6: 2011/11/21(月) 22:14:21.19

    放課後

さやか「おーい、ほむら、帰ろー」

まどか「帰ろ、ほむらちゃんっ」

ほむら「…ごめんなさい、先生にプリントを出しに行かないとならないの。まだ帰れないわ」

さやか「なんだ、それくらいなら待ってるよ。お喋りでもしてるからさ。ね、まどか」

まどか「うんっ」

ほむら「それならすぐ行ってくるわ。…ありがとう」フフッ …スタスタスタ

まどか「…ほむらちゃん、綺麗だなー…」///

さやか「最近よーやく笑ってくれるようになったしね。確かにあの笑顔は反則だわ…」

まどか「うんっ!ほむらちゃんはとっても綺麗で格好良いんだよっ!」

さやか「ははっ、まどかのほむら好きもたいしたもんだわ。あたしは、綺麗で格好良いって言ったらマミさん推しだけどね」

まどか「そうだねぇ、マミさんも格好良いよねぇ…。憧れちゃうなぁ」

さやか「あたしたちの中じゃほむらとマミさんだけ別格だよね。なんつーか、大人ーっていうかさ」

7: 2011/11/21(月) 22:15:43.14
まどか「杏子ちゃんは?」

さやか「あっはは、あいつが大人なワケないじゃん!
    こないだ公園でちびっ子に混じってガチでヒーローごっこしてたんだよ!?」

まどか「あ、あれは…、近所のお姉ちゃんとして遊んであげてたって感じっていうか…」ウェ ウェヒヒ…

さやか「そうかなー。割とノリノリだった気がするけど」

まどか「まあ、確かに私たちに気がついたら、我に返ったのかとんでもない勢いで逃げてっちゃったよね…」

さやか「それはさておきさ」

まどか「うん?」

さやか「綺麗な喫茶店の窓際のテーブルにさ、お洒落着のマミさんとほむらが座って、
    静かに読書してる…、ってイメージしてみるわけ」

まどか「…うわあ…。確かに、とても中学生には思えないよ…」///

さやか「でしょー? 逆に言うと、あたしたちじゃそんなシチュエーションのイメージも出来ないし」

まどか「ティヒヒ 私たちじゃファミレスでジュース片手にお喋り、って感じだよね…。
    ほむらちゃんとマミさんだからこそだね」

さやか「でも、残念なのは…」

まどか「うん…」

まどさや「何でかあの二人、仲悪いんだよね…」

8: 2011/11/21(月) 22:16:48.59
    廊下

ほむら(まどかとさやかが待ってくれてる。早く戻りましょう)トコトコトコ

ほむら(…正直、また私がさやかと仲良くなれるとは思っていなかったけれど…。
    やっぱり、険悪なよりはずっといいわ。まどかも喜んでくれるものね)トコトコ

マミ「…あら」バッタリ

ほむら「…巴マミ…」ギリ…

マミ「相変わらずのフルネーム呼びね?」

ほむら「…」スッ… トコトコトコ

マミ「私とは話をするのも嫌かしら?
   別に構わないけれど、そんな態度を鹿目さんに見られたら鹿目さん悲しむわよ?」

ほむら「余計なお世話ね。まどかの前なら貴方とだってもう少し上手く接するわ」ファサッ

マミ「そ。なら、これから美樹さんと鹿目さんをお茶に誘おうと思うのだけれど、上手く接してね?
   私もあの二人に嫌な思いをさせたくはないから」

ほむら「…好きにすればいい」

マミ「ええ。そうするわ」ニッコリ

ほむマミ「……」ゴゴゴゴ…

11: 2011/11/21(月) 22:18:32.23
    教室

まどか「さやかちゃんだって、最初ほむらちゃんと仲良くなかったよね?
    転校生、なんて呼んじゃってさ」ジト

さやか「やははは…、まあ、ね…。でも今はほむらのこと嫌いじゃないよ。
    けっこー可愛いげもあるってわかったしさ」

まどか「そうだよー、ほむらちゃんは可愛いし良い子なんだよっ!」フンス

さやか「なーんでマミさんとはあんなに反りが合わないのかなー」

まどか「…うーん…、えとね、ママが言ってたんだけど…」

さやか「ん?」

まどか「男の人や子供の喧嘩は、感情のぶつけ合いになるから割と早く決着がつくけど…、
    大人の女の人の喧嘩は、外側を取り繕ったまま、内心でいがみ合うから延々と続く…、って…」

さやか「う、うわぁ…。でも何かわかるかも…」

まどか「ほむらちゃんもマミさんも、大人っぽいもんね…」

12: 2011/11/21(月) 22:19:33.94
    廊下

マミ「……」スタスタ
ほむら「……」トコトコ

 ……

ほむら「ついてこないで」トコトコ

マミ「美樹さんと鹿目さんのところに戻るんでしょう?
   私も目的地は同じだもの、仕方ないじゃない」スタスタ

ほむら「なら、どうして隣を歩くの?」トコトコ

マミ「…嫌なら私より少し遅れてみたら?」スタスタ

ほむら「嫌よ。貴方の後ろについて歩いてるみたいじゃない」トコトコ

マミ「奇遇ね。だから私も貴方より遅れたくないの」スタスタ

 ……

ほむら「……!」トコトコトコトコトコ!!

マミ「……!」スタスタスタスタ!!

