1: 2013/11/07(木) 15:27:31.60

美希「あふぅ……春香に起こされるなんてさいこーのお目覚めなの」チラッ

目覚し「」

美希「ただの時計だけど」

美希「いつも寝てるからこそ信憑性のある寝たふり」

美希「そうすることで録音できた春香の目覚ましボイス!」

美希「春香の目覚ましボイスマジプレミア!」

美希「朝から春香の声が聞けるだけでもう幸せ、氏んでもいい!」

美希「あ、でも氏んだら聞けなくなるからそれは……」

美希「でもでも、氏んだらお化けで透明だからいつでもどこでも春香と一緒だし」

美希「お風呂でだって……あはっ、ミキってばいけない子なの」

美希「さっさと着替えて春香に会――じゃなかった事務所に行くの!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1383805651

3: 2013/11/07(木) 15:32:57.71

―事務所―



美希「おっはよーなのー!」

小鳥「あら、おはよう」

美希「………………」

美希「………………」

小鳥「………………」

小鳥「……ど、どうしたの?」

美希「小鳥だけ?」

小鳥「そ、そうだけど……」

美希「ミキ、急激な眠気に襲われたから寝るの」

小鳥(春香ちゃんがいないからでしょ? ふふっ解り易いわね)

小鳥「はいはい、夏だからってだらしない格好はしちゃダメよ」

美希「ふぁーい」

4: 2013/11/07(木) 15:42:56.74

―――

春香『あ、お帰り。美希』

美希『ただいまーっ春香!』ダキッ

春香『わわっと、ぁ』ズルッ


バタンッ!


美希『頭打たなかった?』

春香『平気だよ、転び慣れてるし』

美希『押し倒され慣れてる?』

春香『そんなこ――』チュッ

美希『あはっ、今日は肉じゃが?』ペロッ

春香『……もう、不意打ちはダメだよっ』

美希『続き、したいな』

春香『ダーメ。まずはお夕飯』

美希『春香はデザート?』

春香『も、もうっ……さっさとどいてっ』カァァ.....


――――

5: 2013/11/07(木) 15:46:33.21

美希「……………」パチッ

美希(いつか現実にしたい夢だったの)

春香「あれ、起こしちゃった?」

美希「……まだ夢?」

春香「あははっ現実だよ?」

美希(起きたら春香が目の前にいる……目の前)

美希「ミ、ミキは変なこと言ってなかった!?」

春香「うん、デザートなの~ってくらいしか」

美希「それなら良いの、それなら」

美希(そのひとつ前とかヤバイってレベルじゃないの……)

6: 2013/11/07(木) 15:53:01.21

美希「春香は今日仕事ある?」

春香「うん? あるよ? っていうか、美希とだよ?」

美希「えへへっ知ってるの」

春香「?」

美希「ところで春香、今日もクッキーないの?」

春香「ううん。あるよ~っじゃんっ! チョコチップバニラ!」トンッ

美希「カントリーマ」

春香「いや、一応頑張って作った自作だから」

8: 2013/11/07(木) 16:11:13.99

美希「食べてみなきゃそれが真実かどうかは解らないの」

春香「形と包装の違いで気づこうよ」

美希「見た目で判断するなんてナンセンスなのッ!」 バンッ!

美希「見た目では判らない愛こそ、最大の旨みなの!」ババンッ!

美希「春香だって見た目普通だけど中身は特別なの!」バババンッ!

春香「う、うん……ぅん? あれ?」

美希「なに? まだ問題あるの?」サクッ

春香「いや、なんか最後……」

美希「最後?」サクッサクッ

春香「私って、中身特別?」

美希「」ガリッ

美希「舌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

9: 2013/11/07(木) 16:17:15.75

春香「み、美希!?」

美希「あふぁっいはっ……あぅぅ」グスッ

春香「あーよしよし」ナデナデ

春香「痛いの痛いの飛んでけ~」

美希「うぅっいぁい……ぃぁぃ……」

春香「うん、解る。解るよ~その気持ち。噛むと痛いよね」

美希(痛い、めちゃくちゃ痛いの)

美希(でも、春香になでなでされてるから問題なしなの)

美希(怪我の功名ってやつなの!)

