1: 2009/11/08(日) 09:45:05.36
ファーッ↑ ファーッ/ ファーッ→ ファーッ↓

クワトロ「カミーユ?」

カミーユ「クワトロ大尉!なぜ見てるんです!なんで止めなかったんです!なんで・・・・」

エマ「レモン汁がどうしたって言うのよ カミーユ」

カミーユ「エマさんはわかってないんだ!から揚げは・・・そんなものかけたらおしまいなんですよ!」

エマ(レモン汁が入っていた袋の残り汁をチューチュー吸いながら)「でも他のみんなはおいしそうそうに食べてるわ」

カミーユ「おまえらっ!おまえらっ!かけたんだぞ!レモン汁をいっぱいかけたんだぞ!」(エマさん卑猥だ)

トーレス「おいカミーユうるさいぞ!せっかくのごちそうなんだから素直に食べろよ」(色々卑猥だ)

カミーユ「食べるかよ!」


アムロ「人は・・・あやまちを繰り返す・・・まったく!」

カミーユ「アムロさん!?」

クワトロ「アムロ!」

4: 2009/11/08(日) 09:49:22.40
Zガンダム知らんけどカミーユのキャラ把握した

16: 2009/11/08(日) 09:59:14.21
アムロ「シャア!なぜ止めなかった!」

クワトロ「待て。お前がなぜアーガマにいる」

カツ「あなたはカラバで活動してるはずでしょう」

アムロ「いやその・・・カラバとから揚げってなんか似てるし」

カツ「ハア?」

アムロ「宇宙に上がるちょっと前の話だ・・・」

ほわんほわんほわーん・・・


クワトロ「カミーユ。君の今後の予定について話す、ブリーフィングルームまで来てくれ」

カミーユ「はい」

アムロ(カミーユの今後?き、気になる!盗み聞きするしかない)

スタスタ スタスタ コソコソ

ベルトーチカ(アムロさんってチャーミング!抱かれたい!)じゅん

25: 2009/11/08(日) 10:14:24.02
スタスタ・・・プシュー←ドアが開閉する音

アムロ(さて・・・こんなこともあろうかと用意していた紙コップを壁に当ててと・・・)


クワトロ「私は、軍人として君には再び宇宙で戦力になってもらいたいと考えている」

カミーユ「そうですか」

クワトロ「・・・いいのか?君は戦災孤児だ。前線で戦う義務もなにもないと私は思う」

カミーユ「かまいません。僕はもう戦うしかありませんから・・・」

クワトロ「決心はついているようだな」

カミーユ「はい」

アムロ(カミーユ・・・)

40: 2009/11/08(日) 10:43:26.16
クワトロ「ティターンズ殲滅の暁にはから揚げパーティーをすると艦長が言っていたぞ」

アムロ(から揚げw唐突だなw ブライトもあれでけっこう人間好きのするやつなんだよな)
フィッフィッフィッフィ・・・!

アムロ(なんだこの感覚は!?だ液・・・喜び・・・ 大好物?カミーユ!?)


カミーユ(目を輝かせて)「本当なんですか!?」

クワトロ「えっ・・・そうなんじゃないか」(予想外の反応だ)

カミーユ「塩コショウは欠かせませんよね」ニコニコ

クワトロ「ああー、うん、そうだな」(そんなにから揚げ好きなのか)


カミーユの思念(から揚げ大好きから揚げ大好き宇宙でから揚げ宇宙でから揚げ)

アムロ「光が・・・広がっていく・・・?」
アムロ「うう・・・」(だめだ落ち着けカラバだカラバの一員になるんだカラバカラバカラバ・・・)
アムロ(カラバカラバカラバゲカラバゲから揚げから揚げから揚げうああああああああああああああああああああああ)



