1: 2014/02/17(月) 21:31:42.23 ID:CdatPoH10
八幡「(隣の席の奴に見せてもらうのは気まずいし)」

八幡「(借りにいってくるか)」

八幡「(しかし、誰に借りに行けばいい)」

八幡「(雪ノ下か?)」

八幡「(いやダメだ、貸してはくれるだろうが絶対に嫌味を言われる)」

八幡「(それにあいつクラスまで行って、他の奴らに変な勘違いされるのも、嫌だしな)」

八幡「(残るは、材木座か・・・)」

八幡「(それにしても、知り合いすくねぇな俺)」

10: 2014/02/17(月) 21:39:46.43 ID:CdatPoH10
八幡「(メールしてみるか・・・現国の教科書貸してくれっと」

ブーブーブー

八幡「(早!なんでこんな返事すぐ来るんだよ、あいつずっと携帯見てるのか?)」

八幡「(なになに、「我に書物など必要ない、必要なことはすべてこの電脳に記憶しているのでな」)」

八幡「(・・・)」

八幡「(あいつも、忘れたのか)」

八幡「(仕方ない、雪ノ下に借りに行くか)」

八幡「(確か国際教養科はJ組だったな)」

13: 2014/02/17(月) 21:50:07.02 ID:CdatPoH10
由比ヶ浜「あれヒッキー、どこ行くの?」

八幡「ちょっと雪ノ下のところに用事があってな」

由比ヶ浜「そうなんだーじゃあ、これも一緒に持っていってよ」

八幡「なんだこれ?」

由比ヶ浜「ゆきのんに借りた本だよーでも、難しくて読めなくて、アハハ...」

八幡「いや自分で持っていけよ。俺が持って行ったら、露骨に嫌な顔するぞ、あいつ」

由比ヶ浜「んーそっかーなー」

由比ヶ浜「じゃあ一緒に行こっかー!レッツゴー」

八幡「(由比ヶ浜が着いてきてくれるなら、雪ノ下を呼びやすいな)」

16: 2014/02/17(月) 21:56:37.83 ID:CdatPoH10
由比ヶ浜「ごめーん、ゆきのん呼んでくれる?」

クラスメイト「ゆきのん?雪ノ下さんのこと?」

由比ヶ浜「そーそー!」

クラスメイト「雪ノ下さーん!知り合いの人が呼んでるよー」

雪ノ下「・・・」チラッ

八幡「(・・・げ、目があっちまった)」

八幡「(なんであんな嫌そうな顔するんですかねぇ)」

八幡「(やっぱあいつクラスでも、部活のときと変わんねぇな)」

雪ノ下「何か用かしら、由比ヶ浜さん」

21: 2014/02/17(月) 22:04:06.85 ID:CdatPoH10
雪ノ下「それとおまけの比企谷君」

八幡「(...うるせぇよ)」

由比ヶ浜「この前、借りた本返しに来たよー」

雪ノ下「どうだったかしら?」

由比ヶ浜「うーん、わたしにちょっと難しかったかもー」

雪ノ下「そう...残念ね」

由比ヶ浜「でもでも、主人公がヒロインをだぁーて守って、ガッーって告白するシーンは凄く燃えたかも」

雪ノ下「それは良かったわ」

八幡「(雪ノ下よ、お前も適当に答えてるろ)」

27: 2014/02/17(月) 22:26:08.28 ID:CdatPoH10
雪ノ下「それで、比企谷君はなぜここにいるのかしら?」

由比ヶ浜「あれーそういえば、ヒッキー何の用事だったのー」

八幡「...まぁそのだな」

八幡「俺は思うんだよ、困っている人には優しくすべきだと」

八幡「途上国では飢餓で苦しんでいる人もいて、幼い命が失われている」

八幡「俺達がジュース一本我慢して、募金すれば助かる命だってある」

八幡「それが人の輪を産み、やがて世界を平和にする」

八幡「それが本来の人間の生き方だと思うわけだ」

雪ノ下「あなたが絶対にしなさそうなことね」

