1: 2012/12/01(土) 13:34:41.26 ID:Ovkt2qwR0
 
P「え?」

美希「だから~、おにぎりがこわいの! もう顔も見たくないってカンジ!」

P「そ、そっか……昨日まであんなにおにぎりおにぎり言ってたのに、どうしたんだ?」

美希「あはっ! 女の子のキモチはフクザツなんだよ?」

P「ふーん……そういうもんか」

美希「そういうもんなの! えへへ……」

P「……」

美希「あっ! あとあと~、ミキ的には、ハニーもすっごく、すー……っごく! こわいの!」

P「えぇ!?」

3: 2012/12/01(土) 13:38:09.99 ID:Ovkt2qwR0
 
P「えっと……ごめんな、美希」

美希「どうして謝るの?」

P「いや、気付かないうちに俺、美希に何かしちゃったのかなと思って」

美希「え~? ハニーはなんにもしてないよ?」

P「じゃあなんで、急にこわいだなんて……」

美希「だって春香がさっき、そう言えばいいって……」

P「春香?」

美希「あ、そ、そのー……なんでもないの」

P「……?」

5: 2012/12/01(土) 13:43:26.31 ID:Ovkt2qwR0
 
P「……おにぎり」

美希「!」ピョコン

P「実は美希が寝てる間にさ、コンビニで買ってきたんだ。新発売のめんたいこツナマヨネーズ」

美希「わぁ~……! ねぇねぇ、それ、ミキにくれるの!?」

P「そのつもりだったんだけど……やっぱやめとこうか」

美希「え~!? どうして!?」

P「だって、おにぎりが嫌いになったんだろ?」

美希「おにぎりを嫌いになるなんて、そんなのありえないってカンジ!」

P「えぇ!? だってさっき、こわいって言ってたじゃないか」

美希「怖いけど決して嫌いにはなれない、おにぎりはそんなソンザイなの」

P「そ、そっか……」

美希「ねぇはにぃ~、それ、ちょうだ~いん」ウッフン

P「……うーん」

7: 2012/12/01(土) 13:48:55.74 ID:Ovkt2qwR0
 
P「……ま、いいか。ほら」

美希「あはっ! ありがと~、ハニー! だーいすきっ!」

P「はいはい、ありがとうなの」

美希「……おいひぃの~……♪」モグモグ

P「でもさっき、俺のこともこわいって言ってなかったっけ?」

美希「……?」モグモグ

P「……」

美希「……ごっくん! うん、言ったよ!」

P「なのに、だいすきって言ってくれるのか?」

美希「ハニーはすっごく、すーっごくこわいけど、でもだいすきなのは変わらないの」

P「……美希って実は、俺様系の人が好みなのか……?」

美希「ミキ、そんなの、や!」

P「……難しいんだな、女心」

美希「あはっ! そうだよ、実にフクザツなの~」

8: 2012/12/01(土) 13:54:08.70 ID:Ovkt2qwR0
 
美希「ごちそうさまでした!」

P「おぉ……あれだけあったのに、見事に全部たいらげたな」

美希「おいしかったよ! ありがとね、ハニー」

P「どういたしまして。それじゃあ俺も、そろそろ仕事に……」

美希「…………」ポケー

P「……ん、どうした? ポケーっとして」

美希「……おなかいっぱいになったら、また眠くなってきちゃった」

P「今日の予定はもう終わったんだし、家に帰ってゆっくり寝ててもいいんだぞ」

美希「でもぉ……ミキ、今日は……ハニーといっしょに……帰……」

コックリ コックリ

美希「……すぅ……すぅ……」

P「……椅子に座ったまま寝てる……」

9: 2012/12/01(土) 14:00:07.04 ID:Ovkt2qwR0
 
P「よっこい、しょういちっと……」

ゴロン

美希「……うぅん……むにゃむにゃ……」

P「えーっと、毛布毛布……あった」

ファサッ……

美希「……んふふ……あったかいの~……」モゾモゾ

P「……」

美希「……すぅー……すぅ……」

P(……可愛い寝顔だな)

P(しかしなんで、急にこわいだなんて言い始めたんだろ?)

