1: 2011/09/05(月) 20:32:49.11 ID:MPlemPEq0
の続きです
2: 2011/09/05(月) 20:33:46.25 ID:MPlemPEq0
律「だだいまー」

りつ「ただいまー」

聡「あ、姉ちゃん、おかえr」

聡「えっ…え…?」

律「どうしたんだ聡?」

りつ「どうしたんださとし?」

律「こらっ、ふざけないの」

りつ「へへっ、ごめんなさいお姉ちゃん」

聡「いや…えっ?…姉ちゃんその子…なに?」

律「あ、ちょっと前から私達の妹になった、りつだ
  ほら、りつ、お兄ちゃんの聡だよ、あいさつして」

りつ「はじめまして、りつって言います
   小学4年生です!よろしくね、お兄ちゃん」

聡「あ、どうも…田井中聡です……よろしく…」

5: 2011/09/05(月) 20:37:53.17 ID:MPlemPEq0
律「……」

りつ「……」

聡「……」

聡「じゃなくて!なんでいきなりそんな事になったの?!
  それにその子、昔の姉ちゃんにそっk」

律「聡、ちょっとこっち来て」

聡「モゴモゴ…」

律「りつー、自分の部屋わかるよね?ちょっと先に入っててくれるかな?
  姉ちゃん、聡とお話してくから」

りつ「了解です!先に行ってます!」

聡「……」

律「……」

聡「どういう事か説明してよ…俺が合宿行ってる間にいったい何が…」

律「えっと…何から話せばいいかなぁ」

6: 2011/09/05(月) 20:41:57.95 ID:MPlemPEq0
聡「……」

律「あの子な……」

聡「うん」

律「昔の私なんだ」

聡「そんなの信じられない!…って言いたいとこだけど…
  容姿も性格も昔の姉ちゃんそっくりだから信じる」

律「あ、やっぱそう見える?さすが我が弟!」

聡「続き続き」

律「あ、えーとな
  あの子が迷子になってるのを唯と梓が見つけて…
  あ、唯と梓ってわかるっけ?」

聡「この前ウチに来て、ハンバーグ食べてった」

律「そうそう、それでとりあえずウチでしばらく預かる事になったんだ」

聡「うん、警察には言ったの?」

律「もちろん、無駄だったけどね」

聡「どういう事?」

8: 2011/09/05(月) 20:45:33.19 ID:MPlemPEq0
律「戸籍が無いんだよ、無戸籍児ってやつだ」

聡「えぇ?!…マジで?」

律「それでな、度重なる家族会議の結果…」

聡「俺欠席…」

律「あの子は養子縁組で田井中家の一員となった訳だ
  だから正確には私達は義理の兄姉って事になる」

聡「そんな重大な事、なんで知らせてくれなかったんだよ!」

律「いやだってケータイ持ってないんだもん、聡」

聡「…そうでした」

聡「んで、なんで昔の姉ちゃんがここにいるの?」

律「…それはな」

聡「うん」

律「わからん!」

聡「えっ…?何でわかんないんだよっ!」

10: 2011/09/05(月) 20:49:03.10 ID:MPlemPEq0
律「だって私がやった事じゃないし
  わからない事はわからないんだよ」

聡「なんだか不思議な話だな…」

律「あ、それと聡、これ一番大事な事」

聡「なに?」

律「この事りつには黙ってなきゃダメだぞ?
  りつは知らない方がいいだろうって事で家族会議で決まったんだ
  りつには私と聡の方が両親と血が繋がってないって遠回しに説明してあるからな」

