2: 2012/11/18(日) 18:03:50.93 ID:d9YpRWJxo
ほむら「友達って何?」


とある日の夕方。
マミの家に寄らせて欲しいと申し出てきたほむらを自室に迎えて紅茶を出したその後、彼女はその一言をおもむろに問いかける。

マミ「私にそれを聞くの…?」マミーン

ほむら「え? だって、貴女は友達沢山居るじゃない」

マミ「…そ、そう?」マミッ!

ほむら「杏子、さやか、まどか、それに学校でもクラスメイト達と色々お話しているでしょう? 一緒に歓談しながら歩いている所は何度も見ているわ」

マミ「ま、まぁ確かにそうね。それくらいなら…。それは、お話ししたりする友達は確かにクラスにも…。でも、それは暁美さんだって同じじゃない」

3: 2012/11/18(日) 18:09:01.29 ID:d9YpRWJxo
ほむら「私のは…違うわ」

マミ「え?」

ほむら「私には、転入したての頃の人付き合いの悪さが祟って、未だにまともなクラスメイトなんて居ないわ…」

マミ「…あー。あの頃のイメージは、ねぇ…」

ほむら「一般以外の魔法少女と言うくくりでも、まどかは…さやかを通してのクラスメイトみたいなもの。さやかの積極性が無かったらまどかとは話もろくに…だし。杏子は、友達というより利害関係を前提とした付き合い。マミだって、別に私とそういう関係とは…でしょ?」

マミ「え? そんなつもりは」

ほむら「いいのよ。原因は私だもの。まどかを契約させないが為だけに動いてきて、人間関係の構築をないがしろにした、そんな私に、親友どころか友だちと呼べる関係の人が出来る訳がないの。こんな冷酷で非情な人間には…ふふ」ホムーン…

4: 2012/11/18(日) 18:19:57.76 ID:d9YpRWJxo
マミ「そ、そんな精気の無い瞳しないで! ソウルジェム大丈夫? えっと、でも、それは貴女が鹿目さんを大切に思っていたが為の行動でしょう? 冷酷だなんて! 鹿目さんもそれは分かって…」

ほむら「いえ、事実だわ。貴女達を、どんな理由があろうと何度も何度も見捨ててきた事になる私だもの…。今、こうしてみんなの側に居られるだけで望外の幸せなんだって、分かっているのだけど…」

マミ「暁美さん…」

ほむら「それでも…。こうしてマミとお話している時間が…どうしても楽しいの。例えクラスメイト、知り合い的な付き合いの上だとしても…。さやかと言い合いをしている時間が、杏子とゲームしている時間が、まどかとちゅっちゅしている時間が…。たまらなく楽しいの。みんなにとっては、一クラスメイトとして、顔見知りとしての付き合いなんだって分かっていても…。くすん…」

マミ「そう、楽しいと思ってはくれているのね。遊んだり…ちゅっ…え?」

ほむら「え?」

マミ(ちゅっちゅ?)

5: 2012/11/18(日) 18:23:05.80 ID:d9YpRWJxo
マミ「……」

ほむら「どうしたの?」

マミ(ちゅっちゅって、ちゅっちゅ?)

マミ「……」

ほむら「マ、マミ?」

マミ「暁美さん、ちょっと、手を繋いでくれる?」

ほむら「え、ええ」キュ

マミ「…うん、普通よね」

ほむら「お、おかしな握り方は…してないと思うけど」

6: 2012/11/18(日) 18:50:54.52 ID:d9YpRWJxo
マミ「じゃあ、鹿目さんと繋ぐ時の握り方は?」

ほむら「ええと…こうよ」ギュム

マミ(! こっ! 恋人握りじゃないの! あ、細い指のしっとりしたぬくもりが…)マミマミ///

マミ「……」///

ほむら「マミ?」

マミ「! あ、ええと、もう離して大丈夫よ」

ほむら「ええ、ごめんなさい。不要に手を繋がせてしまって…。不快だったかしら」

マミ「いや、だからそもそも私が繋いでって言ったんだから違うのよそれは! て言うかもっと繋がって…いやええと…」

7: 2012/11/18(日) 18:59:12.41 ID:d9YpRWJxo
ほむら「…?」

マミ(本当に大丈夫なのか心配で上目遣いで瞳が少し潤んでいるのは純粋に反則だわ。素が美人なだけに)

マミ「…暁美さん、ええと、きっと杞憂だと思うわよ? 第一、私自身が貴女とこうして一緒にお茶するのを、義理だとか誰かの知り合いだから仕方なく、なんて思ってないし。そもそも私がそんなに心が広くないわ。知り合いの知り合いを部屋に招くのなんて渋々でも嫌よ」

ほむら「…そ、そう? 本当に? 私、邪魔じゃ無い?」

マミ「誓って!」

ほむら「…マミさぁん」ウルッ

マミ「!」マミーン!

17: 2012/11/19(月) 23:22:35.21 ID:e7pPso/xo
ほむら「…あ、え、ええと、マミ、ありがとう。私、友達同士の常識が無いから心配だったの…。マミのお陰で、少し安心したわ。私、他の子達とも仲良くして貰えるように頑張るわ」

マミ「いや、だから…。て言うか、マミさんでいいのよ? むしろ歓迎よ?」

ほむら「ううん、大丈夫。大それた事って分かっている。そこまで自意識過剰じゃないわ。叶うかどうかはともかく、目標が出来ただけで充分。きっとマミみたいに、他の子とも友達になれるように努力する。私は…みんなが好きだから」ニコッ

マミ(何これ可愛い。自分に自信が無いけど、けなげに頑張って微笑むほむほむ可愛い)

ほむら「じゃあ、今日は帰るわ。長居も失礼よね」

マミ「あ、そう? 別にこのまま夕飯一緒にしてもいいんだけど…。明日は土曜日だし何ならお泊まり…」

ほむら「いいえ、そこまでしてもらったら悪いから…。一応、これからまどかのお家にお泊まりの用事もあるから」

マミ「あ、そうなの? なんだ、すっかり仲良しじゃない。お泊まりだなんて」

ほむら「いえ、それはあくまでクラスのお友達としてよ。まどかは、さやかとなら数え切れない程お泊まりしているだろうし…。私とのは、義務みたいなものかもしれない」

18: 2012/11/19(月) 23:28:40.27 ID:e7pPso/xo
ほむら「週末の私にやる事が無いのを見かねて、哀れんでくれているのだと思うわ。それでも充分に幸せだけど」

マミ「あー、えーと、お情けで人をお泊まりはさせないとおもうんだけどなぁ…」

ほむら「でも、まどかは優しいから…。私の惨状を見かねたんじゃないかと思うの」

マミ「惨状?」

ほむら「私、私生活に無頓着で…。前にまどかに遊びに来て貰った時、まどかに…おもいきり引かれたの」

マミ「鹿目さんが?」

ほむら「あの子はそうそう、そう言う顔をしないって分かっているけど、それでもあの顔は…間違い無く引いていたわ。一瞬、瞳孔開いてレ○プ目になっていたもの」

マミ「よ、よかったらその時の貴女の部屋、どんな風だったの?」

ほむら「…貴女もきっと引くわ。マミられたみたいになる…」

19: 2012/11/19(月) 23:34:33.73 ID:e7pPso/xo
マミ「大丈夫! 鹿目さんだってその後もこうしてお付き合い続いているんだから大丈夫! マミられたりしないわ! 意味は知らないけど!」

ほむら「…ワルプルギスの夜を越えてから、私、何だか気が抜けてしまって…。なんだか全部面倒になっちゃって、それで、あなた達と別れた次の日から、引きこもり状態になってたの」

マミ「…あの後暫く連絡が途切れた期間の真実はそれだったのね。あの時は田舎に帰るって言っていたからてっきり里帰りしてご両親と一緒にって思ってたわ」

ほむら「もう、私の事を気にする人は誰も居ないと思って、思いつきで。そうすれば、そのままフェイドアウトしちゃっても誰も気にしないかなって…」

マミ(…私達に対する貴女の認識にはちょっと怒りたくなったけど、まず話を聞いてからね)

ほむら「まどかが契約する事はないし、だとするともう私の役目って終わったも同然かしらと思ったら、起きる事すら億劫に思えて…

マミ「……」

ほむら「トイレがどうしても我慢できない時以外はもう、ひたすら毛布にくるまって寝転がっていたの。ハムスターか何かの小動物が冬眠するみたいに。下着だけで。殆ど何も考えずに過ごしたわ。頭が空っぽってああいう状態を言うのね」

