1: 2013/03/17(日) 15:38:09.08 ID:XY7AVQGpP
ドタッ

男「……いてぇッ」
男(何だ? …あ、ベッドから落ちたのか……ん?)
男「なんだ、この服」パジャマ……ジャナイ
男(何だよこのぬのっきれみたいな服……俺、こんなの持ってないぞ)
男「……」キョロキョロ
男「え……どういうこと?」オレノヘヤジャナイ
男(変なタンス……に……え、あれ……剣!?)
男「おいおいおい、どうなってんだよ」
男(えーと、ちょっと待てよ。俺はさっきまで……)
男(なにしてたっけ?)
男(……そうだ。確か)

バタンッ

??「あら、起きたのね、勇者」
男「……勇者? て、言うか……あの…?」
??「なぁに?母さんの顔に何か着いてる?」
男「か……あ、さん?」
母「……ふふ、寝ぼけているのね」
男「あ……うん?そう、なのか?」
母「それにまたベッドから落ちたのね……」クスクス
男「あー……えーと」
母「ほら、支度しなさい、勇者……今日はお前の旅立ちの日」
母「王様を待たせてはいけないわ」
男「……旅立ち?王様?」

4: 2013/03/17(日) 15:43:49.71 ID:XY7AVQGpP
母「そうよ……昨日まで、あんなに楽しみにしてたじゃないの、勇者」
母「……不安な気持ちは分かるわ……お前には魔王を倒すという」
母「責任があるんですものね」
男「ま、魔王!?」
母「私も、お前が旅立つのは……寂しい……だけど」
母「勇者として産まれた以上、この世界を救う義務があるのよ、勇者」
男「………」
母「ほら、早く着替えなさい。母さん、玄関で待ってるからね」

パタン

男(……訳が分からん)
男(俺が……勇者?)
男「……そうだ!」ガサゴソ
男「これだ……!」
男(勇者と魔王を倒す、王道RPG……!)
男(昨日……学校で、クラスの奴から借りたんだ)
男(何時も陰気で、暗い無口な同級生……あいつに)

……
………
…………

同級生「……男君」
男「ん? ……なんだ、お前が話しかけてくるなんて珍しいな」

6: 2013/03/17(日) 15:52:05.89 ID:XY7AVQGpP
同級生「………」スッ
男「え? ……何、これ……ゲーム?」
同級生「聞こえちゃったんだ、さっきの会話」
男「ああ、なんかおもしろいゲーム無いか、って奴か」
同級生「僕はもうクリアしたから……良かったら」
男「借りて良いのか?」
同級生「ああ……返すのは何時でも良い。きっと……はまるよ」ニッ
男「お、おお……サンキュ…」
同級生「精々……楽しんで。君の冒険に、光あれ」スタスタ
男「……お、おぅ」
男(どっぷりはまって……んのか?妙な台詞言いやがって……)
男「何々……『貴方は勇者になって、仲間と一緒に魔王を倒し……』」
男「ふぅん……良くある王道RPG、かな」
男「まぁ、折角貸してくれたし……やってみるかな」スタスタ

……
………
…………

男(そうだ、それで……ゲーム立ち上げて……)
男(男、って俺の名前を入力したんだ)
男(そしたら……それから、記憶が無い)
男「で……これ、か……」
男「……ゲームの中に入っちゃいました、的な?」
男「いやいやいやいや!現実にそんな阿呆な事あるかああああああああ!」

バタン

母「勇者!早くしなさいって言ったでしょう……何叫んでるの!?」
男「は、はい!?」

7: 2013/03/17(日) 15:59:00.85 ID:XY7AVQGpP
母「王様がお待ちなのよ? ……ああもう、まだ着替えても無いじゃ無いの」
母「勇者……もしかして、旅に出るのが嫌になったの?」

▼  はい
   いいえ

男「!?」
男(か、母さんの頭の上に……選択肢が見える……!?)
男(え、えええええ、っと……)
男「い、いいえ……?」

ぴっ

母「そう…そうよね、ごめんなさい……でも、良かったわ」
母「お前は、勇者ですもの……さあ、早く支度なさい?」ニッコリ
男「あ、ああ……ごめんよ、母さん……」ゴソゴソ
母「じゃあ、母さん、玄関で待ってるからね」パタン
男(……まじか。まじなのか……まじですか?)
男「取りあえず……着替えて玄関に行けば良いのか……」
男(そうしないと進まない、んだろうしなぁ……)
男「剣、これも持って行くのか……重ッ」ズシ

装備しますか?

▼  はい
   いいえ

男「……はい」

ぴっ

男 は 鉄の剣 を装備した

男「めんどくせええええええええええええええ!」

8: 2013/03/17(日) 16:04:33.11 ID:XY7AVQGpP
男(取りあえず、玄関……玄関な……)スタスタ
男「あー、えっと……母さん?」
母「ああ、勇者……うん、ステキよ。流石私の勇者……」
男(布の服に鉄の剣だけどな……はぁ)
母「さあ、いってらっしゃい勇者……王様の城は街を出てまっすぐよ」
母「失礼の無いようにね」
男「う、うん……行ってきます」

パタン

男(ま、まあ……取りあえず王様の所に行くか……)スタスタ
男(あ、門番……かな、あいつ)
男「すみませーん」
門番「おお、これは勇者様!ささ、王様がお待ちです!」
男「あ、はい……えっと?」
門番「王様は階段を上がってすぐの、王の間にいらっしゃいます」
門番「朝から、勇者様をお待ちになっていますよ」
男「そ、そうですか……すみません」スタスタ
男(これ、か……ノックとかした方が良いのか?)コンコン
男「失礼しまーす……」
王「おお!待ちかねたぞ、勇者男よ!」

9: 2013/03/17(日) 16:12:01.76 ID:XY7AVQGpP
王「うむ、16年間待った甲斐があった!精悍で立派な男に育ったようじゃ!」
男(……俺、18なんですけど。しかもひょろひょろなんですけど)
王「お主の父は立派な男であった。立派な勇者であった!」
男(親父は何処にでもいるサラリーマンだし)
王「魔王を倒すと幼子のお主と母を残し……旅立ってから行方の知れぬ父に代わり」
男(今日は朝から熱出して家でくたばってたなぁ、親父……)
王「お主が旅立つと覚悟を決めたと、お主の母から聞いた時には、儂は感激した!」
男(言ってねぇよ!)
王「少ないながら、これは儂からの餞別じゃ。少ないが……これで仲間を雇い、装備を調えてくれ」

チャリーン

男(……ひゃ、百ゴールド!?……少ないよな、少ないよな!?)
男(なんか……本当にこう……ゲームの序盤って……感じ、だな)
王「では行け、勇者よ!魔王を倒して参れ!」

パタン

男「……百ゴールドって……100円、じゃないよな、いくら何でも……」
男「ま、まあいいや……仲間だ、仲間」
男「……ゲームの中の勇者って、こんな心境だったのかなぁ」

10: 2013/03/17(日) 16:22:07.48 ID:XY7AVQGpP
酒場

男「すみませーん、仲間くださ……じゃ、無かった。仲間紹介してください」
女将「ああ、勇者様ね? ……そうね、どんな仲間をお望み?」
男「えーと……」
男(やっぱ……ここはハーレムだよな!)
男「戦士、僧侶、魔法使い! ……全員女性でお願いします!」
女将「あら、残念……戦士は今、男しか居ないわ」
男「えええええええ」
女将「僧侶と魔法使いは女性が居るわよ」
男「……うーん、仕方ない、かなぁ」
男「どんな感じの人ですか?」
女将「僧侶は……料理上手で、しっかり者。ちょっと気が強いけど魔法の腕は確かね」
男(うちのクラスの委員長みたいだな……おっOいでかかったなぁ……)
男(世話焼きで、口うるさいけど……美人なんだよな)
女将「魔法使いは、ちょっと幼い感じね……我が儘な所もあるけど……でも、こちらも腕は確か」
男(俺の幼なじみの女みたいだな……メンヘラビッチ。しかし……あいつもおっOいでかいんだよな)
男(顔は可愛いのに……股が緩いんだよなぁ……)
女将「戦士は……そうね。真面目で頼もしいわよ。責任感も強いし」
男(ああ……クラスのイケメンみたいな奴か……あいつもてるんだよな)
男(顔も性格も良いとか、何そのチート)
女将「……どうする?」
男「あ……えーと、他にも選べるんですか?」
女将「そうねぇ……でも、この三人が一番お勧めかな」

12: 2013/03/17(日) 16:27:51.01 ID:XY7AVQGpP
男「んー冒険に出るって事はモンスター倒さないといけないんだよな」
女将「え? …ええ、だって貴方勇者様なんでしょ?」
男「あ、いえいえ、コチラの話……まあイイや。その三人でお願いします」
女将「わかったわ……委員長さーん、幼馴染みさーん、イケメンさーん!」
男「え」
女将「勇者の、男さんがお呼びよー!」
男「え、え、え?」
委員長「はい」
幼馴染み「はぁ~い」
イケメン「おう!」
男「ええええええええええええええええええ!?」
委員長「貴方が勇者様ですね。委員長と申します、僧侶です……宜しく」
幼馴染み「私は幼馴染みよ、宜しくね勇者様……ふぅん、まぁまぁな顔してるわね」
イケメン「俺はイケメンって言うんだ、宜しくな勇者様!」
男(名前どころか……顔も、あいつらそっくりじゃないか……!?)
男(性格までは……いや、でも、さっきの説明きくかぎり……)
男「………」ポカーン
委員長「どうされました?」
幼馴染み「勇者様?大丈夫? ……あ、よろしくみんな……特に、イケメン君!」
イケメン「不安な気持ちは分かるが、みんなで助け合えば大丈夫だ、勇者様!」
男「お、おぅ……あ、いや、うん……えーと……」
男「よ、よろ、し……く……」
男(ど、どうなってんだ!?)

13: 2013/03/17(日) 16:38:51.02 ID:XY7AVQGpP
イケメン「勇者様、まずは何処に行くんだ?」
男「え、あ……えーと」
委員長「レベルを上げながら、近くの街を目指すのが良いんじゃないでしょうか」
幼馴染み「その前に装備整えてよー!布の服と杖だけじゃ……格好悪いわよ」
イケメン「格好良いかどうかは置いておいて……少し物足りないな、確かに」
イケメン「勇者様、路銀はいかほど?」
男「あ、え……路銀?あー金ね……えーと」ゴソゴソ
男「100円……じゃない、100ゴールドだな」
幼馴染み「えぇ!?そんなけしか持ってないの?」
委員長「幼馴染みさん、そんな言い方は失礼ですよ!」
イケメン「流石に少し心許ないですね……この待ち周辺でレベルを上げながら」
イケメン「金を貯めた方が良いな……次の街までは歩いて半日ほどか?」
委員長「そうね……今の状態じゃ安全とは言いがたいわね」
男「………」
イケメン「では、早速行こう。ここら辺の魔物はそれほど強く無い筈だ」
イケメン「皆で力を合わせれば、大丈夫だろう」
男「やっぱ……戦うの、な」
幼馴染み「勇者様何いってんの?うけるんだけど」アハハ
男「あーいや、うん……御免、ちょっと混乱中……」
委員長「……無理もありませんよ、勇者様」
委員長「運命とは言え……こんな低レベルな私達が、魔王を目指すんですから」
委員長「ですが……大丈夫です。イケメンさんも言ってたとおり」
委員長「皆で力を合わせれば、きっと……!」
幼馴染み「なぁに真面目になってんだか……」
イケメン「……大丈夫か?勇者様……顔色が優れないようだが」
男「あ、いや……」
男(なんだ、これ……すっげぇ変な感じだ)
男(いや、そもそも……ゲームの中に入ったっての自体……いや、それすらも)
男(しかし……そうでないと、説明がつかん……)
委員長「勇者様……?」
男「あ、あ……えーと、うん、大丈夫、とにかく……行こうか」
委員長「でしたら、良いですが……」
幼馴染み「ねぇ、早く行こうよー」

14: 2013/03/17(日) 16:47:15.85 ID:XY7AVQGpP
男(どうする、たって……進むしか無い、それは解ってるんだが……)
委員長「では、街を出る前にお祈りに行きましょうか」
幼馴染み「えー!いいじゃん別に!」
イケメン「お祈りは大事だよ、幼馴染み……旅の無事も祈らないと」
幼馴染み「う……イケメン君がそう言うなら……」ブツブツ
男「お祈り……あ!」
男(ひょっとして、セーブ……!だったら……!)
男「良し、お祈りに行こう!どこ!?教会!?」
委員長「え、ええ……街の入り口の教会で……」
男「入り口だな!」ダッ
幼馴染み「ちょ、勇者様待ってよ!?」
イケメン「急に元気になったな……」
委員長「え、ええ……驚きました、が……信心があるのは良いことです」
イケメン「そうだな……俺たちも行こうか」

……
………
…………

バタンッ

男「教会……!神父さん、お祈り、お祈りお願いします!」ハァハァ
神父「こ、これは勇者様……落ち着いてください」ビックリ
男「落ち着いてます!早く!」
神父「お、おぉ、神よ……!」

セーブしますか?

▼  はい
   いいえ

男(出た!選択肢!これで……!)
男「はい!」

ぴっ

旅を続けますか

▼  はい
   いいえ

男「いいえ!」

神父「勇敢なる者達に、一時の安らぎを……」

ぷつんっ

男(うわ、何だ……目の前が……真っ暗………!)

……
………
…………

男「………ッ」ハッ!

15: 2013/03/17(日) 16:51:27.68 ID:XY7AVQGpP
男(……ここ、は)キョロキョロ
男(俺の部屋、だ……ゲーム、は!)ウィーン

NOW LOADING……

旅の記憶

1.勇者 男 Lv.1 始まりの街 0:32
2.データがありません 0:00
3.データがありません 0:00

男「………」
男(俺は……やっぱり、あの世界の中にいた、のか……)
男(あいつ……あの、同級生……!)
男(知ってて……俺に貸したのか?)
男(明日……聞いてみる、か)
男(同級生の携帯……しらないしな)
男「勇者って……あんな気分なのか、な……」
男(しかし……まだ、三十分しかプレイしてないのか)
男(………)

ロードしますか?

ぴっ

18: 2013/03/17(日) 17:12:21.80 ID:XY7AVQGpP
神父「汝達の冒険に、光あれ!」
男(……ッ ロードが終わったのか)
男(なるほど……同級生の台詞はこれか)
イケメン「良し、じゃあ早速行こうか」スタスタ
委員長「ええ、では……今日はレベル上げを中心に」
幼馴染み「勇者様!私、あの革のドレスが欲しいわ~」
男「……100ゴールドって、どれぐらい?」
イケメン「え?」
委員長「参考になるか解りませんが……回復薬が10ゴールドですね」
男「……幼馴染み、革のドレスは?」
幼馴染み「400×2!」
男「……はっぴゃく!?」
幼馴染み「私と委員長の分で、ね」
イケメン「まあ……二人とも防御力低いし、余裕があるなら、な」
委員長「それより、前衛のお二人の武器か防具を揃えた方が……」
男「……ひっ!?」
イケメン「どうした、勇者様……敵か!」
幼馴染み「さーて!さくさくお金稼ぐわよー! ファイアー!」
委員長「経験値を稼ぐんです! ……補助します!スピードアップ!」
イケメン「良し、行くぞ、勇者様!」
男「お、おぅ! ……えい!」ブン!

21: 2013/03/17(日) 17:25:20.34 ID:XY7AVQGpP
始まりの街:旅籠

幼馴染み「これ、美味しい!」ムシャムシャ
委員長「あ、先にせめていただきますぐらい……」モウ
男「……あ、本当だ旨い……あ、イタダキマス」
イケメン「勇者様、これも美味しいよ……はい」
男「あ、ああ……サンキュ。イケメンも食えよ?」
男(今日一日……って言って良いかわからんが)
男(一緒に居て、良く解った……現実世界のこいつらと)
男(本当によく似てる……俺の思考が、現実になったって事か?)
男(他の……街の人達は……『他人』だった)
男(一緒に旅をする『仲間』だからか?)
委員長「で、勇者様……路銀は、如何程に?」
男「え、ああ……えっと」
男「ここと宿の支払い抜いて……残り、300ってとこかな」
幼馴染み「えぇ!?革のドレス買えないじゃん!」
男「ああ、そうだ、それなんだけど」
男「取りあえず、ドレスはこの町じゃ一番良い女性用の防具だろ?」
男「明日には違う街に行くし……」
男「朝、委員長の布のローブを旅人の服に買い換えて」
男「……力が弱くても扱える、ナイフを買おうと思う」
イケメン「委員長に、か?」
男「うん」
幼馴染み「何で!?」

22: 2013/03/17(日) 17:32:09.76 ID:XY7AVQGpP
男「幼馴染みは、攻撃魔法使えるけど」
男「委員長は回復とか補助メインだからさ」
男「必要無い時に、物理的に攻撃できたら、俺たち助かるだろう?」
イケメン「まあ……そうだね」
男「二人とも、基本は後衛だから……良い防具は申し訳ないけど後回しで」
男「攻撃力の底上げしたいんだ」
委員長「まあ……ベストとは言いませんが、ベターな選択ではあるかと」
幼馴染み「………」
イケメン「そうだな、俺たちの武器も今のところ足りてるし」
男「ああ。幼馴染みにも、動きやすいように旅人の服を買うよ?」
幼馴染み「ドレスが良い!」
委員長「我が儘言っちゃ駄目ですよ、幼馴染みさん」
幼馴染み「何よ!あんたは買って貰えるから!」
イケメン「幼馴染み、勇者様は仲間全体の事を考えて……」
幼馴染み「……もう良いわ!」ガタン!スタスタ
男「あいつは本当に……」フゥ
委員長「すみません」
男「なんで委員長が謝るの」
委員長「いえ……その、私だけ」
イケメン「でも、断らないのは……ベターだって思うから、だろ?」
委員長「………はい」
委員長「確かに、ナイフを買って貰えれば、多少の力にはなれますから」
男(そういえば、ゲームでも……俺、僧侶とかに杖とかで殴らせてたなぁ)
男(これは……委員長びいきじゃ無い。幼馴染みより好みだからとかじゃない)
男(……うん。違う。違うから、俺)
イケメン「俺も良い選択だと思うけどな」
男「あー……慰めに行った方が良い、かな?」
イケメン「いいさ、俺が行くよ……ごちそう様」スタスタ

24: 2013/03/17(日) 17:39:46.87 ID:XY7AVQGpP
委員長「………」
男「………」
男(い、委員長と二人……GJ!イケメン!)
委員長「勇者様」
男「え、あ、俺?はい」
男(そうだ。俺は……勇者だった)
委員長「私……頑張りますから」
男「うん……」
委員長「頑張って、魔王を倒しましょう、ね?」ニコ
男「お、おぅ」ドキ
男(そうだ……これは、ゲームだった)
男(普段の俺は……こんな、委員長と話せないし)
男(あんな風に、意見言ったりもしないし……まとめ役になんか、なれないし)
男(勿論、モンスターと戦うなんて事も、ありえない)
男(……すげぇな、このゲーム)
委員長「では、私……先に部屋に戻ります」
委員長「勇者様も、ゆっくり休んでくださいね」
男「ああ……おやすみ、委員長」
男(宿……か)
男(流石に、男と女と別れたけど……)
男(街によれば、一部屋しかなかったり……ふ、ふふ)
男(パラダイス!)
男「……寝る前にセーブしとくか」

……
………
…………

セーブしますか?

ぴっ

続けますか?

ぴっ

25: 2013/03/17(日) 17:46:30.52 ID:XY7AVQGpP
男(良し、部屋に戻って寝るか……ん?)ガチャ
男(あれ……)ガチャガチャ
男「部屋、間違えて無い……よな?」ガチャガチャ!
男(開かない……ん、なんか聞こえる)

アァン……ン……

男(!?)
男(この声……幼馴染み!?)
男(……相手は、イケメン、か?)

ン……ァ……ッ

男(男の声は……聞こえない、な)
男(おいおいおいおいおい、どうしろってんだよ)
男(委員長の部屋に?しかし……)
委員長「勇者様?」カチャ
男「うおッ ……い、委員長!?」
委員長「……こっちへ、どうぞ」
男「え、あ、その、はひ?」
委員長「気付かれます……早く」グイ
男(ええええええええ!?)パタン
委員長「ドアの音、聞こえたんです……ガチャガチャ、て」
男「あ、その……えーと」
委員長「あの二人、恋人同士なんですよ」
男「………へ?」
委員長「私と同じ部屋で、寝ようと幼馴染みさんには言ったんですけど……」
委員長「すみません」
男「い、いや……その、委員長が謝る問題じゃ……ない、じゃん、ねぇ?」
男(まじで!?なんなのこの、フラグ……!?いや、フラグか!?)

26: 2013/03/17(日) 17:54:01.77 ID:XY7AVQGpP
委員長「すみません……」
男「えー……でも、さぁ酒場で、みんな初対面だったんじゃないの?」
委員長「あ……で、でも……幼馴染みさんが……」
委員長「街を出る前に、イケメン君は私のだから!って……」
男(えーと……)
男「それは……恋人同士、って聞いた、んじゃなくて?」
委員長「え?でも……ああいう事を……その、するのは」
委員長「そう言う関係だから……じゃ無いんですか?」
男「うーん、と」
男(幼馴染みは、リアルでもビッチだからなぁ……)
男(イケメンは真面目な奴だと思う、けど……別に仲良いわけじゃないし)
男(とは言え、ここはバーチャルな世界な訳で……うううううん?)
男「とにかく……あの、幼馴染みの相手はイケメンで間違い無いんだよね?」
委員長「あ、は、はい……その……ちょっと前までは、二人の声が……」
男「ああ、聞こえてたのね……」
男(確かに……壁うっすいんだな、ここ……)
男(微かにだけど、あえぎ声漏れてくるしな……)
委員長「その……明日からは、幼馴染みさんに」
委員長「同じ部屋で寝るように、ちゃんと言いますので」
委員長「今日は……その。こちらで……その、そっちのベッドで」
委員長「お休みに、なってください……」
男「あー……うん、うん!?ええ!?」
委員長「え……だ、だって」
男「あ!いや!うん、そりゃその、俺は何にもしないけど!」
委員長「さっき確認したんですが、もう開いてる部屋はないそうなので」
男「あ、はい……いや、うん、そっか……」
男(これは、喜んで良いのか……否か……)

27: 2013/03/17(日) 18:08:11.29 ID:XY7AVQGpP
委員長「では、おやすみなさい……」
男「お、おやすみなさい……」
男(隣のベッドには……委員長)
男(壁の向こうからは、あえぎ声……ってか、あいつら何時までやってんだよクソ羨ましい!)
男(眠れるかああああああああああ!)
男(でも、寝ないとな……だんだん、モンスターも強くなるんだろうし)
男(しかし、不思議だよな……あんな重い剣振り回しても、筋肉痛にもならん)
男(どころか……レベルが上がって、身体はどんどん軽くなる)
男(だからって……自分がゲームの中に居るってのは……)
男(はいそうですか、って ………)グゥ

……
………
…………

男「ん……ぁ?」
男(いつの間にか寝てた、か……)
男「……委員長? ……あ、居ない……」

コンコン

男「はい?」
幼馴染み「勇者様、遅いよ!」
男「……夕べは、お楽しみだった様で」
幼馴染み「えー?何、聞いてたのー変態?」ニヤニヤ
男「お前に言われたくないよ!」
幼馴染み「まあまあ、良いじゃないの……革のドレス、諦めてあげるわよ」
男「全く関係ないよな」
幼馴染み「ほら、早く起きなさいよ!みんなもう朝ご飯も済んでるのよ」
男「……本当にお前は性格が悪いな」

28: 2013/03/17(日) 18:25:29.81 ID:XY7AVQGpP
幼馴染み「何よ、アンタが私の何知ってるってのよ」
男「…………」
男(本当のお前の事なら、割と知ってるんだけどな)
幼馴染み「ほら、さっさと来るのよ!」スタスタ
男「……あいつが、イケメンと、ねぇ」
男(リアルでの関係とは違うとは言え……なんて言うかなぁ)
男(複雑……)

……
………
…………

委員長「ありがとうございます!」
イケメン「うん、良く似合うよ、旅人の服」
幼馴染み「ねぇ、私はー?」
イケメン「君も、だよ」
男「じゃあまあ……今日は、隣の町に向かうか」
委員長「そうですね……では、お祈りをして出発しましょうか」
男(一回……戻ってみるか)

セーブしますか?

ぴっ

旅を続けますか?

▼いいえ

ぴっ

……
………
…………

男「……戻った、か」ウィイン

NOW LOADING……

旅の記憶

1.勇者 男 Lv.1 始まりの街 2:39
2.データがありません 0:00
3.データがありません 0:00

男(……今日は、ここまでにしとくか)

50: 2013/03/18(月) 12:24:25.41 ID:fTGriaJmP
男(なんか……疲れたな……ん、腕が痛い……)ズキズキ
男(筋肉痛……まさかな。剣を振ってたのは俺だけど……俺じゃ無い)
男「もうすぐ夕飯……の時間かな」チラ
男(必氏でコントローラー握ってたからか……?まあ、良いか)

母「男ー!ご飯ー!」

男「はーい、すぐ行くよ!」
男(今日は……夕飯食って風呂入ったら寝よう……なんか、本当、疲れた)

……
………
…………

翌朝・学校

男「おぅ、おはよう……あれ、同級生まだ来てねぇ?」
「ん?さっきイケメンと廊下に居たぜ?」
男「珍しい組み合わせ……だよな?」
「そうだな……おい、それよりさあ」
男「あーごめん、廊下だな?」タタタ
「なんだ、あいつ」

男(同級生……あ、まじでイケメンも居る)
イケメン「それで、そこから……やあ、おはよう男君」
男「おう……」
イケメン「……じゃあ、また後で」スタスタ
男(何だ、あいつ……目の下に、くま……?)
同級生「おはよう、男君……僕に何か用かい」ニヤニヤ
男(こいつ……こんな風に笑う奴だったっけ?)
男「……ああ、あのさ……あのゲームの事なんだけど」
同級生「言ったとおり……おもしろかっただろう?」
男「お前……クリアしたんだよな?あれ」

51: 2013/03/18(月) 12:36:37.99 ID:fTGriaJmP
同級生「ああ、勿論。10回位はやったかな」
男「まじで?」
同級生「……君は、一回のプレイで満足できそうかい?」ニヤニヤ
男「……」
同級生「で、ゲームの何が……聞きたいの」
男「……いや、その、あれって……」
同級生「言いにくい?言いにくいよねぇ?」
男(……なんだよ、ニヤニヤしやがって……なんかむかつく)
同級生「君は、どんなパーティになった?」
男「え?」
同級生「僕は一度目は、君と委員長とA子さんだった」
男「!」
同級生「……ふふん」
男「思った通りになる、のか?」
同級生「やってみると良いよ……解らない事があれば聞いてくれて良い」
男「……しかし」
同級生「君は、何処まで進んだんだ?」
男「……次の街に出発する前」
同級生「まだそんな所か……」
男「結構長いのか?」
同級生「そうでもない。ストーリー自体は単純なものさ」
同級生「レベルを上げて、だんだん強くなる敵を倒して、最後に魔王を倒す」
男「……そうか」
同級生「はまる、っていっただろう?」
男「いや、確かに……おもしろい。おもしろいけど……」
幼馴染み「あ、いたいた!同級生! …あれ、男?」
男「お、おう……おはよ」
幼馴染み「ねー、ちょっと聞きたい事あるんだけど……」チラ
男(……なんだよ、俺がいちゃまずい、のか?)
男「……じゃあな、同級生」
同級生「ああ、またね」

53: 2013/03/18(月) 12:49:15.36 ID:fTGriaJmP
幼馴染み「昨日さぁ、3番目……の…… 倒し……」

男(あの二人の組み合わせも珍しいな)
男(幼馴染みとも昔は良く遊んだのにな……)チラ
男(まっ茶の髪にミニスカートに……どうしてああなった)
男(メンヘラビOチはともかくとして、まさか同級生とは……無いと思うけどなぁ)
委員長「男君、おはよう」
男「あ、委員長……お、おはよう」ドキ
男(ゲームの中の話だし……!何をドキドキしてんだ、俺!)
委員長「……同級生君、見なかった?」
男「え? ……あ、ああさっき幼馴染みとあっちに居たけど」
委員長「そう、ありがとう」スタスタ
男(……委員長まで、同級生?)
男(ゲームは……俺が借りてるし……気にしすぎ、か?)

