1: 2020/12/12(土) 22:36:15.921 ID:mzSaAMHh0
男「やれやれ、あまりにキミが素敵だったから思わず声を掛けただけなのにヒドイやw」

お嬢様「このっ…///まだそんな減らず口を!」

男「おおっと、もう一発貰っちゃ堪らない。おっかないから退散×2っと♪」

お嬢様「お待ちなさい!まだお説教は終わっていなくてよっ!」

男「また会おうぜーっ!見かけによらずお転婆な天使さん☆」スタコラサッサ

お嬢様「……なによ、あんな軽薄な男///」ドキドキ

4: 2020/12/12(土) 22:38:22.908 ID:mzSaAMHh0
お嬢様「さっ、もう大丈夫でしてよ」

侍女「お、お嬢様…申し訳ありません……」オロオロ

侍女「本来であれば、侍女である私がお嬢様をお守りしなければならないのに…腰が引けてしまって……」

お嬢様「なにを言いますの。従者を守るのは主として当然の務めなのだわ」

侍女「お嬢様ぁ…!」ウルウル

6: 2020/12/12(土) 22:40:00.074 ID:mzSaAMHh0
侍女「とはいえお嬢様、これで下町の野蛮さがお分かり頂けましたでしょう?」

侍女「先ほどの殿方も悪人ではなさそうでしたが、お嬢様のような高貴な方が関わる者でないのもまた事実」

侍女「さっ、旦那様がお気づきになる前にお屋敷に戻りましょう」

お嬢様「とんでもないわ!せっかく苦労して屋敷を抜け出して来たというのに。ああ、この下町の景色…とっても新鮮ですわぁ」ウットリ

侍女「お嬢様、どうか聞き分けてください…」

お嬢様「ふふっ。大丈夫よ。また無礼な者が現れたとしても、先ほどのように私が追い払って差し上げますわ」

侍女「いけません!世の中にはもっともっと下賤な輩がいるのですよっ!」

荒くれ「ぐへへ…そのねーちゃんのゆーとーりだどぉwww」ヌッ

お嬢様&侍女「きゃっ!?」

7: 2020/12/12(土) 22:41:43.745 ID:mzSaAMHh0
荒くれ「まちにはおでみたいなこわーいこわーいわるものもいるんだどぉwww」

荒くれ「みぐるみぜーんぶはがれちゃうんだどwwwしまいにゃひとかいにうりさばかれちゃうんだどぉwww」

侍女「あわわわ…!お嬢様ぁ……」ガクブル

お嬢様「な、なによあなた!初対面のレディに紹介もなしに声を掛けるなんて失礼じゃありませんのっ!」

荒くれ「ぐっふぇふぇふぇ…おまえおもしれーどwwwおで、きのつよいおんなのこだーいすきなんだどwww」

荒くれ「きめた!おまえはうらずにおでのおよめさんにしてやるどっ!さっ、いっしょにくるんだど!」グイッ

お嬢様「痛っ!」

侍女「いやああああっ!誰か!お嬢様を助けてーっ!」

荒くれ「ぐっふぇふぇふぇ!こんなすべすべしてやわらかいて、はじめてにぎったどwww」

お嬢様「この…///無礼者っ!この不潔な手をお離しなさいっ!」パッチィィン!!