聡「えっと、それはつまり…」

律「私達の方が後でこの家にやってきた事になってるんだ
  りつの中ではな」

聡「ああ、そゆ事…」

律「うっかり喋らない様に気をつけるんだぞ?」

聡「うん、わかった」

律「口滑らしたら私の往復ビンタをお見舞いするからな!」

聡「そ、それは怖い…」

11: 2011/09/05(月) 20:53:33.04 ID:MPlemPEq0
律「じゃ、私ちょっと出かけてくるから、りつに何かあったらよろしくな」

聡「あぁ」

………

聡「(まじかよ…なんかえらい事になっちゃったな…
まさか昔の姉ちゃんが妹になるなんてなぁ)」

聡「(でも、昔の姉ちゃん…あんな可愛かったっけ…
  認めたくないけどちっちゃくて可愛らしかったなぁ…)」

聡「(そんな可愛らしいあの子が『お兄ちゃん』って俺を呼んでくる訳か…)」ゴクリ…

聡「………」

聡「(うひょお!悪い気はしないよな、どう考えても!)」

聡「困ったなぁー…もう!」

りつ「なにが困ったの?」

聡「うわぁぁぁぁ!!!」

りつ「うわっ!」ビク

14: 2011/09/05(月) 20:59:03.87 ID:MPlemPEq0
聡「ねえちゃ…じゃなくて…りつ!いつの間に?!」

りつ「へへーん、忍者みたいに忍び込んでやったぜ!」

聡「自分の部屋にいたんじゃないのか?!」

りつ「だって暇なんだもん、お姉ちゃんどっか行っちゃったし
   だからお兄ちゃん遊ぼ?」

聡「遊ぶっていったって…何するんだよ?」

りつ「なんでもいいよ?お兄ちゃん何したい?」

聡「……」

りつ「……?」

聡「いや…だめだ、兄ちゃんこれから勉強するからな」

りつ「えー…そんなぁ…遊んでくれないの?」

聡「中学生になると色々忙しいんだ」

りつ「さっきはぼーっとしてたくせに」

聡「い、色々考える事もあるんだよ!」

15: 2011/09/05(月) 21:04:59.04 ID:MPlemPEq0
りつ「へー、そうなんだ…」

聡「わかったら自分の部屋でお昼寝でもしてなさい」

りつ「……眠くないもん」

聡「(うっ…そんなにがっかりする事か…?
  ちょっと言い過ぎたか…?」

りつ「……」

聡「……」

りつ「じゃあ私お兄ちゃんがお勉強頑張れるように
   お兄ちゃんの横で見張っててあげるね?」

聡「どうしてそうなる?!」

りつ「それもだめ…?」

聡「…むぅ……」

りつ「…静かにしてるから……」

聡「(可愛いなぁ…もう…)」

聡「わ、わかったよ」

17: 2011/09/05(月) 21:09:46.43 ID:MPlemPEq0
りつ「やった!ありがとう!お兄ちゃん」

聡「(く…妹になってもやはり俺は姉ちゃんには勝てないのか……?)」

聡「…」カリカリ

りつ「……」ジー

聡「……」カリカリカリ

りつ「……」ジーーーー

聡「……」カリカリカリカリ

りつ「……」ジーーーーーー

聡「…りつ」

りつ「どうしたの?お兄ちゃん?」

聡「見すぎ…その視線がかえってやりずらい…」

りつ「えー…ちゃんと監視してあげてるのに!」

18: 2011/09/05(月) 21:13:47.10 ID:MPlemPEq0
聡「……」

りつ「……」

聡「わかったよ…何して遊ぼうか?」

りつ「遊んでくれるの?!…やったぁ!」

聡「あぁ…(昔から誰かにかまって欲しくて仕方がないだよな…この人…)」

りつ「じゃあ…トランプしたい」

聡「いいよ、えーとトランプは…」

りつ「無いの?お兄ちゃん」

聡「いやっ、あれ、確かここにあったんだけどな…」ガサガサ

りつ「私も一緒に探してあげるよ」

聡「え…?」

りつ「ここかな…?それともこっちかな…?」ガサガサ

聡「ん?うわぁぁぁ!待て!その引き出しはぁ!!」

21: 2011/09/05(月) 21:19:12.80 ID:MPlemPEq0
りつ「えっ?」

聡「開けたらダメだぁぁぁ!!」

りつ「もう開けちゃった…ってうわぁ!」

聡「見るなぁぁぁぁ!!!」

りつ「なんかえOちな本がいっぱいある!」

聡「のぉぉぉぉぉぉ……!!」

りつ「これ全部お兄ちゃんのやつ?…もうやだなぁ……」ペラペラ

聡「こら!めくるな!お前にはまだ早い!」

りつ「ひょっとしてこっちの引き出しも?」

聡「まて!そこだけはダメだっ!!」

りつ「みーつけた♪大事な物なんだね」

聡「待て!返せ…!」

22: 2011/09/05(月) 21:23:04.68 ID:MPlemPEq0
りつ「返して欲しかったら捕まえてみんしゃい!」ひょい

聡「なんて身軽な!?」

りつ「へへーん、鬼ごっこ開始だよ♪」

聡「ま、待て!」

ドタドタ

聡「ほっ」サッ

りつ「わっ!あぶなっ」ひょい

聡「はぁはぁ(ようやくベッドの角まで追い詰めたぞ…!)

りつ「あうー…逃げ場がない…ひょっとして…ピンチ…?」

聡「さぁ、渡しなさい、今ならまだ許してあげるから」

りつ「や、やだよー…!これ私の物だもん」

聡「じゃあ力ずくでいかせてもらうぞ!」ビュン!

りつ「わわっ!」バタッ

聡「捕まえた!」

りつ「うー…捕まってしまった…」

24: 2011/09/05(月) 21:29:24.38 ID:MPlemPEq0
聡「もう逃げられないぞ?観念するんだな…」

りつ「あはは、楽しかった♪ごめんね…?おにいt」

ガチャ

律「……」

澪「……」

聡「……ん?」

律「……」

澪「みお、見ちゃダメ」サッ

みお「うん」///

聡「……」

聡「(え、なんで姉ちゃんと澪さん?
  しかもちっこい澪さんいるよ?どういう事?)」

律「おい…聡」

27: 2011/09/05(月) 21:33:58.30 ID:MPlemPEq0
聡「(いや、それよりも…ひとまず状況整理だ…
  鬼ごっこで荒れた部屋…
  部屋に散乱した工口本…
  そして俺が妹をベッドに押さえつけているこの現状…)」

律「………」

聡「………」

澪「聡…私はそんな奴じゃないと…」

聡「ちょ…!ちょっと待って澪さん!姉ちゃん!誤解だって…!」

律「へぇ…この如何わしい部屋でいったい何してたんだ?」

聡「えっと…その…鬼ごっこしてたんだよ!鬼ごっこ!
  なぁ?りつ!」

りつ「お兄ちゃん…ごめんなさい…グス」

聡「(うおいっ!何でよりにもよって涙目でそんな事言うんだよぉぉぉ!!
  これじゃあ疑いは晴れるどころか…!)」

30: 2011/09/05(月) 21:38:48.94 ID:MPlemPEq0
律「りつ…こっちおいで」

りつ「はーい」

たったった

りつ「あ、みおちゃん!いらっしゃーい♪」

みお「うん、りっちゃん…大丈夫?」

りつ「平気だよ?じゃ、お兄ちゃん、またね♪」

聡「(…う…嘘泣き…?
  そう言えば昔もよく引っかかってたっけ…やられた…)」

聡「………」

律「聡」

聡「………」

律「今夜は家族会議になるからな」

バタンッ!

聡「」

32: 2011/09/05(月) 21:43:15.17 ID:MPlemPEq0
………

りつ「みおちゃん!今度はあっちのブランコ乗ろう」

みお「え、…平気かな…?」

りつ「大丈夫だよ!私がついててあげるから」

みお「う、うん…怖いけど…乗ってみる」

律「……」

澪「……」

律「いやー、微笑ましい光景だなー」

澪「自分達の幼い頃の画を見るって、なんだか不思議な気分になるな」

律「確かになー、懐かしかったり、恥ずかしかったりだな」

澪「こうして毎日律と遊んでたもんなぁ、時には服が泥だらけになっちゃったりしてさ」

律「あ、迷惑だった?」

澪「そんな事ない、あの頃は毎日が楽しかったよ」

35: 2011/09/05(月) 21:47:53.53 ID:MPlemPEq0
律「ははっ、なんかおばちゃん臭いぞー?澪」

澪「なっ?!…そういう事言うな!」

律「ごめんごめん、冗談だよ」

澪「もう……あ、危ない!」

律「え?」

りつ「てて……あは♪転んじゃった」

みお「り…りっちゃん…!大丈夫?」

りつ「平気だよ、ちょっと擦りむいちゃっただけ」

みお「バイキンが入ったら大変だよ?ちょっと見せて」

りつ「え、いいよそんなの」

みお「ばんそうこう持って来たの、貼ってあげる」

りつ「大丈夫だよ、そんなに大した怪我じゃないから」

みお「ダメだよ、はい、足出して?」

りつ「う…うん」

37: 2011/09/05(月) 21:52:37.04 ID:MPlemPEq0
みお「これでおっけーだね、今度から気をつけよう」

りつ「あ、ありがとう!みおちゃん」

澪「大丈夫…そうだな」

律「良かった良かった」

澪「なんだか…思い出のアルバムを開いてる気分になるよ」

律「あんなやりとりあったっけ?」

澪「あったよ!本当におっちょこちょいなんだから、律は…」

律「そうだったかなー?」

澪「見てるこっちが心配だったんだぞ」

律「あ、だから澪の記憶には残ってるんだ?」

澪「違う、律が忘れっぽいだけだ」

律「むむ…」

38: 2011/09/05(月) 21:56:33.68 ID:MPlemPEq0
澪「……」

律「……」

律「なぁ澪、そろそろ教えてくれてもいいんじゃないか?」

澪「え?何を?」

律「とぼけても無駄、最近何か悩んでるだろ?」

澪「……」

律「澪はすぐに顔に表れるからな」

澪「…はは」

律「言ってみ?」

澪「…最近な…思うんだ」

律「……」

澪「あの子達が来てからウチが賑やかになってとても楽しいよ
  毎日が新鮮でさ、昔の自分とはいえども本当の妹ができたみたいで」

律「うん、私も」

40: 2011/09/05(月) 22:01:19.81 ID:MPlemPEq0
澪「でもさ、本当にこれでいいのかなって…思うんだよね」

律「……」

澪「あの子達が過去から来たのなら、残された周りの人達はどうなる?
  いきなり最愛の娘がいなくなって…
  いきなり信頼していた姉がいなくなって…」

律「……」

澪「私はあの子達と出会って間もないけれど、
明日からあの子達の顔が見れなくなると思うととても切なくなる
  短い付き合いの私でさえこんな辛い気持ちだったら…
  もっと長い時を一緒に過ごしてきた、
あの子の周りの人達は今どんな気持ちなんだろうって…」

