12/04(日) 00:30:18.49 ID:aNNJjO2f0
上条「何が?」

さやか「まどかのこと」

上条「鹿目さん・・・大丈夫だよ、鹿目さんはきっと見つかるよ!」

さやか「うんん、あたしには分かる、まどかは絶対に見つからない」

上条「えっ、でもまだそうと決まったわけじゃないよ」

さやか「恭介、あたしはまどかのことを諦めたわけじゃないんだ」

さやか「ただね、まどかを助けるためには無かったことにするしかないんだ」

上条「何無かったことって、どういうこと?」

91: 2011/12/04(日) 00:33:22.06 ID:aNNJjO2f0
さやか「恭介が事故に合わなかったことを取り消さないといけない、昨日ちゃんと決めたはずなのに」

さやか「だけど恭介がすごく優しくて、それが嬉しくて・・・だから辛くて」

さやか「さっきちょっとだけこのままでいいかもって思っちゃったんだ」

さやか「でもさ、こんな身体のあたしなんて恭介にとっては邪魔だよね、恭介のためにはここに居ちゃいけないんだよ」

上条「邪魔なんて・・・いなければいいなんて思ってなんかいないよ」

さやか「そんなことないよ、あたしはバイオリンが好きな恭介が好きだったはずなのにその邪魔してさ」

さやか「だからごめんね、少しだけ待ってて、まどかを助けたら必ず恭介を助けるから」カチカチ

上条「さやか、どういうこと!?ちゃんと説明を」

さやか「ごめんね恭介、これ以上話してるとメール、あたし送れなくなっちゃうから、だからごめんね」カチッ

上条「さや・・・!」

さやか「あ、うっ!」

94: 2011/12/04(日) 00:36:16.42 ID:aNNJjO2f0
さやか「あ・・・」

さやか「あたし・・・立ってる」

さやか「それに手も動くや・・・」

さやか「・・・はは」

まどか「さやかちゃん?どうしたの」

さやか「まどか!?」ギュッ

まどか「ええ!?さやかちゃん、何?何?」

さやか「大丈夫?痛い所無い?」

まどか「ない・・・よ、それよりさやかちゃんの方こそ大丈夫、さっきフラフラってしてたよ?」

さやか「ああ、あたしは・・・ほら、元気元気!」ブンブン

まどか「ならいいけど、これからどこかよって行く?」

さやか「今日はいいや、帰って寝たい気分だし」

まどか「そっか、じゃあわたしも今日は真っ直ぐ帰るね」

さやか「うん、また明日ね」

96: 2011/12/04(日) 00:39:03.41 ID:aNNJjO2f0
さやか「やったんだ・・・あたし」トボトボ

ほむら「ご苦労様」

さやか「転校生・・・」

ほむら「早速で悪いけどわたしのほうからひとつ提案があるんだけど」

さやか「なによ?」

ほむら「あなた今でも電話レンジの設計図は頭の中に入ってるのよね」

さやか「まあね」

ほむら「また前回みたいな事が起って作りなおすことになれば時間がいくらあっても足りなくなるわ」

ほむら「だから過去のあなたに作り方を送って予め作らせておいたらどうかと思うんだけど」

さやか「でもどの道恭介が事故に合ってない世界線なら消えるんじゃないの?」

ほむら「あなたが例えば上条恭介の腕を治すとかで契約した所に飛ぶほうが厄介なのよ」

さやか「はあ、なるほどねー」

ほむら「気のない返事ね」

さやか「ごめん、今イライラしてて」

ほむら「それは・・・まあしょうが無いわね」

101: 2011/12/04(日) 00:42:08.87 ID:aNNJjO2f0

さやか「・・・あのさ」

ほむら「なにかしら?」

さやか「あたしからも提案」

ほむら「言って」

さやか「マミさん・・・ここでも氏んじゃったままなんだよね?」

ほむら「そうね」

さやか「マミさんを氏なないようにしたいんだけど」

ほむら「ワルプルギスの夜に備えるに当たって戦力が大いに越したことはない、反対する理由はないわ」

さやか「えっ?」

102: 2011/12/04(日) 00:44:40.80 ID:aNNJjO2f0
ほむら「なんでそんなに意外そうな反応なの?」

さやか「いや、なんとなく嫌ってるような気がしてたから」

ほむら「別に嫌ってなんかいなかったわ」

さやか「ああ、そうなんだ」

ほむら「じゃあとりあえず先に設計を送ってから巴マミのメールでいいわね」

さやか「わかった、送るのはあんたが転校してきた日にしとくから」カチカチカチ

さやか「・・・よし、そーしんっと」カチッ

ほむら「あ・・・うぐ!」

さやか「う・・・が!」

105: 2011/12/04(日) 00:46:19.06 ID:aNNJjO2f0
さやか「う・・・うう」

ほむら「受信記録はどうなってるの?」

さやか「え、ああ、えっと・・・あった、ちゃんと過去に送られてる」

ほむら「それなら次に巴マミのメールを」

さやか「よし・・・あっと、ああ、そういえばあんた携帯電話持ってなかったんだよね?」

ほむら「そうだけどそれが?」

さやか「うんん、何でもないや」カチカチ

さやか「・・・できた、ほいじゃまたそーしん!」カチッ

106: 2011/12/04(日) 00:49:10.57 ID:aNNJjO2f0
ほむら「はぁ・・・はぁ・・・」

さやか「さっ、流石に連続だとキツイね」

ほむら「巴マミはどうなったの?」

さやか「えっと・・・あった!携帯電話の番号がある」

ほむら「掛けてみて」

さやか「うん・・・」

ほむら「・・・」

さやか「・・・駄目だ、出ない」

ほむら「直接マンションに行ってみましょう」

107: 2011/12/04(日) 00:56:22.41 ID:aNNJjO2f0
さやか「マミさーん」ピンポンピンポン

ほむら「出てこないわね」

さやか「そんな・・・まさか」

ガチャガチャ

マミ「おまたせ美樹さん・・・あら、あなたもいっし」

さやか「マミさーん!」ガバッ

マミ「えっ!美樹さん!?」

さやか「ま、まみさん・・・まみさん・・・」ボロボロ

ほむら「とりあえず、説明は中で」

マミ「え、ええ」

108: 2011/12/04(日) 00:59:39.00 ID:aNNJjO2f0
マミ「過去にメールを送る機械・・・ねぇ」

ほむら「信じられないって顔ね」

マミ「まあ、そうなんだけど・・・」

さやか「・・・」ショボーン

マミ「いえ、えっと」

ほむら「無理に信じろとは言わないわ」

マミ「そう言ってもらえるとありがたいわ」

ほむら「とりあえず今の話は胸の内に留めておいてくれればいいわ」

マミ「じゃあ、そうさせてもらおうかしら」

ほむら「・・・わたしはそろそろ帰るけど美樹さやか、あなたはどうするの?」

さやか「あたしも帰るよ、じゃあマミさん、また明日」

109: 2011/12/04(日) 01:01:44.01 ID:aNNJjO2f0
翌日:夕方

さやか「まどかは委員会か・・・転校生は今日携帯電話買いに行くって言ってたし」

さやか「そういえば恭介どうしてるかな、なんか会いにくいけど行かないわけにはいかないよね」

コンコン

さやか「恭介~?」

上条「さやか!?」

さやか「あっ、うん、そうだけどどうしたの?そんなにびっくりして」

上条「い、いやごめん、すごく久しぶりだっから、つい」

さやか「そう・・・なんだ、何日くらい来てなかったっけ?」

上条「たしか一ヶ月ちょっと・・・かな」

さやか「一ヶ!・・・そ、そうだね」

さやか(この世界線のあたしは一ヶ月もなにやってたのよ?)

