1: 2012/05/13(日) 21:56:52.18 ID:2UFMpXqH0
☆ことぶきやしき

紬「そうかな?」

唯「いつもニコニコしてるし」
唯「誰に対しても優しいし」
唯「けいおんぶのみんなを見守ってる感じがするんだよね」

紬「うーん。私も結構子供っぽいところもあると思うんだけどな」
紬「楽しいことがあると、すぐにはしゃいじゃうし」

唯「そこも含めてお母さんみたいなんだよ~」
唯「学生時代にやりたいことやれずにお見合い結婚しちゃって」
唯「ちょっとしたことではしゃいじゃう、みたいな」

紬「ず、ずいぶん具体的なのね」

9: 2012/05/13(日) 21:58:58.71 ID:2UFMpXqH0
唯「というわけで」

紬「わけで?」

唯「母の日なのでムギちゃんに日頃の感謝の気持を伝えるべく、なにかやりたいと思います」

唯「おー!!」

紬「おー!」
紬「あら、でも唯ちゃんの本当のお母さんはいいの?」

唯「お母さんたちは来週まで帰ってこないから、そのときでいいかなって…」

12: 2012/05/13(日) 21:59:30.04 ID:2UFMpXqH0
紬「…唯ちゃん、母さんたちがあんまり帰ってこなくて寂しい?」

唯「そんなことないよ」
唯「家にはいつも憂がいるし」
唯「学校にはけいおんぶのみんながいるし」
唯「ムギちゃんもこうして甘やかせてくれるからね」

紬「でもお母さんならもっと厳しくしたほうがいいかしら」

唯「そんなのダメだよ!」

紬「冗談よ。私はやりたいことをやってるだけだもの」

14: 2012/05/13(日) 22:00:14.08 ID:2UFMpXqH0
唯「じゃあ、こうして私に膝枕してくれているのは?」

紬「うん。私がやりたくてやってるの」

唯「そっかー。照れちゃうね」

紬「だから唯ちゃんは好きなだけ甘えていいのよ」

唯「うん。……ってダメダメ。今日はムギちゃんに日頃の恩返しをするって決めたんだからっ!」

紬「そうだったね」

16: 2012/05/13(日) 22:01:01.90 ID:2UFMpXqH0
唯「ムギちゃんの膝は惜しいけど、起き上がって、と」
唯「今度は私が膝枕してあげるね」

紬「唯ちゃんが?」

唯「うん」

紬「じゃあ、お膝にお邪魔するね」

唯「いかがですかムギちゃん、私のお膝は」

紬「膝枕ってこんな感じなのね。知らなかったわ」

20: 2012/05/13(日) 22:01:44.74 ID:2UFMpXqH0
唯「いつもムギちゃんはしてる側だもんね」

紬「うん。唯ちゃんのお膝、暖かくてやわらかいよ」
紬「それに唯ちゃんの匂いがしてなんだか安心する」

唯「あんまり匂いをかいじゃ駄目だよ。恥ずかしいよ~」

紬「ご、ごめんなさい」

唯「謝らなくてもいいよ~私もムギちゃんに膝枕してもらってるときはこっそり…」

紬「こっそり?」

唯「…」
唯「えへへ~」
唯「聞かなかったことにしてくれる?」

紬「わかったわ」

唯「そう!! そういうところだよ!!!」

21: 2012/05/13(日) 22:02:36.44 ID:2UFMpXqH0
紬「きゃっ、いきなり大声だしてどうしたの?」

唯「ムギちゃんはそういうところがお母さんっぽいと思うんだ」
唯「無理に追求したりせず、見守ってくれてる感じ」

紬「うーん。そうかしら?」

唯「そうだよ」

紬「そうね」

23: 2012/05/13(日) 22:03:19.44 ID:2UFMpXqH0
唯「…」

紬「…」

唯「うーん、平和だね~」

紬「平和ね」

紬「そろそろ疲れてない?」
紬「同じ体勢をずっと続けるのって大変よ」

唯「これくらい大丈夫だよ~」

紬「そう? でも疲れたら言ってね」

25: 2012/05/13(日) 22:04:15.27 ID:2UFMpXqH0
唯「ずっとこうしていられたらいいのにね」

紬「膝枕?」

唯「そうじゃなくて…進路とか」
唯「N女子大学に行くことお父さんに反対されてるんでしょ?」

紬「そのことね…」

唯「高校卒業したら離れ離れになっちゃうのかな」

紬「大丈夫。そのときは家出しちゃうから」

唯「え?」

紬「だって唯ちゃんと離れ離れになるなんて考えられないもの」

唯「ムギちゃん…」

26: 2012/05/13(日) 22:04:57.73 ID:2UFMpXqH0
唯「でも家出なんて無茶だよ。お金だって…」

紬「バイトでそれなりに貯金してあるし」
紬「寮生活なら、奨学金もらいつつバイトすればなんとかなるわ」
紬「そこら辺は計算してるから、唯ちゃんは心配しなくていいのよ」