キーンコーンカーンコーン……

男(今日は……まっすぐ帰ろう)
男(明日は……休みだし…今日はゆっくり出来るな)

55: 2013/03/18(月) 12:56:01.18 ID:fTGriaJmP
……
………
…………

男「……ああ、腹一杯。風呂も入ってすっきりしたし、と」ウィイイン

NOW LOADING……

旅の記憶

1.勇者 男 Lv.4 始まりの街 2:39
2.データがありません 0:00
3.データがありません 0:00

ぴっ

……
………
…………

男「……んじゃ、行くか」
男(確か今から隣の町に行くんだったな)
男(旅人の服とナイフも買ったし……良し)
男「歩いて半日、だっけ?」
イケメン「ああ、そんなもん……だよね?委員長」
委員長「え、ええ……そ、そう……ですね」
男(委員長、顔が赤い……無理も無いよなぁ、昨日のアレ……)
男(しかし、ゲームの中の話とは言え、良く平然としてられるよこいつら)
幼馴染み「ねぇ、イケメン~足痛くなったらおんぶしてね?」
イケメン「ん?ああ……出来るだけ頑張ってくれよ?しんどいのは君だけじゃないんだし……」
幼馴染み「えー!いいじゃーん!」
男(こいつ、ぶん殴りてええええ)
委員長「行きましょう、勇者様」
男(あ……そうだ)
男「その、勇者様ってのなんだけど……」

56: 2013/03/18(月) 13:04:00.53 ID:fTGriaJmP
男「んーと、出来れば名前で呼んで貰えないかなぁ?」
イケメン「理由を聞いても良い、かな?」
男「えーと、ほら、仲間だし……」
男「なんか、くすぐったいんだよね……様、とかさ」
委員長「でも、貴方が勇者様でいらっしゃる事には代わりがありませんよ?」
幼馴染み「呼び方とかどうでもいいじゃん?」
男(お前らの顔で様、とか……変な感じなんだって……)
男「あーまー……ほら。勇者に変わりないなら、それこそ呼び方に拘らなくてもいいじゃん?」
男「だから、まあ……名前で呼んで貰える方が、俺も変に気を遣わなくて良いし」
イケメン「まあ、勇者様……男がそういうなら」
男「うん。敬語とかもいらないしさ」
幼馴染み「まあ、でもぶっちゃけ助かるよね、楽~」
男(お前は端から敬語なんか使ってないだろ!)
委員長「そうですか……いえ、男、さんがそう言うなら」
イケメン「まあ、親しみやすくはあるかな」
男「うん、まあそんな感じで宜しく」
イケメン「じゃあ、改めて宜しくな!」

……
………
…………
隣の町

幼馴染み「やっと!ついた!」
委員長「日暮れ前につけたわね……それだけレベルが上がったって事、か」
イケメン「でも二人とも、もう魔力切れだろう……良く頑張ってくれたよ」
男「そうだな……ナイフはあんまり意味無かったか」
委員長「ご、ごめんなさい」
男「ああああああああ、違う、責めてる訳じゃ!」
イケメン「そうだよ、回復や補助で手一杯な敵相手にしてたのに」
イケメン「これだけ早くつけたんだ……僕たちが強くなった、て事さ」
幼馴染み「お金貯めてドレス買えば良かったのよ……」
男「お前、諦めるっつってたじゃん……」

57: 2013/03/18(月) 13:16:05.89 ID:fTGriaJmP
幼馴染み「意味無いもの買ってたんじゃ諦め損でしょ!?」
男「今日は、意味が、なかった! でも明日回復して街を出た時は」
男「その分楽になるんだよ!……わかった?」
幼馴染み「イケメン~何とか言ってよ!?」
イケメン「我が儘言わないの、幼馴染み。君に贅沢させるためにモンスターを倒してる訳じゃないだろ」
幼馴染み「……もう!」
男「あのさぁ……」

「モンスターだ-!モンスターの群れだ-!」
ワアアアアアアアアア………ッ

イケメン「……何!?」
委員長「あ、あっち……!」
男「行くぞ!」
幼馴染み「嘘でしょ!?もう、放っておけば……!」
男「お前は阿呆かああああ!走れ!」
男(くそッ セーブもしてないのに!)

……
………
…………

イケメン「か、片づいた……か……ッ」ハァハァ
委員長「街の人達も頑張ってくれた、しね……」フゥ
幼馴染み「信じらんない……!魔力も殆ど無かったのに!」
男「委員長にナイフ装備させておいたのが良かったな……」
委員長「ふふ……役に立てて良かったわ……」
幼馴染み「冗談じゃないわよ!杖で殴らすとか信じられない!」
男「仕方ないだろ……お前、もう魔法唱えられなかったし……」
イケメン「……杖、折れたのか」
幼馴染み「力一杯ぶん殴ったからね」
男「流石に……買ってやるよ。悪かったな……後、ありがとうな」
幼馴染み「な、何よ!別に……別にアンタのために頑張ったわけじゃ無いわよ!」ぷいッ
男(うっわぁ、何こいつ、ツンデレかよ! ……あ~ぁ、顔真っ赤にして、まぁ…)
男(ま、いっか……)

59: 2013/03/18(月) 13:24:29.96 ID:fTGriaJmP
男「ほら、金」チャリン
幼馴染み「え?」
男「イケメンと一緒に買い物行ってこい……俺はもう、動きたくない」
イケメン「……僕も動きたく無いんだけどなぁ」
幼馴染み「まじで!?良いの!?男……!」
男「その代わり杖とか、ちゃんと装備できる武器買えよ!」
委員長「じゃあ……その間に宿の手配しましょう、男さん」
男「うん……じゃ、任せたよ?イケメン」
イケメン「ああ……まあ、良いか。確かに幼馴染み頑張ったしね」
幼馴染み「やったぁ!ほら、早く……イケメン!」グイグイ
委員長「男さん、村長が……お話があるって」
男「ん?ああ……はい、何でしょう?」
村長「おお、勇者様!村の危機を救って下さってありがとうございます!」
男「あ、いえいえ……大丈夫、です」
村長「今日はどうぞ、私の家にお泊まりください」
村長「精一杯のお持てなしをさせていただきます」
男「良いんですか……では、お言葉に甘えて」
村長「勿論です……では、こちらへどうぞ」
男「あ、その前に……教会はどこに?お祈りしたいんです」
男(そろそろセーブしとかないとな)
村長「おお、そうですな……では、さきに教会にご案内します」

61: 2013/03/18(月) 13:38:19.64 ID:fTGriaJmP
セーブしますか?

ぴっ

旅を続けますか?


ぴっ

男「……良し。お待たせしました、村長、委員長も」
委員長「いいえ」
村長「いえいえ……では、神父様失礼致します」スタスタ
男「……あの」
村長「はい?」
男「この村は……良く、モンスターに襲われるんですか?」
村長「ああ……いえ、昔はこうでは無かったのですが」
委員長「最近、増えた……と?」
村長「この村の北に、大きな街があったんですが……何年か前に」
村長「モンスターの群れに襲われましてね」
委員長「まぁ……」
村長「住人は全滅しまして……そこから、モンスターのすみかになってしまったようで」
村長「偶に食料を求めてこの村まで来るんですよ……」
男「食料、と言うのは……?」
村長「……人、です」
男(うーん。ゲームって解っててもえぐい、なぁ)
委員長「そんな!」
村長「冬が近いからか、モンスターはだんだん凶暴になるんですよ」
委員長「男さ……勇者様」
男「うん……」
男(勇者って強調したな……委員長あざとい。まあ……放っておけない、よな)
男(つーか、イベントってこういうモンだよな)
男「では……俺たちが退治しに行きましょうか?」
村長「お。おお……!力を貸して戴けるのですか!?」

▼  はい
   いいえ

男(え、ここで選択肢でんの!?)

66: 2013/03/18(月) 14:35:42.34 ID:fTGriaJmP
男(選べるとは言え、ここはやっぱり……)
男「はい」

ぴっ

村長「おお、ありがたい!では、お願い致します、勇者様!」
委員長「当然です、ね、勇者様」ニコ
男「うん……まあ、放っておけないよね」

……
………
…………

イケメン「ああ、お腹いっぱいになった……ありがとうございました、村長」
村長「いえいえ、村を救って戴き、まして北の街へまで行って戴けるとの事で」
村長「こんな物で……お礼になるとは思えませんが」
委員長「当然のことをするまでです……お気になさらず」
幼馴染み「良い子ちゃんの答えねぇ……もっと何か貰っても良いじゃない~」
男「幼馴染み、やめとけ……今日、杖買ってきたんだろ?」
幼馴染み「何よぅ、明日また戦いに行くんでしょ?」
幼馴染み「もうちょっと何か……」
イケメン「村長、すみません、もう休ませて戴いても?」
村長「あ、は、はい……どうぞ、奥の二間をそれぞれ、お使いください」
幼馴染み「……んもう!……まぁ、良いわ、行こう、イケメン?」
委員長「幼馴染みさんは、私とです!」
幼馴染み「えぇ!?何で?」
男「何で、じゃ無いだろ……」
幼馴染み「イケメンも私とが良いよねぇ!?」
イケメン「僕は男とで良いよ」
幼馴染み「イケメン!」
男「……幼馴染み、いい加減に……!」
委員長「いい加減にしてください!」
幼馴染み「!」ビク!

67: 2013/03/18(月) 14:42:30.38 ID:fTGriaJmP
委員長「行きますよ!」ギロ
幼馴染み「……な、何、ちょ、ひっぱんないでよ!」ズルズル
男「……なんか、ごめんな」
イケメン「なんで男が謝るんだよ」
男(あいつ、小さいときはあんなんじゃなかったんだけどなぁ)
男(て、言うか……まあ、あいつが強引にイケメンと……ってなると)
男(必然的に俺が委員長と……それはそれで、おいしいんだけど)
男(まぁ……これが当然だよな)
男「いや、なんとなーく」
イケメン「まぁ……助かったよ」
男「ん?」
イケメン「その、まあ……なんて言うか」
イケメン「幼馴染みは、しつこくてね」
男「……付き合って、んの?」
イケメン「いや……そう言う訳じゃ無い、けど」
男「でもさ、その……昨日……さぁ?」
イケメン「…………」
男「いや……言いたく無かったら良い、んだけどね」
イケメン「いや……軽率だった、んだ、僕が……」
男「……そか」
イケメン「じゃあ、僕は部屋に戻るよ。男は?」
男「ああ……お祈りに行ってくる」
男(一端現実に戻ろう。どれぐらい時間が経ったかわかんないしな)
イケメン「敬虔だね……じゃあ、お先に」

……
………
…………

セーブしますか?

ぴっ

旅を続けますか?

▼いいえ

ぴっ

……
………
…………

68: 2013/03/18(月) 14:49:14.76 ID:fTGriaJmP
男「……ふぅ」ウィイン

NOW LOADING……

旅の記憶

1.勇者 男 Lv.12 始まりの街 5:09
2.データがありません 0:00
3.データがありません 0:00

男(二時間半……か、イベントとかあったしな)
男(うぅ……腰、痛ぇ……ッ ずっと同じ体勢だからか?)

prrrrrr♪

男(ん……あれ、誰だ?)ピ

男「はい?」
『……男、君?』
男「あ、うん……えっと……?」
『委員長です……ごめんなさい、番号……クラスの子から聞いて』
男「え……!」ドキ
『ごめんなさい、マナー違反、だよね』
男「あ、ううん、良いよ、全然大丈夫!どうしたの?」
『幼馴染みさんが居ないの……!部屋を探しても、何処にも……!』
男「え!?幼馴染みが……?え、でも部屋って……?」

69: 2013/03/18(月) 14:58:10.06 ID:fTGriaJmP
『さっきまで、隣のベッドで……! ……あ』
男「委員長……?」
『え……ここ、私の部屋……あれ……?』
男「……もしもし?」
『男、君………? あ……ッ!』

ぷつん!ツーツー……

男「委員長!? ……切れた」
男(かけ直す……か)prrrrr……
男(出ない……)
男「……なんだ?」
男(何回かけても出ない……なんだったんだろう)
男(……どうしようもない、よなぁ)
男「うーん……幼馴染みにかけてみるか」prrrrr

ピッ

『……はい?』
男「あ、幼馴染み?俺……男」
『なによー何か用?』ザワザワ
男「いや……お前今、何やってんの?」
男(周りうるせーな……外か?)
『デート中よ!用事無いなら切る!』
男「ああああああ、ちょっと待て!委員長一緒か?」
『はぁ!?何で私があんな糞眼鏡と一緒に居るのよ、意味わかんない!』
男「あ、そ、そうか……いや、お前……」
『それだけ?邪魔しないでよね!』ぷつんッ
男「おい……!」ツーツー
男(糞眼鏡って……)

70: 2013/03/18(月) 15:06:18.22 ID:fTGriaJmP
男(眼鏡良いじゃないか、眼鏡……! て、そうじゃ無い!)
男「一緒に居た訳……じゃないよなぁ」
男「そもそもあの二人、接点なさそうだしな……」
男(まあ……良いか。どうしようもないし。明日にでも……)
男(あ、明日……日曜か。イイや、月曜日にでも聞こう)
男「続き、やるか……」

ぴっ

……
………
…………

男「……さて、じゃ俺も部屋で寝るかな」スタスタ。カチャ
男「あれ……?」
男(イケメン……居ない?)
男「隣……か?」カチャ……スタスタ。コンコン
委員長「はい?」
男「あ、御免……男です。委員長、一人?」
委員長「いいえ……幼馴染みさんはもう……」カチャ
幼馴染み(スゥスゥ)
男「ああ……御免起こしちゃった?」
委員長「いいえ、私は日記をつけていたので」
男「そっか……いや、イケメンが部屋に居なくてね」
委員長「そうですか……鍛錬にでも行ったのでは?」
男「ああ……そうか。そうかもね」
男(幼馴染みそこにいるしなぁ)
男「うん、御免ね……邪魔して。おやすみなさい」
委員長「いいえ、気にしないで……おやすみなさい」

71: 2013/03/18(月) 15:32:45.73 ID:fTGriaJmP
パタン

男(うーん……)
男(まあ、男だし気にする必要ないよな)
男「俺も休むか……流石に今日は疲れた」コロン
男(しかし……委員長は何だったんだろう。さっきは日記つけてたって……)
男(ん? ……違う。日記をつけてたのは、こっちの委員長だ)
男(電話をかけてきたのは……現実世界の方、だ)
男(……ややこしいな)スゥ

……
………
…………

翌日

男「しっかし……どっから沸いてくるんだこの、モンスター!」ザシュ!
イケメン「くそ……ッ幼馴染み、早く……!」ザク!
委員長「スピードアップ!幼馴染みさん!」
幼馴染み「わーかってるわよ……!行くわよ!サンダー!」

ギャアアアアアアアア!

男「うわああ、未だ来る!」
イケメン「その……ッ 大きな扉の中に飛び込め……!僕が食い止める、早く!」
委員長「は、はい……!」バタン!
幼馴染み「男、イケメン……早く!」
イケメン「くそ ……!」ダダダ……ッ

バタアアアアアン!

男「ま、にあった……か……!」ハァハァ
??「安堵もつかの間……お疲れの所、申し訳ない、がな」
男「……! 誰だ!」

75: 2013/03/18(月) 16:04:40.40 ID:fTGriaJmP
男(………げ!)
??「そなた達の命、ここで戴く……魔王様の四天王の一人、この数学教師がな!」
男(数学教師……!確かに、確かに俺、だいッ嫌いだけど……!)
数学教師「ハハハハ!まずはその綺麗な顔から潰してしまおうか!ウォー……」
幼馴染み「遅い!サンダー!」
数学教師「ぎゃあッ」
幼馴染み「さっきのスピードアップまぁだ効いてんのよ……モウ一発!」サンダー!
イケメン「怯んだ……!今だ、男!」ザシュ!
男「お、おう!」ブゥン!
数学教師「く、不意打ちとは、ひきょ……うあ!」
委員長「これは不意打ちとは言いません!パワーアップ!」
男(この口だけの所……そっくりだ……ま、遠慮無くやれる、か)
男「良し……!それ!」ザシュ!
幼馴染み「とーどーめー! ……よ! サンダーアァァァァ!」
数学教師「ぎゃあああああああああああああああああ!」
男「何だよ……よわっちぃな……」
男(やば……なんか随分すきっとしたな……あいつ、本当むかつくんだよなぁ)
イケメン「ふぅ……驚いたが……なんとかなったな」
委員長「四天王……と言っていましたね」
幼馴染み「って事は後三人いるのかしらね……あ、レベル上がった」

幼馴染み は ブリザード を覚えた!

イケメン「氷の魔法か……新しい属性の魔法は心強いな」
男「今の……って、さ」
委員長「うん?」

76: 2013/03/18(月) 16:11:45.04 ID:fTGriaJmP
男「……サンダーに怯んだ、よな?」
イケメン「ああ……雷の魔法に弱かったんじゃないか?」
イケメン「確か……四天王って炎・水・雷・風の属性を持ってたはずだ」
委員長「雷に弱いと言う事は……水ですか」
男「なるほど……」
男(数学教師の名前って……水川、だっけ)
男(流石に……偶然かな?)
幼馴染み「イケメン、流石詳しいのね!」
イケメン「ん? ……ああ、まぁ、ね」
男(何が流石だ。どこら辺がさすがだ。脳筋だろ戦士なんて……)
男(……これは、ひがみか。はぁ……)
委員長「でも……モンスターの気配が消えたわね」
イケメン「そうだな……どうする、一度村へ戻るか?」
幼馴染み「まだ魔力に余力あるわよ」
委員長「私もです……このまま、先に進んでも良いのでは?」
男(まあ、いちいち報告しに戻らなくても良いかな……)
男「ここを出たら……何処へ行くんだ?」
イケメン「このまま北に進んでいけば大きな橋があったはずだ」
イケメン「その手前に、簡易だが冒険者の宿泊所がある」
男(そこでセーブできるか……随分、長くこっちに居る気がするけど)
男(んー……まあ、大丈夫だろう)
男「良し、じゃあそっちへ進もう……橋の先には、街があるんだよな?」
委員長「ええ、実質この大陸を出る事になりますけど」
委員長「この大陸より大きな国があったかと」
男「良し、じゃあちょっと休憩したら橋へ向かおう」

77: 2013/03/18(月) 16:21:48.08 ID:fTGriaJmP
……
………
…………

委員長「結構歩きましたね」
幼馴染み「あ、あれ……小屋が見えるわ!やったー!休める!」タタタ
イケメン「待て、幼馴染み!」ガシ!
幼馴染み「きゃっ 何……あ!」
男「あれは……モンスターの群れ……ッ 蝙蝠だ!」
シスター「ああ、旅のお方!助けてください!」
委員長「どうしたんですか!?」
シスター「蝙蝠が……モンスターが、橋を……!!」
??「あらぁ、貴女達ね?数学教師をやっちゃったのって」バサバサ
男「……うげぇ」
男(保険の先生ー!羽生えてますよ!?)
保険医「でも残念ねぇ、私はあんな雑魚みたいに弱く無いわよ-?」
男(『あいつは四天王の中でも最弱』って奴か!?)
委員長「く……ッ道中で結構魔力を消費したのに……ッ」
イケメン「雑魚には構うな!行くぞ男!」
男(ええええええええ!?セーブとか回復とかあるだろ!?)
幼馴染み「もー!ブリザード!」
保険医「アハハハハ!届かないわよー!」バッサバッサ
委員長「あ……!待ちなさい!」
シスター「あ……待ってください!回復します!」

パアアアアア!

シスター「貴方達に、神の加護を……!」

セーブしますか?

▼  はい
   いいえ

男(助かったあああああああああああ!)
男「はい、はい、はい!」

ぴっ

旅を続けますか?

78: 2013/03/18(月) 16:28:48.01 ID:fTGriaJmP
男(う……どうしよう……)
男(結構長い時間、居る気がする……けど、明日休みだし……)
男(……続きは気になるけど……ッ)

▼いいえ

ぴっ

……
………
…………

男「……ッ  いてええええええ!?」
男(な、なんだ……!?)
母「アンタ何時だとおもってんの!早く寝なさい!」ドン!
男「うぉッ ……ご、ごめん!」
男(今何時……ええええええええ!? もうすぐ朝の……四時!?)
男(そんなに……う、いてぇ! ……くそ、何だ全身ばっきばき……)
男(ずっと同じ姿勢で居るから……なんだろうけど)
男(もうちょっと……姿勢考えてやるか……はぁ、ゲームは、と)

NOW LOADING……

旅の記憶

1.勇者 男 Lv.25 小屋のシスター 11:46
2.データがありません 0:00
3.データがありません 0:00

79: 2013/03/18(月) 16:36:09.58 ID:fTGriaJmP
男(結構レベルあがってんなー……たしか、さっき中断したのが…)
男(そうだ、委員長から着信あったときだから)ピピピ…
男(10時前か……6時間近く没頭してたんだな)
男(そりゃ、身体もバキバキ言うわ……)
男(どうすっかな……明日休み、だけど……)
男(……えいッ)

ぴっ

……
………
…………

男(続き、気になるもんなぁ……)
イケメン「行くぞ!」
男「お、おう……!」タタタ
男(しかし、このゲーム……難易度は低いよな)
男(レベルも結構簡単に上がるし……金はまあ、普通に貯まるし)
男(イベントイベントで、さくさく進しなぁ……)
男(あの保険医で……多分、四天王二人目、だろ?)
男(えーと、確か……あの先生って松風先生、だっけ)
男(さっきの数学教師の例で行くと……)
委員長「翼を持つモンスターは、風属性に強いです!」
男(……これも偶然、か?)
幼馴染み「何が弱点よ!?」
イケメン「雑魚には構わず、魔力は温存しておくんだ!」ザシュ
男「良し……俺らが切り落とす、行け、走れ!」
委員長「これと言った弱点は……!」
幼馴染み「これ以上早く走れないわよ!もう、鬱陶しい……サンダー!」
イケメン「魔力は使うな!」

80: 2013/03/18(月) 16:43:31.20 ID:fTGriaJmP
男「……いた!あそこだ!」
幼馴染み「ブリザード!」
保険医「アハハハ、届かないってば~!」
男(くそ、弓があれば……!)
男(あそこで、あの街に戻っておく方が良かったか……!)
イケメン「仕方ない……力押しで行くぞ……!」
委員長「スピードアップ!パワーアップ!」
幼馴染み「ファイヤー!サンダー!」
男「くっっそおおおおおお!」
男(……白衣に蝙蝠の羽とか、それなんて工口ゲですか、先生!)ザシュ!

ギャアアアアアアアアアアアアアアア!

イケメン「……やった、か……ん」

イケメン は レベルが上がった!

委員長「はぁ、はぁ……もう、動けない……」

委員長は レベルが上がった!

幼馴染み「しんどぉ……もう、嫌……」
男「ああ……うん、俺も……」

男 は レベルが上がった!

男「これで四天王は……後、二人、か……」
イケメン「この橋を越えたら……街が、あるだろう……」
委員長「結構消費してますから……慎重に行きましょう……」
幼馴染み「はぁ、はぁ……」バタン!
男「お、おい幼馴染み!?」
委員長「幼馴染みさん……! あ、あ……凄い、熱……!」
イケメン「魔法の使いすぎ、か……?」

82: 2013/03/18(月) 16:48:55.71 ID:fTGriaJmP
幼馴染み「はぁ、はぁ……」グッタリ
イケメン「しかたない……僕が背負っていこう……」
男「あ、ああ……」

▼  頼むよ
   いや、俺が背負うよ

ぴっ

男(えっ!?)
男(ここでまさかの選択肢! これは……なんかのフラグか?)
男(し、しかし……こいつら、やっちゃってるし……自然な流れ……だ、よな?)
男(うーん……)
男(うーーーーーん!)

   頼むよ
▼  いや、俺が背負うよ

男(うーーーーーーーーーーーーん!)

男「頼むよ、イケメン」

ぴっ

イケメン「ああ……すまないが、辛くなったら代わってくれ」
男「勿論だ……委員長は大丈夫か?」
委員長「あ、私は……大丈夫。さあ、早く行きましょう」
委員長「早く、幼馴染みさんを寝かさないと……」
男(イケメン……すまん!)

83: 2013/03/18(月) 17:02:17.01 ID:fTGriaJmP
……
………
…………

委員長「ふぅ……あ、男さん」パタン
男「ごめん、委員長……面倒見させちゃって」
男「幼馴染み……どう?」
委員長「一晩寝れば大丈夫でしょう、て」
男「そっか……良かった」
委員長「イケメンさんは?」
男「部屋で休んでるよ……結局ここまでおぶってくれたからね……」
委員長「そうですか……では、私も少し休みますね」
男「ああ……お疲れ様」
委員長「あ、そうだ……これ」
男「ん?これは?」
委員長「幼馴染みさんにってお医者様が処方して下さった安眠酒だそうです」
委員長「イケメンさんにも、後で渡してください」
男「ああ……ありがとう。渡しておくよ」
委員長「では……私も、日記をつけて眠ります……おやすみなさい」パタン
男(はぁ……安眠酒……酒、か)
男(ぐっすり眠れるなら……良いか。ゲームの中だし)スタスタ……パタン
イケメン「ああ男……幼馴染みはどうだった?」
男「眠ってるって。あ、そうだこれ……安眠酒だそうだよ」
イケメン「ありがと……委員長は?」
男「日記つけて寝るってさ……これ、よく眠れるのかな」
イケメン「ああ……良い匂いだな。うん、朝までぐっすりだろうよ」
男「ふぅん……」ゴクゴク
男(あ、旨い)
イケメン「じゃあ、僕も戴いて……寝るよ」
男「ああ……今日、は……つか、れ……」
男(うわ、くらくらする)
イケメン「あぁあああああ、ゆうううううううく、り ……ねむうううううるう」
男(ん……何、言って…………ん……)スゥ
イケメン「……早いな」ス……スタスタ……パタン
男(………)スゥスゥ

87: 2013/03/18(月) 17:14:44.26 ID:fTGriaJmP
……
………
…………

男(!)パチ!
男「ん……もう、朝……か?」
男(ここは……あ、え?)
男(あ……宿屋。そうだ……幼馴染みが倒れて、戦闘避けながら街に行って)
男(……安眠酒。そうだ、安眠酒飲んだ……で)
男「朝……か。ぐっすり寝たんだな……」
男(あ、しまった!セーブ! ……イケメンは…居ない。もう起きたのか?)
男「今の間に……」

キャアアアアアアアアアアアアアア!

男「この、声は……!」バタン!ダダダ!
委員長「あ……男さん!」
??「何だぁ?お前が勇者か……やっと登場かよ!」
幼馴染み「う、ぅ……!」
男「幼馴染み!幼馴染みを……離せ! ……うわ!」
男(あいつ……生徒に手、出してるとかセクハラとかの噂の……!)
男(嫌われ者の体育教師……あああああ。何かすっげぇやだ!)
委員長「そうです!幼馴染みさんを離しなさい……スピードアップ!」
体育教師「ほらほら、早く助けないと……犯しちまうぞ!?」ツツ…
幼馴染み「や……ッ どこ、触って……ァ…ッ!」
男「く……ッイケメンは!?」
男(うおおおおお、太股!太股!)
委員長「……ッ け、今朝から、姿が見えなくて!」カァ
男(委員長、顔真っ赤……そ、そりゃそうだよな。幼馴染みも変な声を出すなよ!)
男(つーか、イケメン、どこいったんだよ!)
体育教師「へへ……すべすべだなぁ?」サワサワ
幼馴染み「や、ちょっと、胸……ッ  ん…ッ ァッ!?」
男「あーーーーー!委員長!補助もっと!」
男(くそあいつ何やってんだうらやま……じゃない、けしからん!)
委員長「は、はい……パワーアップ!」
男「うらぁ!」ブゥン……!ザシュ!
男「くそ……ッ魔法が無いのは辛いな……!」

88: 2013/03/18(月) 17:23:05.82 ID:fTGriaJmP
男(えーと、あいつ名前なんだっけ、えーと!)
男(あああああ、ここまで出てんのに!)
委員長「ガードアップ!男さん、早く!」
幼馴染み「あ、ん……ッ い、嫌……ッ やめ、ア…ァ!」
男(えーと、えーと! ……!そうだ、火村だ!)
男「委員長!幼馴染みに、マジックガード思いっきりかけて!」
委員長「え!?は、はい……!マジックガード!」
幼馴染み「お、おと……こ……!ぁ、はや、く……ゥ! ッん……ッ!」
男「幼馴染み!思いっきり叫べ!ブリザードだ!」
体育教師「な……無駄だ!俺様の責めに耐えれる訳ないだろ!」
幼馴染み「ふ、ざけ……んな!誰が、お前なんかに……!!」
幼馴染み「………ブリザード!」
体育教師「ひッ い、ぎゃあああああああああああああああああああああ!」

ドサッ

幼馴染み「……いた……ッ う、ぅ……ッ」
男「大丈夫か、幼馴染み!」ギュ!
幼馴染み「う、ひ……ィ……う、うわあああああんッ」ギュウ!
男「よしよし……ごめん、ごめんな」
委員長「……幼馴染みさん」
男「大丈夫、か?おさな……」

ぱぁん!