13: 2011/11/21(月) 22:20:37.60
    教室

まどさや「はー…」

まどか「マミさんも、もうちょっとほむらちゃんに優しくしてあげたらいいのに」
さやか「ほむらも、もうちょっとマミさんへの態度を柔らかくしたらいいのに」

まどさや「……?」ン?

まどか「え…? さやかちゃん? ちょっとそれ違くないかな…?」
さやか「え…? まどか? それはちょっとおかしくない?」

まどさや「……?」オ?

まどか「え、えとね? そりゃあほむらちゃんの態度もちょっと悪いところはあるけれど…」
さやか「そりゃあさ、マミさんもちょっとツンケンしてるトコあるけどさ」

まどさや「……?」エ?

まどか「で、でもさ、マミさん、三年生だよ? 先輩なんだよ? 初めだけでも少し譲って優しくしてあげたら、
    ほむらちゃんだってきっとわかってくれて、態度を改めてくれると思うの」

さやか「その『初め』に思いっ切り態度悪く接したのはほむらだよね? あれは素直に謝るべきじゃん?
    そしたらマミさんのことだもの、笑って許して優しくしてくれるはずだよ」

まどさや「……?」ア?

15: 2011/11/21(月) 22:22:12.04
まどか「さやかちゃん? 確認するね? まさかほむらちゃんを責めてるわけじゃないよね?」
さやか「まどか? 聞いて良い? まさかマミさんが悪いなんて言わないよね?」

まどさや「……」

まどか「いくらほむらちゃんの態度が少し悪いからって、『私の大切なお友達のほむらちゃん』に、
    マミさん少ーーーーーーーしだけ冷たいと思わないかな?」
さやか「マミさんがちょっとばかし配慮が足らないとしても、『あたしの尊敬する先輩のマミさん』に、
    ほむらってば、ちょーーーーーーっとばっかり横柄だと思わない?」

まどさや「……」 ズズ…

まどか「んっんー? さやかちゃんにはちゃんと伝えた方がいいのかな?」
さやか「へー? あたしもまどかにはストレートに言うべき?」

まどさや「……」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…!

 ガラッ

ほむら「…ま、まどか、さやか、…お、おまた、せ…。か、帰りましょ…」ゼッ ハッ

マミ「美樹さん、か、鹿目さん…っ、ね、ねぇ、今日はうちでお茶でも…、いかが…?」ハァッ ハァッ

まどか「私が大好きなほむらちゃんが悪いはずないよ!」
さやか「あたしが大好きなマミさんが間違ってるはずない!」

ほむマミ「…え?」

18: 2011/11/21(月) 22:23:39.16
まどか「大人っぽい!? マミさんなんて静かにお茶とケーキ食べてるだけじゃない!
    あれは大人っていうより、大人のフリしてるっていうんだよ! なんちゃってだよ!
    だいたい、大人はティロ・フィナーレなんて言わないよ!」

マミ「か、鹿目さん…?」

さやか「へー!? じゃあほむらが大人だって!? じょーだんじゃないわ!
    パスケースに入れたまどかの写真に暇があれば頬擦りしてる奴が大人!? ヘンタイじゃん!
    あんた今度持ってる下着の枚数数えてみ!? 絶対ほむらが転校してきてから減ってっかんね!?」

ほむら「さ、さやか…?」

まどか「さやかちゃんのばかっ!」マドッ!!
さやか「まどかのばかー!」サヤッ!!

マミ「あ、暁美さん…? こ、これはどういう…?」オロオロ

ほむら「…し、知らないわ…、一体どうして…」オロオロ

まどさや「……!」グルン!!

ほむマミ「ひぃ!!」ビクゥ!!

19: 2011/11/21(月) 22:24:45.72
まどか「ほむらちゃん! 私はほむらちゃんのこと、最高のお友達だと思ってるよ!」クワッ!!

ほむら「え、ええ…。あ、ありがとう、まどか…、その、とても、嬉しいわ…」タジ…

さやか「マミさん! マミさんは誰が何と言おうと、私にとって最高の先輩です!」クワッ!!

マミ「あ、りがとう…、美樹さん…。本当に、その、光栄、よ?」タジ…

まどさや「だから!」ギンッ!!

ほむマミ「はいっ!」ビクッ!!

まどか「ほむらちゃんは、マミさんなんかよりずっと大人だよね!」
さやか「マミさんは、ほむらなんかよりずっとずっと大人ですよね!」

 ……

ほむマミ「…何がどうしてこうなったの…?」

21: 2011/11/21(月) 22:26:38.89
    後日 休日のまみホーム


杏子「…バッカ臭ぁ…」ポリポリ

まどか「そんなことないよ杏子ちゃん! これはとっても大切なことだよ!?」

さやか「杏子! コレ曖昧にさせといちゃ絶対にダメなんだって!」

杏子「マミとほむらのどっちの方がより大人か、だって? そんならバトロワでもさせたら?
   どっちも魔法少女だし氏んだりはしないだろ、たぶん」フワァ

まどか「ほむらちゃんにそんな危ないことさせたくないよ!」
さやか「そうだよマミさんが怪我とかしちゃったら大変じゃん!」

杏子「…なんか面倒臭ぇなお前ら。面倒臭ぇからロッキーはやんない」ポリポリ

まどか「というわけで、ほむらちゃんとマミさんには安全な方法で勝負してもらうことにしたんだ!」

さやか「こんな時はお約束の料理対決! 杏子にはその審査員をして貰いたいわけよ!」

杏子「そんなもんキュゥべぇにでもやらせとけよ、くだらねー」ポリポリ

さやか「キュゥべぇに味なんてわかるわけないじゃん!」

杏子「皮肉だバカ」ポリポリ

22: 2011/11/21(月) 22:28:45.80
まどか「ほむらちゃんならきっとマミさんよりも料理だって上手だよね!」
さやか「マミさんがほむらよりも料理が上手なんて当たり前だよねー!」

