1: 2015/04/11(土)23:54:47
男「夜までかかってしまったが、引越しの片付けも終ったし今日からこの部屋で新生活の始まりだ」

少女霊「ふふふっ、私はこの部屋に住み着く、いや住み憑く女子高生自縛霊。ここは私の部屋なのだ! 今日越してきたこいつも今までの住人と同じように、すぐに追い出してやぞっ」

男「引越し作業で汗掻いたな、風呂にも入るか、えーと石鹸とタオルはと」ガサゴソガサゴソ

少女「おっ、どうやらこの男、お風呂に入るつもりか、ちょうどいい髪を洗っているところで後ろから現れて脅かしてやるぞ!」

2: 2015/04/11(土)23:55:34
――お風呂場
男「今日のあの番組面白かったな~ドゥルルルルン、デゥルルルルン、デゥルルッル、デゥルルルン♪」(鼻唄)わしゃわしゃわしゃ

少女霊「洗ってる洗ってるって、世にも奇妙なテーマを鼻唄で唄うなんて、中々にくい演出をするな誘ってるのかこいつは。まぁいいわ、そうやってデゥルルルしてられるのも今のうちだぞ。頭を洗い流した後に鏡に映って怖がらせてやるっ」

男「さてと、シャワーシャワーと」ジャージャージャー
男「ふうっさっぱり」

少女霊「今だ、さぁ慄け、恐怖し、私の部屋から立ち去るのだ!」ドロンっ

男「ふうっああ良い湯だな」ざぱーんっ

3: 2015/04/11(土)23:56:31
少女霊「あれ?」キョロキョロ
少女霊「あれあれ? あーれー? ちゃんと写ってたよね? 鏡にこの男の横で白い顔で睨んでる私の顔が。おっかしーな鏡見なかったのかな? クソぉー運の良い奴めっ。まあいい、部屋に戻ってから私の真の恐ろしさを教えてやるのだっ!」


少女霊「ポチっとな。ふふふっ、まずは手始めに消えていた筈のテレビの電源が付いているという恐怖からだ! おっどうやら風呂から上がったみたいだな」

5: 2015/04/11(土)23:57:52
男「さっぱり、すっきりっと!?」

少女霊「ふふふっ、あの顔どうやら気づいたようだなっ、さあ改めて慄け恐怖するのだっ」

テレビ『今ならこのブレスレットが高枝切りバサミと低反発枕を付けてお値段なんと――』

男「思い出した思い出した」手をポンっ 
男「一人暮らしするって言ったら婆ちゃんがお守りにくれたミサンガがあったな。まったく婆ちゃんたらほんと昔の人だな~こんな迷信を信じてるなんて、まあ折角くれたんだし、お洒落だから右手首に着けとくか」

少女霊「」ズッコケっ
「テレビ!! テレビ付いてたでしょ!!」ビシっ(指差し)
「独りでに! 勝手に! 心霊現象とはまさにこのことだったでしょ!! なんで気づかないの! バカなの? 氏ぬの?――はあ、はぁ、はぁ、はぁ!!」

7: 2015/04/11(土)23:58:46
男「腹も減ったし、今日は簡単にカップラーメンでも食べるか」

少女霊「はいはい、もう分かりました。ここまで私をコケにしてくれたのはあんたが初めてだ」

男「いただきまーす」ズルズルズルっ

少女霊「手加減しないからね、泣いて謝ったつてもう許さないんだから。遠回りに責めるのはもう止めにする」

少女「ブレーカーオフ!!」パッ
   「ふはははっ、この男が照明を点けたときに目の前にその姿を現して、怖がらせてやる。いや、現れるだけでは私の気持ちは治まらんっ! 今すぐ立ち去らなければ呪いごろ゛ずぞぉぉぉぉぉぉぉ!! くらい言ってやろう」

10: 2015/04/12(日)00:00:08
男「ん? なんだ停電か!?」ズルズルズルっ

少女霊「まずは喰うのを止めんか!!」

男「いや、外の電気は点いてるみたいだからこの部屋だけか。ブレーカーが落ちたのか? 困ったなブレーカーの場所なんて知らないし」

少女霊「ふふふっ困ってる、困ってる。さあどうするどうする?」 

男「仕方ない、ベッドはすぐ後ろだし、これ食べ終わったらすぐ寝るか」

少女霊「はぁぁぁー!? ブレーカー上げなさいよ、いやもう懐中電灯とかでもいいからさぁ! 視界を確保してぇ! 私が今ブレーカー上げに行ったら、点いた瞬間にあんたの前に現れられないでしょ!! 少しは空気を読んでー!! 私の気持ちを考えなさいよ」

男「ちぇっ、今日は深夜の映画を観ようと思ってたんだけどしかたないな」

14: 2015/04/12(日)00:02:00
少女霊「だったら面倒臭がらずに早よブレーカー探せ! ――――待て、熱くなるな私、もっとクールになるのよ。
もう演出なんてどうでも良い。私のような低級自縛霊が人前に出たり声を出したり、物を動かしたり出来る時間は
霊力を凄く消耗するから限られてるし、もういっそ明るくても目の前に現れて怖がらせてやろう。うんそうしよう。いくらこいつが鈍くても、いきなり
目の前に幽霊が現れて呪い゛ごろ゛ずぞぉぉぉぉ!!って言えば怖くなって裸足で逃げ出す筈だ」