亜美「ねぇねぇ兄ちゃんっ!」ピョン

P「うわぁっ、あ、亜美!? しー! しー……! 起きちゃうだろ」

10: 2012/12/01(土) 14:06:21.22 ID:Ovkt2qwR0
 
亜美「亜美ね、おまんじゅうこわい!」

P「……は?」

亜美「だからぁ~、おまんじゅうがこわいんだってば!」

P「亜美、甘いもの苦手だったっけ?」

亜美「うあうあー! 兄ちゃん全然違うよ~! 亜美はね、おなかすいちゃったってことが言いたいの!」

P「ううん……ごめんな、言っている意味がわからないよ」

亜美「むぅ~……」

P「う……えっと、お腹減ったって? でも買ってきたおにぎりは全部、美希に食べられちゃったしなぁ」

亜美「うあうあー! ミキミキばっかズルいっしょ~!」

P「そんなこと言ったって……じゃあ、なんか買いに行くか?」

亜美「えっ、ホント!?」パァァ

P「まだ昼休みちょっと残ってるし、一緒にコンビニ行こうか」

亜美「うんっ! やったぁ~!」クルクル

11: 2012/12/01(土) 14:13:14.49 ID:Ovkt2qwR0
 
―――
――


亜美「……♪」モグモグ

春香「亜美、何食べてるの?」

亜美「おまんじゅうだよ~! 兄ちゃんにお願いしたら、買ってもらっちゃったんだ~」

春香「そっかぁ。ふふっ、良かったね」

亜美「うんー! んっふっふ~、これもはるるんのおかげだねっ!」

春香「え、私のおかげ?」

亜美「うん! さっき、亜美とミキミキに教えてくれたっしょ?」

春香「さっき、って……」

亜美「おまんじゅうこわいって言えば、なんでかよくわかんないけど、いっぱいおまんじゅうもらえるお話のことだよ~」

春香「……あ、あれのこと? あれは別にそういうお話じゃなくて……」

春香(っていうか、美希も勘違いしてないでしょうね……)

13: 2012/12/01(土) 14:18:34.44 ID:Ovkt2qwR0
―――
――



カァ……  
     カァ……


P「……――き、美希」

ユサユサ

美希「……んむ……ハニー……?」

P「お、ようやく起きたか」

美希「…………くぁ~……」プルプル

P(あほ毛までピンと伸びてる……どういう理屈なんだ)

美希「……あふぅ。おはよ、ハニー。どーしたの?」

P「あ、いや……もう暗くなってきたからさ、帰ろう。家まで送っていくよ」

15: 2012/12/01(土) 14:24:00.69 ID:Ovkt2qwR0
 
美希「でもでも、ハニーのお仕事は?」

P「美希が昼寝してる間に、ぜんぶ終わらせたよ」

美希「そっかぁ~……うんっ、じゃあ一緒に帰ろー!」

P「荷物、まとめときな。俺も準備するから」

美希「はいなの~!」トテテ




P「えーっと……」ガサゴソ

小鳥「……ふふっ。プロデューサーさんったら、お優しいんですね」

P「な、何がですか?」

小鳥「本当はまだお仕事、終わってないのに。送ったあとでまた、戻ってくるんでしょう?」

P「……美希には、ナイショですよ」

小鳥「どうしようかしら♪」

P「…………」

17: 2012/12/01(土) 14:30:30.37 ID:Ovkt2qwR0
 
P「それじゃあ音無さん、お疲れさまでした」

小鳥「はーい。美希ちゃん、気をつけて帰ってね」

美希「あはっ! ハニーが守ってくれるから、ゼーッタイ、大丈夫なの! ばいばーい!」

ガチャ……

バタン



美希「ねね、ハニー」テクテク

P「どうした?」

美希「ミキね、さっき、ハニーの夢を見たんだ~」

P「俺の夢? へえ、どんな?」

美希「ハニーがミキに、食べきれないくらいのおにぎりをプレゼントしてくれたの!」

P「あははっ、やっぱり美希は、なんだかんだ言っておにぎりが好きなんだな。美味しかったか?」

美希「うんーっ! えへへ……」

19: 2012/12/01(土) 14:35:41.10 ID:Ovkt2qwR0
 
P「……なぁ、美希」

美希「どーしたの?」

P「どうして急に、おにぎりとか俺のこと、こわいなんて言い始めたんだ?」

美希「え? そ、それは~……」

P「別に、嫌いになったってわけでもなさそうだけど……」

美希「……」

P「……」

美希「……ナイショなの! 言ったら、魔法がとけちゃうかもしれないから」

P「魔法……?」

美希「うんっ!」

P(うーん、よくわからないけど……美希が楽しそうだから、まぁいいか)