マミ(…思ったよりすごい状態だったのね)汗

20: 2012/11/19(月) 23:39:34.61 ID:e7pPso/xo
マミ「ご、ご飯は?」

ほむら「こんな私でもお腹は減ったから…。だから買い置きしていた食材があるうちは、最低限食べてはいたわ。でも、それも無くなって…」

マミ「そ、それで?」

ほむら「最後にカ口リーメイトを一本食べてから二日くらいしたらだんだん体が軽くなった気がして、意識もふわっとしてきて…。おばあちゃんが遠くから、まだ早い、とかそう呼びかけている気がしたわ」

マミ「だっ?! 大丈夫? ソウルジェム大丈夫? て言うかいくら魔法少女の体だからって大丈夫?! 精神面も!」

ほむら「その時ね、まどかが来てくれたの。ドアをタイタスモードで殴り壊して」

マミ「鹿目さん、契約してないのよね?」

ほむら「それで、殆ど即身仏寸前だった私を看病してくれたの。一瞬レ○プ目をしてから。まず最初に思いっきり叱られたけど」

マミ(誰だってそーする。私もそーする)

21: 2012/11/19(月) 23:44:32.27 ID:e7pPso/xo
マミ「…ふぅ。良かった。心の底からそう思うわ。でも、どうして鹿目さんは貴女が嘘をついているって分かったの?」

ほむら「まどかね、私の実家に行ってきたんだって」

マミ「あら」

ほむら「それで、パパとママから最近全然連絡が無くて寂しい、みたいな事を聞いてティン、と来たんだって。私は部屋にいるって」

マミ(素だとパパとママって呼ぶのね)

ほむら「後から、私もパパとママに叱られたわ。心配させるなって。ふふ。でも、嬉しかった。私、ちゃんと大切に思われていたんだって…」

マミ「良かったわ」

ほむら「一つ不思議なのは、家に来たときの時まどかは、何かの届出書みたいな紙と実印を持ってたらしいんだけど…何かしら?」

マミ(分かるような分かりたくないような…)

22: 2012/11/19(月) 23:49:56.64 ID:e7pPso/xo
ほむら「そして…まどかに叱られて、泣かれて、一週間程つきっきりで看病してくれたわ。家に泊まり込みで」

マミ「鹿目さんも居ない時期があったのはそれだったのね…。全然知らなかった」

ほむら「まどかがね、私が全快するまでは内緒にしようって言ってくれたの。こんな状態の私を見せたらみんなに心配かけちゃうからって。それは嫌でしょ? って」

マミ「確かに、そんな状態の暁美さんを見たら何も手に着かなくなっちゃうわね」

ほむら「まどかは本当に、甘やかすだけじゃない優しさに溢れているの。常にみんなにとっていい事を考えて…」

マミ「優しい子ね。本当に」

ほむら「ええ。そして、まどかのお陰で学校にまた行けるように、行こうと思うようになったの」

マミ「良かったわね…。でも、それならともだ…」

ほむら「それとこれは別。だって私、この年になるまでまともに友達と呼べた人、片手で足りるのよ? しかも学校が変わってからはもう一人も…。復学したところで、私の行為が許される訳じゃないし…」

23: 2012/11/19(月) 23:53:50.10 ID:e7pPso/xo
マミ「そ、それは暁美さんが悪いんじゃ無いわ! 元はと言えば病気のせいよ! ワルプルギスの夜のせいよ!」

ほむら「病気になった私が悪いから…。それに、ワルプルギスを倒せなかったのも私が弱かったからだし…」

マミ「暁美さん…」

マミ(…負のスパイラルだわ)

ほむら「でも、でもね、それでも私は今幸せよ。人との触れ合いがあるから。ワルプルギスの夜を越えた事実を、幸せだと心から思うから」ニコッ

マミ「…それなら、良かったわ」ホッ

マミ(後ろ向きなだけではないのね。うん、良かった。本当に良かった)

マミ「分かったわ。そういう用事なら仕方ないわ。じゃあ、また今度にね? 私は、義務でもお情けでもなく、貴女と一緒にご飯したり、遊んだりしたいと思っているから。ね?」

ほむら「! うん!」ホムーン///

マミ(気が抜けると言葉が幼くなるほむほむ可愛い)

24: 2012/11/19(月) 23:59:45.36 ID:e7pPso/xo
ほむら帰宅後。

マミ「あ」

マミ「あの時の衝撃が強くて、ちゅっちゅの意味を聞きそびれたわ…」

マミ「それにしても、うーん。なんて言うか…どう考えても思い過ごしよね…。さっきも言ったけど、私自身が暁美さんとは付き合いで仕方なくお部屋に招いてお茶している訳じゃないわ」

マミ「一緒に居るのは暁美さんとお話するのが楽しいから。私がそうしたいからよ」

マミ「コーヒー党の割には意外に紅茶の味も分かってくれるし、しかもそれこそ意外と言ったら失礼だけど、紅茶を淹れるのが上手だからなのよね」

マミ「私は、心から、あんな風にお茶するのが楽しみだから、一緒に居るだけなんだけどなぁ」

マミ「それに、実はブラックコーヒー苦手なのも知っているのよ。よくみんなでお茶をするとコーヒー頼むけど、そのうち半分は実は手を着けなくって、手を着けるときもこっそり砂糖たっぷり入れているのよね」クスクス

マミ「あれは、頑張って築き上げた自分のイメージに固執しちゃって、それの気疲れもあるのね…」

25: 2012/11/20(火) 00:04:34.92
マミ「それに…ええと、鹿目さんとは、どう考えても友達どころか…こ、こ、恋人…じゃない。ただの知り合いと…ち…ちゅっちゅなんて…する訳…」マミーン///

マミ「…まさか相談と思わせて、鹿目さんとの仲をただ惚気たいだけだった、なんて事は無いわよね?」

マミ「いえ、それは無いとして…。何はともあれ、そもそもあそこまでされて自信が無いって言うのが問題だわ。きっと暁美さんに必要なのは、まず何はなくとも自分への自信ね

マミ「きっと、元から友達と呼べる人が少ないから、自分に自信が持てないのよ、うん! マミるかぼっちで名が通る私が羨ましいって言うレベルだもの。となれば…」

マミ「丁度いいわ。せっかく暁美さんの願いが叶ってワルプルギスの夜を撃破出来だんだもの。この際、憂いは全部取り除いておきましょ! 先輩として! お友達として!」

マミ「そうして、みんなで本当に心から笑顔でお茶したいわ。…まぁ、鹿目さんの事は問題外として置いておいて。て言うか別の意味で問題がありそうね。主に行きすぎてないかどうか…」

マミ「……」

マミ「ち…ちゅっちゅって…。ちゅって…やっぱり、キ、キスの事よね? 鹿目さんって…そっちの…? ま、まさかそれ以上の事なんてしてないわよね…」モジモジ

マミ「いずれ詳しく聞きましょう」マミマミ///

33: 2012/11/20(火) 21:59:31.98 ID:GXitElkfo
QB「きゅっぷい」

マミ「あら、キュウべぇ。お帰りなさい。…応援は出来ないけど、どう?」

QB「最近この辺りじゃもうノルマは達成できそうに無いから暇なんだよ。他の地域の個体が頑張っているけど、なかなかね」

QB「でも、ワルプルギスの穢れパワーが思いの外代用エネルギーとして有用で助かってるよ。いっそ、生み出すよりも今居る魔女を強くして倒すなんてのもどう? って会議で言われてるんだ」

マミ「…それはそれで、魔女の飼育みたいで嫌だわ」

QB「魔法少女を魔女化させるよりは君達の感情的に悪くないと思うんだけどね。既にある素材の活用だから。それから、最近は感情エネルギーをもっとダイレクトに…」

マミ(…やっぱりあなたにとって私達は資材なのね)マミーン

QB(でも、最近は少なくとも身近の魔法少女には、損得ではなく長生きして欲しい、とは考えているよ)

マミ「え? 何か言った?」

34: 2012/11/20(火) 22:04:23.60 ID:GXitElkfo
QB「何でも無いさ。なんだかケーキが食べたいな」

マミ「ふふ。一つ残してるわよ」

QB「一つかい?」

マミ「あら、二つも食べたいの?」

QB「ボクはマミと一緒に食べたいと思ったんだ」

マミ「キュウべぇったら…」

QB「きゅっぷい」



同時刻
まどホーム前

ほむら「……」

35: 2012/11/20(火) 22:09:09.80 ID:GXitElkfo
ほむら(このインターホンを押すときが未だに緊張するわ。ええと、髪は大丈夫。服も。モンダミンもちゃんとして…それじゃ押)

まどか”ほむらちゃんいらっしゃい! 開いてるよ!”