15: 2015/04/12(日)00:02:37
少女霊「ブレイカァァァーオン!!」パッ

男「おっ点いた」

少女霊(よし、テーブルの上に乗って真正面から覗き込むようにっ!)
少女霊「す゛ く゛ に゛ 立 ち゛ 去 れ゛ 呪い゛ ご  ろ゛ す゛ そ゛ぉぉぉぉぉぉ」 

男「…………」ズルズルズルズルっ

少女霊「………………………………………………………………」

男「やっぱりラーメンは醤油より味噌だよなぁ」

少女霊「う、うんん、ごほんっ。あーあーあー」
   「す゛ く゛ に゛ 立 ち゛ 去 れ゛ 呪い゛ ご  ろ゛ す゛ そ゛ぉぉぉぉぉぉ」

男「…………」ズルズルズルズルっ
 「ぷはっ、ああ美味しかった」

少女霊「完食してんじゃねぇよ。はあ、はあはあ、はあ。私霊力使って今普通の人にも見えるようにしてたのに、はぁはぁはあ」
目の前で腕をブンブンブン

16: 2015/04/12(日)00:03:43
幽霊少女「反応がない。クソぉ」

男「あと、少しで映画が始まるな」

少女霊「もしかしてこいつ――霊能力者ならぬ0能力者?  霊能力0の霊能力者? こちらからどんなにアプローチをしても見えない、聞えない、そして――」スカっ

少女霊「触れないという」スカスカっ
  「マジで触れない、ビンタが出来ない。霊力込めてるのに……こいつの着ている服にも触れないという身体から霊力を打ち消す力が出ていると考えるべきか――まったく! どっちが幽霊なんだか、これじゃどうしようもないっと普通の霊なら思うところかもしれないが」

少女霊「大丈夫、落ち着け私。まだ打つ手がない訳じゃない。私にはまだポルターガイストがある!」
    この漫画ばかりの本棚の本を一気に床に落とせば、さすがにこの部屋は異常だとこいつも気づくだろう」

19: 2015/04/12(日)00:05:22
少女霊「さあ、行くぞ12の3ッ!」ドサドサドサドザドサドサ!!
    「ふははははははっはは、こんな風に不自然な本の落ち方を目の当たりにすればいくらなんでも幽霊の存在に感づく筈、さて男はどんな顔をしているかな」チラっ

男「おっ、音が止んだ」
 テーブルの下に隠れていた男。

少女霊「はぁ、はぁ、はぁははぁ、はぁ。もっと良く見ろよ、目撃しろよ! してくれよ!」

男「なんだ地震だったのか? せっかく並べたのにまた本棚に入れ直さないとな」ガサガサ

少女霊「目の前に居るのに殴れない。辞書で殴ろうかと思ったけど、私の霊力じゃ精精スイッチを押したり、
本を落としたり、ペンを持つくらいしか物理干渉できな――! ペン? そうよ! 頑張ってペンを持ってこいつの目の前で書けばいいのよ!
 なんでこんな簡単なことに気づかなかったんだろ」

21: 2015/04/12(日)00:06:29
少女霊「ともあれば膳は急げよ。紙とペンをテーブルの上に用意してと」

男「ふう、本棚整理終了っと」パンパンっ
 「!? ペンが勝手に動いてる!? な、なんだこれは一体!! 糸なんかも付いてないぞ!!??」

少女霊「ぐぬぬぬぬっはぁぁぁ~、やった驚いてる驚いてる!! って喜んじゃ駄目よ私少しでも集中力が途切れたら、すぐペンが持てなくなるっ」

男「ペンが独りでに紙に文字を――『い』『い』『か』『げ』『ん』『に』『き』『づ』『け』」
男「いいかげんに気づけ? ま、まさか、そんなでもこんな超常現象は他には説明付かない」

少女霊「うんうんうん、そうだよそう。ようやく気づいてくれたんだな」うるうるっ

22: 2015/04/12(日)00:07:47
男「ま、まさか俺にサイコキネシス、念動力があっただなんて」

少女霊「」ぽかーん

男「『いいかげんにきづけ』つまり俺自身の能力にそろそろ気づけと能力自体が教えてくれたということか。ふっ、なんで今までこんな凄い能力に気づかなかったんだ」

少女霊「厨二病も大概にせぇ!!」ビュっスカ
 「あああああ、殴りたいのに殴れない! 殴りたいのに殴れないぃぃ!!」

男「よし今度は自分の意思でやってみよう。ペンに意識を集中させて手から気を送るように、ふんっ!! ふんんぅぅぅぅ! あれ動かないな。もっと軽い物で試すか、えっとじゃぁあそこのティッシュの箱から一枚を取って、よっと」ムニ

23: 2015/04/12(日)00:09:33
少女霊「ひぃっ、あわわわわっ、えOちょっ、なんで」

男「なんか右手に変な感触が――」

少女霊「なんでこいつ私の胸触ってんのよ!? 触れんのよ!?」

男「壁?」

少女霊「」ピシ

男「あれ? 消えた? 結局なんだったんだ」
   
少女「あー、あれかあの右手首に着けたミサンガの影響で、右手だけ霊体を触れるっということか……
もう嫌だ、嫌だ、嫌だ。頑張ってるのに怖がるどころか全然私の存在に気づいてくれないし、胸揉まれちゃったし、
それなのに壁なんて言われるし。私自縛霊だからこの部屋から出れないんだよ。
このままじゃこんな奴と何ヶ月も何年も一緒になっちゃうよぅ」

