6: 2012/05/10(木) 21:02:42.92 ID:IaEzBFky0
とある夏の日/765プロ事務所

春香「ねえ千早ちゃん。今度の日曜日、予定ある?」

千早「日曜? そうね……特にないわ」

春香「じゃあ、一緒に夏祭りに行かない?」

千早「夏祭り……」

春香「……お祭り、キライ?」

千早「好きよ。でも、少しだけ昔の事思い出しちゃって」

亜美「はるるーん! 何の話してるの~?」トテテ

春香「今度の夏祭りのことだよ~。良かったら、事務所の皆で行かない?」

亜美「おっ、いいですなあ~。ちょと真美にメールしてみるねっ」ポチポチ

千早「じゃあ、後で皆に連絡してみましょう」

春香「うん! せっかくだから、事務所のみんなで行きたいよね! 社長も呼ばなきゃ!」

千早「ふふ。来てくれるといいわね」

――――

――

7: 2012/05/10(木) 21:06:22.58 ID:IaEzBFky0

16:00/移動車内

P「最近、真の人気もあがってきたよな~」

真「へへっ、そうですかね」ニコッ

P「ああ。流石、『王子様』の仇名は伊達じゃないよ」

真「王子様かあ~。ボク、一応女の子なんですよ?」

P「ははっ。わかってるって。でも、需要があるんだからしょーがないよ」

真「はあ……。女の子に好かれるのもイヤではないんですけど……」

P「まあ、偏っているのは事実かもな」

真「もう少し、男の人に見てもらいたいです」

P「オトコねえ……」

真「…………」チラリ

P「~~~♪」ピュー

8: 2012/05/10(木) 21:08:46.57 ID:IaEzBFky0

真(プロデューサーったら、本当にニブいんだから……)

真(ボクがずっと片想いしてること、いつになったら気づいてくれるのかな)

真(……はあ)

P「真ー? どした、疲れたか?」

真「何でもないですよ~」プクーッ

P「そっかー」

ブロロロロ…………

10: 2012/05/10(木) 21:12:06.06 ID:IaEzBFky0

16:15/交差点信号待ち

真(あのポスターなんだろ?)

真(……花火大会?)

P「真? 何見てるんだー? お、夏祭りやるのか」

真「そうみたいですね~。プロデューサーは、お祭り好きなんですか?」

P「子供の頃はよく行ったなー。リンゴ飴とか美味しいよな~」

真「あとは、金魚すくいとか、射的とか! 楽しいですよね」

P「そうそう。屋台で食べるたこ焼きとか、何であんなに美味いんだろうな」ハハハ

真「ですよね~」

P「…………」

真(……チャンス、かも?)

真(お祭りの日付は……、8月12日の日曜日)

真(確かこの日は夕方まで仕事だっけ)

12: 2012/05/10(木) 21:15:36.10 ID:IaEzBFky0

真「あ、あの……プロデューサー」

P「んー?」

真「次の日曜日って……ヒマですか?」

P「え? そうだなあ……って、俺は真に付きっきりで仕事じゃないか」

真「あっ! そ、そうでしたね……ははは」

P「忘れるなよ。でも、何でだ?」

真「え、えーと……夕方から予定とか、ありますか?」アセアセ

P「うーん、無いな。寝るくらいしか」

真「ほ、ホントですか? 良かったら……その」

P「夏祭りに行きたいのか?」

真「へっ!? な、なんでバレたんですか!?」

P「いや、だって……ずっとポスター見てたろ」

真「ひ、一人で行くのもどうかなーっと思って」ハハ

13: 2012/05/10(木) 21:19:28.50 ID:IaEzBFky0

P「それなら、雪歩とか誘えば良いんじゃないか?」

真「それは……そうなんですけど……」シュン

P「……?」

真「ぷ、プロ……サーと、……きた……///」

P「すまん。近頃耳が遠くって……」

真「ぷ、プロデューサーと行きたいんです!」カアア

P「え、俺となんかで良いのか?」

真「はい! ダメですか!?」

P「いや、真がそれで良いなら、喜んでお供するけど」

真「本当ですか? や、約束ですからねっ?」パアア

P「あ、ああ……」

真(……や、やった!)グッ

P(…………)