律「…まぁ……な」

澪「私はさ……
このままあの子達と一緒に過ごしていく事は、
私達の勝手な自己満足だと思う」

律「……」

澪「律はどう思う?私間違ってるかな?」

律「…間違ってなんか無いよ
  澪は正しい事を言ってる……ただ…」

41: 2011/09/05(月) 22:06:37.55 ID:MPlemPEq0
澪「…ただ?」

律「そりゃ私だって切ないけれど…あの子達を元の世界に戻すっていうのは大賛成さ
  けれど…肝心の戻し方がまったくわからないだろ?」

澪「…まぁ…確かに」

律「あの子達に迷子になる前の事を聞いてみても
  『覚えてない』の一点張りだしな」

澪「でも…何か行動しなきゃって思うんだ!……それでも何か…」

律「…澪の気持ちはよく解るけど、気持ちだけ先走ってもなんの進展も得られないぞ?」

律「何か手掛かりがある筈さ、ウチの妹達も忘れた記憶を思い出すかもしれないしな」

澪「…うん」

律「大丈夫、きっと元の世界に戻れる筈だよ
  だから澪はそんなに思い悩むなよ…な?」

澪「うん…ありがとう、律」

42: 2011/09/05(月) 22:11:53.54 ID:MPlemPEq0
………

唯「りっちゃん、澪ちゃん」

律「んー?」

澪「どうした唯」

唯「妹ちゃん達、いつ連れてきてくれるのー?」

澪「連れてくるって…ここへか?」

唯「うん、軽音部へ」

律「なんでだよ、けっこう唯も顔合わせてるじゃんか」

唯「私はりっちゃんとみおちゃんと一緒にここでお茶したいんだよー」

澪「そんな訳にいかないだろ
  お茶をする為だけに学校へは連れてこれないよ」

唯「やっぱり厳しいかなー?二人共喜ぶと思うんだけど…」

律「じゃあさ、今度みんなでどっかお茶しに行く?」

唯「おっ、いいねぇー」

43: 2011/09/05(月) 22:16:45.02 ID:MPlemPEq0
律「だろだろ?じゃ、セッティングよろしくな、澪!」

澪「なんで私なんだよっ!」

唯「あ、あずにゃんからメールだ」

律「なんて?」

唯「えー…そんなぁ…」

澪「梓どうかしたのか?唯」

唯「あずにゃん家の用事ができちゃって今日は部活出れないって」

律「家の用事…また猫でも預かったのか?」

唯「あずにゃん2号って呼んであげてよ、りっちゃん」

律「はは、あ、私にもムギからメール」

澪「ムギから?」

律「…なんかムギも今日出れないってさ…バイトの人が風邪なんだって
  代役頼まれちゃったみたい」

45: 2011/09/05(月) 22:21:50.19 ID:MPlemPEq0
唯「えー…なんか寂しいね…それに今日は甘いもの無しかぁ……」

律「もう!…仕方ないわね!」

唯「え…まさかりっちゃん何か持ってきてるの?!」

律「あぁ、こんな事もあろうかと思って、今日はこれで我慢してくれっ!」

唯「……」

澪「(チロルチョコ…しかもポッケの中に入れてたから溶けてる……)」

唯「あ、ちょっと私トイレに……」

律「なにぃ…逃げるのか?!」

唯「失礼します」

律「……」

律「じゃ、二人で食べようか澪」

澪「私もいらない」

律「」

47: 2011/09/05(月) 22:26:33.08 ID:MPlemPEq0
澪「それよりもさ、律」

律「なんだよー?私は非常食これしか持ってないぞ?」

澪「食から離れろ!………さわ子先生の事なんだけど」

律「さわちゃん?…今日も休みみたいだなー」

澪「それなんだけど…私ちょっと気になる事が」

律「気になる事?」

澪「さわ子先生が学校休んでからこれで1週間だろ?」

律「うん、確かそれくらいだな」

澪「そして私が迷子のみおを見つけたのもちょうど1週間前」

律「………ま、まさか」

澪「これってただの偶然かな?…って」

律「さわちゃんが学校休んでる事と、迷子のみおりつに何か関連が…?!」

49: 2011/09/05(月) 22:31:55.51 ID:MPlemPEq0
澪「…まだ決めつけるのは早いと思うんだけど…
  ひょっとしたら何か関係してるのかなって…」

律「むー……」

澪「……」

律「…とりあえずさわちゃんに電話してみよう」

澪「う…うん」

律「………」trrrrr

澪「………」

律「………」trrrrr

澪「………」

律「…出ませんなぁ…」

澪「そっか…長期休暇中らしいけど…寝てるのかな?」

律「そうかもな」

50: 2011/09/05(月) 22:36:52.46 ID:MPlemPEq0
「あ、あの」

律「うわっ!」

澪「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

「すみません、びっくりさせちゃいましたか?」

律「誰?!」

「あ、ご紹介遅れました
 私オカルト研究会の田辺と」

「高木です、よろしく」

律「あ、よろしく…っていつからいたの?!」

田辺「最初からいましたよ、ソファーの陰に隠れてました」

律「なんで隠れる必要があるの?!」

高木「軽音部は桜校のオーパーツですから、じっくり観察させてもらいました」

52: 2011/09/05(月) 22:41:39.30 ID:MPlemPEq0
律「観察って…私達見てても何も面白くないよ?それだけの為に来たの?」

田辺「いえ、それだけではありません
あなた達にちょっと用があって話をしに来たんですよ」

高木「話というかお願いかもしれません」

律「え、えっ?」

田辺「話というのは何を隠そう山中先生の事です」

律「さわちゃん?」

田辺「ええ」

高木「秋山さん、大丈夫ですか?」

律「澪?!…みおー?!」

澪「」

53: 2011/09/05(月) 22:46:52.40 ID:MPlemPEq0
律「なんて事だ!!…戻って来い澪!!」

澪「」

律「………」ゆさゆさ

澪「」

律「………」

澪「」

律「………」

律「話を続けてくれ」

田辺「はい、田井中さんは我がオカルト部に基づく伝説をご存じですか?」

律「で…伝説?」

田辺「オカルト部の部室に過去とつながるゲートが存在すると」

律「え、あんなの本気にしてる人なんて…」

高木「いたのです」

律「…まさか」

54: 2011/09/05(月) 22:52:36.94 ID:MPlemPEq0
高木「そう、その人の名前は山中さわ子先生」

律「えぇー…」

田辺「私達オカルト部員にとっては先生は厄介な存在でした
   代々オカルト部が秘密にしていたゲートの存在を
   山中先生は信じて疑わなかったのですから」

高木「田井中さんの様にただの噂と信じない人が多い事の方が
   オカルト部にとっては好都合だったのです」

律「そ…それでさわちゃんは一体?!」

田辺「ちょうど1週間前でしたね
   山中先生がどうしてもゲートを潜りたいと言ってきました
   山中先生の熱意に負けた私達はとうとう山中先生にゲートを
   潜らせてしまったのです」