26: 2015/04/12(日)00:10:05
携帯『プルルルル♪』
男「おっ電話だ」ピっ
  「もしもし? ああ×太か――うん、引越し終わったよ――ほんとだって、ほんとに念動力でペンを動かしたんだって――今はできないけど――疲れてて寝ぼけて書いたんじゃないかって――まあたぶんそうだろうな――うんまた今度な」ピッ


少女霊「電話――そうだ友達のメリーちゃんにこいつを追い出して貰おう」
   「まずはこいつから携帯をこっそり奪って、と」コソコソコソ

電話『ピポパ♪ プルルルルル』
メリーさん「はい私メリー今」

27: 2015/04/12(日)00:11:10
少女霊「メリーちゃーん」ぐずぐす

メリーさん「少女霊ちゃんじゃないどうしたの」

少女霊「あのね――――――って訳なんだよ。低級自縛霊の私は存在してることも分かってもらえないの、だから」

メリーさん「しょうがないな~どうやらその人は珍しい性質を持ってるみたいだけど上級霊の私にかかればイチコロよ」

少女霊「さすがー頼りになるわ」

メリーさん「まっ大船に乗ったつもりでいなさいよ」

28: 2015/04/12(日)00:12:08

~数分後~
携帯『プルルルル、プルルル』
男「また電話か、誰だ? 非通知? おかしいな非通知は着信拒否にしてるはずなのに」

少女霊「着信拒否をしている携帯に簡単に電話を掛けれるなんて、さすがメリーちゃん、私にできない事を平然とやってのけるそこに痺れる憧れるっ」

男「通話終了と」ピッ

少女霊「………………」

男「非通知の相手をすると面倒な事になるからな」

29: 2015/04/12(日)00:12:53
電話『プープープープー』
メリーさん「この人、そんなことで上級霊のメリーを攻略できると思ってんるのかな舐めないでほしいな。リダイヤルリダイヤルリダイヤルっ!!」

携帯『プルルルプルルル』
男「またかよ、はい、終了終了、通話終了。あれ? 電話切れないな?」

30: 2015/04/12(日)00:13:36
メリーさん「私メリー」

男「えっなんだって? 画面いじってたから聞えなかったぞ」
メリーさん「」イラっ
「『わ』『た』『し』『メ』『リ』ー!」

男「和田しめじ? 随分変わったお名前だね」

メリーさん「メリー! 私の名前はメリーです!!」

男「今度はちゃんと聞えたよ。和田メリーちゃんか」

メリーさん「苗字はないの!!」

男「あっ、内野メリーちゃん!」

電話『プープープープー』
男「あれ? 切れちゃった。なんだったんだろう? 間違い電話だったのかな?」

31: 2015/04/12(日)00:14:32

メリーさん「やばい泣きそう。上級幽霊としての自信と尊厳が……」

少女霊「ちゃんと声は聞えてるみたいだけど、メリーちゃん大丈夫かな……」

電話『プルルルル』
男「はいもしもし? 内野メリーちゃん?」

メリーさん「わたしメリー。今あなたの街の駅に居るの」

男「女の子がこんな晩くにどうしたの? お父さんとお母さんは――」プープープー
 「切れちゃった」

少女霊「そうだメリーちゃんわざわざこいつの口車に乗らなくてもいいのよ」

33: 2015/04/12(日)00:15:39
携帯『プルルルル』
男「もしもし?」

メリーさん『今あなたのアパートの前に居るの』

男「えっ、このアパートって駅から徒歩1分だったの!? し知らなかったーそんな良い立地だったなんて」


メリーさん「徒歩だと25分だよこのバカ!!」プツンっ

少女霊「あ~ツッコミ我慢できなかったんだ」

男「また切れた、たくっなんなんだこのイタズラ電話は」プープープー

36: 2015/04/12(日)00:17:01
メリーさん「わたしメリー今あなたの部屋の前に居るの」プツン

男「たくなんだよもう深夜1時を回ってるのに――深夜1時あっそうだ観ようとしていた深夜映画っもう始まってるじゃん、くそー途中からでいいか」リモコンピッ
男「なんだCMかよ」

少女霊「なんて危機感のない奴なの。メリーちゃんがすぐ玄関の前まで来てるのに。
まあいいわ、今お気楽な分だけ恐怖による反動が大きくなる筈。この男の顔が恐怖に変わる瞬間を
この男の背後でメリーちゃんと一緒に見させてもらうわ」

37: 2015/04/12(日)00:18:25
電話『プルルルル』
男「またかよ~」ピッ
「はいもしもし?」

メリー『私メリー今あなたの後ろに――きゃっ!?』

男「後ろ?」クルっ

メリーさん「痛ったたたたっ。なっ、なんで少女霊ちゃん、男の後ろに居るのよ!? 思いっきりぶつかっちゃったじゃない」

少女霊「だっ、だってこの男の怖がる姿が見たくて」

男「二人とも一体どこから入って来たんだって、ああそういえば、玄関鍵閉めてなかったな」

少女霊「わ、私の姿が見えてる!? そうかメリーちゃんの霊気の影響か、って」

38: 2015/04/12(日)00:18:56
メリーさん「痛たーい」ビシ
少女霊「痛った」ビシ

男「勝手に人の家に入ったお仕置きのチョップだ、あっ」パっ

少女霊「さ、さすがメリーさん何も触れることなく、照明を消せるなんて。今なら私もこの男に見えてる訳だし、二人でこいつを驚かそう!」

メリーさん「えっ? わたし照明なんか消してないけど」

テレビ『ザーザーザーザー』
少女霊「なんで急にテレビにノイズが」

41: 2015/04/12(日)00:20:00
メリーさん「今度は古井戸が映ったけど」

少女霊「これって」
メリーさん「これって」

メリーさん「キャーキャーっ」ドカドカドカ

少女霊「ちょっとメリーちゃんどこ行こうとしてるの!?」ガシ

メリーさん「やめて、ワンピースの裾を離して、お願い離して!! あれ超有名な呪いのビデオでしょ! 最上級のお化けさんだよ、つまりこの男は貞子さんの獲物じゃない、下手に手を出したらわたしまで呪い殺されるぅぅぅぅぅ」バタバタバタバタっ ガタン