まどさや「……!」ギロリ×2

ほむら「何で休日にまで貴方と顔を合わせなければならないのかしら」ハァ

マミ「本当にね。そこだけは心から同意しておくわ」ハァッ

杏子「……」ポリポリ

まどか「というわけでほむらちゃん! とびっきり美味しいもの作って杏子ちゃんをびっくりさせちゃおうよ!」マドッ!
さやか「さーマミさん! 杏子がぐぅの音も出ないくらいのスペシャル料理を作っちゃってください!」サヤッ!

 ……

ほむら「あの…、まどか? 趣旨も分からないまま連れてこられたのだけれど…、
    そんなことをいきなり言われても私…」

マミ「そうよ、美樹さん。せめて何をするのか先に言ってくれないと。私だって…」

ほむマミ「料理なんて、ほとんどやったことないわよ?」キョトン

まどさや「え゛!?」

杏子「…そんなこったろうと思った」ゴロン

24: 2011/11/21(月) 22:30:16.57
まどか「え!? え!? だ、だって、二人とも一人暮らしだよね!? ご飯とか作るよね!?」

マミ「ごめんなさい鹿目さん、夜とかはパトロールに出掛けるから時間がなくて、私、食事はお総菜とかで済ませてしまうの」

ほむら「私も似たようなものよ。一人分を作って食べるのって、買うより高くついたりするわ。だから…」

さやか「え…、あたし、マミさんててっきりお菓子作りとかしそうな気がして…!」

まどか「あー! さやかちゃんずるいよ! だから『ここは料理対決だ!』なんて言い出したんだね!?」

マミ「お菓子作り…、興味はあるのだけれど、どうしても買ってきた方が美味しいから、ね…」

まどか「ほむらちゃんも、作れないの…?」

ほむら「ごめんなさいまどか。私に出来ることなんて、川越シェフのちょい足しレシピくらいだわ…」ホムゥ…

マミ「貴方と同レベルなんて癪だけれど、私も似たようなものよ」

まどさや「…え゛ー…」

マミ「二人とも。一人暮らししてるから料理も出来る、なんてことないわ。みんな多分こんなものよ?
   私たちくらいの歳なら、むしろ家族がいる人の方が、
   お父さんやお母さんのお手伝いで料理をする機会は多いと思うわ」

ほむら「そうね。それに、一人で作ったご飯を一人で食べるのって、…とても味気ないの。
    それならせめて出来合いの物を食べた方がまだ割り切れるわ」

25: 2011/11/21(月) 22:32:46.73
まどさや「あう…」

杏子「はーぁ。じゃ、このバカ騒ぎはこれで終了だな」ポリポリ

まどか「だっ、ダメだよ! 料理なんか出来なくたってほむらちゃんはほむらちゃんだし!
    そんなのでマミさんに負けてるなんて決まらないよ!」
さやか「そ、そうだよ! 料理が出来なくてもマミさんの魅力はひとつも失われたりなんかしないもんね!
    それなら違うところでほむらと勝負すればいいんだ!」

杏子「だりぃなぁ。で? ほむらとマミはどーすんの?」

ほむら「そうね、まどかと一緒にいられるなら何でも良いわ。
    巴マミと白黒付けるのも異存はない。どうせ私が勝つけれど」フン
マミ「私も、美樹さんと遊べるのなら文句はないわ。
   暁美さんにも、そろそろ私の方が何においても先輩だって教えてあげたいし」フン

ほむマミ「……」ギロ×2

杏子「ふーん…」

まどか「そうだよさやかちゃん! ほむらちゃんはマミさんに負けないもん!」
さやか「なんだとー!? マミさんがほむらに負けてるトコなんて一個もないね!」

まどさや「……!」ゴゴゴゴゴゴ

 ……

杏子「…じゃ、次の勝負の方法はあたしが決めていいか?」フワーァ

ほむまどさやマミ「?」

27: 2011/11/21(月) 22:34:04.77
    河川敷

子供たち「あんこねーちゃーーーーーーーん!」ワァーッ!!

杏子「あんこじゃねえ! あたしはキョウコだっつってんだろ!」クワッ!!

子供たち「あんこねーちゃん今日も混じってくれんの!? くれんの!?」

杏子「あー、うっせうっせ、ちょっと相談あんだよ、キャプテンどこだ?
   あ、4人はちょっとここで待ってろな」テクテクテクテク

アンコネーチャンコンニチハー!!
オー ゲンキイイナー コナイダノケガハモウダイジョウブカ?
モーゼンゼンヘイキー! ビョウインマデオブッテクレテアリガトー!
イイッテイイッテ キニスンナー

さやか「しょ、少年野球…?」キョトン

まどか「杏子ちゃん、すっごい人気者だね…」ポカーン

アンコネーチャン キョウモオレタチノチームデイイヨナー
ズリーゾ キョウハアンコネーチャンコッチニイレロヨ
アーモーウッセーナ キョウハアタシハヤンネーヨ
エーーーーーーー!! ナンダヨソレツマンネーーーーー!!