ほむら(…ま、まだ押してないのに)

ほむら「わ、分かったわ」ガチャ

まどか「ほむらちゃん、いらっしゃい!」

ほむら「こんばんは、まどか。またお邪魔させて貰って悪いわね」

まどか「もー! 悪いなんて言わないで! 私はとっても楽しみにしてたんだからぁ! 週末が近づくとわくわくそわそわダラダラだよ!」

ほむら「あ、ごめんなさい。そうね、こうしてお呼ばれさせて貰っているのに失礼よね」

ほむら(ダラダラ?)

36: 2012/11/20(火) 22:14:11.11 ID:GXitElkfo
まどか「ウェヒ。さ、外は寒いから早く入って! お夕飯もうすぐだから!」

ほむら「ありがとう。正直、最近週末が楽しみなの。貴女と一緒にお食事させてもらえて」

まどか「それはわたしもだよ、ほむらちゃん。さぁ!」キュ

ほむら「…うん!」

ほむら(まどかが手を繋いで私を招き入れてくれる。この時が幸せだわ…)

ほむら「……」

ほむら(でも、これはまどかの分け隔て無い優しさの現れ。私が独りだから差し伸べてくれる、献身的な意味での愛。勘違いしちゃ…いけない)

ほむら「そう言えば、どうしていつも私がインターホンを押す前に出られるの?」

まどか「ほむらちゃんが百メートル以内に近づくとなんとなく分かるの」

37: 2012/11/20(火) 22:20:55.76 ID:GXitElkfo
ほむら「け、契約してないのよね?」

まどか「もちろんだよ! 代わりに私には心のソウルジェムがあるの。それで分かるんだよ!」

ほむら「…すごいって、言っていいのかしら?」

知久「やぁ、いらっしゃい。ほむらちゃん」

ほむら「こんばんは、おじさま。またお世話になります」

知久「はは、そんなかしこまらないで。もう毎週の事じゃないか」

ほむら「いえ、だからこそ、きちんとさせていただかないと」

知久「ほむらちゃんは本当にしっかりしているね。うん、君のやりたいようにしてくれればいいよ。まどか、あと三十分くらいだから、その間ほむらちゃんと遊んでたらどうだい?」

まどか「ウェヒ♪」

38: 2012/11/20(火) 22:26:31.25 ID:GXitElkfo
ほむら「あ、よろしければお手伝いを」

知久「それは遠慮させて貰うよ。お願いしたいとしたら、まどかと遊んで貰う事。いい?」

ほむら「…恐れ入ります」

まどか「じゃあ、ほむらちゃん、私の部屋に行こう?」

ほむら「ええ、では」

知久「出来たら呼ぶからね」

まどか「はーい、お願いねパパ。じゃ、ほむらちゃん」キュ

ほむら「ええ」キュ

知久(今日も早速恋人つなぎだね。なんか、家に居る間ってほぼ手を繋いでいる気がするけど…)

39: 2012/11/20(火) 22:31:25.53 ID:GXitElkfo
知久(眼福だからとにかく善し!)

知久(ほむらちゃんにも、パパって呼んで貰えたらいいなぁ…)

知久(ねぇ、パパぁん。なんて…。ウェヒヒヒ!)

タツヤ「ぱぱー、かおがへんー」

知久「ははは。タツヤももう少し大きくなったら分かるよ。楽しみにね」

タツヤ「うん! ゆりゆりたおしみー!」

知久「おっ! また言葉を覚えたね! いい子いい子」

タツヤ「てひひー」



まどルーム

まどか「ほむらちゃん、明日は土曜日だからどこかに遊びに行こうね!」

40: 2012/11/20(火) 22:36:24.58 ID:GXitElkfo
ほむら「ええ。楽しみだわ」

まどか「でも、そういいつつ…結構お家でだらだらしちゃうんだよね。ティヒヒ」

ほむら「そ、そうね…。よ、夜に…ちょっと、疲れちゃうから…かしら」///

まどか「疲れるコト…嫌?」

ほむら「嫌じゃ、ないわ。むしろ…シて欲しいの。まどかに…」

ほむら(まどかの優しさを、体全体で感じられるから…)

まどか「ほむらちゃん…。私、嬉しいよ」

ほむら(あ…まどかの手が腰に…顔が…近いよぉ…)

クッションに座っていたまどかとほむらの距離が、まどかによって縮まる。
立ち膝でほむらの真正面に近づいたまどかは、ほむらにまたがるようにして、その顔を胸に埋めさせた。

41: 2012/11/20(火) 22:42:01.63 ID:GXitElkfo
まどか「聞こえる? 私の心臓の音…」

まどかがほむらの頭を抱きしめる。

ほむら「ええ…。とくん、とくん、って…とても心地よい音…。それに、暖かい…。まどかぁ…」

ほむらもまどかの腰に手を回し、深呼吸と共に強く抱き寄せる。鼻腔にふわりとまどかの甘い匂いが満たされ、めまいのような感覚が襲う。

まどか「くすぐったい…よ。でも…気持ちいい…。ん…ほむらちゃんの髪もいい香りだよ…」

ほむら「恥ずかしいよ…まどかぁ…」

まどか「ティヒヒ」///

知久(ティヒヒ。聴診器だと壁の向こう側の声も良く聞こえるよ)

知久「コホン、(Knock Knock)まどか、ほむらちゃん、ママが帰って来たよ」

53: 2012/11/21(水) 22:46:06.69 ID:0bZhsnGYo
まどか「わっ?! あ、はーい! ほ、ほむらちゃん、お迎え一緒にいい?」

ほむら「も、勿論よ。い、行きましょう!」

まどか「ねぇ、ほむらちゃん…」

ほむら「ん?」

まどか「また後で…ね?」チュ

ほむら「…うん」チュ

知久「キマシタワー!」



詢子「たーだいまー!」

まどか「ママ、お帰り。今日は早かったね!」

54: 2012/11/21(水) 22:51:22.64 ID:0bZhsnGYo
詢子「あー、今日もお酒は飲んでないよ。せっかくの週末だし、この子も居るしね」チラッ

ほむら「お帰りなさい。おばさま。またお邪魔しています」

詢子「ただいま。ほむらちゃんもお邪魔、なんて言わなくていいよ。最近は居ない方が変に感じるようになっちゃったからね。家族も一緒一緒」

まどか「だけど、この前はママったら酔っ払って帰って来たから、ほむらちゃんにいきなり抱きついてちゅーしちゃうんだもん! ぷん! あの後、ほむらちゃんのほっぺが暫くお酒の味したんだから!」

まどか(あの時はほっぺだからまだ許したけど、万が一唇だった日には喩えママだって…)ギリリ

詢子「わ、悪かったよ。だからあれ以来週末は酒は控えてるんだからさ」ゾク

詢子(あの後三日間口聞いてくれなくて…。しかも初めて舌打ちされたし…)ショボン

詢子(…て言うかほっぺの味?)

詢子「ね? だからほむらちゃん、あんたもここを自分の家だと思ってよ。ね?」

55: 2012/11/21(水) 22:58:09.37 ID:0bZhsnGYo
ほむら「いえ、そこはけじめをつけないと…。あくまでも、お呼ばれですから。それにあの事も、私に打ち解けてもらえているんだと思って、嬉しかったです」

詢子「ふふっ。ま、そんな真面目なとこもあんたのいい所だね。むしろこっちが悪いかな、なんて思ってるよ。ここ最近、週末はずっとこっちに居てもらっちゃって。あんたの個人的な用事だって有る筈なのにさ」

ほむら「いえ、それこそ大丈夫です。私に、大した週末の用事なんてありませんから…。だから、むしろこうして居させてもらえて、私はとても嬉しいですから…」チラッ

まどか「ティヒヒ」チラッ

詢子「それなら良かったよ」ホッ

ほむら(…こんな温かい素敵な家族の輪に、私みたいなの不釣り合いね。やっぱり…)ホムーン…

まどか「……」

まどか「ほむらちゃん」ギュ

ほむら「!」ホムッ

56: 2012/11/21(水) 23:04:13.95 ID:0bZhsnGYo
詢子「あー、なんか暑くなってきたわー。着替えよーっと」

まどか「じゃあ、居間で待ってるから早く来てねー! ほむらちゃん、行こう!」

ほむら「え、ええ」

まどか「あ、ほむらちゃん…ひそひそ?」

ほむら「! …ぼそぼそ」///

詢子(やれやれ、内緒話かい? あの楽しそうな顔ったら…。何だかんだ言っても子供だねぇ)

※内容
まどか「ほむらちゃん、いつも通り、着替えはちゃんと、持って来てないよね?」

ほむら「! え、ええ。今日も言われたとおり手ぶらよ…」

まどか「ウェヒヒ。宜しい! これからもほむらちゃんがお家に居る間は、お洋服も下着も歯ブラシもタオルも、ぜーんぶ私のを貸してあげるからね? あとでお着替えタイムだよ?」

57: 2012/11/21(水) 23:10:31.46 ID:0bZhsnGYo
ほむら「ほむぅ…」///



知久「さぁて、と。天使達が居ない間に…」スチャ

詢子「知久、そのとっても小さなカメラをどこに置く気なのか教えてくれるかい?」ボッシュート

知久「後生ですだ! 後生でごぜぇますだっ!」



まどか「ごちそうさま」

ほむら「ごちそうさまでした」

知久「おそまつさま」

ほむら「美味しいシチューでした」

まどか「パパのクリームシチューは最高だよね!」

58: 2012/11/21(水) 23:15:56.38 ID:0bZhsnGYo
ほむら「本当。体が暖まるわ」

まどか「あ、ほむらちゃんの口元に…はむっ」チュッ

ほむら「! え? な、何かついてた?」

ほむら(く、口元…と言うかほとんど唇にまどかの唇が…舌が…!)