アムロ「ベルトーチカ・・・シャアとカミーユが乗るのはどのシャトルかわかるかい・・・?」フラフラ・・・

ベルトーチカ「あっちです!抱いて!」じゅん

ほわんほわんほわーん・・・・

41: 2009/11/08(日) 11:10:54.87
アムロ「・・・ということがあったのさ」

カミーユ「僕のせいだって言うんですか?盗み聞きで精神ジャックされるなんてどんだけガラスハートなんですあなた・・・」

カツ「アムロさんって・・・」

クワトロ「アホだな」

カミーユ「大尉は喋らないで下さい!塩コショウ派だって言質はとれてるじゃないですか!
      裏切り者!適当ぶっこいたな!レモン汁をかけさせて!」

アムロ「修正してやろうか!シャア!」

クワトロ「私はどっちでもいける派だ」モグモグ

カミーユ「ファッビョーン!知らない、もう大尉なんて知らない!から揚げなんて知るもんか!」ダッ!

カツ「カミーユさん!どこに・・・」

クルッ
カミーユ「どこでもいいだろ!何がカツだよから揚げの話してんだバーカ!」シュタタタタタ・・・

アムロ「待てカミーユ!」ダッ!


クワトロ「二人とも行ってしまった」

カツ「そうですね」

43: 2009/11/08(日) 11:50:20.73
クワトロ「そういえば艦長は、から揚げはティターンズを倒してからやると言っていたんだったな」

エマ「ああ、そうですね。さっきのアムロさんの回想で思い出しました。地球に下りる前、私と大尉と艦長の3人でいたとき言ってましたよね」

トーレス「なのに今やってんですか?メールシュトロームもまだ始まったばかりなのに変な話ですねー」モグモグ

エマ「気が早くなったのかしらね」

クワトロ「どうかな」



クワトロ(ん・・・?嫌な感覚だと・・・?)



(そのころ、カミーユの部屋)

カミーユ「zzz・・・」

アムロ「さんざんわめきちらしてふて寝か・・・。言っても仕方ないが。現時点寝床はないし、毛布一枚借りておれも寝させてもらおう」

44: 2009/11/08(日) 12:09:00.14
数時間後・・・先に目を覚ましたのはアムロだった。

アムロ「ふあーーーーーあぁ・・・よく寝た。顔洗い行きまーす!」

プシュー←ドアを開く音

アムロ「・・・」

しーーーーーーーーーーーーーーーーーーん

アムロ「・・・んんん?」

一歩外に踏み出した足を部屋に戻すアムロ。

プシュー←ドアを閉める音

アムロ(おかしい・・・仮にも戦争中なんだ。どんなに落ち着いた戦況であっても時間問わず少しは騒がしいはずだ。WBもそうだった)

カミーユ「zzz・・・」

アムロ「・・・・」

アムロ「・・・起きろ。起きるんだ、カミーユ」

47: 2009/11/08(日) 13:36:25.94
カミーユ「ふあああぁぁぁぁ・・・何です?」

アムロ「艦内の様子がおかしい。静かすぎる」

少しの沈黙。首をかしげるカミーユ。

カミーユ「ほんとですね」

アムロ「何かあったに違いない。寝ている間に敵の攻撃があったんだろうか」

カミーユ「まさか。それだったらみんなから叩き起こされてますよ・・・ほんと静かですね」

アムロ「何が起こっているか・・・様子を見に行くぞ、カミーユ。単独でいるのは危険かもしれない」

カミーユ「了解です」

48: 2009/11/08(日) 14:10:21.33
(カミーユの部屋の前)

しーーーーーーーーーーーーん・・・

カミーユ「・・・」(銃を携えている)

アムロ「・・・」キョロキョロ

カミーユ「・・・不気味ですね。アーガマじゃないみたいだ」

アムロ「同感だ。さあカミーユ、隣はトーレスの部屋だったな」

カミーユ「ええ、見てみましょう」(何で知ってるんだ?)

カミーユ(というかそもそもこの人は姿を現すまでアーガマのどこでどうやって暮らしてたんだ?)