少女霊「あっ、待て私この部屋の自縛霊だから逃げられないのよ!! 一人で逃げるなんてあんまりだぁぁぁぁ!!」

45: 2015/04/12(日)00:21:28
男「おい、廊下は走るな、ドアはそっと閉めろって、帰っちゃったな」

テレビ「あ、あ、あ゛あ゛あ゛」
少女霊「まずまずいまずい近くなってる近くなってる、来る来る来る来るっもうすぐきっと来る絶対来るってあれ? テレビから出てこない?」

男「まったくそんなに怖がらなくてもいいだろ。ただの深夜放送のホラー映画なのに」
  「まっ、しかたないか。小学生の女の子みたいだったしな」

少女霊「あっ、確か今日こいつ深夜映画観たいって言ってたっけ?」

男「はぁ前住んでた部屋から持って来た蛍光灯が切れちゃったな、えーと蛍光灯はどこにしまったっけ?」ガサガサガサガサっ

46: 2015/04/12(日)00:22:57
男「そういえば、ワンピースを着た女の子と一緒に居た制服を着た女の子もいつの間にか消えたな、あれはなんだったんだ? うーむ不思議だ」

前略、今だ存命しているだろうママ、パパ。
 あの夜の一件以来メリーちゃんとは音信普通となり、この男との最悪な共同生活が始まりました。
あれから私の頑張りによって、どうやらこの部屋には宇宙人が住んでいるのではないかと思われるようになったことが最近の進展です。
どうにかこの男に私の存在を知ってもらい、早く成仏ができるよう頑張りますのでどうか見守っていてください。
 
       おわり

48: 2015/04/12(日)00:23:52
読んでくれた人ありがと!
詰まらなくてごめんな!!

66: 2015/04/19(日)20:46:22
第2話
男「狭苦しいところだけど上がってくれ」八尺様「ぽぽっ」少女霊「早゛く゛出゛っててぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

67: 2015/04/19(日)20:48:06
 放課後の高校の教室
後輩「ふむ。つまり引っ越してから部屋で変なことが起こる。そういうことなんですね。先輩」

男「そうなんだよ、照明が消えたり、点いたり、知らない女の子が部屋に居たり、寝ぼけて念動力者になる夢を見たりといろいろなんだ」

後輩「女の子が部屋に居る? その辺りをじっくりとお聞かせ願いたいなぁ、どんな顔のどんなおっOいで、どんなお尻をしていたのか是非とも詳細を聞かせてくれませんか?」

男「そうだな、一人は金髪の西洋人形みたいな口リっ子で、もう一人は女子高生だったなおっOいこういうちっぱいで、お尻をこんな形の――って。なんでこんな話しになっているんだよ。お前はレズか」

後輩「ボクはレズではないぞ。ただ男よりも女の子が好きなだけさ。たまに自分の身体にさえ興奮してしまうほどにね」

男「病院へ行きなさい」

68: 2015/04/19(日)20:50:03

 キーンコーンカーンコーンっ。
後輩「おや、もう部活が始まる時間だ。ボクはちょっとこれから健康的な工口い陸上ユニフォームに身を包み走ってきます。ボクのちっぱいボディを見たかった是非校庭へ足を運んでみてください。
なんだか先輩だったら見せてもいい気がするんです。ではアディオスっ」
 そう言って後輩はショートヘアの髪をなびかせ元気よく我がクラスの教室かせ飛び出して行った。

男「なんだかんだいつの間にやら話す仲になったが、変な後輩だな」
 その後、教室を後にした僕は少し歩きたい気分だった為、校庭を一周してから下校することにした。

69: 2015/04/19(日)20:50:47
 帰り道。
「…………やっぱりなにかがおかしい。そんな気がする」テクテクテクテクっ
コロコロコロっ
男「なんだこの白い帽子が転がってきたぞ?」

中学校近くの道
八尺様「ぽぉぽぽぉ……」ぐぐぐぐぐっぅぅ

男「? パントマイム?」
  下校途中。とある中学校の近くの道に
男(見えない壁と奮闘している、白いワンピースを着た大きな女性が居た)

男「大道芸の方かな?」

八尺様「ぽぉっ、ふぬぬぬぬっ。あと少しでショタっ子いっぱいの校庭が見えるのに……ぽぽぼっ」ぐぐぐぐぅぅぅ

男「凄いパントマイムだ。まるで本当に見えない壁に行く手を遮られているような――」

70: 2015/04/19(日)20:52:55
八尺様「はあはあ、はあはあ、はあはあ。やっぱり駄目です。そこにあるお地蔵さんの所為でこれ以上先に進めません。はぁぁ、第二次成長期ショタっ子達の部活風景を見たいのに。おへそチラ、とか、短パンの裾からのパンチラ、とか、飛び交う汗、とか、見たいのに……はぁ」しゅんっ

男「あの……」

八尺様「ぽぉいっ!?」

男「これ、あなたのですか? そこ落ちてたんですけど」すっ 白い帽子

八尺様「ぽぽっ、頑張りすぎて落としたことに気づきませんでした。ありがとうござい――――ポォォォオオポポポポポポポポォォッッん!?」

男「?」

71: 2015/04/19(日)20:54:29
八尺様「ワ、ワタシのこと見えてる!?――(ハッ そうかさっきまで結界を筋力で無理やり抉じ開けようとしていたときに、妖力が漏れてたのかな? だからワタシが見えるように――ってあれ?)じとーっ

男「…………?」

八尺様「あ、アナタはワタシの事を見て怖くないんですか? こ、こんな大きいんですよ」スラ―――――――っ。(2m40cm)ドォン!