知久「!」グッ

タツヤ「?」グッ

まどか「ほんのちょっと、お弁当が、ね」ウェヒヒ

ほむら「ま、まどか…。ご、ご家族の前なのに…」カアァ…

詢子(あー、口元のご飯粒はむぺろ系はもう見慣れちまったねぇー。悲しい事に…)

59: 2012/11/21(水) 23:21:54.58 ID:0bZhsnGYo
詢子(でも…二人のあの無垢な、幸せそうな顔見ていると…。なんだか、それくらいはいいかなって…)

まどか「あ」

ほむら「え?」

まどか「ほむらちゃんのお口の中に、ちょっとだけおジャガさんとかが残ってない? 残ってるよね? あるよね? あるんだよ。あるって決めた」ズズズイ

ほむら「えっ?! まっ! 待ってまどか! そ、それはっ! く、口の中は! いいから! ドクターフィッシュみたいな事しなくていいかりゃあああんみゅーーーっ!」ガタタタッ

まどか「ほむはひゃーんんんん!」ンムヂュゥーーーー

ほむら「まほはんんむううーーーっ!」ピカヂューーーー

詢子「まどかぁぁぁぁっ! お願いだからタツヤの前でだけはやめてえええええっ!」

知久(gooooodjoooooob!!!!!!!)

60: 2012/11/21(水) 23:26:47.11 ID:0bZhsnGYo
タツヤ(ぐっじょーぶ?)



翌日
公園

マミ「うーん、いいお天気! お洗濯も全部終わってスッキリしたし! さて…。まずは、やっぱり佐倉さんかしらね」ゴソゴソ

マミ「こほん、ロッキー美味しいわー」ポリポリ

杏子「あたしにもくれよ!」

マミ「はい確保♪」ギュ

杏子「むぎゅ?」



ベンチに座る二人

マミ「実はね、かくかくしかじか、と言う訳で」

61: 2012/11/21(水) 23:31:26.31 ID:0bZhsnGYo
杏子「まるまるうまうま、と。ふーん、ほむらがそんな事考えてたのかぁ」ポリポリ

マミ「佐倉さんは…暁美さんの事、単なる仕事仲間みたいに思っている…とか?」

杏子「ん? ああ、そうだぜ」ポリポリ

マミ「えっ?!」マミッ?!

杏子「いや、そもそもあいつと知り合ったきっかけが報酬目的の共闘だしな」ポリポリ

マミ「…そうね」

杏子「あの時、良い条件出さなかったらその場でぶっ飛ばしてたさ。命がけになるかもしれない要求なんだからよ」ポリポリ

マミ「……」

杏子「だから、あいつは報酬目的の、ただの仕事上の知り合いだ」ポリポリ

62: 2012/11/21(水) 23:35:26.88 ID:0bZhsnGYo
マミ(…最初からショックだわ)マミーン…

杏子「ワルプルギスの夜を倒す日まではな」ポリポリ

マミ「え?」

さやか「そうそう、あたしも、完全には信用し切れてなかったですよ。今だから言えますけど」

マミ「きゃ、美樹さん? いつの間に?」

さやか「ども、マミさん。いや、あたし杏子と一緒に遊んでいたんです。で、いきなりわんこみたいに走り出すから何事かと思って追いかけたら…」

杏子「わんこじゃねぇ!」ポリポリ

さやか「はいはい、あんこちゃん」

杏子「…ぶっとばすぞお前」ポリポリ

さやか「いや、その前にあんたいつまで食べてるのさ」

71: 2012/11/22(木) 21:49:58.70 ID:J0CRGBXbo
杏子「無くなるまで」ポリポリ

さやか「流石に太るぞ?」

杏子「食うかい?」ポリポリ

さやか「うん」ポリポリ

マミ「はい、そこまで。丁度良かったわ。さっきのを聞くと話はだいだい分かってくれていると思うんだけど…。美樹さんは暁美さんの事、どう思っているの?」ドキドキ

さやか「いやぁ、もちろん親友っすよ。あいつがツンデレなのはよーく分かってますから。て言うかさやかちゃんとしては早くこっちの世界に来てくれればって感じですね」ポリポリ

さやか「ま、あたしに対してはツン成分がちょっと…いや、かなり多めなのがアレですけどー」

杏子「こっちの世界って、アホの子の世界にか? そりゃ無理だろ。ほむら賢いし」ゲップ

さやか「あ゛? 違うよ! 心の壁を取っ払って欲しいって意味!」

72: 2012/11/22(木) 21:56:37.83 ID:J0CRGBXbo
杏子「バカの壁を?」

さやか「違うっーの! 第一ほむらだってループ期間中の成績はすごかったけど、ワルの後は違うでしょうが!」

さやか「いや、今だって人並みよりはよっぽど上だけど! あたしからしたら雲の上だけどちくしょー! 結局、才色兼備地でいってるじゃんっ! 仁美とほむらの二柱だよ!」

杏子「そう言う頭の良さだけじゃなくって、知恵もあるって言ってんだよ。インテリジェンスとウィズダムの差。分かるか?」

さやか「んじゃあたしは知恵も知識もないってかぁっ! あたしだって雨が降ったら雨って認識もできるし、傘をさすくらいの事も出来るわいっ! がるるるる!」

杏子「そんな幼稚園児並の知能まで遡らないといけないのかよっ!」

さやか「たとえ話だああああっ!」

マミ「はいはいそこまで! 何の話よ、もう…」

さやか「あ、すいません、いや、つい議論が白熱して…。MITが放っておきませんねこりゃ」

73: 2012/11/22(木) 22:01:54.67 ID:J0CRGBXbo
マミ(議論?)

杏子「で、MITが何の略か知ってんのか?」

さやか「し、ししし知ってるし! あ、あれだし! アレ! えーと…」

さやか「…Mだから…『む』。じゃなくて、『ま』…」チラッ

マミ「!」コクコク

さやか「! …ま、ま、ま! まーべらす、い、いんたーねっと…てくにっく?」

マミ「でね、暁美さんの事だけど」

さやか「…見捨てないでぇ…」

杏子「……」ナデナデ

74: 2012/11/22(木) 22:06:46.73 ID:J0CRGBXbo
マミ「ともかく、美樹さんも暁美さんの事どう思っているのか、腹を割って話してくれるかしら? 暁美さんの心中はさっき話した通りよ」

マミ「なんて言うか、とにかく自信が無いのよね。交友関係に関しては本当に…」

さやか「ああ、それは分かります」

マミ「で、どうも暁美さんの話だとクラスでも知り合いは殆ど居なくて孤立状態って言っていたんだけど…。本当にそうなの?」

さやか「あー、それはちょっと違うんですよね」

マミ「え?」

さやか「確かに、転入したての頃は今よりも更に表情が無かったし付き合いも実際に悪かったから、美人で頭のいい才色兼備を差し引いても、そのとっつきにくさから距離を置かれるってのはありました」

マミ「それは…そうね」

さやか「けど、ほむらって実は歳相応どころかそれ以上に、意外と幼いところあるんですよ。最近、気を張り詰めていたのが緩んだせいか、時々ぽろっと地がでたり」

75: 2012/11/22(木) 22:11:09.29 ID:J0CRGBXbo
杏子「ああ、入院が長かったせいもあるんだろうな。ああ見えて根は擦れてないって言うのか?」

マミ「あら、どんな風に?」

さやか「多分、メガほむの頃の地が見え始めてるんですよ。クールなのは実は虚勢だから、割と簡単にテンパったりするんです。しかもそういう時って、結構小動物的におどおどしたりして」

マミ「小動物…。ありえない…と言いたいけど、今なら頷けるわ」

さやか「だから、今はむしろクラスのみんなも、やっぱり隙あらば話しかけたい、って言う空気になりつつあるんです。後はほむらがATフィールドを解けば入れ食いじゃないかと思うんですよねー」