男「! ……いって、え!」
幼馴染み「………馬鹿ッ!」スタスタ
男「ええええええええええええ」
委員長「あ……だ、大丈夫、ですか?」
男「……う、うん……ヘイキ」
男(いや、これは……理不尽だけど、理不尽だけど……ッ)
男(仕方ない、よな……うん……痛ェ)

89: 2013/03/18(月) 17:28:07.53 ID:fTGriaJmP
男「しかし……イケメンは何処に?」
委員長「あ……」カァ
男「?」
委員長「……そ、その……本当に、朝から姿が……」
男(……?どこ行ったんだあいつ……あ!)
男(とにかくセーブしないと!)
委員長「男、さん?」
男「あー……いや、その。ちょっと色々あったし、お祈りに行こうかなって」
委員長「そう……ですね。私もご一緒しても?」
男「ああ、勿論……ついでに、イケメンと幼馴染みも探そうか」
委員長「あ……はい」カァ
男(……? ああ……そうか。さっきのアレで……)
男(イケメンと幼馴染みの、初日のアレ……思い出した、のかな)
男(御免……不謹慎だけど……照れた委員長、可愛いデス)

……
………
…………

セーブしますか?

▼  はい
   いいえ

男「はい」

ぴっ

旅を続けますか?

▼  はい
   いいえ

男「いいえ」

ぴっ

……
………
…………

90: 2013/03/18(月) 17:38:19.72 ID:fTGriaJmP
男「いて……ッ」ヒリヒリ
男「なんだよ、もう……何で顔……」

コンコン、バタン

母「何時までゲームやってんの!アンタはもう!」
男「わあ! ……あ、母さんおはよう……いや、今日日曜だし」
母「なぁにがおはようよ……もう15時よ?」
男「………うそぉ!?」
母「全く、アンタって子は……早くお昼食べちゃってよ!片づかないんだから……」
男「……ご、ごめん」
母「アンタ、そのほっぺたどうしたの?」
男「え?」
母「誰かに叩かれたみたいじゃない……どんな姿勢でゲームやってんのよ……」
男「え……」
母「さっさと降りてらっしゃいよ」スタスタ
男(鏡……!)バッ
男「うそだろ……」
男(手形……さっき、幼馴染みに……あいつ、力一杯……)
男(……いや、違う。あれは……ゲームの中……)ズキッ
男「いてッ……なん……!」
男(なんだ、これ……足にも……手にも!?)バッ
男(切り傷……が、治った跡、みたいだ……)
男「………」バッ ガタガタッ  ウィィイン

NOW LOADING……

旅の記憶

1.勇者 男 Lv.31 大きな街 22:14
2.データがありません 0:00
3.データがありません 0:00

92: 2013/03/18(月) 17:46:08.31 ID:fTGriaJmP
男「……今、三時って言ってたな」
男(凄い時間、没頭してた……のは、間違い無い)
男「……どうなってんだ?」
男「………」フラッ
男(やべ……眠い……そりゃそうか……いや、俺さっき、寝た……)
男(違う……あれは、ゲームの中……だ)
男(安眠酒……飲んで…… ……ッ)ブンブン!
男「取りあえず飯食おう……」フラ
男「しっかりしろ、俺……あれは、ゲームだ」
男「これは……現実……」
男(だよな?……取りあえず、下降りよう……飯、食って……)フラフラ

バタン!

トントントン……バタン!

母「ちょっと、男……! ああ、もう……」
母「徹夜でゲームなんかするからよ……全く、馬鹿な息子」ハァ
母「仕方ないわね……」パタン……トントントン

……
………
…………

男(ここは……どこだ)
男(ゲーム……そうだ、イケメン、どこ行った……あいつ……)
男(幼馴染みは……委員長は……)パチ!
男「!」ガバ!
男(……外、明るい。ここは……俺の、部屋、だ……)
男(寝……ちまったのか。時計……)ゴソゴソ
男「……7時半!?今日……月曜!」ガバ!バタバタバタ………!

93: 2013/03/18(月) 17:54:00.63 ID:fTGriaJmP
キーンコーンカーンコーン

男「ま、まにあった……!」ハァハァ
「おぅお疲れさん……けど、疲れ損だな」
男「え?」
「今日の一限、自習だってさ」
男「まじで!? ……ハァ、まじかよ……」
「数学の水川、行方不明らしいけど……まじかなぁ?」
「ただの噂だろ、あの口だけの堅物が……」アハハハ……
男「!?」
男(水川……俺が、俺たちが倒したから……)ブンブンブン!
「な、なんだよお前は……」
男「あ、すまん……何でもない……えっと……」
男(……なんでこんなに混乱するんだ……?)
男(あいつ、同級生……いた!)ツカツカ
男「おい、同級生!」
同級生「おや、おはよう男君……どうしました、青い顔して」ニヤニヤ
男「……ちょっと来てくれ」
同級生「ええ、ええ構いませんよ……水川先生は、行方不明で……自習ですから」
男(こいつ……!)
同級生「ま、ただの噂ですけどね……ただの。噂……ふふッ」
男「……松風先生と、火村先生は?」
同級生「ほう……三人目まで倒しましたか」
男「!」
同級生「……そんなに、睨まないでくださいよぅ……怖いなぁ」
男「お前……ッ」
同級生「……男君。勇者気取りですか?ここでも」
男「……ッ」
同級生「しっかりしてくださいよぅ?ここは……現実、ですよ。げ、ん、じ、つ」ニヤニヤ
男「……ッ」グッ
同級生「屋上、行きましょうか。あ、僕ねぇ、コーヒーが飲みたいです」
男「ああ……それぐらい驕ってやるよ。その代わり……全部話せよ?」
同級生「ええ、ええ勿論……缶コーヒー分。お話しましょ?」

95: 2013/03/18(月) 18:10:45.90 ID:fTGriaJmP
……
………
…………

屋上

同級生「ではイタダキマス……で、何が聞きたいんです?」
男「何が……って、全部だよ!あのゲーム、なんで……!」
同級生「自分が勇者なのか?」
男「……ま、あ……それも、あるけど…」
男(何から……聞いたら良いんだ?)
同級生「ま。混乱するのも無理はないですよねぇ」
同級生「でも、おもしろいでしょ?自分がゲームの中に入れるなんて」
男「あのゲームは……何なんだ?」
同級生「王道RPGです。ただの」
男「嘘吐け!」
同級生「本当ですよぅ……男君、勇者の名前は何にしました?」
男「……え?」
同級生「僕は、一回目は委員長と君と、A子さんが仲間になったって言いましたよね?」
男「あ、ああ……」
同級生「その時は、僕も……勇者の名前は僕にしました」
男「……ん?」
同級生「僕は、もう10回ぐらいクリアしてるんですよ?」
同級生「君は、毎回勇者の名前を自分にする人ですか」クスクス
男「どういう……意味だ?」
同級生「帰ったら、一度ニューゲームでやってみてください」
同級生「勇者の名前を、自分以外の物にして、ね?」
男「……そしたら、どうなる?」
同級生「ご自分の目で確かめてみて下さいな……あのゲーム、難易度低いでしょ?」
同級生「そうですね……丸二日もあればクリアできますよ」
男「……それに、意味はあるのか?」
同級生「んーそうですねぇ。ちょっとばかりの謎は解けるかなー」
男「………」
同級生「はい、これ……僕の携帯番号と、アドレス」
同級生「何かあったら、連絡ください」
男「お、おい!まだ聞きたい事が……!」
同級生「はい。なんでしょう?」ゴクゴク
男「………」
男(どう……説明したら、良い!?)
同級生「ああ、コーヒー飲んじゃいました」

108: 2013/03/19(火) 10:25:05.57 ID:NbMHQCi6P
男「お前、たかる気かよ!」
同級生「ああ、ごめんなさい、違います違います!」ニヤニヤ
同級生「今、君に説明しても、多分……わかんないでしょ?」
同級生「聞きたい事も分かってないと思うんですよねぇ」
男「……ま、あ……それは」
同級生「では、ヒントを少しだけ……仲間は、何人でした?」
男「え?仲間って……ゲームの、か?……四人、だろ」
同級生「そうですねぇ……で、君が倒した四天王は、今三人」
同級生「水川、松風、火村……ちなみに、松風先生と火村先生はちゃんと出勤されてます」
同級生「何で、水川先生だけ……居ないんでしょうねぇ?」
男「普通に……風邪とか、だろ」
同級生「行方不明の噂が出てますけど?」
男「た……ただの噂だろ!?」
同級生「まあ、そうです。先生達はバタバタと走り回ってらっしゃいましたけどね」
男「……噂流したの、お前か?」
同級生「どうでしょうね」
男「て、言うか……何のヒントにもなってねぇだろ!」
同級生「そうですかぁ?そうですよねぇ……君にはわかりませんねぇ、まだ……」
男「お前……!」
同級生「仕方ありませんね。もう一つだけ。今度はわかりやすいはずです」
同級生「ゲームの基本は、町の人の話を聞くことですよね?」
男「なんだよ、さっぱりわかんねぇよ!」
同級生「ああ、もう……男君は本当に……」
同級生「わかりましたよ、特別です。君にはお礼を言わないといけませんしね」
男「お礼……?」
同級生「イケメン君、どこ行きました?」
男「……は?」
同級生「さて、コーヒーごちそう様でした」
同級生「僕は、図書室に行きます。読みたい本があるので」スタスタ
男「あ……おい!」

109: 2013/03/19(火) 10:31:03.94 ID:NbMHQCi6P
男(くそ……意味がわかんねぇし)
男(イケメン、どこ行ったって……そうだ、あいつ朝から姿が見えないって)
男(委員長が………)
男「………!」ブンブンブン!
男「それはゲームの話だ!畜生!」
男(……とにかく、教室に戻るか)

……
………
…………

ザワザワザワ
担任「おい、男どこいってたんだお前」
男「あ……すみません」
担任「出席確認するまでは教室にいろよ」
男「……はい」
担任「あー、じゃあ欠席は委員長とイケメンだけだな」
男「………」
男(イケメンはどこいった、か……)
男(いや、違う……それは、ゲーム……しかし)
担任「おい、A子お前委員長と仲良かっただろ?何か聞いてないか?」
A子「え?何でですか?」
担任「いや……二人とも欠席の連絡がないからな」
男(え……?)
男(イケメンはともかく……いや、あいつも真面目っちゃ真面目な筈)
男(それにしても……委員長が無断欠席?)
男(……電話してみるか?しかし、A子でも知らないのに……)
男(俺がかけていいものか……)

ガラガラ!

幼馴染み「男! ……ちょっと。こっちきて」

110: 2013/03/19(火) 10:35:38.72 ID:NbMHQCi6P
男「幼馴染み?お前何やってんだよ……」
男「お前のクラスは自習じゃ無いだろ」
幼馴染み「良いから!」スタスタ
男「何だよ、もう……」スタスタ
幼馴染み「………」
男「どこ行くんだよ」
幼馴染み「……誰も居ないとこ」
男「はぁ!?」
幼馴染み「へ、変な誤解しないでよね!そんな……んじゃないんだから!」
男(こいつは本当にツンデレなのか?)
幼馴染み「……屋上で良い?」
男「お、おう……」
男(……またかよ)

……
………
…………

屋上

男「で、なんだよ」
幼馴染み「……アンタ、この間電話してきたでしょ」
男「電話?」
幼馴染み「糞眼鏡と一緒にいるかって!」
男「くそめ……委員長な。それがどうした?」
幼馴染み「今日、休みなんですって?」
男「ああ……連絡無いって先生心配してたし……来るかもしれないけど」

120: 2013/03/19(火) 16:50:57.15 ID:U6Whx/5uI
幼馴染み「…………」
男「何だよ、怖い顔して……」
幼馴染み「アンタ、さ……もし……」
男「ん?」
幼馴染み「……いや、良いわ」
男「……何だよ、気持ち悪ィな」
幼馴染み「言ったってどうせ信じないし……」
男「言ってみろよ……わかんないだろ?」
幼馴染み「水川……行方不明って知ってる?」
男「あ?ああ……単なる噂だろ?それ……たかだか一日休んだ位で」
幼馴染み「でも、あの先生皆勤らしいのよ、今まで」
男「だからって、なぁ…」
幼馴染み「……それに、もう…出て来ないし」
男「へ?」
幼馴染み「あ……な、何でもない…!」
男「何なんだよお前はさっきから……水川の話と、委員長の話……なんか、関係あんのか?」
幼馴染み「だって、あいつ、イケメンと……!」
男「……?」
男(ますますわからん……こいつ、なにが言いたいんだ?)
男「ああ、そう言えばイケメンも休みだな」
幼馴染み「……嘘?」

121: 2013/03/19(火) 17:07:04.83 ID:U6Whx/5uI
男「嘘言っても……」

バタバタバタ!

男「あ、おい!何処行くんだよ!」
幼馴染み「糞眼鏡の奴…!!」バタバタバタ……
男「おーい……なんなんだ、もう……ん、何だこれ」
男(手帳……日記帳、か? …幼馴染みのか……)ペラ
男(あいつ、意外と綺麗な時書くんだな……ッ!)
男「………ひィ…ッ」

イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君
イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君
イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君
イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君
イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君
イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君
イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君……

122: 2013/03/19(火) 17:27:32.43 ID:U6Whx/5uI
男「な……ん、だ……これ……!?」ペラ…
男(水川を倒した。次の四天王は誰だろう……)
男(さっきまで隣にいたのに、あいつが居ない。裏切りやがった。いつか頃してやる)
男(イケメン君とあの女がベタベタとくっついて離れない。彼は私のものなのに)
男(売女に天罰。串刺し。いい気味)
男(居ない。どうでもいい。火村シネシネシネ…)
男(イケメン君……)
男(………な、んだよ、これ…)Prrrrr…
男「A子?……はい?」
『男君、どこにいるの!?早く教室戻って!』
男「お、おう……どした?」
『……休校よ。全員の確認しないと帰れないのよ!』
男「え……なん…」
『水川先生……氏体で、発見されたんだって』

137: 2013/03/20(水) 11:46:29.04 ID:EYtQ5WgwP
……
………
…………

男(結局、同級生や幼馴染みと会話する間も無く)
男(自宅に帰されちまったけど……)
男(明日は臨時休校、用事が無い以外外出禁止、なんてなぁ……)
男(仕方ない、けど……)カチャ…ウィイイン

NOW LOADING……

旅の記憶

1.勇者 男 Lv.31 大きな街 22:14
2.データがありません 0:00
3.データがありません 0:00

男(同級生が言ってたな……ニューゲームでやってみろって)

勇者の名前を入力してください

勇者:ユウシャ

ぴっ

男(これで……)

『ドタ!』
『母:あら、起きてたのね、ユウシャ。ほら、支度しなさい、……今日はお前の旅立ちの日』
『母:王様を待たせてはいけないわ』

男(……ゲームの中に、入らない……!?)ぴっ
男(自分の名前を入力したときだけ……て、事、か……?)
男(しかし……)ぴっぴッ

139: 2013/03/20(水) 12:04:09.45 ID:EYtQ5WgwP
『女将:じゃあ、戦士と魔法使いと僧侶ね』
『女将:○○さん、△△さん、××さん、勇者のユウシャさんがお呼びよー!』

男(名前の決定権は無いのか……?)ぴっ
男(取りあえずお金貯めて、レベル上げて……)ぴっぴっ
男(あ、そうだ……次の村に行く前に僧侶にはナイフを持たせておこう)ぴっ

『武器屋:毎度ありっ』

男(………セーブ、っと)

1.勇者 男    Lv.31 大きな街 22:14
2.勇者 ユウシャ Lv.5 始まりの街 0:00
3.データがありません        0:00

男(良し……あ、そういえばこの街の宿屋で……幼馴染みとイケメンが……)
男(泊まってみるか…………何も、起こらない………)ぴっ
男(そりゃそう……だよなぁ……)

『モンスターだ-!モンスターの群れだ-!』

男(そうだ、ここで……僧侶のナイフが役に立ったんだ)
男(魔力も温存しといたし……)
男(連戦でも、レベル随分上げたし、大丈夫だろう……)ぴっ
男「……良し、あらかた片付いたな。えーと、次は……」ぴっ

『村長:お。おお……!力を貸して戴けるのですか!?』
『▼ はい いいえ』

男(あ、しまった……セーブしときゃ良かった)
男(まあいいか……はい、と)ぴっ

140: 2013/03/20(水) 12:15:19.67 ID:EYtQ5WgwP
男(確か次も連戦だったよな……あ、そうだ……)
男(ここをクリアした後、街に戻らなくて……弓があればって思ったんだ)
男(金は……うーん、ちょっと足りないな)
男(ついでに、レベル上げとくか)ぴっ ぴっ
男(で、セーブして、と……)

男(………セーブ、っと)

1.勇者 男    Lv.31 大きな街 22:14
2.勇者 ユウシャ Lv.14 次の街 6:28
3.データがありません        0:00

男(良し、弓も買った)
男(……なるべく、同じ選択肢を選びたいし……北の街をクリアしたら)
男(そのまま橋に向かいたいしな……)

『??:安堵もつかの間……お疲れの所、申し訳ない、がな』
『ユウシャ:……! 誰だ!』

男(ここだ……!こいつが、水川……ッ)
男「え……!?」

『ミズチ:そなた達の命、ここで戴く……』
『ミズチ:魔王様の四天王の一人、このミズチがな!』

男「ミズチ……違う!」ぴっ
男「ミズチ……水蛇、か?グラフィックもそんな感じだしな……」
男(そりゃそう、だよな……ゲーム、なんだし……)ぴっ
男(弱い……まあ、結構レベルあげたしな……)
男(橋の傍で回復して貰えたし、このまま進もう……次は、松風先生か)
男(でも、これだと……普通のモンスターになる、のか?)

142: 2013/03/20(水) 12:35:56.28 ID:EYtQ5WgwP
男(セーブして、と……良し)ぴっ

『あらぁ、貴方達ね?ミズチをやっちゃったのって』

男「……ん!?これって……!」

『でも残念ねぇ、私はあんな雑魚みたいに弱く無いわよ-?』

男(名前が表示されない!?……だけど、このグラフィックは……!!)
男「………あ!」
男(幼馴染みが、言ってた……『それに、もう…出て来ないし』)
男(この事、か!? でも……!)

母「男ー!ご飯ー!」
男「あ、は……はーい!」
男(……良いか、つけたままにしとこう)
男(同級生に電話……いや、でも……確かめてから……)
男(しかし……!)
母「男ー!!」
男「は、はぁい!」バタバタ

……
………
…………

男「ごちそう様!」バタバタ
母「ちょっと、片付けぐらい……!もう!」
母「家から出れないからって、ゲームばっかり……」
母「まあ……こんな時に出て行かれる寄りかは良いけどね……」ハァ

男(良し……続き!)ぴっ

146: 2013/03/20(水) 13:52:50.00 ID:EYtQ5WgwP
男(今回は弓があるから……楽勝だな)
男(……!)
男「なんだよこのグラフィック……!刺さった矢まで……細かいな……!?」
男(『売女に天罰。串刺し。いい気味』)
男「………」ピ、ピ……prrrrrr
『……はい?』
男「俺だ……男」
『ああ、男君。どうしたんです?』
男「同級生、お前……」
『何でしょう』
男「何で……このゲーム、俺に貸した?」
男「これ……幼馴染みにも貸したのか!?」
男「何で……先生が四天王のモデルになってんだよ!」
男「水川先生は、なんで……!」
『……落ち着いてください、男君』
男「このゲームは一体、何なんだよ!?」
『一つずつ答えますよ?』
『君に貸したのは、偶然。何かおもしろいのないかな、って聞いたから』
『前にも言った通り』
男「……偶然?」
『はい。偶然です』
男「俺の前に……幼馴染みに貸したんだな?」
『んーそうですねぇ。前、は正解ですけど』
『彼女は、今もやってるんじゃないですかね』
男「どういうことだ!?」
『………』クスクス
男「おい、同級生!」
『先に、何故先生が四天王のモデルか答えましょうね』
『僕が、そう設定したから、です』
男「……は?」
『ニューゲーム、やりました?』
男「あ……そうだよ!何で……ミズチが……!」
『素直だなぁ、勇者の名前、男、にしなかったんだ』
男「どうして……自分の名前にしなきゃ普通のゲームにしかならないんだ」

147: 2013/03/20(水) 14:08:33.69 ID:EYtQ5WgwP
『さぁ?それは僕にもわかりません』クスクス
男「お前……!このゲーム、お前が作ったのか!?」
『えーと、次は何だっけ、ああ、そうそう……水川先生は何故、だったね』
男「……幼馴染みが、今日言ってた」
男「『もう出てこない』って」
『おや、それだけで解ったんですか?幼馴染みさんも……プレイしてるって』
男「違う名前で……ニューゲームでやったから、な……」
『成る程。水川先生だけがミズチになってた……って訳ですね』
男「……手帳を拾ったんだ」
『手帳?』
男「日記、かな……水川を倒した、とか」
男「……売女が串刺しでいい気味だとか」
『ああ……成る程。売女ってのは……松風先生ですか』クスクス
『他には?』
男「………」
男(イケメンの話は……黙っておく方が良いか……?)
男「と、とにかく……それで、俺だけじゃないって気がついたんだよ」
『それは……幼馴染みさんのですか?』
男「あいつが持ってたから……そうじゃないのか」
『ふぅん……成る程ねぇ』
男「だから! ……なんで、水川先生は、なんで……!」
『倒したから、じゃないですか?もう出てこないんでしょ?』
男「おかしいだろ!?松風も、火村も倒したんだぞ!?」
『全く、男君は賢いんだかそうじゃないんだか』
男「は!?」
『仲間は、何人でした?』
『……今日、聞いたでしょ。さて、僕はこれから用事があるので、切りますね』
男「お、おい、待てよ!」
『……なんですか、もう。最後です。もう一つだけ』
『後はまたにしてくださいね……なんだっけな、ああ』
『僕が作ったのか、でしたっけ?』
男「………」
『いいえ、です。作ってはいません……じゃ、これで』ぷつッ

ツーツー……

男「な、んなんだよ……ッ!!」

148: 2013/03/20(水) 14:24:22.00 ID:EYtQ5WgwP
男「………くそッ」
男(偶然……だよな?そんな……ゲームで倒したからって)
男(あり得ない……現実に、そいつが氏ぬ、なんて)
男「………」
男(続きが気になる……けど)
男(ん、待てよ……?)
男「あの時、委員長……なんて言ってた?」
男(たしか……『隣で寝てたのに、幼馴染みが居なくなってる』?)
男(あの時、混乱してた……よな、委員長)
男「………もし、委員長がゲームやってたら?」
男(俺も、時々どっちの出来事だったか解らなくなってた)
男(ゲームの中で幼馴染みに叩かれて、ゲームを終わったら手形がついた侭だった)
男(ゲームの中で切られた傷みたいなのが、痣になってた)
男「でも……!」
男(イケメンと、委員長が無断欠席……幼馴染みの、不可解な発言……)
男(それに……そうだ!あいつら、みんな……同級生に何か聞いてた!)
男「偶然……か?」
男(……水川だけが氏んで、松風と火村は、生きてる)
男(『仲間は、何人だった?』)
男「………!」ピッピッ prrrrrr
男「出ろ……!」プツ

『はい?』

156: 2013/03/20(水) 20:40:21.19 ID:EYtQ5WgwP
男(繋がった!)
男「あ……!あの、俺だけど!」
『はい……どうしたの?』
男「えっと……ちょっと聞きたい事あるんだけど、良いかな」
『あんまり、時間が無いんだけど……』ガヤガヤ……
男「あ、のさ……委員長って、もしかして……」
男「同級生から、ゲーム……とか、借りた?」
『!』
男「……もしもし?」
『男君も、貰ったんですか』
男「え、貰った?」
『RPG、でしょ……勇者を自分の名前にすると、ゲームの疑似体験が出来る』
男「疑似体験……」
『こないだはご免なさい。眠いときにやってて……混乱しちゃって』
男「あ、ああ……ううん、それは、別に良いんだけど」
男「幼馴染みが、居なくなったって……」
『……ええ、そう言うイベントがあって』
男「そう、なんだ……あ!いや、それより……」
『……?』
男「今日、心配してたよ、先生……連絡も無いのに休んでるって」
『ちょっと……通学途中で気分悪くなっちゃって』
『遅くなったけど、ちゃんと連絡したわ。ごめんね……なんか』
『心配かけちゃって』ガヤガヤ……アハハハハ……
男「……委員長、外?あの、体調は……?」
男「あ、それに今日は外出禁止って……!」
『病院の帰りなの……今、家に向かってるとこ』
男「あ、そ、そうか……ごめん、そんなときに」
『ううん……親の向かえ、待ってるから』
男「時間無いってそう言う事か……あ、あの!」
『あ……来たわ。ごめんなさい、また……元気になったら』
男「う、うん……その、御免ね……」

ぷつっ

157: 2013/03/20(水) 20:53:11.82 ID:EYtQ5WgwP
男「切れた……」
男(同級生から……貰った? ……!そうか!)
男(あいつは……自分が作ったわけじゃないって否定したけど……)
男(『僕がそう設定した』て言ってた……)
男(元のデータに手を加えられるとしたら)
男(ROMにすれば、量産できる……よな?)ガサゴソ……ぴっ

prrrrrr……

男(幼馴染み……出ない)
男(『仲間は、何人でした?』)
男(仲間は、四人……)
男(俺、幼馴染み、委員長……イケメン!)ハッ
男(イケメンも、今日休んでる……)
男(……火村を倒したとき、イケメンは……出てこなかった)
男(『イケメン君は、どこに行きました?』)
男「…………」
男(イケメンは……今日、休んで……る……)
男「水川は、もう出てこない……倒したから……」
男(いや、まてよ……でも……)
男「ああああああああ、もう!さっぱりわからねぇぞ!?」
男「イケメンは……何処に、行った。糞ッ ……俺、あいつの番号しらねぇ……!」
男「イケメン……が、何処に行ったか。どうやって確かめる……!?」

158: 2013/03/20(水) 21:08:21.49 ID:EYtQ5WgwP
男(いや、それに……)
男(もし、あの三人がこのゲームをやってるとして……)
男(勇者の名前を……自分にしてる、としたら)
男(ポジションが違う。イケメンがゲームの中の役割で、どこに行こうが)
男(……関係、無い)
男(しかし……いや、それに………)
男「落ち着け、落ち着け俺……!」
男(俺はもう、三人……四天王の先生を三人とも倒しちまった)
男(……でも、なんで水川だけ……)prrrrrrr♪
男「………!」ぴっ
『なんなのよ!何の用!?』
男「おい、お前……!今日、違う、あの!」
『……何なの、うざい。私今忙しいんだけど!?』
男「お前、同級生にゲーム貰うなり、借りるなりしたろ!?」
『……ッ な、に……知らないわよ!そんなの!』
男「誤魔化すな!……俺も借りたんだ。自分の名前を、勇者にしたら……!」
『!』
男「えーと、あれだ!疑似体験!」
『し……知らないったら!』
男「お前、今日行ってたじゃないか!水川はもう、出てこないって!」
男「……俺は今日、確認したんだ!水川のイベントで、ミズチってのが出てきた」
男「松風先生の……あの、橋のイベントだと……名前は出てこなかったけど」
男「……矢で、串刺しになってるグラフィックが……」
『……』
男「それに……俺、拾ったんだよ、お前の手帳」
『手帳? ……あ!!』
男「お前、イケメン探してるのか?」
『……見た、の』
男「悪い……つい。でも……!」
『かかわらないで!……アンタには、関係無いのよ!』ぷつっ
男「おい、幼馴染み!幼馴染み!……ッくそ!」ぴっぴ……
『おかけになった番号は……』
男「なんなんだ、なんなんだよ!畜生!」

159: 2013/03/20(水) 21:25:42.27 ID:EYtQ5WgwP
男(もし、これで……イケメンがゲーム、やってるとしたら……?)
男(いや、でも……それでも、仲間が何人だとか言うのには、繋がらない)
男(同級生もプレイしてる……俺たち四人が)
男(………ん、四人?)
男(『仲間は、何人だった?』)
男「勇者の仲間は……三人……!」
男「……イケメン、何処行った……あ!」
男(そうだ、携帯知らなくても、連絡網があるじゃないか!)ガサゴソ
男「……ッ あ、った!」
男(イケメン、イケメン……あった!)ぴ、ぴ……prrrrr
『はい』
男「あ、すみません!あの、イケメン君と同じクラスの男と申しますが……」
『ああ……何時もお世話になっております』
男「ああはい、あ、いや、いえ!あの! ……イケメン君は?」
『………』
男「あ……あの?」
『……携帯の方に、かけてもらえます?』
男「あ、いえ、あの……僕、イケメン君の携帯知らなくて……」
『そう……じゃあ、教えますから』
男「あ……すみません」
男(声からして……お母さん、だよな?)
男(何か面倒臭そう……に、聞こえる……)

160: 2013/03/20(水) 21:37:58.87 ID:EYtQ5WgwP
男(家に居ない……んだろうなぁ……)ぴ、ぴ……
男(出るかな……)prrrrr
『……誰だ?』
男「あ……イケメン!?男、だけど……」
『ああ……どうしたの、え、なんで俺の携帯……』
男「いや……御免、どうしても聞きたい事あってさ……家に電話したらお母さんが」
『……チッ』
男「え?」
『あ、ああ……ううん、御免、何でも無いよ。そっか。母さんに聞いたんだ』
『で、聞きたい事って?』
男「あー……えっと。変な事、かもしれないけど」
『うん?』
男「あの、さ……イケメンって、同級生にゲーム……借りるか貰うか、したよな?」
『……ゲーム?』
男「うん、その……昨日、だっけ……同級生と話してたし」
男「いや……まあ、うん。俺も借りてさ」
『へぇ……』
男「聞いた……よな?水川先生……」
『ああ……氏んだんだってな』
男「……お前、休んでたし、さ。まあ、ちょっと心配になって」
『なんだ、そんなことか……大丈夫だよ。家に居るよ』
男「そうなのか?」
『ああ……ちょっと、まあ風邪かな。連絡居れるの忘れてて、さっき担任から』
『お叱りの電話があったよ』クスクス
男「そっか……まあ、それなら良いんだけどさ」
男(あれ?じゃあ……なんでさっき、イケメンのお母さん……)
男「あのさ……あのゲーム、変……じゃね?」
『変、って?』
男(……ん?こいつは……もしかしたら、自分の名前……勇者にしてないのか?)