荒くれ「…………いってw」

8: 2020/12/12(土) 22:42:48.897 ID:mzSaAMHh0
荒くれ「とほほ…とんだ跳ねっかえり娘ときたもんだ☆」

お嬢様「んまぁ!レディを腕づくで連れて行こうとしておいてなんて言い草なのかしらっ!」プンスカ

荒くれ「ふっ。腕っぷしだけじゃ決して手に入らない宝石……それがキミってワケかい?」

お嬢様「このっ…///まだそんな減らず口を!」

荒くれ「おおっと、もう一発貰っちゃ堪らない。おっかないから退散×2っと♪」

お嬢様「お待ちなさい!まだお説教は終わっていなくてよっ!」

荒くれ「次こそものにしてみせるぜーっ!リボンをかけて待ってなよ。マイ・スイート・ジュエル☆」スタコラサッサ

お嬢様「……なによ、あんなちょい悪男///」ドキドキ

10: 2020/12/12(土) 22:44:39.215 ID:mzSaAMHh0
お嬢様「さっ、もう大丈夫でしてよ」

侍女「お、お嬢様…申し訳ありません……」オロオロ

侍女「本来であれば、侍女である私がお嬢様をお守りしなければならないのに…また腰が引けてしまって……」

お嬢様「ふふっ。あなたって本当に怖がりですのね」

お嬢様「でも、これでわかったでしょう?悪人なんてこの私が成敗してあげる。安心して下町見物を楽しもうではありませんの」

侍女「なりません!もうじき日が暮れてしまいます。早く戻らねば旦那様も奥様もたいそう心配なさいます!」

お嬢様「なによけちんぼ!」

侍女「お嬢様、どうか聞き分けてください…」

騎士団長「先ほど助けを呼ばれたのはあなた方でしたか」

お嬢様&侍女「きゃっ!?」

11: 2020/12/12(土) 22:47:34.520 ID:mzSaAMHh0
騎士団長「おっとこれは失礼。驚かせてしまいましたかな?」

お嬢様「い、いえ…いいんですのよ。こちらこそ大袈裟に驚いてしまって…お恥ずかしい///」

騎士団長「叫び声を聞きすぐさま駆け付けたのですが、賊はすでに去った様子。遅くなり相済みません」

騎士団長「ともあれ、お二人に怪我がなくなによりでした」

お嬢様「まぁ…///紳士ですのね…///」

侍女「あらあら、お嬢様ったらすっかり赤くなって♪」

お嬢様「か、からかわないでくださいましっ///」

騎士団長「しかしながら、先ほど賊を追い払ったあなたの腕前、実にお見事でありました!」

お嬢様「んまぁ!見ていらしたの!?あんなはしたない場面…恥ずかしいですわ…///」

騎士団長「なにを恥じることがありましょう!私は腕の立つ者をこの世でもっとも尊敬しておりますゆえ!」

お嬢様「えっ…?」

12: 2020/12/12(土) 22:49:55.191 ID:mzSaAMHh0
騎士団長「強者を前にすると疼くのだ…!私の騎士としての誇りが!魂が!」

騎士団長「そして、その者をこの手で打ち倒し、我こそが最強の騎士と確信出来ぬ限り、決して鎮まることはない…!」

お嬢様「な、何を仰っているの……?」

騎士団長「この先に闘技場がある。一緒に来てもらおう。私とあなた、どちらが最強の名に相応しいかそこで決着をつけるのだ」

お嬢様「最強だなんて…!私そんなものに興味ありませんわ!」

騎士団長「なにっ!?最強の騎士の称号を侮辱するのか!取り消さねばこの場で斬って捨てるぞ!」ギラン

侍女「きゃあああ!騎士様!どうか剣を収めてくださいまし!」

お嬢様「み、見損ないましたわ!あなたは私達と同じく高貴な香りをまとう方と思っておりましたのに…!」

騎士団長「ぬかせ!さぁ、私が憎ければ戦うのだ!己のこの手で!」グイッ

お嬢様「痛っ!」

侍女「いやああああっ!どうして人間同士で争わなくてはならないの!」

お嬢様「この…無礼者っ///剣の握り方よりレディの手の握り方でもお勉強なさったら!?」パッチィィン!!



騎士団長「…………いってw」

13: 2020/12/12(土) 22:52:25.219 ID:mzSaAMHh0
騎士団長「やれやれ、こんないい一発を貰ったんじゃ降参するっきゃないじゃんか☆」