マミ「まぁ、たしかにね。それにしても、本当に避けられているんじゃないのね。良かった…」

さやか「あはは、避けるどころか狙ってますよ。この前も、珍しく授業中に居眠りした事があって、先生に起こされた時、何を寝ぼけたのか飛び上がって『にゃっ!』なんて鳴いたんです」

マミ「にゃ?」

さやか「分かりますか? 鳴いたんですよ? あのクールビューティが『にゃっ!』ですよ? どんだけあざといんじゃお前は、と言いたくなりましたよ。素なのに」

76: 2012/11/22(木) 22:19:51.28 ID:J0CRGBXbo
マミ「Oh…!」

杏子「Wow…!」

さやか「その後顔真っ赤にして泣きそうになっているほむらを見て、あたしゃ授業中だけど駆け寄って抱きしめたくなりました。マジで。まぁ、まどかは遠慮無く抱きついてほむらを更に困らせてましたけど」

マミ「養殖には出せない、天然物の強さね。暁美さん、怖ろしい子! て言うか鹿目さんも!」

杏子「さやかだったらむしろはたいているのに…」

さやか「あんですと? あんたはこの美少女がにゃっ? なんて鳴いてもズキューンとこないとでも?」

杏子「一切こねぇ」

さやか「にゃーっ! にゃーーっ!」

マミ「…話を進めたいんだけど」

77: 2012/11/22(木) 22:24:19.29 ID:J0CRGBXbo
さやか「にゃ? あ、すいません」

マミ「でも、となると暁美さんがクラスで孤独を感じているのはどうしてかしら? 今の感じだと、前みたいに話しかけられても無視、みたいな事はしようとは思ってないんでしょ?」

さやか「あー、そこは…。何と言うか、それこそ最強のATフィールドがほむらを守りすぎな程に守っちゃってて」

マミ「?」

さやか「ええとですね、まどかが…」

マミ「鹿目さん?」

さやか「教室だろうがどこだろうが、ハイパー桃色フィールドを形成しちゃって、他の誰もその領域に入り込めないと言う…」

マミ「…なるほど」

さやか「女子は女子で指くわえて見ているしか出来ないし、男子は男子でこれはこれで! みたいな感じで満足げで…」

78: 2012/11/22(木) 22:29:35.63 ID:J0CRGBXbo
マミ「鹿目さん…暁美さんと仲良くしたいだけであって、悪意が無いだけに厄介ね」

さやか(他の誰も近づけさせないって言う意味では悪意に満ちてるんだけど…)

マミ「でも、それなら少なくともクラスのみんなが避けている訳じゃないのね。それならいいのよ。いくらでもチャンスは来るでしょうし。で、聞きかけだったけど美樹さんは?


さやか「あ、ええと、ほむらの事ですよね。さっきも言いましたけどあたしは親友だと思っています。心の友ですよ。ちょーっとほむらからの肉体言語の返しが多いですけど」

杏子「あたしも、さっきも言ったけどワルプルギスの時まではただの共闘関係だった。でもな…」

杏子「ワルプルギスの夜と戦ったあの夜、実はあいつに言われたんだ。グリーフシードを一つくれてな」

杏子「付き合ってくれて、ありがとう。この戦いは、本当に命がけになる。でも、貴女は氏なないでって」

杏子「この戦い、私は氏んでも勝ちたい。でも、私以外の誰にも氏んでほしくない。だから杏子、あなたは必ず生きてって」

杏子「私以外の誰が欠けても、そのせいで誰かが悲しむ。不幸になる。まどかが悲しむからって」

79: 2012/11/22(木) 22:34:21.69 ID:J0CRGBXbo
マミ「暁美さん…」

マミ(だからどうして自分をそんなに野卑するのっ! こんなに大好きなのに!)プンプン

さやか「ほむら…」

さやか(以下同文!)ビチビチ

杏子「マミとさやかは言われてないのか?」

マミ「いいえ…。同じような事を私も…。やっぱり、そうだったのね。きれいなグリーフシードをまるまる一つなんてって、あの時は驚いたわ」

さやか「うん。あたしも言われたよ。やっぱりみんなに言ってたんだ。内緒、だなんて、ほんとに水くさいなぁ」

杏子「最初はさ、目的の為なら何でもするし、何でも切り捨てる冷血女、なんて思ってた。まぁ、人の事言えないけどさ」

杏子「けど、ほむらのそれは全部仮面だって分かったんだ。あいつは、あたし達を駒としてなんて思ってなかった」

80: 2012/11/22(木) 22:39:12.38 ID:J0CRGBXbo
杏子「ただ、どうしようもなくて、仕方なしに巻き込んでしまっているんだって、その時、分かったんだ。あたしは正直、恥ずかしかったよ」

マミ「結局みんなボロボロにはなったけど…何とかワルプルギスの夜を倒して、そしてみんながちゃんと二本の足で立っているのを見たときは…感動したわ」

杏子「ああ。それで、その時、魂が抜けたみたいに呆然と立ち尽くしていたほむらに声かけたらさ…」

さやか「大声で泣き出したんだもんね…」

マミ「ええ…。あの時は、私もつられて泣いちゃったわ」

さやか「あたしもですよ。もう呼吸困難になるくらい」

杏子「…あたしも、ちょっとな」

さやか「ふふ、あれがちょっと、ね?」

杏子「うるせ」

92: 2012/11/23(金) 20:30:17.45 ID:+Ab6njWzo
マミ「じゃあ、みんな暁美さんの事は…」

さやか「何度でも言いますよ。親友です。心の友です」

杏子「まぁ…友達よりは上だ、な」

マミ「……」

杏子「いや…。わ、分かったよ! し、親友だよ! 掛け替えのない! これでいいだろちくしょ!」///

マミ「うふふ。その言葉を聞きたかったわ。ありがとう、佐倉さん、美樹さん!」

さやか「いやいや! なんのなんの。かんらからから」

杏子「アホ」ゴン

さやか「あたぁっ!」

93: 2012/11/23(金) 20:36:00.10 ID:+Ab6njWzo
杏子「しかしさぁ、何で今更そんな事になってんだ?」

さやか「ねぇ? ほむらの事はもうすっかりだと思ってましたけどね」

マミ「みんながそう思っていてもね、本人がそう思っているとは限らないのよ…。生真面目な子だと、ね」

さやか「ほむらが真面目かどうかはまたなんか違う気もしますけどね」

杏子「ある意味一番ワルであったりするし…。あたしのひったくりがままごとに思えるくらいには」

さやか「ありゃあ、一歩間違えば国際指名手配だからね」

マミ「…いっぱいいっぱいの時は、何が善くて何が悪いのかなんて、そんな判断はつきにくくなるのよ。特に、誰にも頼れず、一人きりの時だとね」

さやか「…ひとりぼっちは寂しいし、つらいですもんね」

杏子「そりゃあたしの科白な気がする」

94: 2012/11/23(金) 20:41:43.37 ID:+Ab6njWzo
マミ「ふふ。じゃ、週明けにでも暁美さんにまたお話しなくちゃ」

さやか「もちろんあたしもまぜてくださいね」

杏子「ちっ。学校じゃあたし入れねぇ」

さやか「おんや? 杏子もほむらと誤解を解きたかったんだね?」

杏子「すれ違いっぱなしなんて、嫌だろ」

さやか「あ、真面目に返してきた」

杏子「何時までもふざけてられるかい。あいつの悲しい顔は…嫌だしな」

さやか「いい子いい子」

杏子「撫でんなっ!」

95: 2012/11/23(金) 20:46:50.14 ID:+Ab6njWzo
マミ(…みんな、とってもいい子ね。うふふっ)マミーン

マミ「とにかく、暁美さん改造計画発動よ! 大丈夫! きっとうまくいくわ! 確証なんて無い。でも…」

さやか「やってみなくちゃわからない」

杏子「大科学実験」

マミ「レモンで車を走らせる回の男の子、可愛かったわよね!」

杏子「しらねぇよ!」



日曜日
街はずれ

極彩色の結界がしぼんだ風船のように縮み、二人の魔法少女がその消滅を見つめていた。

マミ「…会えないかなーと思ってたら、偶然に会っちゃったわ」

96: 2012/11/23(金) 20:51:08.12 ID:+Ab6njWzo
ほむら「今のは手強かったわね。マミ」

マミ「ええ、久し振りに手応えの有る魔女だったかしら」

ほむら「グリーフシードは足りてる? ルール的には先に見つけた私に優先権があるけど、今は足りているから譲るわよ?」

つ(@盆@)

マミ「それは大丈夫。持っていて。ていうか、それ持ちたくない…。それより、今日はこれから暇かしら?」

ほむら「ええ、土曜日は最近用があるけど、日曜日は場合によって暇よ」

マミ「随分スケジュールがつまっているのね?」

ほむら「別に忙しいものじゃないから。只予定があるだけよ」

マミ「それなら、これからまた私の家でお茶しない? お話したいし」ニコ

97: 2012/11/23(金) 21:00:34.48 ID:+Ab6njWzo
ほむら「お付き合いするわ」ニコ

マミ(good!)