168: 2013/03/21(木) 00:11:24.08 ID:WzdmcwL/P
男「えっと……なんて言うか……」
『何、お前も……ゲームの中に入れる、とか言うの?』
男「え!?」
『何かさ……同級生から借りたって奴がさ』
『勇者になれるとか言うんだよ』
男「………」
『んな訳ないじゃんね』
男「あ、ああ……」
『男も借りたんだろ?あいつ……本当どうしようもねぇなぁ』
男(ん……?何か……電話で話すと、こいつ……印象違うなぁ)
『あんまり変な事吹き込むなよって、男も同級生に注意してやれよ?』
男「あ、ああ……そうだな」
『聞きたい事って、それだけ?』
男「うん、まあ……悪いな、体調悪いときに」
『いや、気にするなよ。ありがとな、心配してくれて』
男(気にしすぎか?)
男「ああ……じゃあまた学校でな」
『ああ、それじゃ』ぷつっ
男「………」ツーツーツー
男「イケメンは何処に行った、か……」
男(やっぱ……さっぱりわかんねぇ……)
男(ゲーム……続きは気になるけど……)
男(……そうか。最後の四天王倒す前でセーブして)
男(リセットすれば?)
男「……あ、そうか。ユウシャの方でやれば良いのか」ぴっ
男(あ、いけね……つけっぱなしだった……)ぴっ

169: 2013/03/21(木) 00:18:52.73 ID:WzdmcwL/P
男(串刺しの侭……だった。ごめん、先生)ぴっ
男(で、ここで……魔法使いが倒れる……これは一緒だな)
男(背負うか背負わないかの選択肢……は、一緒なんだな)
男(これ、何か意味あるのか……?)

『▼ 頼む 自分が背負う』

男(頼む、と……戦士が魔法使いを背負っていくんだな)ぴっ
男(街について、一晩……一応ここでセーブ……)
男(……)
男「いや、やめとくか……」
男(寝て起きたらイベントだ。安眠酒のイベントは……あ、あるのか!)
男(素直に受け取って飲む……で、寝る……あ!)
男(戦士が部屋を出て行った……!)
男(で? ……ああ、やっぱり三人で戦闘か……!!)
男(流石に、魔法使いは……参加しないか。寧ろ回復しなきゃ……!)
男(守れなかったらゲームオーバーっぽいな……実質一対一かよ)
男(レベル上げておいて良かったなぁ………)

『ほらほら、早く助けないと……食っちまうぞ!?』

男(犯しちまうぞ、だったか……あっちは?)
男(でも、名前は表示されないし……グラも、火村っぽいよな……良し!)
男(流石に一対一じゃそれほど強く無い……ここまでは、一緒だ)
男(問題はこの先、だけど……)

170: 2013/03/21(木) 00:27:31.54 ID:WzdmcwL/P
男(魔法使いは……離脱するのか!)
男(……で?)ぴっ

『僧侶:二人を探しに行きましょう』

男「ですよねー……」ぴっ
男(……んん?)
男(街の中に居ない……後、話聞いてない人、行ってない場所は、と)
男(あれ、街の奥に……洞窟?なんだこれ)

『街の人:この下水道はモンスターが出て立ち入り禁止なんですけど』
『街の人:鍵が壊れてるんです……誰か入っていったのかしら』
『街の人:さっきの騒ぎで誰か逃げ込んだのかも。見てきてくれませんか?』

男(わーぉ)ぴっ
男(で、この奥に二人が居る、とかか?)
男(セーブ、した方が良いんだろうけど……)ぴっ
男(……僧侶と二人か。回復が居るだけましかな……一応弓持たせてるし)
男(ん……突き当たりに……ああ、このグラは魔法使いと戦士だな)

『魔法使い:騙してたのね!裏切りもの!』
『戦士:騙される方が悪いのさ。すんなり人を信じる方がどうかと思うよ』

男「……んん?」
男「え……戦闘!?戦士と!?」ぴっ

『そうさ、僕が最後の四天王だ!』

男「……えええええええええええええええええ!?」
男「いや、おい、この……グラフィック……!!」
男(ユウシャじゃ、仲間の名前は決められなかったぞ!?)
男(なのに、なんで………!!)
男「これ………イケメンそっくりじゃないか!!」

171: 2013/03/21(木) 00:32:38.62 ID:WzdmcwL/P
『君はさっき僕を裏切りものだと言った』
『だが、結果としてそうじゃ無ければ問題無いんだろう?』

男「は!?」ぴっ
男「おい、イベント戦闘か……!?」ぴっ

『さあ、選べ!君は僕とユウシャ、どちらを選ぶ!?』
『答えは、決まっている筈だよ……僕は、裏切り者かい?』

『▼はい いいえ』

男「おいおいおいおい、なんで選択肢出てるのに、選べないんだよ!」ぴっぴっ

『▼いいえ』

男「えええええええええええええええ!?」

『魔法使い:私は……ずっと貴方と一緒に居るわ!』
『魔法使い が 襲いかかって きた!』

男「ええええええええええええええええええええええええええ!?」
男(ど、どういうことだよこれ!?)
男(………)
男(これ……イベント戦闘、じゃない……のか?)
男(ガチで頃しにかかるのかよ、まじで!?)
男(……いや、これはゲームだ……勇者は、俺じゃない……ユウシャだ!)ぴっ
男(しかし……!!)ぴっ

172: 2013/03/21(木) 00:39:31.27 ID:WzdmcwL/P
『僕を頃したって、君は僕には永遠に勝てない、ユウシャ』
『氏者に勝つことなんて、出来ないんだ……!』

ギャアアアアア……

『私は、ずっと貴方と一緒よ……!地獄の果てでも、ずっと……!』

キャアアアアア……

男「ま、まじかよ……これ……」ぴっ
男(魔法使いは、普通の……良くある人型モンスターっぽく書かれてた……)
男(何で……戦士のは……イケメンそっくりなんだ?)
男(それより……最後の四天王は、イケメン……じゃなかった。仲間の一人だった)
男(て、事は……あっちでは……ポジション的に、イケメンになるって事だ、よな)
男(で……幼馴染みも、敵になる……二人を、頃す?)
男(……もし、水川が倒された様に、俺があっちで戦闘してたら……)
男「いや、それはおかしい……?」
男(少なくとも、水川がミズチのポジションに居たことは)
男(幼馴染みの発言から……同じと判断出来る)
男(自分の名前を勇者につけて、ゲームの中に入る、って事は)
男(委員長と、幼馴染みと俺がプレイしてたとしても、だ)
男(役割が違う筈だ。それに……イケメンが戦士ポジションである確証もない)
男(……そうだ。松風も火村も、だ)
男(なのに、なんで最後の四天王は仲間の一人であるのに関わらず)
男(グラフィックがイケメンそっくりなんだ……?)

174: 2013/03/21(木) 00:46:41.05 ID:WzdmcwL/P
男(『仲間は、何人だった?』)
男(『イケメンは何処へ行った?』)
男(……繋がらない。何も)
男(もし、同級生が……俺が、戦士のポジションにイケメンを据えてると)
男(予想してたとしたら……?)
男(しかし、最初の仲間を集めに行ったところでは)
男(俺に……勇者に選択権はなかった……)
男「………」ピッピッ……prrrrr
男「同級生……出ないな……糞ッ」
男「……選択肢!」ハッ
男「もし……あそこで、俺……じゃない。ユウシャが背負って行くことを選べば」
男「何か変わる……のか?」
男(しかし……先も気になるな)
男(セーブ、もう一個できたよな……)ぴっ

1.勇者 男    Lv.31 大きな街 22:14
2.勇者 ユウシャ Lv.14 次の街 6:28
3.勇者 ユウシャ Lv.24 大陸の街 9:49

男(良し……!)

175: 2013/03/21(木) 00:54:25.97 ID:WzdmcwL/P
男「取りあえず先に進めよう……と、今何時……うわ、もうこんな時間か……」
男「……いいや、明日休みだし」ぴっ
男(ここから……取りあえず、北に街があるって行ってたな)
男(……大したイベントもないのか……え、あの小島の城が、魔王城!?)
男(二人で乗り込むのかよ……んな縛りプレイいらねぇっつの)ぴっ
男(俺が勇者のデータだと……委員長と二人きり、か……)
男(おいしいっちゃ美味しいけど……なぁ)ぴっ
男「……なんだかんだで魔王城に乗り込んだけど」
男「………なんだこれ、普通の……家みたいじゃないか」ぴっ
男「ダンジョンも無い……階段上がって、扉……ここに魔王が居るのか?」ぴっ
男「うぇ………まじかよ」
男(小部屋に……学ランの男!?)ぴっ

『良くたどり着きました。何人氏にました?』
『ちゃんと、四人……氏にましたか?』
『氏んでなければ、やり直しですよ……もう一回頑張ってください』
『でも、折角プレイしてくれたんですから』
『クリアしたいですよね……じゃあ、始めましょうか、の前に』

男「……なんだこれ」ぴっ

『選んでください。隣のその人を、僕に譲ってくれませんか?』
『そしたら、君の命は助けましょう』

男「は!?」

『▼はい いいえ』

男「ふざけんな!」ぴっ

『いいえ』

176: 2013/03/21(木) 00:58:28.51 ID:WzdmcwL/P
『そうですか、残念です。じゃあ、氏んで貰いますね』

男「………!!同級生!?」
男(ラスボスが、あいつ!? ……どういうことだよ!?)

『現実の僕はひ弱だから、きっと勝てないけど』
『ゲームは良いですよね。チートって知ってます?』
『僕は無敵です。口調も、ね……頑張って、きっと真似できてますよね今頃』

男(………)ぴっぴっ
男「な、なんだよ……!攻撃きかねぇじゃん!」ぴっぴっ

『クリアしたかったですか?ごめんなさいねぇ』

男「くそ……ッ 何で……ああああああああああ!」

『残念です……ゲームオーバー』
『クリア、したいでしょ?簡単です……選択肢を間違えなきゃ良いんですよ?』

『GAME OVER』

男「…………」
男「な………ッ ん、だよ、これ!!!」

178: 2013/03/21(木) 01:04:31.45 ID:WzdmcwL/P
NOW LOADING……

1.勇者 男    Lv.31 大きな街 22:14
2.勇者 ユウシャ Lv.14 次の街 6:28
3.勇者 ユウシャ Lv.24 大陸の街 9:49

男「………」ポイッ
男(阿呆らしい……!やっぱりあいつが作ったんじゃねぇか!!)
男「……じゃあ、なんでゲームの中に入れるんだよ」
男(あいつは……イケメンに怨みでもあんのか?)
男(選択肢を……間違えなければ、良い………)
男(………)ぴっ
男(あああああああああ、けったくそ悪い!悪い、けど!)ぴっぴっぴっ
男(……御免、委員長。あ、委員長じゃないや、僧侶さん……)

『そしたら、君の命は助けましょう』
『はい』

『おめでとう。ゲームクリアです。次は学校でおあいしましょう』

『CONGRATULATION!!』

男「は!?こんなけ!?」
男(……やるんじゃなかった。こんなゲーム……)

prrrrrr♪

男「誰だよ……幼馴染み?」ぴっ
男「はい……」
『男? ……何よ、辛気くさい声出して』
男「いや……で、何だよ?こんな時間に……」

179: 2013/03/21(木) 01:12:01.48 ID:WzdmcwL/P
『……今から会えない?』
男「何そのフラグ」
『フラグ?』
男「あ、いや……何でもない……悪いけど、俺今すげぇ疲れて……」
『手帳返して欲しいんだけど』
男「あー……明日、じゃねぇや。明後日じゃ駄目か?」
『学校では駄目!』
男(まあ、内容が内容だしなぁ……)
『それに……話したい事もあんのよ』
男「話したい事?」
『……』
男(まあ……良い気分転換になるか)
男「良いよ、解った。でもなぁ……母さんがうるさいからな、こんな時間から出ると」
『子供じゃあるまいし……』
男「事情が事情だろ。水川の……」
『……解ったわよ。そっち行くわ』
男「は!?」
『アンタん家に行くって』
男「……どうやって」
『こっそり入れてよ。着いたら電話するわ。じゃあね』ぷつッ
男「やっぱそれ、なんのフラグよ……」
男(まあ……相手が幼馴染みじゃな……)
男(手帳見る限り……あいつ、イケメンの事好きなんだろうし……)
男(……あんまり神経逆なでする様な事いわんとこ……メンヘラ怖いよ……な?)

……
………
…………

幼馴染み「……お邪魔、します」
男「しー!部屋行くまでしゃべんな!」
幼馴染み「………」
男「………」パタン

180: 2013/03/21(木) 01:18:36.78 ID:WzdmcwL/P
幼馴染み「はぁ……アンタの部屋、久しぶりね」
男「汚くて悪かったな」
幼馴染み「何も言ってないでしょ……で、返してよ」
男「あ?ああ……机の上だよ」
幼馴染み「……全部、見た?」
男「……御免。勝手に見たのは謝るよ」
幼馴染み「………」
男「で、話って? ……まあ、適当に座れ」
幼馴染み「……さっき、松風とイケメンが一緒に歩いてた」
男「はぁ? ……はぁ。で?」
幼馴染み「………」
男「あれ?イケメンって……体調悪いんじゃ?」
幼馴染み「そんなの嘘に決まってるでしょ……」
男(いきなりイケメンの話かよ……俺、刺されないよなぁ……)
幼馴染み「……アンタ、さ」
男「ん?」
幼馴染み「そのゲーム、何処までやった?」
男「ああ……クリアしたよ。やるんじゃなかったよこんな糞ゲー」
幼馴染み「どっちで?」
男「あん?」
幼馴染み「勇者男?それとも……違う名前?」
男「……お前……そうか。お前も借りたんだったな」
男「ユウシャ、って名前で、ゲームの中に入らずに、さ」
男(別に……どう思われたってイイや、もう……)
幼馴染み「……やっぱり、あれ……夢じゃないんだね」
男「……え?」
幼馴染み「勇者の名前を自分の名前にすると、ゲームの中に入れるの……」

181: 2013/03/21(木) 01:27:35.16 ID:WzdmcwL/P
男「………」
幼馴染み「何よ、アンタが最初に言ったんじゃないの。疑似体験がどうのって」
男「あ、ああ……」
幼馴染み「どう、思う?」
男「どう……って?」
幼馴染み「……水川の事、よ」
男「偶然だろ……それに、あんなの同級生の悪戯みたいなもんじゃないか」
男「あんな無敵のラスボス……しかもあいつのグラフィックでさ」
幼馴染み「え……?」
男「……ん?中に入る方だと違うのか?」
幼馴染み「……ちょ、ちょっと待って!」
幼馴染み「私、両方クリアしたけど……!」
幼馴染み「魔王は……勇者の影?だかなんだか……だったわよ!?」
男「……は!?」
幼馴染み「一番最初は、勇者は……イケメンの名前にしたのよ」
男「お、おう」
幼馴染み「そしたら水川と、松風、それから火村が出てきた」
幼馴染み「それで、戦士が裏切って……」
男「……イケメンのグラだっただろ?」
幼馴染み「……アンタ何いってんの?」
男「へ?」
男「え?え? ……だって!」
幼馴染み「と、とにかく先聞いて!」
幼馴染み「戦士と僧侶が裏切ったの!で、戦闘した」
幼馴染み「で、勇者と魔法使いが、魔王城に行って、魔王倒しておしまい」

183: 2013/03/21(木) 01:39:46.35 ID:WzdmcwL/P
男「……エンディングは?」
幼馴染み「勇者と魔法使いが、結婚して……みたいな」
幼馴染み「つまらないエンディングだった、かな」
男「………」
幼馴染み「違うの?」
男「ああ、違う……お前、時間あるなら後でやってみるか?」
幼馴染み「う、うん……どっちでも、良いけど……」
男「で……勇者幼馴染み、でやったのか?」
幼馴染み「同級生に、感想聞かせてって言われてたから文句言いに行ったんだ」
男「文句?」
幼馴染み「凄いおもしろいし絶対はまるとか言うから」
幼馴染み「普段ゲームなんかやんないからさ……別におもしろくもないし」
幼馴染み「時間の無駄じゃん、って」
男「……はぁ」
幼馴染み「そしたら、騙されたと思ってもう一回だけ」
幼馴染み「勇者を自分の名前にしてやってみろって言われたから」
男「で……アレか?」
幼馴染み「……うん」
幼馴染み「そしたら、仲間?が……イケメンと、アンタと、委員長になった」
男「!」
幼馴染み「イケメンが僧侶で、魔法使いがアンタ。で、戦士が委員長」
男「お、おう……なんか、イメージが……」
幼馴染み「確かに、あれでやってるとおもしろかったよ」
男「うん……それで?」
幼馴染み「途中でさ、魔法使いがぶったおれるじゃん」
男「ああ」
幼馴染み「最初にやったときはさ、イケメンが勇者だったから」
幼馴染み「格好良いだろうと思って……勇者に背負わせたの」
俺「あ……!」
幼馴染み「で、今回は……戦士、委員長に」
俺(それで、戦士と僧侶が裏切った、のか……)
幼馴染み「そしたら、魔法使いと戦士が裏切った」
幼馴染み「……自分が勇者だったし、なんか、アンタ背負うの嫌でさ」
俺「あ、そ……」

184: 2013/03/21(木) 01:46:10.31 ID:WzdmcwL/P
幼馴染み「そしたら……まあ、何か二人旅で」
幼馴染み「エOチなイベントとかあってさ」
男「……はぁ」
幼馴染み「そ、それで、二人で魔王倒して、結婚して……」
幼馴染み「気がついたら、現実に戻ってた」
男「エンディング……一緒だったのか」
幼馴染み「うん……」
男「満足したんだろ?好きなイケメンと結婚できて」
幼馴染み「そうだけど……なんか、切り傷みたいなの一杯出来てさ」
男「ああ……俺も出来てた。あれ……何なんだろうな」
幼馴染み「……わかんない。楽しかったけど、それ考えると怖くて」
幼馴染み「もう一回やりたかったけど、できなかった」
男「………」
幼馴染み「同級生は返さなくて良いって言うしさ」
幼馴染み「……まあ、暇つぶしにはなるし、久しぶりにゲームやったら楽しくて」
幼馴染み「何回かやってたんだ」
幼馴染み「そしたら……」
男「水川が……ミズチに代わってた?」
幼馴染み「……うん」
男「で、現実では……」
幼馴染み「………」
男「見てみるか?俺の」
幼馴染み「うん……」
男「……途中からだけど、良いよな」ぴっ

NOW LOADING……

1.勇者 男    Lv.31 大きな街 22:14
2.勇者 ユウシャ Lv.14 次の街 6:28
3.勇者 ユウシャ Lv.24 大陸の街 9:49

185: 2013/03/21(木) 01:54:28.76 ID:WzdmcwL/P
幼馴染み「2と3、どっち?」
男「2はえーと……松風先生のイベントの前かな。3が、魔王城に向かう前」
幼馴染み「じゃあ3でいっか」
男「あ、待って……2にしてくれ」
幼馴染み「え?」
男「……戦士のグラが、イケメンだったんだよ」
幼馴染み「似ても似つかなかったわよ!」ムッ
男「怒んなって……見りゃわかる」
幼馴染み「………」ぴっ
幼馴染み「ここからか……レベル高いな」
男「さっさと進みたかったかな……ん!?」
幼馴染み「何よ」
男「おい、これ……!」
幼馴染み「……!」

『フウチョウ:あらぁ、貴方達ね?ミズチをやっちゃったのって』

男「……ん!?これって……!」

『フウチョウ:でも残念ねぇ、私はあんな雑魚みたいに弱く無いわよ-?』

幼馴染み「何、これ……!」
男「さっきやったときは……松風先生にそっくりのだったぞ!?」
男(これじゃ……まんまモンスター……名前も表示されてる……!?)
幼馴染み「やだ……!ちょ、ちょっと、男!アンタやってよ!」
男「え!?」
幼馴染み「……み、見てる、から……」ギュッ
男(うぉう、胸が、胸が……あたる……!)
男「わ、わわわわかったからくっつくな!」ぴっ
男(嘘です。くっついてください……いやいやいや!)ぴっ

186: 2013/03/21(木) 02:00:43.66 ID:WzdmcwL/P
男「……お前も、見たんだろ?松風せんせ……いや、この四天王倒した後」
男「串刺し、のグラ……」
幼馴染み「なにそれ」
男「……え?だって……」
幼馴染み「ちょっと、よそ見しないでさっさと倒してよ!」
男「あ、押すな……ちょ!お前がやれよ!」
幼馴染み「嫌よ!」
男「もー……」ぴっ
男(で、この後……魔法使いがぶっ倒れて……)
幼馴染み「戦士で良いでしょ」
男「ん……」ぴっ
男(で、休んで……火村と戦闘、と)

『ほらほら、早く助けないと……食っちまうぞ!?』

幼馴染み「ここは……変わって無いわね……名前の表示も無いし」
男「ああ……良し、倒した!」ぴっ
幼馴染み「早く!この後でしょ……」
男「おう……」ぴっぴっ
男「ほら……! ……見ろ!」
幼馴染み「!!」

『そうさ、僕が最後の四天王だ!』

幼馴染み「イケメン……!」
男「……だろ?」
幼馴染み「………」
男(取りあえず……倒して、と……)ぴっ
幼馴染み「………」
男「おい、画面見ろって」
幼馴染み「うん……」

190: 2013/03/21(木) 02:05:50.23 ID:WzdmcwL/P
男「ほら、魔王城に着いたぜ」
幼馴染み「何よ、一緒じゃ……あ!」
男「ダンジョンだったか?」
幼馴染み「……うん、そんなに、長くなかったけど……何、これ……」
男「階段上がって、扉開ければ……ほら」ぴっ
幼馴染み「ひッ……」

『良くたどり着きました。何人氏にました?』
『ちゃんと、四人……氏にましたか?』
『氏んでなければ、やり直しですよ……もう一回頑張ってください』
『でも、折角プレイしてくれたんですから』
『クリアしたいですよね……じゃあ、始めましょうか、の前に』

男「……同級生、だろ?」
幼馴染み「な、んで……」

『選んでください。隣のその人を、僕に譲ってくれませんか?』
『そしたら、君の命は助けましょう』

幼馴染み「これ……どうなんの」
男「いいえ、を選んだら無敵君と戦闘。瞬殺されてゲームオーバー」
幼馴染み「はい、だったら?」
男「命救われてCONGRATULATION!!って表示されて終わりだ」
男「……次は学校でお会いしましょう、だったかな」
幼馴染み「いいえ、にしてみて」
男「………」ぴっ

『現実の僕はひ弱だから、きっと勝てないけど』
『ゲームは良いですよね。チートって知ってます?』
『僕は無敵です。口調も、ね……頑張って、きっと真似できてますよね今頃』
『クリアしたかったですか?ごめんなさいねぇ』
『残念です……ゲームオーバー』
『クリア、したいでしょ?簡単です……選択肢を間違えなきゃ良いんですよ?』

『GAME OVER』

幼馴染み「選択肢を間違えなきゃ……良い?」

191: 2013/03/21(木) 02:13:10.29 ID:WzdmcwL/P
男「はいって選んで、譲れって言いたいんだろ……意味わかんねぇよ」
幼馴染み「………」
男「どした?」
幼馴染み「……何人氏にました。ちゃんと四人氏にましたか、って」
男「……お前」
男「……!松風先生……!」
幼馴染み「水川がミズチになって、水川は……氏んだ」
幼馴染み「松風が……先生は……」
男「……松風先生も氏んだって言いたいのか?まさか……!」
幼馴染み「だって……!」
男「そんな、ゲームで氏んだからって、そんな事あるかよ!」
幼馴染み「じゃあ、なんで自分がゲームの中入れるのよ!?」
男「そ、れは……」
幼馴染み「さっき……言ったでしょ。イケメンが……」
男「! …松風先生と……!」
幼馴染み「……ッ」ガバッ
男「ああ、待て待て待て!」ガシッ
幼馴染み「離して!」
男「待てって! ……お前が行って何になるんだよ、てかどこ行くんだよ!」
男「一緒に居るとしてもさ、何処にいるかわかんないだろ!?」
幼馴染み「……でも……ッ」
男「イケメンが犯人だとでも言いたいのか?」
幼馴染み「………」
男「お前がイケメン好きなのは、あの手帳みても解るけどさ!」
幼馴染み「……あれは、私のじゃないわよ!」
男「…………へ?」
幼馴染み「ひ、拾ったのよ!」
男「お前、そんな、誰が……」
幼馴染み「信じるのかって?信じなくても良いけど!」
男「あ……!そっか、お前……!」
幼馴染み「え?」
男「串刺し……売女。いい気味、だっけ?」
幼馴染み「?」

