1: 2012/06/06(水) 21:03:26.67 ID:yMMGalvb0
さやか「ねぇ転校生。最近まどかとどうよ」

ほむら「突然何を言い出すの?」

さやか「良いから。どうなの?今まで通り仲良しなの?」

ほむら「……仲が悪くなったわけじゃないけど、確かに以前ほどラブラブではないわね」

さやか「ラブラブかどうかは置いといてさ。やっぱそうなんだ……」

ほむら「何が言いたいの?」

さやか「あたし多分……まどかがあんたから離れつつある原因知ってるよ」

ほむら「なんですって!?」ガタッ

さやか「たぶん、杏子だよ」

12: 2012/06/06(水) 21:32:49.46 ID:yMMGalvb0
ほむら「杏子が……!?」

さやか「うん……最近さ、妙にあの2人仲良いんだよね」

ほむら「そんな……信じられないわ……」

さやか「あたしだって信じたくないよ……。
    でもあんだけさやかさやかうるさかった杏子が急に大人しくなっちゃうんだもん。
    これはもうまどかが関わっていると見て間違いないよ!」

ほむら「……わかったわ。今日の放課後、まどかを尾行しましょう」

さやか「はい?」

ほむら「実際にこの目で確かめるのよ。まどかが浮気してるのかどうか」

さやか「浮気って。でもま……反対はしないよ。わかった、今日の放課後ね」

13: 2012/06/06(水) 21:38:05.79 ID:yMMGalvb0



まどか「えっ?2人とも今日は用事あるの?」

ほむら「そうなの。ごめんなさいまどか。本当にごめんなさい。
    あなたと一緒に帰れなくて本当にごめんなさい。本当は私だって嫌なの。
    でも仕方ないの。本当にごめんなさい。一緒に帰りたくて仕方ないんだけど、本当にごめ」

さやか「うん、そういうことだから。悪いね、まどか」

まどか「そっか……分かった。それじゃ、また明日ね!さやかちゃん、ほむらちゃん!」

さやか「…………よし、行ったね」

ほむら「どうしてあなたの名前の方が先なの?」

さやか「知るか!どっちでも同じでしょうが!それよりほら、尾行開始!」

15: 2012/06/06(水) 21:44:00.45 ID:yMMGalvb0
まどか「…………」テクテク

さやか「……普通に通学路通って帰ってるね」

ほむら「…………」

さやか「……よく考えたらさ、別に杏子に会うとは限らないんだよね」

ほむら「…………」

さやか「むしろ会う可能性の方が少ないっていうか……。ねぇ聞いてんの?」

ほむら「……後ろ姿を見続けるというのも案外悪くないわね。コソコソしてる分、背徳感があって良いわ」

さやか「目的を見失ってやがる」

16: 2012/06/06(水) 21:51:04.42 ID:yMMGalvb0
まどか「…………」テクテク


さやか「うーん……このままじゃ普通に家着いちゃうよ」

ほむら「そうね。でもまどかを後ろから見続けて可愛いポイントも色々見付かったしこれはこれで収穫だわ」

さやか「あんた……。むっ!?ちょっと待って!」


まどか「……あれ?もしかして……」

杏子「ん?よぉ。まどかじゃん」

まどか「杏子ちゃん!」

18: 2012/06/06(水) 21:56:20.39 ID:yMMGalvb0
さやか「ま、まさか本当に会うとは……!」

ほむら「そんな……!」


まどか「杏子ちゃん!どうしたの?こんなところで!」

杏子「見りゃわかんだろ?ここでたい焼き買おうと思ってさ」

まどか「あれ、でもお金は?」

杏子「だいじょーぶ。マミに貰った小遣いまだ残ってるからさ」

21: 2012/06/06(水) 22:02:00.07 ID:yMMGalvb0
まどか「そうなんだ!杏子ちゃん、いつもここでたい焼き買ってるの?」

杏子「まーね。あんた、毎日ここ通るんだろ?買ったことないのかい?」

まどか「えへへ、実は……」

杏子「ふーん。結構美味いんだぜ、ここ。あたしのお気に入りなんだ」

まどか「わ、そうなの?じ、じゃあわたしも買ってみようかな!」



さやか「何よ……なんか良い雰囲気じゃない……」

ほむら「偶然を装ってまどかに近付くなんて……あの女……」

さやか「銃はしまいなさい」

23: 2012/06/06(水) 22:07:45.65 ID:yMMGalvb0
杏子「何にしよっかなー。昨日はあんこだったし……へへっ、今日はカスタードにしよっかな」