111: 2011/12/04(日) 01:05:04.12 ID:aNNJjO2f0
上条「さやか、そんなところに立ってないでもっとこっち来なよ」

さやか「う、うん」

上条「・・・」

さやか「・・・」

上条「あの・・・さ」

さやか「どうしたの?」

112: 2011/12/04(日) 01:09:16.32 ID:aNNJjO2f0

上条「例えば、だよ?例えば左手がもう二度と動かないとしてもぼくはそれを誰かのせいだとか恨んだりはしないよ」

さやか「どういうこと?」

上条「ぼくは、もしも腕がもう動かないとしてもそれを受け止めるよ」

上条「だからさやかもあんまりぼくのことで悩んだりしなくてもいいよ」

さやか「でもあたしは・・・」

上条「えっと・・・じゃあ、ぼくはこれからバイオリン以外になにかやりたいことを見つけるよ、絶対に」

上条「だからさやかにはその手伝いをして欲しいんだ」

上条「たぶんそれはさやかにしかできないことだから」

さやか「あたしにしか?」

上条「うん」

113: 2011/12/04(日) 01:11:58.76 ID:aNNJjO2f0
さやか「えっ、ちょっと急にどうしたの恭介?」テレテレ

上条「ごめんね、急にこんなこと言って、でもさやかに会ったら言おうとずっと考えたんだ」

さやか「そう・・・なんだ、ありがと」

さやか「えへへ、なんかうれしいな、恭介にその・・・手伝ってなんて言われるなんて」

上条「手伝ってくれる?」

さやか「あたしなんかでいいならいつでも」

上条「じゃあ約束だよ」

さやか「うん」

114: 2011/12/04(日) 01:14:34.53 ID:aNNJjO2f0
さやか「あたしにしかできない、か・・・」

さやか「この世界線の恭介は手のことちゃんと受け止めてるんだ」

さやか「恭介がそれでいいならいいけど・・・でもあたしの願いは」

さやか「ちょっとマミさんのところ寄って行こう」

PiPiPiPi

さやか「おっと、電話だ・・・誰だろ?」

さやか「もしもし?」

ほむら『もしもし、暁美です』

さやか「なんだ転校生か」

116: 2011/12/04(日) 01:16:20.43 ID:aNNJjO2f0
ほむら『電話番号とメールアドレスのメモを渡したのはあなたでしょ』

さやか「そうだったね、それで何?」

ほむら『携帯電話は手に入れたから電話レンジのアドレスを教えて欲しいんだけど』

さやか「ああ、分かった今送るよ」

ほむら『そう、じゃあこっちからメールするから返信して送って』ブツッ

さやか「・・・来た」

さやか「えーと、コピーして返信っと」

さやか「じゃあマミさんのところに行くから」

117: 2011/12/04(日) 01:19:03.80 ID:aNNJjO2f0
マミ「それで美樹さんは今この世界線を変えるかで悩んでるのね」

さやか「頼られてるのはうれしいけど、やっぱりバイオリンを弾いてる恭介が忘れられなくて」

マミ「でもここの上条くんは手のことはちゃんと受け止めてるのよね?」

さやか「はい、でも元々居た恭介と前の事故に合ってない恭介、ここの恭介、みんなを見てたらあたしが何をしたかったのか分からなくなって」

さやか「あたしは恭介が好きなのか恭介のバイオリンが好きなのか、感謝して欲しいのか何も無かった頃に戻りたいのか」

マミ「美樹さんは事故を無かったことにしたかったのよね?」

さやか「うん、でも今日話しをしたら恭介はちゃんと受け入れてて、そんな姿を見てたらあたしはダメだなぁって思っちゃって」

マミ「メールで過去を変えれば美樹さんと暁美さん以外の記憶は書き換えられてしまうのよね?」

さやか「誰も前の世界線のことは覚えてません」

118: 2011/12/04(日) 01:22:08.73 ID:aNNJjO2f0
マミ「へぇ・・・」

さやか「マミさんも送ってみますか?」

マミ「いいの?」

さやか「信じてもらえるように簡単なのなら、ほむらには後で説明しときますから」カチカチ

マミ「じゃ・・・じゃあ」

さやか「どうぞ」

マミ「・・・やっぱりいいわ」

さやか「そうですか?」

マミ「ええ、そんなことしなくてもわたしはちゃんと美樹さんのこと信じてるから」

さやか「マミさん・・・ありがとうございます」

マミ「うんん、気にしないで」

さやか「じゃああたし帰・・・る前にトイレ借りていいですか?」

マミ「どうぞ、場所は分かる?」

さやか「大丈夫ですよー」タッタッタ

119: 2011/12/04(日) 01:25:13.16 ID:aNNJjO2f0
帰り道

さやか「はぁ、なんか別の世界線に慣れるのって結構疲れるなぁ」

さやか「なんかフラフラするし」

さやか「あれ・・・これおかし・・・」


さやか「うっ、はぁ・・・はぁ・・・」

さやか「あれ、今もしかしてリーディングシュタイナーが発動した?」

PiPiPiPi

さやか「あっ、電話」

ほむら『あなた今Dメールを送ったの!?』

さやか「送ってないけどもしかしてあんたも?」

ほむら『たしかに時間軸が変わる感覚がしたわ』

さやか「どういうこと、なにもしてないのに世界線が移動したってこと?」

ほむら『とりあえずわたしの家に来て、話はそこで』

120: 2011/12/04(日) 01:31:10.67 ID:aNNJjO2f0
ピンポン

さやか「・・・出ないわね」

さやか「あれ?玄関開いてる・・・おじゃましまーす」

ほむら「・・・」

さやか「なんだいるじゃん、どうしたの?」

ほむら「これ・・・」

さやか「新聞の切り抜き?」

さやか「なになに・・・女子中学生行方不明、失踪者の名前は・・・えっ?」

ほむら「鹿目まどか」

123: 2011/12/04(日) 01:35:35.92 ID:aNNJjO2f0
さやか「そんな、だってまどかはあたしのDメールを取り消して助けたじゃん!」

ほむら「日付、見てみないさい」

さやか「・・・!半年前」

ほむら「やはり過去改変は行われていた」ギロッ

さやか「あ、あたしじゃないわよ」

ほむら「でしょうね、あなただって過去改変を行えばわたしが気がつくことは分かってるでしょうし」

さやか「そうだよ・・・そうなるとあんたも」

ほむら「違うわ、ところであなた電話レンジの事を誰かに喋ったりした?」

さやか「えっと・・・マミさんに、でもDメールを送ったりはしてないよ」

ほむら「携帯電話を忘れてきたりしてない?」

さやか「はぁ?あんたまさかマミさんを疑ってるの!?」

ほむら「可能性を潰していくのよ」

126: 2011/12/04(日) 01:38:04.82 ID:aNNJjO2f0
さやか「電話ならほら、ちゃんとあるわよ」

ほむら「それは関係ないわ、前の時間軸で持っていたか聞いてるのよ」

さやか「えっ、ああ・・・たしかマミさんに電話を返してもらって、帰る前にトイレ・・・あっ」

さやか「あたし忘れてきちゃったかも」

ほむら「・・・はぁ」

さやか「で、でもマミさんは勝手にメールを送るようなことはしないよ」

ほむら「あなた、巴マミがどうして魔法少女になったかは聞いた?」

さやか「うっ・・・それは」

ほむら「巴マミがDメールを送って両親が氏んだ事故をなかった事にした、そう考えるのが一番妥当だと思うのだけど?」

さやか「でも!」

ほむら「まあいいわ、直接本人のところに行って確かめましょう」

127: 2011/12/04(日) 01:40:50.92 ID:aNNJjO2f0
ほむら「巴・・・同じマンションに住んでてよかったわ」

ピンポーン

マミ「はーい」ガチャ

ほむら「・・・」

さやか「・・・」

マミ「あの・・・あなたは?」

ほむら「ご両親、どちらでもいいからいるかしら?」

マミ「両親は・・・いません」

ほむら「今いないのか、それとももうこの世にないのか、どっち?」

さやか「ちょっと転校生!」

マミ「なんなのあなた!?」

ほむら「あなたは魔法少女なの?」

マミ「!なんでそれを」

ほむら「・・・ありがとうもういいわ」

さやか「えっ、ちょっと帰るの?」

129: 2011/12/04(日) 01:43:06.09 ID:aNNJjO2f0
ほむら「巴マミに両親はいない、それに魔法少女にもなっている」

さやか「どういうこと、マミさんがDメールを送ってないってこと?」

ほむら「そうね、でもそうなると・・・」ジッ

さやか「・・・えっ、あたしじゃないってば、そういうあんたこそどうなのよ?」

ほむら「もちろんわたしでもないわ」

さやか「でも、マミさん以外でDメールを送れるのは・・・」

130: 2011/12/04(日) 01:45:08.98 ID:aNNJjO2f0
ほむら「・・・まあいいわ」

さやか「え?」

ほむら「犯人探しなんて意味はない、どんな内容のDメールが送られたのかが重要なのよ」

さやか「だから送ったのが誰かわからないと内容もわかんないでしょ」

ほむら「まどかがいなくなったのは過去改変の影響、なにが変化したのか調べれば犯人とDメールの内容に辿りつけるかも知れない」

さやか「そっか、じゃあまずまどかがなんで居なくなったのか調べないと」

132: 2011/12/04(日) 01:48:01.51 ID:aNNJjO2f0
ほむら「わたしの部屋にあった新聞の切り抜きだと半年前、町外れの河川敷を歩いているの見られたのが最後みたいね」