ほむら「私ね、貴女に言われて、このままじゃやっぱり駄目なんだって思うようになったの」

マミ「あら、と言う事は…」

ほむら「ええ、私は、今まで自分で殻に閉じこもっていたんだと思う。だから、その殻を少しずつでも壊して、自分からみんなと仲良くなっていきたいって思う事にしたの。そうすれば、少しは私の事も好きになってくれるかなって…」

マミ「とってもいい事ね! 貴女が能動的に動けば、みんな喜ぶわ! て言うかとっくにミッションクリアみたいなものだけど!」

ほむら「え?」

マミ「こほん、なんでもないわ」

マミ(こういう事は本人がちゃんと目的を達成した、と思わないと意味が無いしね。うふふ)

98: 2012/11/23(金) 21:13:58.20 ID:+Ab6njWzo
マミ「やっぱり、その前向きな姿勢に神様がご褒美をくれたんじゃないかしら。時間を戻す事こそ出来ないけど、時間停止はまた出来るようになったんだもの」

ほむら「そうね…」

ほむら(ワルプルギスの夜を越えた日の後、まどかにその…看病して貰いつつ、他にも色々された後にまた使えるようになったんだけど…関係ない…わよね?)///



ワルプルギスの夜撃破後
ほむホーム

まどか「ほむらちゃん、はい、あーん」

ほむら「ま、まどか、もう体は動くから大丈夫よ? あなたのお陰で…」

まどか「ダメダメ! 魔法少女とは言えあんなに衰弱していたんだから、念には念を入れて、だよ! ほんとうに、あの時私が来なかったら、ほむらちゃんどうなっていたか! ぷんぷん!」

ほむら「本当にごめんなさい。反省しているわ。でも…いつまでも食べさせて貰うのも…、は、恥ずかしいし…」

まどか「あ、そうかぁ。それに赤ちゃんみたいだし」

99: 2012/11/23(金) 21:21:13.82 ID:+Ab6njWzo
ほむら「そ、そう。だから、そろそろご飯は自分で食べるわ」

まどか「あーん、じゃなきゃいいんだよ、ほむらちゃん」

ほむら「え?」

まどか「あむ」

まどかがおかゆを自分の口に含む。

ほむら「…?」

そしてそのまま、布団の上のほむらの上にのしかかる。
呆気にとられたまままどかに肩を押さえられ、ほむらが体を横たわらせる。
まどかの大きな瞳がほむらの瞳を捉え、まるで蛇に睨まれたカエルのようにほむらの体は動かない。

ほむら「まど…か…」

ほむらの心臓が途端に早鐘と化す。
額に、しっとりと汗がにじみ始め、一瞬周囲に女のにおいが漂う。

100: 2012/11/23(金) 21:29:41.48 ID:+Ab6njWzo
まどか「ほむらちゃん…」

そのにおいを鼻に感じたまどかが、まるで待てを解かれた犬のように勢い良く、しかし優しくほむらの唇に自分の唇を重ねた。

ほむら「んう…!」

そのまま、口の中に少しずつおかゆが流れ込む。
塩味だったはずのおかゆが甘く感じる。
ほむらはそのままこくこく、と喉にそれを流し込んだ。

まどか「…ふぅ。ほむらちゃん、美味しい?」

唇が離れた時、まどかの口につぅ、と糸が引いた。
ぷつん、とそれが途切れ、ほむらは今のが夢では無いと汁。

ほむら「…うん」

ほむらは惚けたような顔で頬を赤らめ、小さく頷くしか出来ない。

まどか「じゃあ…もうちょっと食べようね?」

101: 2012/11/23(金) 21:41:28.10 ID:+Ab6njWzo
ほむら「…うん」

まどかは再びおかゆをほんの少し口に含み、今度は体全体でほむらに覆い被さる。
そしてそのまま唇を重ね、再びおかゆを口に流し込む。

ほむら「ん…」

流れ込むおかゆはほんの僅か。
おかゆは無くなったが、まどかはそのまま唇を重ね続け、そのまま舌を差し込み始めた。

ほむら「!」

惚けていたほむらがびくりと体を震わせる。
だが、まどかはその体を抱きしめ、より深く舌を差し込み、そのままほむらの口の中を歯茎から舌から歯の裏まで、届く範囲という範囲を舐め回し続けた。
部屋には、二人分の荒い息づかいと、二人の上気した女のにおいが立ちこめる。
数分もそれが続いた後、まどかがようやく唇を話した。
ほむらは息も絶え絶え。
まどかも、流石にその肩を振るわせていた。

まどか「ほむらちゃん…。えへ、なんだか、私も腰が砕けちゃった…。ほむらちゃんの唇が、ほむらちゃんの香りがとっても素敵で…ぼうっとしちゃって…」

115: 2012/11/26(月) 23:24:35.18 ID:PYONOwTHo
ほむら「まどかぁ…。うん…私も…夢みたい…」

ふと、ほむらの目元からぽろりと涙がこぼれた。

まどか「…どうして泣いているの?」

ほむら「嬉しいの…。まどかが…まどかが私に…私なんかに…」

まどか「ほむらちゃん、私なんか、なんて言っちゃ駄目だよ?」

ほむら「…まどかぁ。うん…まどかが言うなら…うん」

まどか「ほむらちゃん…。ごはん、これからもこうして食べさせてあげるね?」

ほむら「…うん。あ、でも…」

まどか「ん?」

116: 2012/11/26(月) 23:41:18.42 ID:PYONOwTHo
ほむら「…すごく、時間が掛かりそう…」

まどか「ティヒヒ。そうだね。でも、いいんじゃないかな?」

ほむら「…うん、いいかな? でも…悪い…わ…」

まどか「ほむらちゃん、『お友達』はね、こうするんだよ? だから、遠慮しないで」

ほむら「『友達』…」

まどか「うん。だから、いいんだよ?」

ほむら「うん…」

ほむらはうっとりとした瞳でまどかを見つめ、まどかもほむらを見つめ続ける。
まどかは、そんなほむらにおかゆを含まぬ口で口づけする。

ほむら「ん…今の…も?」

117: 2012/11/26(月) 23:46:19.42 ID:PYONOwTHo
まどか「お友達のスキンシップ」

ほむら「うん…」

ほむらは、そのまままどかの唇が顎を舐め、喉をついばみ、鎖骨にまで下がっても、それを特に不思議な事には思わなかった。
そんな日常は、ほむらが学校に復学するまで続いた。

ほむら(あれは、お友達、だから…)



ほむら「……」

ほむら(き、きっと関係ないわよね。あれはお友達としてのスキンシップだってまどかが言っていたし…。友達同士なら、普通の事なのよね、きっと)

マミ「暁美さん?」

ほむら「な、何でも無い! えっと、その、前向きに考えようって思えたのは貴女のお陰よ。あの時、マミに相談したからこそ…ありがとう」キュッ

マミ「暁美さん…!」キュン

118: 2012/11/26(月) 23:51:43.99 ID:PYONOwTHo
マミ(肌が白いからほんのり上気しただけで染まる頬がなんだか色っぽいわ! しかも両手で手を握られて…!)

ほむら「だから、マミに私のその気を最初に見て欲しいの」

マミ「ええ! 貴女の為になる事なら喜んで! しかも最初なんて光栄だわ!」

ほむら「ありがとう。それじゃ…」ギュ

マミ(! こ、恋人つなぎ?!)マミーン!

ほむら「あのね、私の家とマミの家、どっちがいい?」

マミ「え? ええと…じゃあ、私の家で」

ほむら「じゃあ、お邪魔するわ、ね?」

マミ(…なんだか瞳が色っぽいのは気のせい?)///

119: 2012/11/26(月) 23:56:22.05 ID:PYONOwTHo
マミホーム

マミ(…恋人つなぎのまま家に来てしまったわ。これってもしかして…いろいろとキ・ケ・ン? きゃっ♪)

マミ(なーんて…。そんなご都合展開で頭をお花畑にしたりしないわよ。ボッチの達人舐めないで。一人で上がって落ちるなんて息をするが如しよ。この後は普通にお茶してちょっとお話しして普通に…)

ほむら「あのね、マミ」

マミ「え? あ、何かしら?」

ほむら「…ん」チュ

マミ「」

ほむら「…んむぅ」チュゥ…

マミ「」

120: 2012/11/27(火) 00:00:51.02 ID:eJz5DQk+o
マミ(いまこのくちびるにかんじるやわらかなかんしょくはなにかしらああそうねあけみさんのくちびるなのねやわらかいのねあたたかいのねそういえばどうでもいいけどこれわたしのふぁーすときすなきがするんだけどまあいいわあけみさんだしていうかなにかしらこれまぁいいけど)

ほむら「ん…。ふあ…。ねぇ…マミ、マミも抱きしめて」

マミ「ハイ」ギュー

マミ(わ、私、ノーマル、よね? でも、食べてって言っているんだから食べていいのよね? ていうかこれ、もしかして暁美さん、本当は私の事が好き? だってそうよね? キスなんてこんな事、好きな人以外にしないわよね? 幼稚園の時にケンくんとちゅーして以来よこんなの。女の子同士だけどそれはまぁいいとしてどうしよう? いいかな? いいよね? いいのよ! オッケーよ! もう何も怖くない! カナダにでも移住すればいい話よ! TOEIC180点舐めないでね!)

