3: 2014/11/29(土) 09:52:05.66
ほむら「見られてる…しかも拾って欲しいと訴えている目…」
犬「くーん……」
ほむら「こんな空き地、誰も通らないじゃない。捨てるにしてももっと人目のつくところにしてあげればいいのに」
犬「スリスリ」
ほむら「あ、足…そんなことされても……。わ、わたしはあなたのことなんて飼ってあげられ…」
犬「ブルブル…」
ほむら「震えてる。もしかしてもう何日も外に?」
ほむら「このままじゃ…とりあえず何か食べ物を。でも子犬って何を食べるのかしら」
犬「くーん……」
ほむら「こんな空き地、誰も通らないじゃない。捨てるにしてももっと人目のつくところにしてあげればいいのに」
犬「スリスリ」
ほむら「あ、足…そんなことされても……。わ、わたしはあなたのことなんて飼ってあげられ…」
犬「ブルブル…」
ほむら「震えてる。もしかしてもう何日も外に?」
ほむら「このままじゃ…とりあえず何か食べ物を。でも子犬って何を食べるのかしら」
7: 2014/11/29(土) 09:57:06.00
~ファミマ~
ほむら「とりあえず、近くのコンビニに来たけれど。どうしよう…ファミチキはだめよね?」
ほむら「素直にスーパーに行ってドッグフードを買いに行ったほうがいいのかもしれない」
ほむら「そうだ、ケータイで…」
ほむら「生肉はダメ…か。加熱すればいいの? じゃあ、ファミチキでもいいのかしら?」
ほむら「とりあえず、近くのコンビニに来たけれど。どうしよう…ファミチキはだめよね?」
ほむら「素直にスーパーに行ってドッグフードを買いに行ったほうがいいのかもしれない」
ほむら「そうだ、ケータイで…」
ほむら「生肉はダメ…か。加熱すればいいの? じゃあ、ファミチキでもいいのかしら?」
10: 2014/11/29(土) 10:02:03.58
~団地の屋台~
ほむら「すいません、焼き芋1本下さい」
屋台のおっちゃん「ほい。熱いから気をつけな!」
ほむら「ありがとうございます」
ほむら「ほかほかね。結局少し遠くまで来ちゃったけれど、これなら食べても平気みたいだし。犬ってなんでも食べられるようで、案外そうでもないのね」
ほむら「さて、あの子のところに戻ろう」
ほむら「すいません、焼き芋1本下さい」
屋台のおっちゃん「ほい。熱いから気をつけな!」
ほむら「ありがとうございます」
ほむら「ほかほかね。結局少し遠くまで来ちゃったけれど、これなら食べても平気みたいだし。犬ってなんでも食べられるようで、案外そうでもないのね」
ほむら「さて、あの子のところに戻ろう」
11: 2014/11/29(土) 10:07:29.92
~空き地~
ほむら「日が暮れてしまった…まだあの子は無事かしら。…あれ? 誰かいる」
まどか「うぇひひ。くすぐったいよ」
犬「くーん!くーん!」
ほむら「日が暮れてしまった…まだあの子は無事かしら。…あれ? 誰かいる」
まどか「うぇひひ。くすぐったいよ」
犬「くーん!くーん!」
14: 2014/11/29(土) 10:11:26.30
ほむら(まどか……。こんなところに…どうしよう。別にこのまま出てってもいいけど…学校での態度と違い過ぎるし…)
ほむら(でも…まどかだってあの子を飼うことは出来ないだろうし…仕方ないここは…)
てくてくてく…
まどか「もふもふ。もふもふ」
ほむら「随分楽しそうね、鹿目まどか?」
まどか「ひゃっ! ほ、ほむらちゃん!? 見てたの?」
ほむら(でも…まどかだってあの子を飼うことは出来ないだろうし…仕方ないここは…)
てくてくてく…
まどか「もふもふ。もふもふ」
ほむら「随分楽しそうね、鹿目まどか?」
まどか「ひゃっ! ほ、ほむらちゃん!? 見てたの?」
15: 2014/11/29(土) 10:14:38.96
ほむら「別に気にすることはないわ。 たまたま通りかかっただけだから」
まどか「…」
ほむら(よほど恥ずかしかったようね。それとも私に見られるのが嫌だったのかしら…)