さやか「今からだともう遅いわね」

ほむら「明日、朝から調べましょう」

さやか「でも明日学校だけど・・・」

ほむら「まどかと学校どっちが大切なの?」

さやか「そう・・・だよね」

ほむら「明日の朝ここに来て」

さやか「うん、あそうだ、あんた晩御飯もう食べた?」

ほむら「たぶんまだだけど、それが?」

さやか「さっき、今日家に誰も帰ってこないってメール来たからどっかで食べて行かない?」

ほむら「別にいいけど」

133: 2011/12/04(日) 01:51:26.96 ID:aNNJjO2f0
ファミリーレストラン

ほむら「・・・けっぷ」

さやか「大丈夫?さっきから箸進んでないけど」

ほむら「無理・・・かもしれない」

さやか「もらおうか?」

ほむら「おねがい」

さやか「たっくしょうが無いわね、じゃあジュース持ってきて頂戴」

ほむら「わかった」テクテク

134: 2011/12/04(日) 01:54:06.38 ID:aNNJjO2f0
さやか「あ~、食べた食べた」

ほむら「そうね、じゃそろそろ」

ピンポーン

ほむら「は?あなた何してるの」

さやか「何って締めのデザートでしょ?」

さやか「あ、このジャンボパフェお願いします」

ほむら「ちょっと、そんなの食べきれるの!?」

さやか「ふたりで食べるんだから平気よ」

ほむら「わたしが食べるの前提なのね・・・」

136: 2011/12/04(日) 01:57:12.51 ID:aNNJjO2f0
アリガトーゴザイマシター

さやか「ああ、美味しかった」

ほむら「うう、もう無理・・・」

さやか「じゃあご飯も食べたしそろそろ帰るね」

ほむら「そうね、さようなら」

さやか「じゃあね」

ほむら「その・・・ありがとう、結構楽しかったわ」

さやか「・・・は?何言ってるの」

ほむら「何その反応」

さやか「いや、ありがとうなんてあんたに似合わないから」

ほむら「酷い言われようね」

さやか「まああたしも楽しかったよ、また明日」

137: 2011/12/04(日) 02:00:09.09 ID:aNNJjO2f0
翌日:河川敷

さやか「この辺なの?」

ほむら「そうよ」

さやか「・・・特になにも無いよね」

ほむら「失踪の仕方からすると魔女が関連してると思うのだけど」

さやか「だとしても手がかりゼロじゃあまどかのことを調べるなんて無理だよ」

ほむら「そうね、もう一度巴マミのところへ行って魔女の事を聞いたほうがいいかもしれないわ」

さやか「そうだね、もうすぐで滝見原を出ちゃうし」

ほむら「出る?」

さやか「だからもうちょっと行くと隣りの風見野に行くってことよ」

ほむら「隣・・・!もっと行きましょ」ダッ

さやか「ちょ、ちょっと待ちなさいよ」

139: 2011/12/04(日) 02:04:27.02 ID:aNNJjO2f0
風見野:駅前

さやか「はぁ・・・はぁ・・・」

ほむら「ここが風見野」

さやか「いきなり走ったりしてどうしたのよ」

ほむら「こっちの魔法少女に聞きたいことがあって」

さやか「こっちの?」

ほむら「もしからしたまどかの失踪は風見野に出た魔女に関連してるのかもしれない」

さやか「ああ、それならここの魔法少女に聞いたほうがいいってこと?」

ほむら「ええ、あなたは駅前に残ってて」

さやか「なんでよ?あたしも行くよ」

ほむら「ここの魔法少女は我が強いくてあなたと相性が悪い、会わないほうがいいわ」

さやか「別の世界線のあたしは会ったことがあるってこと?」

ほむら「話をこじれさせたくないの、お願い」

さやか「・・・わかった、そこの喫茶店でまってる」

ほむら「じゃあ行ってくるわ

140: 2011/12/04(日) 02:07:12.66 ID:aNNJjO2f0
教会跡

ほむら「ここにもいないわね」

ほむら「・・・あまり人が出入りした形跡が無いわね」

駅前

さやか「おかえり、どうだった」

ほむら「ダメだったわ、会えなかった」

さやか「そっか・・・」

ほむら「・・・その手に持ってる紙どうしたの?」

さやか「ああこれ?さっき駅前で説法してた神父の人にもらったんだけど」

ほむら「悩み相談・・・携帯電話の番号とメールアドレスが書いてるわね」

さやか「この神父さん名前なんて読むんだろ?」

ほむら「これは佐・・・倉」

さやか「どうしたの?」

ほむら「このっ、このチラシの神父どこ!?」

さやか「えっ、駅前だよ、あっち」

142: 2011/12/04(日) 02:09:17.28 ID:aNNJjO2f0
さやか「あっ、もう帰り支度してるわね」

ほむら「いた・・・」

さやか「えっ、ちょっと行くの?」

ほむら「佐倉杏子」

杏子「ん?おお、おまえたしかいつかの」

ほむら「会ったことがあるの!?」

杏子「は?前に来ただろ、まどか消えたがどうとか言ってさ、結局どうなったんだよ?」

ほむら(そうか、元々いたこの時間軸のあたしが会いに来たのね)

ほむら「あなた・・・今魔法少女じゃないのよね」

杏子「・・・あたしは親父に止められたからな」

143: 2011/12/04(日) 02:12:27.46 ID:aNNJjO2f0
ほむら「バレたの?」

杏子「悪魔に憑かれてるとか言われてさ、除霊の儀式とかやったら、キュゥべえ・・・だっけ?いなくなってたよ」

ほむら「そう・・・なんだ」

ほむら「ありがと、いろいろ分かったわ」

杏子「わかってどういうことだよ、おいちょっと!」

145: 2011/12/04(日) 02:16:00.63 ID:aNNJjO2f0
さやか「よかったの?」

ほむら「・・・」

さやか「大丈夫?顔青いわよ」

ほむら「ええ、平気よ」

さやか「なんか分かったの?」

ほむら「メールの内容はだいたい分かったわ」

さやか「本当に!?どんな内容だなの?」

ほむら「それは・・・」

さやか「それは?」

146: 2011/12/04(日) 02:19:12.11 ID:aNNJjO2f0
ほむら「・・・聞かないほうがいい、きっとメールを取り消せなくなる」

さやか「何言ってんのよ、言いなさいよ!」

ほむら「佐倉杏子は他の時間軸では魔法少女だったわ」

さやか「さっきの子ね、ここじゃ魔法少女じゃないってこと?」

ほむら「父親に止められたと言ってたわ」

さやか「どういうこと?」

ほむら「Dメールを送ったのはやはり巴マミだったのよ」

149: 2011/12/04(日) 02:22:50.03 ID:aNNJjO2f0
さやか「でもマミさんは」

ほむら「そもそも巴マミが自分自身にメールと言う前提が間違ってたのよ」

ほむら「巴マミがメールを送った相手は佐倉杏子の父親だったのよ」

さやか「どういうこと、なんでさっきの子が出てくるのよ?」

ほむら「佐倉杏子は魔法少女になったせいで家族を崩壊させた」

さやか「崩・・・壊?」

ほむら「佐倉杏子のが魔法少女になったのを知った父親が妹と母親一緒に一家心中したのよ」

さやか「そんな・・・」

ほむら「前に行った時間軸では佐倉杏子と私たちが組んでいたこともあったもしかしたら巴マミは佐倉杏子のことを知っていたのかもしれない」

さやか「・・・ちょっと待ちなさいよ、あんたまさか」

150: 2011/12/04(日) 02:25:55.57 ID:aNNJjO2f0
ほむら「巴マミの送ったDメールを取り消す、まどかを救うにはそれしかない」

さやか「でもそんなことしたらあの子の家族はどうなるのよ!?」

ほむら「元に戻る、ただそれだけよ」

さやか「だったらメールで過去を無理やりねじ曲げてるあたしたちはやってることなんなの?」

ほむら「わたしたちは奇跡の対価として魔法少女になった、だから願いを叶える義務と権利がある」

さやか「だからって・・・」

ほむら「わたしはまどかのためならなんだってやるわ」

さやか「止めても無駄ってことね」

ほむら「そうよ」

153: 2011/12/04(日) 02:29:18.30 ID:aNNJjO2f0
さやか「でも他に方法があるかも知れないじゃん、Dメールをいろいろ送ってみれば」

