1: 2012/07/01(日) 23:08:07.79 ID:t4gzrpqWO
――美希の部屋
――PM23:50

美希「あふぅ…もうこんな時間なの」パラッ、パラッ

美希「美希も、こんな小説みたいな恋愛したいの…」パタン

美希「…ハニー…」

窓の外を見る。今日は、朝から雨。…ねぇ、ハニー?美希のハートも、雨模様なの。

美希「明日は、晴れるといいな」

美希「…おやすみ。ハニー」

4: 2012/07/01(日) 23:12:32.34 ID:t4gzrpqWO
――次の日
――765プロ事務所

美希「おはよー!なの!」ガチャッ、バタン

P「おぉ、美希!おはよう!」ニヤニヤ

美希「?」

今日のハニー、何かヘン。すっごく機嫌がいいの。

美希「おはよ、ハニー。どうしたの?そんなニヤニヤして」

P「ふっふっふ。驚くなよ?美希…」ゴソゴソ、

美希「?」キョトン

P「これを見ろ!」バッ

美希「なになに?」チラッ

美希「…」フムフム

美希「っ!」

美希「ハニー!これ、ホント!?」

P「あぁ、ホントだ!やったな!海外での写真集撮影だ!」

8: 2012/07/01(日) 23:17:25.78 ID:t4gzrpqWO
海外での写真集撮影。今までも何回かあったけど…今回は…。

美希「ミキの…ミキだけの写真集…」

そう。今回は、ミキ一人だけの撮影。嬉しいの!

美希「…ねぇ、ハニー?」チラッ

P「ん?何だ?」

美希「ハニーも…来てくれるんだよね?」

P「もちろん!俺は美希のプロデューサーだからな」

やった!美希とハニー二人きりの海外なの!

美希「えへへ…ハニー?」ギュッ

P「ほら、そんなにくっつくなって」

もうっ!ハニーのニブチン!

美希「むっ!そんな事言うと、もっとくっついちゃうよ?」ギュー

10: 2012/07/01(日) 23:21:13.33 ID:t4gzrpqWO
美希「じゃあ今日は、仕事頑張っちゃうの!」ニコニコ

ハニーとの海外…すっごく楽しみなの!でも、やっぱり今日も…雨模様。

P「ははっ。現金なヤツだなぁ…」ナデナデ、ナデナデ

美希「ミキ、いつも頑張ってると思うな」プクー

P「そうかぁ?」ナデナデ

美希「そうなの!そんな事言うハニー、嫌い!」

美希「…でも」

P「でも?」ナデナデ、ナデナデ

美希「ハニーのなでなでが気持ちいいから、やっぱりスキ!」

12: 2012/07/01(日) 23:26:19.41 ID:t4gzrpqWO
――Pの車内
――PM16:30

――ザー、ザー、パシャパシャ、

美希「はふぅ。雨、止まないね」チラッ

P「そうだなぁ。昨日から、ずっと雨だからな。お天気娘の美希も、さすがに気が滅入るか?」

美希「お天気娘って…。ハニー?オジサンみたいなの」クスクス

P「ははは。俺もそんなに若くはないからな」

美希「そんな事ないよ?ハニーはカッコいいの!」

運転するハニーの横顔は、いつ見てもカッコいいの…。

P「ははっ。ありがとな?」ナデナデ、

美希「ハニー?なでなでするのもいいけど、ちゃんと運転してね?だって明日は…」

明日は、ハニーとの海外。今から、楽しみなの!

15: 2012/07/01(日) 23:31:34.39 ID:t4gzrpqWO
P「そうだな。明日は、大事な写真集の撮影だ。こんなとこで事故ったらシャレにならん」

美希「そうなの♪だから、安全運転だよ?ハニー」クスクス

P「わかったわかった。大事なお姫様も乗せてる事だしな」チラッ

美希「…ばか」

自然にそんな事言うから、みんなスキになっちゃうの。自覚してる?

