1: 2012/06/26(火) 01:39:41.93 ID:wB861s2s0
さやか「わ~たしっそっれっとっも?」

上条「……?」

さやか「んも~恭介ったらノリ悪いな~。もう一回行くよ!」

上条「えっ、今の僕の番だったの?」

さやか「き~~~みぃはぁだぁれぇとぉキッスをっす~るぅ~~」

さやか「わ~~~たぁしぃそぉれぇとぉもぉ? ハイ!」

上条「あ~の~こぉ~……?」

さやか「……う~ん、いまいち面白くなかったな」

上条「さやかは何しに来たんだい?」

さやか「そりゃあもちろんお見舞いさぁ!たしかに私今日は手ぶらだけど……お土産無いなら来ない方がいい?」

上条「まさか!来てくれるだけでもうれしいよ」

さやか「えっへへ~、そう言われると照れちゃうね。わぁぁぁたしそぉれぇとぉも?」

上条「あ~の~こぉ~」

さやか「やっぱこれつまらんわ」

上条「やっぱり今日は帰ってくれないかな」

5: 2012/06/26(火) 01:50:21.39 ID:wB861s2s0
さやか「え~っ?そんな意地悪なこと言わなくたっていいじゃん恭介ぇ~」 ピトッ

上条「うわっ! さ、さやか!」

さやか「…あっ!ごめん!!」 バッ 「もしかして、手、痛かった?」

上条「あ、いや、それは大丈夫だよ、そういう訳じゃないけど……」

さやか「むむっ? 恭介、なんだか顔が赤くない?」

上条「えっ! いやそんな事はないと思うよ。 ほら、ちょうど夕日が差してるからね」

さやか「そんな事言ってぇ~、このナイスバデーさやかちゃんがひっついたから照れちゃったんじゃないの?」

上条「ち、違うよ! 絶対違う! 違うから……」

さやか「別にそこまで否定しなくたっていいじゃん……私だってそれなりに自信はあるのに……」 グスッ

上条「(! 泣いてる?) さやか……」

さやか「これだけ熱烈アタックしてるってのに恭介ったらずっとクールでさ……きっと私なんてちんちくりんのガキとしか」

上条「さ、さやかには!えっと、その、魅力的なところも、あると思うよ。 優しいし、その、可愛いほうだと、思うし……」

さやか「だよねぇ~~!! いやぁ~~恭介ったらそんなにストリートに言われるとさすがのさやかちゃんも照れますわ」

上条「やっぱり帰ってくれないかな」

16: 2012/06/26(火) 02:01:10.32 ID:wB861s2s0
さやか「まぁまぁちょっと待ってよ!今日はこれから私以外にもお見舞いが来るんだよ」

