63: 2015/12/04(金) 21:59:22.518 ID:0mFWENjt0
一色「それで、父が包丁研ぎながら『ちょっとソイツうちの晩御飯に招待しなさい』って笑顔で」

八幡「それ、間違いなく俺が三枚におろされちゃう流れだろ」

一色「お母さんも楽しみにしてるって、お赤飯炊かなきゃって言ってます」

八幡「いや、あのさ、そもそもさ」

一色「はい?」

八幡「俺たち、同棲とかしてないよね」

一色「……は?」

八幡「なんでそこで凄んでくるんだよ怖えわ」

一色「先輩何言ってるんですか毎日毎日私と一緒に生活しているじゃないですか
   それなのに同棲していないってどういうおつもりですか?もしかしてもう結婚してるから
   同棲なんて生温いもんじゃないっていうことですかすみません純白のウェディングドレスを
   バッチリ着たいので事実婚というのはあまりウェルカムじゃないんですごめんなさい」

八幡「え、ちょっと待ってちょっと待って、毎日?」

64: 2015/12/04(金) 21:59:49.322 ID:0mFWENjt0
一色「はい」

八幡「お前と?」

一色「はい」

八幡「一緒に生活?」

一色「はいっ」

八幡(やべえ、俺って2人いるの?ドッペルゲンガーなの?ちょっと憧れちゃうけど)

一色「とにかく、今度私の両親と会ってくださいね!」

八幡「まだ氏にたくないからもうちょっとお前の親父さんが落ち着くまで待とうね」

一色「む……まぁ確かに今のお父さんはちょっと危ないかもしれません……わかりました、仕方ないです」

八幡「お、おう」

八幡(お前の方が危ないまであるんだけど……言えねえ)

一色「それじゃ今日は早く帰ってきてくださいね、おいしいご飯作って待ってますから」

八幡「え? あ、行っちまった……一色は一体どうしちまったんだ……変な宗教とか催眠とかかかってないだろうな」

65: 2015/12/04(金) 22:00:21.319 ID:0mFWENjt0
結衣「……ヒッキー?」

八幡「お、おお、由比ヶ浜か、どうした?」

結衣「もう、またそんなよそよそしい呼び方してる……私の事は名前で呼んでって言ったじゃん」

八幡「え?」

結衣「だ、だって、……私ももうすぐ比企谷になるんだし……」

八幡「あの、もしもし?」

結衣「それにお腹の赤ちゃんも混乱しちゃうよ?」

八幡「ぶー」

結衣「わっ」

八幡「え、なに、由比ヶ浜妊娠してるのか……お前」

結衣「えっ……ヒッキー、ひどいよ……」

八幡「へ?」

67: 2015/12/04(金) 22:01:22.545 ID:0mFWENjt0
結衣「ヒッキー言ってくれたよね、二人で協力して、良い家庭を築いていこうねって……
   俺働きたくないけどお前たちのためなら頑張って働くからって……!」

八幡「な、なにそのカッコいいようで実はあんまりカッコよくないこと言ったやつ」

結衣「私、すっごくすっごく嬉しかったんだからね?」

八幡「お、おう……」

結衣「だから、今日は早く帰ってきてね?……あ、あなた?」

八幡「っ」

八幡(ふ、不覚にもドキッとしてしまった……しかしこれは一体どういうことなんだ……
   一色だけじゃなく由比ヶ浜までおかしい……何がおかしいって俺まだ童Oだもん……
   ふえぇ……子どもなんて出来る訳ないよぉ……)

八幡(……まさか雪ノ下も……い、いや、あいつは大丈夫……きっと大丈夫なはずだ……)

68: 2015/12/04(金) 22:01:43.034 ID:0mFWENjt0
八幡「……ちいっす」

雪乃「あら、今日は私のところに来てくれたのね……嬉しいわ」

八幡「えっ」

雪乃「ふふ、そんなところに立ってないで、入ったらどう?」

八幡「あ、ああ……」

八幡(まさか……)