192: 2013/03/21(木) 02:21:27.47 ID:WzdmcwL/P
男「手帳見てみろ……書いてあるだろ」
幼馴染み「……あ!」
男「もう……見れないんだろうけど。あのゲーム中で、松風先生を弓で倒したとき」
男「倒した後に、串刺しになってるグラフィックがあったんだ」
幼馴染み「私……弓なんて使ってない」
男「空飛んでるモンスターとかって、弓が弱点って良くあるんだよ」
男「おれは、ユウシャの時はそれ覚えてたから買っていったんだ」
幼馴染み「松風、倒すのに苦労したもん……そうだったんだ」
男「………信じるよ。でも……」
幼馴染み「じゃあ、誰のか、でしょ……」
男「……うん」
幼馴染み「それこそ信じないかもしれないけど……糞眼鏡のよ」
男「……委員長!?まさか!」
幼馴染み「見たんでしょ。私こんな綺麗な字じゃない。それに……」
幼馴染み「イケメンは、彼氏……だもん。イケメン君、なんて呼ばないし」
男「……」
幼馴染み「イケメンはね……」
男「ん?」
幼馴染み「………」ハァ
幼馴染み「あいつ、すっげぇ性格悪くてさ」
男「え!?」
幼馴染み「付き合うまでは、みんなが知ってるイケメン君、だったよ」
幼馴染み「女癖も悪いし……最悪だよ」
男「……まじで?」
幼馴染み「付き合ってる、っていったけど……それも、どうかな」
幼馴染み「一応彼女って言ってくれるけど……何人の内の一人なんだか」
男「……お前、それわかってて……」
幼馴染み「でも、好きなの」
男「……」

193: 2013/03/21(木) 02:29:06.49 ID:WzdmcwL/P
男「じゃあ……委員長、とも?」
幼馴染み「私にはあんな女興味無いとは言ってたけど……どうかな」
男「でも……この手帳……」
幼馴染み「あの糞眼鏡はね、ストーカーだよ」
男「え」
幼馴染み「私が居るって言っても、聞きやしない。頭おかしいのよ」
幼馴染み「……ゲームにあいつが出てきたときは、本当に頃してやろうかと思ったわ」
男「……」
幼馴染み「……アンタがさ、委員長と一緒かって電話してきたとき」
男「あ?ああ……」
幼馴染み「糞眼鏡の事……尾行してたんだ」
男「は!?」
幼馴染み「イケメンの家の前まで良く来てるって聞いてたから」
男「お、おう……」
幼馴染み「アンタの電話の所為で見失っちゃったけどね」
男「そりゃ……悪かった……のか?」
男(女って……こええ)
男「……まあ、その、何だ」
幼馴染み「元気出せよとか言ったらぶん殴る」
男「何で!?」
幼馴染み「……それより」
男「ん?」
幼馴染み「松風先生……」
男「……大丈夫、だろ……確かに、現実的じゃない事できるゲームだけど」
男「多分……」
幼馴染み「このゲーム……同級生が作った、んだよね?」
男「違う、って俺には言ってたけどな」
幼馴染み「聞いたの!?」
男「あ?ああ……」
幼馴染み「勇気あるわね……」
男「何でだよ、気になるだろ……」

194: 2013/03/21(木) 02:35:50.41 ID:WzdmcwL/P
幼馴染み「……怖いじゃん」
男「いや、そりゃそうだけど……」
幼馴染み「アンタももう、やめときなよ……これ以上……松風とか火村まで」
幼馴染み「何かあったら……偶然でも、気味が悪い」
男「……でも、もうゲームの中で倒しちまったぜ?」
幼馴染み「そうだけど! …でも、さ。ほら、何回も倒す内に」
幼馴染み「絵が代わるとか……そんなんかもしんないじゃん」
男「………」
幼馴染み「男?」
男「何回も?」
幼馴染み「え?」
男「お前は、クリアしたんだよな?」
幼馴染み「う、うん……」
男「仲間は……何人だった?」
幼馴染み「は!?」
男「良いから!」
幼馴染み「な、仲間!?四人……じゃない、三人」
男「俺と、幼馴染みは……四天王、先生をゲームの中で三人とも倒してる」
幼馴染み「え、う、うん」
男「……委員長も、このゲームをやってる筈だ」
幼馴染み「え!?」
男「これで、三人」
幼馴染み「え、ちょっと待ってよ。イケメンもやってたよ?」
男「え!?嘘だ、あいつ電話では……」
男(ん?待てよ……やってるもやってないも言ってない……!?)
幼馴染み「違うよ!私の前でやってたもん!」
男「え!?」
幼馴染み「ゲームに入ってる間、何かあったら困るから見てろって……」
男「………!」

196: 2013/03/21(木) 02:43:16.40 ID:WzdmcwL/P
幼馴染み「誰が仲間なのかとかは教えてくれなかったけど」
男「……ゲームに潜れる、って誰に聞いたんだ?あいつ」
幼馴染み「私が教えた……そしたら暫くして、イケメンも同級生から貰ってた」
男「……四人」
幼馴染み「な、なんなのよ!はっきり説明してよ!」
男「ちょ、ちょっと待て!頭ん中ぐちゃぐちゃ……!」
男(……同級生に聞いた時、は……!)
幼馴染み「男ってば!」
男「……お前が、貰ったのって何時だ?」
幼馴染み「え?二週間くらい前、かな……」
男「イケメンは?」
幼馴染み「えっと……三日、前?」
男「俺は、先週の土曜……二日前か。休み前だからってぶっ通しでやってた」
幼馴染み「……糞眼鏡は?」
男「それは……わからん。けど、委員長がゲームしそうなイメージが……」
幼馴染み「そんなのおいといて!」
男「イケメンは……ずっとやってた?」
幼馴染み「私と一緒の時はそんなに。だけど……あいつ、多分意外とびびりだから」
幼馴染み「一人ではやらないんじゃないかな……あ。そうだ」
男「ん?」
幼馴染み「四天王の一人を倒したって言ってた……そういえば」
幼馴染み「まさか……その時は水川だとは……思わなかった、と思う、けど」
男「ん……もし、委員長が、水川と……松風まで倒してるとすれば」
幼馴染み「……四人が倒したから……氏んだ、とでも言いたいの!?」

198: 2013/03/21(木) 02:53:38.73 ID:WzdmcwL/P
男「俺、同級生にこのゲームは一体何なんだって聞いたんだよ」
男「今日、お前に……屋上に呼び出される前にさ」
男「……えっと、確か……」
男「『仲間は何人か?』」
幼馴染み「だから……三人でしょ」
男「俺は、四人って答えた……あいつは……そうですねぇって」
幼馴染み「……でも、それ、否定でも肯定でもないんじゃない?」
幼馴染み「それに……正直に答えるって可能性も……」
男「ああ、うん、そっか……」
幼馴染み「あ……!」
男「あ?」
幼馴染み「四人……で、良い……あれ?」
男「なんだよ。言ってみ?」
幼馴染み「私とアンタのパーティーのメンバーは一緒だったよね」
男「あ?ああ……」
幼馴染み「私から見れば、アンタ、イケメン、糞眼鏡」
男「俺はお前と、イケメンと、くそ……じゃない、委員長」
幼馴染み「……四人、じゃない?」
男「あ……!いや、でも……!」
幼馴染み「……こじつけ、かもしれないけど」
男「それに……四人だけがプレイしてるとは限らないぞ」
幼馴染み「あ、そっか……」
男「同級生も10回くらいはクリアしてるって言ってたし」
幼馴染み「……四人……さっきのさ」
男「うん?」
幼馴染み「同級生とバトルする前も、あったよね」
男「……ちゃんと、四人氏にました……?」
男「いや、でもあれは……四天王の事、だろ?」
幼馴染み「全員氏んでなかったら、やりなおし……でも、さ」
幼馴染み「四天王、全員倒さないと……魔王城には行けないよ?」
男「ん?」
幼馴染み「あのイベント無視できないもん」
男「あ……え!?そうだっけ?」

199: 2013/03/21(木) 03:02:17.64 ID:WzdmcwL/P
幼馴染み「うん。あのまま街出ようとしたら、仲間に止められる」
男「まじで!?」
幼馴染み「もう少し、街の中探そうって」
男「……選択次第で、三人で魔王城に……ああ、駄目か」
男「戦士との掛け合いでは、選択出来なかったな」
幼馴染み「……何で、アンタのだけ……あんなエンディングだったんだろう」
男「イケメンと委員長のがどうなってるかはわかんないけどな」
幼馴染み「そっか……でも……」
男「同級生が手を加えた、んだろう」
幼馴染み「え?でもあいつが作ったんじゃないっていってたじゃん」
男「あのゲームの仕組みそのものがわかんねぇし、同級生の言葉を何処まで」
男「信じて良いかわかんねぇけど……四天王のあの三人を、先生にしたのは」
男「自分だって言ってたぜ」
男「データがあって、知識があれば……中身に手を加えることは出来るんだろうし」
男「実際、ROMにして配ってるじゃん、あいつ」
幼馴染み「あ……」
男「手の込んだ悪戯だよな……パッケージまでつくってさ」
男「俺に貸したのは偶然だとか言ってたけど……嘘吐け、ってんだ」
幼馴染み「……直接聞くしかない、のかなぁ」
男「流石に今日は遅いからな……明日でも電話してみるさ」
幼馴染み「うん……」
男「……もう、やるなよ。イケメンにもそう言っとけよ」
幼馴染み「そうだね……」
男「……四人」
幼馴染み「ん?」
男「何で四人……なんだろうな」
幼馴染み「戦士が必ず……氏ぬんだよね」
男「ストーリー的にはそうなるわな」
幼馴染み「………!違う!」
男「うわびっくりした……なんだよ!?」

200: 2013/03/21(木) 03:09:42.99 ID:WzdmcwL/P
幼馴染み「イケメンだったじゃん!」
男「は!?」
幼馴染み「アンタの、戦士の!」
男「あ……ッ」
幼馴染み「四人目は……イケメン!?」
男「い、いや、でも……!」
男「お前のは違ったんだろ!?俺のだけイケメンのグラにしたって」
男「何の意味が……!」
幼馴染み「で、でも……!」
男「もし、もし、だ!」
男「ゲームの世界に潜って、全員を倒して、それで現実世界で」
男「そいつらが氏ぬとしても、だ!」
男「……俺は、火村までしか倒してない!」
幼馴染み「あ……」
男「いや、そりゃ先生達が氏んで良い分けじゃないけど!」
男「……俺も、もうやる気ねぇよ……」
幼馴染み「う……ん……」
男「……水川が氏んだのだって、偶然さ」
男「明後日学校行けば、松風だってちゃんと来てるよ」
男「……心配すんな、って」
幼馴染み「そう……だよ、ね……」
男「取りあえず、同級生には明日連絡するから……まあ、電話出れば、だけど」
男「お前も……あんまりウロウロすんな。な?」
男「送っていくから……帰れよ、今日は」
幼馴染み「うん……良いよ、家そこだし」
男「送るって……委員長の話も聞いたし……もし、なんかあったら怖いよ」
幼馴染み「ん……わ、もう……4時じゃん……」
幼馴染み「ごめん……」
男「良いって……んじゃ……」

prrrrrr♪

男「!」
幼馴染み「!」

201: 2013/03/21(木) 03:11:55.84 ID:WzdmcwL/P
限界……orz

おやすみなさぁい……

206: 2013/03/21(木) 14:29:49.35 ID:WzdmcwL/P
幼馴染み「……はい?あ、うん……何……」
男(びっくりしたぁ……こんな時間に……)
幼馴染み「え、え……!?」ガシャン
男「! おい、電話落ちたぞ……」
幼馴染み「………ッ」ブルブル
男「……!? おい、幼馴染み!」
『……し、 もし……!?』
男「おい……!!出るぞ!?」
幼馴染み「………ッ」ギュッ
男「……もしもし?」ナデナデ
『え!?誰!?』
男「あー……えーっと……男、って言うけど……」
『男君!?なんで、幼馴染みと一緒に……』
男「ん?えっと、御免、誰?」
『同じクラスの……Bだよ。何で……?あ、それより、幼馴染みは!?』
男「あー、いや、家近いから……その、コンビニで偶然会ってさ」
男「時間も時間だし、一緒に帰ってたんだわ」
男(……それで良いよな?)
幼馴染み「………」
『ああ、そうなんだ……』
男「で、どうしたんだよ?幼馴染み……急に電話落としたから、さ」
『………松風先生さ、氏んだ……んだって』
男「!!」
男(そりゃ……ショック受けるのも無理ないか……)
『それが……その。イケメンと一緒に居たらしくて……』
男「え!?」
『幼馴染み、付き合ってたじゃん?』
男「あー……」

207: 2013/03/21(木) 14:38:33.47 ID:WzdmcwL/P
男「誰に聞いたの?てか……確かなのか?」
『……見ちゃったんだもん』
男「見た?」
『二人が一緒にバーから出てくるの、さ』
男「お、おぉ……」
『で……着いてったら、急に悲鳴が聞こえてさ』
男「悲鳴?」
『そしたら、松風先生倒れてて……そんで』
『バタバタしてる内に、イケメン……警察に連れて行かれて……』
男「……わかった。取りあえず……幼馴染み、送っていくから」
男「一回、切って良いか?ここで……放っておくわけにもいかないしさ」
『あ……そっか、御免……てか、ありがと』
男「まあ……良いよ」
『落ち着いたら連絡してって言っておいて?』ぷつっ
男「……幼馴染み……大丈夫か?」
幼馴染み「い、イケメンが……やった、の……?警察って……」
男「いや……事情徴収か何かじゃないか?」
男「一緒に居た……んだろうから」
幼馴染み「………」
男「保護者連れ、とは言え……未成年がバーから出てきてるしな」
男「……いや、関係無いかもしれないけど」
幼馴染み「………」
男「取りあえず、送るから……帰れよ」
幼馴染み「……で、でも……!」
男「ここに居ても仕方ないだろ?」
幼馴染み「……うん、でも……怖い、よ……!」
男「後で……Bに連絡してやれよ?」

218: 2013/03/21(木) 23:54:14.68 ID:WzdmcwL/P
幼馴染み「………」
男「おい、聞いてるか?」
幼馴染み「ねえ、ここに居ても良い?」
男「は!?」
幼馴染み「ここじゃなくても良いけど……!」
男「幼馴染み……」
幼馴染み「怖い……私、怖いよ……!」ポロポロ
男「………」
男(そりゃ、そうだよなぁ……でも……)
幼馴染み「せめて、日が昇るまで……!」
幼馴染み「もう、やだぁ……ッ」
男「……うん」
幼馴染み「………」
男「でもとりあえず……ここはまずい、から」
幼馴染み「うん……」
男「駅前のファミレス行こう。24時間やってるだろ?」
幼馴染み「………」コクン
男「んで……Bに電話してみろ。落ち着いてからで良いから」
男「自分で聞いた方が、状況把握できるだろ?」
男「話は合わせろよ」
幼馴染み「……ん」
男(どうせ……俺も寝れないな)

……
………
…………

イラッシャイマセー
ガヤガヤ……

男「コーヒー二つ……で良いか?」
幼馴染み「うん……電話するね」ピッピッ…
男(見つからずに抜け出せたのは良かったけど……)
男(5時……もうすぐ、日の出か)

219: 2013/03/22(金) 00:00:19.80 ID:WzdmcwL/P
男(どうする……何時までもひっぱり回すわけにも行かないし……)
男(学校は休みだから良いけど……流石にちょっと……眠いな)
男(あれ……?あの、後ろ姿……)ガタッ
幼馴染み「男?」
男「あ、ああ……いや」
男(見間違いか?でも……あれ、うちの制服だよな……それに)
男(……長い、黒髪のポニーテール……委員長……?)
男「………」ストン
幼馴染み「どうしたのよ……」
男「いや……それより、Bなんて?」
幼馴染み「こっち来ても良いかって……良いって言っちゃったけど」
男「ああ、それは構わないけど……大丈夫なのか?」
幼馴染み「夜更かしは……慣れてるわよ」
男「それだけじゃないだろ」
男(あーぁ……化粧も取れてるし、目の下クマ出来てるし……)
男(俺も、似たような顔してるんだろうな)
幼馴染み「多分、20分ぐらいだって」
男「ああ……」

オマタセシマシター

男「……で、何だって?」
幼馴染み「人混みだったから詳しくはわかんないみたいだけど」
幼馴染み「急に、先生……倒れて、血が……それで……」
男「悲鳴?」
幼馴染み「うん。二人でバーから出てきたとこ、見てる人もいたみたい」
男「………」
幼馴染み「イケメン、逃げ出したんだって」
男「え?」

220: 2013/03/22(金) 00:05:06.36 ID:+qlcCGAmP
幼馴染み「それで……周りの人に、取り押さえられて……」
男「ああ……それで、警察に連れて行かれたのか」
幼馴染み「ビックリした、んだろうけど……さ」
幼馴染み「置いて……逃げちゃ駄目、だよね」
男「まあ……そりゃ、驚くだろうけど、な」
幼馴染み「ほんと……あいつ、サイテー」
男「でも……好きなんだろ?」
幼馴染み「………」
男「………」
B「幼馴染み!」タタタ
幼馴染み「あ……」
男「おはよ……大丈夫?」
B「男君、おはよ……あの、ありがとう」
男「ん?」
B「幼馴染みと……居てくれて」
男「ああ……大丈夫だよ。流石にほっとけないしさ」
男「まあ、座って……コーヒーで良い?」
B「うん」
男「大体の話は聞いたけど……」
B「多分、だよ……見てた感じと、周りの人達が話してたの、聞いただけだし」
B「でも……」
男「ん?」
B「……正直、さ。イケメンって、幼馴染みの彼氏だけど……あんまり良い印象無いから」
B「ごめんね、幼馴染み……これで、なんて言うか」
B「あいつも……ちょっとは大人しくなってくれれば、良いんだけど」
男「それなんだけどさ……」
幼馴染み「………」

221: 2013/03/22(金) 00:12:41.77 ID:+qlcCGAmP
男「俺ら、てか……俺だけかもしれんけど」
男「イケメンって、そんな風に見えなかったんだよね」
B「まあ、なんだろ……外面良いし、って感じ?」
男「あー…」
B「幼馴染みの前でこんな事言うのもアレだけどさ」
B「学校以外では、結構夜とか……違う女と歩いてるのとか、見たし」
幼馴染み「私も……色々言われたんだ。やめとけとか……」
男(うーん……俺、幼馴染みの事……ビッチとか思ってたけど)
男(本当は違ったのかな……人を見かけで判断するのは……良くないな)
男(イケメンが本当に……良い例、だ)
幼馴染み「校内では……流石に他には手出してないと思ってた、し」
男「でも……松風……」
B「あの女は結構、生徒食ってるって噂だよ」
男「……まじ!?」
男(『売女。いい気味』……うーん……でも、だからって)
男(殺されて……氏んで、良いわけじゃない)
B「あ、それと……さっき、委員長……見たよ」
幼馴染み「え!?」
男「え!? ……見間違いじゃなかったのか!?」
幼馴染み「男?」
男「いや……さっき、ちらっと……似てる人が居て」
男「うちの制服だったと思ったから……でも、時間が時間だし」
B「制服……だったよ、委員長」
B「……何、なんで?」
男「いや……あ、でも、今日休みじゃん、学校」
幼馴染み「あの糞眼鏡、イケメン探してたんじゃ……」
B「糞眼鏡?」
男「……イケメンのストーカー、だったんだろ?」
B「ええ!?あの子が!?」
幼馴染み「………」
男「なんだ、お前……話してなかったの?」
B「そ、そうだよ、幼馴染み!」

222: 2013/03/22(金) 00:21:12.32 ID:+qlcCGAmP
幼馴染み「や、御免……でも、最近急に、なのよ……本当に」
幼馴染み「別に仲良いわけじゃないし……私も、さ」
幼馴染み「最初は確証もなかったし」
男「でも、こんな時間に制服は……目立つよな」
男(やっぱりあれ、委員長か?)
B「あんま深く考えなかったけど……そっか、こんな時間に制服っておかしいよね」
男「眠いと頭、まわんねーな……」
B「あんなこと、あった後だしね」
男「取りあえず、一回家に帰ろうぜ」
男「送ってくよ、二人とも……何かあったら……アレだし」
B「え、でも……」
男「ここで顔つき合わせてたって……なんもわかんないだろ?」
男(まさか、Bにゲームの事話す訳にもいかないしな)
幼馴染み「B……うち、来てくれない?」
B「え?別に良いけど」
幼馴染み「一人で……いたくない」
男「そうだな……俺からも、頼む。幼馴染み見ててやってくれ」
B「ん……わかった。そうだね」
男「幼馴染みの家まで送るよ。方向一緒だし……てか、近所だし」
男「俺も……一回寝るわ」
男(寝れるかわかんないけどな……)
男(ちょっと頭すっきりさせてから……同級生に電話しないと)
幼馴染み「ごめんね、B……男も」
男「気にすんな」
B「大丈夫だよ」
男「何かあったら連絡くれよ?」
幼馴染み「うん」
男「多分、情報網的に……お前らの方がなんだかんだ、知る事あるだろ」
B「イケメン……大丈夫なのかな」
男「別に……あいつが犯人な訳じゃないんだろ?」
男「まあ……逃げるのはどうかと思うけど」

224: 2013/03/22(金) 00:28:50.28 ID:+qlcCGAmP
幼馴染み「うん……」
男「良し……行こうか。ちゃんと寝ろよ? ……酷い顔してるよ」
幼馴染み「わ、悪かったわね!」ムッ
男「怒る元気がありゃ大丈夫だな」ハハ

……
………
…………

男「ちゃんと鍵閉めろよ」パタン
男(良し……Bがいてくれりゃ、幼馴染みも安心だろうし)スタスタ
男(俺も一回寝るかな……ん?)
男(玄関の前に、誰か居る……! ……委員長……!?)
委員長「あ……良かった。男君」ニコ……
男「あ、お、おはよう……委員長……どう、したの……?」
男(な、んで……!)
男「まだ、7時前だよ?てか……良く、俺の家知ってたね…?」
男(委員長も……酷い顔してるな……てか)
男(よく見ると……髪、ぼさぼさじゃないか……)
委員長「連絡網……住所ものってるわ」ニィ
男(……! 目が、笑ってないよ……ッ)ゾク……
男(ストーカーだとかの話、聞いたから……だろうけど)
男(こえぇよ……目の下、クマ出来てるし……ん?)
男(クマ……)
委員長「男君こそ、どこ行ってたの?こんな時間に」
男「え?ああ……ちょっと友達とファミレスにね」
男(……寝てない、帰ってない、のか?)
男(体調不良ってのも……何処まで信じて良いやら……)

225: 2013/03/22(金) 00:35:33.29 ID:+qlcCGAmP
委員長「私も、行きたいな」
男「へ?」
委員長「ファミレス」
男「あ、えっと……?」
委員長「話したい事があるの。聞きたい事も」
男「……家、帰らなくて良いの?体調……悪かったんだよね?」
委員長「大丈夫。もう元気になったわ……回復、してもらったもの」
男「回復?」
委員長「ええ……それに、私強いのよ?」
男「え……っと?」
委員長「立ち話は……疲れるわ。行きましょう?」ガシ
男「え」
男(ええええええええええ!?)
男(喜びたくない、てか喜べない! ……これ、本当に委員長、か!?)
男(……でも、逆らうのも怖い……ッ)
委員長「男君、……クリア、した?」スタスタ
男「え? クリアって……ど、同級生に、借りた奴?」
委員長「そう……私、待ってたの」
男「な……何を?」
委員長「………」ピタ
男「わ……ッ な、何、どうしたの……」
委員長「待ってたの」チラ
男(神様、居るなら助けてください今すぐに!)
委員長「後、二人。四人氏ななきゃ、やり直し」ニィ

236: 2013/03/22(金) 14:13:22.36 ID:+qlcCGAmP
男「い……いん、ちょ……」
委員長「水川は氏んでミズチになった」
委員長「知ってる?どうやって氏んだか」
男「………ッ」
委員長「学校の裏手の、神社の池に浮かんでた」
委員長「おかしいよね、水の魔法使うのに、あの人、泳げなかった」
委員長「突き落としたら、沈んで浮かんだ……ふふッ」
男「委員長!」
委員長「松風……売女は串刺し。いい気味」
委員長「あっけなかったわ。包丁で刺したら、血が噴き出した」
男「委員長!!」
委員長「浮かれて、空なんて飛ぶから、射貫かれる」
男(委員長がやったのか!?でも……!?)
男(本当に刺したなら、返り血……でも、委員長は……)ちら
委員長「火遊びはほどほどに」
男「火村、先生……!?委員長、火村まで……!?」
委員長「トカゲはトカゲらしく、丸焼きにでもされていれば良いのよ」
男「………ッ委員長、やめるんだ!」
男「行こう、委員長?な?」
委員長「ええ、ファミレス?」
男「……あ、ああ……そう、だね」
男(何とか、警察に……!)

prrrrr♪

男「!」ビクッ
委員長「はい……ああ、ええ、大丈夫……」
委員長「すぐに、行くわ?」スタスタ
男「ちょ、ちょっと待って、委員長……!」ガシッ

バシィン!

男「痛……ッ」

237: 2013/03/22(金) 14:25:45.22 ID:+qlcCGAmP
男(なん……ッ 鞄、か……ッ)ドタッ
委員長「行かなきゃ。男君、私、行かなきゃ」スタスタ
男「委員長!」
男(くそ、足……震えて……ッ)
委員長「後、二人……男君、また学校で」フラフラ……タタタ
男「委員長!」ガバッ ……ドタ!
男(……走れねぇ……ッ立て、俺……ッ)ググッ
男(委員長はどっちに……!)
男「……委員長!待って!」タタッ
男「………ッ」キョロ……
男(どっち行った……!?女の子の足じゃ……そんなに遠くには……!)
男(……居ない……何で……!)
男(……委員長……!)ピッ
『おかけになった電話は……』
男(くそ……ッ 委員長が、犯人!?でも……!)
男(……返り血なんて、ついてなかったぞ……?)
男(制服でフラフラしてりゃ目立つはずだ。Bが見てたんなら……)
男(すぐ解るはず……!!)
男「くそ……ッ警察に……!」ピッ
男(いや……駄目だ、証拠もないのに……!)
男(……同級生!)ピッピッ
『prrrrr……prrrrrr……』
男(出ない……)
男「……幼馴染み達は、寝てる、よな」
男(くそ……どうしたら、良い……!?)
男「『トカゲはトカゲらしく丸焼き』……」
男(次は……間違い無く、火村を狙う……!?)
男「! ……そうか、今日……ッ」
男(臨時休校だろうけど、先生達は、多分……!)ダッ

257: 2013/03/23(土) 16:57:15.37 ID:iej8oH+PP
……
………
…………

母「ちょっと、男!どこ行ってたの!?」
男「あ……ご、ごめん、ちょっと……」
母「ちょっとじゃないわよ!テレビ見てみなさい!凄い騒ぎなのに、アンタは……!」
男「ニュース……やってた?」
母「どの局かけてもそのニュースばっかりよ!……ああ、もう!」
母「あんまり……心配かけないでちょうだいよ!?」
男「あ……うん、ごめんね」
男(流石に……大騒ぎだな。報道陣の数も凄かったしな)
母「今日は休みなんでしょ?」
男「ああ……水川先生の、あれでね」
母「松風先生って……アンタ習ったことあったっけ」
男「松風先生は保険医だよ」
母「ああ……そうなの……生徒と一緒に居たんですって!」
男「ん? ああ、そう……なんだ」
男(『同校の男子生徒A』……そうか、イケメンは名前は出ないんだな)
男(腹を刺されて出血多量で氏亡、か……イケメンの話はあんまりやってないのかな)
男(水川は……どうだったんだろう)
男「母さん、水川先生の事、何か言ってた?」
母「え?ああ……神社の池で……溺氏、よね」
男「!」
男(まさか……本当に、委員長……が……!?)
母「……どうしたの、男?」
男「あ、いや……」

258: 2013/03/23(土) 17:03:27.63 ID:iej8oH+PP
母「水川先生ってあんたの数学の先生でしょ?」
男「あ、ああ……そうだよ」
母「事故だか自殺だか……」
男「他殺、って線は?」
母「そういうのは今から調べるんだろうけど……本当、嫌ね……」
母「男、転校も考えた方が良いわね」
男「……転校!?」
母「そりゃそうよ、アンタ……!高校の先生が二人も続けて氏んでるのよ!?」
母「しかも、一人は確実に殺されてるんだし……!」
母「……親の身にもなって考えてみなさいよ」
男「………」
男(そりゃ……そう、だよな)
男(後半年もすりゃ、卒業とは言え……)
母「もう、今日は大人しくしててよ? ……出かけないでね」
母「父さんにも早めに帰ってくるようにメールしておいたし」
男「あ、ああ……」
母「で、アンタ……朝ご飯食べるの?」
男「今、何時?」
母「8時前よ、まだ……どこ行ってたんだか知らないけど」
母「当分、夜は外出しないでちょうだいよ?」
男「……う、ん」
男(昨日、幼馴染みが来てたのは……ばれてないみたいだな)
母「寝てないんでしょ……ちょっと寝てきたら」
男「え……ああ、うん、そうだね」
母「お昼出来たら起こしてあげるわ」
男「ん……」

259: 2013/03/23(土) 17:06:55.42 ID:iej8oH+PP
男(もっとヒステリックに怒られるかと思ったら……)
男(そりゃ、息子の学校の先生が二人も続いて氏んだりしてたら)
男(心配が勝つ……よな、そりゃ……)
男(良いんだか、悪いんだか……否、良い、んだよな)
男(……ニュース、漁るのは後にして……マジで、少し寝よう)
男(どうしようもない。どうしようもないんだ……)
男(本当に、委員長が犯人でも……!)
男(火村が、殺されても……!)
男(俺に、力なんて無い)
男(俺は……勇者なんかじゃ、ない)
男(ただの、高校生。何処にでもいる、ただの)
男(……特別なんかじゃ、ないんだ)
男(もう……あのゲームはやらない。自分の身を……大事にしなきゃ)
男(母さん……心配かけて、ごめん……!)