マミ「…暁美さん、貴女の気持ちは分かったわ」キリッ

マミ(いみゃしんぞーがばくばくだけどせんぴゃいとしてよゆうをみせるわ)ドキドキドキドキドキ

ほむら「マミ…嬉しい」

マミ「うふふ。そんなに微笑んで、私も嬉しいわ。キスまでしてくれて…。決心がいったでしょう? 子猫ちゃん」ドキドキドキドキドキ

122: 2012/11/27(火) 00:06:01.74 ID:eJz5DQk+o
マミ(そう! この調子よマミ! ここで受けになっちゃ駄目! 猫ににゃっちゃ駄目! 暁美さんはもうキスでいっぱいいっぱいの筈! いや私もだけど! でも、ここはふんばって先輩の威厳を見せつけるのよ! 堪えて私のソウルジェム! で、ここから華麗に攻めに転じるの! その名もアンジュ・スプレッディッド・アムール!(天使の華麗なる愛))

ほむら「え? これからよ?」

マミ「暁美さん! アン…え?」

ほむら「マミ…力を抜いてね? 私、がんばるから」スルッ

マミ「ひうっ?!」

マミ(! ななななんで暁美さんの手が私のスカートの中に入っていくの? ぱぱぱぱんつ触ってる! パンツの中に手がっ! お尻鷲掴みされてるぅっ! なでまわされてるぅっ!)///

ほむら「マミ…あなたは攻めるのと攻められるの、どっちがいい?」

マミ「はい?」

ほむら「意地悪言わないで。私、一応どっちもいけるのよ」

123: 2012/11/27(火) 00:10:13.05 ID:eJz5DQk+o
マミ「え」ダラダラ…

ほむら「もう…それじゃ、今日は攻めでいいかしら? お礼も兼ねて、頑張るわ…」ドサッ

マミ(おおおおお押し倒された! 服を脱がされてる! ブラ外された! 早っ! ブラウスのボタンがいつの間にっ?! 肌寒いっ!

ほむら「…本当に、いつもながら女同士とはいえもぎ…うっとりする胸ね」スリスリモミモミコネコネ

マミ(今怖い事言った! で、でも、おっOいに指が指が! ちくびがつままれ…あんっ!)

マミ「…あっ! 暁美さん! ストップ! ちょっとタンマ! wait!」

ほむら「え…? ど、どうしたの? やっぱりまだ下手だった? 早すぎた?」

マミ「ぎ、技術的な事じゃなくて…。い、いったい貴女、私に何する気なのっ?!」

ほむら「何って…その、お友達としての積極的な触れ合いを…」

124: 2012/11/27(火) 00:15:52.90 ID:eJz5DQk+o
マミ「ふ、触れ合うって言うか鷲掴みじゃない! い、一体どこで何を聞いたらそうなるの?」

ほむら「え? でも、でも、まどかはこうやって私に…。そ、それが友達として普通じゃないの? まどかはそうだって…」

マミ「」

ほむら「マミ…?」

マミ「…あ、ちょっと意識が飛んでたわ。ごめんなさい。ええと、その、鹿目さんが…こういうコトを?」

ほむら「ええ」

マミ「あの、それって」

ほむら「大丈夫! 私、頑張るから! だからマミ、お願いだから私に任せて!」

マミ(その真摯な瞳で言われたらどうやって断れとっ?!)

145: 2012/11/27(火) 22:23:04.94 ID:m3ZN7pqdo
ほむら「ね? マミ…力を抜いて。私、あなたとお友達になりたい…」

マミ(友達が欲しい。その気持ちは痛いほど分かるわ…。友達がこういう事するかどうかはともかくとして…)

マミ(でも、だからといって私このまま身を任せてしまっていいのかしら? 色々と大切なものを失ってしまう気がする。幾つか失っているけど。それから、別の意味でも危険になる気がする…)

マミ「あ、でも、と、とりあえず待って。それから詳しく話を聞かせて? ちょっと怖い気がするけど」

ほむら「そんなに遠慮しないで」

マミ「遠慮じゃなくて!」

ほむら「大丈夫。まどかに教わったから。私もそうだった。そう言う時は、途惑っているだけだから、解きほぐしてあげる事が大事なのよね? ちょっとくらい強引な方が、後で良かったって思えるのよね?」

マミ「ちょ! ちょっと待って! そう言う意味じゃなくて本当に待ってって言っ…」

ほむら「マミ…さん。ダメなの?」

146: 2012/11/27(火) 22:27:05.78 ID:m3ZN7pqdo
マミ(今その顔でその呼び方をするっ?!)

マミ(でも、ここは我慢よ! 今の暁美さんは我を失ってる! 私も大切なものを幾つか失ったっぽいけど!)

マミ「てい」チョップ

ほむら「ほむっ!」

マミ「はい、深呼吸して」

ほむら「…マミ?」

マミ「ゆっくり、ゆっくりと…」

ほむら「…すー、はー…」

マミ「そう、ゆっくりとね」

147: 2012/11/27(火) 22:31:26.72 ID:m3ZN7pqdo
ほむら「……」

マミ「落ち着いた?」

ほむら「…ええ」

マミ「暁美さん、あなくっしゅん!」

ほむら「!」ビクッ

マミ「ごめんなさい。ちょっと服着るわ。半裸だし」

ほむら「…え、ええ。あの、ごめんなさい」

マミ「いい? 良く聞いて。私は、もうとっくの昔に友達よ。あなたとね。それだけじゃない。美樹さんや佐倉さんだってそう。決して、こんな事しなくていいのよ?」

ほむら「…え?」

148: 2012/11/27(火) 22:37:42.92 ID:m3ZN7pqdo
マミ「分かって。友達はね、別にこんな事しなくてもなれるのよ」

ほむら「…そうなの?」

マミ「嘘なんて言わない。鹿目さんは…その、ちょっと特殊として…普通の友達なら、こんな風に押したりキスなんてしなくていいのよ? ね?」

マミ(ていうか気付いて)

ほむら「そうなの?」

マミ「そうなの。少しは物事を疑う事も覚えましょう」

ほむら「…ごめん…なさい」

マミ「…ふぅ。危なかったわ。イロイロと」

ほむら「…私、やっぱり世間知らずね。さっきのも、まどかみたいに上手く出来ないから拒否されたのかと思って…」

149: 2012/11/27(火) 22:41:20.55 ID:m3ZN7pqdo
マミ(言ってはいけないけどちょっと重度かも)

ほむら「でも…」

マミ「ん?」

ほむら「まどかが嘘をついたとは…思いたくない」

マミ「きっと、嘘、と言う訳では無いと思うわ。ただ、貴女が他の人にそれを、と言うのは考えてなかったんじゃないかしら…」

ほむら「他の人に?」

マミ「暁美さん、貴女の悩み、一緒に解決させて」

ほむら「そんな、迷惑に…」

マミ「だから、そう言う悩みも一緒に解決したいって思えるのが友達よ」

150: 2012/11/27(火) 22:47:17.07 ID:m3ZN7pqdo
ほむら「…マミ」

マミ「前にも私思っていたの。今こそ、腹を割ったお話をする時だって。だから、考えがあるの。ちょっと待ってて」

ほむら「…?」

マミ(小鳥が首を傾げるが如く。いいわ!)