雪乃「比企谷くん……」

八幡「あ、あの、雪ノ下さん?なんというか距離が近いような気がするんですが」

69: 2015/12/04(金) 22:02:19.488 ID:0mFWENjt0
雪乃「あら……私に近寄られたら困るというの?」

八幡「いや、そうじゃなくてだな」

雪乃「ふふ、もしかして気づいてくれたのかしら」

八幡「え……」

雪乃「前回比企谷くんが私のところに来てくれた際に、私の匂いをたっぷり付けておいたのよ、マーキングね」

八幡「ま、マーキング……?」

雪乃「どうせ私は比企谷くんにとって都合の良い女でしかないけれど、そこにいつまでも甘んじているとは限らないのよ」

八幡「な、なんの話だよ」

雪乃「ふふ、こういう話は男の比企谷くんにはわかりづらいかもしれないわね……まぁ女の意地というやつよ」

八幡「そ、そうか」

雪乃「ねえ……今日は泊まっていってくれるのかしら」

70: 2015/12/04(金) 22:02:35.136 ID:0mFWENjt0
八幡「え?」

雪乃「たまにはその……良いでしょう?」

八幡「わ、悪い、今日はなんだ、小町が家で待ってるんだ」

雪乃「そう、なの……いえ、ごめんなさい、こうして来てくれただけでも嬉しいわ」

八幡「え、えーとあれだ、その、あ、あんまり思いつめるなよ?」

雪乃「優しいのね……ありがとう……でも大丈夫よ、貴方さえいてくれれば私は……」

八幡「じゃ、じゃあまたな!」

雪乃「ええ、またね、比企谷くん」

八幡(どうなってんだよマジで……モテ期とかそんなちゃちなもんじゃあ断じてねえ……もっと恐ろしいものだ)

八幡(……流石に小町は大丈夫だろ……妹だし……さっさと帰って寝よう、そうしよう)

71: 2015/12/04(金) 22:03:32.042 ID:0mFWENjt0
三浦「ちょっとぉ、ヒキオー?」

八幡「はい?」

八幡(ま、まさか三浦まで……いやそんな事はありえない……絶対大丈夫なはずだ)

三浦「アンタさぁ、結衣になんか言った訳?」

八幡「え? いや別に……むしろ俺が言われたっていうか……」

三浦「あのさぁ、あの娘がそれで良いって言ってるかもしんないけど、もっとしゃんとしなよ」

八幡「と、というと?」

三浦「アンタ、雪ノ下さんとかあの生徒会長とかと時たま噂になってんの分かってる?」

八幡「……そんな根も葉もない噂が立ってるのかよ」

三浦「そういう噂が出る度に結衣が悲しむんだから……気をつけろっての」

八幡「お、おう、忠告あざっす」

八幡(良かった……この三浦はいつもの三浦だ……ちょっと言ってることおかしいけどオカン三浦だ……)

73: 2015/12/04(金) 22:03:49.112 ID:0mFWENjt0
三浦「全く……いつまで経っても世話が焼けるんだから……」

八幡「いやぁ、なんかすみません」

三浦「別に良いよ、こっちも好きでやってることだし……ところでさぁ、結衣が妊娠してから、アッチも相当溜まってるんじゃないの?」

八幡「ぶふぅっ」

三浦「それともまさかアンタ……本当に生徒会長とか雪ノ下さんとか……」

八幡「ないないないそんな訳ない」

三浦「……じゃああーしが確認してあげる」

八幡「は、はぁ!? お、おま何言って」

三浦「大丈夫だよ、結衣には秘密にするし……それにあーしもアンタの初めての時と久しぶりに比べてみたいし」

75: 2015/12/04(金) 22:04:46.693 ID:0mFWENjt0
八幡「なっ」

三浦「流石に今は入れた途端に射精しちゃうようなことはないんでしょ?結衣もすごいって言ってたし」

八幡(ま、まさか俺の童O、三浦に捧げちゃってるのか……?しかも割と悲惨な感じで)

三浦「ほら、行くよ」

八幡「ま、まま待ってくれ、今日はどうしても帰らなきゃいけないんだよ」

三浦「……そうなの? 誰かと会う訳?まさか姫菜じゃないよね?」

八幡「なんでそこで海老名さんの名前があがるんだよ……」

三浦「……前にちらっと零してたんだよね……ヒキオのこと味見したいって」

八幡「ばっ」

76: 2015/12/04(金) 22:05:06.137 ID:0mFWENjt0
三浦「ふーん、その反応じゃ違うみたいね」

八幡「当たり前だろ……」

三浦「ヒキオ、アンタが抱いていいのは結衣とあーし、この2人だけだかんね」

八幡「なっ」

三浦「……今度、2人で会ってよ……もちろん結衣に内緒で」

八幡「へ……」

三浦「じゃね、ヒキオ」

八幡「……まいったな……三浦までおかしいじゃねーか……しかも今の話じゃ海老名さんまで……」

八幡(小町は……大丈夫なんだろうか……ちょっと心配になってきたわ)

平塚「おい比企谷、ちょっと待て」

77: 2015/12/04(金) 22:05:20.523 ID:0mFWENjt0
八幡「は?」

平塚「ちょっと生徒指導室まで来なさい」

八幡(ま、まさか平塚先生まで……?)