11: 2013/11/07(木) 16:27:28.87

―10分後


美希「も、もう平気」

春香「そっか、水飲める?」

美希「うん……」ゴクッ

美希(ずっと撫でてくれてたの……)

美希(本当は3分くらいで何とかなってたなんて言えない)

春香「ごめんね、私が変なこと聞いちゃったから」

美希「そんなことないの」

美希「ただの自滅……中身が特別って言ったし」

春香「そうかな? 私は普通って言われるんだけど」

12: 2013/11/07(木) 16:31:23.98

美希「周りに普通だって思わせとけば周りも普通だって思うの」

春香「そ、そうだね……」

美希「だから、特別の中で普通でいられる異端性を大事にしてるの」

春香「そうなの?」

美希「嘘なの」

春香「嘘なの!?」ガクッ

美希「それはただ見た目で言ってるだけ」

春香「あはは……リボンなければただの女の子ですよぅ」

13: 2013/11/07(木) 16:34:57.07

美希(でも実はそれも嘘なの……いや、半分?)

美希(周りが普通だって思ってれば)

美希(みんなは特別に手を出そうとするの)

美希(そうすれば、春香が誰かに取られる心配もないの)

美希「でも、溢れ出るヒロインの輝きは誤魔化せないの」

春香「ヒロインの輝きって……なにそれ」

美希「みんなを惹きつける魅力」

春香「それなら美希の方があるんじゃない?」チラッ

美希「春香がイヤラシイ目で見てくるの」キャーッ

春香「ぐへへっ――ってみるかー!」バンッ

美希「見てよ!」ドンッ!

14: 2013/11/07(木) 16:45:49.23

美希「………………」

春香「………………」

美希「………………」

春香「……して、欲しいの?」

美希「全力で見逃して欲しいの、お願いだから引かないで、退かないで」

春香「う、うん」

美希「べ、別にそういう趣味じゃなくて、誰からでも憧れられたいなってだけなの!」

春香「うん」

美希「ごめん出来るなら全部忘れて欲しいの」

春香「なら、美希のおにぎりが食べたいかなって」

美希「うっ……家で丹精込めて作った一つをくれてやるの!」ガサゴソ......サッ

春香「まいど~」ヒョイッ

15: 2013/11/07(木) 16:52:37.58

春香「んっ美味しい」モグモグ

美希「おにぎり3号っ……ミキが、ミキが不甲斐ないせいでっ」グスッ

春香「3号? 何個作ってきたの?」

美希「ざっと10個なの」シレッ

春香「ならもう一つ」

美希「ふっ……もう罪の分は支払ったからダメなの」ドヤッ

春香「クッキー」

美希「もってけ泥棒!」ウワァァァ

春香「あははっごめんごめん、冗談だから」

美希「笑えない冗談なの」

16: 2013/11/07(木) 17:05:26.37

春香「これ、具なしなんだね」

美希「具無しは最高なの」

春香「本音は?」

美希「ぐ、具なしでも最高なの」

春香「実を言うと?」

美希「鮭おにぎりが食べたいの」

春香「あははっだと思った」

美希「解ってるなら言わせる必要はないんじゃないかな?」

春香「ふふっそうだねぇ」

美希(春香の笑顔に免じて無罪放免なの)

17: 2013/11/07(木) 17:12:09.48

美希「ねぇ春香ー」

春香「んー?」

美希「はるるん」

美希「春香ちゃん」

美希「春香さん」

美希「天海さん」

美希「春香」

春香「な、なに?」

美希「……はるちゃん?」

春香「えっなに? なんなの急に?」

美希「みんなが呼ばないミキだけの特別な呼び方?」

春香「別に今まで通りでいいよ?」

美希「……そっか」

美希(春香は特別って意味なんだけどなぁ)

18: 2013/11/07(木) 17:19:00.70

P「おーい、美希、春香。行くぞー」


美希「仕事の時間なの」

春香「そうだねっ頑張ろう」

美希「春香の足引っ張ってあげるの」アフゥ

春香「わざと失敗するなら怒るよ?」

美希「怒られてみたいの」

春香「もーっ、みーきーっ」

美希「ファイアー!」バッ

春香「えっ?」

美希「ネスなの」

春香「うん?」

美希「大乱闘」

春香「ごめん、やったことない」

19: 2013/11/07(木) 17:28:12.22

―スタジオ―


美希「ミキ、手作りじゃないのはノーサンキューなの」

春香「ち、違うよ? ちゃんと手作りだよ?」

美希「ならなんでこんな売り物みたいな――」

春香「だって、今までみたいにひと箱にっていうのじゃもうダメだと思ったから」

美希「ぁ……ごめん」


ハイカットー


美希「結構ハードなの」

春香「あははっ今回は美希主役だもんね」

美希「でも、かなり悪い子の役なの……」

春香「美希は良い子だよ。それは私もみんなも解ってるよ」

美希「役の話だよ?」

春香「知ってるけど、知ってるけど!」

美希「えへへっ冗談。そう言ってもらえて嬉しい」ニコッ

春香「う、うん……」カァァ......