マミ「時々子供と一緒に遊んでる、とは聞いていたけれど…」

ほむら「…本当に、子供に好かれてるのね」

ワイワイガヤガヤ

30: 2011/11/21(月) 22:35:48.09
杏子「おーい、マミー、ほむらー! こっちこいよー!」

ほむマミ「……?」

    * * * *

マミ「え、っと…?」ピッチャー

子供「あんこねーちゃんの知り合いだっていうから特別だかんな!
   ボール投げたことくらいあんだろ? 俺がミット出したとこに投げればいいだけだから」

マミ「え? え? え? み、ミット?」

子供「ミットもわかんねーのかよ!? コレだよコレ!
   …ホント大丈夫かよー? 俺ら負けるのヤだかんなー?」ジトー

マミ「あ、その…。え、っと…。わ、私、頑張る、から…!」

子供「あたりめーだよ! ココ来て頑張らねーやつなんていねーんだから!」

ほむら「…子供相手にオタオタしちゃって、みっともないわね、巴マミ」

杏子「ンな余裕ぶっこいてる場合か? 向こうのピッチャーはマミ。
   こっちのチームのピッチャーはお前だぞ、ほむら」

ほむら「え゛!?」

杏子「ほれ、バット」ポイ

ほむら「わっ! たったったったった!」パシ

31: 2011/11/21(月) 22:37:15.57
杏子「この回に打席が回ってくるかはわかんねーけど、素振りくらいしとけよ。
   どうせお前もやったことなんかねーだろ?」

ほむら「ふん、それでも同じド素人の巴マミなんかには負けないわ」ファサッ

杏子「マミにも言ってあっけど、もちろん魔法は使用禁止だぞ?」

ほむら「了解よ」

まどか「ほむらちゃん、がーんばれー!」

さやか「マミさーん! やっちゃえー!」

杏子「んじゃ…、プレイボール!」

 ……

マミ「ええと……、あの子のミットに向けて…、投げるっ!」ヒョイ

 …テン テン テン…

杏子「…ボール」

子供「あんこねーちゃん! あのねーちゃんはカンベンしてぇ! 何コレ何かの罰ゲームなの!?」

マミ「失礼ね!? い、今のはちょっと手が滑ったのよ!」

32: 2011/11/21(月) 22:38:21.86
杏子「はいはい。じゃ、次はちゃんと投げてくれな」

マミ「くー…」///

ほむら「……」クスッ

マミ「……!」ムッカァッ!!

まどか「あれあれー。ねえさやかちゃん。マミさん、ちゃんとあの子のとこまでボール届くのかなー?」ニコニコ

さやか「マミさん手が滑ったって言ってんじゃん! 次よ次!」イラッ

マミ(思ったより難しいのね…。でも、さっきの感じでああなるのなら…)

マミ「行くわよっ」ヒュンッ

 スパンッ

マミ「や、やったわ!」ピョンピョン

杏子「ストライーク! …なんだオメー、見逃しかよ、あんな絶好球」グリグリ

子供「いや、だって、届くと思ってなかったし…」

杏子「ホントだよな。実はあたしもちょっとびっくりした」ケタケタケタ

マミ「ちょっとお! 今のはストライク取った私を褒めるとこでしょー!?」

杏子「一球くらいで喜んでんじゃねーよ中学三年生。小学何年生を相手にしてっと思ってんだよ」ハー…

34: 2011/11/21(月) 22:40:10.97
マミ「み、見てなさい! もうコツは掴んだんだから!」

杏子「へー。じゃあ精々頑張れなー?」

 ……

マミ「2ポイントも取られてしまったわ…」ガックリ

杏子「ポイントってなんだよ。ま、初めてボール投げたにしては上等じゃないか?」

マミ「そ、そうよね! 私、頑張ったもん!」ニコニコ

さやか「そうですよマミさん! 大体、向こうのピッチャーはほむらなんだし!
    マミさんで2点取られちゃうなら、ほむらなんて4点も5点も取られますって!」

まどか「そんなことないよっ! ほむらちゃんなら、ええと…、のーひっとのーらん、
    とかいうのだってしちゃうよ!」

杏子「ほれ、マミ、バット。
   ほむらがボコボコに打たれればこの回に打順だって回ってくるんだ、素振りしとけ」

マミ「ふふっ、それは楽しみね。この手で暁美さんのボールを打ちのめしてやりたいわ」

まどか「ほむらちゃんは負けないもん…! 負けないんだもん…!」プルプル

ほむら「…心配には及ばないわ、まどか」ユラァ…

まどか「ホムラチャン!!」

36: 2011/11/21(月) 22:41:37.01
ほむら「私は、まどかに情けない思いをさせたりなんか…、しない!」ビュオッ!!