ピンポーン

マミ「いらっしゃい」

まどか「こんにちは。お呼ばれされちゃいました!」

マミ「上がって。実はもう一人居るのよ」

まどか「ほむらちゃんですよね?」

151: 2012/11/27(火) 22:51:38.30 ID:m3ZN7pqdo
マミ「あら、分かるの?」

まどか「においで。あと距離で」スンスン

マミ(もう驚かない自分が怖い)

ほむら「まどか?」

まどか「ほむらちゃん、今日も逢えたね!」

マミ「さて、それじゃあ、お茶しながらゆっくりお話ししましょう」

まどか「私、ほむらちゃんの隣!」

ほむら「じゃあ、私もまどかの隣に…」

マミ「分かっていたけど…好きにして、もう」

152: 2012/11/27(火) 22:56:25.82 ID:m3ZN7pqdo
まどか「それで、お話って何ですか?」

マミ「そうね、まずは、暁美さんについて」

まどか「あげませんよ」

マミ「そうじゃないの」

まどか「…それはほむらちゃんに魅力が無いとでも?」

マミ「いやいや違うってば! 鹿目さん、貴女は、暁美さんのどこが、どうして好きになったのかしら?」

ほむら「!」ドキッ

まどか「ほむらちゃんを好きな……理由?」

マミ「えーと、どうしてそんなに不思議な事聞かれた、みたいになるの? だって、誰かを好きになるって事は、必ず理由があるものじゃないの?」

153: 2012/11/27(火) 23:00:43.58 ID:m3ZN7pqdo
まどか「それもそうかもしれませんけど…。でもマミさん、狼が羊を襲うのに理由ってありますか?」

マミ「え」

まどか「あ、じゃなくって、人と人が出会うのって、必然だと思うんです。私はあの日、ほむらちゃんに出会った時、思いました。夢の中で、逢ったような…と」

マミ(前半はどうかと思ったけど…ああ、ロマンチックなのね)

まどか「強気な瞳の奥に輝く不安げな影。凛々しい表情の裏に見える所在なさげな戸惑い。握り締めた拳の力強さが物語る不安との葛藤。ほむらちゃんは、いっぱいいっぱい、頑張って立っていたんです。ワルプルギスの夜を越えたとき、それは確信になりました」

まどか「ほむらちゃんは、独りになりたいなんて思ってない。心の底では、誰かに助けを求めたくて求めたくて堪らないんだって確信したんです」

マミ(本当によく見ているのね。暁美さんの事…)

まどか「その時、私は決めたんです。直感に過ぎなかったけど…でも、後悔しない事も分かっていたから」

マミ(暁美さん…。こんなに大切に思われているじゃない)

154: 2012/11/27(火) 23:06:04.14 ID:m3ZN7pqdo
まどか「だから、そんなほむらちゃんを見て、私は心に誓いました」

マミ「分かるわ。暁美さんを、助けた」

まどか「食う、と」

マミ「……」

マミ「……」

マミ「え?」

まどか「食う」

マミ「……」

まどか「消化する、的な意味じゃないですよ? 性的に、精神的に陵」

155: 2012/11/27(火) 23:10:33.96 ID:m3ZN7pqdo
マミ「言わなくていいからっ! いくらあなたと違って私がおぼこだからってそれくらい分かってるわよ!」

まどか「そ、そんな言い方ひどいですっ! おぼこだなんてえOちですっ!」

マミ「私がえOちなのっ?!」

まどか「わ、私だってほむらちゃんが初めてですからね! さやかちゃんとあんこちゃんで予行練習のためちょっとおつまみした事なら昔ありますけど…」

マミ「おつまみ?!」

まどか「あ、それはあくまでも、触ったときの反応を一例として知る為だけの、ほんのお遊びのおつまみであって、本番はぜーんぶほむらちゃんでじっせ…」

マミ「そういう生々しいのいいわよぉっ! て言うか佐倉さんと美樹さんも被害者だったの?」

まどか「やだなぁマミさん、被害だなんて大げさですよ。ただ、アレ以来ちょーっとだけ、さやかちゃん、性的なものに敏感になりすぎて、男の子に対してちょーっとだけ臆病になったっていうだけですから」

マミ「本編の美樹さんがやたらと恋愛に消極的なのと佐倉さんが人との関わりを拒むのは、あなたが原因かああああっ!」

156: 2012/11/27(火) 23:14:38.32 ID:m3ZN7pqdo
まどか「あと、あんこちゃんもちょっとスキンシップとかに過敏になった…かな?」

マミ「佐倉さんもだったぁっ!」」

まどか「?」

マミ「…本気で自覚無いのね。はぁ、暁美さんの事も、これじゃどうなのかしら…」

まどか「いえ! ほむらちゃんと仲良くなりたいのは本心です! ただ、私も…実は、分からないんです。どう、お付き合いしたらいいのかが…」

マミ(…ギャグじゃ無いのよね)

まどか「お友達、だけじゃ嫌だったんです。もっともっと好きになりたかった。好きになって欲しかった。でもほむらちゃん、そういう所にはとっても奥手で…」

マミ「奥手というか…」

まどか「私も卑怯だったんです。ほむらちゃんの事を好きなのに、お友達だからって言葉で誤魔化して…。それで、ちょっとだけいけない事を…」

157: 2012/11/27(火) 23:20:05.92 ID:m3ZN7pqdo
マミ(ちょっと?)

まどか「それで、どうせなら、真っ白なほむらちゃんを私の色に躾け…染めたいなって」

マミ「聞き捨てならない言葉が混じったけどそれは不問にするわ」

まどか「ウェヒヒ」

マミ「ふう…。まぁ、誤魔化される暁美さんもどうかと思うけど…。ていうかアレをちょっとで済まされても困るわ」

まどか「え? でもまだまだヤッて無い事は山ほどありますし」

マミ「言わないで! 言おうとしないで! これ以上あなたのイメージを崩させないでっ!」

ほむら「まどか…。じゃあ、あれは…」

まどか「あのね、ごめんなさい。お友達になるのに、アレはいらないの。ただ、私がほむらちゃんの事を元気づけられたらって思って…後は…」

158: 2012/11/27(火) 23:25:46.17 ID:m3ZN7pqdo
マミ「後は?」

まどか「本能的にがーっと」

マミ「……」

ほむら「まどか…。私の事、そんなに…。嬉しい…」

マミ「それでも嬉しいのね…」

マミ(色々お説教も、とも思ったけど…。本人がいいなら…いい事にしましょうか)

まどか「ほむらちゃん、これから、本当に友達になろうね。思い込みじゃ無い、本当の心からのお友達に」

ほむら「まどか…。ええ。よろしくね。時間はかかるかも知れないけど…」

まどか「一生だってお付き合いするよ。ウェヒヒ」

159: 2012/11/27(火) 23:30:18.52 ID:m3ZN7pqdo
マミ(だからその関係はもう友達どころじゃないんだけど…。兎に角その単語がキーワードなのかしらね?)

ほむら「あ」

マミ「ん?」

ほむら「…わ、私、そう言えば、大変な事を…」

マミ「どうしたの?」

ほむら「さやかと…杏子に…」ダラダラ

マミ「…まさか」

ほむら「…しちゃった」

マミ「」

160: 2012/11/27(火) 23:35:24.81 ID:m3ZN7pqdo
まどか「ウェヒ?! 私以外に?」

マミ「そこじゃなくて! い、何時?」

ほむら「昨日…。頑張って二人とも友達になろうって思って…それで…連続で…」

マミ「美樹さーん! 佐倉さーんっ! 昨日からテレパシーがなんか通じないのはそれっ?!」

まどか「ほ、ほむらちゃん! そんなのってないよ! ほむらちゃんの唇は私だけのものなのにっ!」

マミ「貴女はいっぺん黙っててっ!」

ほむら「だ、大丈夫よ、まどかっ! 二人とも途中で、もう友達だからやめてって言ってくれたから、指は挿れ…」

マミ「貴女も黙っててえっ!」

まどか「ほ、ほむらちゃん! 早く口直し! 体直しっ! て言うかマミさんのにおいがしたのもそれだったんだね!」

161: 2012/11/27(火) 23:38:46.62 ID:m3ZN7pqdo
マミ「やっぱり分かってたっ!」

まどか「ほむらちゃーん!」

ほむら「ま、まどかぁ…! あ…ダメ…」

ホムラチャーン!
マドカアアア…

マミ「……」

マミ「…あー、紅茶美味しいわ」

QB「マミ、現実逃避しても君の後ろの痴態は何も変わらないよ」

マミ「あら、キュウべぇ。あなたも紅茶飲む? ケーキもあるわよ」

QB「いただくよ。ところで後ろの光景がカオスだね。何だか、これだけでエネルギーを回収できそうだよ」キュップイ

マミ「…そうね」

162: 2012/11/27(火) 23:43:04.80 ID:m3ZN7pqdo
マミ(後でファブリーズかしら…)



公園

さやか「……」

杏子「……」

さやか「そう…あんたも…」

杏子「お前もか…」

さやか「ねぇ、杏子」

杏子「…ん?」

さやか「友達って…」

杏子「…何だろうな?」


おわり

164: 2012/11/27(火) 23:48:42.22
乙、もうマミさんとほむらがくっつけば良いんじゃないかと

引用元: ほむら「友達って何?」