1: 2015/01/31(土) 11:19:37.61 ID:WAotkKiY0
犬「お前現状維持で生きていけるとか考えてるんだろ」

俺「何言いたいの?」

犬「十年後を想像してみろ。お前の父親も定年退職してるんだぞ」

俺「だから?」

犬「母親も老婆だ。あの人達がお荷物のお前を養ってやれると本気で思ってるのか?」

俺「俺には関係ない」

犬「黙れ。お前は結局甘えてるだけだ。反抗期気取りで親の脛を齧り尽くす大人になれないクソガキだ」

俺「犬の癖に」

犬「図星を指されて言い返せなくなったな。犬にさえ馬鹿にされるお前自身を少しは省みたらどうだ?」

俺「うううう、わんわん!わんわんわんわん!」

犬「やれやれ」

9: 2015/01/31(土) 11:23:57.74 ID:WAotkKiY0
犬「散歩に行くぞ」

俺「やだ。一人で行け」

犬「放し飼いにされた犬に近所の人がどんな視線を向けるかも考えられないのか?」

俺「俺には関係ない」

犬「そうだろうな。冷たい視線を向けられ謝る羽目になるのはお前の母親だ。お前はいつも無責任だな」

俺「うるさい」

犬「いい加減大人になろうと思わないのか?自立して生きて行こうとは思わないのか?」

俺「うううう、わんわん!」

犬「もういい。我慢の限界だ。早く散歩の準備をしろ。ここで漏らすぞ」

俺「勘弁してください」

10: 2015/01/31(土) 11:27:17.46 ID:WAotkKiY0
犬「気持ちいい風だな」

俺「帰りたい」

犬「文句を言わずに歩け。ペースが遅いぞ。うんこが出た、早く拾え」ブリブリ

俺「偉そうに」

犬「お前が偉くないから偉そうに見えるんだ」

俺「何様のつもりだよ。お前なんて氏んじまえ」

犬「ふう」

俺「何だよ」

犬「十年前も同じ散歩道を二人で歩いてた。あの頃の事を覚えてるか?」

俺「忘れた」

犬「そうだろうな。だからお前はそんな風になってしまったんだ」

俺「うるさい」

犬「昔のお前は素直な良い子だった。お前の両親もあの頃のお前を覚えているからお前を見捨てきれないんだ」

俺「うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい」

犬「やれやれ」

12: 2015/01/31(土) 11:32:18.32 ID:WAotkKiY0
犬「まあ別にどうでもいいんだ。結局はお前の人生なんだ、好きに生きればいい」

俺「そうする」

犬「でもよく考えてみろよ。お前の両親の方が間違いなくお前より先に氏ぬんだぞ」

俺「だから?」

犬「俺だって所詮犬なんだ。もう十歳を過ぎて老犬もいいところだ。あと何年生きられるか分からない」

俺「だから何だよ」

犬「今のままじゃお前が氏ぬ時、お前はひとりぼっちだぞ」

俺「別にいい」

犬「虚勢だな。お前は案外寂しさに耐えられない人間なんだ。どうせ氏ぬ時に後悔するさ」

俺「お前には関係ないだろ」

犬「そうだな、関係ない。それでもお前が一人で氏ぬよりも愛する人に囲まれて氏んで欲しいと思う」

俺「知るか」

犬「帰るぞ」

俺「ああ」

13: 2015/01/31(土) 11:40:13.80 ID:WAotkKiY0
犬「コンビニで何を買ったんだ?またジャンプか?」

俺「ジャンプは昨日早売りのを買わせた」

犬「いい加減母親に買い物を頼むのはやめてやれ」

俺「ふん」

犬「その形、履歴書か?」

俺「そうだ」

犬「働くのか?」

俺「買ってみただけだ」

犬「そうか」

俺「なんだよ。いつもならもっとあれこれ言ってくる癖に」

犬「言う必要がない時には言わないさ」

俺「ふん」

犬「腹が減った、帰るぞ」

俺「ああ」


働きたくないでござる

14: 2015/01/31(土) 11:41:43.32
実体験か

15: 2015/01/31(土) 11:42:09.67
犬が大人過ぎてワロタ

引用元: 犬「お前いい加減働けよ」 俺「やだよ」