高木「流石に先生に泣かれてしまっては、心動かずにいられませんでした」

律「さわちゃん、何でそんなに必氏なんだ…」

田辺「潜ったのはいい事、早1週間…」

高木「現在の時間と過去の時間は均等に流れますからもう1週間も過去に
   入ったままなのです」

56: 2011/09/05(月) 22:57:06.65 ID:MPlemPEq0
律「さわちゃん過去に行って何してるんだ?」

田辺「解りません…ただ事前の話では
   1週間以内に自分が帰らなかったらこの紙を田井中さんに渡して欲しいと」

律「紙?」ペラ

りっちゃん澪ちゃん
この紙を見せたくは無かったんだけどごめんね
申し訳ないけど、二人で私を助けにきてね

山中さわ子

律「え…いや……………えっ??」

田辺「すみません、紙の内容が気になって気になって…
   あなたに見せる前につい読んじゃいました
   田井中さん、私からもお願いします」

高木「山中先生を助けに行ってあげてください」

律「ちょ…ちょっと待った!」

田辺「なんですか?」

律「いや…これは嘘だ…さわちゃんが私達にしかけた悪い冗談だ…!
  でなければこれは夢…そうだ悪い夢に違いない!!」

高木「現実逃避はやめてください」

57: 2011/09/05(月) 23:02:56.49 ID:MPlemPEq0
律「これが現実だって?!そんな訳ないよっ!
  過去に行けるゲート?…そんなの私は信じないぞっ!!」

高木「強情ですね」

田辺「無理もないわ、これが普通の人の見せる反応」

律「そうだ!今の話本当だっていうなら証拠見せてよ!
  過去に行くそのゲートっていうのを見せてくれれば信じるよ!」

田辺「ええ勿論、見て頂けなければゲートは潜れませんから」

高木「ちょっと部室まで来て頂けますか?
   あ、秋山さんも連れて来てくださいね」

律「わかった!
  おい澪!…みおー!…起きろー!!」

澪「へっ?!」

58: 2011/09/05(月) 23:07:38.94 ID:MPlemPEq0
田辺「あ、ようやく目覚めましたね」

澪「うわあぁぁぁ!!魔女だぁぁぁーー!!
  やめてください!!私をさらうのはやめてくださいぃぃ!!」

律「まてっ!落ち着け澪!この人達はマントはおってるけど魔女なんかじゃない!
  オカルト部員の田辺さんと高木さんだ!落ち着くんだ澪!」

澪「いやだぁぁぁーー!!生贄にされる!!
  さらわれて生贄にされるんだぁぁーー!!」

律「大丈夫だ澪!生贄になんかされない!!
  正気に戻るんだ澪!!」

田辺「早く行きますよ」

60: 2011/09/05(月) 23:13:25.04 ID:MPlemPEq0


唯「いやー…つい和ちゃんと話しこんじゃったよ」

唯「りっちゃんゴメン!やっぱり私チロルチョコ食べt」

唯「…あれ?」

唯「………」

唯「………」

唯「誰もいない」



澪「で、これがそのゲートと…?」

律「なんか怪しげな渦が…これは作り物とは思えないな…」

田辺「本物ですよ、現在と過去を繋ぐ異次元空間です」

澪「で、でも…その異次元への入口がなんで清掃用具ロッカーの中なんだ?」

高木「世に広がる不可思議と呼べるものは、えてして意外な場所にあるものですよ」

61: 2011/09/05(月) 23:19:09.92 ID:MPlemPEq0
律「そ…そういうものなのか…これは、信じるしかないな…」

田辺「ようやく覚悟を決めて頂けましたか」

澪「あの、やっぱり私達なんかじゃなくて、もっと頼れる人に相談してみたらどうかな?」

律「何を言うんだ澪?!さわちゃんがどうなってもいいのか?!」

澪「違う!そうじゃなくて…さわ子先生が心配だからこそだよ
  例えばほら、警察とか…そういう分野で専門的な人とか…」

田辺「それは無理ですね」

澪「えっ?」

田辺「このゲートは誰でも入れるという訳ではないんです」

高木「条件があるんですよ」

律「条件?」

62: 2011/09/05(月) 23:24:51.66 ID:MPlemPEq0
田辺「はい、まずこのゲートは2人でないと入れません
   1人でも3人以上でもNGです」

高木「それと入る2人がお互い一番大切な存在で無くてはなりません」

律「大切な…存在?」

田辺「はい、山中先生はその辺りも含めてあなた達にお願いしたんだと思います
   田井中さんと秋山さんは昔から仲が良いと学校でも評判になっていますし」

高木「両想いのあなた達にはまさに適任だと思いますけど?」

澪「りょ…両想いって!!そんなわけっ」///

律「そ…そうだぞ!周りからはそう見られてても
  ひょっとしたら私達すごく仲悪いかもよ?」

田辺「それはないですね、条件が揃わない限りゲートは姿を現しませんから」

律「…むむ」

澪「……」

64: 2011/09/05(月) 23:30:26.61 ID:MPlemPEq0
田辺「もう一度言います、覚悟…決めて頂けましたか?」

律「………うん」

澪「ちょっと律?!」

律「わかった!さわちゃん救出は私達に任せなさい!」

澪「…大丈夫なのか?!私達2人で…」

律「私達しかできないんだ、やろう澪
それにこれは妹達にも関係ある気がするしな…」

澪「あっ…」

田辺「良かった…じゃあ早速潜って頂いて」

律「いきなり!?」

高木「ちなみに山中先生が向かった先は今から7年前の世界です
   過去に行く場合、容姿が向かった先の世界のものに変換されますのでご注意を
   ただ記憶までは失われませんのでご安心ください」

67: 2011/09/05(月) 23:36:11.32 ID:MPlemPEq0
澪「7年前?!私達10歳の女の子になるって事?!」

田辺「そういう事になりますね、ちなみに山中先生は高校生の姿の筈です」

澪「そんな…小学生の姿でさわ子先生を探せっていうのか?!」

律「大丈夫だよ澪!なんとかなるって♪」

澪「その自信はどこからくるんだよっ!」

律「さぁいくぞっ!レッツゴー♪」グイッ

澪「ちょっと待って!実は私…今日都合が…!」

田辺高木「ご武運を」

律「ふん♪ふん♪」

澪「うわぁぁぁぁ………!!」

68: 2011/09/05(月) 23:41:45.54 ID:MPlemPEq0
―――――
――――
―――
――


律「なんかもやもやしてるな」

澪「りつぅ…今からでも遅くないよ…?引き返そうよ…」

律「ダメだ、さわちゃんどうなってもいいのかよー?」

澪「私だって心配だけど…私達だけじゃ不安だよぉ……」

律「大丈夫だよ、私がついてるから」

澪「………」

律「ほっ…ほら、転ばない様にちゃんと手握ってろよ!」

澪「……うん」

律「………」

澪「………」

70: 2011/09/05(月) 23:47:42.53 ID:MPlemPEq0
律「あっ、なんかドアがある」

澪「これが出口なのか?」

律「多分な…よし開けるぞ」

ギィ……

律「わっ、眩しい」

澪「…うっ」

律「………」

澪「………」

律「………」

澪「………」

73: 2011/09/05(月) 23:53:00.86 ID:MPlemPEq0
律「ぷっ!澪小さくなってるぞ?!」

澪「律だってりつになってる…!」

律「うわっ、なんか服まで昔私が着てたやつになってるし…!」

澪「これ…本当に過去に来ちゃったのか…?」

律「そうだろ…どう考えても…
ここって…私達の家の近くの公園だよな?
  昔から有名だったトイレの開かずの扉…まさかここが出口になってるとは…
  っていうかこの扉、鍵掛かってなかったっけ?外したのさわちゃんかな?」