ほむら「もうすぐワルプルギスの夜が来る、猶予はないわ」

さやか「あんた、本当にやる気なんだ」

ほむら「悪いことは考えないほうがいい、あなたではわたしに勝てない」

さやか「・・・でも」

ほむら「やめなさい」

さやか「それでもあたしは!」

カチッ

さやか「き、消えた!?」

154: 2011/12/04(日) 02:32:03.88 ID:aNNJjO2f0
ほむら(美樹さやかの携帯電話は持ってきた)

ほむら(上条恭介を助けたメールを取り消したのと同じ要領でチラシのアドレスに送れば大丈夫)

ほむら(・・・大丈夫、これでいい、これでいいのよ)

杏子「おっ、こんな所にいた」

ほむら「佐倉杏子、どうしてここに?」

杏子「だってあんな別れからたされたら気になるだろ、なにが分かったんだよ?」

ほむら「それは・・・あなたには関係ないわ」

杏子「関係ないことないだろ、話してみろよ」

ほむら「話したくないのよ」

杏子「でも・・・」

ほむら「お願いだからどこか行って」

杏子「・・・なぁ、なんで泣いてるんだよ?」

155: 2011/12/04(日) 02:35:22.15 ID:aNNJjO2f0
ほむら「えっ、あれ?」ボロボロ

杏子「おいおい、大丈夫かよ」

ほむら「へ、へいきよ・・・ぐすっ」

ほむら(やるしかない、今のわたしはやるしかないのよ)

杏子「本当に大丈夫か?」

ほむら「ええ」カチカチ

杏子「どうしたんだよ、急に携帯なんていじりだして」

158: 2011/12/04(日) 02:38:26.52 ID:aNNJjO2f0
ほむら「ただのメールよ」

杏子「そっか、ならいいけど」

ほむら「・・・」カチカチ

杏子「じゃああたしは帰るよ」

ほむら「そう」

ほむら「・・・ごめんなさい」ボソッ

杏子「ん?なんか言ったか」

ほむら「いいえ」

杏子「そっか、じゃあな」

ほむら「これでいい、方法はこれしか・・・ない」カチッ

160: 2011/12/04(日) 02:41:16.51 ID:aNNJjO2f0
ほむら「はぁ・・・はぁ・・・」

教師「ん、大丈夫か?」

ほむら「はい、大丈夫で・・・」

教師「どうした?」

ほむら(魔女の気配、行かないと)

ほむら「ちょっと保健室に行ってきます」


路地裏

ほむら(路地裏、こっちね)

ほむら(この結界、見たことがあるまさか、まさか・・・)

162: 2011/12/04(日) 02:45:00.27 ID:aNNJjO2f0
わたしが見たのはコンサート会場の結界、そこにいたのは人魚の魔女
美樹さやかだった魔女を呆然と眺めているとまどかと佐倉杏子の存在に気がついた
佐倉杏子はわたしにまどかを託し・・・その後のことは記憶が曖昧でよく覚えていない
いつの間にか自分の家にたどり着いていていた。
か細い記憶の糸をたどって行くと佐倉杏子が魔美樹さやかと一緒に散ってしまったことを思い出して涙が溢れてきた

163: 2011/12/04(日) 02:48:31.94 ID:aNNJjO2f0

まどか「ほむらちゃん?」

ほむら「・・・」

まどか「泣いてるの?」

ほむら「ぐすっ・・・違うわ」

まどか「ふふ、へへへ」

ほむら「まどか?」

166: 2011/12/04(日) 02:50:51.36 ID:aNNJjO2f0
まどか「ごめんね、ほむらちゃん今までさやかちゃんと仲悪そうだったのに泣いてくれてて、なんだか嬉しくなっちゃって」

まどか「変だよね、さやかちゃんと杏子ちゃん、もう・・・し、しんじゃ」

ほむら「大丈夫よ」

まどか「ほむらちゃん?」

ほむら「わたしは認めないこんな世界」カチカチ

まどか「どうしたの、携帯電話?」

ほむら「過去のわたしに美樹さやかが魔女にならないようにさせる、無かったことにする」カチカチ

まどか「何を言ってる、ほむらちゃ」

カチッ

167: 2011/12/04(日) 02:54:14.99 ID:aNNJjO2f0
ほむら「うっ」

ほむら「ここは・・・学校の校庭、今は昼休みね」

ほむら「美樹さやかを探さないと」

ほむら「電話に出ない、一体何をしているの、まさか」

まどか「あっ、ほむらちゃん」

ほむら「まどか、どうしたの?」

まどか「さやかちゃん見なかった?お昼食べてたら急にどっか行っちゃって」

ほむら「美樹さやかはいるのね!」

まどか「えっ、今探してるんだけど」

ほむら「そ、そうだったわねどっちの方に行ったの?」

まどか「えっと、急にフラフラってなって・・・校舎のほうだよ」

ほむら「行ってみましょう」

169: 2011/12/04(日) 02:57:09.81 ID:aNNJjO2f0
まどか「あれ、校舎の周りに人がいっぱいいるよ」

ほむら「なにかあったのかしら」

まどか「先生たちもいる、どうしたんだろう」

ほむら「見てくるわ」


周囲は異様な雰囲気に包まれていて教師の怒声が飛び交っていて、周りの生徒たちの顔は皆引き攣っていた
人ごみを掻き分けて中心にたどり着くとそこには四肢をありえない方向に曲げ、血溜まりに沈んでいる人がいた
それが飛び降りたものだとすぐに気がついた、でも“誰か”に気がつくのには時間がかかった。

ほむら「美樹・・・さやか!?」

まどか「ほむらちゃん、どうしたの?」

ほむら「きちゃだめよ!」

まどか「う、うん」

ほむら(何が起こった、美樹さやかが飛び降り自頃したの?)

ほむら(そんなはずはない、だって美樹さやかは過去のわたしが助けたはず)

ほむら(そうだメール、もう一度過去わたしに美樹さやかを助けさせる!)