264: 2013/03/23(土) 17:53:01.86 ID:iej8oH+PP
……
………
…………

prrrrr♪

男(んん……なんだよ……?)

prrrrr♪

男(……幼馴染み?)ピッ
男「はい……?」
『あ……ごめん、寝てた?』
男「ん……ああ、そうみたい……今何時だ?」
『11時半、ちょっと過ぎたぐらいかな』
男「そっか……どした?」
『ニュース、見た?』
男「帰って、ちょっとだけ……」
『男子高校生Aって多分、イケメン……だよね?』
男「だろうな。まあ……未成年だしな」
男「逃げたとは言え……別に犯人じゃないだろうし」
『うん……』
男「まあ……そりゃ、心配だよな……」
『色々考えたりしてたんだけどさ……一人じゃ、良くわかんなくて』
『元気なら会えない?』
男「……ん~」
『…………』
男「あ、いや……嫌とかじゃないんだけどな」
男「母さんがなぁ……もう出るなって」
『え……ばれた?』
男「あ、違う違う。それは大丈夫みたいだけど」
『そっか』
男「流石に、さ。こんな状態だから……心配させたみたいだし」
『帰ったら起きてたんだ、おばさん』
男「あー……まぁ」
男(……委員長の事、言うべき、だよな……?)
男(でも……)

265: 2013/03/23(土) 17:59:03.61 ID:iej8oH+PP
男「Bは?」
『帰ったよ……親が心配……するだろう、し』
男「そりゃまあ……何処も一緒だよな」
『そだね……私も出るなって言われたけど』
『……でも!』
男「……なあ、幼馴染み」
『ん?』
男「俺たちに……出来る事は、多分無いよ」
『男……?』
男「俺も、色々考えたけど……」
『男!』
男「いや、そりゃお前はイケメンのことが心配だろうけどさ!」
男「たかが……ガキの俺たちが、何が出来るんだよ……」
男「ゲームの中の主人公じゃないんだぜ、俺たち……」
『………』
男「ゲームの中で、先生達倒したからって……」
男(委員長が、頃した事が、本当だとしても……!)
『同級生には、電話したの?』
男「え?いや……まだ……」
『……そう』
男「……幼馴染み?」
『あいつの電話番号、教えてよ』
男「え?」
『アンタは寝てなさいよ。私は……私が、同級生に聞くわよ!』
男「お、おい、幼馴染み?」
『怖いなら、ずっとそうやってたら良いじゃない!』
『私は……放っておけないの!最低な奴でも……!』
『イケメン、助けてやんなきゃ……!』
『火村の次は……イケメンかもしれないじゃん!』
『殺されて、良い筈無いでしょ!?火村も、イケメンも!』
男「幼馴染み……」

266: 2013/03/23(土) 18:10:52.39 ID:iej8oH+PP
『………ッ』
男(……泣いてる、のか)
男(氏んで良い筈無い……か)
男(そう、だよな……)
男(……そう、だよな)
男「俺たちに……出来る事は少ないぞ?」
『解ってるわよ、でも、だからって……!』
男「聞けって。取りあえず、同級生を締め上げてあのゲームの謎を探るぐらいだ」
男「……イケメンの危険を少し取り除く位にしかならないかもしれないけど」
『男……!』
男「取りあえず、俺……飯食ってシャワー浴びるわ。目、覚ますよ」
『うん……!』
男「しかしまぁ、電話で話し合う位しかないよな」
『………』
男「幼馴染み?」
『ううん、何でも無い……大丈夫、何とかする』
男「は!?」
『変な事はしないわよ。取りあえず、アンタは頭すっきりさせて来てよ』
男「お、おぅ……」
男(何か……変な事企んでるんじゃないだろうな?)
『私も準備するわ』
男「あー、取りあえず風呂上がったら電話するよ」
『うん。じゃあ後で!』ぷつッ
男「何なんだ、あいつ……」
男(取りあえず……飯までネットでもしよう)ウゥィイイン
男(ニュース速報で良いか……うわ!)カチカチ
男(凄いスレッド数だな……更新、と)カチ
男(ん……?これだけ、やたら早いな……)カチ
男(『あと二人、四人氏ななきゃやり直し』……!?これ……!)カチ!

280: 2013/03/24(日) 05:32:38.51 ID:Thjftmu6P
1:AM8:09

あと二人。四人氏んだらやり直し

水蛇は泳げず、沈んで浮いた
売女は串刺し。浮かれて飛ぶから射貫かれる
トカゲはトカゲらしく、焼かれておしまい

選択肢を間違えなければ良かっただけ

裏切り者には罰を

2:AM8:13

        ____
        /     \
     /   ⌒  ⌒ \   何言ってんだこいつ
   /    (●)  (●) \
    |   、" ゙)(__人__)"  )    ___________
   \      。` ⌒゚:j´ ,/ j゙~~| | |             |
__/          \  |__| | |             |
| | /   ,              \n||  | |             |
| | /   /         r.  ( こ) | |             |
| | | ⌒ ーnnn        |\ (⊆ソ .|_|___________|
 ̄ \__、("二) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l二二l二二  _|_|__|_

3:AM8:14

はいはい

4:AM8:17

通報しました

……
………
…………

男(これ……!)

コンコン

母「男、お昼ご飯できたわよ。起きなさい?」
男「お、おう!」カチ
男(………ッ)カチカチッ

282: 2013/03/24(日) 05:43:36.10 ID:Thjftmu6P
25:AM8:29

あの人は悪くない
悪いのは大人達と、裏切り者だけ

37:AM8:45

大丈夫、私は強い

45:AM9:02

こいつ頭大丈夫?

46:AM9:04

ただの構ってちゃんだろ、ほっとけよ

……
………
…………

男(これ、まさか……委員長!?)
男(でも……!俺が聞いたのと、似てる……!)カチカチッ
男(最後のレスは……これか)

167:AM11:15

お前らニュース見ろ!

168:AM11:28

おいこれまじでやばいんじゃね?

……
………
…………

男(ニュース!?まさか、また何か……!?)カチッ
母「男ー!」
男「あ、す、すぐ行く!」
男(テレビ……!)ガバッ ダダダダ……ッ

283: 2013/03/24(日) 05:55:15.18 ID:Thjftmu6P
母「おはよう……ッ ちょっと、男!?」
男「ああ、飯は食うよ!ニュース!」ピッ

『先日、水氏体で発見された男性教諭の体内から、多量の睡眠薬が検出され……』
『アルコールも摂取していたとみられ……』
『自殺事故、他殺の判定を急ぎ……』

母「ええ…!?」
男「………」ぴっぴっ
母「あ、ちょっと男!」
男「チャンネル変えるだけだって!」
母「何処の局でも一緒でしょうに……」

『殺害された女性教諭は同校男子生徒Aとバーで酒を飲んでおり……』
『目撃情報などから、犯人の特定を急いでいます……』
『なお、同校男子生徒は、事件との関係はなく……』

ピッピッ

『連続殺人事件の疑いが……』
『女性教諭は普段から素行が問題視……』
『男性教諭は真面目で……』

母「本当に、引っ越し考えようかしら……」
男「母さん、他に何か……言ってなかった?」
母「そんなすぐに解明されないでしょ。ああ、でも一緒に居た男の子?は」
母「もう帰されたらしいわよ」
男「え、そうなの?」
母「ええ、まあ……殺された先生とお酒飲んだり、煙草吸ったりとか……」
母「そういうのはあったみたいだけど」
母「事件には関係無いって判断されたみたいね」
男「………」
母「食べちゃいなさいってば」
男「あ、うん御免……いただきます」パク
母「はい、お茶。まあ、こっぴどくしかられたでしょうけどね」
母「災難には違い無いけど自業自得よねぇ。親はたまったもんじゃないわよ……」ハァ

284: 2013/03/24(日) 06:05:37.75 ID:Thjftmu6P
男(イケメン……流石に家に居るよな)
男(あとで電話……いや、しかし……幼馴染みが連絡してる、かな)
男(今のところ……火村先生は無事、なのかなぁ……)
男(学校にいるんだろうし……安全だろうと思うけど……)
男(もし、委員長が犯人でも……学校には入れないだろうし)
男(……もっと詳しいニュースやってないのかよ)ピッピッ

『では、一連の事件の概要を見直します……』

男(お……)
母「食べたらシャワー浴びてきたら?」
男「待って……これ見せて」

『男性教諭は先日未明、件の学校裏手の神社の池で発見されました』
『氏亡推定時刻は、午前三時から四時の間とされ……』
『解剖の結果、胃の中から大量の睡眠薬とアルコールが検出されています』
『同教諭は、普段から酒を摂取する機会が多く、関係者に不眠症状を訴えており』
『事故自殺、他殺の多方面から捜査を……』

母「でもあの神社の池って、柵があったわよねぇ?」
男「うん……乗り越え無いと入れなかった筈」
母「お酒って怖いわね……ま、事故だとすれば、だけど」
男「自頃しそうなタイプには見えないけどな、あいつ」
母「先生にあいつとか言わないの!」

『女性教諭の方ですが、聞き込みによると』
『私生活では随分と派手な女性であったようで、異性関係のトラブルなど……』
『当時、一緒に居たとみられる男子高校生とも、バーで酒を飲んでおり』
『教師としての倫理観も問われるところで……』

母「……学校側も、どうしてこんな先生雇ってたのかしらね」
男「さぁ、ね……」

285: 2013/03/24(日) 06:11:50.67 ID:Thjftmu6P
母「男、お風呂入りなさいって。どうせニュースなんて繰り返し同じ様な事やるわよ」
男「……うん。ごちそう様」
男(あとでネットで情報拾うか。幼馴染みにも連絡しないといけないしな)ガタ。スタスタスタ

『速報です!女性教諭を刺した人物ですが、10~20代の女性であったとの目撃情報が……!』

prrrrr♪

母「ええ…!?怨恨とかかしら……と、はいはい」ぴっ
『もしもし、男君のお宅ですか?』
母「はい、そうですけど?」

……
………
…………

男「ふぅ……さっぱり」ゴシゴシ
男(部屋戻って幼馴染みに連絡するか……でも、俺たちに出来る事なんてなぁ)
男(同級生……あいつ、電話でるのかな)カチャ
男「上がったよ……て」ギョッ
男「ええええええええええええええ!?なんでお前がここにいるんだよ!?」
幼馴染み「お邪魔してます」フフ
母「こら男!」
男「………お、おま……ッ」
幼馴染み「すみません、おばさん、無茶言って」
母「良いのよ、こんな時に家に一人でなんか居ちゃ駄目よ」
男「???」

286: 2013/03/24(日) 06:18:31.08 ID:Thjftmu6P
幼馴染み「今日、両親が夜仕事で二人とも居ないの」
幼馴染み「一人で居るの不安だから、泊めて貰えないかっておばさんに電話したのよ」
男「………」ポカーン
母「幼馴染みちゃんのお父さんもお母さんも、その方が良いって言ってたしね」
幼馴染み「本当にすみません」
母「気にしないの。家は今日はお父さんも早く帰ってくるし」
母「のんびりしててちょうだいね?」
幼馴染み「ありがとうございます」
男「お、まえ……」
幼馴染み「男君、ごめんね?」ニコ
男(何とかするって、これかよ!)
母「幼馴染みちゃん、お昼ご飯は?」
幼馴染み「あ、家で済ませてきました」
母「そう、じゃあちょっと私、買い物に行ってくるわね」
幼馴染み「はい、いってらっしゃい……あ、そうだ男君、パソコン貸してくれない?」
男「え?」
幼馴染み「化学のレポートまだ終わってないのよ」
母「ごめんねぇ、男の部屋汚いけど……じゃあいってくるわね」
母「男、ちゃんと鍵かけといてよ。すぐ帰るから」
男「あ、え……お、う……ええ!?」
母「何よ」
男「いや、こんな時に出て大丈夫?」
母「そこのスーパー行くだけよ。あんた達は外出ちゃ駄目よ!」
幼馴染み「はい」

287: 2013/03/24(日) 06:22:25.30 ID:Thjftmu6P
母「じゃあ、いってきます」スタスタ
男「ちょ、母さん!」スタスタ
母「男」ヒソ
男「あぇ?」
母「幼馴染みちゃんに変な事しちゃ駄目よ!」ヒソヒソ
男「するかぼけえええええええ!」
母「母さんにぼけってなに!」ゴン!
男「……ッ いてぇ」
母「じゃあね」カチャ……パタン
男「………」スタスタ
幼馴染み「ほら、何とかなったでしょ」
男「ドヤ顔すんな……お前、無茶しないって……」
幼馴染み「ちゃんと両親に電話代わって貰ったもん」
男「……しかし、お前……」
幼馴染み「助けたいの」
男「イケメン、家に戻った……んだろ?」
幼馴染み「多分……」
男「連絡してないのか?」
幼馴染み「電話は繋がるんだけど……出ないのよ」
男「………」
幼馴染み「ほら、部屋行くわよ」
男「え?」
幼馴染み「ネットの方が、情報早いんでしょ、こういうの」

288: 2013/03/24(日) 06:30:26.83 ID:Thjftmu6P
……
………
…………

幼馴染み「まだー?」
男「起動してる間ぐらい待て……実は、さ」
幼馴染み「ん?」
男「お前とBを送った後……委員長に会った」
幼馴染み「え?」
男「正確には、家の前に居た」
幼馴染み「……嘘…ッ!?」
男「連絡網に住所のってた、てさ」
幼馴染み「……な、んなの、あいつ……!」
男「信じてなかった訳じゃないけど……ストーカーって、のは」
男「怖い、な」
幼馴染み「糞眼鏡、何だったの?」
男「話したい事と聞きたい事があるから、ファミレス行こうって」
男「連れてかれそうになったんだけど……電話掛かってきて」
幼馴染み「糞眼鏡に?」
男「ああ。んで……止める間も無く行っちまった」
幼馴染み「………」
男「……委員長、おかしかった」
幼馴染み「ストーカーがまともなわけないじゃん」
男「いや、そうなんだけど、そう言う意味じゃなくてな」
男「……制服着て、髪ぼさぼさだったし、目の下クマすごかったし」
幼馴染み「……あいつ、何時も格好は綺麗にしてたよね」
男「うん……いかにも真面目、って感じだよな」
幼馴染み「クマ……寝てない、のかな?」
男「だろうなぁ……イケメン探して歩いてた、とか?」
幼馴染み「……制服だったら目立つでしょ」
男「けど、ファミレスに居るときに……見たのも制服だったぞ」
幼馴染み「Bもそんな事言ってたね」
男「……『あと二人。四人氏ななきゃやり直し』」

289: 2013/03/24(日) 06:36:46.34 ID:Thjftmu6P
幼馴染み「え?」
男「委員長が言ってた。それと……ずっと待ってた、て」
幼馴染み「待ってた……?」
男「……俺たちが昨日立てた仮説……覚えてるだろ。ゲームの中で倒したら」
幼馴染み「!」
男「クリアしたのか、って聞かれたんだ」
幼馴染み「………そ、ん……でも!」
男「後……トカゲはトカゲらしく、丸焼きにでもされれば良いって」
幼馴染み「なに、それ……!」
男「多分、火村の事だろう……でも、さ」
男「こんだけ大騒ぎになってて、多分先生達は学校に居るだろ?」
男「もし、委員長が犯人だったとしても、だ」
男「……下手に手は出せないだろうし」
幼馴染み「け、警察!警察にいわなきゃ!」
男「証拠は? ……ゲームの話しても、信じてなんてくれねぇぞ」
幼馴染み「で、でも……!」
男「まあ、待て、んでだな……」カチカチ
男「これ、見てみ」
幼馴染み「何これ……ニュース? ……!」
幼馴染み「な、にこ……れ!」
男「俺が聞いたのにそっくりなんだ……書き込み、増えてるな」カチ
幼馴染み「『あと二人。四人氏ななきゃやり直し』……これ!」
男「……俺とお前は、俺のあのゲームの画面で見たよな?」
幼馴染み「で、でも……!私のにはこんなの出てこなかったよ!」
男「委員長のは……俺のと同じなのかもな」
幼馴染み「どういうこと……?」
男「とりあえず……先見てって。俺も飯食う前に見ただけだし」

290: 2013/03/24(日) 06:50:16.46 ID:Thjftmu6P
298:PM12:11

男性教諭って溺氏?
殺されたの?

299:PM12:15

女性教諭と男子生徒の関係の方が気になる
けしからん

300:PM12:18

女性教諭の見た目による

男「ニュースで見た以上の情報はないかな……」カチ
幼馴染み「変な書き込みもないね……推測とか、ばっか」
男「まあ、なぁ……」カチ

315:PM12:35

連続殺人じゃねーの?
>>1が犯人でFA

324:PM12:40

10~20代の女が刺したらしいじゃん
女は怖い。やっぱ男が良い

331:PM12:43

>>324
┌(┌ ^o^)┐ホ〇ォ

335:PM12:49

ビッチに天罰!

男「水川の氏因とか……ニュースで聞くまで知らなかったのに」
男「委員長は……知ってた」
幼馴染み「………」カチ
男「突き落としたら、沈んで浮かんだ、てな」
幼馴染み「松風先生は?」
男「売女は串刺し……浮かんで飛ぶから射貫かれる?だったかな」
幼馴染み「書いてあったのと一緒か」
男「ああ……火村は、焼き頃すつもりだったのかな」
幼馴染み「ねえ、やっぱ警察……あ!」カチ
男「ん?」
幼馴染み「これ、見て!」

291: 2013/03/24(日) 06:59:02.16 ID:Thjftmu6P
339:PM1:00

学校であいましょう
選択肢を間違えないように?

男「………!」
幼馴染み「これ……糞眼鏡!」
男「いや、ちょっと待て……!」カチ
男(IDが一緒……書き込みは同じ奴か!)
男(しかし……!?)
幼馴染み「うわ、凄い書き込み増えてる……!」カチカチ
男「委員長とは限らないだろ!?それに……学校なんか、近づけないぞ!?」
幼馴染み「でもこれ……アンタのゲームのエンディングと一緒じゃん!」
男「ちょっと待てって! ……ええと、整理しよう、紙!」
幼馴染み「紙?」
男「書き出さないとややこしいんだよ!」
幼馴染み「ど、どこからよ」
男「ええと……ゲームを、同級生に借りた。今のところハッキリしてるのは?」
幼馴染み「私、男、イケメン……委員長の、4人」カキカキ
男「お前字、汚ぇな……」
幼馴染み「う、うるさいわね!手震えてるのよ!」
男「糞眼鏡って書くなよ、しかもひらがな……」
幼馴染み「良いから!次!」
男「う、うん……で、えーと」
幼馴染み「同級生が作った、か……弄った?」
男「ああ。少なくとも、お前と俺じゃ中身が違う」
幼馴染み「私のは普通にハッピーエンドで終わった……けど」
幼馴染み「男のは違ったのよね」
男「そうだ。ラスボスが同級生だった」
幼馴染み「で、戦士がイケメンだったんだっけ」
男「ああ……ユウシャでやった奴だけどな」

292: 2013/03/24(日) 07:07:00.78 ID:Thjftmu6P
幼馴染み「戦士は基本、裏切り者……」
男「選択肢によって、もう一人が魔法使いか僧侶が敵になったな」
幼馴染み「ラストは、勇者ともう一人が結婚しておしまい、と」
男「で……四天王が、先生三人と、裏切り者の戦士だ」
幼馴染み「……こんな感じかな」

ゲーム借りた人物

幼馴染み 男 イケメン くそめがね

ゲーム。仲間


勇:男 戦:イケメン 魔:幼 僧:めがね

勇:男 僧:めがね


四天王の戦士のグラがイケメン(ユウシャ)

ラスボス:同級生(ユウシャ)
戦うと強制ゲームオーバー
戦わないと僧侶を同級生に譲って終わり


勇:幼 戦:めがね 魔:イケメン 僧:男

勇:幼 魔:イケメン

四天王の戦士のグラ普通

ラスボス:魔王
倒して結婚しておしまい

四天王:水川(ミズチ)松風(フウチョウ)火村(?)戦士(魔or僧)

293: 2013/03/24(日) 07:16:10.87 ID:Thjftmu6P
男「ん……?」
幼馴染み「何?」
男「トカゲはトカゲらしく丸焼き……」
幼馴染み「火村の事でしょ?」
男「……委員長は、なんで火村がトカゲって思った、てか知ってるんだ?」
幼馴染み「え?」
男「水川と松風のグラが代わったのは確認した、けどさ」
男「氏んだから、と……ちょっとオカルトチックだけど、仮定してさ」
幼馴染み「うん」
男「……俺ら、あれからゲームやってないよな?」
幼馴染み「あ……!」
男「昨日お前とやった時は、火村はそのままだっただろ?」
幼馴染み「だから……まだ氏んでない、大丈夫って……そうだ、安心したんだ!」
男「なのに……委員長はトカゲって言い切った」
男「この……書き込みにも書いてある」
幼馴染み「適当、とかじゃ……無いよね?語呂合わせとか……」
男「語呂あってるか、それ……ていうか、さ」
幼馴染み「?」
男「火の属性の敵、とかって、結構サラマンダーとか出てくるんだよ」
幼馴染み「サラマンダー?」
男「火のトカゲ?」
幼馴染み「火の……とかげ……」
男「多分、ゲームを日常的にってか、良くやる奴だと」
男「連想するのは簡単だと思う、けど」
男「委員長がゲーム好きとは思えない……けど、これも思い込み、かなぁ」
幼馴染み「『待ってた。あと二人、四人氏ななきゃやり直し』……」
男「ん?」
幼馴染み「これってさ……ああ、仮定の話になっちゃうけど」
男「うん」
幼馴染み「4人……私達、4人全員が倒したら、氏ぬ、とか」
幼馴染み「グラフィックが代わる、とかだと……」
男「倒すのを……『待ってた』?」

294: 2013/03/24(日) 07:29:38.92 ID:Thjftmu6P
男「ちょっと強引だなぁ……仮に、四人倒したとしても」
男「どうやって判断するんだよ……」
幼馴染み「オカルト、だね……」
男「それに……まあ、どういうメンバーになってるか知らんけど」
男「裏切り者って、戦士の事だろ?」
男「俺とお前とだけでも違うぜ?」
幼馴染み「先生にだけ、当てはまる、とか?」
男「それだと……まあ、うん、でも……いや、おかしいって」
男「委員長はハッキリ『あと二人』って言ってるんだぜ?」
男「四天王の一人が戦士である以上、さっきも言ったけど」
男「『プレイヤー四人全員が倒したら』に当てはまらないだろ?」
男「俺の場合、イケメン。お前の場合、委員長」
幼馴染み「四人が……てか、『同じ敵』を『四回倒す』事にならないか」
男「うん」
幼馴染み「もーわかんなーい!」
男「……てか、現実とゲームとごっちゃにするからややこしくなるんだな」
男「俺もわからん……つか、これじゃ委員長が犯人って決めつけてるみたいだし」
幼馴染み「……でも、ゲームの考察するぐらいしか……あ!同級生に電話!」
男「今かけるか?」ピッ
幼馴染み「教えてくれる確証もないか……」
男「繋がるかどうかも問題だな……」prrrrr
男「………出ないな」ぴっ
幼馴染み「ん……」
幼馴染み「……ん?」
男「なんだよ」
幼馴染み「ちょっと待って……すっかり忘れてたけど」
男「ん?」
幼馴染み「糞眼鏡が犯人だと仮定して、よ?」
男「仮定ばっかだな」
幼馴染み「仕方ないでしょ……で、ね?」
幼馴染み「何で……先生頃す必要があるの?」
男「………ん?」
幼馴染み「松風は、さ……イケメンに手出してたのかもだけど」
幼馴染み「あいつの、糞眼鏡の頭がイカれてるとして、よ?」
幼馴染み「……一応、彼女なんだし。私を狙わない?」

295: 2013/03/24(日) 07:37:01.12 ID:Thjftmu6P
男「うーん……?」
男「あ、チョット待て!」カチカチ
男「『悪いのは大人達と裏切り者だけ』」
幼馴染み「『大丈夫、私は強い』……」
男「そういえば、委員長同じ事言ってたな」
幼馴染み「大人、って先生の事?」
男「あ、いや……私は強い、の方だけ」
幼馴染み「……ッ 勇者だから!?」
男「……お前、ゲームに潜ってる時さ」
男「混乱しなかった?どっちがどっちか……」
幼馴染み「あ……まあ、多少……」
男「委員長……多分、そんな感じなんだろうな。区別つかなくなってる」
幼馴染み「…………」
男「紙、貸して」
幼馴染み「?」
男「ゲームは、同級生が作った。もしくは手を加えた」
幼馴染み「うん」
男「何でゲームの中に入れるのかは置いておいて、だけど」
男「混乱する事に間違いは無い……洗脳、みたいな」
幼馴染み「……洗脳?」
男「もし、同級生が……あの三人の先生に、怨みがあるとして?」
男「プレイした人間が憎むように仕組まれてたら?」
幼馴染み「!」
幼馴染み「で、でも別に……ていうか」
幼馴染み「確かに、混乱はしたけど、だからって……殺さないよ!」
男「普通はな」
幼馴染み「?」
男「メンバーとストーリー考えろよ。もし……だけど」カキカキ

296: 2013/03/24(日) 07:40:54.30 ID:Thjftmu6P

勇:男 戦:イケメン 魔:幼 僧:委

勇:男 僧:委


勇:幼 戦:委 魔:イケメン 僧:男

勇:幼 魔:イケメン

イケメン
勇:イケメン 戦:男 魔or僧:幼or委

勇:イケメン 僧or魔


勇:委 戦:幼 魔or僧:イケメンor男

勇:委 僧or魔:イケメン

298: 2013/03/24(日) 07:49:28.90 ID:Thjftmu6P
男「こうとするだろ?」
幼馴染み「う、うん……」
男「……どこまで合ってるかわかんないけどさ」
男「戦士は、必ず同性と仮定して……俺の場合イケメンだな」
幼馴染み「私は糞眼鏡で、糞眼鏡は、私……」
男「で、お前言ってただろ。『男を背負うの嫌だった』」
幼馴染み「……何よ、根に持ってんの」
男「阿呆。違うわ! ……裏切り者二人の組み合わせ、だよ」
幼馴染み「あ、そうか……!委員長は絶対、イケメンと二人での旅になる!」
男「そういうこと」
男「委員長の魔法使いがイケメンだとしたら自分が背負うだろうし」
男「僧侶だったら、お前に魔法使いを背負わせる」
幼馴染み「………」
男「ゲームに潜ってる時に、二人パーティになったら」
男「……えOちなイベントとかあったんだろ」
幼馴染み「そう、で……最後は、結婚……」
男「ストーカーだった委員長が、現実とゲームの区別もつかなくなって」
男「どっぷりはまってたら?」
幼馴染み「……!! で、でも仮定の話……!」
男「勿論だ。都合良く解釈してるだけだし……」
幼馴染み「……先生の話は?」
幼馴染み「それに……この四人がメンバーとも限らないよ」
男「……まあな。強引過ぎるわな……」
幼馴染み「でも……だったら、あれは?」
男「『あと二人。四人氏ななきゃやり直し』?」
幼馴染み「うん。アンタと同じエンディングじゃなきゃ、あんなの出てこないじゃん」
男「それは……違うぜ?」