――――

――

14: 2012/05/10(木) 21:23:02.98 ID:IaEzBFky0

20:10/菊地邸・真の部屋

真「ああ~、楽しみだなあ~」ゴロゴロ

真「どうしよう? やっぱり浴衣とか着た方がプロデューサーは喜ぶかな?」

真「で、でも持ってないし……」

真「誰かに相談してみようかな……」

真「やっぱりここは……」ピポパ

携帯『プルルルル……』

携帯『はい……』

真『あっ、貴音? 今ちょっと時間あるかな』

貴音『真。一体、どうしたのですか?』

真『えっと……、今度の日曜日にお祭りに行く事になったんだけど……』

貴音『その誘いなら、わたくしにも連絡が来ていましたよ』

15: 2012/05/10(木) 21:28:13.20 ID:IaEzBFky0

真『へ……? なんのこと?』

貴音『先ほど、亜美からめえるが送られて来ました。真にも届いているはずですよ』

真『さっき? ……あ、本当だ』

真『で、でも……ボク先約があるんだよね』

貴音『そうなのですか?』

真『う、うん。それでちょっと聞きたいんだけど……』

真『ボク、浴衣持ってないんだ……。どっかで借りる事とか出来るのかな?』

貴音『真が……浴衣を?』

真『や、やっぱり、変かなあ……』

貴音『いえ……。驚きましたが、何事も挑戦です』

真『そ、そうだよねっ! ボクだって女の子なんだから!』グッ

貴音『…………』

真『……貴音?』

18: 2012/05/10(木) 21:31:52.80 ID:IaEzBFky0

貴音『よろしければ……お貸ししましょうか?』

真『へ……? お菓子?』

貴音『浴衣を、貸しましょうか?』

真『い、いいの!? もし汚しちゃったりしたら』

貴音『浴衣に限らず、衣服というものは着られる事に意味があります』

貴音『箪笥でくすぶっているだけでは、きっとつまらないでしょう?』

真『あ、ありがとう貴音! 助かるよ』

貴音『……ひとつ、よろしいですか?』

真『なにー?』

貴音『もしや……真は殿方とでーとをするのですか?』

真『!? ど、どうして?」

20: 2012/05/10(木) 21:35:54.62 ID:IaEzBFky0

貴音『普段、あまり女性らしい服装をしていないので……。何か理由があるのではと』

真『い、いや友達と行くだけだよ? 別に、好きな人に浴衣姿を見てもらいたいなんて思ってないよ、うん!』

貴音『…………』

真『ホントにありがとう! 貴音!』

貴音『いえ……。それでは、前日にまた連絡を……』

真『うん! わかった。それじゃあ』

携帯「プーッ、プーッ」

真「や、やった」

真「浴衣、着れるんだ……」ポワーン

真「プロデューサー、どんな顔するかな」クスクス

真「…………」

真「喜んでくれると、いいな」

――――

――

21: 2012/05/10(木) 21:39:49.48 ID:IaEzBFky0

8月12日/16:00/765プロ事務所

P「ふう。お疲れ、真」

真「はい。あ、あの……この後……」

P「ああ。夏祭り行くんだろ? いつ頃出ようか?」

真「ちょっと……いろいろ準備したいので、現地集合でいいですか?」

P「んー? 構わないけど」

真「そ、それじゃボクはお先に!」タタタ

P「……? 真のやつ、どうしたんだ?」

真「貴音に電話しなきゃ」ポチポチ

携帯「ブルルルルル」

24: 2012/05/10(木) 21:43:43.25 ID:IaEzBFky0

貴音「お待ちしておりましたよ、真」

真「貴音! 今事務所から出る所なんだけど、どこにいる?」

貴音「既に、準備は整っています」

真「あ、ありがとう。じゃあ、ボクはどうすれば……って」

貴音「……さあ、早く車に乗ってください」

真「こ、この車は……?」

貴音「四条の家のものです……。ささ、早く」

真「ええ? ちょ、ちょっと押さないで……」

貴音「あとは……この目隠しを……」マキマキ

真「目隠し!? た、貴音ぇ、ボクをどこに連れて行くつもりなの~?」

――――

――

25: 2012/05/10(木) 21:48:48.99 ID:IaEzBFky0
16:30/???

貴音「さ、着きましたよ……」

真「じゃあ、取るよ……」ファサッ

真「う、うわあ。浴衣がこんなにいっぱい」

貴音「ここは……四条家の別荘の一つなのですが……」

真「別荘!?」

貴音「主に衣服類など、使用頻度の低いものを置いているのですよ」

真「へ、へえ……何だかボクとは別次元の話だよ」

貴音「それでは、真。好きなものを選びなさい」

真「いいの? どれにしようかな~」ウキウキ

貴音「ふふ、真。今日は一段と乙女の顔をしていますね」クスクス

真「そうかなあ。あ、これ可愛いかも!」パアア

貴音「吟味するのも良いですが……。約束の時間には間に合うように……」

真「わあ! これも良いなあ~。ああ、どうしよう決められないよ~」キャピキャピ

貴音「聞いて、いませんね……」

27: 2012/05/10(木) 21:54:30.47 ID:IaEzBFky0

―30分後―

貴音「真……。そろそろ……」

真(二つまでは絞れたけど……)

真(どっちも捨てがたいよ……)

真「ねえ、貴音はこの藍色の浴衣と、桃色の浴衣、どっちが良いと思う?」クルリ

貴音「……そうですね、わたくしならば藍色を選びます」

真「そっか。可愛らしいのは桃色の方なんだけどね」

貴音「真は、どうして浴衣を着たいと思ったのですか?」

真「え? そ、それは……せっかくだから、可愛くなりたいし……」

貴音「では、今日ご一緒する方は、どちらが好みだと思いますか?」

真「そうだな……。プロデューサーなら……」ブツブツ

貴音(真。心の声が漏れていますよ……)