八幡「い、いやあすみません、ちょっと家の都合で急いでるもので明日にして頂けると助かるんですが……」

平塚「大丈夫だよ比企谷、すぐ済む」

八幡「ほ、本当ですか?」

平塚「ああ、天井のシミの数を数えていればあっという間だ」

八幡(それ絶対アカンやつやん)

平塚「ほらほら、大丈夫だって、悪いようにはしないさ、むしろ気持ちよくしてやるさ」

八幡「う……」

平塚「ん?」

八幡「うわああああああああああああああ」

平塚「お、おい!廊下は走るな!……全く、照れ屋だな……」

78: 2015/12/04(金) 22:05:37.205 ID:0mFWENjt0
八幡「はぁっ、はぁっ……」

八幡(……上履きで駐輪場まで来てしまった……いやしかし1秒でも早く学校から立ち去りたい逃げ去りたい)

葉山「おい、大丈夫か? 様子が変だぞ」

八幡「……葉山、か」

葉山「?」

八幡「……ああ、いやなんでもない……早く帰りたくてつい走っちゃっただけでな」

葉山「そうか、今日は部活はもういいのか?」

八幡「ああ……ちょっと家に帰らなきゃいけなくなってな」

葉山「そうか、まぁ、それじゃあ引き止めたら悪いな」

八幡「いや、これくらいは大丈夫だ、問題ない」

葉山「そうか……それじゃあ今夜、いつものところで良いかな?」

79: 2015/12/04(金) 22:05:47.408 ID:0mFWENjt0
八幡「ん?」

葉山「たまには気分を変えてみるか?なんならホテルでも予約するよ」

八幡「……………………………………」

葉山「それとも」

八幡「ふんっ」

葉山「ぐはっ」

八幡「……かえろう……」

80: 2015/12/04(金) 22:06:18.546 ID:0mFWENjt0
八幡(いったいみんなに何が起きたというのか……さっぱり分からん)

八幡(昨日まで……いや厳密には今朝だってこんなおかしいことはなかったはずだ)

八幡(いったいいつ、どこで何があってこうなったんだ……)

八幡(……ん? あれは……留美……か? だが様子がおかしい……というかアレは)

留美「……!」

八幡「!? お、おい、お前大丈夫か……?」

留美「八幡……うっ、ううっ」

八幡「おい、どうした、何があった?」

留美「そ、そこの公園のトイレにいきなり連れ込まれて……」

82: 2015/12/04(金) 22:06:29.160 ID:0mFWENjt0
八幡「マジか……」

留美「そ、それで……持ってた裁縫箱で思い切り頭を殴ったらその人倒れちゃって……私どうしたら良いか」

八幡「……わかった、とりあえず行こう、そんで救急車と警察呼ぶか」

留美「う、うん」

八幡「……お前は来なくても大丈夫だぞ、怖いだろ?」

留美「八幡と一緒なら……大丈夫……」

八幡「そっか……じゃあ一緒にいくか」

留美「……うん……」

83: 2015/12/04(金) 22:07:32.998 ID:0mFWENjt0
八幡「ここ、か?」

留美「……」

八幡「誰もいないぞ……もしかして気が付いて逃げたのか?そうだとすると危ないな」

留美「八幡」

八幡「え?」

留美「ここ」

八幡「ん?」

留美「ここにいるよ、倒れた男の人」

八幡「えっ?」

留美「八幡がここで倒れるんだよ」

84: 2015/12/04(金) 22:07:44.388 ID:0mFWENjt0
八幡「ちょっそれとんかちじゃねえかマジで危ねえわ!」

留美「大丈夫、峰うちだから」

八幡「峰うちの意味分かってねえだろ!」

留美「ねえ、良いでしょ、私だってずっとご無沙汰なんだよ、こんな体にした責任取ってよ八幡」

八幡「えんだあああああああああああああああああああ」

留美「っ!?」

八幡「いやあああああああああああああ」

留美「あっ、ちょっ」

八幡(も、もういやだこんな世界……なんでこんな……こんな……)