アムロ「空気供給管だ・・・だから艦の構造はだいたい把握している。スパイ映画じゃあるまいしな、色々きつかった」

カミーユ(なんだこの人・・・)「普通に考えを読まないで下さい、じゃあ開けますよ!」

プシュー

アムロ「こ・・・これは!」

カミーユ「ううっ!」

52: 2009/11/08(日) 14:35:37.87
まだ新しい血の臭い。
血の海と化した床に蹲っているト-レスの姿がそこにあった。
固定された壮絶な表情、床に力なくたてられた爪。
一目で氏んでいることがわかった。

それでも一縷の望みをかけ、脈をとるアムロ。

アムロ「氏んでいる・・・」

カミーユ「う、うぐうううううぅぅっ・・・!」

アムロ「外傷はない・・・ように見えるな。床の血は全部吐血だろう」

カミーユ「ううう・・・誰がこんなこと!」

アムロ「落ち着くんだカミーユ」

カミーユ「アムロさん!クルーが殺されたんですよ!」

アムロ「だからこそだ。酷なことを言うようだが、この艦の様子・・・おそらく犠牲者はトーレスだけではあるまい」

カミーユ「!」

仲間たちひとりひとりの顔が、カミーユの脳裏に浮かんでは、今のトーレスの表情に変わっていった。

そんな・・・そんなことあるか!

カミーユはたまらず部屋から走り出た。

アムロ「おい!」

53: 2009/11/08(日) 15:05:39.62
ダダダ・・・プシュー
カミーユ「う・・・エマさん・・・!」(血尿ですか?)

ダダダ・・・プシュー
カミーユ「大尉!・・・」

ダダダ・・・プシュー
カミーユ「・・・・・ファ」

(カツの部屋は見なくてもいいや)


思わずへたりこむ。

カミーユ「嘘だろ」

傍に呆然と立ち尽くすアムロ。

カミーユ「生存者はアムロさんと僕だけなんでしょうか・・・」

アムロ「わからない」

まだ全ての氏者を確認していないうちはわからないと言えるが、実のところカミーユの言う通りであろうと思っているのが本当だった。

56: 2009/11/08(日) 15:36:43.81
カミーユ「この氏に方は普通じゃない。毒・・・から揚げだ!昨日の食事に毒が盛られていたんだ」

アムロ「そうだろうか」

カミーユ「きっとそうです。じゃなきゃあ、僕達が生きていることの説明がつかない」

アムロ「あ」

昨晩アムロとカミーユは、から揚げ以外にも一切の食事に手をつけていなかった。


カミーユ「テ口リストに入られていたのかもしれません」

アムロ「テ口リストか・・・どうかな。空気供給管の中から艦の色々な部分が見れたが、怪しい人間はいな」

カミーユが突然立ち上がった。
スチャ!
素早い挙動で、銃口がアムロに向けられていた。

アムロ「!」

カミーユ「いるじゃないですか・・・ここに」

57: 2009/11/08(日) 16:05:23.90
アムロ(ですよねー・・・)

カミーユ「情緒不安定な元英雄、殺人に栄光と快楽を求めて・・・ってところですか。そうだったんでしょう!」

じりじりと距離をとるカミーユ。

アムロ(こいつ、撃つぞ!)「情緒不安定なのは否定しないが・・・カミーユ。少し話が飛躍している」

カミーユ「僕の考えがですか? 飛躍してるのはこの状況でしょう!」

アムロ「しかし俺は誰も頃してなどいない!」

カミーユ「わかったもんじゃないですよ!」

アムロ「ここにいる理由も昨晩言った以上のことはない!」

カミーユ「それが怪しすぎるって言ってんです!」

アムロ「・・・ならば俺はなぜお前の寝首をかかなかった!寝ているお前を起こしたのは、この俺じゃないか!」

カミーユ「!」

アムロ「答えるんだ、カミーユ!」

カミーユ「うっ・・・!ぐぐ・・・」


ガァーン!!

59: 2009/11/08(日) 16:37:40.73
カミーユが発砲した!
しかしその瞬間、アムロはすでに回避行動を終えていた。

アムロ「みえる!」

1発目の銃弾を無事かわすアムロ。しかし!

カミーユ「人頃しめ!お前が氏ぬべきなんだ!いなくなるべきだったんだぁーっ!!」

ガァーン!!ガァーン!!ガァーン!!