28: 2012/05/10(木) 22:00:47.32 ID:IaEzBFky0

真「やっぱり、藍色の方かな。なんていうか、オトナっぽいし」

貴音「わたくしも、真の髪によく映えると思いますよ」ニコッ

真「えへへ。ありがと、貴音」テレテレ

貴音「帯は……明るめの色が良いかと」

真「そうだね。それじゃあ、コレにするよ」

貴音「良き選択ですね。では、着付けにうつりましょう」

真「何からなにまで、ごめんね。貴音」

貴音「いえ……。わたくしも、真を応援したいだけですから」

真「応援? ところで、浴衣って下着は着けないんだよね?」

貴音「…………」

真「……へ? 違うの?」

29: 2012/05/10(木) 22:06:42.85 ID:IaEzBFky0

貴音「真……。それは昔の話であって……」

真「そうなんだ。今まで着たこと無かったからよく分からなくて……」シュン

貴音「落ち込むことはありません。皆、初めは右も左も分からぬものです」

真「そ、そうだよねっ! じゃあ、普通に下着はアリなんだ」

貴音「それなのですが、浴衣を着る場合、出来るだけ寸胴になるよう心掛けるのです」

真「ふむ」

貴音「普段使用している洋風のブラジャーなどでは、身体の線がくっきりと出てしまうため、浴衣には向いていないのです」

真「へえ~。全然知らなかったよ」

貴音「そこで、この和装用の下着を着けるのです。浴衣はやはり慎ましく、おしとやかに……」

真「貴音にホントに頼んで良かったよ……」ウルウル

貴音「ええ。それでは、始めましょうか」

――――

――

33: 2012/05/10(木) 22:12:04.63 ID:IaEzBFky0

18:00/夏祭り会場河畔

P(とりあえず時間には間に合ったが)

P(何で真は俺を誘ったんだ?)

P(事務所の皆からも連絡はあったし)

P(本当に、いいんだろうか)

P(まあ……、考えてても仕方ないか)

真「ぷ、プロデューサー。その、お待たせしました」カランカラン

P「おお。俺も今来たところだ……って」

真「あ、あの……やっぱり、変ですかね」モジモジ

P「…………」

真「……プロデューサー?」

35: 2012/05/10(木) 22:15:39.46 ID:IaEzBFky0

P「……本当に、真なのか?」

真「はい……。ボクなりに頑張ってみたんですケド」テヘヘ

P「正直、見惚れたよ。浴衣いいじゃないか。白抜きの花柄も洒落てる」

真「……! そうですか? えへへ、嬉しいです!」パアア

P「真一人で着付けやったのか?」

真「いえ、実は貴音に手伝ってもらいました。この浴衣も、貸してもらったんです」ニパ

P「流石貴音だな。帯も合ってるよ」

真「ね、プロデューサー。ボク、女の子に見えますかねっ?」

P「はは。当たり前だろ。今日の真なら、誰もカッコイイなんて言わないよ」

37: 2012/05/10(木) 22:20:28.76 ID:IaEzBFky0

真「……じゃ、じゃあ、その……」

P「ん?」

真「あの……か、可愛いですか?」カアア

P「ああ。可愛いよ。今まで見たことない、新しい真だな」

真「……えへへ。ありがとうございます」

P「それじゃ、花火まで二時間くらいあるし、食べ歩きでもするか」

真「そうですね! ボクお腹ぺこぺこですよ」

P「俺も。それじゃ、行こうか」

真「はい!」

真(かわいい、だって……///)