男「いや背が高いだけで怖がったりはしませんよ。むしろ僕に身長を分けて欲しいくらいですよ」

八尺様「なんて純粋な子なの」ズキューンっ!


男「はいどうぞ」スっ 帽子

八尺様「ぽーぽー」////ポッ

72: 2015/04/19(日)20:56:02
男「それじゃあ、頑張ってくださいね~」テクテクテクテクっ

八尺様「ぽー、童顔で可愛い子だったなぁ」ニヘラぁっ
「ん?」ちゃりんっ
八尺様「なんで帽子の中に小銭が? あっ、一応ワタシ土地神の亜種だし、つまりコレってお賽銭!? わっ、お賽銭なんてもらうの初めてです! あっ、でも、お願いを聞きそびれちゃったぁ」しゅんっ

八尺様「…………あの子の家はこの結界の向こうですか。邪魔ですねこれ、本当に邪魔です」ゴォォォォォォォ
八尺様「『愛』とは『壁』を乗り換えること。しかし時には乗り越えられない壁もあるかもしれません。ならばブチ破ればいいのです」

結界『ドォン!』パリッ

お地蔵さん「!?」ビクビクっ

八尺様「ぽぽほ、ふっ、全妖力を拳に集中させ殴って、ようやく結界の薄皮が一枚剥がれただけですか、とても強固な結界ですね。ワタシの拳の皮も一枚剥けたので、お合いこといったところでしょうか、ポッポッポ」

八尺様「結界が壊れるのが先か、ワタシの妖力が尽きるのが先か勝負と行きましょう!! ポポポォォォォォォォォィィィィ!!」

結界『ドォカン! ドガァン! ズガァン! ガァツン!』

73: 2015/04/19(日)20:58:27
深夜のアパート
洗面台の鏡の前。
少女霊「むむむっ。白い顔、丸い眼鏡、長い黒髪、着崩しのない制服。生前の記憶がほとんどない私だけど、 こう改めて自分のことを推理してみると、どうやら私はマジメ優等生だったみたいだな」

居間
少女霊「あんたはどう思う?」

男「」
漫画ペラペラペラペラ

少女霊「って聞えてるわけないか。たく、こいつそんなに常識無いようには見えないのに、なんで幽霊に気づかないかなぁ? メリーちゃんが泣き帰った後も私なりに努力したのに一向に怖がるどころか、気づく事さえなかったし、やはりバカか」

男「」ペラペラ
 漫画を読む男 

少女霊「ちょっ、ページ捲るの早い! もっとゆっくり! ってそこは早く捲れお経が視界に入って気分が悪い! ちょっwww ぬーべーがまる子ちゃんにwww」

男「…………」ペラペラペラ
少女霊「…………」
 

インターホン『ピンポーンっ』

74: 2015/04/19(日)20:59:54
男「ん? こんな時間に誰だろう珍しいな」

少女霊「ちっ、いいところで。誰だいったい、こんな深夜に非常識な奴だな」

男「ハイハイ今開けますよ」ガチャっ
 「? 白い壁?」

八尺様「ぽぽ。あ、あの、上です上。えっと、こんばんはです」

男「あっ、あなたは今日の帰り道であったお姉さん」

八尺様「は、はい。覚えててくれたんですね。えっと、お、お願いを叶えに来ました!」


76: 2015/04/19(日)21:02:49
少女霊「誰が来たんだろう?」チラッ

八尺様「ぽっぽ」

少女霊「!? ちょっええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!! 何あれデカっ、アンドレ・ザ・ジャイアントよりでかいんじゃないの!? って妖力すっご!、なんで見えちゃう闇の住人出迎えてようとしてんのよ!?」

男「はぁ、立ち話でもなんですから、どうぞ中へ」

八尺様「はい、ぽぽぽっ」

男「あっ、ちょっと靴のまま上がらないでください」

尺八様「あっごめんなさい。ワタシ、あの……こんな風に誰かの家に上がることなんてなかったから」

男「もしかして今まで海外暮らしだったとかですか? 背大きいですもんね。分かった! 肌も白いし、両親のどっちかが外国の人なんでじゃないですか?」

少女霊(ち、違うでしょ! あの白さ血の通ってない白さでしょ!)

