1: 2012/07/26(木) 15:51:03.84 ID:hNfy9qGw0
―――アッシュフォード学園。夏休みに入り、学園内は静寂に包まれていた。

ナナリー「お兄様?」

ルルーシュ「なんだい?」

ナナリー「生徒会のみなさんは?」

ルルーシュ「シャーリーとミレイ会長以外は実家に戻っているよ」

ナナリー「そうですか……少し、寂しいですね」

ルルーシュ「そうだな」

ピリリリ

ルルーシュ「電話だ。ちょっとごめん。―――はい?」

シャルル『我が息子、ルルーシュよ……久しいなぁ……?』

ルルーシュ「……!!」

2: 2012/07/26(木) 15:55:51.46 ID:hNfy9qGw0
ナナリー「お兄様?」

ルルーシュ「お前……は……」

シャルル『お前の父……シャルル・ジ・ブリタニアであぁぁぁる!!!』

ルルーシュ「なんのようだ……きさま……!!」

シャルル『用?用だと?』

ルルーシュ「シャルル……!!」

シャルル『ルルーッシュよ!!ぬぁんたる愚かしさぁぁぁぁ!!!!』

ルルーシュ「な……!?」

シャルル『きさまぁ!!!そろそろ……じゅぎょぉぅさんかぁんの季節だろう?』

ルルーシュ「……」ピッ

ナナリー「お兄様……今の電話……」

ルルーシュ「気にしなくていい……悪戯電話だ」

ナナリー「でも……お父様の声が……」

ルルーシュ「気のせいだ」

ナナリー「そうですか……」

3: 2012/07/26(木) 16:02:57.29 ID:hNfy9qGw0
咲世子「ルルーシュ様」

ルルーシュ「どうしました?」

咲世子「ミレイ様から内線のお電話です」

ルルーシュ「ああ、どうも」

ルルーシュ「はい、ルルーシュです」

ミレイ『ルルーシュ?あの……』

ルルーシュ「どうしました?」

ミレイ『さっき……ブリタニア皇帝陛下から電話があったんだけど……』

ルルーシュ「……なんて?」

ミレイ『授業参観の日取りはどうなっているって……』

ルルーシュ(何を考えているんだ……あの、バカ……)

ミレイ『で、夏休みだから授業自体がありませんって言ったの。そしたら、20分ぐらいの沈黙のあとに電話切れちゃって……』

ルルーシュ「他には?」

ミレイ『特に何もないけど……。どうしたらいい?』

ルルーシュ「放っておいて構いませんよ。ただの嫌がらせです」

8: 2012/07/26(木) 16:07:08.45 ID:hNfy9qGw0
ミレイ『でも……』

ルルーシュ「気にすることはありません」

ミレイ『ルルーシュがそういうなら……』

ピリリリ

ナナリー「……はい。ランペルージです」

シャルル『ナァナリーか?』

ナナリー「……」

シャルル『ワシだ……シャルルだ……』

ナナリー「な、なんでしょうか……?」

シャルル『中等部の授業さぁんかんは……いつだ?』

ナナリー「今は夏季休暇中なので……ありません」

シャルル『ナナァリィィィ!!!!!なんたるおろかしさぁぁぁ!!!!』

ナナリー「ひっ」ピッ

ルルーシュ「ナナリー?どうした?」

ナナリー「あ、いえ……なんでもありません……」

11: 2012/07/26(木) 16:11:41.47 ID:hNfy9qGw0
ルルーシュ(まさか……俺がゼロであることが知られた……いや、それならもっと狡猾な手段で攻めてくるはず)

ルルーシュ(何が目的だ……シャルルめ……!!)

ナナリー「……」ガクガク

咲世子「ナナリーさま……少し、おやすみになったほうが」

ナナリー「そ、そうですね」

ルルーシュ「大丈夫か?」

ナナリー「は、はい……なんともありません」

ルルーシュ「なら、いいんだ」

咲世子「行きましょう」

ナナリー「はい……」

ルルーシュ(手を打ちたいところだが、相手の目的がはっきりしない以上……どうすることも……)

ルルーシュ「くそ……」

12: 2012/07/26(木) 16:18:11.59 ID:hNfy9qGw0
生徒会室

ルルーシュ「……」カタカタ

ミレイ「ルルーシュ?なにしてるの?」

ルルーシュ「会長こそ。どうしたんですか?」

ミレイ「ちょっと、散歩」

ルルーシュ「閑散とした学園をですか?」

ミレイ「こういうのもモラトリアムでしょ?」

ルルーシュ「さあ、どうでしょうね」

ミレイ「ルルーシュは?」

ルルーシュ「少し、調べ物を」

ミレイ「自分の部屋でもできるでしょうに」

ルルーシュ「今はちょっと」

ミレイ「どうして?」

ルルーシュ「色々あるんですよ」

ルルーシュ(夏になってからC.C.が常に全裸でいるからとは言えないからな……)

14: 2012/07/26(木) 16:23:27.53 ID:hNfy9qGw0
ミレイ「で、皇帝陛下のこと?」

ルルーシュ「ええ……」

ミレイ「授業参観に皇帝陛下が来るなんてまずないわよね」

ルルーシュ「そもそも、それがあるのは中等部まででしょう?」

ミレイ「最近はないけど」

ルルーシュ「そうですか」

ミレイ「ルルーシュの場合、いつも咲世子さんが参加してくれてたわね」

ルルーシュ「ええ。作文を読んだのときは誰よりも大きく拍手をするから、恥ずかしかったですけどね」

ミレイ「咲世子さんらしいわ」

ルルーシュ「そうですね」

ミレイ「そうだ。今からシャーリーも呼ぼっか?」

ルルーシュ「どうして?」

ミレイ「折角、寮に残ってるんだしね。一緒に居られる時間はできるだけ共有したほうがいいでしょ?」

ルルーシュ「そういうものですか?」

ミレイ「そういうものよ」

15: 2012/07/26(木) 16:26:58.51 ID:hNfy9qGw0
シャーリー「会長!!」

ミレイ「来た来た」

シャーリー「なんですか!!いきなり呼び出し……って、ルル?!」

ルルーシュ「髪がぐちゃぐちゃだな」

シャーリー「いや、これは……だって……急に会長が呼び出すからぁ!!」

ミレイ「あははは」

シャーリー「ルルもいるなら言ってよ!!」

ルルーシュ「どうやって伝えるんだ」

ミレイ「まあまあ。座って座って」

シャーリー「もう……」

ルルーシュ「……ん?」

ミレイ「私がセットしてあげる。ツインテールでいい?」

シャーリー「変なことしないでください!!」

ルルーシュ「……」

ミレイ「ルルーシュ?どうかしたの?」

16: 2012/07/26(木) 16:34:04.84 ID:hNfy9qGw0
ルルーシュ(シャルルがエリア11を視察だと……?)

ルルーシュ(しかも……今日から三日間も……?)

シャーリー「ルルのやつ、どうしたんですか?パソコンの画面見て、固まってますけど」

ミレイ「色々あるのよ」

ルルーシュ「……まさか」カタカタ

ミレイ「なに?何かわかったの?」

ルルーシュ「会長」

ミレイ「ん?」

ルルーシュ「総督がアッシュフォード学園に来ることは知っていましたか……?」

ミレイ「ああ。巡察でしょ?まあ、支持票を集める目的なんだと思うけど」

ルルーシュ「それは……明日なんですね?」

ミレイ「ええ。ルルーシュと会うことはまずないから、大丈夫だと思うけど」

ルルーシュ「どうして教えてくれなかったんですか?!」

ミレイ「トップシークレットだったの。テ口リスト対策で、ギリギリまで公表しないことになってたし」

ルルーシュ「違う!!そうじゃないんですよ!!会長!!!」

19: 2012/07/26(木) 16:38:32.59 ID:hNfy9qGw0
シャーリー「ど、どうしたの?」

ミレイ「ルルーシュ?」

ルルーシュ(シャルルがエリア11に来ているときにコーネリアが巡察……)

ルルーシュ(これは確実に……!!)

ミレイ「ちょっとルルーシュ、大丈夫?」

ルルーシュ「部屋に戻ります」

シャーリー「え?もう?」

ミレイ「ちょっと。ルルーシュ」

ルルーシュ(今朝の電話……シャルルの来日……コーネリアの巡察……)

ルルーシュ(どう考えても……奴は……!!)

ルルーシュ(ここに来る……!!!)

ルルーシュ(とにかく情報だ……情報が欲しい……!!)