20: 2013/11/07(木) 17:36:09.14

美希「それよりお昼なの!」

春香「そうだね、やっと休憩だよ」

PM 15:43

美希「もう不規則だなんだって言ってられないの」

春香「そうだよねぇ……維持が大変で大変で」

美希「春香は太っても痩せてもダメなの」

春香「え?」

美希「その抱きつきたくなる体型のままでいて欲しいの」

春香「なにこれ、褒められてるの? 貶されてるの?」

美希「ううん、愛されてるの」ギュッ

春香「ちょ、ちょっと……」

美希「……真君みたいなイケメンアタックは無理なの」バッ

春香「あ、あはは。ははっ……はぁ」

21: 2013/11/07(木) 17:42:49.49

美希「いでよおにぎり連合軍!」

春香「もぅ、食べ物で遊んじゃダメだよ~」ヒョイッ

美希「阻止!」ガシッ

春香「ぐぬぬ」ググッ

美希「ぐぬぬ」ググッ

春香「ごめん冗談、返すから放して」サッ

春香「……で、実は今日、私もおにぎり持ってきたんだよ」ガサゴソ

美希「!」ピクッ

22: 2013/11/07(木) 17:45:09.93

春香「どうかな?」スッ......

美希「交換……する。と?」ジッ......

春香「ふふっ、嫌かな?」

美希「乗ってあげるの」ヒョイッ

春香「ありがと~」ヒョイッ

美希(どうせ美希のは全部具なしなの)

美希(つまり、このおにぎりに具が入っていてもなくても)

美希(ミキの勝ちは決まって――)

春香「ふふっ」ニヤッ

美希「!」

美希(ま、まさか……禁断の味なし!?)

23: 2013/11/07(木) 17:48:38.86

美希(お米本来の味のみなんて)

美希(炊きたて以外はノーサンキューなの!)

美希「は、春香……」

春香「どうしたの? 食べないの?」

美希(信じたミキの負けなの)

美希(思えば、春香はおかず入りの弁当箱が別にあるの)

美希「覚えておいて、これがミキの生き様ッ!」パクッ

春香「あっそんな一気に半分も……」

美希「ッ!」

24: 2013/11/07(木) 18:00:23.93

美希「こ、これはッ」

美希「ご飯本来の味に混ざって」

美希「ご飯のそれとは違う食感を持ち」

美希「絶妙な焼き加減と絶妙な塩加減を融合させた最高の味わい!」

美希「その正体は!」ジッ.....

美希「砂漠の中で口にする水一滴のように重要なオレンジ色の輝き!」

美希「まさしく……鮭なのーッ!!」


     \サケなのーッ/

       \なのーッ/


春香「あははっ、喜んで貰えたようで何よ――へ?」ガシッ

美希「春香はお母さんよりも好きなのっ! 大好きなの! この気持ち、正しく愛なのッ!」ギューッ

春香「い、いた、ちょ、美希、苦し……」

25: 2013/11/07(木) 18:09:19.55

美希「春香、どうして! どうして美希が望んでることが判ったの?」

春香「ほら、美希のお母さんって面倒くさがって塩握りばっかりって」

美希「い、言ったけど、鮭おにぎりが食べたいってことも愚痴ったけど――あ」チラッ

春香「あはは……」

美希「美希のため? 具有りおにぎりなのにおかずがあるのは」

美希「美希の塩おにぎりと交換して食べるため?」

春香「それもだけど……一緒に食べてくれるかなって」エヘヘッ

美希(春香は女神さまなの)

美希(崇め奉っても良いの)

美希(一瞬でも味なしと疑ったミキを殴ってあげたいの)

美希「春香……」

春香「ん?」

美希「春香をミキのお嫁さん候補ナンバーワンに認定するの」

26: 2013/11/07(木) 18:14:09.69

春香「え?」

美希「ミキは春香となら結婚しても良いよ?」

春香「な、何言ってるの?」カァァ.....

美希「あはっそれくらいに春香はミキにとって特別って事なの」

美希(危ないの……もし本気で言ってるってバレたら)

美希(危険人物扱いされちゃう)

美希(女同士の恋って報われないの……)シュン.....