八尺様「ま、まぁ、そんなところです、ぽっぽ」

少女霊「嘘吐くなや!! ってこっちくる、ど、どうしよ、なんか怖いよあの人――じゃない化物」あたふたあたふた
「とりあえず押し入れの中に隠れよう」ガタっ

77: 2015/04/19(日)21:04:54
テーブルを挟んで向かい合って座り、
男「それにしてもこんな時間にどうしたんですか?」

八尺様「えっと、あなたのお願いを叶えに来ました」

男「お願い?」

八尺様「はい、ぽぽっ。お金も前払いでいただきましたし。でもワタシこういう(神様の)仕事をするのは初めてで上手く出来るか分かれませんけど、あの、頑張ってあなたのご要望を叶えるようにするので努力しますので、よろしくお願いします、ぽぽぽ」

少女霊(えっ、えっえっ?? 初めて? お金? ご要望? いったいなんの話しをしているんだこの二人は?? )

男「そんな気を遣わないで下さい。でもせっかく家まで来てくれたんですからじゃぁ今からお願いしていいですか?(どんな大道芸を見せてくれるんだろう)」ワクワクっ

男「楽しみだなぁ、まずは何してくれるんでしょうか?」

78: 2015/04/19(日)21:08:04
少女霊(ナニをしてくれるんでしょうか? えっナニってあれのことだよね? あのあれ……この男こんなデカ女と今からヤルつもりなの!? 
ちょっどんだけストライクコース広いのよ!? 牽制球打ち返すくらいの暴挙よ!?…………も、もしかして、これが、あ、あの、で、デリバリー、
ヘルなんとかってやつ?  おいおいおいくらなんでもバカすぎるだろ男!? お前意味分かってないんじゃないのか? このままだとお前がデリバリーされるぞ!
 ヘル(地獄)にデリバリーだぞ! 食べられちゃうぞ色んな意味で!! いいのかそれで!?)

八尺様「えっあの何かこうして欲しいとか、具体的なお願いはないのですか? ぽぽ」

男「余りそういうのには(大道芸には)詳しくないのでお任せでお願いします」

八尺様「そうですね。ワタシが出来ることといえば――ちょっと失礼しますね」ガラっ

79: 2015/04/19(日)21:09:06
八尺様「窓を開けてと」キョロキヨロキヨロっ

八尺様「ぽぽぽぽっ。みーつけました」ニヤァ
「ぽぽ。伸びろワタシの腕」グーーーーーーンっ

街を徘徊中の妖怪
垢舐め「げぇへへへへっ、今日はどの子の垢をペロペロちゃおうかな。おっなんだあれ? 流れ星? いや腕?」
垢舐め「ん? 頭に」ガッチリっ
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁぁあああああああぁぁぁあああああああああああああああああ」

八尺様「とまぁ、こんな感じ捕まえてですね。ぽほ」////

垢舐め「あのスミマセンスミマセンほんまスミマセン頭メキメキしてるんですけど、垢ん垢ん垢ん垢ん!! ワシの頭が熟れた柿のように弾ける! 弾ける!?」

男「おーこれは凄い(手品で腕が伸びたと思いきや、今度は人間の頭を鷲掴みにしているかのようなパントマイムだ)←低級妖怪なので見えてない

80: 2015/04/19(日)21:09:52
八尺様「こ、こうやって殴ります」//// ドガ!ドォガ! ドォガン!! ドゴオガ!!

垢舐め「ぶぇ! ぎゃぁ! ヴァ! ヒデブァ!!」

八尺様「ワタシの愛する人が住む街でアナタのような厭らし汚らしい低級妖怪は居てはいけないんです。だからお願いします、すぐに立ち去ってください。さもないと消しますよ?」ニコリ

垢舐め「…………ふぁ、ふぁい……い、今すぐにでも去ります。去らせてくださいお願いします」

八尺様「わかりました。あなたの願いも叶えましょう」にこりっ

垢舐め「えっ?」

八尺様「思いっきり、振りかぶって――投げます!!」ビュン
 
垢舐め「ぎゃぁぁあああああああぁああああああああ!!」
 妖怪垢舐めは満天の星空の中に消えていった。

八尺様「こんな風に悪い人達からあなたを護ることが一番得意です」くるっ

81: 2015/04/19(日)21:11:52
妖怪垢舐めの悲鳴が聞えてから、一部始終を押入れの襖の隙間から見ていた少女霊。
少女霊(なに、変な妄想してたのよ私は、)ガクブルっガタガタガタっ
   (こないだメリーちゃんが落としていったスマホで調べたらあいつ八尺様とかいう都市伝説の化物じゃないのよ。
あんなのに敵認定されたら一発KOされる。消されて終る。ここは土下座でもしながら華麗に登場して敵意がないことを証明したほうがいいかも、ぁぁあでも私のピライドがぁぁぁ!!)ビクビクビクっ

男「素晴らしい(パントマイム)ですね」ぱちぱちぱちっ

八尺様「ぽっ本当ですか」////
   「あ、あなたにそんなことを言って貰えてワタシは本当に嬉しいです。それはそうと男さん?」

男「はいなんですか?」

八尺様「この部屋に女の子ってよく来ます?」

82: 2015/04/19(日)21:13:09
男「僕は友達自体少なくてね、この部屋に女の子を入れたことなんてないんです。あっ、でも一度だけ金髪の口リっ子と女子高生に不法侵入されたことがありましたね」

八尺様「不法侵入ですか……許せませんね、男さんの迷惑をかけるなんて。他には変なことされてませんか?」

男「そうですね、それと関係あるかどうか分かりませんが照明が点いたり、消えたり、本棚の本が急に倒れたりとなんだか最近変なことが起こるんですよ」

八尺様「へぇ~そうなんですか。それはお困りでしょうに」キョロキョロキョロっ

蛍光灯『パッ』

男「あれ、また蛍光灯が消えた」

83: 2015/04/19(日)21:14:34
八尺様「男さん、どうやら今回はただの蛍光灯が切れただけみたいですよ」

男「そうなんですか。もう買い置きがないからちょっと買いに行って来ますね、すみませんが留守番お願いしてもいいですか?」

八尺様「ぽぽっ。もちろんです」ニコニコっ

男「じゃあ行って来まーす」ガタンっ

八尺様「さてと、この部屋――女の匂いがしますね」くんくんっ

少女霊(んゥぅーーーー(泣) み、見つかる……呼吸を殺せ、気配を殺せ私、って氏んでる私!)ぶるぶるぶふるっ

85: 2015/04/19(日)21:16:07
八尺様「今は片想いでも、この恋を成就させる為に邪魔物は排除しなければ」

少女霊(邪な魔物はあんたよ! あんた!! 私はあんたの霊圧のせいで肩重いわ!! なんていうドロドロな恋愛感情なのよ!)