300: 2013/03/24(日) 08:05:04.28 ID:Thjftmu6P
幼馴染み「え?でも……」
男「『学校で会いましょう』……俺が初めてすぐに水川が氏んだから、今日は休みだけど」
男「お前が借りたのは二週間ぐらい前だろ?」
男「あー……また、仮定になるけど、委員長、お前、俺、イケメンの順に借りてたら」
男「毎日学校で、会う」
幼馴染み「……!」
男「委員長がゲームになれて無かったとしたら、同級生に聞きに行くだろう」
男「お前も聞いてただろ?」
幼馴染み「あ……ッ」
男「もし、洗脳……てか、マインドコントロールの目的があったとして、だけど」
男「学校で接触して、教えられれば……効果増大?」
幼馴染み「……で、でも……」
男「これも、もし……だ」
男「もし、同級生が委員長を好きなら?」
男「委員長が、イケメンを好きなことを知ってたら?」
男「選択肢を間違え無ければ良い……委員長は、イケメンと幸せになれる」
男「邪魔者は?」
幼馴染み「え……戦士と、もう一人……! 後、二人!」
男「火村はフェイクって事になる」
幼馴染み「委員長から見れば……私!?」
男「もし、メンバーの最後が俺と仮定すれば俺も、だけど」
男「そこはわかんねぇよな」
男「別に……二人、殺さないといけない理由だって無い」
男「ない、けど……」
幼馴染み「全部……推測、だもんね……」
男「それもある、けど……委員長、冷静な判断出来るとは思えねぇよ」
幼馴染み「でも、同級生がしくんだとしたって……!」
男「先生に怨みがあるって仮定も必要だよな」
幼馴染み「でも、さ……もし同級生が委員長を好きなら」
幼馴染「同級生から見れば、一番邪魔なのって……イケメンじゃない?」
男「……あ、そうか」

302: 2013/03/24(日) 08:13:07.92 ID:Thjftmu6P
幼馴染み「それに……アンタのゲームの戦士のグラを」
幼馴染み「イケメンにした理由だって……そう言う事、て考えれば」
男「うーん……そう、だよなぁ……」
幼馴染み「……ねぇ」
男「ん?」
幼馴染み「ゲーム、やってみてよ。勇者男、で」
男「はぁ!?」
幼馴染み「クリアしてないんでしょ?」
男「や、そりゃそうだけど……!」
幼馴染み「……なんか、ヒントあるかもしれないじゃん」
男「………」
幼馴染み「ちゃんと、見ててあげるから」
男「………」
幼馴染み「そりゃ、嫌なら仕方ないけど……」
男「ん……嫌、ていうか……怖い?のもあるけど……」
幼馴染み「ん……」
男「……先に、もっかいさっきの掲示板見てくれ」
幼馴染み「え?」
男「最後は『学校であいましょう。選択肢を間違えるな』だっけ?」
幼馴染み「あー、そんなんだったっけね」
男「俺たちに対するヒント……いや、んな訳ねぇか」
幼馴染み「……委員長が、ヒント?」
男「あの書き込みのIDは全部一緒だったけど……委員長が書いてるとは」
男「限らないぞ。同級生だったら?」
幼馴染み「あ……!」カチカチ
男「………」
幼馴染み「でも……なんで?そんな事する理由は?」
男「う……」
幼馴染み「他にゲームやってる人が居たとして、悪戯してる可能性だって……」
男「うぅ……そ、そうか」
幼馴染み「……別に、それっぽいのもないね」

303: 2013/03/24(日) 08:20:24.84 ID:Thjftmu6P
男「うーん……」
幼馴染み「もし、さっきのが同級生からの学校への呼び出しだったとしても」
幼馴染み「今日は流石に……二人揃って出て行けないでしょ」
男「……だよなぁ」
幼馴染み「それに、学校は当分休みでしょ?」
男「だよなぁ……」
幼馴染み「……やっぱ、嫌?」
男「……やってみるよ」
男「取りあえず、仮説バッか立ててても仕方ないし」
男「……その前にもう一回電話してみるか」prrrrr
幼馴染み「私もイケメンに電話してみる」prrrr
男(出ない……コールはなるのにな)
男(委員長にもかけてみるか)ぴっ
幼馴染み「イケメンには繋がらないな……」
男「流石に家にいるだろ……」
『おかけになった電話番号は……』
男「駄目か……委員長は電源切ってるな」
幼馴染み「良し」ウィイイイン
男「ちょ、お前勝手に……!」

NOW LOADING……

1.勇者 男    Lv.31 大きな街 22:14
2.勇者 ユウシャ Lv.14 次の街 6:28
3.勇者 ユウシャ Lv.24 大陸の街 9:49

幼馴染み「はい」
男「問答無用だな……」
幼馴染み「おばさんには何とか誤魔化すから」
男「こまめにセーブして戻ってくるさ」
幼馴染み「ん」

ぴっ

304: 2013/03/24(日) 08:34:25.93 ID:Thjftmu6P
……
………
…………

男「……ん」
委員長「男さん、男さん?」
男「うおわッ!?」
委員長「あ、ごめんなさい……随分熱心にお祈りしてたから」
男(あ……そうか、もうゲームの中だ、これ……)
委員長「さあ、二人を探しに行きましょうか」
男(えーと、ああ、そうだ……火村倒して、そんで……)
男(イケメンと幼馴染みが居なくなったんだったな)
男「ああ……そうだね。心当たりとか、ある?」
委員長「いいえ……すみません」
男「そりゃそうだよね……ごめん。行こうか」
男(なんか……すげぇ変な感じだなぁ……)
男(確か、街の外れの……あれか)
委員長「どうされたんですか?」

「この下水道はモンスターが出て立ち入り禁止なんですけど……」

男「ああ、わかりました。行こうか、委員長」
委員長「でも、二人を探さないと……」
男「奥にいるかもしれないよ?」
委員長「……そうですね。行きましょうか」
男(まあ、居るんだけど、ね……体力とかは大丈夫だな)
委員長「イケメンさん……どこに……」
男(……幼馴染みは無視か?……あ、と。あれだな)

幼馴染み「騙してたのね!裏切りもの!」
イケメン「騙される方が悪いのさ。すんなり人を信じる方がどうかと思うよ?」
委員長「イケメンさん、幼馴染みさん!?」タタタッ
男「あ、待って委員長……!!」
男(これ……戦闘しなきゃいけないんだよなぁ……)
男(ゲームって解ってても……!)
イケメン「そうさ、僕が最後の四天王だ!」
委員長「そんな……!」
イケメン「君はさっき僕を裏切りものだと言った」
イケメン「だが、結果としてそうじゃ無ければ問題無いんだろう?」
委員長「イケメンさん!イケメンさん!」
イケメン「さあ、選べ!君は僕と男、どちらを選ぶ!?」
イケメン「答えは、決まっている筈だよ……僕は、裏切り者かい?」
男(ここで……選択肢か……あれ、出ない?)
幼馴染み「私は……ずっと貴方と一緒に居るわ!」
男(でも答えは一緒なのね……)
委員長「イケメンさん!そんな……!」
男(相変わらず幼馴染み無視かよ……おいおい)
男「委員長、下がって! こいつらはもう……!」

ドシュ!

男「………え?」

305: 2013/03/24(日) 08:42:16.88 ID:Thjftmu6P
幼馴染み「キャアアアアアアアアア!」
男(う、わ……ッ)
委員長「この……売女!売女!しね……氏ね!!」ドシュ!ザシュ!
男(い、委員長……!)
委員長「イケメンさんは私の物、イケメンさんは……私の物!」
委員長「昨日だって、私と、ずっと……!」
男「委員長!ストップ、ストップ! ……も、もう……!」ガシ!
委員長「………」ハァ、ハァ
幼馴染み「私は、ずっと貴方と一緒よ……!地獄の果てでも、ずっと……!」ドサッ
男(うぅうう……これは、ちょっと……グロい……!)フィ
委員長「あ、は……あはははは、やった!やったわ……!」
イケメン「………委員長」
委員長「イケメンさん……やっと……」
イケメン「………!」ザシュ!
男「え!?」
委員長「い、ケメン、さ………なん、で……」ドサッ
イケメン「僕を頃したって、君は僕には永遠に勝てない、男」
イケメン「僕に勝つことなんて、出来ないんだ……君には」
男(……な、ん……だと!?)イラッ
男「ふざけんな!」ザシュ!
イケメン「ふ……ふふ……一人で……挑むのか、魔王に……」ドサ
男「………ッ 委員長!」ガバッ
男(……そ、んな。何でだ!?)
男(糞、教会で蘇生を……!?)サラサラサラ……
男「さ……三人とも、消えてく!?何で……!?」

306: 2013/03/24(日) 08:46:15.12 ID:Thjftmu6P
男「……なん、で……ん?」
男(なんだこれ……手帳……ひ、ィッ!?)

『さっきまで隣にいたのに、あいつが居ない。裏切りやがった。いつか頃してやる』
『イケメン君とあの女がベタベタとくっついて離れない。彼は私のものなのに』

『イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君
イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君
イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君
イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君
イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君
イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君
イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君、イケメン君…… 』

男(これ……委員長の、手帳と……一緒!?)

326: 2013/03/25(月) 10:12:43.55 ID:7RyB/3gMP
男(日記を書いて寝ます……とか、言ってたな)
男(……あれは、現実世界じゃない。ゲームの中の話の筈……うん、そうだ)
男(日記、これが……現実世界で俺が拾ったのと一緒……?)
男(………)ギュ
男(取りあえず、一回出よう……教会、行かなきゃ)
男(イケメンと幼馴染みは無理だろうな……委員長だけでも!)スタスタ
男(教会……あったあった。ついでに一回戻るか)
神父「こんにちは、ご用は何でしょうか」

▼  旅の記録
   用事は無い

男(えッ!?)
男「あ、あの……蘇生、とかは?」
神父「ソセイ……?それは一体、なんでしょう?」
男(……このゲーム、生き返らせるってのは存在しないのか?)
男(そんな……!)
男「た、旅の記録を」
男(取りあえず一度戻って幼馴染みに聞いてみよう……)

セーブしますか?

男「はい」

ゲームを続けますか?

男「いいえ」

……
………
…………

男「……ん」
幼馴染み「あら、早かったね」
男「お前は何普通に俺の漫画読んでるんだ」
幼馴染み「だって、画面に何か映るわけでもないし……それより」
幼馴染み「どうだった?」

327: 2013/03/25(月) 10:22:05.41 ID:7RyB/3gMP
男「取りあえず……戦士と魔法使いを倒したんだ」
男「………」
幼馴染み「男?」
男「ゲームの中でも、委員長はイケメンイケメン、って……な」ハァ
幼馴染み「……魔法使いって、委員長だっけ?」
男「え?あ……いや、魔法使いはお前だよ。だから俺、委員長VSイケメン、お前」
男「だったんだけどさ」
幼馴染み「うん」
男「まず、委員長がお前……魔法使いを滅多刺し」
幼馴染み「うえ……ッ」
男「売女、氏ね……って、な」
幼馴染み「………」
男「それで、イケメンに切られて、委員長氏亡」
幼馴染み「………え?」
男「で、俺イケメン倒してイベント終了……なんだが」
男「お前とイケメンは、もう仲間には戻らないだろうし、まあわかるんだが」
男「委員長の身体まで消えたんだよ……」
男「教会に行っても、蘇生できないし……」
幼馴染み「な、にそれ……」
男「あのゲーム、そもそも蘇生の概念がないのか?」
幼馴染み「どうなんだろう……そういえば、氏んだことがないよ」
男「そうだよな……難易度、そんなに高くないしな」
幼馴染み「え、じゃあ……アンタ、今一人なの?」
男「ああ……どうなってんだろうな……」
男「どれぐらい時間経った?」
幼馴染み「1時間ぐらいかな」

329: 2013/03/25(月) 10:56:09.10 ID:7RyB/3gMP
男「1時間か……あそこから、すぐだったよな?」
幼馴染み「魔王の城まで? ……うん」
男「良し……夕飯までまだ時間あるな」ぴっ
幼馴染み「あ……電話」prrrr
男「え?誰……」

……
………
…………

男「ん……あれ?」
男(あ、ロードしちゃったのか……一回戻ろう……あれ?)
男「神父さん……いない?」
男(え、なんで……)タタタ
男(街の人も居ない!?どうして……!!)
??「何処に行ってたんです?勇者男君」
男「誰だ……!」
??「僕の顔、忘れちゃったんですか?寂しいなぁ」
男「………同級生!」
同級生「僕は魔王、ですよ」ニコ
男「お前、何だってこんな事……!」
同級生「勇者男君。君に質問です」
同級生「君は、勇者男、以外でクリアしましたか?」

▼ はい
  いいえ

男「何!?」
男(ああ、そうか……これ、ゲームだったな)
男(いいえ、を選べば……強制的にやってこい、て切られる、とか……か?)
男(今までの同級生とのやりとり考えれば、そんなところ、だろうな)
男「……はい」

同級生「そうですか。それは重畳」
同級生「何人氏にました?ちゃんと、四人……氏にましたか?」
同級生「氏んでなければ、やり直しですよ……もう一回頑張ってください」
男「おい……!」
同級生「でも、折角プレイしてくれたんですからクリアしたいですよね」
男(ここまでは……一緒……!)

334: 2013/03/25(月) 12:24:37.99 ID:7RyB/3gMP
同級生「では、男君に聞きますよ?」
男「………?」
同級生「仲間は何人でした?」

▼ 三人
  四人

ぴっ

男「お前……!」
男(これ……前に、同級生が俺に聞いた事……!)
男「四人だ」

ぴっ

男(俺は屋上で、そう答えた……)

同級生「違いますよ?」
男「……え?」
同級生「戦士、魔法使い、僧侶……『勇者の仲間』は三人でしょ?」
同級生「そして君は、仲間を全て失った」
同級生「勇者、失格ですねぇ」
男「何だと!?」
同級生「失格なんです、男君」
男「俺が、失格?どういう意味だ!」
同級生「でも、四人氏ななきゃやり直し、なんです」
同級生「何人氏にました?」

▼  三人
   四人

ぴっ

男「……三人だ」

同級生「はい、正解。じゃあ、四人目、頃しましょうか」
男「な……!」
同級生「これで、おしまい。ちゃんと四人……良かったですね?」
同級生「やり直しにならなくて」ザシュ!

男「うわああああああああああああああああ!」

335: 2013/03/25(月) 12:29:51.24 ID:7RyB/3gMP
同級生「ほら、四人目」
同級生「くやしいですか?くやしいですよねぇ」
同級生「でも、おめでとう。ゲームクリアです。次は学校でおあいしましょう」
同級生「CONGRATULATIONS!!」

ぴ、ピ……
ザアアアアアア……!

男(い、てぇ、なんだこれ……! ……砂嵐……ッ!?)

……
………
…………

男「………ッ いってえええええええ!」
幼馴染み「男!?どうしたの!?」
男「学校……学校で、あいましょう、って、あいつ……ッ」
幼馴染み「……ッ男、怪我したの!? ……血、が…ッ」
男「え……うわッ」
男(首……切れて、る……あ、でも)
男(ひっかき傷……ぐらいか)
幼馴染み「ちょ、ちょっと待って、絆創膏……!」ペタ
男「ああ……ごめん、そっか、僧侶氏んだから回復……」
幼馴染み「しっかりして、男!戻って!」ペチ
男「幼馴染み……あ、ああ……そっか……」
幼馴染み「魔王、倒したの……?」
男「え?あ……いや……同級生が……」
幼馴染み「同級生?」

409: 2013/03/27(水) 07:38:59.03 ID:Rl0/vxr0P
男「同級生だ……同級生が……魔王、だった」
幼馴染み「ユウシャと一緒だったの?」
男「いや……ちょっと違う。俺一人だったから……」
幼馴染み「あ、そうか。糞眼鏡は……」
男「……そうだ、手帳拾ったんだ」
幼馴染み「手帳?」
男「お前が拾った委員長の手帳あっただろう」
男「……アレにそっくりな物を、委員長が氏んだときに拾った」
幼馴染み「……中身は?」
男「だから、そっくりだって……同じ事が書いてあった」
男「売女、串刺し、イケメン君ってな」
幼馴染み「な、んで……!?」
男「それで、ロードしたら……あ、そうだお前、電話……」
幼馴染み「それは後……先話して」
男「あ、ああ。それで、ええと……」
男(落ち着け、俺!)
男「ロードしたら、神父どころか、街の人まで居なかった」
男「そんで……街の中で、急に同級生に話しかけられたんだ」
幼馴染み「!?」
男「勇者男、でクリアしたかって聞かれた」
男「いいえ、を選んだら強制やり直しかと思ってさ、はい、にしたんだ」
男「それで、あれだ……『何人氏んだ?ちゃんと四人氏んだか?』」

411: 2013/03/27(水) 07:48:24.55 ID:Rl0/vxr0P
男「で、『仲間は何人でした』だ……」
幼馴染み「四人……でしょ」
男「うん……四人、を選んだんだけど」
男「違う、て言われた。『勇者の仲間は三人だ』と」
幼馴染み「……え?」
男「俺は、仲間を全て失った……勇者失格だ、って」
幼馴染み「え、え……ん?」
男「『何人氏んだ?四人氏ななきゃやり直しです』……で、三人を選ぶ」
幼馴染み「うん」
男「正解。四人目……頃しておしまい、だ」
幼馴染み「え、四人目って……?」
男「俺だよ……そんで、CONGRATULATION」
男「『学校で会いましょう』」
幼馴染み「………」
男「掲示板、見ただろ?」
幼馴染み「学校で会いましょう……!」
男「電話に出ないのは、学校で会う、から……なのか?」
幼馴染み「でも……」
男「電話、なんだったんだ?」
幼馴染み「……ニュース、見てって。Bから」
男「進展あったのか?」ぴっ

『……発見された衣服に付着した血は、女性教諭の物と判明しました』
『犯人は女性教諭を刺した後、着替えて服を捨てたとみられ……』

男「!?」
幼馴染み「……委員長、だから制服だった?」
男「犯人……特定、されたのか?」
幼馴染み「ううん……でも、10~20代の女性ってのは……」
男「ああ、そっか……それは言われてたな」
幼馴染み「不自然じゃん。委員長……こんな時に、あんな……制服で、さ」
男「……そう、考えるのが妥当だよな」

413: 2013/03/27(水) 07:59:49.37 ID:Rl0/vxr0P
幼馴染み「どう、する?」
男「学校に行く」ピッ prrrrrr
男「……やっぱり出ないな」
幼馴染み「同級生?」
男「うん」
幼馴染み「でも、あの掲示板の書き込み、同級生とは限らないじゃん?」
幼馴染み「委員長かもしれないよ?」
男「あの二人は繋がってるんじゃないかな」
幼馴染み「え?」
男「同級生は、委員長がイケメンを好きなことを知ってた、とする」
男「で、あのゲームを与えて……現実とゲームの境を混乱させた」
男「……ストーカーしだしたのだって、最近なんだろ?」
幼馴染み「あ、うん……」
男「混乱した委員長を、同級生が操る形で殺させたんだったら?」
幼馴染み「そんな!……そんな、事……できるの!?」
男「わかんねぇ……でも……このゲーム、あいつが作るなり、手を加えるなり」
男「……それは、明白じゃん」
幼馴染み「そう……だよね」
男「後二人……想像出来るのは、火村と……イケメン、か?」
幼馴染み「………」
男「多分、違う。委員長から見れば、一人は……お前だ」
幼馴染み「……!」
男「だけど多分……火村はフェイクだ。委員長が数に囚われてるだけだとすれば」
幼馴染み「本当に邪魔なのは私?」
男「魔王を倒して、平和になったら?」
幼馴染み「え?」
男「お前のエンディングだよ」
幼馴染み「……結婚して、ハッピーエンド」
男「そういう事。これで二人」
幼馴染み「!!」

415: 2013/03/27(水) 08:10:20.50 ID:Rl0/vxr0P
男「わかんない事だらけだけどな……まだ」
幼馴染み「うん……」
男「もし、本当に委員長が……殺人、犯してるとしたら」
男「止めなきゃ。それに……同級生は、一発ぶん殴る」
幼馴染み「……できる、かな。私達だけで……警察……」
男「それが一番まともな判断だとは思う……けど」
男「……証拠も何もないよ」
幼馴染み「このゲーム、持って行くのは?」
男「最終的にはそうなるだろうな……そうするか?」
幼馴染み「取り合って貰えないだろうね……それに」
幼馴染み「このままじゃ気持ち悪い」
男「うん……でも、お前はここにいろよ?」
幼馴染み「え?」
男「狙われてるのがお前だとすれば、のこのこ出てってどうすんだよ」
幼馴染み「私も行くわよ」
男「……人の話、聞いてる?」
幼馴染み「大丈夫……!」
男「俺、勇者じゃないぞ? ……んな、格好良くお前を守る!とか」
男「言えないって!」
幼馴染み「連れてってよ!ここに一人で居る方が不安よ!」
男「……母さんと、父さんいるじゃん」
幼馴染み「……委員長が訪ねてきたら?」
幼馴染み「おじさんとおばさん、あっさり通すでしょ?」
男「……ん、まあ、それ……は、そう、か、なぁ?」
幼馴染み「一緒に居てよ……その方が、気持ち的には安心だよ」
男「………」

416: 2013/03/27(水) 08:17:50.82 ID:Rl0/vxr0P
男「……」スタ。ガサゴソ
幼馴染み「何やって……何、それ……バット?」
男「違う。勇者の剣」
幼馴染み「……ッ」ブフッ
男「笑うな!」カァ
幼馴染み「じゃあ、私は……雷の魔法ね」スッ……バチバチバチ!
男「うわ……ッ 何、スタンガン!?」
幼馴染み「痴漢よけよ」
男「………」
男(何処で買ったんだそんなもん……)
幼馴染み「でも、どうやって家出るの?」
男「……夜、こっそり……は、無理かな?」
幼馴染み「時間、ある?」
男「………」
幼馴染み「学校に呼び出された、は不自然か……」
男「忘れ物した?」
幼馴染み「何を……入れないでしょうが」
男「うーん……」
幼馴染み「一回、家帰るか……」
男「え?」
幼馴染み「忘れ物、した」
男「え?え?」
幼馴染み「怖いから、着いてきて?」
男「……まあ、出るだけなら出れるか」
幼馴染み「後で怒られるでしょうけど、ね」
男「まあ……それで行くか。でも」
幼馴染み「何?」
男「何を忘れた事にするんだよ」
幼馴染み「勉強道具と……パンツ」
男「ぱ……!」
幼馴染み「借りれないでしょ、流石に」クスクス

417: 2013/03/27(水) 08:27:44.46 ID:Rl0/vxr0P
……
………
…………

男「母さんもアッサリだなぁ……」スタスタ
幼馴染み「バット持ってたんが良かったんじゃない」スタスタ
男「大笑いしてたけどな」
幼馴染み「しっかり守ってあげなさいって言ってくれたじゃない」
男「まあ……近いからね」
幼馴染み「ほら、学校……もうすぐよ」
男「相変わらず凄い人だな……近づけ無いぞ」
幼馴染み「神社の方から入るのよ……裏門の方」
男「神社も立ち入れないだろ?」
幼馴染み「池の方は駄目でしょうけど……」
男「ああ……裏門の塀乗り越える気か、お前!?」
幼馴染み「木に登れば超えられるわ」
男「………」
幼馴染み「ほら、行くわよ」

……
………
…………

男「いってぇ……」
幼馴染み「ちっちゃい頃良く一緒に木登りしたじゃない……どんくさいわね」
男「ありゃ身体が軽いし、怖いモンなしだったからだろ?」
幼馴染み「落ちるとか……」
男「静かにしろ……先生に見つかるぞ」
幼馴染み「うん……でも、静かね」
男「電話の対応とかに追われてたら……職員室に缶詰かもな」
幼馴染み「……何処に、行くの?」
男「屋上……かな」
幼馴染み「根拠は?」
男「何となく……だよ。どこかの教室とか、図書室とかじゃ……」
幼馴染み「見つかる可能性、か」

418: 2013/03/27(水) 08:33:56.64 ID:Rl0/vxr0P
男「屋上まで気は回らんだろ……居なければ」
幼馴染み「帰るだけ、ね」
男「だな……あっちの階段から上がろう」
幼馴染み「……屋上の扉、鍵掛かってない?」
男「バットでどうにか……」
幼馴染み「……ならないでしょ」キィ
男「開いてるな」ギギギ……
幼馴染み「………!」

同級生「随分遅かったですねぇ」

男「同級生……!」
幼馴染み「アンタ、やっぱり……!」
同級生「おやおや、バットなんか持って。現実でも勇者気取りですか、男君」
幼馴染み「………」ギュ
男「その芝居がかったしゃべり方やめろよ、気持ち悪い……」
同級生「えぇ?酷いなぁ……一生懸命練習したんですよ?」
幼馴染み「アンタ……何がしたいの!?委員長は……!」
男「解らない事があれば何時でも聞けって言ったよな?」
同級生「はい。別に隠すつもりはありませんよ?」
男「あのゲームは……なんだ!?」
男「何で、ゲームの世界に入れるんだ!」
同級生「それは、前も言ったでしょう?僕にも解りません」
男「お前……!」
同級生「本当なんですって……」クスクス

419: 2013/03/27(水) 08:44:03.04 ID:Rl0/vxr0P
男「でも、お前があの四天王を……先生達にしたんだろう!?」
幼馴染み「……なんで、水川と松風は……モンスターになったの!?」
男「……何で、先生達を頃したんだ!」
同級生「落ち着いてくださいよぅ。順番に、ね?」
同級生「あのゲームは、勇者の名前を自分のにするとゲームの世界に入れます」
同級生「……本当にね、あれは、拾い物なんですよ」
男「拾い物……?」
同級生「はい。ジャンクショップで投げ売りしてたのを買ったんです」
同級生「前にも言ったでしょ。最初にやったとき、僕は……委員長、男君、それからA子さんと旅をしました」
幼馴染み「………」
同級生「何の変哲もないROMに焼いてあるだけで、プロテクトもかかってなくて」
同級生「中身を弄るのは、簡単でしたよ。だから、自分の好みになるように改造したんです」
幼馴染み「それで……先生のグラフィックだったの……?」
同級生「ええ、そうですね」
男「おい……!」
同級生「どうして頃したんだ、ですか?」
同級生「せっかちだなぁ、男君。ゲームでも……ちゃんとこうして」
同級生「全部の謎解き、するでしょ?」
同級生「……知りたく、ないんですか?」
男「………」
幼馴染み「………」

421: 2013/03/27(水) 08:55:06.28 ID:Rl0/vxr0P
同級生「いやぁ、はまりましたよ……!」
同級生「どうしてゲームの主人公になれるのか!」
同級生「まるでオカルトでしょ?でも……楽しかった!」
同級生「現実になれば良いのに。ずっと、ゲームの中にいられたらいいのに」
男「……なんで、委員長や俺たちに貸したんだ?」
同級生「ちょっとね、悪戯を思いついたんです」
幼馴染み「悪戯……?」
同級生「元のストーリーは、本当に何処にでもある」
同級生「チープな王道RPGでした」
同級生「でも変にリアルでしょ?蘇生の概念はないし」
同級生「まあ、難易度高くないからかもしれませんけど」
男「なんだよ、悪戯って」
同級生「さっきも言ったでしょ?色々手を加えたんですよ」
同級生「委員長が、イケメン君を好きな事は知ってましたからね」
男「なんで……」
同級生「いえいえ、二人がホテルから出てくるとこも何度か見ただけです」
幼馴染み「は!?何いってんのよ!イケメンは……!」
同級生「はい、知ってますよ。幼馴染みさんと付き合ってた、んでしょ?」
幼馴染み「イケメン、あの糞眼鏡とは……!」
同級生「何にも無いとか言ってたでしょうねぇ」
同級生「僕は、彼と中学が同じだったんで。彼の糞っぷりは良く知ってます」
幼馴染み「………!」
同級生「でも、委員長は……不満だったらしいんですよ」
男「不満?」
同級生「そうです。会うのはホテルばかり」
同級生「と言うか、待ち合わせはホテルの部屋で。事後は一人ずつ出て行く」
同級生「……そんなの、付き合ってるって言えないでしょう?」
幼馴染み「…………」