――――

――

39: 2012/05/10(木) 22:26:09.64 ID:IaEzBFky0

18:15/夏祭り会場河畔

春香「千早ちゃん。わた飴食べよーよ♪」

千早「ふふっ。春香はまるで子供みたいね」

春香「えー? そんなことないよ~」

亜美「いーや、はるるんはまだまだ子供ですなあ」ジーッ

真美「でも、今日の浴衣はイケてるよねっ」ジロジロ

春香「えへへ。ありがと、真美」

あずさ「千早ちゃんも、よく似合っているわよ~」

千早「ありがとうございます。あずささん」

あずさ「でも……私、浴衣って苦手なのよね~」

41: 2012/05/10(木) 22:31:37.93 ID:IaEzBFky0

千早「どうしてですか? とっても綺麗なのに」

あずさ「ちょっと……息苦しくって……」

亜美「んっふっふ~。あずさお姉ちゃんはおっOいおっきいからね~」キラーン

真美「ええい、けしから~ん。亜美、あずさお姉ちゃんが胸にわた飴隠してるYO→」ギラリ

亜美「いけませんなあ~。亜美たちが食べてあげなきゃ」ポヨン

あずさ「あっ、亜美ちゃんと真美ちゃんは、エOチね~」

真美「いいっしょ→? 減るもんでもないし~」プニプニ

亜美「うわあ柔らか~。亜美もおっきくなりたいな~」ポヨポヨ

あずさ「あ、あんまり強くは……」

千早「…………くっ」

――――

――

43: 2012/05/10(木) 22:37:11.46 ID:IaEzBFky0

18:30/たこ焼き屋台

P「お待たせ」

真「おかえりなさい、プロデューサー。うわあ、美味しそうですねっ!」

P「なんつーか、こういう場所で食べるモノって特別だよなあ」

真「ですよね。あ、お金払いますね」ゴソゴソ

P「いや、いいよ。400円だし」

真「そんな、ダメですよ」

P「今日は俺が奢るよ。プロデューサー命令な」ビシッ

真「えええ!? 初めて聞きましたよ!?」

P「まあ、今のが一回目だしな」

真「そんな権限があったんですね……」

44: 2012/05/10(木) 22:39:27.79 ID:IaEzBFky0

P「細かいこと気にするなよ。ほら、冷めちゃうぞ」

真「……わかりました。じゃあ、お礼と言っては何ですけど」ヒョイ

P「ん?」

真「ふー、ふー」

P「……?」

真「はい、あーん♪」ニパ

P「おまっ、何恥ずかしいことを……」

真「いいじゃないですか! 今日のボクは、目一杯女の子っぽくしたいんです」

P「とは言ってもなあ……」

真「む、むう……」

P「わかったよ……はい」

真「あーん。えへへ、どうですか?」

47: 2012/05/10(木) 22:51:05.65 ID:IaEzBFky0

P「ん。美味い」

真「じゃあ、ボクも一つ」パク

真「お、美味しいですねっ。プロデューサー!」キラキラ

P「今日の真はテンション高いなー」

真「だって、今日は夏祭りですよ? なつまつり!」

P「何で春香みたいな口調なんだよ」

真「あー、プロデューサー。デート中に他の女の子の話するなんて、デリカシーに欠けますよ?」プン

P「え、これデートだったのかよ」

真「そうですよっ! ボクとプロデューサーの、初めてのデートです!」

P「そうかあ……デートかあ」

真「ほら、次行きましょ?」

P「わ、わかったから押すなー」

――――

――

48: 2012/05/10(木) 22:54:58.18 ID:IaEzBFky0

18:30/金魚すくい

のワの「!?」

千早「どうしたの? 春香」

春香「い、今誰かに噂されていたような……」キョロキョロ

響「春香ー! 次は自分と勝負だぞー」

春香「ええ!? 響にはゼッタイ勝てないよお~」

貴音「雪歩……。手が止まっていますよ……」

49: 2012/05/10(木) 23:01:27.92 ID:IaEzBFky0

雪歩「はうっ! 破けちゃいました……」

貴音「何か、考え事ですか?」

雪歩「いえ……。真ちゃんも来れたら良かったなあって」シュン

貴音「……雪歩。きっと、真もこの夜空の下のどこかで、元気に過ごしていると思いますよ」

雪歩「そう……ですよね」

貴音「前を向くのです。菊地真も、それを望んでいることでしょう」キッ

雪歩「四条さん……。はい、強く生きようと思いますう」グッ

春香「な、なんなの二人の意味深な会話は……」

響「ま、真は生きてるぞ……」

――――

――

51: 2012/05/10(木) 23:05:47.66 ID:IaEzBFky0

18:45/射的屋

P「許さんぞこのクマ吉……」

真「ちょ、ちょっとプロデューサー。もう何回目ですか?」

P「これでも俺は、高校時代に765第一高校のゴルゴとまで言われた男だぞ……」カチャ

真「今度からプロデューサーの背後に立たないよう気を付けますね」

P「まず落ち着け……深呼吸だ」スーハー

P「よーく狙って……」ガチャ

真「……ゴクッ」

P(馬鹿デカイあのヌイグルミを倒すには、頭部を狙わなきゃだめだ)

P(しかし、こんな玩具同然の銃じゃ……)

P(やっぱり、あの技を使うしかないか……)

52: 2012/05/10(木) 23:09:03.18 ID:IaEzBFky0

P「真、ちょっと銃持っててくれるか」

真「は、はい。どうしたんですか?」

P「俺の真髄を、的屋のおっちゃんに見せてやろうと思ってな」

的屋「ほう?」

P「よし……準備は完了だ。銃を」

真「な、何をするんですか?」

P「そこでよく見てろ。俺はプロデューサーとして培ってきた全てを賭けて、あのクマを落としてやる」

真「あまり関係ないんじゃあ……」

P「行くぞ……淫乱テディベアがッ」ググッ

的屋「なっ!? あれはまさか……」

真「ぷ、プロデューサー!?」

55: 2012/05/10(木) 23:14:06.91 ID:IaEzBFky0

 プロデューサーは、一度銃を構えると、なぜか獲物に背を向けた。

自信に満ち溢れた表情で不敵に笑う、一人のハンター。

かつて、これほどまでに射的の景品に、闘志を燃やした男が居ただろうか。

P(この技を魅せるのは何時振りだろうか……)

 銃を構えたまま、プロデューサーはどんどん身体を反らせてゆく。

 まるでエビのように、人間の体構造を無視した、あまりにも衝撃的な曲線美。

真(プロデューサーって、体柔らかいんだなあ)パチパチ

 突然の奇行に頭が働かず、呑気に拍手をする。

 よくよく考えれば、この光景は物すごくシュールなのではないか。

56: 2012/05/10(木) 23:17:09.65 ID:IaEzBFky0


P「届けッ! 俺の想いッ! 今こそ解き放てッ! 禁じられた力をッ!」

 夏空に、高らかなプロデューサーの雄叫びが轟く。

 何事かと集まる群衆に目もくれず、ボクは銃口から発する閃光に、思わず目を瞬いた。

的屋「そ、そんな……生きていたのか……」

 何かよく分からないことを、射的屋のおじさんが口走った。

 けれど、とてつもない轟音と共に一つの弾丸が飛び出すと、その声もかき消されてしまう。

 かろうじてボクの双眸が捉えたのは、海老反りのプロデューサーが放ったソレが、クマの頭部を打ち抜く瞬間だった。


 ――――
 
 ―― 

57: 2012/05/10(木) 23:19:16.03
何が起こってる…!