 ズドゴン!! …テン テン テン…

一同「……!?」

杏子「…ボール」ボソ

まどか「ほむらちゃんすごーい!」

さやか「何あの剛速球…。や、とんでもない大暴投だけどさ…」

マミ「ミットをかすりもせずに後ろの壁に直撃したわね…」

まどか「ほらね! ほむらちゃんの運動神経はすごいんだから! 次はきっとストライクだよ!」

ほむら「そうね。次はド真ん中をブチ抜いてやるわ」フフフ…

ほむら(…本当は魔法で強化した運動神経だけど…。まあ、体育の授業と同じ程度の強化だし、いいわよね)

子供「あ゛、あ゛んごねぇぢゃぁん…」ガクガクブルブル

杏子「…泣くな。大丈夫、ちゃんと言ってやっから…。
   おいほむらー! お前が甲子園エース並のボールを投げるのはわかったけどなー!
   キャッチャーが捕れなかったらストライクカウントしねーからな!」

38: 2011/11/21(月) 22:43:00.39
ほむら「なによそれ、ひどいハンデじゃない」ファサッ

杏子「うるせー。杏子ルールだ。例えストライクでも、キャッチャーが捕れなかったらボール扱いにするからな」

まどか「ずるいよ杏子ちゃん!」

さやか「や、まどか、あの球は小学生が捕れる球じゃないから。怪我するから」

ほむら「…う、うぅん…、なら、こんなものかしら…!」ヒュッ

 カァンッ!!

ほむら「…あ」

    * * * *

ほむら「…2点取られたわ…」ガックリ

まどか「落ち込むことないよほむらちゃん! まだまだ始まったばっかりだよ!」

マミ「さあ! 今度は0点にしてみせるんだから!」フンッ

40: 2011/11/21(月) 22:45:02.50
杏子「打順は8番からか。9番はピッチャーほむら。この回はとうとう直接対決だな」

さやか「マミさんならほむらなんて三球三振だよ!」

まどか「さやかちゃん、ほむらちゃんの運動神経知ってるでしょ? いきなりホームラン打っちゃうかもよ!」

 スパンッ

杏子「ストライクバッターアウト!」

マミ「どんなもんですかっ!」グッ!

杏子「へー、流石はマミだな、コントロール良いわ。
   ま、キャッチャーのお前のリードが上手いんだけどな」

子供「へへへー、ありがとあんこねーちゃん」

マミ「だから私を褒めてってばぁ!」

ほむら「浮かれるのもそこまでよ…、巴マミ」ゴゴゴゴ…

マミ「…来たわね、暁美さん」ゴゴゴゴ…

ほむら「貴方のボールなんて川の向こうまでブッ飛ばしてあげるわ」予告ほーむらン

まどか「ほむらちゃんかっこいー! がーんばれー!」

さやか「野球やったこともない癖にドコで憶えたんだあんな仕草…」

42: 2011/11/21(月) 22:46:16.08
マミ「良い気になるのもそこまでよ。…明日からは私のことを巴先輩って呼ばせてやるんだから…」

 …ズゴゴゴゴゴゴゴゴ…

子供「タ、タンマ! あんこねーちゃん、タイム!」ワタワタ

杏子「おう。行ってこい行ってこい」

マミ「あら? どうしたの?」キョトン

子供「どうしたの、じゃねーよ! 1回のあのピッチャーの球見ただろ? 野球やったことねーみてーだけど、
   運動神経ハンパねーよ! ねーちゃんの球じゃ簡単に打たれちまうって!」

マミ「…何よ、そんなの、やってみなきゃわからないわ」イラ

子供「やってみなくたってわかるってば! だってねーちゃん、思いっ切りド真ん中に投げます!
   って顔しかしてねーんだもん!」

マミ「暁美さんだけは全力でブチのめしてあげなくちゃ気が済まないわ…」ゴゴゴ

子供「だーーーからーーーー! いい? 簡単なサインだけ教えるから!
   俺がこれ出したら、ボールはゆっくり目で投げて! これ出したら思いっ切りね。
   あとはミット構えたとこに――」

マミ「大丈夫よ」

子供「…えぇえ?」

マミ「私には、とっておきがあるんだからっ!」マミンッ

44: 2011/11/21(月) 22:47:59.22
 ……

杏子「よう、どうだった?」

子供「わかんない。…とっておきがあるから、って」トコトコトコ

杏子「嫌な予感しかしねぇ…」

ほむら「ねえ、もういいかしら? 待たされるのもウンザリだわ」イライラ

杏子「そうだな、じゃあ、プレイ再開だ」

ほむら「…一撃で粉々にしてあげるわ、巴マミィ…」ズゴゴゴゴ

子供(初球打つ気まんまんじゃん…。どんだけりきんでんだこのねーちゃん…。
   なら、初球は…)

マミ「来なさい暁美さん、格の違いを教えてあげる――!」ガバァッ!!

子供「え゛! まだサインも出してね――!」

杏子「あーあ」

マミ「ティロ・フィナーレ!」ブンッ!!

一同(――――やっぱりティロった――――――!!)

ほむら「氏になさい――、巴マミ!」ブゥンッ!!

杏子「頃すのかよ」

46: 2011/11/21(月) 22:49:17.65
 ……

 カッ――キィイイイイイイイイイイイイイイイイイン――

 ……

        rー、
    」´ ̄`lー) \
    T¨L |_/⌒/ ←ほむほむ
     `レ ̄`ヽ〈
       |  i__1
     _ゝ_/ ノ
      L__jイ´_ )
        |  イ
         |  ノ--、           r'⌒ヽ_
        ゝ、___ノ二7  /´ ̄l、_,/}:\
         |ーi |   l_/ /__ィ::.  ゝ~_ィ´:; ,ゝ
        __〉 {      (T´ |1:::.  \_>、};;_」
       'ー‐┘       ! ` ̄''ァ一 、\ ヽ}  ←マミった
               〈` ̄ ̄^`¬ノ .::〔 ̄´
                   1  ヽ   .:::レ  ヽ、
                |_イー-、_;;j|_:.   ゝ、
                __,,,... -- |. {―――‐フゝ、   〉 -- ...,,,__
        _,, -‐ ´       ,r|__ト,    1ニノ ー'´       ` ‐- ,,_
    , ‐ ´         └―'´                     `
                  ※イメージです