お嬢様「失礼しちゃう!私が馬鹿力だとおっしゃりたいの!?」プンスカ

騎士団長「さっ、勝負はついたんだ。この体はもうキミの物さ」

騎士団長「…でも、キミの物になれるならこっちとしても願ったり叶ったり。試合に負けて勝負に勝った、ってとこかナ?」

お嬢様「このっ…///まだそんな減らず口を!」

騎士団長「おおっと、もう一発貰っちゃ堪らない。おっかないから退散×2っと♪」

お嬢様「お待ちなさい!まだお説教は終わっていなくてよっ!」

騎士団長「リベンジマッチにはきっと、プロポーズという名のエキシビジョンが相応しいのさ☆」スタコラサッサ

お嬢様「……なによ、あんな敗れてもなお爽やかな男///」ドキドキ

14: 2020/12/12(土) 22:54:34.449 ID:mzSaAMHh0
お嬢様「さっ、もう大丈夫でしてよ」

侍女「お、お嬢様…申し訳ありません……」オロオロ

侍女「本来であれば、侍女である私がお嬢様をお守りしなければならないのに…三たび腰が引けてしまって……」

お嬢様「剣を突き付けられたのですもの。無理もありませんわ。さっ、気を取り直して下町見物と洒落込みましょう♪」

侍女「なりません!屋敷を抜け出しただけならまだしも、女だてらに騎士団長様を打ち負かしてしまったんて──」

侍女「もし旦那様方のお耳に入りでもすれば勘当沙汰になりますよ!」

お嬢様「そんなこと言っても…こんなに目撃者もいるのですし今更……」

町人A「お嬢ちゃん、やるなぁ!」

町人B「騎士団長が去った今、この町を守れるのはお嬢ちゃんしかいねぇや!」

お嬢様「ほら、町のみなさんもああ仰ってくれていますし」

侍女「お嬢様、どうか聞き分けてください…」

魔物「ガルルルル…!」

お嬢様&侍女「きゃっ!?」

15: 2020/12/12(土) 22:56:08.301 ID:mzSaAMHh0
魔物「グルルルル…!グルル…ブルシュシュワァァァ…!!」

町人A「しまった!町を守ってた騎士団長がスタコラサッサと消えたから、魔物が町の中へ入ってきやがったんだ!」

町人B「お嬢ちゃん!この魔物を何とかしてくれっ!」

お嬢様「そんな…そう仰られても私には何の力も……」

魔物「ガルルルルッ!!グワルルルブッシュゥゥゥ!!」ガシッ

お嬢様「痛っ!」

侍女「ああっ!?あの魔物、お嬢様のか細い腕を…!」

お嬢様「この…無礼者っ///」

侍女「無駄ですお嬢様!言葉の通じる相手ではありません!」

お嬢様「乙女の柔肌に触れるなら…せめて爪くらいお切りなさいっ!」パッチィィン!!



魔物「…………いってw」

16: 2020/12/12(土) 22:58:20.794 ID:mzSaAMHh0
魔物「やれやれ、爪を隠した魔物は実はキミの方だったってオチ?そんなの、素敵すぎるよ☆」

お嬢様「んまぁ!女は誰しも魔物だと仰りたいの?笑えないジョークですわっ!」プンスカ

魔物「おっと、これは失礼。そうだね…僕の心の平穏をかき乱し、ぽっかり巨大な穴を開けていく……」

魔物「こんな恐ろしい相手を現すのに、魔物なんて言葉では生易しすぎる──」

お嬢様「このっ…///まだそんな減らず口を!」

魔物「おおっと、もう一発貰っちゃ堪らない。おっかないから退散×2っと♪」

お嬢様「お待ちなさい!まだお説教は終わっていなくてよっ!」

魔物「いつか種族の壁なんて飛び越えてみせるよ!ご覧の通り、僕には立派な翼が生えているんだもの☆」スタコラバッサ

お嬢様「なによ、あんな…性別は分からないけど……たぶん男///」ドキドキ

17: 2020/12/12(土) 22:59:52.676 ID:mzSaAMHh0
お嬢様「さっ、もう大丈夫でしてよ」

侍女「お、お嬢様…申し訳ありません……」オロオロ

侍女「本来であれば、侍女である私がお嬢様をお守りしなければならないのに…魔物を前にして腰が引けてしまって……」

お嬢様「私も魔物って初めて見ましたわ。怖かったけど、なんだかワクワクしました。やはり外の世界は刺激に溢れていますのね!」

侍女「それはようございました。さて、これだけ遊べば満足されたでしょう?もういい加減お屋敷に帰りますよ」

お嬢様「なんですって!?今日は町の殿方達にずっと振り回され通しでちっとも遊べていませんのよ!」

侍女「お嬢様、どうか聞き分けてください…」

魔王軍四天王が一人「我こそは魔王軍四天王が一人!人間の娘!貴様は魔王様にとって脅威になりかねん!ここで消えてもらうぞ!」

お嬢様「無礼者っ!」パッチィィン!!