ルルーシュ「……そうだ!!スザク……!!」

20: 2012/07/26(木) 16:42:26.16 ID:hNfy9qGw0
ブリタニア軍基地

セシル「うーん……ちょっと休憩にしましょうか」

スザク「はい」

ロイド「じゃあ、お昼ご飯にいってまぁす」

セシル「ロイドさん。私の作ったお弁当がありますよ?」

ロイド「遠慮します」

セシル「そう言わずに」

ロイド「いや、だってさぁ?どんな材料をぶち込んだら、一面紫色になるわけぇ?」

セシル「隠し味です」

ロイド「か、隠れてないよね?」

スザク「夏季休暇の課題……まだ結構あるな……」

ピリリリ

スザク「はい?」

ルルーシュ『俺だ。今、いいか?』

スザク「いいよ。どうしたの?」

22: 2012/07/26(木) 16:47:31.59 ID:hNfy9qGw0
ルルーシュ『コーネリアの巡察が予定されているな?』

スザク「ああ……今日まで緘口令が敷かれていて、ルルーシュには伝えられなかったんだ。ごめん」

ルルーシュ『それはいい。問題は……シャルルがエリア11に来るということだ』

スザク「皇帝陛下が?」

ルルーシュ『知らないのか?』

スザク「ちょっと待って。―――ロイドさん!!」

ロイド「なぁに?」

スザク「皇帝陛下がエリア11に来るって本当ですか?」

ロイド「もう来てるんじゃないかなぁ?まあ、発表があったのはついさっきみたいだけど」

セシル「ええ?皇帝陛下が?どうして?」

ロイド「そんなの僕が知るわけないじゃない」

スザク「ルルーシュ……本当みたいだね」

ルルーシュ『その様子だと、奴の目的は知らないか……』

スザク「すまない」

ルルーシュ『いや、いいんだ。ありがとう』

23: 2012/07/26(木) 16:50:26.25 ID:hNfy9qGw0
スザク「何か分かったらすぐに連絡するよ」

ルルーシュ『ああ……助かる。それじゃあ』

スザク「うん」

セシル「お友達?」

スザク「ええ……ちょっと」

ロイド「ふぅーん」

コーネリア「枢木はいるか?」

セシル「コーネリア皇女殿下?!」

ロイド「あは~なんですか?」

コーネリア「枢木はいるかと聞いた」

スザク「はい!!ここに!!」

コーネリア「お父様」

ロイド「え?」

シャルル「お前が……枢木ぃかぁ……?」

スザク「こ、皇帝陛下……!?」

24: 2012/07/26(木) 16:56:11.92 ID:hNfy9qGw0
自室

ルルーシュ「ふぅー……明日か……。時間が足りない……動かないでいるのが一番いいが……」

ルルーシュ「しかし、指を咥えているわけにも……」

C.C.「どうした?」

ルルーシュ「何か着ろ」

C.C.「夏ぐらいいいだろ?」

ルルーシュ「あのなぁ……」

C.C.「で、なにがあった?今朝から妙に落ち着きがないみたいだが?」

ルルーシュ「シャルルが来る」

C.C.「どこに?」

ルルーシュ「ここにだ……」

C.C.「ここって……学園にか?」

ルルーシュ「ああ……」

C.C.「そうか……困ったな。出て行く服がない」

ルルーシュ「なら、篭っていろ」

27: 2012/07/26(木) 17:03:24.54 ID:hNfy9qGw0
C.C.「お前も、部屋で大人しくしているべきじゃないか?」

ルルーシュ「……」

C.C.「暗殺でもするのか?」

ルルーシュ「それは無理だろうな。準備する時間がなさ過ぎる」

C.C.「私が行くわけにもいかないしな……」

ルルーシュ「警察に補導されるからな」

C.C.「なかなか、ぴったりの服がなくて困る」

ルルーシュ「……だが、じっとはしていられない」

C.C.「どうするつもりだ?」

ルルーシュ「でき得る限りのことはする」

C.C.「じゃあ、お手並み拝見といこうかな」

ルルーシュ「シャルルめ……なんでも思い通りになると思うなよ……!!」

C.C.「シャルルか……」

C.C.「どういうつもりなのかな……」

28: 2012/07/26(木) 17:13:42.58 ID:hNfy9qGw0


ルルーシュ「……」カタカタ

ピリリリ

ルルーシュ「はい」

スザク『僕だ。ルルーシュ』

ルルーシュ「何かわかったか?」

スザク『ルルーシュ……皇帝陛下はアッシュフォード学園で2泊するみたいだ』

ルルーシュ「なんのために?」

スザク『しおりによると……合宿の名目だけど』

ルルーシュ「合宿?」

スザク『そう。エリア11の庶民の暮らしを体験する目的で』

ルルーシュ「なんだそれは」

スザク『わからない。でも、結構面白そうだよ。特別授業、調理実習、夜には肝試しもあるし』

ルルーシュ「そうか……なら、楽しめ」

スザク『ルルーシュ?他人事じゃないよ。君も参加するんだから』

30: 2012/07/26(木) 17:20:26.66 ID:hNfy9qGw0
ルルーシュ「するわけないだろ……何を言って―――」

スザク『参加者名簿に君の名前もあったよ』

ルルーシュ「なんだと?」

スザク『えっと……参加者はね……皇帝陛下、コーネリア総督、ユーフェミア副総督、ミレイ会長、シャーリー、カレン……」

スザク『それから、僕とルルーシュ。最後にナナリー』

ルルーシュ「ふざけるな!!その場に俺が出て行けるわけ……ちょっと待て」

スザク『なに?』

ルルーシュ「参加者名簿があるといったな?」

スザク『ああ』

ルルーシュ「俺とナナリーの名前もあるのか……?」

スザク『あるよ。生徒会のメンバーも全員名前が挙がってたけど、みんな実家に戻ってるから―――』

ルルーシュ「おい……俺が生きていること……コーネリアやユーフェミアに知られているということか……?』

スザク『あ……』

ルルーシュ「……」

スザク『で、でも!!気にすることないよ!!きっと総督も副総督も知らないフリしてくれると思うし!!』

32: 2012/07/26(木) 17:29:05.65 ID:hNfy9qGw0
ルルーシュ「そういう問題じゃないんだよ……!!」

スザク『総督は隠していたつもりだろうけど……終始、顔が変に歪んでいたのは、きっとルルーシュの生存を知ったからじゃないかな?』

ルルーシュ「それがなんだ」

スザク『楽しみにしているってことだよ』

ルルーシュ「……」

ルルーシュ(これで一気に暗殺がしにくくなったな……。まさか、カレンまで名前が挙がっているとは……)

ルルーシュ(いや、見方を変えればシャルルに近づくことができるということ……。そして、コーネリアもいる)

ルルーシュ(知りたいことを一気に知ることができるかもしれないな)

ルルーシュ「だが、それは明日の話だろう?」

スザク『だからこうして僕が電話をかけているんだ』

ルルーシュ「ご苦労様」

スザク『明日は1限からだから、遅刻しないように』

ルルーシュ「ナナリーにも伝えておこう」

スザク『ありがとう。それじゃあ』

ルルーシュ「ああ……」

39: 2012/07/26(木) 18:16:59.01 ID:hNfy9qGw0
ルルーシュ「ナナリー?」

ナナリー「はい?」

ルルーシュ「明日なんだが……」

ナナリー「何かあるのですか?」

ルルーシュ「ああ……シャルルとコーネリア、ユーフェミアがこの学園に来る」

ナナリー「ユフィ姉さまが?」

ルルーシュ「名目は視察だが……狙いは俺たちかもしれない」

ナナリー「……」

ルルーシュ「だから……ナナリー?」

ナナリー「行きます」

ルルーシュ「え……」

ナナリー「お兄様、私に何ができるかわかりません。何もできないかもしれません。だけど、お兄様だけにそのような苦を……背負ってほしくありません」

ルルーシュ「ナナリー……」

ナナリー「私も行きます。お兄様」

ルルーシュ「わかった……。大丈夫、お前のことは俺が守る」

40: 2012/07/26(木) 18:21:29.26 ID:hNfy9qGw0
翌日 正門前

カレン「……」

シャーリー「おはよ」

カレン「なに?昨日、スザクくんから電話もらって、状況を理解できないんだけど……」

シャーリー「大丈夫。私もよくわかってないから」

カレン「ええ?もう帰っていい?暑いし……」

シャーリー「ダメダメ!!」

カレン「なんで……眠いんだけど……」

シャーリー「すっごい人が来るらしいから、私たちはその人をお出迎えするの」

カレン「ふぁぁ……ホント……折角の夏休みなんだから……寝かせてよね……」

シャーリー「カレンは殆ど学校こないくせに」

カレン「体が弱くて……」

シャーリー「あ、カレン!!あれだよ!!あのリムジン!!」

カレン「誰よ……もう……」

42: 2012/07/26(木) 18:27:19.17 ID:hNfy9qGw0
ギルフォード「君たちは?」

シャーリー「えっと……生徒会の者です」

カレン「お出迎えをしようと思ってお待ちしておりました」

シャーリー「な?!」

ギルフォード「そうか。感謝する。私も途中まで姫様の護衛のために中に入る」

シャーリー「はい」

カレン「……えっと……」

ギルフォード「失礼した。私はギルバート・G・P・ギルフォード。コーネリア皇女殿下の騎士だ」

カレン「てことは……その車に乗ってるって……」

コーネリア「ここか」

ユフィ「はい。お姉様」

ダールトン「姫様、足下にお気をつけください」

コーネリア「心配するな」

カレン(コーネリア……!!)

シャーリー「コーネリア様とユーフェミア様だ……すごい……」

44: 2012/07/26(木) 18:33:04.45 ID:hNfy9qGw0
コーネリア「お前たちは、ここの学生か?」

シャーリー「は、はい!!」

カレン「そ、そうです。お二人を案内しようと思いまして」

ユフィ「まぁ、ありがとう!」

コーネリア「シャーリー・フェネットとカレン・シュタットフェルトか」

シャーリー「え?どうして……私たちの名前を?」

カレン(まさか、素性を調べたの?)

コーネリア「まあ、生徒の名前ぐらいはな」

カレン「生徒?」

ギルフォード「姫様、まいりましょう」

コーネリア「ああ」

カレン「あの……今日はどういう目的で?」

ユフィ「今日は特別授業参観日だと聞いたので」

シャーリー「え?」

コーネリア「まあ、訪れる父兄は一人だけだがな」

45: 2012/07/26(木) 18:36:51.39 ID:hNfy9qGw0
教室

ギルフォード「ここか」

ダールトン「では、先に……おぉ!?」

ギルフォード「どうしました?」

ダールトン「……後ろのほうに既に父兄が……」

ギルフォード「なんと?!」

シャルル「……」

ダールトン「皇帝陛下の入り時間はまだ先ではなかったか?」

ギルフォード「ええ……予定では始業開始直前だったはずです」

ダールトン「それが何故、もういる?まだ始業まで1時間以上あるぞ」

ギルフォード「聞いてみますか?」

ダールトン「恐れ多いだろ」

ギルフォード「ですね……」

シャルル「……」

46: 2012/07/26(木) 18:40:06.60 ID:hNfy9qGw0
生徒会室

ユフィ「ここが生徒会室なのですね」

シャーリー「はい」

ユフィ「スザクから話を聞いていたので、一度来て見たいと思っていたんです」

シャーリー「へえ、そうなのですか」

カレン「……」

ユフィ「カレンさん!」

カレン「は、はい?」

ユフィ「よろしくお願いしますね」

カレン「え、ええ……」

シャーリー「カレン?」

カレン「あたし、先に教室に行ってるから」

シャーリー「あ、カレン!」

ユフィ「私、何か失礼を……?」

シャーリー「そ、そんなことありませんから!!」

47: 2012/07/26(木) 18:44:12.09 ID:hNfy9qGw0
教室

ミレイ「おはよーございまーす」

カレン「会長。おはようございます」

ミレイ「おは―――おぉ!?

シャルル「……」

ギルフォード「……」

ダールトン「……」

カレン「後ろの三人、どうにかなりませんか?」

ミレイ「父兄だから」

カレン「父兄って……」

スザク「おはよ―――あ?!」

ミレイ「スザク?」

スザク「お、おはようございます!!ギルフォード卿!!ダールトン卿!!」

スザク「皇帝陛下!!おはようございます!!!」

シャルル「……」

52: 2012/07/26(木) 18:49:11.44 ID:hNfy9qGw0
スザク「驚いた……まさか、もう居るなんて」

カレン「あんたは知ってたの?」

スザク「うん」

カレン「なら、電話でちゃんと伝えてよね」

スザク「すまない。驚かせようと思って」

カレン「(知っていれば来なかったのに)」

スザク「カレン?」

カレン「ふんっ」

ミレイ「他の生徒は?」

スザク「まだ……みたいですね」

ミレイ「そろそろチャイムが鳴っちゃうわよ」

スザク「そうですね」

コーネリア「―――よし。席についているかー?」

スザク「そ、総督?!」

コーネリア「ん?なんだ、まだ空席が目立つな。どうなっている!!?現代の教育現場は!!」

54: 2012/07/26(木) 18:54:10.75 ID:hNfy9qGw0
ミレイ「あの……なんですか?」

ギルフォード「姫様!!スーツ姿も似合っています!!」

ダールトン「ひめさまー!!」

コーネリア「父兄は黙っていろ!!」

カレン「もしかして……」

コーネリア「自己紹介をしておこうか」

スザク「……」

コーネリア「私の名前は―――」ガリガリガリガリ

ミレイ(字、でか……)

ギルフォード(黒板に字を書き込む姿も凛々しい……)

コーネリア「コーネリア・リ・ブリタニアである!!!担当教科は全教科だ!!」

スザク「……」

ミレイ「……」

カレン「……」

コーネリア「拍手はどうした?!」

58: 2012/07/26(木) 19:00:52.57 ID:hNfy9qGw0
ギルフォード「ひめさまー!!」パチパチパチ

ダールトン「姫様!!ステキです!!」パチパチパチ

シャルル「……」

コーネリア「ありがとう」

スザク「総督!!」パチパチパチ

コーネリア「それにしても。私の授業に遅刻してくる者がいるとはな……いい度胸だ」

ミレイ「えっと……あの、まだ始業のベルは鳴ってませんけど」

コーネリア「抜けている。惚けている。堕落している」

カレン「は?」

コーネリア「教師が教室に入った時点で、授業は始まっている!!」バンッ!!!

ミレイ「ひっ」ビクッ

コーネリア「つまり、教師の後から入ってきたものは全員……遅刻だ」

カレン「でも、まだ15分も余裕が……」

コーネリア「普通は20分前にはいるべきだ!!何を言っている!!!」

スザク「申し訳ありません!!自分たちの認識が甘かったです!!」

61: 2012/07/26(木) 19:05:35.88 ID:hNfy9qGw0
コーネリア「ああ、そうだ。枢木は優等生だな」

スザク「ありがとうございます!!」

カレン「……」

コーネリア「では、学級委員長は枢木に一任する」

スザク「じ、自分がですか?!」

コーネリア「文句でもあるのか?」

スザク「い、いえ!!」

コーネリア「では、枢木。号令を」

スザク「は、はい。起立」

コーネリア「声が小さい!!」

スザク「も、申し訳ありません!!起立っ!!!」

ミレイ「……」ガタッ

カレン「……」ガタッ

コーネリア「動作が遅い!!機敏に動け!!脆弱者が!!!」

カレン(こいつ……やけに張り切ってるわね……!!!)