59: 2012/05/10(木) 23:22:28.45 ID:IaEzBFky0

19:10/かき氷屋

やよい「わあ、伊織ちゃん。かき氷ですよー」パアア

伊織「普段はそんなもの食べないけど、今日だけは特別よねっ」

美希「むう~、ハニーも居るって言うから浴衣着たのに~」

伊織「ほら美希! いつまでもぶー垂れてないで、行くわよ!」

美希「でこちゃ~ん。ミキのハニーはどこに居るの~?」ダキッ

伊織「だ、抱きつくな~。プロデューサーの私情なんて知ったこっちゃないわよ」フン

やよい「でも、今日来れなかったのって、律子さんと小鳥さん以外では、プロデューサーと真さんだけですよね~」

60: 2012/05/10(木) 23:26:41.68 ID:IaEzBFky0

美希「そういえば、さっき雪歩が悲しそうにしてたの」

伊織「言われてみれば……。今日って、確かプロデューサーって真に付きっきりだったわよね?」

やよい「最近、真さん忙しそうです~」テクテク

美希「まさか……ハニーが」

伊織「プロデューサーと真が……?」

やよい「……どーしたんですか?」キョトン

伊織「まあ、考えすぎよね。ほら、置いてくわよ。美希」

美希「あ~ん、待ってよでこちゃ~ん」

伊織「でこちゃん言うなー!」ポカポカ

――――

――

61: 2012/05/10(木) 23:30:29.69 ID:IaEzBFky0

19:15/型抜き屋台

真「それにしても、さっきのプロデューサー、凄かったですね!」

P「いやあ、久しぶりに本気出しちゃったよ」

真「射的屋のオジサン、びっくりしてましたよ? 終いには感動して泣いてたし」

P「とりあえず、このクマが取れて良かったよ」

真「そ、そんなに欲しかったんですか? それ」

P「え、俺のために取ったんじゃないぞ?」

真「へ……? じゃあ、お土産か何かですか?」キョトン

P「いや、真へのプレゼント」

63: 2012/05/10(木) 23:34:49.95 ID:IaEzBFky0

真「……?」

P「真に、俺からのプレゼント。この、クマのぬいぐるみ」

真「そ、そんなの貰っちゃっていいんですか?」アセアセ

P「もちろん。だって俺の部屋に置くのも気持ち悪いだろ」

真「あ、ありがとございます。プロデューサー」パアア

P「おう。それじゃ、次は型抜きでもやるか?」

真「はいっ! どっちが速く、キレイに出来るか競争ですね♪」タッタッタ

P「…………」

65: 2012/05/10(木) 23:40:31.20 ID:IaEzBFky0

 ―10分後―

P「なあ真」

真「何ですか? プロデューサー」ガリガリ

P「仕事、楽しいか?」

真「はい。忙しくなって、大変ですけどね」

P「まあ、売れっ子だからな」

真「じゃあ、何で周りの人はボクが『菊地真』だって気づかないんですかね」コショコショ

P「やっぱ、いつもと雰囲気違うからじゃないか?」

真「はは。それもそうですよね」

ガリガリ……、ガリガリッ……。

66: 2012/05/10(木) 23:43:40.55 ID:IaEzBFky0

真「ボクって、男として生まれてきた方が良かったんですかね」

P「何でだよ」

真「父さんにもずっと言われてきましたし、ファン層のほとんどが女性ですから」

P「まあ……765プロの貴公子だからな」

真「でも、ボクの本心では、『女の子らしくしたい』っていう気持ちが確かにあるんです。幼い頃から許されなかった事だからこそ、この歳になっても夢を見てるんです」

P「不満なのか? 今の自分に」

真「いえ……。人に好かれるのは素直に嬉しいです。でも……」

P「……」

真「たまに、迷うことがあるんですよ」

真「もっと、違う生き方をしていたら、どうなっていたんだろう。普通の女の子みたいに、可愛い服を着て、趣味を持って、男の子と恋なんてしてみたり……」

真「そういうボクも、この宇宙の何処かに居るんですかね」

P「パラレルワールドってやつ?」

真「はい。出来ることなら、会って話がしたいです」

P「どんな話を?」

68: 2012/05/10(木) 23:48:06.33 ID:IaEzBFky0

真「これまで生きてきて、幸せでしたか? って、聞きたいです」

P「なるほどね」

真「…………あっ」ガリッ

P「あーあ」

真「えへへ。失敗しちゃいました」テヘ

P「俺は堅抜き得意だからな。この勝負もらtt……」ゴリリ

真「…………」

P「…………」

真「……ぷっ」

P「真、りんご飴でも食いに行こうか……」

真「くくっ、そ、そうですねっ。行きましょう、プロデューサー」

P「笑いすぎ」コツン

真「す、すみません」トテテ

――――

――

69: 2012/05/10(木) 23:52:07.63 ID:IaEzBFky0

19:30/リンゴ飴屋台

春香「あ、リンゴ飴だ。懐かしいな~」

千早「たまに食べたくなるのよね」トコトコ

亜美「真美! 亜美たちも食べよー」タタタ

真美「そだねっ! あずさ姉ちゃんもだよ?」グイグイ

あずさ「あらあら。何だか、子供が出来たみたいだわ~」

千早「あずささん、まだ21歳じゃないですか……」

春香「あはは。あ、見てみて千早ちゃん」

千早「なあに?」

70: 2012/05/10(木) 23:56:08.20 ID:IaEzBFky0

春香「あのカップル、お面つけて歩いてる。楽しそうだね」クスクス

響「なんだかどこかの部族みたいだぞ……」

千早「ぷぷっ……くくく……」プルプル

亜美「いーなー! 亜美たちも買わなきゃッ!」

真美「行こ、あずさお姉ちゃん」

あずさ「ふふっ、好奇心が旺盛なのね~」

雪歩「わ、わたしはちょっと恥ずかしいと思いますう……」

貴音(はて……どこかで見たような浴衣ですね……)

――――

――

72: 2012/05/10(木) 23:59:56.87 ID:IaEzBFky0

19:25/リンゴ飴屋台付近

真「ぷ、プロデューサー! 見てください、あれっ」ビシッ

P「んー? って、春香達じゃないか」

真「いやいや、落ち着いてたらマズイですって。ボクたちがデートしてるの、バレちゃいますよっ」

P「あー、流石にそれは困るなあ。よし」

P「すんませーん」

お面屋「何だい?」

P「できるだけ顔を隠しやすいお面を下さい」

お面屋「はい?」

73: 2012/05/11(金) 00:04:54.34 ID:1hFUFTwe0

真「すみません、急ぎなんですっ!」

お面屋「じゃ、じゃあこれを……」

P「よし真、すぐに被るぞ」スッ

真「がってん承知です!」サッ

お面屋「あ、お代を……」

P「これを……! お釣りは要りません」

真「なるだけ自然体で行きましょうね」スタスタ

P「ああ。見つかったらジ・エンドだからな……腕が鳴るぜ……」スタスタ

お面屋「何だったんだ……って」

お面屋「諭吉……だと?」

――――

――

74: 2012/05/11(金) 00:07:59.04 ID:1hFUFTwe0

P「…………」ザッ

真「…………」ザッ

P(周囲からものすごい視線を感じるが……我慢だ)

真(もし美希にバレたりしたら……)