171: 2011/12/04(日) 03:02:09.01 ID:aNNJjO2f0
ほむら「うっ・・・ぐ!」

ほむら(美樹さやかは・・・眼の前にうずくまってる、目を離さないように指示したのが成功した)

さやか「はぁ・・・はぁ・・・」

ほむら「美樹さやか、あなた何をしようと」

さやか「うっぐ!あああ・・・」

ほむら「だ、大丈夫!?どうしたの?」

さやか「い、嫌だ・・・あたしは」

ほむら「くっ、暴れないで!」

さやか「離せ!離せ!離・・・あ、うっ!」

パリン

ほむら「そんな・・・どうして?ソウルジェムが砕け」

175: 2011/12/04(日) 03:06:56.86 ID:aNNJjO2f0
ほむら「ここは・・・」

マミ「大丈夫?」

ほむら「巴マミ・・・ここはどこ?」

マミ「わたしの家よ、魔女の結界で倒れていて連れて帰ってきたのよ」

ほむら「魔女、魔女はどうしたの!?」

マミ「わたしが倒したわ」

ほむら「魔女の正体はわかってたの?」

マミ「美樹さん・・・よね」

ほむら「ええ」

マミ「・・・」

ほむら「まどかは?」

マミ「さっきトイレに行って、それっきりよ」

ほむら「そう・・・」

177: 2011/12/04(日) 03:09:57.26 ID:aNNJjO2f0
まどか「あっ、ほむらちゃん、起きたんだね」フラッ

ほむら「ええ」

マミ「お茶、入れてくるわね」

まどか「ありがとうございます、マミさん」

ほむら「まどか、美樹さやかは」

まどか「うぐっ・・・ひっく・・・さやかちゃん、さやかちゃん」

まどか「さやかちゃん、なんで魔女に」

ほむら「それがソウルジェム最後の秘密よ」

まどか「そんなの無いよ、さやかちゃんは何もしてないのに」

ほむら(まどかは魔法少女になっていない、巴マミと佐倉杏子は生存している)

ほむら(ワルプルギスの夜を迎え撃つには最高布陣・・・)

ほむら(でもこれは本当にわたしが望んだ時間軸なの?)

ほむら(今のさやかはずっと繰り返してきたループで唯一の理解者、そんな彼女を見捨てるの?)