62: 2012/07/26(木) 19:10:55.56 ID:hNfy9qGw0
シャーリー「みんなー、おは―――え?」

ユフィ「お姉様……」

コーネリア「2分の遅刻だな……。シャーリー、ユーフェミア」

シャーリー「遅刻……?え?でも、まだ10分以上……」

コーネリア「教師よりも後に入ってきたら、遅刻だ!!」

ユフィ「そんな!!お姉様、それはちょっと厳しいのでは?!」

コーネリア「教師に口答えか……?ユフィ?」

ユフィ「そんなつもりは……!!」

コーネリア「廊下に立っていろ」

シャーリー「今時?!」

コーネリア「貴様はバケツを持って立っていろ!!」

ミレイ「た、体罰です!」

コーネリア「体罰?いいだろう。ならばPTAでも呼んで来い。私はナイトメアで真っ向から戦ってやろう」

カレン「無茶苦茶」

スザク「熱血教師だ……」

66: 2012/07/26(木) 19:16:38.87 ID:hNfy9qGw0
ルルーシュ「……」

ナナリー「少しドキドキしますね」

ルルーシュ「俺は別の意味で―――ん?」

シャーリー「なんで……私が……バケツなんて……」

ユフィ「ごめんなさい。お姉様、昨日の夜、一生懸命に熱血教師の漫画を熟読していたみたいで」

シャーリー「ええ……そうなんですか?」

ユフィ「夕方になれば、夕日に向かって走る気だと思います」

シャーリー「はぁ……」

ユフィ「それでなくとも、お姉様は軍学校で厳しい教育を受けていましたから……」

ルルーシュ「何をしている?」

シャーリー「あ、ルル!!」

ユフィ「ルルーシュ?!ルルーシュなのですね?!」

ナナリー「ユフィ姉さま?」

ユフィ「ナナリー!!久しぶり!!」

ルルーシュ「で、廊下で何をしている?」

68: 2012/07/26(木) 19:21:18.80 ID:hNfy9qGw0
シャーリー「遅刻の罰」

ルルーシュ「遅刻?まだ5分も前だぞ?」

ユフィ「お姉様の基準だと、教師よりも後に入ってきたら遅刻みたい」

ナナリー「そんな……」

ルルーシュ「じゃあ、俺も廊下に立たされる運命か」

シャーリー「うん」

ユフィ「でも、挨拶だけはしておいたほうがいいと思いますよ?」

ルルーシュ「挨拶な……」

ナナリー「行きましょう、お兄様?」

ルルーシュ「わかった。すぐに戻ってくる」

シャーリー「うん」

ユフィ「お待ちしています」

ナナリー「コーネリア姉さま、随分と厳しい先生なのですね」

ルルーシュ「まあ、予想をしてたがな」

73: 2012/07/26(木) 19:28:43.16 ID:hNfy9qGw0
コーネリア「ん?」

ルルーシュ「遅れました。ルルーシュ・ランペルージです」

ナナリー「ナナリー・ランペルージです。申し訳ありません、先生」

ミレイ「ルルーシュ」

スザク「ナナリー……」

ルルーシュ「廊下に立っています」

コーネリア「よい。こっちにこい」

ルルーシュ「え……?」

コーネリア「はやく」

ルルーシュ「なんですか?」

コーネリア「だめだろ?」コツンッ

ルルーシュ「……」

コーネリア「ナナリーも」コツンッ

ナナリー「……」

コーネリア「席に座れ」

78: 2012/07/26(木) 19:34:26.79 ID:hNfy9qGw0
カレン「あの……罰は?」

コーネリア「げんこつを与えた」

カレン「え?!廊下に立つんじゃないんですか?!」

コーネリア「ルルーシュとナナリーは素直に遅れてきたことを認め、謝罪した。その姿勢を見せられては何もいえない」

ミレイ「まあ……確かにシャーリーはいい訳してましたけど」

コーネリア「そういうことだ」

カレン「落差が激しいような……」

ギルフォード「素晴らしい愛!!」パチパチ

ダールトン「うむ……教師の鑑だ。涙が止まらない」パチパチパチ

シャルル「……」

ルルーシュ(シャルル……!!)

スザク「(ルルーシュ、良かったね)」

ルルーシュ「(別に嬉しくもない)」

コーネリア「枢木!!私語は厳禁だ!!次はないぞ!!!」

スザク「は、はい!申し訳ありません!!!」

81: 2012/07/26(木) 19:41:03.61 ID:hNfy9qGw0
コーネリア「では、全員が揃ったところでホームルームを始める」

コーネリア「今日1日の予定表を配る」スッ

ミレイ「どうも」

コーネリア「……」スッ

カレン「あの……二枚多いですよ?」

コーネリア「お前……廊下に立っている二人に配ってこいという意味を汲めないのか?」

カレン「あ、ああ……わかりました……」

コーネリア「全く。これだから最近の若者は」

カレン「……なによ、偉そうに」

コーネリア「カレン、廊下に立っていろ」

カレン「?!」

コーネリア「……」スッ

スザク「ありがとうございます」

コーネリア「ナナリー、紙で指を切らないようにな?」

ナナリー「はい」

84: 2012/07/26(木) 19:49:58.87 ID:hNfy9qGw0
コーネリア「ルルーシュ、紙で怪我をするときもある。気をつけろよ」

ルルーシュ「は、はい」

コーネリア「では、刮目せよ!!」

ミレイ「……」

コーネリア「昼間ではこの教室を使い、女教師総督コーネリアによる授業を行う」

ナナリー「……」

ルルーシュ(点字処理までしている……用意周到だな……コーネリア……)

コーネリア「昼は皆で食堂へ移動し、昼食を皆で作り、食す!!」

コーネリア「午後は体育の授業のみ!!」

スザク「え……ナイトメアの操縦訓練?」

コーネリア「夜は中庭でバーベキューを執り行う」

コーネリア「そのあと、肝試しをし、体育館で就寝。以上!!質問は?!」

ナナリー「はい」

コーネリア「ナナリー」

ナナリー「あの……調理実習と体育の時間、私は参加できそうにないのですけど……」

87: 2012/07/26(木) 19:53:16.12 ID:hNfy9qGw0
コーネリア「心配するな。私がフォローしてやる」

ナナリー「ありがとうございます」

コーネリア「他には?!」

ユフィ「はい!」

コーネリア「外野は黙っていろ」

ユフィ「えぇ?!」

スザク「コーネリア先生!!」

コーネリア「枢木」

スザク「体育館で就寝とはどのように?」

コーネリア「寝袋を使う」

ミレイ「いいんですか?!」

コーネリア「なんの問題がある」

ミレイ「いえ……先生がいいなら……いいですけど」

コーネリア「他には?ルルーシュ、何かないか?」

ルルーシュ「特にありません」

90: 2012/07/26(木) 19:58:38.06 ID:hNfy9qGw0
コーネリア「では、廊下に立っている者たち、教室に入って来い」

シャーリー「はぁ……やっと解放された」

ユフィ「お姉様……今日はなんだか、厳しい……」

コーネリア「公私混同はしない。ユフィ?妹だからと甘くするつもりはない」

ユフィ「はい……」

カレン「よく言うわよ……」

コーネリア「カレン。お前は問題児だな」

カレン「いいえ。優等生です」

コーネリア「まあ、いい。では、1限は歴史だな。教科書を開け」

スザク「……」

ルルーシュ「(スザク、いいのか?ユフィがボロクソに言われているが)」

スザク「(仕方ないと思う。総督の言い分のほうが正しいし)」

コーネリア「枢木!!私語をするなといっただろうが!!!」

スザク「す、すいません!!出来心で!!」

コーネリア「罰として、教科書47ページから50ページまでを全て音読しろ!!」

95: 2012/07/26(木) 20:07:32.76 ID:hNfy9qGw0
スザク「―――以上です!!」

コーネリア「ご苦労。では、枢木が読んでくれている間に、黒板に穴埋め問題を書いておいた」

コーネリア「どれでも基本的なところだな。年号を埋めてもらおう。では……ミレイ」

ミレイ「は、はい!」

コーネリア「書け」

ミレイ「はい」ガタッ

ギルフォード「撮影は禁止ですか?」

ダールトン「フラッシュはだめらしい」

シャルル「……」

C.C.「おお、もう始まっているのか。ふふっ。父兄も精悍だ。お洒落してきて正解だったな」

咲世子「はい」

ギルフォード「あ、どうも」

咲世子「どうも。すいません」

ダールトン「貴方たちは?」

C.C.「授業参観だろ?子どもの成長を見るのに理由はいらない」

100: 2012/07/26(木) 20:14:18.16 ID:hNfy9qGw0
ミレイ「これでいいですか?」

コーネリア「正解だ。まあ、これぐらいは簡単か」

ミレイ(授業でやってないところでしたけどね……)

コーネリア「不満そうだな?」

ミレイ「滅相もありません」

コーネリア「では、次のページに行こう。読みたい者は?」

咲世子「ルルーシュ様、手を上げてください」

C.C.「ルルーシュ、見せ場だぞ」

ルルーシュ「……?!」

ルルーシュ(咲世子とC.C.……?!なにをやっている……!?)

コーネリア「誰かいないか?根性なしばっかりだな!!!」

スザク「では、自分が!!」

コーネリア「お前はさっきも読んだろうが!!!自己主張が過ぎるぞ!!枢木!!!」

スザク「申し訳ありません!!」

カレン(なら、どうしろっていうのよ)

106: 2012/07/26(木) 20:20:24.27 ID:hNfy9qGw0
キーンコーンカーンコーン

コーネリア「よし、1限は終了とする。10分の休憩を挟む。今のうちにトイレには行っておけ」

コーネリア「号令!!!」

スザク「きりーつ!!!!礼!!!ありがとうございましたぁ!!!!」

シャーリー「……した」

コーネリア「よし」スタスタ

スザク「はぁ……」

ルルーシュ「ナナリー、大丈夫か?」

ナナリー「あの……お兄様。気のせいかもしれませんが……背後からすごい視線を感じます……」

ルルーシュ「……」

シャルル「……」

ルルーシュ「気のせいじゃない。咲世子が来ているからな」

ナナリー「咲世子さんの視線なら、こんなに怖いはずがないと思うのですが……」

ルルーシュ(シャルル……ナナリーを怖がらせるな……!!)

シャルル「……」

112: 2012/07/26(木) 20:28:18.65 ID:hNfy9qGw0
シャーリー「会長ぉ~。もう疲れましたぁ……」

ミレイ「そりゃ、前門の総督、後門の皇帝陛下、だもんね。姿勢一つ崩すのも躊躇うわ」

シャーリー「もう背筋を伸ばすのいやですよぉ」

ミレイ「まあ、まあ。でも、こういうイベントに参加できるってすごいことよ?」

シャーリー「そうかもしれませんけど」

カレン「ふわぁぁ……」

スザク「眠そうだね」

カレン「昨日はちょっと夜更かししてね」

スザク「寝たらどんな罰があるかわからないよ?」

カレン「分かってるわよ……」

ユフィ「スザク」

スザク「なんですか?」

ユフィ「大丈夫ですか?声が若干枯れ始めてる気がしますけど……」

スザク「音読のときも全力でしたからね。聞き苦しい声にならないように気をつけます」

ユフィ「そんなのは気にしないでいいから」

117: 2012/07/26(木) 20:35:47.34 ID:hNfy9qGw0
コーネリア「さてと」スタスタ

シャーリー「は、早くないですか?まだ、5分ですよ!?」

コーネリア「教室に私が来ただけだろう」

ミレイ「えぇ……」

コーネリア「次は数学か……よし、教科書を開け」

ミレイ「あの!10分の休憩ではなかったのですか?」

コーネリア「ああ。あと5分は雑談していても構わないぞ?教科書を開いておけといっただけだ」

ユフィ「なるほど、遅刻対策ですか」

コーネリア「その通りだ、ユフィ。流石だな」

シャーリー(この雰囲気で雑談なんて……)

コーネリア「今のうちに私は黒板に問題を書く。楽にしていろ」ガリガリガリガリ

ルルーシュ「なんて高圧的な教師だ」

ナナリー「お兄様」

コーネリア「そうか。すまない。気をつけよう」

シャーリー「ルルに甘くない……?」

120: 2012/07/26(木) 20:41:37.15 ID:hNfy9qGw0
キーンコーンカーンコーン

コーネリア「号令!!」

スザク「きりぃぃつ!!!れぇぇい!!!よろしくおねがいしまぁす!!!ちゃくせきぃ!!!」

コーネリア「よし。では、早速黒板に書いた問題を解いてもらおうか。自信があるものは挙手!!」

ユフィ「……」

ギルフォード「ユーフェミア様!!好機です!!」

ダールトン「ユーフェミア様!!手を!!」

咲世子「ルルーシュ様!!」

C.C.「いけ、カレン」

カレン「!?」バッ

C.C.「……」ササッ

カレン(今、誰かいたような……)

シャルル「…………」

ナナリー「……は……はい」プルプル

コーネリア「ナナリー?」

125: 2012/07/26(木) 20:47:47.38 ID:hNfy9qGw0
ルルーシュ「ナナリー、中等部ではまだ習っていない数式もあるぞ?」

ナナリー「みたいですね……先生から頂いた、点字プリントを読む限りは……」

コーネリア「ナナリー、できるなら、その場で答えを言っていけ」

スザク「ナナリー、大丈夫かい?僕もこれ、全然わからないんだけど」

ナナリー「でも……答えないと……背中から押し殺されそうで……」

ルルーシュ「……!」

シャルル「…………」

ルルーシュ(シャルル……!!)