まどか「…」
ほむら(よほど恥ずかしかったようね。それとも私に見られるのが嫌だったのかしら…)
16: 2014/11/29(土) 10:16:14.23
ほむら「見たところ捨て犬のようだけど、あなたもしかしてその子連れて行く気?」
まどか「ううん。そうできたらいいなって思うけど…」
ほむら「そう。ならあまり優しくしないことね。 どうせ、長くは生きられないのだから」
まどか「……そうだね」
ほむら「わかったなら家族が心配する前に帰りなさい。もう暗くなってきた。なんなら家まで送っていくけど?」
まどか「ううん。悪いよ。じゃあ、またね。ほむらちゃん」
まどか「ううん。そうできたらいいなって思うけど…」
ほむら「そう。ならあまり優しくしないことね。 どうせ、長くは生きられないのだから」
まどか「……そうだね」
ほむら「わかったなら家族が心配する前に帰りなさい。もう暗くなってきた。なんなら家まで送っていくけど?」
まどか「ううん。悪いよ。じゃあ、またね。ほむらちゃん」
17: 2014/11/29(土) 10:21:19.69
ほむら「ふぅ…」
犬「くーん!くーん!」
ほむら「おまたせ。半分だけあげるわ。食べ過ぎてお腹壊しちゃうみたいだから」
犬「むしゃむしゃ…もぐもぐ」
ほむら「もぐもぐ…ふぅ…ふぅ…もぐもぐ」
犬「ガブガブ……わん!わんっ!」
ほむら「もう食べてしまったの? よほどお腹へっていたのね」
犬「くーん!くーん!」
ほむら「もっと欲しいの? でも…食べ過ぎると良くないって書いてあったし」
犬「くーん!」
ほむら「わかったわ。一口だけだからね」
犬「くーん!くーん!」
ほむら「おまたせ。半分だけあげるわ。食べ過ぎてお腹壊しちゃうみたいだから」
犬「むしゃむしゃ…もぐもぐ」
ほむら「もぐもぐ…ふぅ…ふぅ…もぐもぐ」
犬「ガブガブ……わん!わんっ!」
ほむら「もう食べてしまったの? よほどお腹へっていたのね」
犬「くーん!くーん!」
ほむら「もっと欲しいの? でも…食べ過ぎると良くないって書いてあったし」
犬「くーん!」
ほむら「わかったわ。一口だけだからね」
18: 2014/11/29(土) 10:24:10.26
ほむら(結局半分もあげてしまったわ…わたしもまどかのこと言えないわね)
ほむら「そろそろ帰らないと…もう暗くなってしまったし」
犬「わん!」
ほむら「……」
ほむら(ごめんなさい。明日まだ無事なら様子を見に来るからね)
すたすたすた…
犬「くぅーん!」
ぴたっ。
ほむら「……」
ほむら「そろそろ帰らないと…もう暗くなってしまったし」
犬「わん!」
ほむら「……」
ほむら(ごめんなさい。明日まだ無事なら様子を見に来るからね)
すたすたすた…
犬「くぅーん!」
ぴたっ。
ほむら「……」
19: 2014/11/29(土) 10:26:04.72
ほむら「お昼は学校だから、家でおとなしくしているのよ?」
犬「わん!」
ほむら「一ヶ月だけだからね。一ヶ月したら、あなたを飼い続けられる保証はないんだから」
犬「わん!」
ほむら「はぁっ…」
ほむら(これじゃ本当にまどかのことを言えない)
ほむら「おいで!」
犬「くぅーん!」
ほむら「本当にもふもふね。 あまり、かまってあげられないけど、ごめんね」
犬「わんっ!」
犬「わん!」
ほむら「一ヶ月だけだからね。一ヶ月したら、あなたを飼い続けられる保証はないんだから」
犬「わん!」
ほむら「はぁっ…」
ほむら(これじゃ本当にまどかのことを言えない)
ほむら「おいで!」
犬「くぅーん!」
ほむら「本当にもふもふね。 あまり、かまってあげられないけど、ごめんね」
犬「わんっ!」
21: 2014/11/29(土) 10:29:56.73
そして角に差し掛かった時……。
まどか「ほむらちゃん、その子飼ってくれるの?」
ほむら「あ、あなた! 帰ったんじゃなかったの?」
まどか「うぇひひ。ここからずっと見てたんだよ」
ほむら(ず、ずっとですって!?)