美希「あーあ、ハニーと来たかったの」

P「……!?」ビクッ

真「…………」ガクブル

伊織「あんた、まだ言ってるわけ? ほら、フランクフルトでも食べてなさい」

美希「ん……美味しい……の……」モグモグ

やよい「花火までもうすぐですねー」テクテク

76: 2012/05/11(金) 00:11:26.08 ID:1hFUFTwe0

伊織「……」ペラペラ

美希「……」ナノナノ

やよい「……」ウッウー

P「ふ、ふう……なんとか気づかれずに済んだな」

真「こ、このお面暑いですね……」ハアハア

P「まったく……って、よくよく考えたらさ」

真「はい」

P「どっかその辺に隠れていれば良かったんじゃないかな」

真「……今更ですね」

P「ああ」

真「…………」

P「さ、気を取り直して、リンゴ飴だ」


――――

――

78: 2012/05/11(金) 00:17:30.08 ID:1hFUFTwe0

19:40/ベンチ

P「お、ラッキーだな。座ろう、真」

真「はい。プロデューサー」

P「リンゴ飴、美味いか?」

真「……はい」ペロペロ

P「なあ、さっきの話なんだけどさ」

真「……?」キョトン

P「もしも、真が女の子っぽく過ごしていたらってやつ」

真「……」

P「俺はさ、実は結構……真のそういうところ、見てるんだよな」

真「え……?」

79: 2012/05/11(金) 00:21:13.07 ID:1hFUFTwe0

P「人なんてさ、分からないことだらけだろ? 他人の事、自分自身の事さえ、本当に理解しているやつなんて居ない」

真「…………」

P「真は、自分のことを、男っぽい、可愛くないと思っているかもしれない」

P「でもさ、少なくとも……俺から見れば、真はちゃんと、可愛い女の子だと思うよ」

真「……ど、どんなところが、ですか?」カアア

P「お化けとか苦手だったり、可愛いもの好きなところとか」

真「……そんなの……。男の人にだって当てはまるじゃないですか」

P「そうやって、自分で思い込んでるだけだよ」

P「今日の浴衣だって、女の子らしいよ。艶やかっていうの?」

真「そ、それは……嬉しいです///」

81: 2012/05/11(金) 00:24:49.71 ID:1hFUFTwe0

P「案外、無防備なところあるよな。真って」

P「多分、周りの人間に求められるままに、カッコイイ真をどこか、演じていたんだと思う。だから、本心では違うんだって、時々苦しくなる」

真「…………」

P「でも、嬉しくもあっただろ? ファンの皆を喜ばせることが出来る。その力が真にはあるんだから」

真「はい……。仕事だって、楽しくやれてます」

P「もしかしたら、誰も理解してくれないって、悩んでいたかもしれないけど」

P「少なくとも、俺はずっと見てたし、わかってたよ」

真「プロデューサー……」

P「多分、律子や小鳥さんもな」

真「敵わないなあ……」

82: 2012/05/11(金) 00:30:12.52 ID:1hFUFTwe0

P「プロデューサーだからな、俺は」

真「えへへ。ちょっと、カッコよかったです」テレ

P「何言ってんだ。お、もう少しで花火上がるぞ」スタッ

真「もうそんな時間ですか」

P「さ、移動しよう。実は穴場、知ってるんだよ」

真「ホントですか? 綺麗に見えますかね?」パアア

P「ああ。ひょっとしたら泣くレベルだ」

真「それは……すごい、ですね」グスッ

P「…………」

真「あの……プロデューサー」

P「ん?」

真「手、つないでもいいですか?」モジモジ

P「ほら」

真「……ありがとう、ございます」ギュッ

85: 2012/05/11(金) 00:36:08.08 ID:1hFUFTwe0

20:00/高台の公園

 夏の夜空はとても明るかった。

 お祭りと花火のおかげで、たくさんの光が届いているからだろう。

 プロデューサーの言う穴場は、河畔から少し離れた階段を登った途中にある公園だった。

 何の変哲もない公園だけれど、河の方から打ち上げられる花火を見るには、まさに打って付けの場所だ。

真「うわあ……綺麗ですね。プロデューサー」

P「そうだなあ。こうして花火を見てると、子供の頃を思い出すよ」

夏の風物詩、打ち上げ花火が空に咲く。

ボクがずっと憧れていた、華のように美しく、綺麗な花火。

それらは、次々と空へと舞い上がり、いくつもの模様と色で人々を魅了する。

88: 2012/05/11(金) 00:40:37.80 ID:1hFUFTwe0

真「子供の頃のプロデューサーって、どんなカンジだったんですか?」