シャーリー「ナナちゃん、がんばって」

ミレイ「ナナリー」

カレン「……」

ユフィ「ナナリー、ファイトです」

ナナリー「はい。―――第一問の答えは……5です」

コーネリア「違うが正解でいい。最初の値を4にすると解は5になるしな」ガリガリ

ナナリー「……」

132: 2012/07/26(木) 20:54:32.22 ID:hNfy9qGw0
キーンコーンカーンコーン

コーネリア「では休憩にする。号令!!」

スザク「きりぃぃつっ!!れいっ!!ありがとうございますたぁ!!!」

コーネリア「よし」

ナナリー「……」

ユフィ「ナナリー?元気だして」

シャーリー「あれ、私でもわからなかったし!!」

ミレイ「そうそう。大学入試レベルだから」

カレン「うんうん」

ナナリー「……」

ルルーシュ「ナナリー……習っていないところだ。気にするな」

スザク「でも、全問不正解だから……割とショックだと思うよ」

ルルーシュ「スザァァァク!!!!」

カレン「余計なこというな!!!」

スザク「え?あ、ごめん」

142: 2012/07/26(木) 21:03:31.09 ID:hNfy9qGw0
咲世子「ナナリー様……」

C.C.「ああいうときもあるさ。気にしてやるな。余計、惨めにさせる」

ギルフォード「あの車椅子の少女が……?」

ダールトン「ナナリー・ヴィ・ブリタニア皇女殿下……今は皇位継承権はないと聞くが」

ギルフォード「らしいですね」

咲世子「手出しはさせませんよ」

ギルフォード「何をいう。姫様が敬愛していたマリアンヌ様のご息女。我々にとっても守る対象だ」

ダールトン「その通り」

C.C.「頼もしいな。なら、ルルーシュのこともお願いしようかな」

ギルフォード「無論だ」

咲世子「よかった……」

ダールトン「そろそろ、次の授業が始まるな」

ギルフォード「ダールトン卿。もうデジカメの容量が……」

ダールトン「それはいかん。すぐに新しい記憶媒体と交換しろ」

シャルル「………………」

147: 2012/07/26(木) 21:08:29.49 ID:hNfy9qGw0
コーネリア「―――で、あるかして。この物質は……ん?」

スザク「カレン……カレン……」

カレン「ん……」ウトウト

コーネリア「枢木」

スザク「あ……」

カレン「ん……ん……」ウトウト

ルルーシュ「……」

シャーリー「あぁ……カレン……」

ミレイ「ご愁傷様」

コーネリア「……」

カレン「ん……ん……ん……」ウツラウツラ

コーネリア「カレーパンッ!!!!!」

カレン「ひゃいぁ?!」ガタッ!!!

コーネリア「起きたか?」

カレン「はい……すいません……でした……」

153: 2012/07/26(木) 21:14:39.34 ID:hNfy9qGw0
キーンコーンカーンコーン

カレン「……あ」

コーネリア「よし。午前の授業はこれで終わりとなる。カレン、座っていいぞ」

カレン(まさか、授業中ずっと立たされるとは思ってなかった……地味にきつい……)

ユフィ「調理実習ですね!」

コーネリアその通り。ギルフォード!!」パチンッ

ギルフォード「はっ。皆さん、今からエプロンを配ります」

シャーリー「エプロン?」

コーネリア「我が父君、シャルル皇帝陛下がお作りになったものだ。心して着用するように」

ミレイ「えぇ?!」

ルルーシュ「シャルルが……?!」

シャルル「……………………」

ナナリー「あれ……このエプロン……いたるところに点字が……」

スザク「ありがとうございます!!皇帝陛下!!」

シャルル「……………………」

168: 2012/07/26(木) 21:28:05.99 ID:hNfy9qGw0
セシル「ロイドさん、こっちです」

ロイド「もうー、強引なんだから。セシルくんは」

セシル「今の時間だと調理実習中だと思います」

ロイド「でもさぁ?総督はともかく、皇帝陛下までいるんでしょ?ちょっと気が引けるよね」

セシル「まあ、そうですけど……折角、シュナイゼル殿下が行ってきてもいいと行ってくれたのですから」

ロイド「確かに、殿下のご好意を無駄にはできないけどさぁ」

セシル「私も調理実習に参加しちゃってもいいんでしょうか?」

ロイド「地獄絵図になるだろうね」

セシル「へえ?」

ロイド「ごめんなさい。殴らないで……」

ダールトン「ん?お前たちは特派の」

ロイド「どーも。スザクくんは、います~?」

ダールトン「今、班分けが済んだところだ。父兄は黙って参観していろ」

セシル「あの、私も調理のお手伝いを……」

ロイド「だめだって!!」

170: 2012/07/26(木) 21:34:56.57 ID:hNfy9qGw0
調理室

コーネリア「では、班に分かれ、調理をしろ。そして、勝手に食え!!」


ミレイ「よし……!!なんか班分けに納得できないけど!!」

シャーリー「ファイトー!!」

スザク「うん、頑張ろう」

カレン「早く作っちゃいましょう」


コーネリア「よし。では、作ろうか」

ユフィ「お姉様、何を作りましょうか?」

ナナリー「……」

ルルーシュ「どうでもいいが、この班分けには何か作為的なものを感じざるを得ないのだが」

コーネリア「何をいう。私が事前に籤を引いていたといっただろう」

ユフィ「ナナリー?なにつくろっか?」

ナナリー「なんでも構いませんよ?」

ルルーシュ「……」

173: 2012/07/26(木) 21:39:56.96 ID:hNfy9qGw0
ミレイ「食材はいっぱいあるし、なんでも作れそうね」

C.C.「ピザ」

シャーリー「ピザにするの?」

スザク「え?そうなの?」

カレン「なんでピザなのよ」

C.C.「ピザ」

ミレイ「じゃあ、生地から作らないとダメね」

シャーリー「はーい」

スザク「力仕事なら僕がやります」

カレン「ねえ、ピザでいいの?」

C.C.「いいんじゃないか?」

カレン「なら、いいけど」

C.C.「よし」

咲世子「何をしているのですか?」

C.C.「ステルスマーケティングだよ」

176: 2012/07/26(木) 21:46:59.24 ID:hNfy9qGw0
コーネリア「さて、ルルーシュ」

ルルーシュ「なんですか?」

コーネリア「何が食べたい?」

ルルーシュ「先生が作ってくれるんですか?」

コーネリア「任せろ」

ユフィ「わーい。お姉様の手料理なんて久しぶりです」

ナナリー「私は初めてですね」

コーネリア「ふふ……期待してろ、ナナリー?」

ナナリー「はい」

コーネリア「まずは食材を切らないとな」

ユフィ「ワクワクしますね、ルルーシュ?」

ルルーシュ「大丈夫なんだろうな?」

ユフィ「見た目が豪快なだけで、割と美味しいですよ?」

ナナリー「……見てみたいですね。お姉様の料理」

ユフィ「ナナリー、ごめんなさい!!」オロオロ

181: 2012/07/26(木) 21:51:52.01 ID:hNfy9qGw0
ダールトン「……」

ギルフォード「……」

コーネリア「よっと」ザンッ

ダールトン「ああ……!!」ハラハラ

ギルフォード「……」ドキドキ

コーネリア「はっ」ザンッ

ルルーシュ「……」

ユフィ「ふふ……」

コーネリア「はぁ!」

ルルーシュ「待て!!」ガシッ

コーネリア「なんだ?」

ルルーシュ「手つきが……」

コーネリア「いやらしいか?」

ルルーシュ「違う。先生、料理をする度に指を切っていただろう?」

コーネリア「よくしっているな。誰から聞いた?」

184: 2012/07/26(木) 21:56:19.46 ID:hNfy9qGw0
セシル「んー……」

スザク「トッピング、できました」

ミレイ「じゃあ、こっち手伝って」

スザク「はい」

セシル「……んー。これじゃあ、普通のピザよね……」

セシル「えっと……あったわ。ブルーベリージャム」

セシル「ふんふーん」ボトッ

セシル「これでよしっと」

カレン「スザクくん、ピザを焼いて」

スザク「わかった」

シャーリー「カレーン!!洗い物手伝ってよー」

カレン「はいはい」

スザク「ん?なんだ、これ?こんあトッピングしたかな?」

スザク「まあ、いいか」

スザク「これで焼きあがるのを待つだけか」

192: 2012/07/26(木) 22:04:06.10 ID:hNfy9qGw0
C.C.「皆、順調のようだな」

咲世子「ええ……きっと力作になるでしょう」

ロイド「セシルくん、今、スザクくんのところに行ったみたいだけど、何かした?」

セシル「え?ああ、一味添えておきました。普通のピザだったので」

ロイド「あちゃぁ……」

シャルル「………………………………」

ロイド「……皇帝陛下?」

シャルル「……………………………………」

セシル「ずっと一点の見つめてますね」

ロイド「なんだろう……なんかすごく怖いよ」

セシル「きっとなにかお考えがあるんですよ」

ロイド「だといいけどね」

チーン!!!

スザク「焼けたよ!!」

ミレイ「なんかすっごいブルーベリーの匂いがするけど、なんで?!」

196: 2012/07/26(木) 22:08:39.88 ID:hNfy9qGw0
C.C.「焼けたか」テテテッ

シャーリー「なにこれぇ……すっごくジャムですけど……」

カレン「匂いがもう甘ったるぅ……」

ミレイ「とりあえず、切り分けましょう」

スザク「はい」

C.C.「なんだか不思議なピザだな」

スザク「はい」

シャーリー「どうも……」

スザク「はい、カレン」

カレン「……」

スザク「はい、会長」

ミレイ「う、うん……」

スザク「はい」

C.C.「ありがとう」テテテッ

スザク「あれ?僕の分がない……おかしいな。人数分切り分けたのに……」

205: 2012/07/26(木) 22:15:44.35 ID:hNfy9qGw0
C.C.「いただきます」パクッ

ミレイ「はむっ……」

シャーリー「……うぇぇ……ジャムをそのまま食べてるみたい……」

ミレイ「ジャムのピザってあるけど……カスタードクリームとか使って、スイーツみたいにしないと食べられたものじゃないわね……」

スザク「僕はサラダで我慢します」ムシャムシャ

カレン「……」モグモグ

C.C.「……」

咲世子「C.C.様、涙を拭いてください」

C.C.「ピザ……まずいな……」

咲世子「たまたまです」

C.C.「信じてたのに……うぅ……」

ロイド「やっぱりこうなったか……」

セシル「あれ……割といけると思ったんですけど」

カレン「……」モグモグ

カレン(別にこれ悪いとは思わないけど……言ったら変な子になるわね……)

208: 2012/07/26(木) 22:23:05.88 ID:hNfy9qGw0
コーネリア「できたぞ!!」

ユフィ「いい香りですね、お姉様!!」

コーネリア「ああ。どんどん食べろ」

ルルーシュ「カレーじゃないですか」

コーネリア「不服か?」

ギルフォード「姫様ぁ!!!大盛りでお願いします!!」

ダールトン「では、私は特盛で!!!」

コーネリア「まてまて。生徒が先だ」

ユフィ「お姉様、私は並盛りで」

コーネリア「はいはい」ドバァ

ユフィ「え!?お姉様!!こんなに食べられません!!!」

ナナリー「私も少なめでいいです、先生」

コーネリア「そうかそうか。はい」

ルルーシュ「俺は―――」

コーネリア「いっぱいたべろ、ルルーシュ。てんこ盛りにしておいてやろう」ドバァ

213: 2012/07/26(木) 22:30:24.03 ID:hNfy9qGw0
ギルフォード「美味しいですね……この適度な辛味が姫様の人柄を表しているかのようです」ハフッハフッ

ダールトン「ああ!!この形の揃っていない具も姫様の気高さがよく表現されている!!」ハフッハフッ

ナナリー「……」パクッ

コーネリア「どうだ?」

ナナリー「はい、とっても美味しいです。具も大きくて……」

コーネリア「ああ。あえて人参は切らないで入れてみた」

ナナリー「……」

ルルーシュ「全く……いくら食っても減らないぞ……」

ユフィ「はい……もう苦しい……」

シャルル「……………………………………」

ルルーシュ「シャルル……」

ユフィ「お父様?お姉様のカレー、どうですか?」

シャルル「……………………………………」フルフル

ルルーシュ(何故、喋らない……。ん?良く見たらシャルルの両頬が若干膨らんでいる……?)

ルルーシュ(こいつ、何か口にいれているのか……!?)