ほむら「・・・ふたりにお願いがある、わたしの話を聞いて協力して、もしかしたら美樹さやかを助けられるかもしれない」

179: 2011/12/04(日) 03:13:19.24 ID:aNNJjO2f0
まどか「過去にメール?」

マミ「でも、それが美樹さんが魔女になったのとどういう関係があるの?」

ほむら「美樹さやかは一度魔女になり、わたしがメールを送って取り消した」

ほむら「でも、記憶を持ち続ける能力を持っている美樹さやかは絶望の塊である魔女の記憶を引き継いでしまいだから絶望した・・・

のだと思う」

マミ「待って、それじゃあ美樹さんを助けることはできないんじゃないの?」

ほむら「彼女の記憶を消せばこの環を断ち切ることはできる」

まどか「でもその能力のせいでさやかちゃんは記憶を・・・」

ほむら「彼女が魔法少女になっていない時間軸に飛び、もう一度過去改変を行えば能力の無い美樹さやかの記憶は書き換えられる」

マミ「そんな時間軸あるの?」

ほむら「そもそも美樹さやかが魔法少女になる事自体がイレギュラー、メールによる過去改変でも一度行ったことがある」

まどか「じゃあ、同じメールを送ってもう一回メールを送れば」

ほむら「ダメよ、その時間軸には電話レンジが存在しないからもう一度メールを送ることができない」

マミ「どうしてタイムマシンがなくなってしまったの?」

182: 2011/12/04(日) 03:17:10.97 ID:aNNJjO2f0
ほむら「美樹さやかが上条恭介の事故を無かったことにしたためよ」

まどか「さやかちゃんが上条くんを助けたせい?」

ほむら「事故がなければ美樹さやかが魔法少女になる必要がないからよ」

マミ「それならそもそも美樹さんが魔法少女になっていない時間軸ならそのタイムマシンもなくなるんじゃないの?」

ほむら「前に過去の美樹さやかに電話レンジの作り方をメールしたから魔法少女になっていて上条恭介が事故にあっている時間軸なら

大丈夫よ」

まどか「そう・・・なんだ」

マミ「じゃあ美樹さんが魔法少女にならないようにメールを送ればいいのね」

ほむら「ええ、そうよ」

まどか「じゃあわたしの携帯電話使って、お願いほむらちゃん」

ほむら「わかったわ、まどかの携帯電話で美樹さやかに魔法少女にならないようにメールを送るわ」

ほむら「過去改変を最小限に留めるために送るのは契約する一日前・・・じゃあ、送るわよ」

まどか「うん、お願い」

ほむら「頼んだわよ、美樹さやか」カチッ

183: 2011/12/04(日) 03:20:07.34 ID:aNNJjO2f0
まどか「・・・」

マミ「・・・」

ほむら「え?」

まどか「どうしたのほむらちゃん?」

ほむら「時間軸が変わらない」

マミ「どういうこと?」

ほむら「メールはちゃんと送られてる、過去の美樹さやかがメールの内容を信じなかったの?」

まどか「もう一回送ってみたら?」

ほむら「わかったわ」

185: 2011/12/04(日) 03:23:29.22 ID:aNNJjO2f0
ほむら「ダメだわ、内容や送る相手を変えても過去改変が行われない」

まどか「さやかちゃん・・・信じてくれないの?」

マミ「・・・あの、悪いんだけど本当に過去に送ることなんてできてるの?」

ほむら「わたしは何度も時間軸を超えてきたわ」

マミ「でもそれはあなたの一方的な主張で証拠はないのよね」

ほむら「やっぱり信じてくれないのね」

マミ「信じたいとは思うけど客観的な証拠が無い以上は・・・」

ほむら「・・・そういえば、あなたに以前メールを送って助けたはずよ」

マミ「助けた?わたしを?」

186: 2011/12/04(日) 03:25:26.93 ID:aNNJjO2f0
ほむら「送ったのは美樹さやかよ」

マミ「何から助けてくれたの?」

ほむら「あなたは魔女に負けて氏んだ、そのことを無かったことにしたのよ」

マミ「わたしが・・・氏んだ?」

ほむら「そうよ、相手はお菓子の魔女」

マミ「・・・悪いけど覚えがないわ」

ほむら「そうれはそうよ、過去改変で記憶は残っていないはずだから」

マミ「違うわ、そもそも未来からのメールを受け取ったりお菓子の魔女と戦った覚えがないのよ」

ほむら「何を言っているの、わたしたちはたしかにメールを送って過去改変をしたわ」

187: 2011/12/04(日) 03:27:59.94 ID:aNNJjO2f0
マミ「でもメールなんてもらってないわ、ほら」

ほむら「貸して」

マミ「どうぞ」

ほむら「・・・ないわ」

マミ「ほら、わたしの言った通りでしょ」

まどか「ほむらちゃん、どんな内容のメールだったの?」

ほむら「それは・・・」

マミ「それは?」

190: 2011/12/04(日) 03:32:03.76 ID:aNNJjO2f0
ほむら「わからないわ、メールは美樹さやかが打ってだしたんだった」