春香「美希?」

美希「な、なんでもないの!」バッ

美希「お昼をさっさと終わらせるの!」

春香「う、うん。急がないとっ」

27: 2013/11/07(木) 18:25:01.61

\オツカレサマデシター/


―帰り道―


美希「もう夕方なの」

春香「でもこの時間で良かったよね」

春香「ドラマ撮影だからもっと長い可能性もあったし」

美希「うん」

春香「このあとオフだっけ?」

美希「うん」

春香「美希の家に行っても良い?」

美希「う……う~ん……」

春香「あははっ流れじゃダメかぁ」

美希「……良いよ。ミキの家に招待するの」

美希(そして縄につないで監禁するの!)

美希(と、出来もしないことを思ってみる)

28: 2013/11/07(木) 18:32:18.46


―ミキハウス―


美希「寛いでくれて良いの」

春香「じゃぁ遠慮なく、えいっ」ボフッ

春香「わぁっ気持ち良い布団~」ゴロゴロ

美希(ミキのベッドに春香の匂いが……)

美希(ミキ、明日は絶対に寝不足なの)

美希「あはっ。ミキのお気になの」

春香「さすがだね、眠り姫のお眼鏡に叶うなんて」

美希「褒めても出せるのは麦茶くらいなの」コトッ

春香「ありがと」ニコッ

美希「う、うん」カァッ......

美希(笑顔でおつりが出ちゃうの)

29: 2013/11/07(木) 18:37:22.57

春香「ねぇ美希」

美希「なに?」

春香「ちょっと大事な話」

美希「え?」

美希(もしかして)

美希( こ く は く ! ? )

美希(なんて夢みたいなことあるわけないよね)

春香「美希は女の子同士が恋することどう思う?」

美希「それは……おかしい、かなぁ?」

春香「あははっ、それはそっか」

美希(いえない、恋してるなんて)

美希(言えるわけない、春香が好きだなんて)

30: 2013/11/07(木) 18:43:05.11

春香「私ね?」

美希「うん」

春香「美希が、好きだよ」

美希「えっ」

春香「休憩で抱きつかれた時なんてドキドキしたし」

春香「好き、大好き、愛してるって言われて嬉しかった」

美希「……………」

春香「でも、普通じゃないし、おかしいから。忘れようと思う」

美希「忘れる?」

春香「うん、美希へのこの気持ちが友達としてのものになるようにしたい」

春香「だから、もう私に抱きついたり、好きとか愛してるって言うのは止めて」ポロッ....

美希(春香、泣いてる?)

31: 2013/11/07(木) 18:47:49.35

春香「だって報われるわけがない」

春香「あっちゃいけないことだもん」

春香「なのにこのままずっと近いなんて苦しいよ」

春香「だから――」

美希「ヤなの」

春香「え?」

美希「ヤなの! ミキは抱きつきたいし、好きって言いたい!」ギュッ

春香「み、美希!?」

美希(春香が勇気を出して言ってくれてる)

美希(でも、これは別れの言葉)

美希(なら、ミキが答えて結果を変えるの!)

32: 2013/11/07(木) 18:54:19.40

美希「ミキも春香が好き」

春香「それは」

美希「違う。春香と同じ好き!」

春香「え……?」

美希「だから、報われるの」チュッ

春香「んっ」

美希(美希の恋も)

美希(春香の恋も)

美希(報われる!)

33: 2013/11/07(木) 18:58:45.65

春香「んぅ……」

美希「んっぷはっ」

春香「はぁっはぁっ……み、美希……」

美希「春香……今日、泊まって行って」

春香「……良いの? おかしいよ? 間違ってるよ?」

美希「あはっ。ミキたちが間違いだっていう方が、間違いなの!」

春香「あははっ……美希がそう言うなら、私……うん、泊まって行こうかな」

美希「春香、大好き」

春香「私も好きだよ、美希」

美希「もう一回、して良い?」

春香「……うん」

スッ………


目覚まし「起きてー、ほら。美希。あと5分とかダメだよ?」


春香「えっ?」

美希「あっ、タイマー切り忘れてたの!」

春香「なにそれ、ちょっ美希!」

美希「うわーん、世界は意地悪なのーっ!!」

34: 2013/11/07(木) 19:01:53.85

スレタイに始まりスレタイに終わる


みきはるわっほい!

はるるん愛してる

35: 2013/11/07(木) 19:17:40.38
ん? おい続きはどうした!

36: 2013/11/07(木) 19:20:58.44

やはりはるみきはいいな!(ツヤツヤ

引用元: 春香「起きてー、ほら。美希。あと5分とかダメだよ?」