216: 2012/07/26(木) 22:34:48.72 ID:hNfy9qGw0
ミレイ「向こうの班はなんか幸せそうね」

スザク「そうですね」

シャーリー「いいなー……私も豪快なカレー食べたい……」

スザク「まだ、ジャムピザ残ってるじゃないか」

シャーリー「スザクくん、食べる?」

スザク「シャーリー、間接キスになるけど、いいのかい?」

シャーリー「かっ……!?」

スザク「それでもよければ、もらうけど」

シャーリー「だめ!!やめて!!」

スザク「そう」

ミレイ「なにやってんだか」

カレン「……」

ミレイ「カレン?どうしたの?」

カレン「総督と副総督はすごく楽しそうだなって……」

ミレイ「そうね……。そうでしょうね」

223: 2012/07/26(木) 22:41:47.79 ID:hNfy9qGw0
コーネリア「えー、おほん。食事は済んだようだな!!では、午後は体育の授業を行う!!」

ルルーシュ「腹が……」

ユフィ「うっ……」

ナナリー「大丈夫ですか?お兄様、ユフィ姉さま」オロオロ

コーネリア「まずはグラウンドでナイトメアの操縦訓練!!」

シャーリー「先生!!それ本物を使うんですか?!」

コーネリア「当たり前だ!!!実戦訓練を行うからな!!覚悟しろ!!!枢木!!!」

スザク「名指しですか?!」

コーネリア「ナイトメアの操縦訓練を行った後は、屋内プールへ移動し、水練を行う!!」

ナナリー「プールは大好きです」

カレン「そうなの?」

ナナリー「はい。水中のほうが自由に動けますから」

カレン「なるほどね」

コーネリア「では、速やかに体操服に着替えろ!!」

230: 2012/07/26(木) 22:47:10.79 ID:hNfy9qGw0
グラウンド

ギルフォード『姫様ー、お持ちしました』

コーネリア「ありがとう!!」

ダールトン『いえ。勿体無いお言葉です』

ミレイ「先生まで体操着着てるわね……」

シャーリー「先生が穿いてるのってなんですか?すごく足が出ちゃってますけど」

カレン「たしかブルマーとかいうのね」

ミレイ「へえ」

ルルーシュ「運動したら吐きそうだ」

ユフィ「私もです……」

スザク「ルルーシュとユーフェミア様は休んでいたほうが……」

ナナリー「ご無理はなさらないでください」

ルルーシュ「ありがとう」

ユフィ「では、最初の30分は基本的な操縦方法を教えてやろう。まずは……シャーリー!!このグロースターに乗れ!!」

シャーリー「は、はい!!」

237: 2012/07/26(木) 22:53:25.02 ID:hNfy9qGw0
シャーリー『であぁぁぁ!!!!』ギュルルル

コーネリア『いいぞ!!筋はいい!!だが……まだまだだ!!脆弱者がぁぁ!!!』ガキィィィン

シャーリー『きゃぁあああ?!』

セシル「いいんですか?一般学生をナイトメアに乗せるなんて」

ロイド「いいんじゃない?総督自身がいいっていってるんだし」

セシル「そうですけど」

C.C.「んー……そろそろ帰るかな」

咲世子「いいのですか?」

C.C.「バーベキューになったら戻ってくるよ」

咲世子「畏まりました」

シャルル「………………………………………………………………」

C.C.(シャルルが何かを仕掛けるかとも思ったが、どうやら心配はないようだな)

C.C.「ふふ……」スタスタ

シャーリー『あぁぁああああ!!!!!』ガキィィィン!!!

コーネリア『なに?!』

239: 2012/07/26(木) 22:59:37.74 ID:hNfy9qGw0
コーネリア「よし。次はナナリー」

ナナリー「え?私、ですか?」

コーネリア「一緒に乗ろう。相手は……枢木、お前だ」

スザク「わかりました」

ルルーシュ「スザクも軍人ならナイトメアぐらい操縦できるか」

ユフィ「スザクー、頑張ってください」

カレン「暢気よね」

ユフィ「え……?」

ミレイ「ルルーシュとスザクって結構いい戦いになりそうよね?」

ルルーシュ「あっちは訓練を飽きるほどしている。負けますって」

シャーリー「あー……つかれたぁ……」

ルルーシュ「すごいな。お前、ナイトメアの操縦技術を磨いたらナイトオブラウンズになれるんじゃないか?」

シャーリー「無理無理。もう……足と手がガクガクで……」

ミレイ「お疲れ様。タオルをどーぞ」

シャーリー「どうも」

245: 2012/07/26(木) 23:04:24.54 ID:hNfy9qGw0
ナイトメア内

コーネリア「私の上に座れ」

ナナリー「いいのですか?」

コーネリア「構わないよ」

ナナリー「では……失礼します」ギュッ

コーネリア「ナナリー。逆だ」

ナナリー「これは……?」モミモミ

コーネリア「あぁん……こ、こら、ナナリー、それは私の胸だ」

ナナリー「ご、ごめんなさい」

コーネリア「いいか。ここを持つんだ」ギュッ

ナナリー「はい……」グッ

コーネリア「よし……いいぞ。あとは耳を研ぎ済ませろ」

ナナリー「耳を……」

コーネリア「相手のナイトメアの音を聞くんだ」

ナナリー「……」

256: 2012/07/26(木) 23:09:27.91 ID:hNfy9qGw0
スザク『コーネリア総督!!』

コーネリア『先生だ、枢木』

スザク『先生……行きます!!』

コーネリア『いつでもこい』

スザク『はぁぁぁぁ!!!!』ギュルルルル!!!!

コーネリア『来たぞ!!ナナリー!!』

ナナリー『スザクさんっ!』ギュルルル!!!!

スザク『避けられた!?』

ナナリー『くっ!!』バッ

スザク『そこだ!!!』スガガガガ

ナナリー『聞こえます!!』バッバッ!!

スザク『動きは早い!?』

ロイド「すごい……あれ……本当に盲目の女の子が操縦してるの?」

セシル「コーネリア皇女殿下のサポートによるものでは?」

カレン(違う……あれはコーネリアの動きじゃない……まるで……)

260: 2012/07/26(木) 23:15:47.99 ID:hNfy9qGw0
スザク『くそぉ!!』ギュルルル!!!

ナナリー『そこですね!!』スガガガガ

スザク『くっ……!!なんて反応速度だ!!』

スザク(この動き……まるで……)

カレン(ゼロ……!!)

スザク『いくぞ!!ナナリー!!』

ナナリー『はい!!!』

コーネリア『ナナリー、落ち着け!!』

ナナリー『私に足があるような感覚です!!』ギュルルル!!!

スザク『うおぉぉぉ!!!!』ガキィィィン

ナナリー『ふっ……』ガキィィン!!

ギルフォード「あの枢木スザクと互角に渡り合うとは……」

ダールトン「全盲なのが惜しい逸材だな」

カレン(ナナリーがどうしてゼロと似たような動きを……まさか……まさかね……)

ルルーシュ(流石だな。母さんの血はナナリーに受け継がれていたのか……)

267: 2012/07/26(木) 23:23:34.20 ID:hNfy9qGw0
屋内プール

ナナリー「ユーフェミア様ー」パチャパチャ

ユフィ「ナナリー、かわいい」

スザク「犬掻き、上手いね」

ナナリー「ありがとうございます……」

ルルーシュ「スザァァァク!!!」

スザク「え?どうしたんだい?」

ルルーシュ「それは嫌味か?!嫌味なんだろぉ?!」

スザク「なんのことだ?!」

ミレイ「コーネリア先生、大丈夫かなー?」

シャーリー「手首を軽く捻挫したっていってましたよ」

ミレイ「ナナリーの操縦、そんなに荒っぽかったの?そうは見えなかったけど」

カレン「ナナリーがナイトメアのハンドルと間違えて先生の腕を握ってしまったのが原因だって言ってました」

シャーリー「え……?」

ナナリー「おにいさまー」パチャパチャ

275: 2012/07/26(木) 23:32:44.84 ID:hNfy9qGw0
保健室

コーネリア「皆は?」

ダールトン「予定通り、屋内プールのほうに。自由時間にさせていますが」

コーネリア「それでよい」

ギルフォード「そうですか」

コーネリア「それよりもお前たち、そろそろバーベキュー準備と肝試しの準備に取り掛かれ」

ダールトン「イエス、ユア・ハイネス」

コーネリア「特派にも手伝ってもらうぞ」

ロイド「あは~それなら、もう用意してますよ」

コーネリア「なに?」

セシル「昨日、徹夜で作りました。広域ホログラフィー発生装置」

ギルフォード「どういうものだ?」

ロイド「その名の通り、半径1キロメートルにならどこにでも任意でホログラフィーを映し出せる装置なんですよね~」

セシル「また触れることはできませんが、温度を感じることができるようになっています。肌を撫でる温い風などを再現できます」

コーネリア「……」

277: 2012/07/26(木) 23:38:51.43 ID:hNfy9qGw0
中庭

咲世子「よいしょ……バーベキューセットはこれでよしと」

咲世子「C.C.様、燃料はそこにおいて置いてください」

C.C.「ああ」

シャルル「……………………………………」

咲世子「材料は……よし……次はテーブルはいるのでしょうか……?」オロオロ

シャルル「……………………………………」

C.C.「おい」

シャルル「……………………………………」ビクッ

C.C.「お前、何もしないならどこかにいけ」

シャルル「……………………………………」

C.C.「なんだ?その口の中に何を仕込んだ?」

シャルル「……………………………………」フルフル

C.C.「仕込んでない?嘘を吐くな。どうせ、つまらない手品でもするつもりなのだろう?」

シャルル「……………………………………っ」ドキッ

285: 2012/07/26(木) 23:47:30.38 ID:hNfy9qGw0
ルルーシュ「はぁ……疲れた……」

スザク「お腹すいたね」

ルルーシュ「あれだけ泳げばな……」

スザク「そうだね。ルルーシュ、じゃあ早く食べられるように僕たちもバーベキューの準備をしよう」

ルルーシュ「ああ」

ルルーシュ(そろそろ宴も終わるか……シャルルの目的は不明のままで終わりそうだな……)

咲世子「あー、忙しい、忙しい」パタパタ

スザク「咲世子さん、手伝います」

咲世子「スザク様……はい。お願いします」

C.C.「よっと」

ルルーシュ「珍しいこともあるな。お前が進んで手伝うなんて」

C.C.「バーベキューピザが私を待っている」

ルルーシュ「なんだそれは?」

シャルル「……………………………………」

ルルーシュ「……咲世子さん。俺も何か手伝います」

287: 2012/07/26(木) 23:51:57.33 ID:hNfy9qGw0
ユフィ「あ、お姉様!!準備できてますよー!!」

コーネリア「そうか」

ギルフォード「では、姫様」

コーネリア「頼んだぞ」

ギルフォード「イエス、ユア・ハイネス」

コーネリア「いい夕日だな」

スザク「そうですね」

コーネリア「夕日に向かって走るか!!?」

スザク「はい!!」

コーネリア「いくぞ!!」ダダダッ

ルルーシュ「スザク、こっちの具を切るの手伝ってくれ」

スザク「うん」

ユフィ「スザク、こっちもお願いしますね」

コーネリア「どうして誰もついてこない?!」

カレン「……」

291: 2012/07/26(木) 23:55:54.17 ID:hNfy9qGw0
ミレイ「シャーリー、焼けたわよ」

シャーリー「どうもすいません」

ユフィ「お姉様、どうぞ」

コーネリア「ありがとう。ルルーシュ?食べているか?」

ルルーシュ「ええ」

コーネリア「そうか」

C.C.「咲世子、ピザはどこだ?」

咲世子「ありませんよ」

C.C.「なぜだ?!バーベキューピザというのがあるはずだろう?!」

咲世子「C.C.様、それはデリバリーにあるピザです。実際のバーベューでピザは作りません」

C.C.「そんなぁ……ピザ……」

シャルル「……………………………………ちゅぅぅぅぅもふぅぅぅぅ!!!!!!」

ルルーシュ「シャルル?」

カレン「……ねえ」

ユフィ「はい?」

296: 2012/07/27(金) 00:02:40.03 ID:hNfy9qGw0
シャルル「いふぁかふぁ!!!てふぃなをみふぇてやろぉぉぉ!!!!」

ミレイ「な、なんて言ってるのですか……?」

コーネリア「ミレイ。全く、父君は手品を見せると仰っているのだ。耳をよく傾けておけ」

ミレイ「すいません」

シャルル「ワフィのくふぃかはぁ、ふぁんふぉふきふぉ、ふぁぁぁぁふ!!!」

シャーリー「今のはなんて言ったの?」

ナナリー「多分……口から万国旗を出すって言ったと思います」

シャーリー「そうなんだ……」

スザク「すごい!!どうやって出すんだろう!!」

ルルーシュ「……」

ユフィ「なんですか、カレンさん」

カレン「ずっと……今日一日見てたけど……何してるの?仮にもエリア11の総督と副総督でしょ?」

ユフィ「え……?」

カレン「こんなところで遊んでて……楽しい?影では多くの人が苦しんでいるこの街で、ただ遊んでるだけだよね?」

ユフィ「あの……」

300: 2012/07/27(金) 00:08:29.23 ID:c1qetO5E0
カレン「もっと良くしようとか、やっぱり考えてないんだね。お飾りの姫様は時に」