まどか「杏子ちゃんカスタードにするんだ?じゃあわたしも同じのにしよっ」

杏子「なんだよ、別に好きなやつ選べば良いのに」

まどか「良いの、杏子ちゃんと同じやつにしようって決めてたんだ♪」

杏子「ふーん。変な奴。別に良いけどさ」

まどか「えへへっ」



さやか「恋人か!」

ほむら「ま、まどか……私にはそんなこと言ってくれたことなかったのに……!」

25: 2012/06/06(水) 22:12:37.19 ID:yMMGalvb0
店員「はい、どうもありがとー」

まどか「わー、おいしそー!」

杏子「んじゃ、早速食おうぜ」

まどか「うん!いっただっきまー……あっ!」ポロリ

杏子「なっ……!」

まどか「お、落としちゃった……!」

杏子「さ、3秒ルールっ!!」

28: 2012/06/06(水) 22:16:42.20 ID:yMMGalvb0
杏子「……ふぅ、ギリギリセーフだな」

まどか「ご、ごめんね、杏子ちゃん……わたし……」

杏子「ん?何がだよ」

まどか「だ、だって、たい焼き、地面に落としちゃった……」

杏子「何言ってんのさ。3秒以内に拾ったからセーフだろ?
    見た感じ土なんかも付いてないし、行けるっしょ」ムシャリ

まどか「えっ……!?」



さやか「た、食べおった!地面に落としたたい焼きを食べおった!」

ほむら「ふふ……終りね、杏子。そんな犬のような真似をして。まどかに軽蔑されるが良いわ」

30: 2012/06/06(水) 22:23:41.85 ID:yMMGalvb0
杏子「うん、やっぱり全然行ける。美味い美味い」ムシャムシャ

まどか「き、杏子、ちゃん……?」

杏子「ん?どうかした?……あ、悪い。これあんたのだったね」

まどか「あ、う、ううん。それは別に良いんだけど……」

杏子「ほい」

まどか「え?」

杏子「あたしの。あんたの食っちまったから交換だ。こっちはまだ口付けてないからさ」

まどか「杏子ちゃん……優しすぎるよぉ!すっごく嬉しい!ありがとう!」



さやか「いやいやいやいや!おかしくない!?普通引くでしょ!拾い食いとか普通ドン引きでしょ!」

ほむら「そうなの……?そういう趣味なの……?まどか……。
    私だって、まどかの落とした物ならなんだって……そう例え、うんt」

さやか「それ以上いけない」

31: 2012/06/06(水) 22:29:38.79 ID:yMMGalvb0
杏子「ははっ、おいおい。そこまで感謝するかよ?」

まどか「だって、嬉しかったんだもん」

杏子「ってか、次は気をつけなよ?食い物を粗末にしたら許さねぇからな」

まどか「う、うん。ごめんね……えへへ」

杏子「?なんで嬉しそうなのさ」

まどか「えっ?あ、その……杏子ちゃんに叱ってもらえて、なんだかちょっと……」

杏子「あん?変な奴だな、あんた」

まどか「杏子ちゃん、すごく優しくて、かっこよくて……。
    結婚するなら、杏子ちゃんみたいな人が良いかな、って思ってしまうのでした。
    ……なんちゃって。えへへっ」

杏子「なんだそりゃ。褒めてんのか?ま、悪い気はしないけどさ」



さやか「馬鹿な……」

ほむら「」

34: 2012/06/06(水) 22:33:27.66 ID:yMMGalvb0
さやか「というわけで……。尾行の結果、得たものよりも失ったものの方が多いような結果になりました」