P「まあ、悪ガキだったよ。少なくとも、品の良い子供じゃなかった」

真「あはは。何となく想像がつくかも」

P「おい」ポカ

真「いてて……」

パーン、パラララ。ドーン、シャラララ。

夜空に、一輪のナツノハナが咲く。

 まるで、ボクの抱く恋心のように、少しずつ、少しずつ大きくなって、広がってゆく。

真「ねえ、プロデューサー」

P「んー?」

真「さっき、ボクのこと、見てるし、わかってるって言ってましたよね?」

P「ああ。まあ、大体のことはな」

89: 2012/05/11(金) 00:44:07.05 ID:1hFUFTwe0

真「それじゃあ、ボクが今、何を考えているか、わかりますか?」クルリ

P「それは流石に分からないな」

真「ちぇっ」

P「拗ねるなよ」

ボクがプロデューサーを好きだと言うこと。

もしバレていたらどうしようと思いながらも、同時に伝えたいという欲もあった。

でも、この先へ進む事が出来るのだろうか、と不安は募るばかり。

 何よりも、プロデューサーを困らせる事になる。そんな顔を見たくはなかった。

我ながら矛盾しているなあと、思わず苦笑をする。

P「なあ、真」

真「……何ですか?」

P「どうして、俺を誘ったんだ?」

92: 2012/05/11(金) 00:48:30.65 ID:1hFUFTwe0

ドキリと、心臓が飛び跳ねる。

 不慣れな格好をしているせいで、危うく転びそうになってしまう。

どうして、聞いてしまうんだろう。答えるには、気持ちを伝えるしか無いというのに。

真「知りたい……ですか?」

P「…………」

一度、深く呼吸をして、プロデューサーの方に向き直る。

夜空には続けて、ナツノハナが咲き誇る。その音、色、形……。

すべてに背中を押されるように、ボクは口を開いた。

94: 2012/05/11(金) 00:52:39.96 ID:1hFUFTwe0

真「ずっと……言いたかったんです」

真「女の子扱いして欲しくって、これまで、何度もプロデューサーを困らせちゃったけど」

真「泣けるくらいに、あなたの事が、好きなんです」

96: 2012/05/11(金) 00:57:12.62 ID:1hFUFTwe0

P「真……」

 ああ。やっぱり、プロデューサーは困った顔をしてる。

自制しきれなかった事を思わず悔やんでしまう。けれど、もう後の祭りだ。

夏の夜空には、ナツノハナ。

 先ほどまで味方だと思っていた花火は、鮮やかに空を彩ると、役目を終えたように散ってゆく。

たまらず、逃げ出したくなってしまった。

力の入らない足で、プロデューサーから離れようと背を向ける。

真「す、すみません!」

P「……! ま、真」

 ボクは馬鹿だ。どうしてあんな事を言ってしまったのだろう。

分かっていたのに。プロデューサーを困惑させるだけだって、知っていたのに。

抑えようとしても、出来なかった想いが、ゆっくりと溢れて止まらない。

98: 2012/05/11(金) 01:00:58.10 ID:1hFUFTwe0

真「こんなに……好き、なのに……」

とうとう、砂利にぺたりと座り込む。

限りあるこの時間の中で、ただ、隣で笑っていたかった。

ただ、想い続けていられれば、それで良かったのに。

欲張ったばかりに、ボクは失ってしまう。

初めての恋が、この手からすり抜けてゆく。

P「真……!」

背後から、プロデューサーの声が聞こえる。

きっと、怒っているだろうな。ずっと、迷惑ばかり掛けてきたのだから。

真「ぷろ、でゅーさー」

忘れてください、と言おうとした。

 でお、言葉がつかえて出てこない。みっともなく泣きじゃくる。

99: 2012/05/11(金) 01:04:12.12 ID:1hFUFTwe0

その時、背中に暖かく、大きなものに包まれるような感触があった。

P「ごめんな……真」

耳元で、プロデューサーが囁く。

どうして謝られるのだろう。困らせたのはボクの方なのに。

P「俺だって……、どうすれば良いか。わからなかった」

真「…………」

P「真を傍でずっと見ている内に、俺はお前に惹かれていた。憧れてさえ、いたかもしれない」

真「プロデューサー……?」

P「間違った事だって、言い聞かせてきたけど」

P「もう、無理だよ。真」

P「俺もお前のこと、好きだ」

真「……!」

 振り向こうとした瞬間、唇が、優しく、柔らかなものに塞がれる。

ファーストキスはレモンの味だと聞いたことがあったけれど。

でも、それは間違いだ。だって、こんなにも甘くて、ちょっとしょっぱい。

102: 2012/05/11(金) 01:09:34.55 ID:1hFUFTwe0
P「真、泣いてるのか?」