ほむら「なんで!どうして!だってあなた帰るって言ったじゃない?」
まどか「ほむらちゃん、その子飼ってくれるの?」
ほむら「あ、あなた! 帰ったんじゃなかったの?」
まどか「うぇひひ。ここからずっと見てたんだよ」
ほむら(ず、ずっとですって!?)
ほむら「なんで!どうして!だってあなた帰るって言ったじゃない?」
22: 2014/11/29(土) 10:35:17.04
まどか「実をいうとね、ほむらちゃんがその子のためにご飯を買いに行こうとするところを見てたんだよ」
まどか「その後でわたしが遊んでたら、ほむらちゃんが来たの!」
ほむら(そんなところから…)
まどか「よかったね! ほむらちゃんが、飼ってくれるんだって!」
ほむら「飼うとは言ってないわ。 ただこの子の引取先が見つかるまで預かるだけよ」
まどかは仔犬に手を伸ばして頭をなでた。
犬「くぅーん!」
まどか「じゃあ、何かご飯を買っていかないとね!」
まどか「その後でわたしが遊んでたら、ほむらちゃんが来たの!」
ほむら(そんなところから…)
まどか「よかったね! ほむらちゃんが、飼ってくれるんだって!」
ほむら「飼うとは言ってないわ。 ただこの子の引取先が見つかるまで預かるだけよ」
まどかは仔犬に手を伸ばして頭をなでた。
犬「くぅーん!」
まどか「じゃあ、何かご飯を買っていかないとね!」
23: 2014/11/29(土) 10:37:08.11
~ほむホーム~
犬「わん!わん!」
まどか「だめだよ、静かにしてないと、ほむらちゃんがお家を追い出されちゃうから」
ほむら「って、あなたまでなんで来てるのよ!」
まどか「だ、だって、成り行きというか…スーパーでご飯買って、気がついたら…」
流石にスーパーに仔犬を抱いたまま一人では入れなかったので、その時はまどかが居てくれて助かったのだが…。
犬「わん!わん!」
まどか「だめだよ、静かにしてないと、ほむらちゃんがお家を追い出されちゃうから」
ほむら「って、あなたまでなんで来てるのよ!」
まどか「だ、だって、成り行きというか…スーパーでご飯買って、気がついたら…」
流石にスーパーに仔犬を抱いたまま一人では入れなかったので、その時はまどかが居てくれて助かったのだが…。
24: 2014/11/29(土) 10:38:47.20
まどか「でもよかった。ほむらちゃんが優しい子で…」
ほむら(まどか…)
まどか「ほむらちゃんがわんちゃんとお話してた時…すごく嬉しそうだった」
まどか「あれが本当のほむらちゃんなんだよね? なんでみんなの前では…」
ほむら「どちらもわたしよ。別に無理して固く振舞っているわけじゃない。自然とこうなっただけ」
まどか「そう……なの? でもわたしは優しいほむらちゃんが本当は優しいって知れただけでよかった…」
ほむら「……」
ほむら(まどか…)
まどか「ほむらちゃんがわんちゃんとお話してた時…すごく嬉しそうだった」
まどか「あれが本当のほむらちゃんなんだよね? なんでみんなの前では…」
ほむら「どちらもわたしよ。別に無理して固く振舞っているわけじゃない。自然とこうなっただけ」
まどか「そう……なの? でもわたしは優しいほむらちゃんが本当は優しいって知れただけでよかった…」
ほむら「……」
25: 2014/11/29(土) 10:39:48.31
まどか「気のせいかもしれないけど、私にだけ特にきついっていうか…なんだかいつも怒られてばっかりだったから」
ほむら(わたしだって、怒りたくて怒っていたわけじゃない。)
ほむら(何度も同じことを繰り返してきて、見慣れた光景ばかりを見ていると、笑ったり、泣いたり、特に驚くことなどないから…)
ほむら(自然と口にする言葉も限られていくから…まどかには悪いと思っていても、これは仕方がないこと)
まどか「ほむらちゃんのこと、やっぱり全然わかんないけれどね…でも、少しだけわかってよかったなって」
まどか「出来ればわたしとお話するときは、さっきみたいなほむらちゃんがいいなって思うんだけど…」
ほむら「それは…難しいかもね」
ほむら(わたしだって、怒りたくて怒っていたわけじゃない。)