49: 2011/11/21(月) 22:50:23.43
マミ「私の…、ティロフィナーレが…」ガックリ

子供「…おい」

マミ「…なにかしら…」

子供「何かしら、じゃねーよ」

マミ「……?」

子供「……」

マミ「…何?」

子供「…やっぱりいい。何でもない。投げたいように投げれば?
   ねーちゃんの球くらい、どこに投げて来たって俺捕れるから」トコトコトコ

マミ「…え?」ポツーン

 ……

杏子「チームだもんな。打たれりゃお前だって悔しいよな」ナデナデ

子供「……」ヒックッ ウックッ

51: 2011/11/21(月) 22:51:52.96
    * * * *

ほむら「自信満々の球を打たれた気分はどうだったかしら?」ファサッ

マミ「…くっ…!」ギリィ

さやか「うるさいな! 今の回は結局ほむらのホームラン一本だけだったじゃん!
    他全部抑えたんだよ! マミさんだってスゴイじゃんか!」

ほむら「全部抑えた、って言ったって、所詮小学生相手じゃない。
    忘れたの? これは私と貴方との勝負よ?」

杏子「……」

マミ「まだゲームが終わったわけじゃないわ! 今度は私が打つ番よ!
   貴方の球なんて一発でティロって見せるんだから!」

ほむら「貴方に私の球が打てる…、いえ、かする程度でも出来るのかしら?」

まどか「……」

ほむら「まどか? どうかした?」

まどか「え? あ…、ううん。何でもないよ! 頑張ってね! ほむらちゃん!」

ほむら「ええ。まどかの前で格好悪いところ、見せられないもの」

杏子「おい、マミもほむらもはやくしろ。マミ、先頭バッターだろ、とっとと来い」

マミ「…見てなさい、暁美さん…」

53: 2011/11/21(月) 22:53:15.56
ほむら「……」フン

杏子「じゃあ、二回の裏、初めんぞ」

マミ「…うふふ…、さっきのお返しよ、ホームランで葬ってあげるわ」マミマミマミ…

ほむら「目がもう正気じゃないわね…」ゾク

子供「……」ガクガクブルブル

ほむら(…向こうのキャッチャーの子と違って、こっちのキャッチャーの子はどうもしっかりしないわ…。
    あの子でも捕れるように投げた球じゃ小学生にも打たれてしまう…。巴マミなら本当にホームラン出来るかも…)

ほむら「――タイムよ」トコトコトコ

杏子「おう」

子供「…あ、あの…?」ガクガクブルブル

ほむら「ミットを真ん中に構えて思い切り踏ん張りなさい」ボソ

子供「…え」

ほむら「必ず3球で終わりにしてみせる。だから、頑張って」ボソ

子供「む、無理だよ、あんな球捕れないよ…! 捕れたとしたって、その後俺キャッチャーなんて…」

ほむら「いいのよ」

54: 2011/11/21(月) 22:54:20.70
子供「え?」

ほむら「巴マミさえ叩き潰せれば良いの。元々野球の勝ち負けにそんなに興味はないわ」

子供「…え…?」

ほむら「お願いね。ちょっとくらい怪我したって、すぐ治してあげられるから心配しないで」トコトコトコ

子供「……」

杏子「あいつ、何だって?」

子供「……」フルフル

杏子「心配すんな。大丈夫だ」ナデナデ

子供「…うん。あんこねーちゃんがそう言うなら…」

杏子「へい、じゃプレイ再開すんぞ」

ほむら「ええ、いつでもいいわ」

さやか「マミさーん! ほむらの球なんて全然すごくないですよー!」ワーワー

55: 2011/11/21(月) 22:55:46.81
まどか「…ねえ、さやかちゃん?」マド…

さやか「ん? 何? …はっはーん? さてはほむらが打たれるのは可哀想だから、
    今のうちに謝っておこうかな、って?
    まどかの頼みとあらば、ほむらがメッタ打ちになる前に、
    マミさんの勝ちってことで収めてあげてもいいのだよ?」フッフーン

まどか「なっ…! そ、そんなんじゃないもん! ほむらちゃんはきっと勝つよ!
    そんなこと言うさやかちゃんなんか知らない!」プイッ

まどか(…でも…、何だろう…。周りの子たち見てたら、なんだか…。
    こんなんじゃない、って気がしちゃうのは、何でなんだろう…。
    ほむらちゃん…、ほむらちゃんは、そんな気はしないのかな…?)

マミ「来なさい! 暁美さん! 今度こそティロフィナってあげる!」ギンッ!

ほむら「世迷い言を…。二度と先輩面出来ないようにしてあげる…!」ガバァッ!!

マミ「全力!? キャッチャーの子が捕れるわけ――!」

ほむら「捕ってくれるわ! 私、そうお願いしたもの――!」ビュオォッ!!

子供「…ひっ!」ギュウッ

 バッチィイイイイイイイイイイイイインッ!!