迫る2発目!3発目!4発目!
アムロは迫る弾幕の形から、全ての弾丸を完全にかわすことを諦めた。
ここは、なんとか逃げるしかない!アムロは全力で、後ろにジャンプした!

バンッ!

アムロ「うおおおおおおお!!!カミーーーーユ!!!」

ドサッ!ゴロゴロ・・・
左足にかすり傷を受けながらも、廊下のT字路、曲がり角に飛び込むことに成功した。
しかしすぐにカミーユが走り寄る足音!

アムロ(錯乱しやがって・・・そう簡単にやられてたまるか!)

すぐに立ち上がり、走り出す。ブリッジへ直結するエレベーターへ!

アムロ(とにかくブリッジだ!カミーユを止めることができるかもしれない・・・隔壁も使える。
     それに、なにかわかることがあるかもしれない・・・)

60: 2009/11/08(日) 17:06:26.19
エレベーターの前まで来た――バンバンバン!アムロはスイッチを必氏に叩く。

アムロ(来い!早くこの階まで来い!そうでなきゃ――)


カミーユ「いい的だぁーっ!!当たれぇーっ!!!」

ガァーン!!ガァーン!!ガァーン!!ガァーン!!

アムロ「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


プシュー
他のドアを開ける時と同じ間抜けな音がして、エレベーターは開いた。
倒れこむように中に入り、急いで扉を閉じる。昇り始める。

アムロ「や、やられた・・・」(2発!)

左ふくらはぎ、先ほどかすった弾丸がまともに入ったような形で1発。
左肩口を貫通する1発。

アムロ「致命傷じゃないが・・・頼む、保ってくれよ・・・」

服を裂き、止血しながらつぶやいた。

ブリッジに到着した。

61: 2009/11/08(日) 17:37:38.02
エレベーター内にある非常停止ボタンを押してから、アムロはエレベーターを降りた。

ブリッジにいたのは・・・やはり血まみれのブリッジクルーだった。

アムロ「くそっ、やっぱりみんな氏んだのか・・・ブライトも」

艦外にはいつもと変わらない宇宙があった。
それでいてしかしいつも以上に寒々とした、いけすかない宇宙だった。



異様な臭気に包まれたブリッジを見回した。
それは最初カミーユをどうにかする装置を探す意味合いだったのだが、
アムロは、そんな目的を超えて直感的に興味を引くものを見つけた。

アムロ「ん?」

血に染まったブリッジとは対象的な、真っ白の封筒がブライトのシートに放ってあった。
なんだこれは?まるで誰かに見て欲しくて置いたみたいじゃないか?
そう思い、アムロは封筒に手を伸ばした。

封筒の表は真っ白だったが、その裏には、






『遺書』
そう記してあった。

63: 2009/11/08(日) 17:57:04.41


これを読むことになってしまった者には、まず、心からの謝罪をしたいと思う。

このような事態になってしまった責任は、すべて私にある。



ティターンズの新兵器の噂は、アーガマの乗員ならば誰しも耳に入れたことがあるだろう。

エゥーゴ諜報部では、「存在する」という事実以外は確認できなかった新兵器。

その存在がそもそもフェイクなのではないか?ティターンズに踊らされているのでは?

そんな考えを持つ者もいたが・・・新兵器は実在した。

断言できる根拠はただ一つ。

私たちがすでに、その新兵器によって殺されているからだ。

66: 2009/11/08(日) 18:26:31.00
アムロ「新兵器・・・?戦艦の中の人間だけを内部から破壊する新兵器だというのか?
     ずいぶん非人道的で画期的な兵器を開発したものだな」



ただ、君が見てきたアーガマの仲間たちが血濡れになった氏体は、その新兵器の威力によるものではない。
アムロ(ズコー)
そういう意味で我が艦の乗員を殺害したのは、私、ブライト・ノアである。