ほむら(何度も同じことを繰り返してきて、見慣れた光景ばかりを見ていると、笑ったり、泣いたり、特に驚くことなどないから…)
ほむら(自然と口にする言葉も限られていくから…まどかには悪いと思っていても、これは仕方がないこと)
まどか「ほむらちゃんのこと、やっぱり全然わかんないけれどね…でも、少しだけわかってよかったなって」
まどか「出来ればわたしとお話するときは、さっきみたいなほむらちゃんがいいなって思うんだけど…」
ほむら「それは…難しいかもね」
26: 2014/11/29(土) 10:41:54.80
まどか「……うん」
まどかは仔犬の頭を撫でながら少し寂しそうに頷いた。
ほむら(昔のようにはいかない。わたしはもうあの頃には戻れない。)
ほむら(唯一の友だちであったまどかとの距離のとり方もわからなくなってしまった)
ほむら「でも、勘違いしないでほしい。あなたが嫌いだから、辛くあたっているわけではないということを」
まどか「うん。大丈夫。ほむらちゃんにはほむらちゃんの事情があるんだって。わたしには何もわからないけれど、少しでも知れたら…」
まどかは仔犬の頭を撫でながら少し寂しそうに頷いた。
ほむら(昔のようにはいかない。わたしはもうあの頃には戻れない。)
ほむら(唯一の友だちであったまどかとの距離のとり方もわからなくなってしまった)
ほむら「でも、勘違いしないでほしい。あなたが嫌いだから、辛くあたっているわけではないということを」
まどか「うん。大丈夫。ほむらちゃんにはほむらちゃんの事情があるんだって。わたしには何もわからないけれど、少しでも知れたら…」
28: 2014/11/29(土) 10:45:30.25
まどか「また、遊びに来てもいい? この子にも会いたいし」
ほむら(うちに?)
ほむら「そ、それは……」
まどか「やっぱり、ダメかな」
ほむら「…そうね。今日みたいに遅くならなければ。ご家族に心配かけさせてはいけないわ」
まどか「う、うん! じゃあ、また来ていいんだね?」
ほむら「え……」
ほむら(うちに?)
ほむら「そ、それは……」
まどか「やっぱり、ダメかな」
ほむら「…そうね。今日みたいに遅くならなければ。ご家族に心配かけさせてはいけないわ」
まどか「う、うん! じゃあ、また来ていいんだね?」
ほむら「え……」
30: 2014/11/29(土) 10:47:43.22
ほむら(そんなに仔犬と遊びたいの?)
ほむら「構わないわ。正直わたしひとりで面倒見きれるか自信がないし」
まどか「やったぁ! ありがとう、ほむらちゃん!」
そしてまどかは帰っていった。
ほむら「構わないわ。正直わたしひとりで面倒見きれるか自信がないし」
まどか「やったぁ! ありがとう、ほむらちゃん!」
そしてまどかは帰っていった。
32: 2014/11/29(土) 10:51:55.45
犬「くぅーん」
這いよるぬくもりにそっと手を差し伸べると笑みがこぼれた。
ほむら「ありがとう。あなたのお陰で少しだけまどかと昔みたいに戻れた気がする」
仔犬の頭を撫でる。気が付くとわたしはいつの間にか笑っていた。
久しぶりに笑った気がする。
這いよるぬくもりにそっと手を差し伸べると笑みがこぼれた。
ほむら「ありがとう。あなたのお陰で少しだけまどかと昔みたいに戻れた気がする」
仔犬の頭を撫でる。気が付くとわたしはいつの間にか笑っていた。
久しぶりに笑った気がする。
33: 2014/11/29(土) 10:52:58.11
終わりです。
短いですが読んでくださった方どうもです!
短いですが読んでくださった方どうもです!
34: 2014/11/29(土) 10:57:36.74
よかったよ
35: 2014/11/29(土) 11:27:56.20
俺『くぅ~んアンアンアン!(グヘヘw計画どうりwww』
37: 2014/11/29(土) 11:40:20.58
乙
引用元: 犬「くーん……」ほむら「捨て犬かしら?」
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