唯「…しっかり考えてるんだねムギちゃんは」
唯「でも困ったことがあったら言ってね。なんでも力になるから」
唯「突然いなくなったりしたら嫌だからね」

紬「わかってる。私はいなくなったりしないから安心して」

30: 2012/05/13(日) 22:05:47.66 ID:2UFMpXqH0
唯「ムギちゃんって物凄く過保護なお母さんになりそうだね」

紬「今流行のモンスターペアレントというやつかしら?」

唯「うんうん。ムギちゃんの子どもか~。かわいいだろうな~」
唯「きっとムギちゃんに似てお利行さんでやさしくて気が利いて」

紬「唯ちゃんの子供もきっとかわいいと思うわよ」
紬「唯ちゃんににて、天真爛漫元気いっぱいで」

唯「でも子どもを作るためには男の人と結婚しなくちゃならないよね」

紬「そんなことないわ」

唯「え?」

31: 2012/05/13(日) 22:06:12.17 ID:2UFMpXqH0
唯「結婚せずに子供だけ作るってこと?」
唯「それとも人工授精?」

紬「うちの親の関連会社にES細胞を研究してる会社があるんだけど」
紬「そこの研究員が発表した論文に、ES細胞を使った受精の実用化に目処がたったというものがあるの」

唯「難しくてよくわかんないや」

紬「つまり同性でも子供を作れる可能性があるってこと」

唯「本当に?」

紬「本当に」

33: 2012/05/13(日) 22:06:41.71 ID:2UFMpXqH0
唯「私とムギちゃんの子供…」

紬「あらあら」

唯「ちょっと気が早かったかな」

紬「そうね。私達まだ高校生だもんね」

唯「まずはお金を稼げるようにならないとねぇ」

紬「大学を出て」

唯「就職して」

紬「安定した収入ができて」

唯「すべてはそれからだね」

34: 2012/05/13(日) 22:07:20.86 ID:2UFMpXqH0
紬「今は今を楽しみましょう、唯ちゃん」

唯「うん」
唯「あ…大切なことを忘れてたよ。今日はムギちゃんに恩がえしするって決めてたのに」

紬「膝枕だけで十分なのに」

唯「だーめ。今日はムギちゃんに尽くす日なの」
唯「いつもムギちゃんにお茶をいれてもらってるから今日は私がいれるね」

紬「唯ちゃん、いれかたわかるの?」

唯「…わからないや」

紬「それじゃあ教えてあげるね。ついてきて」

35: 2012/05/13(日) 22:07:38.37 ID:2UFMpXqH0
唯「うーん」

紬「うなっちゃって、どうしたの?」

唯「いやー、ね。恩返しするつもりが、結局ムギちゃんにいろいろさせちゃってる気がして」

紬「別に気にしなくていいのに…」

唯「ムギちゃんは先のことまで色々考えてくれてるのに」
唯「私はムギちゃんになにもしてあげられないんだなって思うとね…」

37: 2012/05/13(日) 22:08:35.96 ID:2UFMpXqH0
紬「…」
紬「…」
紬「唯ちゃんが傍にいてくれるだけで私は元気になれるの」

唯「ムギちゃん?」

紬「唯ちゃんが傍にいないときはいつも考えてるの」
紬「唯ちゃんは今なにしているんだろうって」
紬「唯ちゃんが今何を考えてるんだろうって」

唯「…」

紬「だから唯ちゃんが膝枕してくれるって言ってくれてすごく嬉しかった」
紬「これ以上はないぐらい私は幸せだから、唯ちゃんは安心して」

唯「ムギちゃん…」

38: 2012/05/13(日) 22:10:08.02 ID:2UFMpXqH0
唯「でもやっぱりムギちゃんに何かしてあげたいよ」

紬「だからそれは膝枕で」

唯「なんていうのかな…自分の力で恩返ししたいんだ」
唯「ムギちゃん、何かやって欲しいこととかない?」


紬「じゃあ、いつの日か…」
紬「遠い、いつの日かでいいから…」
紬「私をお母さんにしてね」

おしまいっ!

39: 2012/05/13(日) 22:10:57.20

もっとラブラブイチャイチャしてもいいんだぜ

40: 2012/05/13(日) 22:11:16.27
ほのぼのした乙

引用元: 唯「ムギちゃんってお母さんみたいだよね」