56: 2011/11/21(月) 22:57:02.09
ほむマミ「!?」

杏子「…おー痛。ほむら、今のはダメだ。こいつじゃ捕れない。ワンボールな」ヒリヒリ

子供「あ、あんこねーちゃん…!」

マミ「佐倉さん貴方――、素手で今のを捕ったの…!?」

ほむら「杏子! その子が捕れないと決まったわけじゃないじゃないわ! 今のはストラ――」

杏子「黙れ。ワンボールだ」ギロ

ほむら「う…」

子供「あんこねーちゃん! 大丈夫!? 今スゲー音したよ!?」オロオロ

杏子「ナメんな、なんともないよ。…いや、ちっと痛かったけどな。心配すんなっつったろ?」ケタケタ

ほむら「…く…。わ、わかったわよ。次はちゃんと捕れる球を投げるわ。…それでいいんでしょう?」

マミ「子供相手に大人げない真似をして…! やっぱり貴方は嫌いよ! 暁美さん!」

ほむら「最初から最後まで、そっくりそのままその言葉をお返しするわ、巴マミ!」

杏子「はー、本当にこいつらは…」ジンジンジンジン

58: 2011/11/21(月) 22:59:16.75


 ――や……――



ほむマミまどさや「……?」



子供「――やってらんねーよ! こんなのッッッ!」ミット投げ捨て



ほむマミ「!?」ビクゥッ!!

子供「やってらんねーよ! ねーちゃん二人で勝手にやってりゃいーじゃねーかよ!」

ほむら「え…、と…」ホム…

子供「こんなの野球じゃねーよ! ちっとも楽しくねーよ!」グスッ…

マミ「あぅ…」マミ…

59: 2011/11/21(月) 23:00:58.92
子供「あんこねーちゃんの頼みだから入れてやったけどさ! こんなことなら入れなきゃ良かったよ!
   野球の『やり方知らない』のはまだいいよ! でもさ! 野球を『やる気もない』のにエラそうにすんな!
   おまけにあんこねーちゃんに怪我させやがって!」ヒック ヒック

杏子「……」ポンポン

子供「ねーちゃんたち中学生だろ!? あんこねーちゃんと同じくらいだろ!?
   全然ガキじゃねーか! つまんねーんだよねーちゃんたちのせいで!」ウワァアアン

まどさや「……」

杏子「…まどか、さやか。ほむらとマミの代わりに入れ」

まどか「え!?」
さやか「ええっ!?」

杏子「ほむら、マミ、お前らはベンチに引っ込め。…わかったよな?」

ほむマミ「……」コクリ…

61: 2011/11/21(月) 23:02:37.02
 ……

ヘーイ! マドカネーチャンノーコーン!!
ウタセテイイヨー オレラデマモルカラー
ガ ガンバルヨッ

マミ「…何やってるのかしらね、私たち」ポツン

ミヨ! サヤカネーチャンノコノカレイナバッティングヲ!!(…スカッ)
ダッセー! サヤカダッセー!
オマエラー! ナンデアタシニハネーチャンツケナインダヨー!!

ほむら「…ええ、何をやっていたのかしらね」ポツン

カキンッ
ワ! アタッタヨ! ホムラチャン! イマノワタシガウッタンダヨ!
マドカネーチャンアタッタラハシレー!!
エ! エ! エェ!?
アハハハハハハハ…!

マミ「美樹さんはやっぱり、みんなと仲良くなるの上手だわ」ハァ
ほむら「まどかも、やっぱり誰からも好かれるのね」ハァ

ほむマミ(あの二人の方が、私なんかよりよっぽど大人だわ…)ハァア…

杏子「よ。少しはアタマ冷えたか?」

ほむマミ(違った。この人が一番大人だった…)ハァアアア…

杏子「人の顔見てため息つくんじゃねーよ」

63: 2011/11/21(月) 23:04:47.15
ほむら「…手…。その。…大丈夫…?」ホム…

杏子「ああ? ンなもんへっちゃらだって。こっそり魔法で治したしな」ケタケタ

ほむら「…ごめんなさい」シュン

杏子「謝る相手が違うよ。…言わなくてもわかるよな?」

ほむら「…うん」コクリ

マミ「…私も、ね」ションボリ

杏子「コトをでかくしたのはまどかとさやかだけどな。…それにしたって原因はお前らだろ。
   ま、あたしは別に全員が全員仲良し子良しで、なんて言わないけどさ」ロッキー箱開け

ドゴォ
アッ サヤカゴメーン
…ノヤロォオオオオオオオオオオオオオオ!!
ピッチャーニゲロォ! キレタガルベストオナジカオシテルゾ コレ!!
ギャァアアアアアアアア!!
サヤカチャンオチツイテー!!