ユフィ「……!」

カレン「何よ?怒った?」

ユフィ「取り消しなさい!!!」

スザク「ユフィ?」

コーネリア「どうした?ユフィ?お父様が大イリュージョンを―――」

ユフィ「私だって、それぐらいわかっています!!それでも……自分にできることを必氏に探しています!!」

カレン「探してる?どこが?同年代の学生と楽しそうにワイワイしてるだけじゃない!!」

ミレイ「カレン!!」

ルルーシュ(カレン……)

ユフィ「それはあなただってそうじゃない!!」

カレン「あんたが来るって分かっていれば、来なかった!!」

ユフィ「……!!」

カレン「あんたみたいな……何も分かってないやつが……あたしは一番嫌いなんだ」

シャルル「……………………………………」シュルル…

312: 2012/07/27(金) 00:17:07.88 ID:c1qetO5E0
シャーリー「カレン、何言ってるの?落ち着こう、ね?」

カレン「ごめん……」スタスタ

ミレイ「カレン!!」

シャーリー「私が追いかけます!!」

ルルーシュ「シャーリー、俺が行く」

シャーリー「ルル?」

ナナリー「カレンさん……どうしたのですか?」

ユフィ「……っ」

コーネリア「大丈夫か、ユフィ?」

ユフィ「は、はい……」

スザク「あの……申し訳ありません……ユーフェミア様……」

ユフィ「いいえ……スザクは悪くありません……」

スザク「……」

ミレイ「もう……」

シャルル「……」スルスルスルスル…

322: 2012/07/27(金) 00:24:29.51 ID:c1qetO5E0
ルルーシュ「カレン」

カレン「ごめんなさい……空気、悪くして……」

ルルーシュ「……」

カレン「でも……許せなかった……どうしても……言わないと……気が済みそうになかった……」

ルルーシュ「……」

カレン「ごめんなさい」

ルルーシュ「優しいんだな」

カレン「え……?」

ルルーシュ「自分のことじゃなく、お前は他人のために怒っていた。中々、できることじゃない」

カレン「そんなこと……」

ルルーシュ「匿名で何を訴えるのとはわけが違う。お前は副総督に他人の苦しみを直接ぶつけた。面と向かって……しかも、同じブリタニア人が」

カレン「ちが―――」

ルルーシュ「え?」

カレン「あ……いや……なんでもない」

ルルーシュ「お前の優しさはユーフェミア様に届いてるはずだ……気にするな」

327: 2012/07/27(金) 00:30:37.05 ID:c1qetO5E0
カレン「そうかな……あたし、結構酷いこと言っちゃったけど……」

ルルーシュ「ああ。俺が保障する」

カレン「ふふっ……なにそれ?」

ルルーシュ「戻ろう」

カレン「いいの……?あたしは居ないほうが……」

ルルーシュ「途中で抜けるほうが気まずくなる。収拾がつかないほどにな」

カレン「……」

ルルーシュ「このあと、肝試しもあるし」

カレン「分かったわよ……」

ルルーシュ「ありがとう」

カレン「なんで、ルルーシュがお礼をいうわけ?」

ルルーシュ「なんでだろうな」

カレン「もう……」

C.C.「……あいつ」

咲世子「嫉妬ですか?」

333: 2012/07/27(金) 00:36:12.65 ID:c1qetO5E0
シャーリー「あ、戻ってきた」

ユフィ「……」

カレン「……」

コーネリア「カレン!!お前―――」

ルルーシュ「(姉上、ここは二人に解決させるべきです)」

コーネリア「……お前がそういうなら」

ユフィ「……」

カレン「……」

スザク「よし、ここは僕が」

ミレイ「だめだめ!!!」

シャーリー「空気よんでよぉ!!」

スザク「え?でも……」

ルルーシュ「先生、それより、そろそろ肝試しの時間ですよね?」

コーネリア「そうだったな。二人一組になって悪霊がはびこる、この学園を探検する。本日のメインイベントだ」

シャルル「……」スルスルスルスル…

338: 2012/07/27(金) 00:44:43.90 ID:c1qetO5E0
ルルーシュ「問題のペアは……」

コーネリア「私が既に―――」

ナナリー「フィーリング!!」

ルルーシュ「ナナリー?」

ナナリー「フィーリングで決めませんか?」

シャーリー「えー?なにそれ?!どうするの?」

ナナリー「一枚の紙にペアになりたい人を一人書くんです。それでお互いの名前が合致した人とペアになる」

ミレイ「いいじゃない!!面白そう!!」

コーネリア「しかし……あの……私が……」

ルルーシュ「それはいい方法だな。少し時間がかかるかもしれないが」

ナナリー「ごめんなさい……」

ルルーシュ「なら、早速準備しよう。スザク、紙を……そうだな、スケッチブックみたいなのがいいな。それを人数分用意するぞ」

スザク「わかったよ」

ミレイ「おねがーい!!きっと、美術倉庫にあるとおもうからー」

ルルーシュ「分かりました!」

339: 2012/07/27(金) 00:49:58.84 ID:c1qetO5E0
コーネリア「ルルーシュと……ペアが……あぁ……」

シャーリー「でも、どうしてそんな方法を考えたの?」

ナナリー「だって……ペアになりたい人に選ばれると嬉しいじゃないですか」

ミレイ「まぁね」

ユフィ「……」

シャルル「……」スルスルスルスル…

コーネリア「お父様、いつまでやっているのですか?」

シャルル「まだまだ、出てくるのだ」スルスルスル

コーネリア「……」パチパチパチ

カレン「……」

C.C.「私も混ざろうかな……」コソコソ

咲世子「片付けないといけませんね……」パタパタ

スザク「持ってきたよ!!」

ルルーシュ「早速やろう」

ミレイ「はぁーい!じゃあ、このスケッチブックにペアになりたい人の名前を書いてくださーい!!」

347: 2012/07/27(金) 00:56:01.11 ID:c1qetO5E0
ミレイ「―――書けた?じゃあ、一斉にドンっ!」

ルルーシュ『ナナリー』

ナナリー『スザクさん』

スザク『ユーフィミアふくそうとく』

シャーリー『ルル』

ミレイ『ルルーシュ』

シャルル『ルルーシュ』

C.C.『ルルーシュ』

咲世子『ルルーシュ様』

ユフィ『カレンさん』

カレン『ユーフェミア様』

ミレイ「えーと……ユーフェミア様と……カレンがペア成立ね!!」

ユフィ「あ……」

カレン「どうして……」

ユフィ「なんとなく……」

365: 2012/07/27(金) 01:06:58.43 ID:c1qetO5E0
ルルーシュ(やはりナナリーは……スザク狙いか……だが!!)

ナナリー(スザクさんはユフィ姉さまなのですね……はぁ……これ以上、ご迷惑をかけるわけには……)

シャルル(ルルーシュの競争率がたかすぎるわぁぁ!!!)

C.C.(あのバカ。どうして私を書かない。ナナリーはスザクに決まっているだろ!!)

ミレイ「じゃあ、もう一度……一斉に……ドンっ!!」

ルルーシュ『ナナリー』

ナナリー『咲世子さん』

スザク『ナナリー』

コーネリア『ルルーシュ』

C.C.『ルルーシュ』

シャーリー『ルル』

ミレイ『ルルーシュ』

咲世子『ルルーシュ様』

シャルル『ルルーシュ』

ミレイ「えっと……成立なし!!やり直し!!」

378: 2012/07/27(金) 01:20:40.74 ID:c1qetO5E0
ミレイ「はい!!ドンッ!!」

ルルーシュ『ナナリー』

ナナリー『お父様』

スザク『シャーリー』

C.C.『ルルーシュ』

シャーリー『スザクくん』

コーネリア『ルルーシュ』

シャルル『ナナリー』

咲世子『ミレイ様』

ミレイ『咲世子』

ミレイ「お!えーと……私と咲世子さんに……ナナリーと皇帝陛下……それからスザクとシャーリー!!ペア成立!!」

シャーリー「あー……まあ……いいか……」

スザク「ありがとう、シャーリー」

ルルーシュ「ナナリィィィィ!!!!」

C.C.「バカが」

381: 2012/07/27(金) 01:23:29.13 ID:c1qetO5E0
ミレイ「―――はい、ペア成立!!ルール説明するから集まってー」

ルルーシュ「どうして……お前となんて……」

C.C.「私の名前を書くからだ。がんばって1位になるぞ?いいな?」


ナナリー「お父様、がんばりましょうね?」

シャルル「うむ……ワシがいる限りぃ!!!リタイヤはぬぁぁぁい!!!!ぬぁっはっはっはっは!!!」


スザク「よろしく、シャーリー」

シャーリー「うん……はぁ……ていうか……ルルのペアの人……誰?」


咲世子「ミレイ様の御身は私が」

ミレイ「ありがとう」


カレン「……」

ユフィ「……」


コーネリア「……あれ?」

ミレイ「えー、ルールは簡単。校舎内のどこかにチェックポイントが二つあります。そこでスタンプをもらい、ここに戻ってくるだけ!!」

397: 2012/07/27(金) 01:34:10.12 ID:c1qetO5E0
ルルーシュ「じゃあ、行くか」

C.C.「わかった」

コーネリア「おい。そこの」

C.C.「なんだ?」

コーネリア「かわってくれ」

C.C.「お断りだ」

ルルーシュ「先生……」

コーネリア「ルルーシュ……」

ルルーシュ「あとで一緒に行きましょう」

コーネリア「約束だぞ?!」

ルルーシュ「ええ」

シャーリー「ナナちゃん、皇帝陛下となんて大丈夫?」

ナナリー「はい。きっと」

シャルル「ワシにまかせぇぇぇい!!!!」

ミレイ「ルルーシュとペアになった人……ホント、誰だろう……?」

401: 2012/07/27(金) 01:40:54.51 ID:c1qetO5E0
校舎内

ルルーシュ「しかし、別段何も感じないな」

C.C.「そうだな。てっきり、誰かが驚かすと思ったんだが」

ルルーシュ「……!!」ゾクッ

C.C.「どうした?」

ルルーシュ「何かが背中を撫でた……」

C.C.「またまた。小心者め」

ルルーシュ「本当だ!!」

C.C.「いいか?幽霊なんてものは昔から目の錯覚で―――」

ヒタヒタ……ヒタヒタ……

ルルーシュ「……」

C.C.「後続組だろ?確認しろ、ボウヤ」

ルルーシュ「お前がしてみろ」

C.C.「私はな……ずっと過去を振り返らないように生きてきた。だから、振り返らない。絶対にな」

ルルーシュ「わかった。ならば、前進あるのみだ」

411: 2012/07/27(金) 01:48:22.93 ID:c1qetO5E0
シャルル「……」

ナナリー「お父様?」

シャルル「なんだ?」

ナナリー「先ほどから耳元でハァハァと熱い吐息を吹きかけるのはやめてください」

シャルル「ワシは……なにもしておらんぞぉ?」

ナナリー「でも。今も、私の手を誰かが撫でています」

シャルル「いやぁ……何も見えんが……?」

ナナリー「……」

シャルル「……」

ナナリー「お父様……あの……あの……」ガタガタ

シャルル「おちつけぇい!!ナナリー!!よいかぁ!!!Cの世界を知っているワシからすればぁぁ幽霊なぞ、恐れるに足りずぅ!!!」

ナナリー「またっ!?」ビクッ

シャルル「目に見えぬ亡霊。怨霊。そんなものがこんな場所にいるわけがぁぁ―――」

ナナリー「いやぁぁ!!!」ウィィィン!!

シャルル「待てぇぇぇ!!!ナナリィィィ!!!!」

422: 2012/07/27(金) 01:54:20.91 ID:c1qetO5E0
シャーリー「きゃぁ?!」

スザク「またかい?」

シャーリー「うん……スザクくんは何も感じないの?」

スザク「さっきから生ぬるい風が左手に当たってるぐらいかな?」

シャーリー「ええ?!こ、怖くないの?!」

スザク「僕の実家は神社でね。もっと怖いものを見てきたから」

シャーリー「な、なにそれ……!?」

スザク「丑三つ時、藁人形に五寸釘を打ち込む白装束の女性のほうがよっぽど怖い」

シャーリー「変なこといわないで!!!」

スザク「シャーリーも大樹があるようなところは迂闊に―――」

ナナリー「いやぁぁ!!!」ウィィィン!!!