上条「そうだったのか。うれしいな、誰が来てくれるんだい?」

さやか「まどかと、前に話した転校生に、やっぱり前に話したマミ先輩、それともう一人隣町の友達」

上条「……ええっと、僕が面識あるのって鹿目さんだけ?」

さやか「そういえばそうかもしんない」

上条「そうなんだ……」

さやか「でも大丈夫だよ! みんないい子だしすぐに仲良くなるって!!」

上条「ああ、うん、もちろんお見舞いに来てくれるのはありがたいんだけど」

さやか「ただし! ひとつ警告があります!」

さやか「転校生はすっごいクール系美人だし、マミ先輩はボンキュッボンのわがままバデーだけど、だからといって鼻の下を伸ばしてると……」

さやか「さやかちゃんのお仕置きナックルが恭介の弱点めがけて炸裂します!!」

上条「お、脅かさないでくれよ」

さやか「あ、弱点っていってももちろん腕じゃないよ。 股間だよ」

上条「なお悪いよ」

24: 2012/06/26(火) 02:14:56.92 ID:wB861s2s0
さやか「……お!噂をすれば」 ドア<ガラガラリ

まどか「上条君久しぶり!お見舞いに来たよ!」

上条「やあ、鹿目さん。来てくれて嬉しいよ」

まどか「あれっ、もしかしてさやかちゃんと二人で話してたの?お邪魔しちゃったかな?」

さやか「んもー、まどかが入ってくるのがあと5秒遅ければキスシーンだったのに~」

上条「いやいや、それはないよ」

まどか「ティヒヒ!二人はいつも仲良しだね!」

ほむら「……あなたが上条……えっと……上条と、とう……」

上条「上条恭介です。君が暁美さんだよね?今日はわざわざありがとう」

ほむら「気にしないで。お見舞いだけじゃなく、あなたに忠告したいこともあるし」

ほむら「あなたの親しい人の気持ちに感づいているなら、手遅れになる前にその――」

さやか「はいドーーーン!!」 ドスッ

ほむら「ヘブッ! な、何をするの美樹さやか!!」

さやか「恭介と二人でシリアス空間を作っていいのは私だけだよ!! 退いた退いた!!」 シッシッ

ほむら「……この周の美樹さやかのアグレッシブさなら要らぬ忠告かもしれないわね」

28: 2012/06/26(火) 02:26:46.62 ID:wB861s2s0
上条「あ、暁美さん? 今言いかけた話は?」

ほむら「何でもないわ。 しいて言うなら、美樹さやかと仲良くね」 ファサァッ

上条「う、うん……」

マミ「あなたが上条君ね?」

上条「はい。えっと、巴さんですよね? さやかからいつも聞いてます」

マミ「あら、どんな風に?」

上条「いざという時に頼れる先輩、って(それより胸の大きさの話が多いけど)」

マミ「まぁ……うふふ、照れちゃうわね」

さやか「いや~なんだか私も照れますな」

マミ「私も美樹さんから上条君の話は聞いてるわ」

上条「そうなんですか? どんなことを言われてるのかちょっと怖いな」

マミ「照れ屋なところもあるけど、素直でとっても優しくて、なによりとってもかっこいい、ってね」

上条「そ、そうなんだ。はは……これはなかなか……」

さやか「ちょ、マミさん! そこまで言っちゃわなくてもいいじゃないですかぁ~!恭介顔真っ赤ですよ!」

まどか(さやかちゃんの顔が一番真っ赤だけどね、ティヒヒ!)

41: 2012/06/26(火) 02:40:17.38 ID:wB861s2s0
上条「で、ええっと、君は……?」

杏子「……佐倉杏子だ。あー……まぁ、よろしく」

上条「よ、よろしく……あの、佐倉さん」

杏子「何だ? 悪いけど、特に見舞いの品は持ってきてないよ」

上条「それはいいけど……僕から聞くのもなんだけど、面識も繋がりもないのにどうして来てくれたのかな?」

杏子「あん? さやかのダチだろ? それで十分じゃねぇか」

上条「……そうか、そうだね。ありがとう (ぶっきらぼうに見えてとても優しい人なんだな)」

さやか「杏子はぶっきらぼうに見えるけど優しいところもあるんだよ!」

上条「!」

杏子「よ、よせよ気持ち悪い。あたしはもう帰るぞ!!」

さやか「まぁまぁまぁまぁ」

まどか「まぁまぁまぁまぁ」

マミ「まぁまぁまぁまぁ」

ほむら「帰ればいいじゃない」

さやか「コラーーッ!!」

45: 2012/06/26(火) 02:51:32.03 ID:wB861s2s0
さやか「これからが本番なんだから、まだ帰っちゃ駄目だよ!!」

上条「え?何か始まるのかい?」

まどか「ティヒヒ、それじゃあそろそろいこっか?」

さやか「よっしゃ!まどか、カーテン閉めて!」

まどか「オッケー!」 シャーッ

さやか「ほむら、照明を落として!」

ほむら「分かったわ」 パチッ スッ

さやか「恭介、病院食用のテーブル引っ張り出して!」

上条「えっ? あ、はい」 スチャ パタン

さやか「マミさん、例のブツをスタンバイ!!」

マミ「任せて!」 パカッ チャチャッ

上条「!! こ、これは……」

マミ「ロウソクに火を付けて……これでよし!」

上条「バースデーケーキ……!」

47: 2012/06/26(火) 03:01:11.98 ID:wB861s2s0
まどか「は~っぴば~すでーとぅーゆぅ~」

さやか「ジャジャジャーン!」

ほむら「ハッピーバースデートゥーユー」

さやか「ンジャンジャカジャジャーン!」

マミ「ハッピバァスデーディア……」


さやか・まどか・ほむら・マミ「「「「 杏子ぉ~~~!! 」」」」


さやか「ハァッピバースディー、トゥー、ユゥゥウーーーー!!! イエーーーイ!!」

杏子「あ、あんたら……」

さやか「さぁさぁ、一息にロウソク吹き消しちゃって!ほらほら!」

杏子「こ、こんなの、頼んでないだろ……よ、余計なことばっか……しやがっ……」 ウッ グスッ ヒグッ

まどか「ああぁ杏子ちゃん泣かないで!」

ほむら「好意は素直に受け取っておきなさい」

マミ「ふふっ、腕によりをかけて作ったケーキだから、存分に味わってね!」


上条「……何だろうこれは」

48: 2012/06/26(火) 03:07:02.32
杏子のかよwwwwwwwwwwwwww

49: 2012/06/26(火) 03:12:12.50 ID:wB861s2s0
杏子「うめぇ、うめぇな、マミのケーキ……」 グスッ ヒクッ ガツガツ

まどか「ああっ、杏子ちゃん!手づかみで食べなくてもフォークがあるよ!」

杏子「うるせぇ!こ、このケーキがうますぎるのが悪いんだ!!」 ベチャベチャ

ほむら「わざと粗野に振る舞って、照れ隠しのつもりかしら」

マミ「うふふ、喜んでもらえてうれしいわ」

上条(……クリームがめっちゃこっちに跳んでくるんだけどな……)