澪「たぶんさわ子先生だと思う、外してくれてて良かったな
  私達の力じゃ難しそうだ」

澪「………」

律「ん?どうしたんだ澪?」

澪「この渦…消えないんだな…」

74: 2011/09/05(月) 23:58:39.87 ID:MPlemPEq0
律「あー、私達が近くにいるせいじゃない?
  条件が揃わないと出てこないって言ってたし…」

澪「この渦…その一番大切な人と一緒っていう条件なら誰でも開くのかな?」

律「んー多分そうじゃない?」

澪「……」

律「さっきからどうしたんだよー?澪」

澪「もし、この世界の私達が施錠されて無いこの開かずの扉を開いてしまったら…
  そして表れた渦を面白半分に潜ってしまったとしたら…」

律「それってもしかして!…りつとみおの事?!」

澪「うん…まだ言いきれないけど
  可能性はとても高いと思う」

律「そういう事だったんだ!りつとみお、元の世界へ戻せそうじゃん!」

澪「まだ決めつけるのは早いって!この世界の私達は普通に生活してるのかもしれないし
  この世界の私達が行方不明にでもなっていたのなら間違いない思うけど」

76: 2011/09/06(火) 00:03:24.41 ID:vmXw0ld60
律「なるほど…ん?なんかチラシがまってる…」ペラ

澪「チラシ…?」

律「……これって…」

澪「ちょっと律、私にも見せて!」

律「……捜索願い…だよな?」

澪「うん、私達の顔写真思いっきり載ってるし…」

律「確定だな」

澪「うん」

律「よしっ!やる事は決まったな澪!
  さわちゃんさっさと見つけてりつとみおをこの世界へ戻そうぜ!」

澪「もう1人だろ」

律「えっ?…もう1人?」

澪「ゲートは2人じゃないと潜れないんだから
  さわ子先生ともう1人、誰かいる筈」

78: 2011/09/06(火) 00:09:49.90 ID:vmXw0ld60
律「あ、そっか…頭良いなぁ澪」

澪「(なんだかもう…不安になってきた………)」

律「とりあえず桜校に行ってみようか!」

澪「そうだな、他にさわ子先生の手がかりも無さそうだし……」

………

律「~♪」

澪「ご機嫌だな律…」

律「いやだってさー、7年前の町並みってとても懐かしくないか?
  それに目線が下がるとこうも世界が変わるんだなー」

澪「適応能力ありすぎだよ律…こんな非現実的な世界にいるんだぞ?
  私は不安でしょうがないよ…」

律「不安になったって何も得にならないだろ?
  澪も覚悟決めてこの世界を楽しもうよ
  なかなか得られる体験じゃないぞー?」

澪「うぅ…そのポジティブシンキング…少しだけでもわけて欲しい……」

81: 2011/09/06(火) 00:14:40.02 ID:vmXw0ld60
律「あ、ほら澪!あの駄菓子屋さんまだ改装前だよ?
  昔はよく澪と2人で行ったよなー
  お店新しくなってからムギと一緒に行ったんだけどさ」

澪「本当だ、懐かしいなー
  昔の姿も味があって私は好きだ」

律「だよなー、あっ…おばちゃん!元気?!」

澪「ちょ…!ちょっと律!!」

律「え…?なに…?!」

澪「隠れろ!早く…!」

律「えっ…ちょっと!どうしたんだよ澪」

澪「………」

律「………」

「……気のせいかしら…今りっちゃんの声が……」

澪「……行ったか…」

82: 2011/09/06(火) 00:19:42.02 ID:vmXw0ld60
律「……あっ、そっか…」

澪「気付いた?」

律「うん…私達この世界じゃお尋ね者だもんな」

澪「そう、見つかったら警察に連れて行かれるに決まってる
  そうなったらさわ子先生を探すどころじゃないんだぞ?」

律「あははっ…ごめんごめん」

澪「なるべく人に見られない様に桜校へ行こう」

………

律「さて澪」

澪「うん」

律「校門の前まで来たはいいけど………どうする?」

澪「うーん…ちょうど放課後の時間になってるし
  ここで遠目にさわ子先生が出てくるのを待つのが無難だと思う」

律「わざわざ過去に来てまで学校通うなんて事するのかな…?」

澪「仕方ないだろ…他に探すあてもないんだし」

83: 2011/09/06(火) 00:24:29.20 ID:vmXw0ld60
律「まぁ…そうだけど…
  ちょっと待って澪、さわちゃんも私達と同じように若返ってるんだよな?」

澪「そう言ってたな、オカルト部の人が」

律「高校時代のさわちゃんって…どんな感じだ…?」

澪「それはえーと……ピンク色のエクステを目印にしたらどうだ?」

律「普段からそんな派手なもの身に付けてる訳ないだろ?
  絶対校則で引っかかるって…」

澪「そ、そっか…よく考えたらライブ衣装のさわ子先生しか知らないな…」

律「それだよ澪、平常時のさわちゃんを遠目に見て判断するって難しいと思うぞ?」

澪「た、確かに…どうしよう…」

律「……」

澪「……」

律「秋山さん…私に良い案があるんですけど…」

澪「なに…?ものすごく嫌な予感がする」

84: 2011/09/06(火) 00:29:48.85 ID:vmXw0ld60
律「………」

澪「………」

律「忍び込もう」

澪「はぁ?!…忍び込むって…!!…学校に?!」

律「バカ!声が大きい!」

澪「だって…そんなの無謀だって」

律「よく聞いてくれ澪、この時間、音楽準備室でさわちゃんは
  軽音部の部活に励んでいる筈」

澪「うん、まぁ…放課後だからな…
  でもそこに辿りつくには校門を潜って守衛室を突破しないといけないだろ?
  私達小学生の姿した部外者だし」

律「そんな事をしなくても秘密の入口があるだろ?」

澪「秘密の入口って…まさか律が遅刻しそうな時に使っているアレの事か?」

律「そう…アレだ、学校敷地内裏側に位置する秘密の入口を利用して
  一気に音楽準備室まで駆け上がろう」

澪「本気なのか?…放課後といえども人はまだいっぱい残ってるんだぞ?」

85: 2011/09/06(火) 00:34:52.95 ID:vmXw0ld60
律「この際すれ違うであろう生徒の方々は無視だ
  大丈夫だよ、体も小さくなったし見つかりにくくなってる筈だから」

澪「高校に小学生がいたらむしろ思いっきり目立つと思うんですけど…」

律「………」

澪「…やっぱりやめた方が…」

律「よしっ、いこう」

澪「………」

律「どうした澪、早く」

澪「もう…どうなっても知らないからな…」

………

律「秘密の入口はこの時代でも健在みたいだな」

澪「……」

律「おぉ、体が小さいから楽に潜れる!」

澪「……」

律「みーお、何やってるんだよー、早くしろー」

澪「あぁ…なんでこんな泥棒みたいな事…」

86: 2011/09/06(火) 00:39:47.98 ID:vmXw0ld60
律「しょうがないだろ?さわちゃんの為だ」

澪「うぅ…」

律「さて…まずは裏庭から校舎へ潜り込まないとなー」

澪「これ不法侵入だよ…?犯罪だよ…?」

律「人少なければ良いんだけど…顔隠していくか?」

澪「あぁ…ママ…パパ…私今日…人の道を踏み外してしまったかもしれません…」

律「あっ!…あの先生知ってる!この時代から桜校にいたんだ
  だからさわちゃんもペコペコだったんだなー」

澪「こんな娘でごめんね…パパ…ママ……こんな私を許して下さい…」

律「なーにブツブツ言ってんだよ澪、ほらここから校舎に入るぞ」

澪「人…たくさんいるけど…」

律「仕方ないよ、他に入口無いし、サッっと場の空気に溶け込もう
いいか?こういうのはオドオドしてると挙動不審で余計に疑わしくなるんだ
正々堂々と、胸を張って行くぞ」