シャーリー「ナナちゃん!?」

スザク「ナナリー?!どうした?!」

「ぶるぁぁあああああ!!!!!」ズンズンズン!!!!

スザク「まさか……悪霊!?ナナリーを襲うなら……僕が!!!」

426: 2012/07/27(金) 01:59:22.99 ID:c1qetO5E0
咲世子「……不思議ですねぇ」

ヒヒヒ……ヒヒヒヒヒ……

ミレイ「な、なにがぁ……!?」

咲世子「人の気配がないのに、声だけがするからです」

ミレイ「それ、怖いでしょ?!」

咲世子「いえ。亡霊なら怖くはありません。見た目がグロテスクなだけで」

ミレイ「日本人の感覚がよくわからない……」

咲世子「危険はありませんね」

咲世子「そもそも、これは仕掛けでしょうし」

ミレイ「そうなんだけど……それ言っちゃうと冷めるじゃない?」

咲世子「そうですか?」

アァァァァァ……!!!

ミレイ「なに!?」ビクッ

咲世子「今の声は!!」ダダダッ

ミレイ「ちょっと!!一人にするのは流石になし!!」

428: 2012/07/27(金) 02:07:03.06 ID:c1qetO5E0
カレン「……」

ユフィ「……あ、ありましたよ。チェックポイント」

カレン「本当ね」

ユフィ「……」

カレン「……その……」

ユフィ「私は……確かにお飾りの皇女です」

カレン「え……」

ユフィ「貴方の言うとおり……私はただ陰にいる人たちの上で綺麗な服を着て、美味しいものを食べ、清潔なベッドで寝起きし……」

ユフィ「生き別れになっていた兄妹と楽しい時間を過ごしていました」

カレン「……」

ユフィ「でも……そんな私でも……できることを……日本人のみなさんがどうすれば幸せになれるのかを、必氏に必氏に……考えています!!!」

カレン「ひっ」ビクッ

ユフィ「本当です!!信じて!!」

カレン「あぁ……ぁあ……」ガクガク

ユフィ「ちょっと!!聞いていますか?!」

432: 2012/07/27(金) 02:12:05.87 ID:c1qetO5E0
カレン「あぁぁぁ……」ガクガク

ユフィ「カレンさん!!私の話を―――」

カレン「うしろぉ!!」

ユフィ「え?」

「あぁぁぁなぁぁりぃぃ!!!!!」ドドドド

ユフィ「きゃぁああああ!!!!!」

カレン「こっち!!」ギュッ

ユフィ「なんですか?!あれ?!なんですか?!」ダダダッ

カレン「知らない!!」ダダッ

「どこだぁぁぁ!!!!ナァァナリィィィ!!!!!」ドドドド!!!

ユフィ「この学園ではあんな顔面が変形した化け物を飼育しているのですか?!」

カレン「そんなわけないでしょ!!!」

ユフィ「じゃあ、なんですか!?」

カレン「あたしにきかないで!!!」

「ぬぁぁぁぬぁりぃぃぃ!!!!」ドドドドド!!!

434: 2012/07/27(金) 02:16:04.49 ID:c1qetO5E0
セシル「あれ?ロイドさん?この珍獣、すっごくリアルですね」

ロイド「ありゃ、ほんとだ。これは泣いちゃうよ。消しとこう」ピッ

セシル「消えませんね」

ロイド「どういうことだ……?」

セシル「……まさか」

ロイド「いやいや。何を非科学的なことを」

セシル「でも……消えないんですよね?」

ロイド「……」

コーネリア「どうした?何かトラブルか?」

ロイド「それが……」

コーネリア「なんだ?!このモンスターは?!」

セシル「わかりません」

ロイド「完全にUMAの類だな」

コーネリア「ちっ!!ユフィ!!今行くぞ!!!」

ロイド「あ!!ちょっと!!」

438: 2012/07/27(金) 02:21:56.14 ID:c1qetO5E0
「どぉぉぉこぁだぁぁぁ!!!!」

カレン「こっち!!」バッ

ユフィ「きゃ!!」

「ヌァァァヌァリィィィィ!!!!」ダダダダッ

カレン「はぁ……はぁ……」

ユフィ「あの……ありがとうございます……」

カレン「別に……目の前で怪我されたら……困るでしょ?」

ユフィ「ふふっ」

カレン「なによ?」

ユフィ「いえ。やっぱり、思ったとおりの人でした」

カレン「は?」

ユフィ「貴方はとても優しい人です」

カレン「な、なに言って……!!」

ユフィ「だから、私の今日の行動が許せなかったのですね……」

カレン「うん……。でも、あたしも悪かったと思ってるよ。……貴方は今までのブリタニア人とは違う気がする」

441: 2012/07/27(金) 02:28:08.62 ID:c1qetO5E0
ユフィ「いいえ。私は貴方からみたら悪です」

カレン「……」

ユフィ「私の思想はどうあれ……私のとった行動は現に貴方を不快にさせたのですから」

カレン「ユーフェミア様……」

ユフィ「……だから、ここで証明します」

カレン「え?」

ユフィ「私は優しい世界にしたい。みんなが笑っていられる、そんな世界がいいのです!!」

カレン「……」

ユフィ「どんなに小さな一歩でも……それを叶えるために……」

カレン「どうするの?」

ユフィ「まずは、ここの平和を取り戻します。そして、次はゲットーを……シンジュクを……最後にはエリア11を……いえ、日本を!!」

カレン「できるわけ……」

ユフィ「できます!!見ていてください、カレンさん!!私は最初の一歩を踏み出します!!!」

カレン「は?」

ユフィ「先ほどの化け物……私が退治しちゃいますからぁ!!」

443: 2012/07/27(金) 02:34:24.49 ID:c1qetO5E0
ダールトン「はい。スタンプ」ポンッ

ルルーシュ「よし、ここが二つ目のチェックポイントか」

C.C.「なんだ。余裕だったな」

ルルーシュ「まあ、こんなの合理的且つ効率的に行動すればな。所詮は子供だましだ」

C.C.「そうだな」

ヌァァァア!!!!

ルルーシュ「背後から迫る謎の遠吠え……これもフェイク」

C.C.「そうそう。声だけだ。私たちは学習した。声は危害を加えないことをな」

ルルーシュ「スタンプも揃った。未確認生命体の対処法も分かった……これで前提条件は全てクリア」

C.C.「あとは校舎から出るだけだな」

ルルーシュ「ああ……行こうか。C.C.?」

C.C.「行こう」

ドドドドド……

ルルーシュ「俺は歩みを止めるわけにはいかない!!!」ダダダダッ

C.C.「私は共犯者だ!!!ついていくぞ!!しがみついてでも、ついていくぞ!!!」ダダダダッ

450: 2012/07/27(金) 02:41:03.88 ID:c1qetO5E0
「ぬぁぁぁぬぁぁりぃぃぃ!!!!どこだぁぁぁぁ!!!!」ドドドド!!!

C.C.「おい!!ルルーシュ!!流石にこれは背後を確認したほうがいい!!なんだか危険だ!!」ダダダッ

ルルーシュ「お前がしろ!!この魔女め!!」ダダダッ

C.C.「だから!!私は過去を捨てた!!つまり!!振り返ることはしない!!何度も言っただろ?!」

ルルーシュ「俺もだ!!過去に縛られていては何も為せない事を知った!!」

C.C.「こういうのは男の仕事だろ!?」

ルルーシュ「男女差別だな!!時代錯誤だ!!!」

C.C.「じゃんけんだ!!」

ルルーシュ「のぞむところだ!!」

C.C.「最初はパー!!!」

ルルーシュ「きさまぁぁぁ!!!」

C.C.「早く後ろを確認しろ!!」

ルルーシュ「今のは無効だ!!!やりなおせ!!!」

C.C.「断る!!!早く確認しろ!!バカ!!」

「ぬぁぁぁぁぁなりぃぃぃ!!!!」ドドドドド!!!!!

454: 2012/07/27(金) 02:48:31.78 ID:c1qetO5E0
カレン「いた!!あそこだ!!」

ユフィ「あれは……ルルーシュと……恋人さん?」

カレン(ちゃっかりC.C.いるのが気になる……ナナリーの操縦技術といい……もしかして……)

ルルーシュ「お前たちは?!」

C.C.「カレンか?!」

カレン「早く!!ルルーシュ!!」

ルルーシュ「ちっ!!ユフィとカレンがいては、逃げるわけにはいかないか!!」

C.C.「ルルーシュ!!やめろ!!私はお前を氏なせたくはない!!」

ルルーシュ「こい!!化け物め―――」

「ぬぁぁぁぬぁぁりぃぃぃ!!!!!」

ルルーシュ「―――逃げるぞ!!」

C.C.「賛成多数で可決だ!!」

ユフィ「私は逃げません!!」

ルルーシュ「ユフィ?!」

ユフィ「私は決めたのです。平和のための一歩をここから……踏み出すと!!」

457: 2012/07/27(金) 02:55:23.32 ID:c1qetO5E0
ルルーシュ「何を言っている?!」

ユフィ「武器になりそうなのはちゃんと持ってます」

カレン「消火器でどうにかなるとは思えないけど」

ユフィ「でも……カレンさんに知って欲しいのです。私の想いが本物であると!!」

カレン「……!」

「ぬぁぁぁぁぬぁぁりぃぃぃ!!!どこだぁぁぁ!!!」

ルルーシュ(ギアスが通じる相手がどうかはわからないが……やるしかない!!!)

ユフィ「きなさい!!!」

カレン「下がってて。ユーフェミア様」

ユフィ「カレンさん?」

カレン「十分わかった。あんたが……優しくて……ステキな人ってことは」

ユフィ「……」

カレン「こんなところで失敗して氏んでほしくないの……だから……!!!」

カレン「あたしが守る!!」

ルルーシュ「―――ここから出て行け!!!」キュィィィン!!!!

460: 2012/07/27(金) 03:02:13.85 ID:c1qetO5E0
スザク「ナナリー!!!皇帝陛下ぁー!!!」

咲世子「返事をー!!ナナリー様ー!!!」

ナナリー「スザクさん!!」

スザク「ナナリー!!無事だったのか……よかった……」

シャーリー「はぁ……よかったぁ……」

ミレイ「心配したんだからね」

ナナリー「申し訳ありません……」

スザク「あとは皇帝陛下だけか……」

ミレイ「ねえ、スザク、本当なの?皇帝陛下の顔をボコボコにしたって」

スザク「暗くてよくわからなかったんです。まさか、ナナリーを追いかけていたのが皇帝陛下なんて思わなくて」

咲世子「事故です」

シャーリー「咲世子さんもボッコボコにしてましたよね」

咲世子「事故です」

ミレイ「あれ?みんな外外!!皇帝陛下、植え込みのところで倒れこんでる!!」

スザク「本当だ!!助けにいかないと!!」

462: 2012/07/27(金) 03:07:46.15 ID:c1qetO5E0
ユフィ「……」

カレン「消えた……?」

ルルーシュ(ギアスが通じた……少なくとも人間だったのか……?)