まどか「じゃあメールをマミさん以外の人にだしたのかな」

マミ「そもそも私が負けた魔女っていつどこに現れたのかしら?」

ほむら「場所は病院の駐輪場よ」

まどか「駐輪場・・・それってグリーフシードから孵化したんだよね?」

ほむら「知ってるの!?」

まどか「うん、さやかちゃんと一緒に見つけて、マミさんの携帯電話の番号がわかんなかったからわたしが呼びに行ったんだよ」

ほむら「そうか、巴マミが氏んだ時間軸では電話番号は知らないままだからメールも送れない」

マミ「じゃあやっぱりわたし以外の人に送ったのね」

ほむら「でも誰に?」

まどか「あの、さやかちゃんはマミさんを守るためにメールを送ったんだよね?」

ほむら「ええそうよ」

まどか「もしかしてさやかちゃんは自分にメールを送ったのかな?」

192: 2011/12/04(日) 03:36:11.79 ID:aNNJjO2f0
ほむら「どういうこと?」

まどか「えっと、病院の魔女はさやかちゃんがやっつけたからそうじゃないかなって」

ほむら「意味が分からないわ、美樹さやかが魔法少女になったのはもっと後のはずよ?」

マミ「いいえ、わたし鹿目さんと病院についたときにはもう美樹さんは魔法少女になっていてグリーフシードから孵化した魔女は倒さ

れていたわ」

ほむら「そういうことだったのね・・・」

ほむら「美樹さやかは巴マミを助けるために魔法少女になるように自分にメールを送って契約させたのね」

まどか「じゃあもっと前にメールを送ればさやかちゃんは」

ほむら「ダメよ、そのメールを取り消せば巴マミが魔女に敗れた時間軸になってしまう」

194: 2011/12/04(日) 03:39:13.18 ID:aNNJjO2f0
まどか「あっ・・・」

マミ「じゃあどうするの?」

ほむら「巴マミ、過去のあなたに孵化する前のグリーフシードの位置と美樹さやかを魔法少女にしないようにメールを送る」

マミ「そうすれば美樹さんは魔法少女にならないしグリーフシードを孵化する前に始末できるわね」

ほむら「そう、あなたの携帯電話を借りていい?」

マミ「どうぞ」

ほむら「・・・」カチカチ

まどか「ねぇほむらちゃん」

ほむら「なに?」カチカチ

まどか「そのメールを送ったらさやかちゃんはまた・・・」

198: 2011/12/04(日) 03:42:23.41 ID:aNNJjO2f0
ほむら「そう・・・だったわね、大丈夫よ私が美樹さやかに無理やりにでもグリーフシードを使ってその間にメールで過去改変を行う

わ」

まどか「ありがと」

ほむら「・・・じゃあ送るわね」

まどか「さやかちゃんの事、助けてあげてねほむらちゃん」

マミ「わたしからもお願いするわ」

ほむら「うん、わかった」カチッ

200: 2011/12/04(日) 03:49:24.44 ID:aNNJjO2f0
ほむら「うっ・・・」

ほむら「早く美樹さやかを探さな」

ビュン

ほむら「きゃっ!」

ほむら「ここは魔女の結界、なんでこの時間軸の私はこんな時に!」

夕方:学校近く

ほむら「はぁ・・・はぁ・・・結構手ごわかった、急がないと」

ほむら(学校の方からサイレンの音が、間に合わなかった

ほむら(まどか、巴さん約束守れなくてごめんない)

202: 2011/12/04(日) 03:53:30.41 ID:aNNJjO2f0
ほむら(これから送るメールの内容はもう決まってる、これが最後の過去改変)

ほむら(彼は・・・いた)

ほむら「上条恭介・・・くん」

上条「えっと・・・君はたしか」

ほむら「暁美ほむらよ」

上条「そうだったね、ごめん」

ほむら「転校してきたばかりだからしょうがないわ」

上条「うん・・・」

ほむら「・・・服、血がついてるわよ」

上条「ああ、ぼくのじゃないよ」

ほむら「美樹さんの?」

上条「そう・・・だよ」

上条「・・・う、うう」

ほむら「泣きたいときは泣いたほうがいいわ、立ち直れなくなわよ」

上条「うう、うわぁぁあ!」

203: 2011/12/04(日) 03:56:42.63 ID:aNNJjO2f0
ほむら「スッキリした?」

上条「少しは」

上条「・・・うう、ぼくのせいなんだぼくのせいでさやかは」

ほむら「あなたや志筑のせいでは無いわ」

上条「そんなことは・・・あれ、なんでそこで志筑さんの名前が出てくるんだい?」

ほむら「志筑さんがあなたに告白して付き合ってるんじゃないの?」

上条「なんでそれを? いや、でもぼくは断ったし志筑さんは全然関係ないよ」

ほむら「じゃあなんで自分のせいなんて言ったの?」

上条「それは・・・信じてもらえないかもしれないけど」

ほむら「信じるわ」

204: 2011/12/04(日) 04:00:48.04 ID:aNNJjO2f0
ほむら(魔法少女の話はしないで電話レンジの話だけをした)