澪「裏口から忍び込んでる時点で正々堂々じゃない」

89: 2011/09/06(火) 00:44:48.24 ID:vmXw0ld60
律「今だ!」

澪「うわっ」

律「………」

澪「………」

ざわ…ざわ…

律「………」

澪「………」

「なに?この子達」

「かわいー、お姉さん探しにきたの?」

律「え…?まぁ…そんなとこです…」

澪「………」

ひそ…ひそ…

澪「(りつぅ…すごく見られてるよ…?!)」

律「(問題無い…!さっさと行くぞ!)」

90: 2011/09/06(火) 00:49:54.23 ID:vmXw0ld60
澪「うわっ…!」バタッ

律「澪…大丈夫か?!」

澪「いたた……まだこの体で歩くの慣れてなくて…」

律「ほら…気をつけろよ」

澪「うん…ごめん」

ざわ…ざわ…

澪「…?」

律「………」

「フフ…シマシマダッタヨ…」

「カーワイ♪」

澪「うわぁぁぁぁ!!!」

律「?!」

91: 2011/09/06(火) 00:54:38.86 ID:vmXw0ld60
澪「ああぁぁぁぁ!!」

たったった…

律「ま…待てっ!みおー!私を置いてくなー!!」

………

律「はぁ…はぁ…
  なーにが歩くのに慣れてないだよ…全速力で走っちゃってさ」

澪「見られたんだよ?!…見られちゃったんだよ…?!」

律「そんなの別にいいだろ?初めての事じゃないんだし」

澪「うっ…」

律「あっ…ごめん澪」

澪「私もう……この学校トラウマで来れなくなっちゃう…」

律「そんな切ない事言うなって…
  何はともあれ部室の前まで辿りついたな」

93: 2011/09/06(火) 00:59:39.13 ID:vmXw0ld60
律「よし…じゃあ早速……」

澪「えっ…ちょっと待って律
  いきなり入るつもりか?!」

律「えっ?ダメなの?」

澪「中にいる人達が知らない人ばかりだったらどうするんだ
  さわ子先生が確実にいるとも言いきれないんだぞ」

律「そっか…じゃあドアのガラス越しに中の様子を見てみよう」

澪「うん…でも…」

律「んにー………」

澪「………」

律「ダメだ!私達の背じゃガラスの面まで届かないよ」

澪「律、あそこにあるイス使わせてもらおう」

律「おおっ、なんてご都合な」

澪「よし…っと」

律「よっこらせ」

94: 2011/09/06(火) 01:05:39.17 ID:vmXw0ld60
澪「見えるか?律」

律「うん、けっこう人いるよ?
  いちにいさん…………7人もいる!」

澪「見つからない様に気をつけろよ」

律「わかってるよ…あ、あれさわちゃんだ!間違いない!
  それと紀美さん…?多分紀美さんだな、あの人」

澪「中にいるのはDEATH DEVILの人達って事か?」

律「うーん…見た感じメンバーじゃない人達も混じってる気もするけど…
  紀美さんの時の結婚式で見た人もいるよ」

「だからこんなんじゃ相手に魂伝わらねぇんだよ!!」

澪「ひいぃ!!…なにっ?今の声なんなの律?!」

律「なんか…険悪ムードってやつ…?
  さわちゃんと紀美さんが言い合いになっちゃってる」

「てんでバラバラなのはあたしらが本気でやってねぇからだよっ!」

「何を目的にバンドやってるかって話だよ!その点不純なんだよ、さわ子は」

「はぁ?!ちょっとどういう事よっ?!」

96: 2011/09/06(火) 01:11:11.89 ID:vmXw0ld60
澪「律ぅ……」

律「…なんだ?」

澪「取りこんでるみたいだし退散しようよ…」

律「ちょっ、ちょっと待て澪!なんの為に私達…?!」

「もういいよ!」ガタッ

律「うわっ!こっち来る!逃げろ澪!」

澪「えっ!?いきなりそんな事言われても…!」

ガチャッ

クリスティーナ「………」

澪「……う…」

律「…あはは…どうも」

クリスティーナ「なに…この子達」

澪「…え、えっと……」

律「(ヤバイ…殺される……)」

97: 2011/09/06(火) 01:15:53.63 ID:vmXw0ld60
クリスティーナ「ここで何してたの?」

律「え、えっと…さわちゃんを探しに……」

クリスティーナ「さわちゃん…?さわ子の事?」

澪「は、はい…」

クリスティーナ「さわ子、アンタに用みたいだけど」

キャサリン「私に用?」

律「さわちゃん!助けにきたよー!」

キャサリン「………。私この子達知らないわ」

律澪「(えぇー?!)」

律「ちょっと待ってさわちゃん!過去にいったまま戻ってこれないんじゃ…」

キャサリン「…過去…?あはは、何の話?面白い事言うわね、キミ達
    お母さんはどうしたのかな?」

律「そんな…悪ふざけはやめてy」

澪「律、よせ!」

99: 2011/09/06(火) 01:21:08.91 ID:vmXw0ld60
律「(…だって…どういう事だよ澪?!)」

澪「(この人…この世界にいる本来のさわ子先生だ)」

律「(えぇ?!)」

澪「(だから下手な事言うな!ここは穏便に済ませてひとまずこの場を…)」

ミホコ「ね、ねぇ!その子達…今テレビでやってる子達じゃない?!」

キャサリン「テレビの子…?あっ、行方不明の?!」

律澪「(なにぃ?!)」

川上「私捜索願いの紙持ってるよ、クラスで回ってきたから」

キャサリン「ちょっと見せて!」

澪「あ、あの…私達はこれで…」

律「失礼します」

キャサリン「ちょっと待ちなさい」

律澪「」

ミホコ「間違いないって…行方不明の子達だ!
    と、とりあえず先生に連絡をっ!」

律澪「(いやあぁぁぁ……!)」

100: 2011/09/06(火) 01:26:05.47 ID:vmXw0ld60
………

律「ちょっとお巡りさん、もう逃げないから地面に下ろしてよー」

澪「パパ…ママ…私これから…警察の人にお世話になるよ…あはは…」

「じゃあお嬢ちゃん達、ご両親に連絡とるからこの部屋で待っててな」

律「うー…捕まちゃったな…」

澪「どうすんだよぉ律ぅ…これじゃあ私達も元の世界に帰れなくなっちゃうよぉ…」

律「ま、まだ諦めるのは早い!
  隙をみて警察署から抜け出すぞ!」

澪「脱走?!もう…律の発想はいちいち怖すぎるんだよ…」

「そうよ…そんな馬鹿な事やめときなさい」

律「馬鹿な事ってなんだ!…私は真剣に……って、えっ?」

澪「さわ子先生?!」

さわ子「助けにきてくれたのね、りっちゃん澪ちゃん……ありがとう」

101: 2011/09/06(火) 01:30:42.15 ID:vmXw0ld60
律「本物?!」

さわ子「本物って…まさかこの時代の私に会ったの?」

澪「ええ…手がかりが何もなくて…
  桜校の軽音部に行ったらこんなありさまに…」

さわ子「それは災難だったわね」

律「っていうか!なんでさわちゃんが警察署にいるのさ!」

さわ子「何から話せばいいのか…早く言えば警察に協力してるのよ
    いや、正しく言えば協力してたのかな」

澪「協力?協力ってなんのですか?」

さわ子「1週間前2人の少女が忽然と姿を消して、それはもう大騒ぎになったわ
    メディアやマスコミ関係者もここぞとばかりに食いついて我先ぞと記事を書きたてた
    友達同士、しかも美少女小学生の2人が何の前触れも無く神隠し!
ってな具合にね」