ほむら「結婚するなら杏子が良いって……結婚するなら杏子が良いって……」

さやか「落ち着きなって。杏子みたいな人が良いって言っただけで、
    別に杏子と結婚したいって言ったわけじゃ……」

ほむら「そ……そう、よね……。そうよ……私が、杏子みたいになれば……」

マミ「いいえ!それはダメよ、暁美さん!」

39: 2012/06/06(水) 22:39:27.56 ID:yMMGalvb0
さやか「ま、マミさん!?どこから!?」

マミ「無理に変わろうとするなんて、そんなの間違ってるわ。暁美さんは暁美さんのままでいるべきよ!」

ほむら「巴マミ……今はあなたに構っている余裕はないわ。放っておいてちょうだい」

マミ「そんな……」

さやか「ちょ、ちょっとほむら。いくら傷心中だからってその言い方は……」

ほむら「そんなの関係ない」

マミ「わ……私は先輩としてアドバイスしてあげてるんだけどな?」

ほむら「たった1年早く生まれただけでどうしてそんなに偉そうに出来るのかしら。
    私にはそれが不思議でたまらないわ」

マミ「あ、暁美さん……」

42: 2012/06/06(水) 22:44:24.74 ID:yMMGalvb0
ほむら「わかったら、早く消えて。不愉快よ」

マミ「そ、そんな言い方って……」

ほむら「そうね、できれば二度と私の目の前に姿を現してくれなければ助かるわ」

マミ「ひ、酷いわ!どうしてそんな……」ガシッ

ほむら「触らないで」バシッ

マミ「きゃっ……!」

ほむら「どうして一度で分からないの?動物じゃないんだから、一度言えば聞き分けなさい。
    それとも、動物なのかしら?だったら躾けないといけないわね。家畜のように」バシィッ

マミ「きゃあっ!」

45: 2012/06/06(水) 22:49:01.10 ID:yMMGalvb0
さやか「ちょっ……転校生!いくらなんでもやりすぎだよ!」

ほむら「邪魔をしないで。まだ生ぬるいくらいよ」バシッ!バシッ!

マミ「あっ!あ、暁美さん!許してぇ!許してぇ!」

ほむら「いいえ。今私は傷付いているの。このくらいじゃ気がおさまらないわ」バシィ!バシィ!

マミ「ダメぇ!暁美さぁん!あんっ!あぁんっ!許してぇ!あぁんっ!」

さやか「」

ほむら「どうかしら?ほら、まだわからないの?ほら、ほら」バシィ!バシィ!

マミ「あぁんっ!暁美さん!ダメ、だめぇ!も、もっとぉ!もっとぉ!」

さやか「帰ろう」

48: 2012/06/06(水) 22:54:45.36 ID:yMMGalvb0
さやか「まさか2人があんな関係だったとは……
    マミさんが偉ぶってたのは転校生のおしおきが欲しかったからなのか。
    でも転校生の方は無意識っぽいなぁ。
    だってあいつはあくまでもまどか一筋だし……」

QB「おや?やぁ、さやかじゃないか」

さやか「キュゥべえ。こんなところで何してんの?」

QB「マミを探してたんだよ。君は見なかったかい?」

さやか「あー……うん。まぁ、ね」

QB「?イマイチ要領を得ない返事だね」

50: 2012/06/06(水) 22:59:34.29 ID:yMMGalvb0
さやか「ていうか、どうしたの?マミさんに何か用事?」

QB「いや、特に用事ってわけでもないんだけど」

さやか「んー?何、もしかして寂しくなっちゃったとかー?」

QB「おかしなことを言うね。僕に感情がないことは君も知っているだろう?」

さやか「まーね。ちょっとした冗談だよ。んじゃ、なんで用事もないのに?」

QB「なんとなくね。マミに会いたい気分なんだ。
  いや、僕に感情はないから別に寂しいとかじゃないんだけどね。
  最近ちょっとマミがほむらのところにばかり行って全然僕の相手をしてくれないけど、
  別に寂しいとかそういうんじゃ全然ないんだけどね。
  だって僕には感情がないんだから。感情がないけど、なんとなくマミに会いたい気分なのさ。
  最近あんまりマミに会えていないからね。だからなんとなくね。僕に感情はないけどね」

さやか「」

53: 2012/06/06(水) 23:04:36.74 ID:yMMGalvb0
QB「それで結局、君はマミを見たのかい?見ていないのかい?
  僕としては返事は早ければ早いほど良いんだけど。マミに早く会いたいんだ。
  いや、別に感情はないからそういうアレじゃなんだけどね。
  とにかく居場所を知ってるなら早く教えてくれると助かるよ」

さやか「……あっち」

QB「そうか、あっちの方に居るんだね!ありがとう、さやか!今度お礼をするよ!じゃあね!」

さやか「どうしてこうなった……もうわけわからん。
    まどかと杏子はまだ良いとして、ほむらとマミさんに加え、まさかキュゥべえまで……。
    キュゥべえがマミさんを好きで、マミさんはほむらで、ほむらはまどかで、まどかが杏子で……。
    何角関係よ……。ってあれ?じゃあ、杏子は……」