杏子「でも、何がどう間違ってるかくらい、わかるよな? …くうかい?」スイ

ほむら「…いただくわ」ポキ

マミ「…ありがとう」ポキ

65: 2011/11/21(月) 23:07:48.98
杏子「んじゃ。あとは二人で好き勝手にやんな。そこまで面倒見られるほどガキじゃないだろ?」ポリポリ

ほむら「杏子」
マミ「佐倉さん」

杏子「ん?」

ほむマミ「…ありがとう」

杏子「あとで飯奢れよ。それでチャラにしてやる」スタスタスタ

 ……

ほむら「…謝らないわよ。貴方には」

マミ「ふぅん? その口ぶりじゃ、何か私に謝らなくちゃいけないようなことでもあるのかしら?」

ほむら「…ないわ」

マミ「そうね。私もよ」

 ……

ほむら「……」

マミ「……」

 ……

66: 2011/11/21(月) 23:09:11.41
ほむら「…独り言よ」

マミ「…?」

ほむら「…これは私の独り言。
    貴方はいつだって、まどかやさやかにとって一番の憧れだわ。
    追い掛けて追い掛けて、貴方の背中に追い付きたいと思わせてしまう。
    巴マミに認めて貰いたい。貴方に出会ってから、あの二人はずっとそう思ってるはずよ。
    私は違うわ。私はどんなにあの二人の側にいたって、貴方のようには認めては貰えない。
    貴方のようには憧れてもらえない。
    羨ましいの。妬ましいの。まどかやさやかが、そんなにも憧れ続ける『巴マミ』が。
    だから、気に入らないのよ」

マミ「…そ」

ほむら「……」フン

68: 2011/11/21(月) 23:10:16.91
マミ「…なら、これは私の独り言」

ほむら「……」

マミ「貴方はきっと、美樹さんや鹿目さんの一番の友達なのでしょうね。
   それも、とても自然体に仲良くなった友達。…美樹さんとなんて、いつも言い争ってるのに仲良しじゃない。
   あの二人を見ていると、あの二人と話していると、二人が本当に貴方を大切に思ってるのがわかる。
   それなのに私ったらどう? …私が先輩だから。私がお節介焼きだから。私が寂しがり屋だから。
   だから美樹さんも鹿目さんも私に気を遣って良くしてくれている。…そんな風に思っちゃうの、貴方を見ていると。
   羨ましいの。妬ましいの。美樹さんや鹿目さんが、そんなにも好意を寄せる『暁美ほむら』が。
   だから、気に入らないのよ」

ほむら「…そう」

マミ「……」フン

 ……

69: 2011/11/21(月) 23:11:39.29

ほむマミ『…隣の芝生は青いわよ?』

 ……

ほむら「真似しないで」ギリ

マミ「貴方こそ」ギロ

 ……

アウトー!
アーン モウチョットダッタノニィ
デモイイセンイッテタヨ オシカッタナマドカ
キョウコチャンアリガトー
フフン ミテナサイキョウコ ヨバンサヤカチャンノキョウフヲアジワワセテアゲル!
ウワ ツギハガルベスカヨ コエーナ
ガルベスイウナー!!

ほむら「…みんなに謝りに行ってくるわ。…あと、もう一度混ぜてって、…きちんと言ってくる」スクッ

マミ「…私も行かせて。悪いのは『私たち』だもの。それに、私ももう一度、ちゃんとみんなで野球がしたいわ」スクッ



ほむマミ「――うん」

72: 2011/11/21(月) 23:13:23.78
 後日 放課後

さやか「ほーむらー、帰ろー」

まどか「ほむらちゃん、帰ろう!」

ほむら「…ええ、帰りましょうか」

さやか「今日はどっか寄っていく?」

まどか「私ちょっとお腹空いたなぁ…。何か食べに行かない?」

ほむら「確か今、ワクドナルドが何か安くしていなかったかしら?」

さやか「あ、そーいや何かCMやってたねー」

まどか「いいねっ! 話してたら何だか余計にお腹空いちゃったよ。早くいこっ」ティヒヒ



マミ「…あら? 三人とも、今帰り?」バッタリ

ほむら「…ええ、そうよ」ファサッ

まどさや「…あ、…えと…」

73: 2011/11/21(月) 23:14:48.84
 ……

ほむら「これからハンバーガーを食べに行くの。
    巴マミ、貴方もどう? 勿論、断ってくれても全然構わないけれど」シレッ

まどか「ほむらちゃん…!」パァッ

マミ「…もし甘い物でいいのなら、うちでケーキと紅茶をお出し出来るわよ?
   コーヒー好きの暁美さんは、勿論断ってくれてもいいのだけれど」シレッ

さやか「マミさん…!」パァッ

まどか「ほむらちゃん! ハンバーガー買って、そのままマミさんちに行くのはどうかな!」ギュウッ

さやか「マミさん! ほむらの奴に本当に美味しい紅茶の味を教えてやりましょう!」ギュウッ

ほむら「まあ…、私はそれでも構わないのだけれど」///

マミ「私もその…、それで良いのなら」///

まどか「さやかちゃん、杏子ちゃんも呼ぼうよ! みんなでお茶にしよう!」

さやか「そーだねっ。あはは、杏子の奴、きっとすっ飛んでくるよ」

74: 2011/11/21(月) 23:15:54.58

 ……

ほむら「……」チラ
マミ「……」チラ


ほむマミ「……ふんっ ///」 プイッ


まどか「ティヒヒッ!」

 おわるよ

77: 2011/11/21(月) 23:18:27.20
ありがとうございましたー。
書き始めた時はまどさやののろけ合戦を目指すつもりだったのにどうしてこうなった…?

あんこちゃん大好きです
前に書いたやつは出番がさやほむばっかりだったのでもうちょっと色々やらせてみたくて

…ガルベスの乱闘は本当に怖いよね

78: 2011/11/21(月) 23:18:53.29
乙乙乙

80: 2011/11/21(月) 23:19:28.13

83: 2011/11/21(月) 23:20:22.23

一番迷惑被ったのは子供達だったなあ

引用元: まどか「ほむらちゃんは悪くない!」さやか「マミさんが正しい!」