美希「…はぁ…してないの…」ボソッ

P「ん?何か言ったかー?」チラッ

美希「ニブチンなそこの人には、関係ないの」ムスッ

P「おっ?久しぶりに聞いたな。ソレ」

17: 2012/07/01(日) 23:37:31.45 ID:t4gzrpqWO
――美希の家の前
――PM19:45

美希「じゃあハニー、明日は一度、事務所に行けばいいんだよね?」

P「おう。事務所前から、タクシーで空港に向かうからな」

美希「ふふっ。早く、明日にならないかなー!」

P「明日には、この雨も止むだろうしな」

美希「明日、晴れればいいね!」

P「そうだな。じゃあ、美希。明日な?」

美希「うん。じゃあ、おやすみ。ハニー」

P「おやすみ。美希」ガチャッ、バタン

――ブーン

美希「…」フゥ...

ハニー、行っちゃった…。

18: 2012/07/01(日) 23:41:26.86 ID:t4gzrpqWO
――美希の部屋
――PM23:50

美希「…」パラッ、パラッ

美希「…」パラッ、パラッ

美希「…ふぅ」フゥ...

――ザー、ザー、バシャバシャ

美希「…」

美希「うそつき」

雨、止みそうにないの。いつになったら、止むのかな。

美希「…寝るの」パタン

読んでた本を閉じて、枕元に置く。ミキ、読みかけの本は、近くに置いとかないと落ち着かないの。

美希「…」チラッ

――ザー、ザー、バシャバシャ

美希「…」

美希「…おやすみなの」

19: 2012/07/01(日) 23:46:12.30 ID:t4gzrpqWO
――次の日
――海外の空港

美希「ハニー!着いたのー!」ピョンピョン、ピョンピョン

P「ははっ。落ち着け、美希。みんな見てるぞ?」

――ガヤガヤ、ガヤガヤ、

美希「いいの!だって、知ってるヒトいないし!」ピョンッ、ギュー

P「ははっ。お前はそういうヤツだったな…」

美希「…ねっ!ハニー?」ギュー

P「ん?どうした?」ナデナデ

美希「あふぅ」ウットリ

美希「って、違うよ!ハニー?スタッフさんとかは?」

P「あぁ、その事か」

P「いない」

美希「えっ?」

P「だから、いない」

美希「…えっ?」

21: 2012/07/01(日) 23:52:10.24 ID:t4gzrpqWO
P「今回は、お前の自然体を撮りたいからな。撮影は俺、移動の運転も俺」

P「あっ、部屋は別々だからな?」

美希「…むっ。そこも俺、が良かったの」ムスー

P「ははっ。カンベンしてくれ」

美希「…でも、ビックリしたの。全部ハニーがしてくれるんだね!」

ミキ、ビックリはあんまり好きじゃないけど、今みたいなビックリは好きになれそう。

P「あぁ。だから、ありのままのお前を見せてくれよ?」

美希「うん!」

日本と違って、グアムは晴れ!ミキのハートは…晴れになるかな?

24: 2012/07/01(日) 23:57:10.34 ID:t4gzrpqWO
――ホテル
――PM16:00

P「じゃあ、美希の部屋は俺の隣だから。なんかあったら、携帯に電話くれ」

美希「撮影はいつするの?」

P「もう夕方だし、軽く海岸を歩こうか。衣装はトランクに入ってるから、好きなの着ていいぞ?」

P「そうそう。夕陽が綺麗みたいだから、夕陽に映える衣装がいいかな?」

美希「ハニーのリクエストだね?ミキ、オシャレするの♪」

P「期待してるよ。じゃあ、用事が出来たら電話してくれ」

美希「わかったの!じゃあ、また後でね?ハニー!」ガチャッ、バタン

25: 2012/07/02(月) 00:01:27.17 ID:yyREnjK6O
――美希の部屋(ホテル)

美希「~♪」ゴソゴソ、

ハニーと二人きりで海岸を歩く。楽しみなの!

美希「どんな洋服があるのかなぁ…」ゴソゴソ、ゴソゴソ

トランクを開けてみる。あはっ!色んな洋服があるの!