86: 2015/12/04(金) 22:08:16.015 ID:0mFWENjt0
八幡(大丈夫……絶対小町は大丈夫なはずだ……絶対、絶対だ……)

八幡(もしこれで小町までおかしかったら、俺はもう……もう……)

八幡「た、ただいま」

小町「あれ、お兄ちゃんお帰り~、今日は早かったんだね」

八幡「あ、ああ……ちょっとな」

小町「お兄ちゃんなんかあったの?ひどい顔だよ」

八幡「だ、大丈夫だ、大丈夫……」

小町「うーん、大丈夫そうにはあんまり見えないけどなー、まぁ、なんかあったら聞いたげるからね」

八幡「な、なあ小町、お前なんともないのか?」

小町「は? なにが?」

八幡「いや、ほら、お兄ちゃん大好きーみたいなの」

小町「……お兄ちゃんキモ……なにいきなりどったの」

87: 2015/12/04(金) 22:08:33.822 ID:0mFWENjt0
八幡「いや、ちょっと学校でなんか……」

小町「ふーむ、なんかよく分からないけどいろいろあったんだね」

八幡「ああ」

小町「そっかそっか、ほらお兄ちゃん、ぎゅー」

八幡「こまち……」

小町「もう、まったくまったく、仕方ないな、お兄ちゃんは」

八幡「こまち……」

小町「良いんだよ、お兄ちゃん、小町は家族なんだから、ちゃんと受け止めてあげるよ」

八幡「こまちぃ……」

88: 2015/12/04(金) 22:08:48.856 ID:0mFWENjt0
小町「よしよし、もう大丈夫だよ、お兄ちゃん……」

八幡「ごばぢぃぃ……」

小町「もう心配しなくて良いからね」

八幡「うん……うん……」

小町「お兄ちゃんを困らせるやつらは、みーんな小町が処分しとくからね、あ、今の小町的に超ポイント高い」

八幡「………………」

八幡(小町……お前もか……)

小町「あ、あれ? お兄ちゃん! おにぃぃちゅゎぁぁぁぁん!!」

89: 2015/12/04(金) 22:09:16.105
おお……もう……

90: 2015/12/04(金) 22:09:20.280 ID:0mFWENjt0
??「……っと! ちょっと! 大丈夫!?」

八幡「……う……?」

川崎「すごいうなされてたけど、大丈夫?」

八幡「あ、あれ……川崎……?」

川崎「顔色もひどいし……」

八幡「えっと、ここは」

川崎「学校の保健室だよ……アンタ忘れたの?授業中に突然倒れたんだよ」

八幡「そう、なのか……」

91: 2015/12/04(金) 22:09:39.872 ID:0mFWENjt0
川崎「そんなことも覚えてないの?結構やばくない?」

八幡「い、いや、そうか、夢か……」

川崎「悪い夢でも見てた訳?」

八幡「ああ、そう、だな……」

川崎「ふうん」

八幡「つかお前はここで何してんだ?」

川崎「私は貧血で具合悪くなったからちょっと休ませてもらってただけ」

八幡「そうか……じゃあ起こしちゃったのか?」

92: 2015/12/04(金) 22:10:04.287 ID:0mFWENjt0
川崎「別に熟睡してた訳じゃなくて横になってただけだし……」

八幡「そうか……なら別に良いんだが……はぁ、なんか川崎の顔みたら落ち着いたわ」

川崎「はぁ?」

八幡「わり……もうちょい休……む……」

川崎「……はぁ、ほんとコイツ……」

八幡「……zzZ」

川崎「……………………ふふ、アンタは誰にも渡さないからね…………」

おわり

93: 2015/12/04(金) 22:10:51.540

せやけど、えぇ……

94: 2015/12/04(金) 22:11:55.436 ID:0mFWENjt0
お付き合いありがとう
昨日と今日で大体2ヶ月くらい仕事中にちょこちょこ書きなぐった妄想を垂れ流したよ
じゃあの

96: 2015/12/04(金) 22:12:47.936
ニヤニヤがとまらなかった

引用元: 小町「お兄ちゃん、明日話しかけられたら相手の下の名前呼んで返事して」八幡「は?」