杏子「おーい、さやかー!」

さやか「!」

57: 2012/06/06(水) 23:09:58.88 ID:yMMGalvb0
さやか「杏子!あんた、どうしたの?まどかは?」

杏子「ん?まどか?普通に家に帰ったけど?
   っていうかなんであたしとまどかが一緒に居たこと知ってんのさ」

さやか「え?あー、それはその……た、たまたま見かけたんだよ」

杏子「なんだよ。だったら話しかけてくれりゃ良かったのに……」

さやか「あ、あははは……ま、まぁ良いじゃんそんなこと!」

杏子「……やっぱさ、あたしが鬱陶しくしすぎたか?」

さやか「へっ?」

杏子「あたしがあんたにしつこく絡むから、話しかけたくなかったのか……?」

60: 2012/06/06(水) 23:16:09.86 ID:yMMGalvb0
さやか「そっ、そういうわけじゃ……ほ、ほらだってさ。
    なんか最近、あんたまどかとすっごく仲良いじゃん?
    今日も楽しそうにしてたから、邪魔しちゃ悪いかなーって」

杏子「なんだよそれ!確かに最近まどかの奴がよく会いには来るが、そんな変な気ぃ遣わなくたって……」

さやか「あんた、まどかのことは、なんとも思ってないの……?」

杏子「?どういう意味だよ?」

さやか「いや、だってさ。最近あんた、前みたいにあんまりあたしに話しかけに来ないじゃん?
   だから、あたしよりまどかと仲良くなっちゃったのかなーって……」

杏子「ちげぇよ!あたしがあんたに話しかけなかったのは……」

さやか「話しかけなかったのは……?」

杏子「……さやかに、嫌われたくなかったからだよ」

62: 2012/06/06(水) 23:21:18.50 ID:yMMGalvb0
さやか「えっ……」

杏子「だってさ、さやか……あたしのこと、ちょっとしつこいって思ってただろ?」

さやか「そ、それはまぁ……ちょっとだけ」

杏子「ほら。だからあたしは……」

さやか「で、でも……なんていうかな。
    最近あんたのそういうのがなくなったら、ちょっと寂しいっていうか……。
    ああいうのも、悪くなかったんだな、って、気付いたっていうか……」

杏子「さやか……!」

さやか「うん、まぁ……そういうこと」

杏子「じゃ、じゃあ……さやか!あたしと、友達になってくれんのか……!?」

さやか「……うん、良いよ」

63: 2012/06/06(水) 23:26:38.80 ID:yMMGalvb0
さやか「はは、もう、大げさだなぁ……ん?」

さやか(えっと、ということは?キュゥべえがマミさんを好きで、マミさんは転校生、
    転校生はまどか、まどかは杏子、杏子はあたしで……じゃあ、あたしは?
    キュゥべえ→マミさん→転校生→まどか→杏子→あたし→?)

さやか「…………」

杏子「……さやか?」

さやか「……べえ」

杏子「は?」

さやか「キュゥべえ……」

67: 2012/06/06(水) 23:32:03.49 ID:yMMGalvb0
杏子「あんた、何言って……」

さやか「キュゥべえに、キュゥべえに会いたい……」

杏子「なっ……」

さやか「誰かに好きになられた分、他の誰かを好きにならずには居られない……。
    あたしたち魔法少女って、そういう仕組だったんだね……」

杏子「さやか……あんたまさか……!」

さやか「あたしって、ほんとケモナー」ダッ

杏子「さやかぁああああああああ!!」

69: 2012/06/06(水) 23:38:54.86 ID:yMMGalvb0
QB「やれやれ。ようやく合点がいったよ。
   どうして感情のないはずの僕がこんなにマミのことを恋しく思ったのか。
   いや、僕に感情はないんだけどね。
   恋しいというのは、君たちの言葉で言えば“恋しい”ということだ。
   僕に感情はないから、マミが助けてくれなくてもなんとも思わないよ。本当さ」

さやか「キュゥべえ!もふもふ!もふもふ!くんかくんか!もふもふ!キュゥべええええ!!」

QB「しかしまさかこれが人間→人外にも適用されるなんて。
   好意が連鎖し、最後には1つに繋がり輪となる。そう、これが……」

マミ「美樹さんは(別次元に)逝ってしまったわ……円環の理に導かれて」

さやか「キュゥべえたんのしっぽモフモフ!耳毛すーはーすーはー!きゅんきゅん!」

杏子「さやか……ちくしょう……。やっと友達になれたのに……」

ほむら「……まどか……」クチュクチュ

まどか「杏子たんはぁはぁ」

 おしまい

71: 2012/06/06(水) 23:41:07.66
乙 ハッピーエンドだな

72: 2012/06/06(水) 23:41:56.58
乙っちまどまど!

76: 2012/06/06(水) 23:54:24.52 ID:yMMGalvb0
付き合ってくれた人ありがとう、おつかれ

>>74
俺も書きながらその画像浮かんだわ

引用元: さやか「えーっと、まどかが杏子で……」