上条「つまりさやかときみがタイムマシンを作って過去にメールを?」

ほむら「ええ、そうよ」

ほむら「美樹さんを救うにはあなたの事故を無かったことにする、それしか方法はないわ」

上条「ぼくの事故を・・・なかった事に」

ほむら「そう、過去のあなたにメールを送る、それで彼女は救われる・・・信じてくれる?」

上条「はっきり言って信じられない、けどさやかを助けるためなら何でもいい、手伝わせてくれ」

ほむら「ありがとう、じゃあ携帯電話を貸して」

上条「はい、どうぞ」

ほむら「どうも」カチカチ

上条「・・・」

ほむら「・・・ねぇ」

上条「どうかしたの?」

ほむら「あなた美樹さんの事どう思ってるの?」

206: 2011/12/04(日) 04:03:25.49 ID:aNNJjO2f0
上条「さやかの事、って言われても」

ほむら「女の子としてどう思うってことよ、もしも志筑さんの時みたいに好きって言われたらどうしてた?」

上条「どうしてそんなこと聞くんだい?」

ほむら「わからない?」

上条「・・・まさか」

ほむら「本当よ」

上条「そう・・・だったんだ」

ほむら「どう思う?」

上条「う、うん、嬉しい・・・かな」

ほむら「そうなの?」

208: 2011/12/04(日) 04:04:55.86 ID:aNNJjO2f0
うわっ!>>203-204の間飛ばしてしまった


上条「実はぼくが事故に遭う前にさやかの所に事故を予言するメールが届いたんだ」

ほむら(美樹さやかが代わりに事故にあったメールね)

上条「でもさやかはそのメールを信じなくて、そのせいでぼくが事故に遭ったってずっと自分を責めてて」

ほむら「そう・・・だったのね」

上条「だからさ、さやかはぼくせいで」

ほむら「それは違うわ」

上条「ぼくせいなんだ、それでさやかはずっと顔を見せてくれなかった!ぼくのせいでさやかは」

ほむら「違うわ、わたしのせいなのよ」

上条「君の・・・ってどういうこと?」

ほむら「全部話す、だから美樹さんを助けるためにわたしに協力して」

上条「う、うんわかった」

209: 2011/12/04(日) 04:05:26.52 ID:aNNJjO2f0
ほむら(魔法少女の話はしないで電話レンジの話だけをした)

上条「つまりさやかときみがタイムマシンを作って過去にメールを?」

ほむら「ええ、そうよ」

ほむら「美樹さんを救うにはあなたの事故を無かったことにする、それしか方法はないわ」

上条「ぼくの事故を・・・なかった事に」

ほむら「そう、過去のあなたにメールを送る、それで彼女は救われる・・・信じてくれる?」

上条「はっきり言って信じられない、けどさやかを助けるためなら何でもいい、手伝わせてくれ」

ほむら「ありがとう、じゃあ携帯電話を貸して」

上条「はい、どうぞ」

ほむら「どうも」カチカチ

上条「・・・」

ほむら「・・・ねぇ」

上条「どうかしたの?」

ほむら「あなた美樹さんの事どう思ってるの?」

211: 2011/12/04(日) 04:08:33.26 ID:aNNJjO2f0
上条「さやかの事、って言われても」

ほむら「女の子としてどう思うってことよ、もしも志筑さんの時みたいに好きって言われたらどうしてた?」

上条「どうしてそんなこと聞くんだい?」

ほむら「わからない?」

上条「・・・まさか」

ほむら「本当よ」

上条「そう・・・だったんだ」

ほむら「どう思う?」

上条「う、うん、嬉しい・・・かな」

ほむら「そうなの?」

212: 2011/12/04(日) 04:11:18.32 ID:aNNJjO2f0
上条「なんか意外そうだね」

ほむら「そんなことないわよ」

上条「事故から一ヶ月経ってからさやかが会いに来てくれて凄く嬉しかったんだ」

上条「そんなさやかがぼくのことを思っていてくれたんなら嬉しいし、出来たなら答えたかった」

ほむら「そう・・・」

上条「事故を無かったことにすればぼくの記憶は無くなるんだよね?」

ほむら「あなたの記憶は書き換えられてこの時間軸での出来事は忘れてしまうわ」

上条「・・・書き換えた後のぼくはこの気持ちを伝えられるかな?」

ほむら「わからないわ」

上条「そうだよね、何聞いてるんだろうね」

ほむら「・・・もしよかったら、向こうの時間軸で手伝おうかしら?」

上条「うん、でも背中を押して貰う程度でいいよ」

ほむら「わかった・・・じゃあ送るわね」

上条「頼んだよ」

ほむら「じゃあ、行くわよ」カチッ

213: 2011/12/04(日) 04:14:15.67 ID:aNNJjO2f0
ほむら「うう・・・うっ」

まどか「ほむらちゃん、大丈夫?」

ほむら「え、ええ大丈夫よ」

マミ「わたしの家で休む?」

ほむら「平気よ」

ほむら「・・・」キョロキョロ

まどか「どうしたの、ほむらちゃん?」

ほむら「美樹さやかは?」

まどか「さやかちゃんなら、ほら上条くんと前を歩いてるよ」

ほむら「あっ」

216: 2011/12/04(日) 04:18:48.33 ID:aNNJjO2f0
マミ「あの二人お似合いね」

まどか「そうですよねー、へへへ」

ほむら「・・・」

まどか「ほむらちゃん、どうしたの?」

ほむら「いいえ、なんでもないわ」グスッ

ほむら(終わった、この時間軸に電話レンジはない)

ほむら(もう別の時間軸に行くことはできない、もう無かった事にすることは出来ない)

ほむら(だから、今度こそワルプルギスの夜を倒す)

ほむら(この時間軸を、わたしたちのやってきたことをなかった事にしてはいけないだからわたしは、絶対に倒す!)

END

218: 2011/12/04(日) 04:20:06.20 ID:aNNJjO2f0
尻切れな感じもしましたがこれ以上ダラダラとやると蛇足になりそうなのでこの辺にしました
最初はほむほむの盾が電話レンジになる話にしようかと思いましたが何も思い浮かばなかったのでさやかちゃ
んが電話レンジを作ってほむほむ救う話にしてみました
一回落としたりしてしまいましたが最後まで読んでいただきありがとうございました
   ,, ,,  
 ヽ(*゚д゚)ノ<サヤカー 

220: 2011/12/04(日) 04:21:24.01
おつ!

224: 2011/12/04(日) 04:29:07.02
最後に送ったメールの中身が気になる…
乙ほむさや

引用元: さやか「過去にメールを送る機械を作った、主にあたしが!」キリッ