律「それってまさか」

103: 2011/09/06(火) 01:37:04.43 ID:vmXw0ld60
さわ子「そうあなた達の事よ、あっ、この世界のね
    だけどこの事件は2人の目撃者を残していた…」

律「それがさわちゃん…えっ2人?」

紀美「アタシだよ」

澪「うあぁぁぁぁ!!」

律「の…紀美さん!あぁ!またもや澪が別世界に…!大丈夫か澪!?」

澪「」

さわ子「ちょっと、澪ちゃん怖がり屋さんなんだから…」

紀美「あっはっは♪やっぱ面白いねアンタ達
   いきなり出て来てごめんね?」

律「あはは…そ、それでさわちゃん達は警察に協力してた…と?」

さわ子「そう、重要参考人としてね
    りっちゃんの家に居候させてもらいながら
    警察署に行ったりきたりしてたってワケ」

律「えっ?…今なんて言いました?」

さわ子「けっこう大変なのね、りっちゃんの家から警察署まで来るのって」

104: 2011/09/06(火) 01:43:06.83 ID:vmXw0ld60
律「いやっ!その前!居候ってどういう事?!」

さわ子「だってこの世界の私が存在してる以上、家に帰る訳にもいかなかったんだもん
    りっちゃんのご家族に相談させてもらったら
    重要参考人のあなたの話なら仕方ないって快く受け入れてくれたわ
    家庭訪問の時もそうだったけど…本当に優しいご家族なのね
    なのでりっちゃんの部屋使わせてもらってマス☆」キラン

律「可愛く言ってもダメだ!」

澪「んっ…ここは…」

律「あっ、澪!大丈夫か…?」

紀美「ちなみに同じ様な感じで澪ちゃんの家には、アタシが居候させてもらってたりして」

澪「えっ…居候…?!ど、どういう事ですか?!」

「ご家族の方が別室まで来ているので来てください」

さわ子「ほらっりっちゃん…家に帰るわよ」

律「えっ、あ…あぁ」

106: 2011/09/06(火) 01:49:34.11 ID:vmXw0ld60
紀美「澪ちゃんも行くよ?ほらっ、だっこしてあげる」

澪「えっ?…えぇ?!…ちょっと状況が!…りつぅぅぅ…?!」

律「………」

律「(頑張れよ澪)」

………

聡「姉ちゃんのバカバカバカー!…心配…したんだからなぁ…!」ブワァァ

律「おー我が弟よ…心配かけたなぁ…よしよし」

聡「…うぅ…グッス」

律「かわいいやつめ」



律「うへー…こっぴどく怒られました……」

さわ子「無理もないわよ、1週間も行方不明だったんだから…
    ご両親ものすごく心配してらしたのよ?」

107: 2011/09/06(火) 01:56:02.21 ID:vmXw0ld60
律「………」ジー…

さわ子「どうかしたの?私の顔に何かついてる?」

律「なんか私と同い年のさわちゃんって不思議な気持ちになるなーって」

さわ子「そうかしら?女子高生の私もなかなかイケてるでしょ?」

律「うん」

さわ子「なにその気持ちのこもってない返事!」

律「あはは…そういえばさぁ
  さわちゃんと紀美さんは何で過去の世界へ来たの?」

さわ子「…やっぱりりっちゃんには言った方がいいわよね」

律「うん、是非聞かせてください!」

さわ子「過去の私はある男の人を追いかけていて
    その人の背中についていったら、いつの間にか高校の教師になっていたわ」

律「うん、そこは私も知ってるけど…」

さわ子「正直に言わせてもらえれば、教員という職に憧れを抱いていた訳じゃないけれど
    日々先生と呼ばれ経過していく月日は充実と呼べるものだったと思う」

律「当たり前じゃん!学校の先生になれたんだよ?!凄いよさわちゃん」

109: 2011/09/06(火) 02:01:09.55 ID:vmXw0ld60
さわ子「ふふ、ありがとう、りっちゃん
    私には得体の知れない場所まで助けに来てくれる優しい教え子もいるし、
    そういう子達を見守りながら、残りの人生教員としての職を全うするのも本望…」

律「うん」

さわ子「ただね…そう思い始めた私の中で、確かに存在するの…
    胸の中で捨てきれない何かが…あるのよ」

律「捨てきれないもの?」



紀美「高校時代の私達はさぁ、マジだったんだよ
   あの頃の私達にはDEATH DEVILしか無かった」

澪「あの結婚式でのライブ…カッコよかったです!
  何か胸を打たれるというか…本当に感動しました」

紀美「あはは、ありがとう澪ちゃん
   でも、高校時代のアタシ達はあんなもんじゃ無かった
   毎日練習して…毎日仲間と口論して…ぶつかりあって!
   どうすればDEATH DEVILはDEATH DEVILになれるか
毎日試行錯誤してたんだよ」

澪「すごい…ですね(なんだか今の私達とは程遠いような…はは…)」

110: 2011/09/06(火) 02:05:33.45 ID:vmXw0ld60
紀美「本気で…目指してたからさ
   メジャーデビューが夢だったんだ」

澪「そうだったんですね…でも、今日部室を覗いた感じだと…
  その熱意は十分伝わってきましたよ、なんだか鬼気迫るっていうか」

紀美「あはは、まさにそんな感じだったなー…
   でもやがてね、進路を考える時期になって、
   DEATH DEVILのメンバーは1人…また1人と姿を消していったんだ
   気がつけばそんな大それた夢を語る人は誰もいなくなった…
   みんなそれぞれ違う道を見つけて歩み始めたんだ、アタシも含めてね」

澪「………」

紀美「でも…もし………」

………

さわ子「もし、あの時提出した進路希望用紙の様に
    私はその後の人生を歩んでいたのなら…」

律「音楽の道に…」

さわ子「あの時の気持ちはあの時に置いてきた筈だった…でもね…
悔いが…残ってるのよ……自分の気持ちに嘘はつけない
そんな折にオカルト部の話を聞いたってワケ」

111: 2011/09/06(火) 02:10:41.84 ID:vmXw0ld60
律「だから紀美さんと一緒に過去の世界へ…?」

さわ子「えぇ、だけど現実はそんなに甘いものじゃなかった
    よくオカルト部の子達の説明を聞いておくべきだったわね
    私が過去の世界に来ても、過去の私は存在するの
    過去の私に迷惑はかけられない、どうにもできなかった」