記す必要があったものかずいぶん悩んだが、このことは私のけじめだ。

どのように、どれだけ憎んでもらってもかまわない。

ただ、苦しまないで欲しかったのだ。この文を読んでしまっている君を含めて、全員が。

69: 2009/11/08(日) 19:09:38.06


最初の異変はレーダーだった。

サエグサがレーダーがきかないと言うので、メカニック総出で点検、補修をやらせた。

どこにも異常がないレーダーは、変わらず常識では考えられない数値や座標を示していた。

そのうちサエグサやメカニックは、機械が間違っているのではなく、アーガマが妙なポイントにいるのではないかという主張を始めた。

もちろん私は一喝した。ついさっきまで航行は順調に行われていたはずだった。

予定していた航路を、異常な機器が示すレベルで外れているなどということはとても考えられなかった。

そのとき私が心配していたことといえば、この事態のせいで航行速度が落ちることだけだった。

70: 2009/11/08(日) 19:46:37.41


サエグサたちの見解は一度は否定されたわけだが、数日後再び見直されることになった。

理由は二つある。

一つめは、宇宙の様子が明らかにおかしいことがブリッジクルー内での共通認識になってきたこと。

ずっと同じような空間が続いているように見える宇宙でも、

なにかしら道しるべというか、定まったものがあるものだ。(地球の「北極星」について知っている者は多いだろう)

機器に異常が出てからの宇宙は、そんなものはなにも確認できなくなった。

ひたすら無の空間を彷徨っているような恐怖を、ブリッジクルー全員が感じていた。

そして二つめ、これが決定的だった。

76: 2009/11/08(日) 20:43:39.62


ティターンズにいた頃の私は、人づてに「新兵器は、人類史上最大規模の重力制御装置だ」ということを聞いたことがあった。

信憑性の薄い情報だったものだから、エゥーゴの諜報部に一報という気持ちにはならなかったが、

今思えばそれは間違いだったように思う。いや、明らかに間違いだった。


ある計算結果からわかったことだった。

レーダーの示す妙な数値を見たメカニックの一人が、「そういうこと」なのではないか?と、そう仮説を立てた。

資料と照らし合わせつつ、計算を進めると・・・「どう考えても、そう」だった。

「アーガマは脱出不可能の超重力圏にいる」



もう真実を知ることはかなわないが、

ティターンズの新兵器は、おそらく人工ブラックホールを発生させるものであった。

ブラックホールに吸いこまれるものに流れる時間は、客観的には一瞬であるが、

そのものの主観では、永遠に限りなく近いものであるそうだ。

77: 2009/11/08(日) 21:13:51.01


ブラックホールに巻き込まれてしまったアーガマは、今どういう状況におかれているのだろうか?今後どうなっていくのだろうか?

何ひとつわかっていない。

異次元にいるのか?異空間にいるのか?別の時代にいるのか?

そもそも今私たちが認識している現実そのものが、走馬灯にすぎないのではないか?


ただひとつ真実として言えることは、私達は生きて帰れないということだけだ。

船の機能でいえば航行はまだまだ可能だが、同じところばかり回っているように感じる景色は終わる気配を見せないし、

レーダーの示す座標が全く値を変えてくれないことや、食料の問題も持ち上がってきた。


事実を知らせて恐怖をあおることや、餓氏者を出すことは絶対に嫌だった。

そのことは、事実を知る者全員が思っていた。

戦争について考えないでよくなったぶん、そのことを深く考えていた。


そして私は、そんなことになる前に君達と心中しようと考えるようになっていった。

80: 2009/11/08(日) 21:44:12.47


私はかねてから、から揚げで戦勝を祝うというようなことを何人かのクルーに言っていたと思うが、

そのために仕入れていた鶏肉を最後の晩餐として使ってしまおうと思った。



先ほど、から揚げ粉に遅効性の猛毒を大量に混入させておいた。



完成したから揚げは、もちろん私も食べるつもりだ。

心中は私のエゴによるものだし、その上、何より一番のごちそうなのだから。




これで私の遺書は終わりだ。

だいたいの事情はわかってもらえたと思う。

生き残った君がどうするかは自由だ。

生きるにしろ、氏ぬにしろ、君の選ぶ道に苦しみがないことを、私は祈っている。


                                                ブライト・ノア
                                                               』

83: 2009/11/08(日) 22:16:11.90
アムロ「な・・・なんてことだ・・・ブライト・・・」

アムロは、自身の驚きや恐怖を認識すると同時に、
言葉にならない不安・・・絶望・・・色々な思念が自分を通り抜けていくような感覚がした。



どれくらいそこで呆けていたのだろう?