八幡「(まぁ思ってるだけだからな)」

29: 2014/02/17(月) 22:31:08.93 ID:CdatPoH10
由比ヶ浜「ヒッキー・・・」

由比ヶ浜「どうしちゃったの?頭でも打った?」

八幡「あれ、俺、良い事言ってない?」

雪ノ下「日ごろの行いが悪いから、良い事を言っても裏があると勘ぐってしまうわね」

雪ノ下「能書きはいいから、結論を言ってちょうだい」

八幡「現国の教科書貸してくれ」

由比ヶ浜「教科書?世界平和はー」

雪ノ下「嫌よ」

八幡「(即答かよ!)」

37: 2014/02/17(月) 22:49:16.83 ID:CdatPoH10
雪ノ下「なぜあなたに貸さなければならないのかしら」

八幡「部員が困っていたら、部長として助けるべきだろ」

雪ノ下「ええそうね、でもそれは部活動での話よ。今ではないわ」

八幡「名前で呼び合う知り合いが困ってるだぜ」

雪ノ下「そうね、苗字で呼び合う赤の他人ね、私の所持品を貸すには躊躇してしまうわ」

八幡「どうしても駄目か?」

雪ノ下「ダメね」

八幡「(冷たすぎやしませんかねぇ)」

由比ヶ浜「ゆきのん!」

42: 2014/02/17(月) 22:56:08.81 ID:CdatPoH10
由比ヶ浜「お願い!貸しあげて!」

由比ヶ浜「今日ヒッキー当てられるんだよ、多分、おそらく、ね?」ウィンク、パチパチ

八幡「お、おう」

由比ヶ浜「もし、ゆきのんが貸してくれなかったら、晒し者になっちゃうよ」

由比ヶ浜「これ以上ヒッキーがクラスで辱め受けると」

由比ヶ浜「流石の私も胸が痛むというかー頭が痛いというかーだかね...」

八幡「(さらっとひどいこと言ってねぇか)」

由比ヶ浜「お願い、貸してあげて!ほら、ヒッキーも」

八幡「...頼む、雪ノ下」

44: 2014/02/17(月) 23:00:53.60 ID:CdatPoH10
雪ノ下「...わかったわ」

雪ノ下「あなた、由比ヶ浜さんに感謝するのね」

八幡「いいのか?」

雪ノ下「ええ」

由比ヶ浜「えーほんとー!?やっぱり、ゆきのん優しいー」

由比ヶ浜「ありがと!ゆきのん!」

雪ノ下「由比ヶ浜さん、ちょっと、抱きつくのはっ・・・」

八幡「(こいつ、ほんと由比ヶ浜に弱いな)」

八幡「(由比ヶ浜を介して、頼めば何でも聞いてくれるんじゃ・・・)」

47: 2014/02/17(月) 23:05:52.79 ID:CdatPoH10
雪ノ下「とても嫌な視線を感じるわ」

由比ヶ浜「なんかヒッキー悪い顔してるーきもちわるい!」

八幡「(ま、むりですよね)」

雪ノ下「いい、もし落書きが少しでもあったら」

八幡「あったらどうするんだよ」

雪ノ下「あなたの教科書を墨汁に漬け込んで、真っ黒にするから気を付けることね」

八幡「いちいち発想がこわすぎるんだよ」

雪ノ下「冗談よ」

八幡「(あの目は本気だ)」

50: 2014/02/17(月) 23:09:23.30 ID:CdatPoH10
由比ヶ浜「じゃあ、私たちは戻るねー」

雪ノ下「ええ」

八幡「悪いな、雪ノ下」

雪ノ下「さっき言ったこと、忘れないで」

八幡「分かってる、分かってる、分かってますよ」

雪ノ下「それでは」

八幡「(漱石の顔にサングラスか太宰に弓矢ぶっさすか、迷うな)」

おわり

53: 2014/02/17(月) 23:11:17.20
一方俺は授業をサボった

54: 2014/02/17(月) 23:11:57.49
序で終わるとか斬新

57: 2014/02/17(月) 23:18:15.24
おつ
第二話はよ

引用元: 八幡「やべ、教科書忘れちまった」