………

澪「それで紀美さんは…気持ちの整理はついたんですか?
  これで良いんですか?」

紀美「いいのよ、遠目に見ただけだったけど…
   校舎の窓から見えた昔の私達…
   昔のDEATH DEVILは本当に輝いてた
   それを見て、今のアタシは今を頑張るしかない…そう思ったの」

澪「そんな…」

紀美「諦めがついた私とさわ子はもう一度ゲートを潜って帰ろうとしたの
   だけどね……」

112: 2011/09/06(火) 02:17:04.25 ID:vmXw0ld60
………

さわ子「部室では開いた筈のゲートが…何故かこの世界では開かなかった…
    焦った私達は原因を突き止めようと話し合った
    結論はゲートが表れる条件の『一番大切な人と』という事」

律「えっ?だってさわちゃんと紀美さんはずっと友達だったんじゃ…」

さわ子「ええ、その通り
    ただゲートが開かないその原因に今の私達2人は納得できた」

律「ど、どういう事?」

さわ子「確執があったのよ、その時代の私達は…
    紀美はメンバーの誰よりもDEATH DEVILを思い、
誰よりもDEATH DEVILを愛してた
    私はそんな紀美が好きだったけど、時には紀美が理解できない事もあった」

………

紀美「気に入らなかったんだ…
   男を振り向かせるっていう理由だけでバンドに取り組んでるさわ子がさ…
   それもヴォーカルで、いつも注目されるのはそんなさわ子だった
   悔しくてたまらなかった…
   幼い私はそんなさわ子の不純な気持ちなんてDEATH DEVILには不要だと
   決めつけてた、何度もぶつかったよ、さわ子とはさ」

114: 2011/09/06(火) 02:20:54.59 ID:vmXw0ld60
澪「初めて聞きました…
  でも、さわ子先生のその男の人に対する気持ち…とても強かったんじゃないですか?
  自分で詩を作ってみて解ります
  自分の思入れが強ければ強い程、その歌詞は不思議な力が宿って
  素敵な音楽に成り変わります
  紀美さんも心の中でそれは感じていたんじゃないですか?」

紀美「あぁ、感じてたよ勿論
   だから余計にさわ子が許せなくて…憎らしかったんだ」

澪「えっ…それはどういう…?」

紀美「惚れてたんだよ…私もその男にさ」

澪「えっ……」

………

キャサリン「『さわ子、やりすぎ』…か………はは」

クリスティーナ「なーにしけたツラしてんだよ」

キャサリン「紀美…」

クリスティーナ「…まったく」

115: 2011/09/06(火) 02:25:33.94 ID:vmXw0ld60
キャサリン「…最後の学園祭ライブ…あたしの全ての魂をぶつけたよ
    これ以上無い…今まで3年間やってきたDEATH DEVILの全てを…」

クリスティーナ「……あぁ」

キャサリン「鳴り響く歓声も、湧きあがる喝采も全てが気持ちよかった」

クリスティーナ「……」

キャサリン「でもね紀美…あたしが一番伝えたかった人に…
    あたしの音楽は伝わらなかった…」

キャサリン「何も響いてなかったんだ、彼の中じゃ…」

クリスティーナ「………」

キャサリン「紀美の言った通りだね…あたしは音楽でたった1人の心を動かす事もできなかった
   DEATH DEVILにはそんな思い…必要無かったんだ」

クリスティーナ「………」

キャサリン「ごめんね紀美…こんなあたしがヴォーカル張っててさ…
    紀美が一番DEATH DEVILを愛していたのに、
    あたしのせいで最後がこんなに締まらない形になっちゃってさ…」

116: 2011/09/06(火) 02:31:29.78 ID:vmXw0ld60
クリスティーナ「ばっかやろう……」

キャサリン「えっ?」

クリスティーナ「お前の音楽は…ずっと傍で聞いてきたあたし達に響いてんだよっ!
     心の中に深く、強く…!数の問題じゃねぇんだよ…!
     でもそれがソイツの心に響かなかったってんなら…
     もっと違う何かで伝えてやればいいだろっ!?」

キャサリン「…紀美……でもあたしは、あたしは……もう…怖いよ……」

クリスティーナ「そんな切なそうな顔すんじゃねぇよ…
     ずっと一緒にやってきただろ…?
     さわ子は1人じゃねぇんだからよ…」

キャサリン「うっ…グス…」

クリスティーナ「DEATH DEVILは……DEATH DEVILは今日で終わりになっちゃうけど…
    あたしとさわ子の繋がりは終わりじゃねぇんだからよ…
    だから諦める事なんかしないで、そいつを振り向かせてみろよ…?」

キャサリン「うん…うん…ありがとう……」

クリスティーナ「ははっ…グス…」

117: 2011/09/06(火) 02:36:18.23 ID:vmXw0ld60
………

澪「なんか…涙が…」

律「さわちゃん達にこんな過去があったんだ…」

さわ子「あなた達、彼女達に見つからない様に気をつけなさいよ?」

紀美「懐かしいな…夕方のこの公園…」

澪「紀美さん…紀美さんはこれで」

紀美「しっ…いいの……
   この時の彼女はね…認めちゃってたんだ
   ずっと近くでヴォーカルの歌声を聴いてきて、こいつの思いには勝てないってさ」

澪「…紀美さん」

紀美「あたしが惚れ込んだその歌声の持ち主に…
どうやってもその恋愛を成就させてやりたくなってさ
こいつの涙で歪んだ顔を見てたら、支えてやりたいなって思っちゃった訳」

さわ子「ちょっと何話してるの?」

119: 2011/09/06(火) 02:41:00.05 ID:vmXw0ld60
紀美「あ、ごめんごめん
   今の話、さわ子には内緒だからな?」

澪「はい…」

さわ子「でもこの一件があってからよね、紀美と絆が深まったのは」

紀美「あぁ」

律「じゃ、じゃあこれでゲートが開くかもしれないな!」

さわ子「ええ、これで開かなかったら私達…」

紀美「………」

律「(頼む…)」

澪「(開いてくれ…)」

120: 2011/09/06(火) 02:46:15.37 ID:vmXw0ld60
さわ子「おぉ!」

紀美「開いた…わね」

律「えっ…あっホントだ!」

澪「開いてる!」

律「やったー!」

さわ子「これでようやく元の世界へ帰れるわね
   りっちゃんとみおちゃんをこの世界へ戻す事もできるし
   私も罪悪感感じてたからほっとしたわ」

122: 2011/09/06(火) 03:00:14.92 ID:vmXw0ld60
澪「えっ、罪悪感…ですか?」

紀美「いや、一週間前帰れなくて困っている私達の前に
   黒髪とおでこを出した2人の可愛い女の子が現れてさ…」

さわ子「すぐにピンときたわ、この子達は何者なのか
    それで2人はいとも簡単に私達の前でゲートを開いて見せて
    ひょっとしたら私達も便乗して帰る事ができるんじゃないかと思ったんだけど、
    やっぱりダメでゲートは2人の少女を潜らせたまま消えてしまった…」

律「って事はりつとみおが私達の世界へ来ちゃったのは
  さわちゃん達のせいって事?!」

さわ子「ごめんね☆」(・ω<)

律「だから可愛く言ってもダメだっ!」




おしまい

124: 2011/09/06(火) 03:04:46.77

125: 2011/09/06(火) 03:04:55.20

面白かった

引用元: 澪「妹ができたんだ」律「私も」