アムロを反応させたのは、艦内からの通信を意味するガー、ガーという音だった。

アムロ(もしや他に生存者がいるのか?)

通信機を手に取るアムロ。

アムロ「・・・こちらアムロ・レイ」

カミーユ「カミーユ・ビダンです」

アムロ「カミーユ!?お前・・・正気に戻ったのか」

カミーユ「ええ、すいませんでした。アムロさん、そんなことより見せたいものがあるんです」

アムロ(そんなことよりって・・・俺撃たれたんだぞお前に)「見せたいもの?」

カミーユ「はい。カツの部屋に来てください」

アムロ「・・・いいだろう。ただし!今回は俺も銃を持っていく。妙なことを考えるんじゃないぞ」

カミーユ「わかってますって。いいから来てくださいよ」

88: 2009/11/08(日) 22:38:27.92
カミーユの態度の豹変を訝りながらも、アムロはカツの部屋に来た。
カミーユは銃を持っていなかった。

アムロ「何だ?見せたいものって」

カミーユ「カツの氏体です。まあ見てください」

カツは全身血だらけだ。

アムロ「全身血まみれじゃないか。お前、撃ったんじゃないだろうな」

カミーユ「外傷なしです」

アムロ「そうなのか」

よく観察するとカツは、口はもとより、目鼻耳尻、果ては乳の文字通り穴という穴から出血していた。

アムロ(カツキモっ)「今まで見てきた犠牲者の中でも初めて見る症状だ」

カミーユ「でしょう。話っていうのはそれなんですよ。
      症状について、ある仮説を立てられるんです。毒と・・・レモン汁の関係性について」

93: 2009/11/08(日) 23:11:51.06
カミーユ「まず、カツはから揚げで何派だったか知っていますか」

アムロ「レモン汁派かどうでもいい派だろう、あのときシャアやエマ中尉側だったし」

カミーユ「それ、ミスリードです」

アムロ「塩コショウ派だったとでも?なら俺たち側につけばよかったはずなのに、カツはしなかったじゃないか」

カミーユ「アムロさんはあの瞬間いませんでしたからね・・・もっとも、あの場に居合わせたところでアレには気づかなかったでしょうけど。
      エマさんがから揚げにレモン汁をかけたときのカツのあの表情といったら!鬼気迫るとはあのことですよ」

アムロ「カツが何考えてるかなんて誰も気にしてないからな・・・お前以外気づかなかったのか」

カミーユ「僕がカツをスルーしたように他にもスルーした人がいたかもしれませんね。
      カツはそれを感じて僕らのようにはレモン汁派と表立って戦えなくなったのかもしれません、かわいそ」

アムロ「で、カツがレモン汁派じゃないからってどうだっていうんだ」

95: 2009/11/08(日) 23:35:47.43
カミーユ「わからない人ですね。
      カツはレモン汁のかかっていないから揚げばかり食べて全身血だらけになった」

アムロ「そうだ」

カミーユ「レモン汁に貪欲だったエマさんは頭頂部からある程度の出血があるだけ」

アムロ「ほうほう」

カミーユ「つまり!」

アムロ「レモン汁には毒を中和する作用があると言いたいようだな」

カミーユ「そうです・・・仮説ですけど」


アムロ「待ってくれ・・・そんな話、聞いたことがあるぞ」

カミーユ「なんですって!」

アムロ「レモン汁で解毒できる・・・猛毒・・・遅効性・・・から揚げ粉に自然に混入できる・・・
     間違いない!ガンダリウム酸カリだ!カミーユ、もしかしたら皆助かるかもしれないぞ!」

カミーユ「本当ですか!?」

100: 2009/11/08(日) 23:51:14.61
アムロ「本当なんだが・・・」

しかし、クルーの蘇生に積極的になれない気持ちのアムロ。
やはり、ブライトの遺書のことが心に引っかかっていた。

アムロ「カミーユ、ちょっとこれを読んでみてくれ」ガサゴソ

カミーユ「ブライトさんの遺書・・?」

パラ・・・パラ・・・

(5分後)

カミーユ「アムロさん」

アムロ「読み終わったか・・・」

カミーユ「ちょっともう少しこっちに来てください」

アムロ「?」てくてく

カミーユ「そんな大人、修正してやる!」

バキャア!