魔王軍四天王が一人「…………いってw」スタコラサッサ

お嬢様「さぁ!いるんでしょう魔王!出ていらっしゃい!!」

侍女「もう帰りましょうよぉ…」

18: 2020/12/12(土) 23:01:23.744 ID:mzSaAMHh0
魔王「──矮小なる人間どもよ、平伏すがよい」

魔王「暗黒と混沌と深淵の権化、古の大魔王様による恐怖支配の時代が此処に始まるのである」

町人A「あわわわわ…!とうとう魔王まで現れやがった…!」ガクブル

町人B「世界はもう終わりだぁ…!」ガクブル

魔王「よいぞ、脆弱なる虫けらども…もっともっと余に恐怖するがよい…」

魔王「貴様らの畏れが糧となり、余を更に絶大なる暗黒の象徴へと昇華させてくれるのだ……」

お嬢様「そんな事はさせませんわっ!」

魔王「ほほぅ…貴様が余の脅威になりかねぬという小娘か…ふむ、なかなかに美しいではないか……」

お嬢様「んなっ///」

魔王「どれ、堕落と退廃と虚無に忠誠を誓うのであれば、我が妃に迎えてやろう……」

お嬢様「どどど、どうかしてますわっ!出会ってすぐプロポーズだなんて…///」

魔王「さぁ、共に暴虐と鮮血に染まった世界を築いていこうではないか……!」

お嬢様「誰があなたのお嫁さんになんてなるものですかっ!この無礼者っ!」クワッ

侍女「いけませんお嬢様!」

お嬢様「えっ…?」ピタッ

19: 2020/12/12(土) 23:03:04.285 ID:mzSaAMHh0
お嬢様「な、なぜ止めるんですの?」

侍女「よいですかお嬢様?今までの殿方は皆あちらからお嬢様の腕を掴んできました」

侍女「だからこそ反撃に出ても正当防衛が成立したのです。ですが、魔王はまだ直接手は出していません」

侍女「例え相手が魔王といえど、こちらから先に手を出してしまっては傷害で訴えられます。なにより、お嬢様の品位にも関わるかと…」

お嬢様「そんな!」

侍女「お嬢様、ここはどうか聞き分けてください…」

お嬢様「確かに、お嬢様キャラを単なる暴力系ヒロインと混同されたのでは堪ったものではありませんわ……」シュン

魔王「何をごちゃごちゃとさえずっておる…ん?なんだこの腕は…?」

お嬢様「い、いえ…そのぉ……」

魔王「そうか…ついに我が妃になる決心がついたのだな。この指に、破壊と絶望のエンゲージリングを授けてやろう……!」ガシッ

お嬢様「痛っ!」

侍女「お嬢様っ!何をぼさっとしているのです!今ですよっ!!」

お嬢様「はっ!?」

お嬢様「こんのぉ……!無礼者っ!悪逆と非道に汚れたこの手をお離しなさいっ!!」

侍女「いっけえええええええええええ!お嬢様あああああああああっっっ!!」



パッチィィィィィィィン!!!!



魔王「…………いってw」

20: 2020/12/12(土) 23:05:04.912 ID:mzSaAMHh0
魔王「やれやれ、世界すら掌握できるこの手でも掴めないなんて、キミはいったい何者なんだい?」

お嬢様「まっ!自惚れ屋さんですこと!女心を掴むのは世界征服なんかよりずっとず~っと難しいんですのよっ!」プンスカ

魔王「ふふっ。立場が逆転しちまったな」

お嬢様「どういう意味ですの?」

魔王「僕がやろうとした恐怖支配なんかより、この心にいるキミの支配力の方がよっぽど強いって、こ・と♪」

お嬢様「このっ…///まだそんな減らず口を!」

魔王「おおっと、もう一発貰っちゃ堪らない。おっかないから退散×2っと♪」

お嬢様「お待ちなさい!まだお説教は終わっていなくてよっ!」

魔王「僕はまた深い眠りにつくとするよ。だって夢の中でなら君と結ばれるかもしれないだろう?なんてネ☆」スタコラサッサ

お嬢様「まったく…殿方ってみんな困ったさんなんだから…///」ドキドキ

22: 2020/12/12(土) 23:06:53.475 ID:mzSaAMHh0
お嬢様「さっ、もう大丈夫でしてよ。世界に平穏が訪れましたわ」

侍女「ついにやりましたね、お嬢様!」

お嬢様「それにしても……」

お嬢様「ちょっと頬を張ったくらいで、どうして皆さん逃げていくのかしら?」

侍女「さて…?お嬢様の細腕ではさほど威力もないでしょうにねぇ…」

お嬢様「試しに自分のお尻でもぶってみようかしら♪」

侍女「いけません!危険ですよお嬢様!」

お嬢様「平気よ。あなただって今、さほど威力があるとは思えないって言ったじゃない」

侍女「ですが、お嬢様の玉のお肌に傷でも付いてしまったら…」

お嬢様「大丈夫ですってば」

侍女「お嬢様、どうしていつも聞き分けてくださらないのですか!?お願いですからおやめ下さいまし!」

お嬢様「無礼者っ!主に指図するおつもり!?いいから黙ってそこで見てらっしゃい!」パッチィィン!!



お嬢様「…………いってw」

24: 2020/12/12(土) 23:07:42.524
!?

25: 2020/12/12(土) 23:08:46.857 ID:mzSaAMHh0
お嬢様「やれやれ、思ってたよりずっと痛ぇやw」

侍女「んもうっ!私の言うことを聞かないからですっ!それに何ですかその言葉遣いはっ!」プンスカ

お嬢様「おっとっと…手厳しいなぁ。あんまり怒ると可愛い顔に小皺が増えちまうぜ?」

侍女「んまっ…///まだそんな減らず口を!旦那様に言いつけますわよ!」

お嬢様「おおっと、そいつはご勘弁。おっかないから退散×2っと♪」

侍女「お待ちなさい!まだお説教は終わっていませんよっ!」

お嬢様「やーなこった。スタコラサッサだぜぇ~☆」スタコラサッサ

侍女「……なによ、ちょっと頼りになるだけの、あんなワガママお嬢様///」ドキドキ





おしまい

26: 2020/12/12(土) 23:09:56.935
これ侍女に能力移ってね?

27: 2020/12/12(土) 23:10:00.373
感動した

28: 2020/12/12(土) 23:10:57.459
おつかれ

引用元: お嬢様「無礼者っ!この汚い手をお離しなさいっ!」パッチィィン!! 男「……いってw」