八尺様「三秒待ちます。三秒以内出てきてください。さもなくばあなたを見つけ次第消してあげましょう」

少女霊(ど、どうする)ドクンっドクンっ

八尺様「さーん、にーい、いーち――」

少女霊「…………」すうっ

八尺様「これまた随分貧相で地味めな子が出てきましたね」

86: 2015/04/19(日)21:17:14
少女霊「別にあいつのことなんてどうなろうと、知ったこっちゃないから。煮るなり焼くなり好きにしたらいいじゃな――」

八尺様「男さんの悪口を言うことはワタシが許しませんようぅぅ!」胸倉掴んでぶんぶんぶんっ

少女霊「ちょっきゃぁぁぁぁああああああ!!」ぐわんぐわんっ

八尺様「これからアナタに質問します。簡潔に正直に答えてください」
    「あなたと男さんの関係は?」

少女霊「関係なんてなにもないわよ! 私の部屋にあいつが居候してるだけよ!!」

87: 2015/04/19(日)21:18:35
八尺様「肉体的関係を持ったことはあるんですか!?」

少女霊「あんたの目は節穴!? 私の肉体あるように見える!?」

八尺様「し、しかし、頑張ればできないことはないでしょう!?」

少女霊「じゃあ膜あるか確認する!?」パンツ ちょっとずりっ下げ

八尺様「是非お願いします! そのほうが安心できますので。ぽぽほっ」パンツ ガシっ

少女霊「軽い気持ちで言ったのに!! そこまで言うなら本当のようですねって言うところでしょそこはぁぁぁ!!(泣) ちょっ、マジで脱がさないで!」ズルズスルズルっ

88: 2015/04/19(日)21:19:42
玄関『ガタンっ』
男「WaWaWa忘れ物~♪ サイフ忘れたってあれ照明付いてる?」


八尺様「ぽぁっ」
少女霊「あっ」
 
男(乱れた服の女子高生。その上から馬乗りになっている八尺さん……)
男「すみません。部屋間違えました。ごゆっくり~」そっ閉じ

八尺様「ちょ違います、違います! 男さーん!!」バタバタバタバタっ

少女霊「あの、ちょっと、誤解を解きたい気持ちは分かる、すんごく分かる。今世界で一番のあんたの理解者は私だよ! だからちょっと、痛い痛い痛い痛い痛い!! 頭掴むなってぇぇぇ!」

89: 2015/04/19(日)21:20:44
八尺様「持ち直してる暇なんてないです、一刻も早く誤解を解かなければ」
 玄関に向かって走る八尺様。ドタドタドタっ

少女霊「スピード速すぎ、ちょっストップストップ!!言ってなかったけ!? 私ここの地縛霊なんだって! だからぶつかっ  グォァあ!!」
玄関でドォズズズズン!!

八尺様「あなた何してるのよ、見えない壁にぶつかるとかバカですか!!」尻餅ドスンっ

少女霊「だ、だから地縛霊だからこの部屋から出られないのよ痛てててっ。だから私にかまわず先に行け」

91: 2015/04/19(日)21:22:23
八尺様「そうは行きません。あなたにもしっかり男さんの前でワタシが潔白であることを証明して貰います! こういうものは愛の力でどうにでもなるのですっ」ガシっ

少女霊「おい! 尺八ぃぃ!!」

八尺様「八尺です。ぽぽぽ、なんですか?」

少女霊「私を脇に抱えてどうするつもりだか簡潔に説明しろ」

八尺様「えっ? あ、あの、丸太とかでこうやって扉をぶち破るシーンとか知りませんか? ぽぽ」

少女霊「知ってるけど…………」汗 だらだら

八尺様「なら説明は要りませんね」

92: 2015/04/19(日)21:24:04
少女霊「おい巻尺」

八尺様「八尺です。さあ頭に霊力を集中してください。ワタシがその上からさらに妖力でコーティングして一気に突き抜けますよ」

少女霊「わ、分かった! んな訳あるかぁぁあああ!! イヤだー離せー氏んじゃう、氏んでしまう!! このメンヘラショタコン離せぇぇぇええええ!!」

八尺様「…………実際のところあわよくばこれであなたが消滅してもいいかなぁ~って思ってます」

少女霊「本音ぶちまけやがったこのアマっ!!」

八尺様「さあ行きますよぉ。1、2の3!」

少女霊「いやゃあぁぁぁぁああああああああああぁぁあああ!! いつか呪い頃してやるうぅぅぅぅううう!!」

男「ごめん、さっきのは何かの間違いだよねぇ。あははははっ」ひょこっ
 「え?」

八尺様「えっ? 止められない ぎゃああぁぁああああああああ男さぁぁぁぁん避けてぇぇぇぇええええ!!」バァァァリィィン!! ドォスン

少女霊「な、なんでこのタイミングで出てくるのよぉおおぉおおおおおお!!」

男「ヒフゴグアギャャャ!?」ドォ゛ズズズズスズズズッッッッン!!