美希「ふふっ。ハニーって、ほんとピンクと黄色が好きなんだね」クスクス

見ると、ピンクと黄色の洋服が気持ち多めに入ってるの。

美希「…う~ん。あはっ!うん、これにするの!」

ミキが選んだ洋服。それは

29: 2012/07/02(月) 00:06:19.91 ID:yyREnjK6O
――Pの部屋(ホテル)

P「あいつ、嬉しそうだったな…」

美希の笑顔は、人を幸せにしてくれる。それは、俺も例外じゃない。だからこそ、

P「意識、しないようにはしてるんだけどな…」

でも、やっぱり、

P「意識、しちゃうよなぁ…」

美希の笑顔は、俺を幸せにしてくれる。

――ダイスキーハーニィー♪

P「おっ?もしもし?ん、わかった。じゃあ、部屋の前で待ってるから」プツッ

さて、行くか。

32: 2012/07/02(月) 00:11:06.16 ID:yyREnjK6O
――美希の部屋の前(ホテル)

美希「…どう…かな?」チラッ

P「美希…お前、それ…」

あはっ!ハニー、ビックリしてる!でも、当たり前かな?

美希「あはっ!ビックリした?そうなのっ♪ハニーと二人きりでしょ?だから、ね?」チラッ

P「…じゃあ、行くか」

美希「むっ!ハニー、照れてるのー♪」タッタッタッタッ

ミキの服はね?あはっ!『プロデューサー』が初めてミキに買ってくれたご褒美の洋服!

34: 2012/07/02(月) 00:17:31.48 ID:yyREnjK6O
――海岸

美希「ねぇ、ハニー?」トテトテトテ、

P「ん?何だ?」パシャッ

二人で海岸を歩く。時々、ハニーがミキを撮ってくれる。…あはっ!何だか、変な感じ。

美希「晴れて、良かったね」トテトテトテ、

P「そうだな。外は夕陽が傾いてきたけど、夜空も綺麗そうだし」

時々、美希を撮る。ファインダーの中の美希は、笑顔だったり、少し物憂げだったり。俺に、色んな表情を見せてくれる。

美希「…」ギュッ

P「美希?」

美希「…」ギュー

P「…写真、撮れなくなるぞ?」

美希「いいの…」

35: 2012/07/02(月) 00:22:19.90 ID:yyREnjK6O
美希「ねぇ、そこの人」パッ

P「…」

美希「…ミキが、プロデューサーって呼んで…どう思った?」

傾きかけた夕陽が、最後に美希を照らす。

美希「ねぇ、プロデューサー」

P「…」

美希「ミキが、ハニーって呼んで、どう思った?」

少しずつ、夕陽が落ちて、

美希「ねぇ、ハニー」

P「…」

美希「次は、何て呼べばいいの?」

夕陽が完全に傾いて、少しずつ、星が出てきた。

37: 2012/07/02(月) 00:26:19.91 ID:yyREnjK6O
星が出てきた。日本とは違って、海みたいな星空だった。

美希「…ミキね?知ってるよ」

P「何を?」

美希「ハニー…ううん、プロデューサー」

美希「無理、してる」

P「なんで、そう思う?」

美希「だって、ミキもだから」

P「えっ?」

美希「ミキも、無理してるから」

…言っちゃった。でも、もう無理なの。ごめんね?ハニー。

38: 2012/07/02(月) 00:32:51.33 ID:yyREnjK6O
気持ちが、止まらない。

美希「あのね?ミキはスキだよ。プロデューサーの事」

美希「いつもプロデューサーはミキを子ども扱いしてるけど」

プロデューサーって言葉が、痛い。ミキに本気でそう呼ばれたのは、いつ以来だろうか。

P「暗く…なってきたな」

美希「誤魔化さないで」

海のような星空で…星が、泣いていた。

40: 2012/07/02(月) 00:38:31.78 ID:yyREnjK6O
美希「ミキ、中途半端はイヤ。だって、スキだから」ポロ...