422: 2013/03/27(水) 09:04:04.54 ID:Rl0/vxr0P
同級生「しかも、校内でどうどうと一緒に居るのは自分ではなく、貴女です……幼馴染みさん」
幼馴染み「………」
同級生「だから、貸してあげたんです」
同級生「あれ、どうやって仲間を選別してるか、解ります?」
男「……基準があるのか?」
同級生「戦士は、羨望ですね」
男「羨望……?」
同級生「はい。むかつくけど、羨ましい……できればその立ち位置に代わりたい」
同級生「そんな感じですかね」
幼馴染み「ちょっと待ちなさいよ!なんでそれで、私の戦士があの糞眼鏡になんのよ!」
同級生「ああ、失礼。委員長と男君にお貸ししたのが、ですよ」
同級生「幼馴染みさんに貸したのは、元のデータに近いんです」
幼馴染み「元のデータ?」
同級生「嫌なやつ、とかですかね」
男「……そんな事、プログラムで出来るのか?」
同級生「設定項目があったんですよ。仲間に関しては」
同級生「僕は10回ほど遊んだって言ったでしょ?」
同級生「ハーレムとか、最高でしたよ」ニヤニヤ
同級生「で、魔法使いと僧侶は、異性になるように。こちらは単純に」
同級生「よく話したり、仲が良かったり……少し、気になってたり」
同級生「まあ、身近な人、ですね」
幼馴染み「……イケメンと、男」
男「俺は……幼馴染みと委員長だった訳か」
同級生「これがね!後々!スゴク良い相乗効果になったんですよ!」
男(こいつ……目が怖い ……)
男(酔ってるみたいだな……)

424: 2013/03/27(水) 09:11:54.79 ID:Rl0/vxr0P
同級生「こんな事になるとはね。僕も思いもしなかったんです!」
男「おい、ちゃんと解るように説明しろよ!」
同級生「ああ、話を戻しましょうね」
同級生「そうそう。委員長でしたねぇ……彼女に貸してあげたらね」
同級生「勿論、戦士は貴女ですよ、幼馴染みさん。で、イケメン君ともう一人」
男「俺……じゃないのか?」
同級生「おやおやぁ?随分自意識過剰ですねぇ、男君は」
男「な……ッ」
同級生「最初は違ったみたいですよ。そもそも、彼女の中では」
同級生「委員長とイケメン君が結婚し、憎い幼馴染みさんを倒せればそれで良かったんでしょう」
同級生「何度も何度もプレイしていました……なので、途中でね」
同級生「モンスターを入れ替えたんです」
幼馴染み「先生達……に?」
同級生「そうですよ。水川はね……僕、だいッきらいなんです」
同級生「あいつも泳げないくせに、僕がプールの授業で泳げないのを見ると」
同級生「散々馬鹿にするんですよ……!」
同級生「折角、授業中に僕が間違いを指摘してあげたのに」
同級生「お礼も言えないあの、口だけの馬鹿が!!」
男(……根に持つタイプ、だな、確かに……水川は)
幼馴染み(だからって……それだけ!?)
同級生「松風先生は、結構生徒に手を出してたって噂があったでしょ?」
同級生「イケメン君とはわかりませんけど……まあ、現実になりましたしねぇ」
幼馴染み「……火村は、セクハラ教師って嫌われてた」
同級生「ええ、正解です。最後の四天王は戦士ですから」
同級生「どうです。随分リアリティが出てきたでしょ?」

427: 2013/03/27(水) 09:20:58.38 ID:Rl0/vxr0P
同級生「随分とね、現実とゲームの区別が付きにくくなってたみたいで」
同級生「なので、色々教えてあげたんです」
同級生「幼馴染みさんに貸しました。イケメン君に貸しました」
幼馴染み「なんで……そんな必要があったのよ!てか、それと先生達の氏とどう関係が……!」
男「よりリアルに混乱させるため、か」
同級生「まあ、そうですね」
幼馴染み「え?」
男「ゲームの世界では、お前は殺される役なんだぜ?裏切り者の戦士」
男「で、先生達も氏んで行く」
同級生「偶然って、言いましたよね?」
男「?」
同級生「君に貸したのは、偶然」
幼馴染み「え……」
男「もう一人、委員長に仲間としてインプットさせるためには」
男「誰でも良かったんだな」
同級生「はい。ある程度イケメン君に対して、羨ましいなぁとか思ってそうだったら」
同級生「誰でも良かったんです。それでまあ、ゲームが好きに越したことはないですけど」
同級生「まあ、結果的に……ベストチョイスでしたよ」
男「で……俺がプレイしている事も教えたのか」
同級生「勿論ですよ」
幼馴染み「だから、それと何で先生達の……!!」
男「頃したんだな、水川」
同級生「…………」
男「先生のグラフィックが、現実で氏んだから、モンスターに代わるんじゃない」
男「その時に合わせて、先生を頃したんだ」
同級生「…………」

429: 2013/03/27(水) 09:32:18.30 ID:Rl0/vxr0P
幼馴染み「男……?」
男「ゲームで、四人がプレイし始めた時に、タイミング良く水川が氏んだんだ」
男「次は、松風、そして火村……で、戦士」
男「勇者は、順番に頃していくんだろう」
男「委員長は……もう殆ど、ゲームと現実の区別がついてないんじゃないか?」
同級生「……でしょう、ね」
幼馴染み(……何?急に大人しくなった?)
同級生「男君、君のデータをあんな風にしたのはね」
同級生「ただ、混乱させたかったから、です」
男「あのゲームに、マインドコントロールの効果があるとしたら」
男「……否、性格にもよるだろうけど、あるだろうな」
男「あれじゃ、俺はイケメンを憎んでいくだろうな」
同級生「あわよくば……の期待は、少々外れました」
同級生「男君も、幼馴染みさんも……色々、見当違いの方向に考えてくれて」
同級生「もっともっとゲームにはまってくれて」
同級生「事件がもっと大きくなれば良かった」
同級生「……流石に、甘かったですね」
男「お前、やっぱり……イケメンに怨みでもあんのか?」
男「それに……委員長の事、好き、なのか?」
幼馴染み「……いや、それはおかしいよ、男」
同級生「………」
幼馴染み「イケメンに怨み……はともかく」
幼馴染み「好きな女に、殺人なんか……!」

437: 2013/03/27(水) 12:19:58.00 ID:Rl0/vxr0P
同級生「怨み、ですか……そうですね。無いとは言いません」
同級生「だけど……別に、委員長は関係無い」
男「……好きな女が、イケメンに惚れてるから、じゃないのか?」
男(だけど……そうだとすると、確かに)
男(幼馴染みの言う様に、おかしい……)
幼馴染み「水川、頃したの……あんたじゃないの、同級生」
男「え?」
幼馴染み「くっだらないとは思うけど!」
幼馴染み「タイミング良く、頃して、委員長を……混乱させたんじゃ……!」
男「そうか……!あの時……松風先生は、イケメンと居た……」
男「それで……混乱させて、委員長に殺させたのか!?」
同級生「………」
男「お前……!」
同級生「イケメン君は、所謂いじめっこ、て奴だったんですよ」
同級生「ターゲットは色々居ましたけど、その中の一人が僕でした」
幼馴染み「それで、罪をイケメンになすりつけようとしたの!?」
同級生「………」
男「同級生!」
同級生「惜しい、です。確かに、僕はイケメン君を怨んでます。水川もね」
幼馴染み「復讐する為に……好きな女の人生狂わせたの!?」
幼馴染み「アンタ、狂ってる……アンタが狂ってるわよ!」
同級生「人の話を聞こうね、幼馴染みさん……惜しいって……言っただろ」
男「違う……のか!?」
男「委員長は言ってた。あと二人!四人氏ななきゃやりなおし……!」
男「火村と幼馴染みだろう!?」
男「お前が……吹き込んだんじゃないのか!あの、掲示板の書き込みも……!」

438: 2013/03/27(水) 12:32:20.08 ID:Rl0/vxr0P
同級生「確かに、掲示板は僕です。火村がトカゲ……サラマンダーだとか」
同級生「適当に吹き込みました」
男「お、まえ……!」
同級生「でも、まさか……まさか、委員長が本当に松風先生を頃すとは思わなかったんだ!」
同級生「脅すだけのつもりだった!」
同級生「ゲームに入って、水川が氏んで……!」
同級生「次は、松風先生だ!だから……!近寄らないで欲しかったんだ!」
幼馴染み「ど……どういうこと?」
同級生「松風先生は……売女。まだわかんないのか!?」
男「……お前」
同級生「僕が好きなのは委員長なんかじゃない!」
幼馴染み「……ッ松風、先生……!?」
同級生「あの日、水川にとがめられた!あいつは、イケメンと先生が良く会ってる事を知ってた!」
同級生「あいつは……お前なんか相手にして貰えないって……!!」
同級生「……泳げないのは、知ってた。だから突き落としてやったんだ!」
幼馴染み「………」
男「………」
同級生「おもしろいぐらい、目をきらきらさせてさ」
同級生「勇者が退治したから、あいつが氏んだんだって……委員長が……」
男「それで……たきつけたのか!?」
同級生「僕は、イケメンにゲームの中で松風を倒せって伝えろって言っただけだ」
同級生「男君、幼馴染みさん、委員長……全員が倒せば手を下さずに氏ぬんだって」
男「水川が……氏んだから。お前が頃しただけなのに、か」
同級生「あの女はあっさり信じたよ。ストーカーなんかする奴の思考は単純さ」
同級生「一緒にゲームやってるって言ってたからな」
幼馴染み「……え?」
同級生「何かあったら困るから。だから……自分がゲームして時は傍にいさせたんだろ?」
同級生「家に呼んでくれて幸せだって言ってたさ」
幼馴染み「そんな!」
男「それはおかしいだろ!?水川は氏んでるのに……!」

439: 2013/03/27(水) 12:39:38.43 ID:Rl0/vxr0P
同級生「前日、何処に居ました?あの日……僕が、水川を頃したあの日」
同級生「イケメン君は、どこに行きました?」
幼馴染み「……私は、会ってないわ」
男「お前、それ……俺に言ってたな」
同級生「そうです。前日、彼は徹夜でやってたそうですよ」
同級生「廊下で呼び止められた時……彼の目にはクマができてました」
同級生「君も見ただろう、男君」
同級生「僕は、委員長に言ってあっただけだ。とにかく、ゲームをやって貰えって」
同級生「そうしたら、イケメン君だって……きっと君が好きになるって」
幼馴染み「アンタ……!」
同級生「だから、あの日頃したんだ!」
同級生「委員長をもっとはまらせるにはアレが一番良かった!」
同級生「それで、松風先生の所まで進めば」
同級生「恐がりで、チキン野郎なイケメンは……近づくのをやめると思ったんだ!」
男「お、まえ……!」
同級生「なのに……あの女は、松風先生を頃した」
同級生「イケメンが……懲りなかったから……!」
幼馴染み「委員長止めなきゃ!このまんまじゃ……本当に、火村頃しちゃうんじゃ!」
同級生「もう、どうでも良い。松風先生は氏んだ」
男「同級生!」
同級生「イケメンの素行の悪さはばれただろ。あいつ……逃げたんだって?」
同級生「墓穴ほったんだ……あいつは、もう……終わりだ!」
同級生「アハハハハハ!」

440: 2013/03/27(水) 12:44:57.45 ID:Rl0/vxr0P
ジリリリリリリ………!

男「何の音だ……!」
幼馴染み「………!見て、男!」
男「……火!?」
幼馴染み「『トカゲはトカゲらしく、丸焼き』……!?」
男「職員室か!」
同級生「あと二人……どころか、これじゃ、大量虐殺だ」
同級生「イケメンと、委員長が氏ななきゃ……意味無いのにな」フラ……タタタ
男「同級生!待て!」
幼馴染み「追いかけよう!」

バタン!ダダダダ……!

先生「あんた達!?何してんの!?」
男「あ……!先生、同級生見ませんでした!?」
先生「早く避難しなさい!油が……!」
男「油!?」
先生「灯油がまかれてるのよ!さっさと校庭に出なさい!」
幼馴染み「で、でも同級生が……!」
先生「……ッ とにかく、あんた達は避難するの!なんでこんな時に学校にいるの……!」

449: 2013/03/27(水) 14:19:23.28 ID:Rl0/vxr0P
男「職員室、が……ッ」
幼馴染み「煙、出てるけど……」
男(同級生は……何処に行ったんだ?)
幼馴染み「消火……された、のかな」
男「灯油じゃ……それほど派手には」
男(燃え広がらない、だろうけど……もし、人にぶっかけて火をつけてたら?)
男(トカゲは、トカゲらしく……丸焼き?)ゾッ
幼馴染み「……委員長、だよね」
幼馴染み「同級生は……一緒に居たし、ね……」
男「委員長……は……あ。先生!あの……!」
先生「アンタ達! ……火も収まったし、早く家に帰りなさい!」
幼馴染み「あの……ど、どう……」
先生「……気になるのはわかるけど、ね」
先生「お家の方に連絡するから……ね?良いから……帰りなさい」
男「同級生は……居ました?」
先生「え?」
男「俺たち、あいつに呼び出されたんです」
幼馴染み「男!」
男「あいつ、自分が水川先生を頃したんだって!」
先生「何ですって!?」
男「……火、着けたの……委員長じゃないんですか」
男「狙われたのは……火村先生、でしょう?」
先生「………!」

ピーポーピーポー……
ファンファンファン……

先生「……とにかく、帰りなさい!」
先生「良いわね!」スタスタ
幼馴染み「男……」
男「……肯定したみたいなもんだろ、あの顔は」

453: 2013/03/27(水) 14:28:12.46 ID:Rl0/vxr0P
……
………
…………

母「男ー!!」

バッチーン!

男「いってぇ!!」
母「アンタって子は!幼馴染みちゃんも居るのに!」
幼馴染み「す、すみません!」
男「……同級生に呼び出されたんだ。学校の屋上に」
母「は!?」
男「先生にも怒られたよ……ちょうど、火事があって」
男「……救急車と、パトカーが来て……それで、帰ってきたんだ」
父「とにかく、無事で良かった」
男「父さん……」
母「お父さん!」
父「幼馴染みちゃんも預かってるんだ。二人とも、もう無茶はするな」
男「ごめん……」
幼馴染み「ごめんなさい!私が、忘れ物取りに行くとか言ったから……」
母「幼馴染みちゃんも止めてくれたら良かったのに!」
父「二人とも、もう家を出るなよ?」

prrrrr♪

母「もう、本当に……はい?」カチャ
母「は!?はい……はい。解りました……はい」
男「………」
幼馴染み「………」
父「どうした?」
母「学校側から説明があるみたいね……お父さん、行ってくれる?」
父「ああ」
男「お、俺も行く!」
幼馴染み「私も!」
母「馬鹿仰い!」
父「お前達は家に居なさい……非常事態なんだぞ?今」
父「幼馴染みちゃんをお預かりしてる父さん達の身にもなれ」

454: 2013/03/27(水) 14:41:36.73 ID:Rl0/vxr0P
母「もう、あんた達ここに居なさい!」
父「説明会は何時からだ?」
母「19時ですって……後、1時間程ね」
父「そうか……準備するよ」
男「あー……ニュース見て良い?」ピッ
母「全くもう……」

『……○○高校で火事があり……』

幼馴染み「もうニュースになってる……」
男「そらそうだよ、凄かっただろ、マスコミ……」

『職員室とその周辺の廊下に灯油がまかれており……』
『男性教師が、犯人とみられる女子生徒に頭から灯油をかけられ』
『意識不明の重体で病院へ……』

幼馴染み「火村、かな……」
男「だろうな」

『なお、火をつけた女子生徒も、火傷で病院へ搬送されています……』

男「委員長か……?」

『この女子生徒は、火をつける前に……女性職員を刺したと話していたと……』
『鑑定を急ぐと共に、女生徒の回復を待って事情を……』
『あ……!速報です!今、速報が……!』
『鑑識の結果、発見された衣服に付着していた血は、搬送された女生徒の物と判明!』
『警察は、既に保釈されている男子生徒Aにも話を聞く方針を……』

幼馴染み「……委員長」
男「………」

472: 2013/03/27(水) 19:17:34.68 ID:Rl0/vxr0P
男「男子高校生Aってのは……イケメンの事だろうな」
幼馴染み「生きてたら……良いよ。委員長に変な方向に……気持ち向けられて」
幼馴染み「それこそ……殺されたりするより」
男「本当に……好きなんだな」
幼馴染み「……うん」
男「委員長も……病院だろう。松風刺したのも彼女だろうし」
男「もう……逃げられないさ」
男「女のに、火傷なんてかわいそう、だけど……」
幼馴染み「自業自得、よ……」
男「まあ……な」
幼馴染み「いくら、同級生にそそのかされたって言ったって、さ」
幼馴染み「刺したのも……火、着けたのもあいつじゃん」
男「……うん」
幼馴染み「被害者って言えば……本当に、火村ぐらいでしょ」
男「まあ……水川も、松風も……些細なこと、じゃ、無いか、でも……」
幼馴染み「うん。怨み買っちゃったとは言え、さ」
幼馴染み「殺される必要なんてないよ」
幼馴染み「火村も……色々、嫌な噂はあったけどさ」
男「……それでも、殺されて良い筈無いよな」

prrrrr

男「!」
幼馴染み「!」
男「同級生だ!」ぴっ
男「もしもし!?」
『後一人。四人氏なんだらCONGRATULATION!!』ぷつッ

ツーツーツー……

473: 2013/03/27(水) 19:23:02.24 ID:Rl0/vxr0P
男「おい、同級生!」
幼馴染み「な、何……?」
男「『後一人。四人氏なんだらCONGRATULATION』………」

『速報です!ただいま、病院に搬送された男性教諭の氏亡が確認されました!』
『これで、この連続殺人事件の被害者は三名に……!!』

幼馴染み「あと、一人……イケメン!」
男「同級生……ッ あいつ、直接……!?」
母「なに騒いでんの……」
父「行ってくるよ、母さん」
母「ええ、お願いね」
男「母さん……!」
母「ほら、あんた達はご飯!食べたら、順番にお風呂入るのよ」
母「……今日は、もう絶対に出さないからね!」
幼馴染み「………」
男「………」
父「全く……嫌な事件だな」
母「ええ……ねえ、本当に、引っ越し……」
父「ああ、考えよう。とにかく行ってくる」
男(流石に、今は出れないか……でも……!)
幼馴染み(イケメン……出て!)prrrr
男「どうだ?」
幼馴染み「駄目……繋がらない」
男「……しかし、警察に居るって考えたら安全だぜ?」
幼馴染み「……あ」
男「話し聞く、って報道してたし……どう考えたって、保護下にいるだろ」
男「……これだけ、殺されてるんだ」
幼馴染み「でも、同級生が……!」
男「……もう、本当に出来る事は無い。幼馴染み……」
幼馴染み「………」

488: 2013/03/27(水) 23:35:04.92 ID:Rl0/vxr0P
母「ほら、ご飯にするわよ二人とも!」タタタ
男(父さんは出て行ったか……しかし……)
幼馴染み「そう、だよね……」
男「ん?」
幼馴染み「ううん……警察に保護されてれば……安心だよね」
男「……ああ。掲示板は盛り上がってるかもしれないけどな」
幼馴染み「後で……見せてくれる?」
男「うん。でも……ゲームの事、他に誰もしらないんだ」
男「推測とか……憶測とか、そんなのしか……」
幼馴染み「そう、だよね……」
男「いただきます」
幼馴染み「……いただきます」
母「あんな事があってショックかもしれないけど……ちゃんと食べるのよ」ぴっ
男「あ……!」
母「ニュース気になるだろうけど、後にしなさい」
男(……テレビ消された。仕方ない、か)
幼馴染み「……もう、何もないわよ。何も……無い方が良いわよ」
男「そう……だな」

……
………
…………

父「ただいま……男」
男「ん、早かったね?」
父「ああ、こんな事になった謝罪と、当分学校は休み、だそうだ」
父「男、幼馴染みちゃん」
男「はい?」
幼馴染み「はい……」
父「当分、外出は控える様に、だそうだよ」
幼馴染み「……はい」
男「ああ……」
父「それから……入院した、犯人の女の子、だけどな……同じクラスだったんだな?」
男「俺はね。幼馴染みは違うよ」

492: 2013/03/27(水) 23:43:29.01 ID:Rl0/vxr0P
父「そうか……」
幼馴染み「あの……どう、したんですか?」
父「……火傷が酷くてね。亡くなったそうだ」
男「委員長が!?」
父「…………」
幼馴染み「…………」
男「…………」
母「お父さん!」
父「あ、ああ……食事時に、すまん」
男「母さん、テレビ着けてよ」
母「後にしなさい!もう……いやよ、こんな話……」
男「でも……!」
幼馴染み「男、後でネットで見よう?」
男「お前……」
母「そうしなさい……片付け良いから、もう……お風呂、沸いたら呼ぶから……」
男「ああ……ご馳走様」
幼馴染み「ご馳走様でした」スタ……タタタ
男「あの、さ……お葬式、とかは?」
父「……わからん。解剖とか……色々、あるだろうしな」
男「解剖……?」
父「薬物、とかな……様子、おかしかったそうじゃないか」
男「………そう、か」タタタ

……
………
…………

幼馴染み「………」
男「何か、ニュース……あるか?」カチャ
幼馴染み「あ、勝手に御免」
男「良いさ……それより」
幼馴染み「うん……」

494: 2013/03/27(水) 23:49:13.34 ID:Rl0/vxr0P
幼馴染み「『少女A氏亡……犯行時の様子より、薬物の使用が……』」
男「当分、こんなニュースばっかりだろうな」
幼馴染み「それより……これで、さ」
男「ん?」
幼馴染み「……四人、だよ」
男「…………」
幼馴染み「ね、掲示板、どれ?」
男「ああ……」カチカチッ
男「これだよ」ゴロンッ
幼馴染み「……見ないの」
男「確かに、四人だ。だけど……なんか、すっきりしない」
幼馴染み「誰かが……氏ぬより、いいじゃん」
男「勿論、そうだけどな」
幼馴染み「特に……何もないな」
幼馴染み「あれからは、もう……あの変な書き込みもないね」
男「警察に……言った方が良いのかな」
幼馴染み「え?」
男「……水川の事だよ。このままじゃ、委員長が犯人にされちまうだろう?」
幼馴染み「警察、そんな馬鹿じゃないでしょ……」
男「だと良いけど」
幼馴染み「話して……信じて貰える?」
男「………」ピッぴっ……

『お客様のおかけになった電話番号は……』ぷつっ

幼馴染み「……同級生?」
男「ああ……電源、入ってないな」

495: 2013/03/27(水) 23:57:15.09 ID:Rl0/vxr0P
幼馴染み「イケメンも……繋がらないのよ」
幼馴染み「呼び出し音は鳴るんだけど」
男「あいつは警察だろ……イケメン君は、何処に行った、か」
男「結果としては……同級生の思い通りになったか?」
幼馴染み「全然違うでしょ……松風、先生」
男「あ、そっか……」
幼馴染み「結局、先生は、三人とも……」
男「ああ……最後の裏切り者は、戦士だった。委員長は……お前を頃す事はできずに」
男「……し、ん……だ……ッ」ガバッ
幼馴染み「な、何よ!?」
男「……お前の、戦士は誰だ」
幼馴染み「え……委員長……!!」
男「……『四人氏ななきゃやり直し』」
幼馴染み「男!」
男「四人、氏んだ……後は、魔王を倒すだけ……」
幼馴染み「ちょっと!私は……そんな!!」
男「魔王は?」
幼馴染み「あれは、ゲームよ!それに、私の魔王は化け物だったわ!!」
幼馴染み「同級生じゃない!」
男「……そ、うだよな」
幼馴染み「こ、怖いこと、言わないでよ……!!」
男「御免……ん?」
幼馴染み「何?」
男「……更新ボタン押してみろ」
幼馴染み「え?でも、もう本当に……」カチッ


『選んでください。隣のその人を、僕に譲ってくれませんか?』
『そしたら、君の命は助けましょう』
『▼はい いいえ』

496: 2013/03/28(木) 00:02:12.13 ID:L3Zg6Du4P
幼馴染み「ひ、ィ……!?」

992:PM8:02

選んでください。隣のその人を、僕に譲ってくれませんか?
そしたら、君の命は助けましょう
▼はい いいえ

993:PM8:03

選んでください。隣のその人を、僕に譲ってくれませんか?
そしたら、君の命は助けましょう
▼はい いいえ

994:PM8:04

選んでください。隣のその人を、僕に譲ってくれませんか?
そしたら、君の命は助けましょう
▼はい いいえ

995:PM8:05

選んでください。隣のその人を、僕に譲ってくれませんか?
そしたら、君の命は助けましょう
▼はい いいえ
996:PM8:06

選んでください。隣のその人を、僕に譲ってくれませんか?
そしたら、君の命は助けましょう
▼はい いいえ

997:PM8:07

選んでください。隣のその人を、僕に譲ってくれませんか?
そしたら、君の命は助けましょう
▼はい いいえ

998:PM8:08

選んでください。隣のその人を、僕に譲ってくれませんか?
そしたら、君の命は助けましょう
▼はい いいえ

999:PM8:09

選んでください。隣のその人を、僕に譲ってくれませんか?
そしたら、君の命は助けましょう
▼はい いいえ

1000:PM8:11

クリア、したいでしょ?簡単です……選択肢を間違えなきゃ良いんですよ?

男「………!!」
幼馴染み「い、………いや……ッ!!」

498: 2013/03/28(木) 00:07:30.41 ID:L3Zg6Du4P
幼馴染み「な、なんなの!何なのよ、これ!!」カチカチカチ!

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男「こ、れは……ッ同級生!?」
幼馴染み「隣、って、どういうこと!?イケメンのこと!?」
男「落ち着け!あいつは、今……警察に居るはずだろ!?」
男「安全だから!ちゃんと……ッ」

prrrrrr♪

幼馴染み「いやああああああああ!」ギュ
男「痛ッ ……お前のだよ、ほら……!! イケメンだ!出ろ!」
幼馴染み「………ッ」ピッ
幼馴染み「イケメン!イケメン!?」
『何だよお前、何回もコールして……』
幼馴染み「何処に居るの!?警察!?」
『んな訳ないだろ!俺関係ないのに……』
幼馴染み「……ッ 馬鹿、早く……!」
『それよりさ、幼馴染み、あの……俺、さ』
幼馴染み「イケメン!早く帰って!」
『……怒るなよ。な?ちょっと魔が差しただけだから……』
『許してくれよ、帰れなんて言わないでさ……』
幼馴染み「許すよ!許すから!早く……家か、警察に……ッ」
『本当か?お前はやっぱ……ッ ん、何だよ……おま……!』
『ど……ぎゃああああああああああああああああああああああ!!』

幼馴染み「イケメン!イケメン!」
男「お、おい……どうした!?」

500: 2013/03/28(木) 00:11:50.34 ID:L3Zg6Du4P
幼馴染み「イケメン!何、何なの、もう……ッいやああああああ!」
男「貸せ……ッ おい、もしもし!?」
『……男君?』
男「イケメン、無事か!?」
『選択肢、やっと正しい方を選んでくれました』
『警察からは……逃げれても、魔王からは逃げられないんですよ?』
男「おい!?お前……ッ」
『ゲームの定石なのにね……おめでとう。ゲームクリアです』
男「同級生!!」
幼馴染み「いやあ!?イケメン!イケメンは……!?」


『CONGRATULATION!!』ぷつっ

             -GAME OVER-

501: 2013/03/28(木) 00:13:12.72
おわったのか

504: 2013/03/28(木) 00:16:16.53
乙!

引用元: 男「俺が……勇者?」