93: 2015/04/19(日)21:26:25
少女霊「痛ってててててっ、い、生きてるって素晴らしい…… 氏んでるけど。って部屋の外に出られてる!? って。おーい男! あんたも生きてる!?」胸倉掴んでブンブンブン! 

男「う、う~ん×○△※●△□~」ぐわんぐわんっ

少女霊「うぉっつ、触れてる!?」ぱっ ドサっ

男「ぐぅ、げぇ」ドスンっ

八尺様「男さーん、どこですか。八尺はここですよー!!? 男さーんどぉこー!?」もぞもぞ

少女霊「氏にかけたぞこのぉショタコンアマ――ん?(ワタシの目の前に白い布切れがもぞもぞと動いていた)」

八尺様「なんですかこれ? 前が見えないのですけど」

少女霊「…………」白い布 すっ

94: 2015/04/19(日)21:27:41
八尺様「ぷはっ !? きょ、巨人!? 目算4メートル級!?」

少女霊「誰が巨人よ!? あんたがちっちゃくなってんのよ!!」

八尺ちゃん「いったいこれはどういう――」
     
少女霊『ボキボキボキ』
   「きっと神様からのプレゼントだよ」ニコリ
    「よくも酷い目に遭わせてくれたわね」にっこり

八尺ちゃん「ぽぽ、ちょっと待っタイムタイムです」

少女霊「問答無用!!」

八尺ちゃん「きゃぁあああああぁぁああああ!!」


95: 2015/04/19(日)21:30:10
数時間後~
男「すう~すう」……zzzzZ

少女霊「呪詛返し?」

八尺ちゃん「ぽぽっ。厳密には違うでしょうけど、たぶんそんな感じでしょうね。男さんに掛けられていた呪いが、少女霊さん妖力コーティングモードでぶつかった結果ワタシのところに跳ね返ってきた」

八尺ちゃん「こんなちんちくりんな姿になるまで妖力が封じられるということは、男さんに掛けられていた呪いも同様な効果、おそらく霊力を封じる類のモノだったと推測できます。他にも変な感覚を覚えますので
もしかしたら他の効果もあったのかも知れません、何か見に覚えはありませんか? ぽぽ」

少女霊「もしかして――」

96: 2015/04/19(日)21:31:09
男「霊力を封じられることと、どうやら怪異現象を怪異現象と認識できなくなる呪いを掛けられてたみたいだよ」

八尺ちゃん「ぽぽぽっ男さん気がついたんですね!! すみません少女霊さんの頭突きのせいで怪我を負ってしまったんですけど大丈夫ですか? 」

少女霊「おいこらっ」ビュっ

八尺ちゃん「痛いです」ガツンっ

男「お腹痛いけどね、まあ大丈夫だよ」

八尺ちゃん「それにしてもいったい誰がそんなことを」

男「それはまぁとりあえずおいといてと――少女霊ちゃんどうやらきみに言っておかねばならないことがある」

97: 2015/04/19(日)21:32:34
少女霊「ま、まったくですよ」スタっ
立ち上がった少女霊は寝ている男見下しながら、
少女霊「てっきり私は頭の悪いアンポンタンかと思って絶対呪い頃してやろうと思ってましたが、呪われてたんなら仕方ありませんね今回だけは許してやる」

男「それはそうと少女霊ちゃん。そろそろパンツ姿も見てみたいな」

少女霊「えっ?」
 部屋の隅に水色の布着れが落ちている。

少女霊「きゃあああぁぁぁあああ!!」びゅびゅっ スカスカっ

男「危ない危ないぁ、怪我人相手に拳を振るわないでくれよ」

98: 2015/04/19(日)21:33:50
少女霊「避けるなコラぁ! やっと殴れるようになったんだ。今までの分も殴らせろやぁぁあああ!!」

男「そんな女の子がはしたなく、スカートをなびかせていいのかな?」

八尺ちゃん「ぽぽぽっ。どうやら私が妖力コーティングしたせいで物理的干渉が今までよりも長い時間できるようになったみたいですね――あっ」たらっ
「さっき殴られたせいで鼻血がまた出てきてしまいました。あっ、ちょうどいいハンカチが」チーンっ

少女霊「このイソギンチャク! 鼻血付けるなそれ私のパンツぅぅぅ!!」

八尺ちゃん「八尺です。ぽぽっ。あっどおりで臭いと思いました」

少女霊「こんなの穿けないじゃない!!」

男「大丈夫だよ。僕はあの日だと思うようにするから、僕の目は気にせず穿いていいよ」

少女霊「あんた本当はバカなの!? それとも狙ってやってんの!?」

男「?」

99: 2015/04/19(日)21:34:53
今回の一件で晴れて私は地縛霊から浮遊霊へとクラスチェンジを果たし殴れるようになった私と、呪いが解け私のことを常時認識できるようになった男とで改めて共同生活がスタートしました。
そこへさらに幼女となった八尺が住み憑くことになり、どうやってこいつらから家賃を搾取するか現在我策中です。いつか絶対にこいつらを追い出してやろう改めて決心したところで、
今日の物語はこれにて終わりにします。
さよならドロンっ


101: 2015/04/19(日)21:47:03
いやいや、面白かった
また気が向いたら書いてくれ

引用元: SS 男「この部屋で新生活の始まりだ」少女霊「す゛く゛に゛追い゛出し゛て゛や゛る゛」