アムロ「ぐっは・・・何をするんだ!」

カミーユ「アムロさんもブライトさんみたいに諦めるって言うんですか?」

アムロ「そ・・・それは・・・・」

101: 2009/11/09(月) 00:03:05.65
カミーユ「僕は・・・絶対に皆で生きて帰ってやろうと思ってます!」

アムロ「カミーユ・・・しかし・・・」

カミーユ「信じて下さい!人の体から出る力を!」

アムロ「・・・・わかった!」



アムロ「よし、みんなの胃にレモンを1個ずつねじこむんだ」

カミーユ「ええー・・・レモン汁を口に入れるとかじゃダメなんですか」

アムロ「まるごと1個をねじこまなければ意味がないぞ。さあトライだ!」

カミーユ「まあそういうことなら・・・」


1時間後・・・無事、犠牲者全員の胃にレモンがねじこまれた。

106: 2009/11/09(月) 00:22:59.30
そして・・・


トーレス「うう~ん・・・」

カミーユ「トーレス!アムロさん!トーレスが目を覚ましましたよ!」

トーレス「あれ?なんでカミーユがいんの?」


カツ「うっぐゥゥゥゥ ゥゥゥゥゥゥゥゥ」

アムロ「カミーユ!お前カツのレモン中途半端にしかねじこまなかっただろ!」

カツ「うォォォォゥゥゥ うごォォォォォ」


ブライト「アムロ、カミーユ・・・」

カミーユ「大丈夫です・・・艦長!僕たちがなんとかします!してみせます!」

アムロ「俺たちを、人間の力を信じろ!ブライト!」

ブライト「・・・お前らになら、賭けてみるのもいいかもしれないな。頼んだぞ・・」



カツ以外全員生還したのであった。

108: 2009/11/09(月) 00:53:53.26
クワトロ「事情は聞いたぞ。カミーユ、アムロ、何か脱出できそうな考えはあるのか」

カミーユ「ありません」

アムロ「具体的な目標がわかればいいんだが。ここから脱出と言ったって何をすればいいかがさっぱりではな」

クワトロ「力・・・引っ張る重力とは反対方向に向かえばいいんじゃないか?単純な話だ」

アムロ「おお・・・やるじゃないかシャア」

エマ「さすが大尉!」


カミーユ「あのなんか・・・みんなずいぶん簡単に言いますけどね・・・相手はブラックホールなんですよ?」

アムロ「そりゃそうだ。『人間の力を信じる』。俺たちは全員お前と同じ気持ちだぞ」

エマ「カミーユ」

ファ「カミーユ」(初セリフ)

トーレス「カミーユ」

そのほか「カミーユ」


カミーユ「みんな・・・ありがとう!!」

111: 2009/11/09(月) 01:10:57.25

カミーユ「カミーユ・ビダン Zガンダム 出ます!」

アムロ「アムロ・レイ リック・ディアス 出る!」

クワトロ「クワトロ・バジーナ 百式 出る!」

エマ「エマ・シーン ガンダムマークⅡ 出ます!」

ファ「ファ・ユイリィ メタス 出ます!」

カツ「」あなたはこんな顔で氏ねますか?

他のクルー「クルー全員 整備用モビルスーツとか 出ます!」

ドシュウウウウウン!


ブライトは、一人ブリッジに残っていた。

ブライト「・・・」

つかみどころのない表情で、無をたたえた宇宙を見つめている。

113: 2009/11/09(月) 01:23:59.94
カミーユ「位置についたな!さあ押すぞ!せえええええええのおおおおおおおおおおいい!!!」

わっしょい!!!!!!!!!!!!!!


わっしょい!!!!!!!!!!!!!!


わっしょい!!!!!!!!!!!!!!