真「えへへ。何で、ですかね……」

真「こんなにも……、嬉しい、のに……」

もう一度、正面から抱きしめられて、今度は少しだけ長く口づけをする。

プロデューサーは背が高いから、身体を預けるようにつま先立ちだ。

P「来年も、見れたらいいな。花火」

真「はい……また一緒に、見たいです」

 花火の音と、光の粒に包まれているようだった。

夏の夜空には、後いくつナツノハナが咲くのだろう? せめて、すべてが散ってしまうまでは……。

どうか、このまま抱きしめていて欲しいと思う。

やがて、風に舞いながら落ちてゆくけれど。

二人で見たこの景色だけは、一生、心の中に残り続けるだろう。

そんな事を思った、素敵な、17回目の夏だった。

――――

――

106: 2012/05/11(金) 01:15:44.05 ID:1hFUFTwe0

翌日/10:00/765プロ事務所

美希「ねえハニー? 昨日、何してたの~?」

P「うわっ、美希か。おはよう」

美希「おはよう、じゃないの。どうして夏祭り来なかったの?」プクーッ

P「いやあ……昨日は昔の友達と……」

雪歩「真ちゃん……昨日は……」

真「お、おはよう雪歩。ちょっと用事があって……」アセアセ

貴音「…………」

貴音「……」クルリ

貴音「はっぴいえんど、ですね」ニコッ


真「ファーストキスって、どんな味?」―Fireworks―

FIN

107: 2012/05/11(金) 01:16:34.89
>>1おっつおっつりーん

110: 2012/05/11(金) 01:21:45.63
乙!

まこりんよかったね!(´;ω;`)

112: 2012/05/11(金) 01:24:35.33 ID:1hFUFTwe0
読んで頂きありがとうございました
真美→やよい→美希→貴音さん→いおりん→あずささんに続いて真のSSでした
次はこんなキャラのこんなSSが読みたい、といった意見もくだされば検討します
それでは、ありがとうございましたー
                  ,r'´三二ニ==─-、
               /: :/   _____
                 {: :.{ /,r'´ ̄ ̄ ̄`ヽ
             ヽ v'/ ────
          ,.  ´:_: : : ´: : : : : : : :`ヽ: :`ヽ
         /: : : : : : i: : : : : :ヽ: : : : : : : \: : \
        /: : : :.:.:.:/: ハ: : : : : :.ト、ヽ: : : : :.:.:\: :.:\
      /: : : : : ⌒メ、/  \: : : 十ト、}:. : : : : : : :',: : :.:.\
.     /イ: :.:.:./i:.:/レ'     .\__j Vト、:ヽ:. : : : :.:',: : : : : \
    /' .|: : : { .レ'┃         ┃  ',: ト、:. :. : N: : : :マ^¨´
.       j∧:.:i   ┃         ┃   V jヘト、ノ:}: : : : ≧=‐
         Vl   ┃         ┃       V: : : : : \
         },,,          ,,,,,,   _j^i  }: : : ;..-=≧
          人                    ノ:r、/
        \>、    ノヽ      <`ー─r、/
              〕/=‐ァ┬=r'爪∧: :/\/`
              ,r‐く. l¨¨/`ヽ `′
               {0 0 _}、'V   ヽ
              fj 0 {_ノ.ノ  /  ',
             七_彡个ー ´    ',
             |   |       \
             |   |        /}}
                {{___|___,,彡'⌒ヽ
             `i`¨¨¨¨¨¨¨´ ,、___ノ,}
                }、__{ ̄ ̄   `ー<ノ
                 └r=ァ'

121: 2012/05/11(金) 01:52:46.22 ID:1hFUFTwe0
>>115

今ネタが思いついているキャラは
ピヨちゃんなんですが
はるるんも考え中ですよー

引用元: 真「ファーストキスって、どんな味?」