さやか「あはは、なんだろうね? さやかちゃんも歳のせいかちょっともらい泣きしちゃいそうだよ」 グスッ

上条「さやか、ねぇさやか」

さやか「ん?なにさ恭介。今いいとこなのに」

上条「これって、佐倉さんの誕生会……だよね?」

さやか「そうだよ。杏子は家庭の事情で長いことバースデーパーティーなんてものから無縁だったらしいんだ。
     で、今日が誕生日だっていう話を聞いたから私達がひと肌脱いでこのパーティーを企画したってわけ!」

上条「そうなのか……で、それをどうして僕の病室でやるんだい?」

さやか「意外性のある場所じゃなくちゃサプライズパーティーにならないでしょ?」

上条「……そう……だね……」

杏子「うめぇー!! うめぇよー!!」 バクバク ベチャベチャ

51: 2012/06/26(火) 03:25:21.04 ID:wB861s2s0
――――――

――――

――



さやか「杏子が目を潤ませながら『ありがとう』なんて言うなんていう激レアな光景まで見られるなんて……
     いやぁ、本当にやってよかった!うん!」

上条「ああ、そうだね……佐倉さん、すごく嬉しそうだったね……」

さやか「ん? どうしたの恭介、元気無いよ? ははぁ、さては恭介もマミさんのケーキ食べたかったんでしょ?
     今度のお見舞いの時に持ってきてあげるから元気出しなって!」

上条「それは楽しみだよ……ところで、鹿目さん達は帰ったけどさやかはまだ帰らないのかい?」

さやか「んー、もうちょっとのんびりしたらね」

上条「……ちなみに、さやかは僕の誕生日を覚えてるかい?」

さやか「そりゃもちろんさ!明後日でしょ?」

上条「うん、そうだよ。てっきり完全に忘れてるのかと思ったよ」

53: 2012/06/26(火) 03:32:29.37 ID:wB861s2s0
さやか「……実は、その、さ。 恭介にも、私からプレゼントを渡そうと思って」

上条「えっ! それは……意外だな」

さやか「ちょっとぉ、意外ってどういう意味? このさやかちゃんは強欲ケチンボじゃないぞ!」

上条「ごめんごめん、ありがとう。 明後日を楽しみに待ってるよ」

さやか「いや、明後日でもいいんだけど、折角だから今受け取ってくれないかな?」

上条「もちろんいいよ!なんだろう、楽しみだな」

さやか「えー、おほん。それでは発表します! 私から恭介への誕生日プレゼントはぁ~…………」

上条「…………」

さやか「ドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥル」

上条(セルフドラムロール?)

さやか「ドゥルドゥルドゥル……ジャカジャン!!」

さやか「こ、こっ……こ……」

上条「こ?」

さやか「こ……この……」

さやか「……この私、さやかちゃんです!!!」

55: 2012/06/26(火) 03:43:48.58 ID:wB861s2s0
上条「……ええっ!!」

さやか「えっと……その……どうかな? そんなに悪いモノじゃないと思うんだけど」

上条「あ……その……」

さやか「ほ、ほら!マミさんみたいな規格外には敵わないけどそれなりに胸もあるしさ!
     顔だって並の上ぐらいではあると思うんだよね!」

上条「…………」

さやか「それに……不器用だし、うるさいかもしんないけど、恭介にはその、他の誰より優しくするつもりだし」

上条「……さやかは、ずるいよ」

さやか「ふえっ!!な、何が!?」

上条「誕生日プレゼントとして渡されたものを、いらない、とは返しづらいじゃないか」

さやか「きょ、恭介が……いらない、なら……その」 ジワッ

上条「さやかの誕生日は再来月だったよね」

さやか「そ、そうだけど」

上条「なら、だいぶ早いけど、僕からもさやかにプレゼントしよう。……プレゼントは、上条恭介だ。
    受け取らないとは言わせない、これでおあいこだよ」

59: 2012/06/26(火) 03:54:27.56 ID:wB861s2s0
さやか「恭介……」

上条「さやか……」

さやか「……き……」

上条「き?」



さやか「……き~~~みぃはぁだぁれぇとぉキッスをっす~るぅ~~」

さやか「わ~~~たぁしぃそぉれぇとぉもぉ? ハイ!」

上条「……さやか以外にはいないよ」



さやか「ガクッ!確かにwwwwww
     いやはやこれはwwwwwww失礼申したwwwwwwww」


上条「やっぱり今日は帰ってくれないかな」




QB「やれやれ、人間のオスとメスのコミュニケーションは回りくどくて訳が分からないよ」
                                                        ~おしまい~

61: 2012/06/26(火) 03:59:17.22 ID:wB861s2s0
そういや仁美どこ行ったんだ

62: 2012/06/26(火) 04:00:54.49
乙乙
さやかちゃんうっかりだなぁ(苦笑)

引用元: さやか「き~~みっはっ誰とキッスをすーるぅー?」