20: 2012/12/01(土) 14:42:31.53 ID:Ovkt2qwR0
 
美希「ねぇハニー?」

P「ん?」

美希「ミキね、まだこわいことがあるんだよ。それがなんだか、当ててみて!」

P「こわいことって、それだけじゃなんとも言えないな……ヒントくれ」

美希「それじゃあ~、ヒントそのいち! ハニーがミキにしてくれることっ!」

P「俺が美希に? ……ちょーハードなスケジュール組むこととか?」

美希「えぇ!? そ、それはこわくないの!」

P「へー。よし、それじゃあ来週からは……」

美希「ちがくて~! こわくないけど、それはちょっと、や、ってカンジ……」

P「……もう一個ヒント」

美希「いいよ~! それじゃあそれじゃあ~、ヒントそのに! お仕事とはカンケーないこと!」

P「仕事以外で俺が美希に対してする、こわいこと……?」

24: 2012/12/01(土) 14:48:05.71 ID:Ovkt2qwR0
 
P「……うーん……」

美希「うんうんっ!」

P「……ギブアップ」

美希「えぇ~! なんで~!? ちゃんと考えた~!?」

P「あはは……正直、あんまり考えてない」

美希「むぅ~……」

P「だって、美希がこわがることなんて言ったら……考えたくもないし、したくもないからさ」

美希「…………」

P「……美希?」

美希「ハニーってば、やっぱ優しいよね」

P「……そんなの、当然のことだろ」

美希「えへへ……それじゃあ~、そんなハニーのために! クイズの答え、教えてあげちゃうのっ!」

26: 2012/12/01(土) 14:53:28.43 ID:Ovkt2qwR0
 
――ギュッ

P「……え」

美希「……」

P「どうしたんだ、急に手なんて繋いで……」

美希「だってこれが、ミキがいま一番、こわいことだから」

P「……」

美希「ハニーからじゃなくて、ミキからしちゃったけど……ねね、駐車場に着くまでだったら、いいでしょ?」

P「……いいのか?」

美希「えー? なんでハニーが聞くの?」

P「だって、こわいんだろ?」

美希「こわいから、なの! えへへー……」

P「……なんだか、今日の美希は、いつにも増してよくわからないな」

29: 2012/12/01(土) 14:58:53.43 ID:Ovkt2qwR0
 
美希「わかんなくてもいーの。ミキ的には、春香の教えてくれた通りになって、それで大満足だから!」

P「春香?」

美希「うんっ!」

P「さっきもチラっと言ってたけど、春香が一体何を……」

美希「えへへー……そんなことより~、ハニー! そろそろ、効果でたかな?」

P「効果? なんの話だ?」

美希「そろそろハニーのこと、ミキにくれる?」

P「えぇ!? な、なんでそんな話になってるんだ!?」

美希「だってミキ、さっきハニーのこと、こわいって言ったでしょ?」

P「……」

美希「……」

P「……え、えっと……」

P(どうしよう、俺がおかしいのかな。言っている意味がわからないぞ……)

32: 2012/12/01(土) 15:04:15.50 ID:Ovkt2qwR0
 
美希「……」シュン

P(いけない! 美希のあほ毛がしょんぼりしてしまった)

P「あ、あのな、美希! えーっと……、今すぐあげられるかっていうと、それはちょっと難しいけど……」

美希「……けど?」

P「……他に欲しい人が美希の前に現れない限り、俺は誰のモノにもならないからさ」

美希「……他の人がちょうだいって言ってきたらどうするの?」

P「……先約があるって言うよ」

美希「!」ピョコン

P「だから、今はアイドル活動に専念をだな――って、美希?」

ギュゥゥ

P「……そんなにくっつかれると、歩きづらいよ」

美希「歩きづらいくらいでいいの。そうじゃないと、すぐ駐車場まで着いちゃうから」

P「……」

美希「……ねね、ハニー」

P「……なんだ?」

34: 2012/12/01(土) 15:07:28.13 ID:Ovkt2qwR0
 
美希「ハニーはやっぱり、こわくないね」

P「……そうか?」

美希「うん!」

P「まぁ……それならよかったけど」

美希「……ハニーはね、こわくもなんともなくて……」

美希「いつものどおり、優しくて……、ミキのこと、とっても大事にしてくれて……」

美希「ミキはね、そんなハニーのことが……」


美希「だーいすきなの!」

終わり

35: 2012/12/01(土) 15:12:36.88 ID:Ovkt2qwR0
短いけど終わりです。読んでくれた方ありがとうございました
ミキミキとイチャイチャするのがこわい

36: 2012/12/01(土) 15:12:48.81
かわいいなあ

37: 2012/12/01(土) 15:13:42.28
乙乙
砂糖吐きそうだぜ

引用元: 美希「おにぎりこわいの」