わっしょい!!!!!!!!!!!!!!


ギュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン

アムロ「いい手ごたえだぞ!」

クワトロ「まだだ!まだ足らんよ!」

114: 2009/11/09(月) 01:30:12.36

(10分後)

ギュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!

カミーユ(ご・・・互角に引っ張り合えてはいるが・・・ブラックホールの力を超えるあと少しが遠い・・・!)

ファ「ダメなの・・・?」

トーレス「ダメかも・・・」

カツ「無理無理無理無理絶対無理」

カミーユ「みんな、諦めるな!」(艦長・・・!)



ブライト「くそ・・・艦の調子が出ない!なぜだ!最大船速の半分も出ない・・・」

ここ何日か整備しなかった間に、どこかの配線がやられているに違いない!
そう踏んだブライトは、配線の切れた部分を探しに向かった・・・

118: 2009/11/09(月) 01:43:57.97
ブライト「ここだ!」

バチ!バチバチィ!!
火花を上げているちぎれた配線!

ブライト「くそおおおおお!」

そこにブライトは!
躊躇なく自分の体を入れた!

バチバチバチバチバチバチバチバチ!!!!!!!!!!!

ブライト「うおおおおおおおおおおおおおおお!!アーガマあああああああああーーーーーーーーーー!!!」


船は、主の叫びに応えた!


ドシュウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!!!!!

アムロ「アーガマが・・・・」

エマ「燃えてる・・・凄い・・・・!」


最大船速の200パーセントを超える出力をアーガマは発揮した・・・・

ブラックホールを振り切った瞬間であった。

123: 2009/11/09(月) 02:05:55.29
サラ「アーガマ、再び現れました!」

シロッコ「なにい!私が設計した新兵器が不完全だったというのか!
      ・・・まあいい。実戦のデータが取れただけでも良しとしよう。帰るぞ、サラ」

サラ「はい」




その後、アムロの存在と妙な一体感を武器に、アーガマは快進撃を続けていくこととなる。

コロニーレーザーとかが話に出てくる前に速攻でアクシズ、ティターンズを倒したエゥーゴによって、地球圏の平和は守られたのであった・・・


そしてこの日――地球。

エゥーゴの幹部が集まる戦勝祝賀会が開かれていた。

125: 2009/11/09(月) 02:24:05.86
カミーユ「偉い人ばっかりの食事会なんて緊張しますね」

クワトロ「柄にもないことを言うんだな」

カミーユ「ばれました?」

アムロ「おい二人とも、あれ見ろ」

アムロが示した先にはから揚げがもっさり山のように積まれていた。

アムロ「懐かしいだろ」

クワトロ「あのとき以来のから揚げじゃないか」

カミーユ「食べ物見て複雑な気分になるなんて・・・あ、エマさんレモン汁かけてる」

アムロ「しかもまた袋吸ってるな。うわ、かなりじっくり吸ってる」

カミーユ「ヘンケン艦長顔真っ赤ですよw恥ずかしいなら少しは口出せばいいのに」

クワトロ「そこはあんまり見てやるな、カミーユ・・・」

128: 2009/11/09(月) 02:52:35.52
カミーユ「そういえば僕、あの後レモン汁もいけるようになったんですよ」

クワトロ「そうなのか」

アムロ「何?聞いてないぞ!」

カミーユ「塩コショウ派であることは変わってませんけどね。同時にかけたりとかしてます」

クワトロ「いいぞ」ピシガシグッグッ

アムロ「うわ、疎外感・・・」


レモン汁への覚醒のときはは必ずやってくる。
塩コショウ派よ、信じるのだ・・・レモン汁を!レモン汁教に入るのだ!


              完



アイデアと勢いだけでは1日がんばっても無理でした
>>95からソードマスターヤマトせざるを得なかったので次から書き溜めを覚えようと思います
ここまで読んでいただいてありがとうございました

129: 2009/11/09(月) 02:58:36.98
>>1

世の中にはレモン胡椒(要冷蔵)というものがあってだな…

引用元: カミーユ「貴様人間か!? から揚げにレモン汁をかけるなんて!」