美希「ねぇ、プロデューサー。このまま、ハニーって呼んでいいの?」グスッ、

P「…」

P「なぁ、美希」

美希「なに?」

プロデューサーが、空を見る。ミキも、つられて空を見る。

美希「…綺麗なの…」

星の海。星がいっぱいで、海みたいなの…。

P「美希は、さ」

美希「うん?」

空を見上げたままのプロデューサー。

P「俺には、眩しすぎるんだよ」

美希「…えっ?」

43: 2012/07/02(月) 00:45:41.45 ID:yyREnjK6O
P「だからかな。最近、少しずつ怖くなってきた」ストン

俺は、砂浜に寝転がり、星空を見つめる。

美希「…何が怖いの?」ストン

その横に、美希が座った。ははっ。まるで、デートみたいだ。

P「星って、いつかは消えるだろ?雲に隠されたりして」

美希「…」

P「だから、美希もいつかは俺の前から隠れるんじゃないか…違うな。この場合は、いなくなるんじゃないか」

P「そう、思い始めちゃったんだよ」チラッ

美希「…ハニー…」

ミキを見たハニーの顔。いつものハニーとは違う、ミキに見せたことの無い顔。

美希「…いいの」ボソッ

P「えっ?」

ハニーがそんな顔をするなら、ミキも見せてあげる。ハニーが、見たことの無いミキの顔。

45: 2012/07/02(月) 00:48:49.61 ID:yyREnjK6O
美希「見ててね」スッ

――チュッ

P「みっ、美希?」

美希「ちゃんと、見てた?」スッ

P「えっ?」

美希「なら、もう一回。ちゃんと、見ててね?」

美希「…ちゅっ」チュッ

P「美希…」ギュッ

美希「…あはっ。何だか、恥ずかしいね」

46: 2012/07/02(月) 00:52:40.31 ID:yyREnjK6O
美希「いなく、ならないよ」

だって星は、空があるから光って、輝いて、眩しいんだから。

美希「やっぱり、これからもハニーって呼ぶの」

美希「ハニーには、ミキが着いていないとダメダメなの」クスクス

P「…美希」ギュー

美希「…あはっ!やっと気付いたの?ミキの大切さに♪」クスクス

P「あぁ。気付いたよ。気付けた」ナデナデ、ナデナデ

美希「ほんと、ハニーはニブチンだね」

48: 2012/07/02(月) 00:56:36.66 ID:yyREnjK6O
美希「今のミキがキラキラなのはね?」

美希「ハニーがいてくれるからなんだよ?だからミキは、キラキラでいられるの♪」

P「じゃあ、俺がもっとキラキラさせてやらないとな」ナデナデ

美希「今頃気付いたの?あはっ!ほんと、ミキがいないとダメダメなの」

P「ダメダメ言うなよ…」

美希「…あはっ!じゃあ、もっとミキをキラキラにさせてね?」ナデナデ

P「…あぁ。約束する。あの星みたいに、美希をキラキラさせる」

美希「…」

美希「…じゃあ、約束」

P「約束?」

美希「うん」

49: 2012/07/02(月) 00:59:22.87 ID:yyREnjK6O
美希「ミキを、ちゃんと見付けてね?」

P「…どういう意味だ?」

美希「ミキ、もっとキラキラになるから、だから…」

美希「たくさんのキラキラ…たくさんのアイドルたちがいる中で」

美希「たった一人の、ミキを見付けて」スッ

――チュッ

51: 2012/07/02(月) 01:00:15.33 ID:yyREnjK6O
美希が今よりもっと大人になったら。

美希「…いつか、星の海で」

52: 2012/07/02(月) 01:00:58.06 ID:yyREnjK6O
おわり

53: 2012/07/02(月) 01:01:17.03
乙乙

54: 2012/07/02(月) 01:01:51.76

ええイチャラブみせてもろたわ

58: 2012/07/02(月) 01:09:58.90 ID:yyREnjK6O
――数年後

P「…見付けたよ、美希」

美希「…あはっ!見付かっちゃったの」

P「お待たせ、美希」

美希「…うん。すごく、すっごく待ったの」ムスッ

P「じゃあ、行こうか」スッ、ギュッ

美希「うん!ねぇ、ハニー?」ギュッ

美希「…いつか、ミキ言ったよね」

美希「…ミキを見付けてって」

P「あぁ…言ったな」

美希「見付けてくれて、ありがとう」

美希「…だから、また約束」

美希「今度は、幸せを見付けていこう?」

美希「二人の、星の海で」

引用元: 美希「いつか、星の海で」