C.C.「はぁ……なんだ、性質の悪い肝試しだったな……最後にあんな大物を用意しておくなんて」

ユフィ「あはは……」

カレン「ユーフェミア様、手を」

ユフィ「ありがとう……」ギュッ

カレン「……あの」

ユフィ「はい」

カレン「あたしも……日本をよくするためにできることをします……だから……」

ユフィ「はい。私も……できることをします。やっと初めて、前へ進めたのですから」

カレン「うん」

ユフィ「ふふっ」

ルルーシュ「よし、出るぞ」

C.C.「賛成だ。息が詰まる」

464: 2012/07/27(金) 03:12:17.17 ID:c1qetO5E0
保健室

スザク「皇帝陛下の容態は?」

セシル「大丈夫です。顔が腫れ上がってるだけですから」

ロイド「歯も骨も大丈夫。皇帝陛下が頑丈でよかったね、スザクくんっ」

スザク「はい……」

セシル「明日の朝にはきっと目を覚ますと思うわ」

ナナリー「よかったです……」

ダールトン「仕掛けの回収は済んだぞ」

ギルフォード「今から体育館で就寝するための寝袋を配る。枢木、手伝ってくれ」

スザク「わかりました」

ロイド「ま、これでイベントは無事しゅーりょー。おめでと~!!」

セシル「はい」

ナナリー「……」

ロイド「大丈夫だから、お兄さんのところにいきなよ」

ナナリー「はい」

465: 2012/07/27(金) 03:15:19.04 ID:c1qetO5E0
体育館

ギルフォード「えー、寝る箇所は指定している。中心から西側は男性、東側は女性だ」

ダールトン「誰の隣でも構わない」

ユフィ「カレーン、隣で寝てください!」

カレン「えー?」

ユフィ「嫌ですか?」

カレン「いいよ」

ユフィ「わーい」

ルルーシュ「疲れたな……」

スザク「ルルーシュの隣、ゲット」

ルルーシュ「お前しか取るやついないって」

スザク「そう?」

C.C.「……」スタスタ

カレン「……ユフィ、ちょっと飲み物買ってくる」

ユフィ「はい」

467: 2012/07/27(金) 03:18:11.73 ID:c1qetO5E0
ルルーシュ「……」

シャーリー「会長!!寝ましょう!!」

ミレイ「はいはい」

咲世子「では、私はこれで」

ミレイ「咲世子さんも、一緒に」

咲世子「しかし、同じ場所で寝るなどと恐れ多い……」

シャーリー「そんなの今日はなしなし!!」

ナナリー「はい。みんなで川の字になりましょう」

ミレイ「じゃあ、ナナリーは中央ね」

ナナリー「はい」

ルルーシュ「……」

スザク「ルルーシュ?」

ルルーシュ「忘れ物をしたみたいだ」

スザク「忘れ物?」

ギルフォード「む……?姫様は……いずこに……?」キョロキョロ

471: 2012/07/27(金) 03:23:07.46 ID:c1qetO5E0
C.C.「なんのようだ?」

カレン「ルルーシュなの?」

C.C.「なんのことだ?」

カレン「ルルーシュがゼロなの?」

C.C.「そうだ。といえば、どうする?」

カレン「……!」

C.C.「違うといえば、お前は納得するのか?」

カレン「それは……」

C.C.「お前はゼロという男に惚れたのだろう?それともゼロの中身に惚れていたのか?」

カレン「違う!!」

C.C.「なら、ゼロの中身がルルーシュでも、お前は奴を信じればいい」

カレン「……」

C.C.「奴の名誉のために言っておいてやる。―――あいつは本物だ。ブリタニアを本気で壊そうとしている」

カレン「わかった……もういいよ。変なことを聞いて、ごめん」

C.C.「従順もそこまでいけば、可愛いな」

472: 2012/07/27(金) 03:26:41.60 ID:c1qetO5E0
コーネリア「……ユフィ……どこだぁ……」

ミシ……

コーネリア「……」ビクッ

コーネリア「まさか……あの怪物に……」

ガシッ!

コーネリア「うあぁぁああああ!!!!!」

ルルーシュ「姉上!!俺です!!」

コーネリア「ルルーシュ……か……」

ルルーシュ「もう肝試しは終わりました」

コーネリア「そ、そうだったのか……。あ、あの化け物は?!」

ルルーシュ「ユフィが倒しました」

コーネリア「す、すごいな……」

ルルーシュ「……姉上?」

コーネリア「マリアンヌ様を頃したのは……私ではない」

ルルーシュ「……!」

474: 2012/07/27(金) 03:30:22.37 ID:c1qetO5E0
コーネリア「お前はそれが知りたかったはずだ」

ルルーシュ「犯人は?」

コーネリア「知らない」

ルルーシュ「シュナイゼルではないのか?」

コーネリア「兄上でもない……。あの日、マリアンヌ様自身が警護を外したのだ……」

ルルーシュ「それでは……」

コーネリア「マリアンヌ様は自分から……」

ルルーシュ「……」

コーネリア「ルルーシュ……もう少しなんだ……お前とナナリーのために……私が……」ギュッ

ルルーシュ「姉上……」ギュッ

コーネリア「もう少しだけ……待ってくれ……頼む……」

ルルーシュ「姉上……信じます……」

コーネリア「ありがとう……ルルーシュ……」

ルルーシュ「コーネリア……」

コーネリア「ルル……シュ……」

478: 2012/07/27(金) 03:37:22.54 ID:c1qetO5E0
コーネリア「んー……」

ルルーシュ「姉上?

コーネリア「え?な、なんだ!?」

ルルーシュ「シャルルは何故、今回のような計画を?」

コーネリア「ああ……実は……お前たちの授業参観をしていないことを思い出したらしい」

ルルーシュ「……は?」

コーネリア「お父様は割りとマメでな。息子娘の授業参観や体育祭は必ず一度は見に来る」

ルルーシュ「……」

コーネリア「私は三回ほど、見にきてくれた。だが、幼少のころに皇位継承権を捨て、日本へ渡ったお前たちの授業参観だけは行けなかった」

ルルーシュ「それを最近、思い出して……?」

コーネリア「ああ。だが、ナナリーはともかく、高等部に参観日などない。だから……」

ルルーシュ「無理やりに計画したのか」

コーネリア「そういうことだ」

ルルーシュ「くだらないな……」

コーネリア「お父様が父親であることを実感できる特別な日だ。悪くいうことは許さんぞ、ルルーシュ?」

480: 2012/07/27(金) 03:43:21.86 ID:c1qetO5E0
ルルーシュ「わかりました」

コーネリア「では……続きを……」

ギルフォード「殿下!!」

コーネリア「ギルフォード?!」ビクッ

ギルフォード「ご無事でしたか……よかった。皇帝陛下が暴行されるという凄惨な事件も起こったのです。何卒、お気を付けを」

コーネリア「なんだと?!お父様が?!犯人は?!」

ギルフォード「それが何分、演出のために学園内の証明を極限まで暗くしておりましたので……顔までは」

コーネリア「ええい!!どうせ、ゼロの仕業だ!!探せ!!!私はルルーシュに体育館まで連れて行ってもらう!!心配するな!!」

ギルフォード「イエス、ユア・ハイネス!!」

コーネリア「全く……」

ルルーシュ「姉上?」

コーネリア「ああ、すまないな。ルルーシュ。では……」

ルルーシュ「体育館に行きましょう」

コーネリア「あ、まて!!おい!!」

481: 2012/07/27(金) 03:47:24.16 ID:c1qetO5E0
体育館

ダールトン「では、消灯します!!」

フッ……

ミレイ「えーでは、恒例の好きな人告白ターイム!!」

コーネリア「こ、こら!!何を下世話なことを!!」

ミレイ「コーネリア総督もこういうのがしたいから、雑魚寝をしようとしたんですよね?」

コーネリア「ち、ちがう!!そんなこと……ある……ものか……」モジモジ

ユフィ「もう、お姉様ったら」

ミレイ「じゃあ、シャーリーから!!―――と思ったけど、ルルーシュだよねー」

シャーリー「勝手に決めないでください!!」

ミレイ「カレンは?」

カレン「あたし?!あたしは……えーと……その……ルル……シュ」

ユフィ「カレンもルルーシュのことが好きなんですか?!」

カレン「声が大きい!!」

シャーリー「やっぱり……」

484: 2012/07/27(金) 03:51:27.17 ID:c1qetO5E0
カレン「そういう会長はどうなんですか?」

ミレイ「私?私はー……ルルーシュかなぁ、やっぱり」

シャーリー「えぇぇ……」

ユフィ「ナナリーは?」

ナナリー「わ、私ですか……えっと……あの……スザクさん……」

ユフィ「あはっ!私もスザクのことだーいすき!!」

ナナリー「ユーフェミア様……」

ミレイ「じゃあ、コーネリア様は……誰ですかぁ?」

コーネリア「わ、私は……その……」

シャーリー「やっぱり……騎士の人ですか?」

ミレイ「それとも……あの近衛のダールトン卿?」

コーネリア「……ルルーシュ……かな……」モジモジ

カレン「えぇぇぇぇぇ?!!?」

シャーリー「どうして?!なんでルルなんですか?!」

コーネリア「う、うるさい!!仕方ないだろ!!」

491: 2012/07/27(金) 03:56:27.11 ID:c1qetO5E0
ルルーシュ「あいつら……丸聞こえなんだよぉ……」

スザク「ルルーシュ、モテモテじゃないか」

ルルーシュ「黙れ!」

スザク「よかったね」

ルルーシュ「お前も……ナナリーとユーフェミアに想われているじゃないか。どうするんだ?」

スザク「どうしようかな……選べないから、二人ともってダメかな?」

ルルーシュ「ダメに決まって―――んが!?」

スザク「ルルーシュ?どうしたの?」

ギルフォード「ダールトン卿、足をしっかり持っていてください」

ダールトン「分かっている。ギルも早く、小僧の息の根を止めろ」

ルルーシュ「がぁ……ぁ……!!」

スザク「ルルーシュ?もう寝たのかい?」

ルルーシュ「ス……ザァ……ク……!!」

スザク「おやすみ」

ルルーシュ「ぁ……ぁ……!!」

494: 2012/07/27(金) 04:01:59.85 ID:c1qetO5E0
翌朝 中庭

シャルル「えー……おはよう……諸君。よぉぉく、眠れたかぁ?」

ルルーシュ「……いつの間に寝たんだ……俺は……」

咲世子「大丈夫ですか?ルルーシュ様?」

ルルーシュ「ああ……気がついたら咲世子が……隣にいたな……ダメだ……思い出せない……」

シャルル「ではぁぁ!!!ワシは目的を果たしのでぇぇぇ!!!帰ると、するぅ!!」

コーネリア「ルルーシュ、ナナリー。またな」

ナナリー「はい」

ルルーシュ「他の者にも挨拶しろ」

シャーリー「そうですよぉ」

ミレイ「差別だー」

コーネリア「差別ではない!!これは区別だ!!!」

カレン「言い切るのね……」

ユフィ「カレン、またね」

カレン「うん……また……学校で会いたいよ……貴方とは」

495: 2012/07/27(金) 04:05:40.79 ID:c1qetO5E0
スザク「長い1日が終わったね」

ルルーシュ「全くだ……」

スザク「あ、そうだ。ルルーシュ、僕は決めたよ」

ルルーシュ「なに?」

スザク「やっぱり、浮気はダメだと思うから」

ルルーシュ「お前……兄として妹を悲しませるようなことだけはさせないぞ!!」

スザク「じゃあ、どっちも選んでいいのかい?」

ルルーシュ「それもだめだ!!」

スザク「大丈夫。きっと分かってくれるよ。それじゃ、仕事があるから」

ルルーシュ「待て!!スザァク!!!」

スザク「君も一人にしなよー!!浮気するとみんなが悲しむからー!!」

ルルーシュ「スザァァァク!!!」

ミレイ「いいこというわね、スザクくん」

ルルーシュ「会長?!」

シャーリー「ルル……」

498: 2012/07/27(金) 04:10:40.20 ID:c1qetO5E0
自室

C.C.「で、逃げてきたのか?」

ルルーシュ「当然だろう」

C.C.「そうだよな……。お前が誰を選ぶかなんて……決まっているからな」

ルルーシュ「そうだ……俺はナナリーが―――」

C.C.「違うだろ?」ピラッ

ルルーシュ「それは?!」

C.C.「お前がスケッチブックに書いた名前……ナナリー以外では、私だけだ。つまり……」

ルルーシュ「勘違いするな!!それは……お前しかいなかったからで……!!」

C.C.「私しか、居なかったんだろ?わかってるよ」ギュッ

ルルーシュ「離れろ!!魔女め!!」

C.C.「私を選んだからには……骨の髄まで……ふふっ」

ルルーシュ「骨の髄までなんだ?!」

C.C.「ルルーシュっ」

ルルーシュ「離れろ!!魔女がぁ!!」

501: 2012/07/27(金) 04:16:10.25 ID:c1qetO5E0
―――数ヵ月後 12月31日

ナナリー「今年も終わりですね……」

ルルーシュ「そうだな」

C.C.「ふんふふーん」ギュッ

ルルーシュ「離れろ!!」ググッ

ピリリリ

ルルーシュ「はい?」

シャルル『ルルーシュよ……』

ルルーシュ「今度はなんだ?!」

シャルル『明日、ブリタニア皇族全員が集まる。むろぉぉん!!ルルーシュもナナリーも……参加する、ぞぉぉぉぉ!!!!』

シャルル『場所は!!アッシュフォード学園、クラブハウスだ!!!ぬぁっはっはっはっはっは!!!!』

ルルーシュ「……」

ナナリー「お兄様?今度はシュナイゼル兄様もこられるんですか?」

ルルーシュ「もう……勝手にしろぉぉぉ!!!!」


おしまい。

502: 2012/07/27(金) 04:17:16.41
C.C.可愛い

505: 2012/07/27(金) 04:18:37.02
C.C.の俺得展開がすっ飛ばされた…

506: 2012/07/27(金) 04:19:43.60

引用元: シャルル「ルルーシュ!!!授業参観はいつぅぅぅ?!!!」